特許第6110588号(P6110588)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジーイー・アビエイション・システムズ・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許6110588-配電システム 図000002
  • 特許6110588-配電システム 図000003
  • 特許6110588-配電システム 図000004
  • 特許6110588-配電システム 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6110588
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】配電システム
(51)【国際特許分類】
   B64D 41/00 20060101AFI20170327BHJP
【FI】
   B64D41/00
【請求項の数】8
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-201246(P2011-201246)
(22)【出願日】2011年9月15日
(65)【公開番号】特開2012-62050(P2012-62050A)
(43)【公開日】2012年3月29日
【審査請求日】2014年9月8日
(31)【優先権主張番号】1015562.0
(32)【優先日】2010年9月17日
(33)【優先権主張国】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509133300
【氏名又は名称】ジーイー・アビエイション・システムズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GE AVIATION SYSTEMS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン・シプリー
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・カーウェン
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0194625(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0156171(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0044722(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 41/00
B64D 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機の配電システムであって、
複数の航空機エンジンから電力を受け、単一の配電バスに単一の電圧で給電するように構成された唯一の主配電ボックスと、
各々が前記配電バスにより給電される複数の局部電圧変換器と
を有し、
前記配電バスが1つの電圧のみで動作するように構成され、
前記局部電圧変換器の各々が、調整可能な出力電圧を供給するように構成された電源を含む
配電システム。
【請求項2】
各々が局部電圧変換器を含む2つ以上の補助配電ボックスを備え、各補助配電ボックスは前記バスから単一の電圧を受け、前記配電バスによって供給される電圧とは異なる電圧で1つ又は複数の負荷に給電するように構成される、請求項のいずれかに記載の配電システム。
【請求項3】
前記配電システムが、異なる電圧で給電されるように構成された複数の負荷に給電するように構成され、前記配電バスが、前記配電システムによって供給される最高の負荷電圧で給電するように構成される、請求項1又は2に記載の配電システム。
【請求項4】
前記局部電圧変換器が、1つの別の電圧で、且つ前記配電バスの電圧で給電するように構成される、請求項1乃至のいずれかに記載の配電システム。
【請求項5】
前記局部電圧変換器が、2つの別の電圧で、且つ前記配電バスの電圧で給電するように構成される、請求項1乃至のいずれかに記載の配電システム。
【請求項6】
前記局部電圧変換器が、10kHz以上のスイッチング周波数で動作するように構成されたスイッチモード電源(SMPS)変圧器である、請求項1乃至のいずれかに記載の配電システム。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれかに記載の配電システムを備える、航空機。
【請求項8】
求項1からのいずれかに記載の2つ以上の配電システムを備える、請求項に記載の航空機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば航空機の配電システムなどの配電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機にとっての主要な関心事の1つはシステムの重量である。重量を軽減できれば、航空機の燃料消費が低減し、飛行範囲が拡大する。航空機の構造、燃料、機器及び電気配線の全てが航空機の重量の一因になる。民間航空機の電気配線及び関連機器の重量は数百キロ又は数トンになることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態の目的は、航空機の電気配線及び/又は関連機器の重量を軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、航空機の配電システムが提供される。配電システムは配電バスと、各々が配電バスによって給電される複数の局部電圧変換器とを有する。
【0005】
複数の局部電圧変換器を備えることにより、配電システムは特定の電圧で数本の、又は僅か一本の配電バスのみを使用し、給電される複数個の電気機器の各々で、又はその近傍で所望の電圧に変換し得る。それによって、航空機に搭載される様々な種類の電気機器に給電するために、典型的には各々が異なる電圧(典型的には28ボルト、115ボルト及び230ボルト)にある、航空機の長さに沿った少なくとも3本の配電バスを有する従来のシステムよりも、変圧器/配電ボックスなどの関連機器の重量が大幅に軽減される。
【0006】
更に、1つ又は数個のコンポーネントに備えられる局部電圧変換器は、典型的に、航空機全体に特定の電圧で給電するためのバスの主電圧変換器よりも大幅に小型で軽量であるため、航空機により容易に収納できる。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による配電システムを備える航空機が提供される。
【0008】
次に本発明の実施形態を単に例示を目的として添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】航空機の従来の配電システムを示す図である。
図2】本発明を示す実施形態の配電システムを示す図である。
図3】本発明の実施形態の配電システムのより詳細な実施例を示す図である。
図4】局部電圧変換器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、従来の配電システムを備えた航空機10を示す。図示の通り、航空機には、航空機の推進力を付与すると共に、航空機に搭載された様々な電気機器の電力を供給する幾つかのエンジン11が搭載される。航空機10には、適宜の電気コネクタ12を介してエンジン11からの電力を受ける主配電ボックス(PPDB)13を備えている。PPDB13は、各々が異なる電圧、典型的には230ボルトAC、115ボルトAC、及び28ボルトDCにある少なくとも3本の配電バス14、15、16に電力を供給する幾つかの変圧器を収納している。図1には、単一のPPDB13及び対応するバスのセット14、15、16が示されているが、航空機は2つ以上のPPDB13及びバスのセット14、15、16を有していても良い。例えば、1セットのバスを航空機10の両側に備えても良く、又はエンジンごとに備えても良い。
【0011】
航空機は典型的には、電力負荷需要が異なる多様な電気コンポーネントを有する。例えば、翼のフラップを動作するための、及び/又はランディングギヤを持ち上げるための幾つかの油圧システムの電力負荷需要はより高く、典型的にはより高電圧のバス14から電力を受ける。調理室のオーブン、コックピット用計器、及び航行中の乗客用娯楽用などのその他の航空機の電気コンポーネントは、一般にはそれほど電力を必要とせず、別の低電圧バス15、16の1本に接続すれば良い。
【0012】
図1から分かるように、電力はPPDB13で適宜のシステム電圧に遠隔変換され、次いで様々な航空機コンポーネント/負荷に別のより低い電圧を引き続き供給するために様々な補助配電ボックス(SPDB)18に送られる。
【0013】
図2は、本発明の実施形態による配電システムを示す。この実施例では、配電システムは配電バス110と、複数の局部電圧変換器120とを有する。局部電圧変換器120は、バス110上の電圧を変換器120の近傍のいずれかの負荷130が必要とする適宜の電圧に変換するので、単一の電圧のみで動作するバス110しか必要ない。そのため、各々が異なる電圧で動作する別個のバス14、15、16を必要とする図1に示した構成と比較して、電気配線の重量が大幅に軽減される。バス110を備えるための配線のサイズ及び重量を低減できるので、システムの最高電圧が配電バス110で使用されることが好ましい。(同じ電力でより多くの電流を、ひいてはより厚い配線を必要とする)所定の機器により低い電圧が必要な場合は、この電圧は局部電圧変換器120によって局部的に変換され、より短い距離の配線131によって供給される。従って、局部電圧変換器120と適宜の低い電圧負荷130との距離が比較的短い場合はより厚い配線のみ必要であり、配電システムの配線の重量が更に軽減される。
【0014】
1つ又は2つの電圧(例えば28V DC、115V DC)で、且つ配電バスの電圧(例えば230V AC)で給電するように局部電圧変換器120を構成しても良い。
【0015】
図3は、図2に示される本発明の実施形態のより詳細な実施例を示す。この実施例で概略的に示されるように、主配電ボックス(PPDB)100は、図1に示されるPPDB13によって供給される複数の電圧とは対照的に1つの電圧しか供給する必要がないため、図1に示される従来の配電よりも大幅に小型化できる。その結果、本発明の実施形態の簡略化されたPPDB100は、従来のPPDB13よりも著しく小型で軽量、且つ安価になり、ひいては重量とコストが更に低減される。
【0016】
図2の局部電圧変換器120を、図3の補助配電ボックス(SPDB)140と一体化しても良い。SPDB140は局部電圧変換器120が必要であるためサイズはやや大きくなるが、配電バス110から1つの供給電圧しか受ける必要がないことで単に簡略化されることにとどまらない。従って、本発明の実施形態のSPDB140は全体として、各々が異なる電圧で数本のバスから電力を受ける従来の実施例よりも小型で軽量である。
【0017】
バス110によって供給される電圧を必要とする電気機器の場合は、その点については局部電圧変換器の必要がないので、配電バス110から単一の電圧を受けるように構成され、且つ局部電圧変換器を必要としない更に簡略化されたSPDB150を使用しても良い。例えば、航空機の機器に利用できる最高の電圧(この例では230V)を供給するように構成された配電バス110を使用すれば、ランディングギヤに給電するSPDB150には局部電圧変換器は必要ない。
【0018】
その結果、配電バス110がより少ない電圧、典型的には単一の電圧のみを供給するように複数の局部電圧変換器120を備えることによって、配電バス110の電気配線の重量が著しく軽減されると共に、PPDB100及びSPDB140が簡略化され、ひいては重量、サイズ及びコストが低減される。
【0019】
図4は、局部電圧変換器120の実施例を示す。この実施例では、局部電圧変換器120は、230ボルトACである、配電システムによって供給される最高の負荷電圧でバス110から電力を受ける。局部電圧変換器120は、多くの航空機の場合は例えば115ボルトAC又は28ボルトDCであるが、本実施例では28ボルトDCであるより低い電圧で出力を供給する。
【0020】
本実施例の局部電圧変換器120は、スイッチモード電源(SMPS)変換器構成200を含む。本実施例のSMPS変圧器構成は、昇圧、降圧が可能であり、28ボルトである所望の出力電圧を供給する適宜の巻線を備える。本実施例において、局部電圧変換器120は、位相シフトを低減するためにAD/DC変換及び力率改善段230を備えるためのコンデンサ210/ダイオード構成220を更に含む。SMPS構成200には、高圧中間レール240によって力率1が供給される。
【0021】
前述のように、配電バス110は好ましくは単一の電圧のみで動作し、この単一の電圧は好ましくは、配電システムによって給電される負荷/電気機器の最高電圧、本実施例では230ボルトACである。その結果、バスはほんの少し高い電圧で動作するので、バス110の電気巻線は、結果として高い電流を有することになる、より低い電圧を供給するバスよりも薄い巻線で良い。配電バス110は、好ましくはAC電力も供給する。好ましくは10kHz以上、更に好ましくは50kHz以上である比較的高いスイッチング周波数で動作するので、物理的に小型で軽量、且つ効率的な局部電圧変換器120を備えられる。より小型で軽量の局部電圧変換器120を備えることによって、専用の支持体などを備える必要はなく、より容易に航空機構造に一体化することが可能になり、更なる軽量化と簡略化が実現される。
【0022】
本発明の実施形態を、添付図面を参照して記載したが、提示された実施例には本発明から逸脱することなく多くの変更を行っても良い。例えば、航空機に配電システムを1つだけ備えても良く、2つ以上の配電システムを備えても良い。更に、各々の配電システムは1つ又は複数のエンジンから電力を受けても良い。
図1
図2
図3
図4