(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6110618
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】ホワイトボード用テンプレートシート
(51)【国際特許分類】
B43L 13/00 20060101AFI20170327BHJP
【FI】
B43L13/00 P
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-198009(P2012-198009)
(22)【出願日】2012年9月10日
(65)【公開番号】特開2014-51058(P2014-51058A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2015年8月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】301032735
【氏名又は名称】プラス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 隆
【審査官】
石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3149865(JP,U)
【文献】
特開2012−068746(JP,A)
【文献】
特開2011−025561(JP,A)
【文献】
特開平11−167532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43L 13/00
B43L 1/00
H04N 1/387
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体層と、この磁性体層上に設けられた表面層と、この表面層に設けられた領域検出用マークと、この表面層に区分分けされて設けられた筆記領域と、この表面層に設けられたチェックマーク領域とを有し、このチェックマーク領域が何を表すかを、利用者が個別に設定可能であることを特徴とするホワイトボード用テンプレートシート。
【請求項2】
前記筆記領域は、タイトル筆記用領域と、出席者筆記用領域とを有することを特徴とする 請求項1項記載のホワイトボード用テンプレートシート。
【請求項3】
前記チェックマーク領域が複数設けられていることを特徴とする請求項1項記載のホワイトボード用テンプレートシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記面をカメラで撮像するの好適なホワイトボード等に用いられるテンプレートシートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子黒板装置は、白色の筆記面に、マーカーで文字や図形を筆記すると共に、この筆記した表面を光学センサーにて画像情報として読み取り、読み取った画像情報を縮小して紙に印刷し、或いは記録する機能を有することを特徴としている。
これに対して、ホワイトボードは読み取り装置を有しておらず、単にマーカーによって筆記するものである。
従来、このホワイトボードの筆記面をデジタルカメラで撮影して保存することが行われている。
【0003】
特開2008−221743号には、電子黒板装置において、テンプレートシートを表示する技術が示されている。
この技術では、透明な筆記シートの裏面にテンプレートシートを配置するものである。
【0004】
【特許文献1】特開2008−221743号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、スマートフォンが普及するに従い、このスマートフォンの内蔵カメラで、ホワイトボードの筆記画像を撮影して、保存或はメール送信することが行われるようになってきた。
このスマートフォンのカメラアプリケーションによって、このホワイトボードの筆記画像を保存管理するシステムも考えられている。
しかしながら、このようなスマートフォンによるホワイトボードの活用に最適化されたホワイトボード、或はホワイトボード用テンプレートシートは現在存在しない。
【0006】
ホワイトボードをカメラアプリケーションに対して最適化するということは、カメラにより撮影された画像が、カメラアプリケーションによる画像処理を行う際に、その処理が容易となるような構成、態様とすることである。
このため、容易に、撮影画像内から画像処理用の領域を抽出可能とするようなテンプレートシートが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明はホワイトボード用テンプレートシートであって、請求項1に記載するように、磁性体層と、この磁性体層上に設けられた表面層と、この表面層に設けられた領域検出用マークと、この表面層に区分分けされて設けられた筆記領域と、この表面層に設けられたチェックマーク領域とを有することを特徴としている。
尚、ホワイトボード用と称しているが、これはホワイトボードの他、黒板などのを含むものを総称してホワイトボードと称している。
【0008】
また、表面層には、請求項2乃至請求項3に記載するように、複数の筆記領域及びチェックマーク領域とを設けていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ホワイトボードなどの筆記面をデジタルカメラで撮影した際、容易にテンプレートシート領域を抽出することが可能となり、このテンプレートシート内の筆記情報、或はチェックマーク情報を用いて画像処理、或いは撮影画像の管理を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0011】
以下、図に沿って本発明の一実施例を説明する。
図1は本発明の一実施例のテンプレートシートを配置した状態のホワイトボードを示している。
1は筆記装置であるホワイトボード本体である。
2はホワイトボード本体1の表面において筆記を行う筆記面であり、3はこの筆記面に配置する本実施例のテンプレートシート、4はマーカー、5はイレイサー、6はこれらのマーカー4やイレイサー5を置くトレイである。
【0012】
テンプレートシート3は、通常は、ホワイトボード1の筆記面2の上端部に配置されるが、配置位置は制限されない。例えば、筆記面下部に配置してもよい。
横方向の位置も本実施例の配置に限定されず、筆記面の左端部、或いは右端部に接するように配置してもよい。
【0013】
このテンプレートシート3の詳細を説明するために、テンプレートシート3の側面図を
図2に示すと共に、正面を
図3に示す。
テンプレートシート3は、ホワイトボード本体1の表面に貼り付けるための磁性層10と、この磁性層10上に設けられた表面層11と、この表面層11上に印刷されたテンプレート画像を保護する透明保護シート13から構成されている。
【0014】
表面層11には、
図3に示すように、左右両端にこのテンプレートシート領域を認識するための、領域検出用マーク30を示す画像が設けられており、この領域検出用マーク30で囲まれた領域には、タイトルを記入するための筆記領域31と、参加者を記入するための筆記領域32と、場所を記入するための筆記領域33と、日時を記入するための筆記領域34と、内容区分を5段階に分けて、その1つにチェックマークを付すことでその区分の1つを選択する第1のチェックマーク領域35と、内容区分を3段階に分けて、その1つにチェックマークを付すことでその区分の1つを選択する第2のチェックマーク領域36とが印刷形成されている。
【0015】
5段階に分けた第1のチェックマーク領域35は、例えば左端から、企画会議、定例会議、ブレーンストーミング、連絡会議、その他、を表し、この区分の1つにチェックマークを記入することで、これらの内から、現在筆記している会議の種類を選択する。
また、3段階に分けた第2のチェックマーク領域36は、例えば左端から、完了、継続、未決、を表し、この区分の1つにチェックマークを記入することで、これらの内から、現在筆記している会議の状況を選択する。
これらの第1のチェックマーク領域35、及び第2のチェックマーク領域36が夫々何を表すかは、利用者が個別に設定して用いることとなる。
具体的には、カメラアプリケーションに、区分が何を表すかを設定しておくことよって、夫々のチェックマークの位置に応じて、設定したコードや文字が会議情報として、撮影された画像ファイルに付加される。
【0016】
ホワイトボード1の利用者が、デジタルカメラ付スマートフォンなどで、ホワイトボード1の筆記画面を撮影すると、領域検出用マーク30を検出することにより、テンプレートシート3の領域が抽出され、その領域の夫々の領域が切り出される。
チェックマーク領域35,36は、そのチェックされた位置が画像処理によって認識されその位置に応じた情報が選択される。
その他の筆記領域の筆記は、画像処理されることなく、領域毎に別画像として切り出される。
【0017】
これらの切り出された領域毎の画像は、
図4に示すように前述のカメラアプリケーションの表示の際、各領域毎にリストとして配置され表示される。
この画面右上の共有ボタンを押すと、前述の設定したコードや文字が付加された画像ファイルが、会議参加者、不参加者にメール送信される。
メール送信された者のスマートフォンに、このカメラアプリケーションがインストールされている場合、アプリケーションを立ち上げると、送信者のアプリケーション画面に表示された画面と同じ、
図4に示した画面の表示が行われる。
また、画面左上の会議名ボタンを押すと、図示しないが、会議名のリスト表示が行われる。この会議名のリストのうち1つを選択すると、上述の
図4に示した画面の表示が行われる。
【0018】
また、会議名のリスト表示の際は、区分1、区分2の区分毎にグループ分けして表示することが可能となっている。
尚、本実施例では、各領域毎に文字認識は行っておらず、区分1、区分2のみ、その区分を認識しているが、各領域毎に画像処理による文字認識を行ってもよい。
この場合は、各領域毎にグループ分けした選択表示や、各領域毎のキーワード検索が可能となる。
【0019】
本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、例えば、各筆記領域のレイアウトは、上述の実施の形態に限定されない。
例えば、日時領域34や場所領域33を削除してもよい。
また、会議の間に、筆記を消去しながら、複数の筆記を行う場合に対応して、ページ選択用チェックマーク領域を追加してもよい。
また、このテンプレートシートを配置する装置としては、ホワイトボードに限定されるものではなく、例えばチョークで筆記する黒板であってもよい。
【0020】
尚、上述の実施例では述べなかったが、カメラを用いた場合、室内照明の状況や、カメラの傾斜状況によって撮像した画面内の明るさの補正も必要となる。
この明るさの補正を、テンプレートシートの領域検出用マークによって行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明は、デジタルカメラで容易に画像処理や管理が可能なホワイトボード用テンプレートシートであり、会議室などで利用される筆記装置、或いは学校の教室などで利用される黒板に配置して用いることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施例のテンプレートシートをホワイトボードに配置した状態を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施例のテンプレートシートの形態に係る主要な構成を示す側面図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1の実施例のテンプレートシートの形態に係る主要な構成を示す正面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施例のテンプレートシートを配置したホワイトボードの筆記面を撮影した際に、スマートフォンのカメラアプリケーション画面に表示される画面を示す図である。
【符号の説明】
【0023】
10:磁性体層
11:表面層
30:領域検出用マーク
31乃至34:筆記領域
35、36:チェックマーク領域