(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6110400
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】ケージを備えたスラムシャット安全装置
(51)【国際特許分類】
F16K 17/32 20060101AFI20170327BHJP
【FI】
F16K17/32
【請求項の数】20
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-544874(P2014-544874)
(86)(22)【出願日】2012年11月29日
(65)【公表番号】特表2015-500446(P2015-500446A)
(43)【公表日】2015年1月5日
(86)【国際出願番号】US2012067018
(87)【国際公開番号】WO2013082258
(87)【国際公開日】20130606
【審査請求日】2015年10月5日
(31)【優先権主張番号】61/565,240
(32)【優先日】2011年11月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510279033
【氏名又は名称】エマーソン プロセス マネージメント レギュレーター テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098914
【弁理士】
【氏名又は名称】岡島 伸行
(72)【発明者】
【氏名】グゥエン, トゥン, キム
(72)【発明者】
【氏名】フォーネル ギローメ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドルーブラド ロマン
【審査官】
加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−525261(JP,A)
【文献】
特表2011−527778(JP,A)
【文献】
米国特許第04245667(US,A)
【文献】
特開2005−054918(JP,A)
【文献】
実開昭62−081767(JP,U)
【文献】
実公昭02−012395(JP,Y1)
【文献】
米国特許第02143399(US,A)
【文献】
特表2004−526111(JP,A)
【文献】
米国特許第04134421(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 17/00−17/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラムシャット安全装置であって、
入口、出口を有し、前記入口および前記出口をつなぐ流路を画定し、前記入口と前記出口の間に配置されたオリフィスを取り囲むバルブシートを含むバルブ本体と、
前記バルブ本体内に配置され、前記バルブシートから離間している開いた第1の位置、および前記バルブシートに対して密着している閉じた第2の位置の間を移動可能であるバルブディスクと、
前記バルブディスクに動作可能なように連結され、前記バルブ本体に対し、前記バルブディスクを前記開いた第1の位置に置く非遮断位置、および前記バルブディスクを前記閉じた第2の位置に置く遮断位置の間で移動可能であり、アクチュエータに呼応して前記非遮断位置から前記遮断位置の方向に動かされるように配置されたリセットピンと、
前記バルブ本体内に取り付けられて前記流路中に配置され、前記バルブディスクを摺動自在に収納する大きさに作られたケージとを含み、
前記ケージが複数の流通開口部を含む、スラムシャット安全装置。
【請求項2】
前記バルブ本体内に配置されたばねを含み、
前記ばねは、前記バルブディスクに動作可能なように連結され、前記バルブディスクを前記閉じた第2の位置の側に付勢するように配置されている、請求項1に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項3】
前記ケージは円柱状であって、前記バルブシート近傍に取り付けられた第1の末端部、および前記バルブシートから離間した第2の末端部を含み、
前記バルブディスクが前記開いた第1の位置にある場合、前記バルブディスクは、軸線に沿い前記複数の流通開口部を過ぎて、前記ケージにより形成された凹部中に格納されている、請求項1または2に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項4】
前記バルブディスクは軸線に沿って移動し、
前記ケージは円柱状であって、前記バルブディスクの前記軸線と平行に延びる複数の長手方向のガイドを含み、
前記複数の流通開口部のそれぞれは前記長手方向のガイドにより外縁が定められている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項5】
前記ケージは円柱状であり、
前記複数の流通開口部のそれぞれは前記ケージの円周に沿って部分的に延びている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記ケージは、前記第1の末端部および前記第2の末端部の間の前記軸線に沿って平行に延びる溝を含む、請求項3に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項7】
前記複数の流通開口部のそれぞれは前記ケージの円周に沿って部分的に延び、
前記複数の流通開口部のそれぞれは、前記ケージの前記第1の末端部に向けて配置されかつ円周方向に延びる第1の縁端部、前記ケージの前記第2の末端部に向けて配置されかつ円周方向に延びる第2の縁端部、および前記軸線と平行に延びる一対の側端部により外縁が定められている、請求項3または6に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項8】
前記凹部は、前記円周方向に延びる前記第2の縁端部から離間し、前記ケージの前記第2の末端部に隣接している、請求項7に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項9】
スラムシャット安全装置であって、
入口、出口を有し、前記入口および前記出口の間をつなぐ流路を画定し、オリフィスを取り囲みかつ前記入口および前記出口の間に配置されたバルブシートを含むバルブ本体と、
前記バルブ本体内に配置され、前記バルブシートから離間している開いた第1の位置、および前記バルブシートに対して密着している閉じた第2の位置の間で移動可能なバルブディスクと、
前記バルブディスクに動作可能なように連結され、前記バルブ本体に対し、前記バルブディスクを前記開いた第1の位置に置く非遮断位置、および前記バルブディスクを前記閉じた第2の位置に置く遮断位置の間で移動でき、アクチュエータに呼応して前記非遮断位置から前記遮断位置に動かされるように配置されているリセットピンと、
前記バルブ本体内に取り付けられて前記流路中に配置され、複数の流通開口部を有しかつ前記バルブディスクを摺動自在に収容する大きさに作られている円柱状ケージと
を含み、
前記円柱状ケージは、前記バルブシートに隣接して取り付けられた第1の末端部および前記バルブシートから離間した第2の末端部を有し、
前記円柱状ケージは、前記円柱状ケージの前記第2の末端部に隣接して配置されかつ前記複数の流通開口部から離間した円柱状凹部を形成する大きさに作られており、
前記バルブディスクが前記開いた第1の位置内にある場合、前記円柱状凹部は前記バルブディスクを収容する大きさに作られている、スラムシャット安全装置。
【請求項10】
前記バルブ本体内に配置されたばねを含み、
前記ばねは前記バルブディスクに動作可能なように連結され、前記バルブディスクを前記閉じた第2の位置の側に付勢するように配置されている、請求項9に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項11】
前記バルブディスクは軸線に沿って移動し、
前記円柱状ケージは前記バルブディスクの前記軸線に平行に延びる複数の長手方向のガイドを含み、
前記複数の流通開口部のそれぞれは前記長手方向のガイドにより外縁が定められている、請求項9または10に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項12】
前記複数の流通開口部のそれぞれは、前記円柱状ケージの円周に沿って部分的に延び、
前記円柱状ケージは、前記第1の末端部および前記第2の末端部の間の前記軸線と平行に延びる溝を含む、請求項11に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項13】
前記複数の流通開口部のそれぞれは、前記円柱状ケージの前記第1の末端部に向けて配置されかつ第1の円周方向に延びる縁端部、前記円柱状ケージの前記第2の末端部に向けて配置されかつ第2の円周方向に延びる縁端部、および前記軸線と平行に延びる一対の側端部により外縁が定められている、請求項11または12に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項14】
前記円柱状凹部は、前記第2の円周方向に延びる前記縁端部から離間している、請求項13に記載のスラムシャット安全装置。
【請求項15】
スラムシャット安全装置を組み立てる方法であって、
入口、出口を有し、前記入口および前記出口をつなぐ流路を画定するバルブ本体を提供することと、
前記バルブ本体内の前記入口および前記出口の間に配置されるオリフィスを取り囲むバルブシートを前記バルブ本体内に取り付けることと、
前記バルブシートから離間している開いた第1の位置、および前記バルブシートに対して密着している閉じた第2の位置の間で移動するように前記バルブ本体内に適合する大きさに作られたバルブディスクを前記バルブ本体内に配置することと、
前記バルブ本体に対して前記バルブディスクを前記開いた第1の位置に置く非遮断位置、および前記バルブディスクを前記閉じた第2の位置に置く遮断位置の間で移動するように、前記バルブディスクに動作可能に連結されたリセットピンを配置する一方、アクチュエータに呼応して前記リセットピンを前記非遮断位置から前記遮断位置に移動させるように配置することと、
複数の流通開口部を備えかつ前記バルブディスクが摺動自在に収容される大きさの円柱状ケージを前記バルブ本体内に取付ける一方、前記流路中に配置することと、
前記円柱状ケージの第1の末端部が前記バルブシートに隣接して取り付けられ、且つ前記円柱状ケージの第2の末端部が前記バルブシートから離間するように前記円柱状ケージを前記バルブ本体内に配置することと、
前記円柱状ケージの前記第2の末端部に隣接しかつ前記複数の流通開口部から離間した円柱状凹部を、前記バルブディスクが前記開いた第1の位置にある場合に該バルブディスクを収容できる大きさにて前記円柱状ケージ中に作ることと、
を含むスラムシャット安全装置の組立方法。
【請求項16】
前記円柱状ケージ中に複数のガイド部を形成すること、および前記ガイド部を前記バルブディスクの軸線と平行に延びる方向に向けて、前記ガイド部のそれぞれが前記複数の流通開口部の少なくとも1つの外縁を定めることを含む、請求項15に記載のスラムシャット安全装置の組立方法。
【請求項17】
平坦かつ直線構成の金属ブランクを提供すること、前記金属ブランク中に前記複数の流通開口部を形成すること、および前記金属ブランクを前記円柱状ケージに成形することを含む、請求項15または16に記載のスラムシャット安全装置の組立方法。
【請求項18】
前記金属ブランクを前記円柱状ケージに成形するときに、前記金属ブランクの縁端部の間に一定のギャップを残すことで、前記円柱状ケージ中に長手方向の溝を形成することを含む、請求項17に記載のスラムシャット安全装置の組立方法。
【請求項19】
前記金属ブランクを前記円柱状ケージに成形するときに、前記複数の流通開口部が前記円柱状ケージの円周に沿って部分的に延びるように、前記複数の流通開口部を前記金属ブランクに形成することを含む、請求項17または18に記載のスラムシャット安全装置の組立方法。
【請求項20】
前記バルブディスクが前記円柱状凹部に配置される場合に、前記バルブディスクが前記流通開口部から一定の距離だけ離れるように、前記円柱状ケージおよび前記流通開口部を作ることを含む、請求項15〜19のいずれか1項に記載のスラムシャット安全装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ガス供給システム用のスラムシャット安全装置に関し、さらに具体的には、スラムシャット安全装置のバルブディスクを取り囲むケージを備えたスラムシャット安全装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスを供給するために使われるシステムなどのガス供給システムは、通常、一連の配管を経由して、一連のバルブを通って製造者から消費者にガスを輸送する。それぞれのガス供給システムは、供給システム内のガスの圧力を制御する1つまたは複数の調整バルブを含むことができる。通常、ガスは、システム中を高圧で送られる。しかし、ガスの圧力は、消費者への最終供給の前に下げなければならない。この減圧は、通常、地域供給網内の減圧所で行われる。
【0003】
典型的な例では、これらの減圧所は、圧力調整バルブの万一の故障に備え、1つまたは複数の圧力調整バルブおよびガス流を止める何らかの安全装置を含む。
大抵の場合、この目的に、スラムシャット安全
装置が使われる。例えば、米国特許第4,134,421号(参照によって組み込まれる)は、配管系に過剰圧保護を提供するスラムシャット安全
装置を開示している。米国特許第8,225,812号(この特許も参照によって本明細書に組み込まれる)では、スラムシャット安全
装置の別の例が開示されている。スラムシャット安全
装置は、通常、圧力調整バルブの上流に配置され、これにより、スラムシャットバルブは、万一圧力調整バルブが故障した場合に、ガスが圧力調整バルブに到達するのを防ぐことができる。スラムシャット安全
装置は、圧力調整バルブ下流のガス圧の最大および最小圧力許容度を監視する。下流圧力が最大または最小許容度を越える場合は、スラムシャット安全
装置が閉じ、圧力調整バルブへのガス流を止め、圧力調整バルブの故障による無制御ガス漏出を防ぐ。
【0004】
既知のスラムシャット安全
装置は、過剰圧または過小圧状態を検知するとバルブシートの近傍にあるバルブオリフィスを閉じるバルブディスクを備える。バルブディスクは、リセットピンに連結され、リセットピンは、過剰圧または過小圧状態を検知するアクチュエータに取り付けられる。リセットピンは、通常、開または非遮断位置にあり、この場合、バルブディスクをバルブシートから離して開位置に配置する。万一アクチュエータが遮断すべき状態を検知した場合、アクチュエータは、リセットピンを解除し、バルブディスクがバルブシートに対し閉位置に移動する。
【0005】
従来のスラムシャット装置では、バルブディスクは、流体流に露出されている。さらに、比較的高流量状態などの特定の流動状態では、バルブディスクに加わる吸引力が、スラムシャット装置の機能を妨害する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
スラムシャット安全装置は、バルブ本体を含み、バルブ本体は、入口、出口を有し、入口と出口の間をつなぐ流路を画定する。また、バルブ本体は、入口と出口の間に配置されたオリフィス
を取り囲むバルブシートを含む。バルブディスクが提供され、バルブディスク
はバルブ本体内に配置され、バルブディスクがバルブシートから離間している開いた第1の位置、およびバルブディスクがバルブシートに密着している閉じた第2の位置の間で移動できる。リセットピンは
、バルブディスクに
動作可能なように連結されて、バルブ本体に対し、バルブディスクを開いた第1の位置に置く非遮断位置、およびバルブディスクを閉じた第2の位置に置く遮断位置の間を移動できる。リセットピンは、アクチュエータに応答して、リセットピンを非遮断位置から遮断位置の方に移動させるように配置される。ケージは、バルブ本体内に取り付けられ
て流路に配置され、ケージは、バルブディスク
が摺動自在に収容される大きさに作られ
ている。ケージは、複数の流通開口部を含む。
【0007】
1つまたは複数の好ましい態様では、
スラムシャット安全装置は、バルブ本体内に配置されたばねを含み、ばねは
、バルブディスクに
動作可能なように連結され、バルブディスクを閉じた第2の位置に付勢するように配置されている。ケージは、好ましくは、円柱状で
あって、バルブシートの近傍に取り付けられた第1の末端部、およびバルブシートから離間した第2の末端部を含み、バルブディスクが開いた第1の位置にある場合、バルブディスクは、
その軸線に沿い複数の
流通開口部を
過ぎて、ケージにより形成された凹部に格納
される。バルブディスクは、好ましくは、軸
線に沿って移動でき、ケージは円柱状で、バルブディスクの軸
線と平行に延びる複数の長
手方向のガイドを備え、複数の
流通開口部のそれぞれは、長
手方向のガイドにより外縁が定められ
ている。複数の
流通開口部のそれぞれは、ケージの
円周に沿って少なくとも部分的に
延びて
いてもよい。さらに、ケージは、第1の末端部および第2の末端部の間の軸
線と平行に
延びる溝を含んで
いてもよい。
【0008】
複数の
流通開口部のそれぞれは、ケージの
円周に沿って部分的に
延びて
いてもよく、複数の
流通開口部のそれぞれは、ケージの第1の末端部に向かって配置され
かつ周方向に
延びる第1の縁端部、ケージの第2の末端部に向かって配置され
かつ周方向に
延びる第2の縁端部、および軸
線と平行に
延びる一対の側端部により外縁が定められ
ている。凹部は、第2の周方向に
延びる縁端部から離間し、ケージの第2の末端部に隣接して
いる。
【0009】
別の代表的形態では、スラムシャット安全装置は、入口と出口を有し、入口と出口の間をつなぐ流路を画定するバルブ本体を含み、また、バルブ本体は、入口と出口の間に配置されたオリフィスを取り囲むバルブシートを含むことができる。バルブディスクは、バルブ本体内に配置され、バルブディスクがバルブシートから離間している開いた第1の位置、およびバルブディスクがバルブシートに密着している閉じた第2の位置の間を移動できる。リセットピンは
、バルブディスクに
動作可能なように連結され、バルブ本体に対し、バルブディスクを開いた第1の位置に置く非遮断位置、およびバルブディスクを閉じた第2の位置に置く遮断位置の間を移動でき
る。リセットピンは、アクチュエータに呼応してリセットピンを非遮断位置から遮断位置の方に動かすように配置される。円柱状ケージは、バルブ本体内に取り付けられ
て流路内に配置され、
円柱状ケージは、複数の流通開口部を含む。
円柱状ケージは、バルブディスク
が摺動自在収納される大きさに作られる。
円柱状ケージは、バルブシートに隣接して取り付けられた第1の末端部、およびバルブシートから離間した第2の末端部を含
む。円柱状ケージは、
該円柱状ケージの第2の末端部に隣接し、流通開口部から離間した円柱状凹部を形成する大きさに作られ
ている。円柱状凹部は、バルブディスクが開いた第1の位置にある場合に、バルブディスクを収容できる大きさに作られ
ている。
【0010】
別の態様では、スラムシャット安全装置を組み立てる
組立方法は、入口、出口を有し、入口と出口をつなぐ流路を画定するバルブ本体を提供するステップ、バルブ本体内
にて入口と出口の間に配置されるオリフィスを取り囲むバルブシートをバルブ本体中に取り付けるステップ、およ
びバルブシートから離間している開いた第1の位置、およ
びバルブシートに対し密着した閉じた第2の位置の間で移動するように
バルブ本体内に適合する大きさに作られたバルブディスをバルブ本体内に配置するステップを含む。
組立方法は
、バルブディスクに
動作可能なようにリセットピンを連結するステップ、およ
びバルブ本体に対し、バルブディスクを開いた第1の位置に置く非遮断位置、およびバルブディスクを閉じた第2の位置に置く遮断位置の間で
リセットピンを移動するように配置するステップを含み、リセットピンは、アクチュエータに応答してリセットピンを非遮断位置から遮断位置の方向に移動させるように配置され
ている。
組立方法は、円柱状ケージをバルブ本体内に取り付け
る一方、流路に置くステップ、
円柱状ケージに複数の流通開口部を提供するステップ、および
円柱状ケージ
をバルブディスク
が摺動自在に収容される大きさに作るステップをさらに含む。さらに、
組立方法は、
円柱状ケージをバルブ本体内に配置し
て、円柱状ケージの第1の末端部をバルブシートに隣接して取り付け、
円柱状ケージ
の第2の末端部をバルブシートから離間させるステップ、および
円柱状ケージの第2の末端部に隣接し
かつ流通開口部から離間した
円柱状凹部を、バルブディスクが開いた第1の位置にある場合にバルブディスクを収容できる大きさ
にて円柱状ゲージ中に作るステッ
プを含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】先行技術のスラムシャット安全
装置の断面図で
あって、閉じた位置にあるバルブディスクを示す
断面図である。
【
図2】
図1のスラムシャット安全
装置の部分拡大斜視図で
あって、開いた位置にあるバルブディスクを示す
部分拡大斜視図である。
【
図3】本発明の開示例の教示に従って組み立て
られかつバルブディスクの周り
にケージ
が組み込
まれたスラムシャット安全
装置の断面図で
あって、閉じた位置にあるバルブディスクを示す
断面図である。
【
図4】
図3のスラムシャット安全
装置の部分拡大斜視図で
あって、開いた位置にあるバルブディスクを示す
部分拡大斜視図である。
【
図5】
図3のスラムシャット安全
装置中で使用され
るケージの拡大斜視図である。
【
図6】
ケージ内に配置されたバルブディスクを示す拡大部分斜視図である。
【
図9】金属ブランクを
図5の形状にする前の開口部を有
した金属ブランクの平面図である。
【
図10】開いた位置にある
図3の
安全装置の拡大部分断面図である。
【
図11】閉じた位置にある
図3の
安全装置の拡大部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで図に戻ると、
図1と2は、既知のスラムシャット安全装置10の一例を示す。スラムシャット安全装置10は、ガス供給システムの主調整器(図示せず)に取り付けて、主調整器故障の場合の安全遮断機能を提供できる。スラムシャット安全装置10は、バルブ部11、スラムシャット部13、およびアクチュエータ15を含む。バルブ部11は、流路18を形成する流体通路により連結された流体入口14、および流体出口16を有するバルブ本体12を含む。バルブシート20は、バルブ本体12内に配置され、流路18の一部を形成する流動オリフィス21を画定する。従って、スラムシャット安全装置10を通過する流体は、流体入口14からバルブシート20(およびバルブシート20により形成される流動オリフィス21)を含む流路18を通って流体出口16へと流れる。
【0013】
スラムシャット部13は、主調整器の下流で過剰圧または過小圧状態が検知されると、バルブシート20と協調してスラムシャット安全装置10を通る流体流を制限するバルブディスク22を含む。バルブディスク22は、バルブ本体12内でバルブシート20の方向に摺動して流
動オリフィス21を閉じ、また、バルブシート20から離れる方向に摺動して流
動オリフィス21を開く。通常、アクチュエータ15は、1つまたは複数のばね28を収容するハウジング26を含み、ばね28は、通常、ダイヤフラム30に連結されている。ダイヤフラム30は、アクチュエータ15内の圧力変化に感受性が高く、圧力変化に呼応してアクチュエータハウジング26内で動く。ダイヤフラム30は、バックプレート32に連結され、これは、ダイヤフラム30と連動してハウジング26内で長
手方向に動く。バックプレート32は、カム34と交互作用し、リセットピン36を係合、または
解放する。リセットピン36は、バルブディスク22が流動オリフィス21を開く開位置でバルブシート20から離間した格納または非遮断位置、およびバルブディスク22が流動オリフィス21を閉じる閉位置でバルブシート20に対し、密着している遮断位置の間で、バルブ本体12に対し、軸
線Aに沿って移動可能である。
【0014】
スラムシャット部
13は、バルブディスク22を閉位置の方付勢する作用をするばね37または他の適切なバイアス機構を含む。従って、リセットピン36は、アクチュエータ15が過剰圧状態または過小圧状態を検知する場合、非遮断位置および遮断位置の間で移動可能である。アクチュエータ15は、カム34に対しリセットピン36を解放させ、その結果、ばね37は、リセットピン36
、つまり、バルブディスク22
をバルブシート20の方に摺動させ、最終的に、バルブディスク22とバルブシート20を接触させ
て、流動オリフィス21を閉じ、流路18を通る流体流を遮断する。
図2は、スラムシャット安全装置10のスラムシャット部13の拡大図を示す。リセットピン36は、バルブディスク22に取り付けられ
た状態で示されており、リセットピン36は、バルブディスク22がバルブシート20から離間している開位置の非遮断位置に配置され
ている。非遮断位置に配置される場合、リセットピン36はカム34または他の適切なラッチ機構により適所に保持され、それにより、バルブディスク22がバルブシート20から離間した待機位置または非遮断位置
にて、カム34
がリセットピン36を解放可
能に保持できることは、当業者には、容易に理解されよう。カム34がアクチュエータ15により作動される場合、カム34は、リセットピン36を解放し、バルブディスク22は、バルブシート20の方向に摺動するか、または別の方法で移動し
て、スラムシャット安全装置10を閉じ、流路18を通る流体流を停止させる。
【0015】
ここで
図3と4を参照すると、本発明の教示に従い組み立てられたスラムシャット安全装置が示され、
該安全装置は参照数字110で参照されている。スラムシャット安全装置110は、
図1と2に関し
て考察
したスラムシャット安全装置10に類似の部分もあり、従って、同じか、または類似の要素
の参照数字は、
対応する参照数字
を100だけ増や
している。再度述べるが、スラムシャット安全装置110は、ガス供給システムの主調整器(図示せず)に取り付けられ、主調整器故障の場合に、安全遮断機能を提供できる。
図3に示すように、スラムシャット安全装置110は、バルブ部111、スラムシャット部113、およびアクチュエータ115を含む。バルブ部111は、流体入口114と流体出口116を有するバルブ本体112を含み、入口114と出口116は、流路118を形成する流体通路により連結されている。
図3と4に示すように、バルブシート120は、バルブ本体112内に配置され、流路118の一部を形成する流動オリフィス121を画定する。従って、スラムシャット安全装置110を通って流れる流体は、流体入口114から、バルブシート120(およびバルブシート120により形成された流動オリフィス121)を含む流路118を通って、流体出口116に流れる。スラムシャット安全装置110は、バルブ本体112に取り付けられ、流路118に配置されたケージ140を含む。以下でさらに詳細に考察されるように、ケージ140は、バルブディスク122を収容する大きさおよび形状に作られている。
【0016】
バルブディスク122は円形であるのが好ましく、従って、ケージ140は、ほぼ円柱状であるのが好ましく、また、軸
線Bを画定するのが好ましい。本明細書で概説したように、ケージ140がバルブ本体112内に配置される場合、軸
線Bは、リセットピン136の軸
線Aにほぼ平行に配置される。またさらに、軸
線Aと軸
線Bは、相互に、ほぼ同軸に整列される。ケージ140は、少なくとも1つの流通開口部142または複数の流通開口部142を含む。以下でさらに詳細に考察される
図4の例では、ケージ140は、複数の流通開口部142a、142b、142c、および142dを含む。
図4の断面では一対の流通開口部のみが見えているが、全ての流通開口部は、例えば、
図5〜9でさらに詳細に示される。
【0017】
図1と2の例と同様に、スラムシャット部113は、主調整器の下流で過剰圧または過小圧状態が検知されると、バルブシート120と協調して、スラムシャット安全装置110を通る流体流を制限するバルブディスク122を含む。バルブディスク122は、バルブ本体112内で、バルブシート120の方向に移動して流
動オリフィス121を閉じ、またさらに、バルブシート20から離れる方向に動き、流
動オリフィス121を開く。通常、アクチュエータ115は、1つまたは複数のばね128を収容するハウジング126を含み、ばね128は、通常、ダイヤフラム130に連結される。ダイヤフラム130は、アクチュエータ115内の圧力変化に感受性が高く、アクチュエータ
115のハウジング126内で
の圧力変化に呼応して動く。ダイヤフラム130は、バックプレート132に連結され、これは、ハウジング126内でダイヤフラム130に連動して長
手方向に動く。バックプレート132は、カム134と相互作用してリセットピン136を係合、または
解放する。リセットピン136は、バルブ本体112に対し、バルブディスク122がバルブシート120から間隙を置いて離れて流動オリフィス121を開く開位置
にてバルブディスク122を格納
する位置、つまり非遮断位置、およびバルブディスク122がバルブシート120に密着して流動オリフィス121を閉じる閉位置
での遮断位置の間で、軸
線Aに沿って移動可能である。スラムシャット部
113は、バルブディスク122を閉位置の方向に付勢する作用を
なすばね137または他の適切なバイアス機構を含む。従って、アクチュエータ115が過剰圧状態または過小圧状態を検知すると、リセットピン136は、非遮断位置および遮断位置の間を移動できる。アクチュエータ115は、カム134に対し、リセットピン136を解放させ、それにより、ばね137がリセットピン136
、つまり、バルブディスク122
をバルブシート120の方向に摺動させるか、または他の方法で移動させ、最終的に、バルブディスク122をバルブシート120と接触させ、その結果、流動オリフィス121を閉じ、流路118を通る流体流を遮断する。
【0018】
図4を参照すると、ケージ140が、バルブ本体112内に取り付けられ
た状態で示されている。具体的には、バルブ本体112は、収容領域144を含む。ケージ140は、バルブ本体112により形成された第1の収容領域148中に配置され、また、バルブシート120にほぼ隣接して配置された第1の末端部146を含む。また、ケージ140は
、バルブシート120から通常離れて配置され
た第2の末端部150を含み、該第2の末端部150はバルブ本体112によって同様に形成された第2の収容領域152中に配置され
ている。
図4では、バルブディスク122は、バルブシート120から離間している開位置で、ケージ140により形成された凹部154中に示されている。
図4の開位置では、バルブディスク122は
凹部154に格納され
、つまり、軸線B(軸線A)に沿い複数の
流通開口部142a〜142d(
図4では、
流通開口部142aと142bのみが見える)を
過ぎて、凹部154中に配置され
ている。
【0019】
図4と5に示すように、それぞれの
流通開口部142a〜142dは、ほぼ周方向に
延び、
流通開口部142a〜142dのそれぞれは、ケージ140の円周に沿って部分的に
延びるのが好ましい。
流通開口部142a〜142dのそれぞれは、ケージ140の第1の末端部146の方向にほぼ向くか、またはそれに隣接して配置された第1の縁端部156、また、ほぼケージ140の第2の末端部150に向けて配置された第2の縁端部158
を含む。また、
流通開口部142a〜142dのそれぞれは、対応する第1および第2の縁端部156、158の間で
延びる一対の側端部160、162を含む。第1および第2の縁端部156および158のそれぞれは、円柱状
のケージ140の周りでほぼ周方向に部分的に
延び(軸
線Bの周りに
延び)、一方、側端部160および162のそれぞれは、ケージ140の軸
線Bにほぼ平行な方向に
延びる。
【0020】
図5に示す例では、ケージ140は、第1の末端部146および第2の末端部150の間で、ケージ140の軸
線B
と平行
な方向に
延びる溝164を含む。以下でさらに詳細に説明されるように、溝164は、ケージ140の対向端164aおよび164bにより画定される。
図5に示すように、ケージ140は、また、複数の部分166を含み、これらのぞれぞれは、軸
線Bと平行な方向の長
手方向に
延び、それぞれは、少なくとも1つまたは一対の
流通開口部142a〜142dの側端部160、162により外縁が定められる。部分166のそれぞれは、幅168を含み、好ましくは、部分166は、
長手方向に
延びる
内側のガイド170を形成する。上で概説のように、バルブディスク122が開と閉位置の間で移動する場合に、ケージ140は、
そのガイド170
にてバルブディスク122をガイドす
る大きさに作られるのが好ましい。
【0021】
図4と6を参照すると、バルブディスク122がバルブシート120から離れて、凹部154中へ移動する場合、バルブディスク122の前面172は、隣接
した流通開口部142の第2の縁端部158から
距離174だけ離される。従って、開示例に従って組み立てられ
ていれば、バルブディスク122が凹部154中に配置される場合、ケージ140は、バルブディスク122を保護する作用を
なす。例えば、
流量が比較的
に多い状況(例えば、2000立方フィート/時間を越える流量)では、バルブディスク122に作用する吸引力は、スラムシャット
安全装置110の機能を妨害するのに十分なほど高い可能性がある。本明細書
の考察の例に従って組み立てられたケージ140は、好ましくは、吸引力を減らすか、または最小化するように作用する。またさらに、
流量が比較的
多い状況では、ケージ140により形成された凹部154は、バルブディスク122を保護する。このような利益は、流れがバルブディスク122の前面172に直接接触するのを防止すること、および/または流れがバルブディスク122の縁端部に直接接触することを防ぐことにより、実現できる。従って、本明細書で概説の教示に従って組み立てられたスラムシャット
安全装置110は、改善された性能、および/または改善された信頼性を示すことができる。これらおよび他の利益は、長
手方向に
延びるガイド170を備えることにより、さらに高めることができる。
【0022】
図7と8を参照すると、ケージ140の正面図(
図7)、および端面図(
図8)が示されている。
図8では、対向端164aと164bにより画定される溝164が示されている。開示例では、溝164は、ケージ140の円周
方向でみて約10°の角度C
に対応した開口を残す大きさに作られている。さらに、部分166のそれぞれは、ケージ140の円周
方向でみて約10°
に対応する長さだけ延びる大きさに作られ、一方、
流通開口部142a〜142dのそれぞれは、ケージ140の円周
方向でみて約75°
に対応する長さだけ延びる大きさに作られる。他の角度と寸法を選択することもできる。
【0023】
図9を参照すると、ケージ140
は、他の図で示されている円柱状形状に成形される前の平面配置で示されている。この構造では、
流通開口部142a〜142dのそれぞれは、
平坦なブランク180中に形成されたほぼ矩形の開口部と
して示されている。
流通開口部142a〜142dのそれぞれ
は、複数の丸みの付いたコーナー180a、180b、180cおよび180dを含むのが好ましい。
【0024】
1つの代表的な
組立方法では、開示
のスラムシャット安全装置110は、上で概説したように、入口、出口、入口と出口の間をつなぐ流路を含み、バルブ本体中に配置され、オリフィスの周り
にバルブシートを有するバルブ本体112により組み立てることができる。
組立方法は、バルブ本体内に適合する大きさに作られたバルブディスクを提供すること、およ
びバルブディスクがバルブシートから離間している開いた第1の位置、およびバルブディスクがバルブシートに密着している閉じた第2の位置の間で
バルブディスクを移動するように配置すること、を含む。
組立方法は、リセットピン136をバルブディスク122に動作可能なように連結すること、およ
びバルブ本体に対し、バルブディスクを開いた第1の位置に置く非遮断位置、およびバルブディスクを閉じた第2の位置に置く遮断位置の間
でリセットピン136を移動するように配置し、
かつ、アクチュエータに呼応して、非遮断位置から遮断位置の
方にリセットピンを移動させるように配置すること、をさらに含む。ケージ140は、バルブ本体112に取り付け
られて流路
内に配置
され、そして、ケージ140は、
流通開口部142を備え
、バルブディスク122
が摺動自在に収容
される大きさに作
られている。ケージ140は、バルブ本体内に配置され、ケージの第1の末端部146は、バルブシート120に隣接して取り付けられ、ケージ140の第2の末端部150は、バルブシート120から離間して配置される。円柱状
の凹部154は、ケージの第2の末端部150に隣接し
かつ流通開口部142から離間し
てケージ140中に形成され、円柱状
の凹部
154は、バルブディスク
122が開いた第1の位置にある場合にバルブディスク
122を収容する大きさに作られる。
【0025】
組立方法は、ケージ140中にガイド170を形成すること、およびガイド170をバルブディスク122の軸
線A
と平行に配置し、ガイド部のそれぞれが、複数の流通開口部142の内の少なくとも1つの外縁を定めることを含むのが好ましい。
組立方法
は、ステンレス鋼または他の適切な材料から作られていてもよい
直線構成の平坦なブランク180を提供すること、を含めてもよい。
流通開口部142a〜142dは、ブランク180が
平坦な構造である間に、
流通開口部がほぼ矩形に見えるように、ブランク180中
に形成されてもよい。その後、金属ブランク180は、巻き上げられるか、または他の方法で適切に処理されて円柱状
のケージ140
に形成される。
【0026】
金属ブランク180が円柱状
のケージ140へと形成される場合、対向端164aと164b
との間にギャップ170を確保することで、ケージ140に溝164を残すのがさらに好ましい。ケージ140が円柱状配置である場合、
流通開口部142a〜142dのそれぞれは、ケージ140の円周の回りに部分的に
延びる。
【0027】
図10と11を参照すると、スラムシャット
安全装置110の操作がさらに詳細に示されている。
図10では、リセットピン136
が非遮断または待機位置に格納され、従って、バルブディスク122
は開位置に配置
されている。開位置では、バルブディスク
122は、凹部154中に配置され、
流通開口部142a〜142dから距離174だけ離され
ている。
従って、ばね137
は圧縮され、バルブディスク122をバルブシート120の側に付勢する。リセットピン136、
つまり、バルブディスク122は、カム134によって示される位置に維持される。一方、
図11に示すように、カム134によるリセットピン136の解放
時、リセットピン136
はバルブディスク122と一緒に、ばね137の力によりそれぞれ
、軸
線に沿って移動する。従って、バルブディスク122
はバルブシート120と接触し、流動オリフィス121を最適に閉止する。
【0028】
特定の代表的実施形態および詳細を、本発明を例示する目的で示してきたが、本発明の範囲を逸脱することなく、本明細書で開示の方法および装置における種々の変更をなし得ることは、当業者には明らかであろう。