(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6110475
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】USBインターフェースと端末
(51)【国際特許分類】
G06F 1/18 20060101AFI20170327BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
G06F1/18 C
G06F1/16 312G
【請求項の数】9
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-506075(P2015-506075)
(86)(22)【出願日】2012年7月16日
(65)【公表番号】特表2015-515066(P2015-515066A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】CN2012078722
(87)【国際公開番号】WO2013155803
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2015年6月17日
(31)【優先権主張番号】201210116992.5
(32)【優先日】2012年4月19日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100093023
【弁理士】
【氏名又は名称】小塚 善高
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(72)【発明者】
【氏名】▲謝▼ ▲衛▼博
【審査官】
宮下 誠
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/054314(WO,A1)
【文献】
中国特許出願公開第102025856(CN,A)
【文献】
特開2010−158011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/18
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属素子に固定し接続されるUSBソケットと、
第1の回転軸を介して第2の金属素子に接続される前記第1の金属素子と、
端末印刷回路基板PCBのメインボードの接地面に電気的に接続される前記第2の金属素子と、を備え、
前記USBソケットを回転するとき、前記USBソケットにより前記第1の金属素子が、前記第1の回転軸を介し第1の所定角度を回転するように従動することを特徴とするUSBインターフェース。
【請求項2】
請求項1に記載のUSBインターフェースであって、前記第1の回転軸が金属素子である。
【請求項3】
請求項1に記載のUSBインターフェースであって、前記第1の所定角度は270°である。
【請求項4】
請求項1に記載のUSBインターフェースであって、前記接地面は、銅の光沢処理がされた銅塗布領域である。
【請求項5】
請求項1に記載のUSBインターフェースであって、第3の金属素子と第2の回転軸とをさらに備え、
前記第3の金属素子は、前記第1の金属素子と前記第2の金属素子との間に接続され、前記第3の金属素子と前記第1の金属素子とは第2の回転軸を介して接続され、前記USBソケットを回転するとき、前記USBソケットにより、前記第3の金属素子が、第2の回転軸を介し第2の所定角度を回転するように従動する。
【請求項6】
請求項5に記載のUSBインターフェースであって、前記第2の回転軸は金属素子である。
【請求項7】
請求項5に記載のUSBインターフェースであって、前記第2の所定角度は90°である。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のUSBインターフェースを備える端末。
【請求項9】
請求項8に記載の端末であって、前記USBインターフェースの第1の回転軸が端末印刷回路基板PCBメインボードに配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子通信分野に関し、具体的には、ユニバーサル・シリアル・バス(Universal Serial Bus、USBと略称)のインターフェースと端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通信技術の発展に伴い、無線ネットワークは広く用いられ、移動通信端末も大いに発展され、様々な移動通信端末が絶えず現れ、形状がそれぞれ異なり、体積もますます小さくなっている。設計において、印刷回路基板(Printed Circuit Board、PCBと略称)の地平面はアンテナの共振ユニットとするもので、長さは波長λの1/4以上である。従って、PCB地平面の長さが作業波長λの1/4未満である場合、即ち通信端末のアンテナの性能の低下を意味している。通常、PCBの地平面の長さの閾値はUSB通信端末の作業する最低周波数領域によって決められ、周波数が低いほど、必要とするPCBの地平面の長さが長い。
【0003】
伝統的な通信端末は無線データカードを主として、データカードのインターフェース方式は主にUSBインターフェースであり、ダイレクトインサートタイプ(Direct Insert)式のUSBインターフェースもあれば、回転式USBインターフェースもある。ダイレクトインサート式のUSBインターフェースを採用する場合、データカードがコンピュータのメインボードのUSBスロットに挿入すると、データカードPCBメインボードのグランドとコンピュータPCBメインボードのグランドとがUSBインターフェースを介してよく連通され、等地レベルの同一地平面とみなすことができ、端末のPCBサイズを拡大したことになり、端末製品が低い周波数におけるアンテナ指標を効果的に改善することができる。
【0004】
回転式なUSBインターフェースを採用する場合、現在同種類の製品はすべてUSBインターフェースにおける接地線でコンピュータのメインボードに接続しているが、接地線の断面積が小さいため、端末とコンピュータのメインボードとの間での地平面の優れた電気的連通を実現することができなく、端末が低い周波数領域で動作する場合、PCBの長さが限られている(動作波長λの1/4未満)ため、アンテナの特性が悪くなり、設定の要求に満足することができない。
図1は関連技術に係わる伝統的な回転式USBスロットとPCBとの間の接続方式を示す図である。
図1に示すように、USBインターフェース101は+5V、D+、D−、及びGNDという4本のデータケーブルを有し、その中の+5Vは端末に電気を供給するもので、D+とD−の2本はデータ通信を行い、GNDはグランド電流の回流経路を提供するものである。地平面とはGNDのみにより連通され、端末PCB103の長さが限定されているので、PCBのサイズだけでは、アンテナの低い周波数共振に必要とするだけのグランド長さに満足することができないので、このようなインターフェースの端末は、低い周波数におけるアンテナ性能が高い周波数における性能よりやや劣っている。
【0005】
回転式USBインターフェースのグランド接続に対して、接地線の他に金属プレートでUSBのケースに接続し、端末がノートパソコンに挿入される場合、PCBの地平面がUSBケースを介してノートパソコンのメインボードに連通し、等価的に端末製品のグランド長さを延長させ、アンテナの低い周波数における特性が高められている。
【0006】
しかし、このような方法では、金属プレートとPCBとの間は接触することによって、電気的連通が実現されているが、金属プレートとPCBとの接触先が酸化を発生する場合、アンテナの特性が低下し、両者の優れた接触を十分実現できなく、且つ量産するときの一致性も確保しにくい。
【0007】
関連技術における上記課題に対して、いままで効果的なソリューションが提出されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
関連技術において、端末のUSBインターフェースの実現する提案におけるアンテナの特性低下などの技術課題に対して、本発明は、少なくとも上記課題を解決するために、USBインターフェースと端末を提供している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例によると、第1の金属素子に固定し接続されるUSBソケットと、第1の回転軸を介して第2の金属素子に接続される前記第1の金属素子と、端末印刷回路基板(PCB)のメインボードの接地面に電気的に接続される前記第2の金属素子とを備え、前記USBソケットを回転するとき、前記USBソケットにより前記第1の金属素子が、前記第1の回転軸を介し第1の所定角度を回転するように従動するUSBインターフェースを提供する。
【0010】
上記第1の回転軸は金属素子である。
【0011】
上記第1の所定角度は270°である。
【0012】
上記接地面は銅の光沢処理がされた銅塗布領域である。
【0013】
上記USBインターフェースは、第3の金属素子と第2の回転軸とをさらに備え、前記第3の金属素子は、前記第1の金属素子と前記第2の金属素子との間に接続され、前記第3の金属素子と前記第1の金属素子とは第2の回転軸を介して接続され、前記USBソケットを回転するとき、前記USBソケットにより、前記第3の金属素子が、前記第2の回転軸を介し第2の所定角度を回転するように従動する。
【0014】
上記第2の回転部材は金属素子である。
【0015】
上記第2の所定角度は90°である。
【0016】
本発明のもう一つの実施例によると、以上に説明したUSBインターフェースを備える端末を提供する。
【0017】
上記USBインターフェースの第1の回転軸は端末印刷回路基板(PCB)のメインボードに配置されている。
【0018】
本発明によると、USBソケットを第1の金属素子に固定し接続して、また当該第1の金属素子が、第1の回転軸を介しコンピュータのメインボードの印刷回路基板PCBの接地面に電気的連結する第2の金属素子に接続する技術を採用することによって、関連技術において、端末のUSBインターフェースの実現方案におけるアンテナの特性低下などの問題が解決され、端末とコンピュータとの電気的連結が改善され、移動端末のアンテナ性能が高められている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
ここで説明する図面は本出願の一部として、本発明をさらに理解してもらうために提供するもので、本発明の例示的な実施例及びその説明は本発明を説明するもので、本発明に対する不適切な限定にならない。
【0020】
【
図1】関連技術における伝統的な回転USBソケットとPCBとの間の接続方式を示す図である。
【
図2】本発明の実施例に係るUSBインターフェースの構造を示す図である。
【
図3】本発明の好適な実施例に係るUSBインターフェースの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、実施例を結合して本発明を説明する。なお、矛盾がない場合、本出願の実施例及び実施例における特徴が互いに組み合わせることができる。
【0022】
図2は本発明の実施例に係わるUSBインターフェースの構造を示す図である。
図2に示すように、該USBインターフェースは、第1の金属素子203に固定し接続するUSBソケット201と、第1の回転軸205を介して第2の金属素子207に接続する第1の金属素子203と、端末PCBのメインボード30の接地面に電気的に接続される第2の金属素子とを備え、前記第1の回転軸205を回転するとき、前記USBソケット201により、前記第1の金属素子203が、前記第1の回転軸205を介し第1の所定角度を回転するように従動する。
【0023】
前記構造特徴により、第1の回転軸を採用するので、コンピュータのメインボードと端末PCBボートとの間の良好な電気的連通が実現され、等価的に端末PCBボードの長さが延長され、端末製品がPCBボードの長さが足りないことによるアンテナ性能の低下という問題が顕著に改善され、端末通信製品のアンテナ性能が効果的に改善される。
【0024】
より良い電気的連通性能が実現されるように、上記第1の回転軸205を金属素子にすることができる。
【0025】
上記第1の回転軸205は、実際の状況に応じて、例えば、270°、90°などのような所定の角度(第1の所定角度)に回転するように配置することができる。なお、上記回転軸の回転方向は上下方向及び/又は左右方向に配置することができる。
【0026】
第2の金属素子と端末のメインボードのPCBの接地面との電気的接触効果をより良くするために、本発明の好適な実施例において、上記PCB接地面は銅の光沢処理がされた銅塗布領域にすることができる。
【0027】
上記実施例におけるUSBインターフェースは実施するとき、以下のような処理手順により実現することができる。
【0028】
ステップ1について、USBソケットをある金属素子(即ち第1の金属素子)に固定し、当該金属素子と他方の金属素子(即ち第2の金属素子)との間には、金属回転軸(即ち第1の回転軸)により接続され、270°回転することができる。
【0029】
ステップ2について、金属素子とPCBのグランド銅とは良好な電気的連結を有し、圧接、半田、又は他の機械的な方法により固定される。
【0030】
上記第1の回転軸が上下/左右方向に回転するように配置される場合、USBインターフェースの左右/上下回転を、即ちUSBインターフェースの多方位の回転を実現するには、以下のような処理を採用することができる。
図3に示すように、上記USBインターフェースは、第3の金属素子301と第2の回転軸303を備え、前記第3の金属素子301は、前記第1の金属素子203と前記第2の金属素子207との間に接続され、前記第3の金属素子301と第1の金属素子203とは第2の回転軸303を介して接続され、前記USBソケット201を回転するとき、USBソケット201により第3の金属素子301が、第2の回転軸303を介し第2の所定角度を回転するように従動する。
【0031】
なお、上記第2の回転軸は、上下左右の各方位に回転するように配置してもよいし、360°の全方位に回転するように配置してもよい。
【0032】
第1の回転軸205と類似して、電気的連通性能をより良くするためには、上記第2の回転部材は金属素子にすることができる。
【0033】
上記第2の所定角度は実際の状況に応じて、例えば90°などのような所定の角度を配置することができる。
【0034】
上記実施例におけるUSBインターフェースは第2の回転軸を有する場合、以下の処理手順により実現することができる。
【0035】
ステップ1について、USBソケットをある金属素子203(即ち第1の金属素子)に固定し、当該金属素子203と他方の金属素子301(即ち第3の金属素子)との間には、金属回転軸303(即ち第2の回転軸)により接続され、+/−90°回転することができる。
【0036】
ステップ2について、金属素子301(即ち第3の金属素子)と他方の金属素子207(即ち第2の金属素子)との間には、金属回転軸205(即ち第1の回転軸)により接続され、+90°/−180°回転することができる。
【0037】
ステップ3について、上記2つの金属回転軸の共同作用により、360°回転することが実現できる。金属素子207とPCBのグランド銅とは良好な電気的連結を有し、圧接、半田、又は他の機械的な方法により固定される。
【0038】
上記実施例におけるUSBインターフェースが通常端末に適用されるため、本実施例は、上記USBインターフェースを備える端末を提供する。上記端末は移動通信端末又は無線データカードである。USBインターフェースの第1の回転軸が端末印刷回路基板PCBのメインボードに配置され、第1の回転軸とPCB地平面とは、圧接、半田、及びネジにより接続される。
【0039】
なお、上記各金属素子は、内部が空、又は充填物が充填されるものである。
【0040】
上記USBインターフェースを有する無線データカード又は端末がコンピュータに接続する際に、このような金属回転軸により、コンピュータのメインボードと端末PCBボートとの間の良好な電気的連通が実現され、等価的に端末PCBボードの長さが延長され、端末製品がPCBボードの長さが足りないことによるアンテナ性能の低下という問題が顕著に改善され、端末通信製品のアンテナ性能が効果的に改善され、特に端末製品の低い周波数におけるアンテナ性能が最大限に高められるとともに、製品の製造する際の一致性及び信頼性が向上され、端末通信製品の品質が上昇され、さらにコンピュータのメインボードにより通信端末の動作温度が低減することができる。
【0041】
以上は本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。当業者にとって、本発明は様々な変更があってもよい。本発明の精神及び原則を逸脱しない限り、いずれの補正、等価代替、及び改良などは、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
30 メインボード
201 USBソケット
203 第1の金属素子
205 第1の回転軸
207 第2の金属素子
301 第3の金属素子
303 第2の回転軸