【文献】
Dennis G. Hall,"Boronic Acids",WILEY-VCH,2005年,PP.16,82-83
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、新規ボロン酸エステル化合物およびそれらを含む安定した医薬的に許容される組成物を提供する。これらの化合物および組成物は、体外および生体内で、プロテアソーム活性を阻害するために有用であり、様々な細胞増殖性疾患の治療のために特に有用である。
【0015】
1つの態様では、本発明は、一般式(I)の化合物
【0016】
【化1】
またはその医薬的に許容される塩を提供し、式中、
Aは、0、1、または2であり、
Pは、水素またはアミノ基遮断部分であり、
R
aは、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
a2は独立して、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
Bは独立して、置換または非置換の単環式または二環式環系であり、
各R
4は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であるか、または同一窒素原子上の2個のR
4は、窒素原子と一体となって、窒素原子に加えて、N、O、およびSからなる群から独立して選択される0〜2環のヘテロ原子を有する、置換もしくは非置換の4〜8員のヘテロシクリル環を形成し、各R
5は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5aは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5bは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
6は独立して、置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、またはヘテロアリール基であり、
Yは、水素、−CN、または−NO
2であり、
mは、0、1、または2であり、
Z
1およびZ
2は共に、α−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子であるか、またはZ
1およびZ
2は共に、β−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子である。
【0017】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、医薬組成物を提供し、これは、経口医薬投薬形態を製造するのに好適である。
【0018】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、医薬組成物を提供し、これは、凍結乾燥粉末の医薬投薬形態を製造するのに好適である。
【0019】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、医薬組成物を提供し、これは、液体医薬投薬形態を製造するのに好適である。
【0020】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、充填剤、および任意に潤滑剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0021】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、充填剤、任意に潤滑剤、任意に流動助剤、および任意に緩衝剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0022】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、増量剤、および緩衝剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0023】
別の態様では、本発明は、本発明の医薬組成物を製造するためのプロセスを提供する。
【0024】
別の態様では、本発明は、プロテアソーム媒介性疾患に罹患している、またはそれを発症もしくは再発を経験する危険性がある、患者を治療するために、本発明の医薬組成物を使用する方法を提供する。
【0025】
別の態様では、本発明は、癌の治療のために、本発明の医薬組成物を使用する方法を提供する。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1) 式(I)の化合物
【化18】
またはその医薬的に許容される塩であって、式中、
Aは、0、1、または2であり、
Pは、水素またはアミノ基遮断部分であり、
R
aは、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
a2は独立して、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
Bは独立して、置換もしくは非置換の単環式または二環式環系であり、
各R
4は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であるか、または同一の窒素原子上の2個のR
4は、前記窒素原子と一体となって、前記窒素原子に加えて、N、O、およびSから独立して選択される0〜2環のヘテロ原子を有する、置換もしくは非置換の4〜8員のヘテロシクリル環を形成し、
各R
5は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5aは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5bは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
6は独立して、置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、またはヘテロアリール基であり、
Yは、水素、−CN、または−NO
2であり、
mは、0、1、または2であり、
Z
1およびZ
2は共に、α−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に結合する原子は、酸素原子であるか、またはZ
1およびZ
2は共に、β−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に結合する原子は、酸素原子である、化合物、またはその医薬的に許容される塩。
(項目2) 式(II)
【化19】
を特徴とし、式中、
R
b1およびR
b2のそれぞれは独立して、水素、−CO
2H、−OH、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素、−CO
2H、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であるか、
または、R
b2およびR
b4はそれぞれ独立して、水素であり、R
b1およびR
b3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3環のヘテロ原子を有する、非置換もしくは置換の縮合された4〜8員の非芳香族環を形成し、式中、前記環は、任意に、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3環のヘテロ原子を有する、非置換もしくは置換の4〜8員の非芳香族環、または5〜6員の芳香族環に縮合され得るか、
またはR
b2およびR
b4は、存在せず、R
b1およびR
b3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3環のヘテロ原子を有する、非置換もしくは置換の縮合された5〜6員の芳香族環を形成し、式中、前記環は、任意に、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3環のヘテロ原子を有する、非置換もしくは置換4〜8員の非芳香族環、または5〜6員の芳香族環に縮合され得、
nは、0または1である、項目1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
(項目3) R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素、C
1−6脂肪族、または−(CH
2)
p−CO
2Hであり、
pは、0、1、または2である、項目2に記載の化合物。
(項目4) Pは、R
c−C(O)−、R
c−O−C(O)−、R
c−N(R
4c)−C(O)−、R
c−S(O)
2−、またはR
c−N(R
4c)−S(O)
2−であり、
R
cは、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−R
D、−T
1−R
D、および−T
1−R
2cからなる群から選択され、
T
1は、0〜2個の独立して選択されるR
3aまたはR
3bで置換される、C
1−6アルキレン鎖であり、前記アルキレン鎖は、任意に、−C(R
5)=C(R
5)−、−C≡C−、または−O−で中断され、
R
Dは、置換もしくは非置換の単環式または二環式環系であり、
R
2cは、ハロ、−OR
5、−SR
6、−S(O)R
6、−SO
2R
6、−SO
2N(R
4)
2、−N(R
4)−
2、−NR
4C(O)R
5、−NR
4C(O)−N(R
4)
2、−NR
4CO
2R
6、−N(R
4)SO
2R
6、−N(R
4)SO
2N(R
4)
2、−O−C(O)−R
5、−OC(O)−(R
4)
2、−C(O)−R
5、−CO
2R
5、または−C(O)N(R
4)
2であり、
各R
3aは独立して、−F、−OH、−O(C
1−4アルキル)、−CN、−N(R
4)
2、−C(O)(C
1−4アルキル)、−CO
2H、−CO
2(C
1−4アルキル)、−C(O)NH
2、および−C(O)−NH(C
1−4アルキル)からなる群から選択され、
各R
3bは独立して、R
3aまたはR
7で置換されるかまたは非置換のC
1−3脂肪族であるか、または同一炭素原子上の2個の置換基R
3bは、それらが結合している炭素原子と一体となって、3〜6員のシクロ脂肪族環を形成し、
各R
7は、置換もしくは非置換の芳香族基であり、
R
4cは、水素、C
1−4アルキル、C
1−4フルオロアルキル、またはC
6−10アラ(C
1−4)アルキルであり、これらのアリール部は、置換されるかまたは非置換である、項目3に記載の化合物。
(項目5) Aは、0であり、
R
a1は、水素、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
mは、0である、項目3に記載の化合物。
(項目6) Pは、R
c−C(O)−またはR
c−S(O)
2−であり、R
cは、−R
Dである、項目3に記載の化合物。
(項目7) R
Dは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ナフチル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノキサリニル、およびジヒドロベンゾキサジニルからなる群から選択される、置換もしくは非置換の単環式または二環式環系である、項目6に記載の化合物。
(項目8) R
Dは、0〜1個のR
dおよび0〜2個のR
8dで置換可能な炭素原子上で置換され、
各R
dは独立して、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、またはハロであり、
各R
8dは独立して、C
1−4脂肪族、C
1−4フルオロ脂肪族、またはハロである、項目7に記載の化合物。
(項目9) Aは、0であり、
R
aは、C
1−6脂肪族、または−(CH
2)
m−CH
2−R
Bであり、
R
a1は、水素、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−またはR
c−S(O)
2−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1である、項目4に記載の化合物。
(項目10) R
aは、C
1−6脂肪族である、項目9に記載の化合物。
(項目11) R
a1は、−CH
2−R
Bであり、
R
Bは、フェニルであり、
R
Dは、2−ピラジニルである、項目10に記載の化合物。
(項目12) R
a1は、−CH(R
5a)−OR
5bであり、
R
5aは、C
1−6脂肪族であり、
R
5bは、水素であり、
R
Dは、6−フェニル−2−ピリジニル−である、項目10に記載の化合物。
(項目13) R
a1は、水素であり、
R
Dは、2,5−ジクロロフェニルである、項目10に記載の化合物。
(項目14) Z
1およびZ
2は共に、クエン酸に由来する部分を形成する、項目3に記載の化合物。
(項目15) 実質的に結晶形態である、項目14に記載の化合物。
(項目16) 式(III)、(IIIa)、(IV)、(IVa)
【化20】
【化21】
またはこれらの混合物を特徴とする、項目14に記載の化合物。
(項目17) R
aは、C
1−6脂肪族である、項目16に記載の化合物。
(項目18) Aは、0であり、R
a1は、水素、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−OR
5bであり、Pは、R
c−C(O)−であり、R
cは、−R
Dである、項目16に記載の化合物。
(項目19) R
Dは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ナフチル、ベンズイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノキサリニル、およびジヒドロベンゾキサジニルからなる群から選択される、置換もしくは非置換の単環式または二環式環系である、項目18に記載の化合物。
(項目20) R
aは、イソブチルである、項目18に記載の化合物。
(項目21) R
a1は、−CH
2−R
Bであり、
R
Bは、フェニルであり、
R
Dは、2−ピラジニルである、項目20に記載の化合物。
(項目22) R
a1は、水素であり、
R
Dは、2,5−ジクロロフェニルである、項目20に記載の化合物。
(項目23) R
a1は、−CH(R
5a)−OR
5bであり、
R
5aは、C
1−6脂肪族であり、
R
5bは、水素であり、
R
Dは、6−フェニル−2−ピリジニル−である、項目20に記載の化合物。
(項目24) 式(I)の化合物
【化22】
またはその結晶形態、充填剤、および任意に潤滑剤を含む、医薬組成物であって、
式中、
Aは、0、1、または2であり、
Pは、水素またはアミノ基遮断部分であり、
R
aは、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
a2は独立して、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
Bは独立して、置換または非置換の単環式または二環式環系であり、
各R
4は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であるか、または同一窒素原子上の2個のR
4は、前記窒素原子と一体となって、前記窒素原子に加えて、N、O、およびSから独立して選択される0〜2環のヘテロ原子を有する、置換もしくは非置換の4〜8員のヘテロシクリル環を形成し、
各R
5は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5aは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5bは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
6は独立して、置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、またはヘテロアリール基であり、
Yは、水素、−CN、または−NO
2であり、
mは、0、1、または2であり、
Z
1およびZ
2は共に、α−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子であるか、またはZ
1およびZ
2は共に、β−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子である、医薬組成物。
(項目25) 前記医薬組成物は、流動助剤を任意に更に含み、かつ緩衝剤を任意に更に含む、項目24に記載の医薬組成物。
(項目26) 前記医薬組成物は、全重量の割合として、約0.2重量%〜約3重量%の式(I)の化合物、またはその結晶形態、約86.5重量%〜約99.8重量%の充填剤、任意に最大約1.5重量%の潤滑剤、任意に最大約5重量%の流動助剤、および任意に最大約5重量%の緩衝剤を含む、項目25に記載の医薬組成物。
(項目27) 前記医薬組成物は、全重量の割合として、約0.2重量%〜約3重量%の式(I)の化合物、またはその結晶形態、約97重量%〜約99.8重量%の充填剤、および任意に最大約1.5重量%の潤滑剤を含む、項目25に記載の医薬組成物。
(項目28) 前記医薬組成物は、全重量の割合として、約0.25重量%〜約2重量%の式(I)の化合物、またはその結晶形態、および約98重量%〜約99.75重量%の充填剤を含む、項目25に記載の医薬組成物。
(項目29) 前記医薬組成物は、経口医薬投薬形態である、項目25に記載の医薬組成物。
(項目30) 前記経口医薬投薬形態は、カプセル剤である、項目29に記載の医薬組成物。
(項目31) 式(I)の化合物、またはその結晶形態は、全重量の割合として、約0.2%重量%〜約3重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目32) 前記式(I)の化合物、またはその結晶形態は、全重量の割合として、約0.25重量%〜約2重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目33) 前記充填剤は、全重量の割合として、約97重量%〜約99.8重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目34) 前記充填剤は、全重量の割合として、約98重量%〜約99.75重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目35) 前記充填剤は、全重量の割合として、約86.5重量%〜約99.8重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目36) 前記充填剤は、粉末セルロース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン(pregeletanized starch)、およびこれらの混合物からなる群から選択される、項目25に記載の医薬組成物。
(項目37) 前記充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択される、項目25に記載の医薬組成物。
(項目38) 前記潤滑剤は、存在する場合、全重量の割合として、最大約1.5重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目39) 前記潤滑剤は、存在する場合、全重量の割合として、約1重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目40) 前記潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、タルク、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸スクロース、ステアリンフマル酸ナトリウム、およびこれらの混合物からなる群から選択される、項目25に記載の医薬組成物。
(項目41) 前記潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである、項目25に記載の医薬組成物。
(項目42) 前記流動助剤は、存在する場合、全重量の割合として、最大約5重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目43) 前記流動助剤は、存在する場合、全重量の割合として、最大約1重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目44) 前記流動助剤は、存在する場合、タルクである、項目25に記載の医薬組成物。
(項目45) 前記緩衝剤は、存在する場合、全重量の割合として、最大約5重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目46) 前記緩衝剤は、存在する場合、全重量の割合として、最大約2重量%の量で存在する、項目25に記載の医薬組成物。
(項目47) 前記緩衝剤は、存在する場合、クエン酸ナトリウムである、項目25に記載の医薬組成物。
(項目48) α−ヒドロキシカルボン酸、またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
前記充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
前記潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムである、項目25に記載の医薬組成物。
(項目49) 式(I)の化合物は、化合物(I−1)、(I−15)、または(I−18)で表され、
【化23】
【化24】
前記充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
前記潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムである、項目25に記載の医薬組成物。
(項目50) 前記α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
前記充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
前記潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムであり、
前記流動助剤は、存在する場合、タルクであり、
前記緩衝剤は、存在する場合、クエン酸ナトリウムである、項目25に記載の医薬組成物。
(項目51) 式(I)の化合物は、化合物(I−1)、(I−15)、または(I−18)で表され、
【化25】
前記充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
前記潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムであり、
前記流動助剤は、存在する場合、タルクであり、
前記緩衝剤は、存在する場合、クエン酸ナトリウムである、項目25に記載の医薬組成物。
(項目52) 式(I−1)の化合物
【化26】
またはその結晶形態、充填剤、および任意に潤滑剤を含む、医薬組成物。
(項目53) 前記充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
前記潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムである、項目52に記載の医薬組成物。
(項目54) 前記結晶形態は、形態2である、項目52に記載の医薬組成物。
(項目55) 前記医薬組成物は、流動助剤を任意に更に含み、かつ緩衝剤を任意に更に含む、項目52に記載の医薬組成物。
(項目56) 前記充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
前記潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムであり、
前記流動助剤は、存在する場合、タルクであり、
前記緩衝剤は、存在する場合、クエン酸ナトリウムである、項目55に記載の医薬組成物。
(項目57) 式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含む、単位用量の医薬組成物であって、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約0.1mg〜約3.0mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で存在する、単位用量の医薬組成物。
(項目58) 重量/重量基準で、約0.1mg〜約3.0mgの式(VIII−1)の化合物として測定される、約0.143mg〜約4.3mgの式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含む、単位用量の医薬組成物。
(項目59) 式(I)の化合物
【化27】
またはその結晶形態、増量剤、および緩衝剤を含む、医薬組成物であって、
式中、
Aは、0、1、または2であり、
Pは、水素またはアミノ基遮断部分であり、
R
aは、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
a2は独立して、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
Bは独立して、置換または非置換の単環式または二環式環系であり、
各R
4は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であるか、または同一窒素原子上の2個のR
4は、前記窒素原子と一体となって、前記窒素原子に加えて、N、O、およびSから独立して選択される0〜2環のヘテロ原子を有する、置換もしくは非置換の4〜8員のヘテロシクリル環を形成し、
各R
5は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5aは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5bは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
6は独立して、置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、またはヘテロアリール基であり、
Yは、水素、−CN、または−NO
2であり、
mは、0、1、または2であり、
Z
1およびZ
2は共に、α−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子であるか、またはZ
1およびZ
2は共に、β−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子である、医薬組成物。
(項目60) 前記増量剤は、約1%w/v〜約5%w/vの量で存在する、項目59に記載の医薬組成物。
(項目61) 前記増量剤は、約3%w/vの量で存在する、項目59に記載の医薬組成物。
(項目62) 前記増量剤は、グリシンである、項目59に記載の医薬組成物。
(項目63) 前記緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である、項目59に記載の医薬組成物。
(項目64) 前記α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
前記増量剤は、グリシンであり、
前記緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である、項目59に記載の医薬組成物。
(項目65) 式(I)の化合物は、化合物(I−1)、(I−15)、または(I−18)で表され、
【化28】
前記増量剤は、グリシンであり、
前記緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である、項目59に記載の医薬組成物。
(項目66) 凍結乾燥粉末の式(I)の化合物を含む医薬組成物であって、
【化29】
式中、
Aは、0、1、または2であり、
Pは、水素またはアミノ基遮断部分であり、
R
aは、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
a2は独立して、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
Bは独立して、置換または非置換の単環式または二環式環系であり、
各R
4は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であるか、または同一の窒素原子上の2個のR
4は、前記窒素原子と一体となって、前記窒素原子に加えて、N、O、およびSから独立して選択される0〜2環のヘテロ原子を有する、置換もしくは非置換の4〜8員のヘテロシクリル環を形成し、
各R
5は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5aは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5bは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、 ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
6は独立して、置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、またはヘテロアリール基であり、
Yは、水素、−CN、または−NO
2であり、
mは、0、1、または2であり、
Z
1およびZ
2は共に、α−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子であるか、またはZ
1およびZ
2は共に、β−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子である、医薬組成物。
(項目67) 増量剤、および緩衝剤を更に含む、項目66に記載の医薬組成物。
(項目68) 前記増量剤は、グリシンである、項目67に記載の医薬組成物。
(項目69) 前記緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である、項目67に記載の医薬組成物。
(項目70) 前記α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
前記増量剤は、グリシンであり、
前記緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である、項目67に記載の医薬組成物。
(項目71) 式(I)の化合物は、化合物(I−1)、(I−15)、または(I−18)で表され、
【化30】
前記増量剤は、グリシンであり、
前記緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である、項目67に記載の医薬組成物。
(項目72) 凍結乾燥粉末の式(I−1)の化合物を含む、単位用量の医薬組成物であって、
【化31】
式中、
式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約1mg〜約5mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で存在する、単位用量の医薬組成物。
(項目73) 式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約3.5mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で存在する、項目72に記載の単位用量の医薬組成物。
(項目74) 前記医薬組成物は、グリシン、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸を更に含む、項目72に記載の単位用量の医薬組成物。
(項目75) 前記グリシンの量は、約0.01g〜約0.50gで存在する、項目74に記載の単位用量の医薬組成物。
(項目76) 前記クエン酸ナトリウムおよびクエン酸は、約0.005g〜約0.250gのクエン酸イオンに同等量で存在する、項目74に記載の単位用量の医薬組成物。
(項目77) 凍結乾燥粉末の式(I−15)の化合物を含む、単位用量の医薬組成物であって、
【化32】
式中、
式(I−15)の化合物は、モル重量基準で約1mg〜約5mgの式(VIII−15)の化合物と同等量で存在する、単位用量の医薬組成物。
(項目78) 式(I−15)の化合物は、モル重量基準で約3.5mgの式(VIII−15)の化合物と同等量で存在する、項目77に記載の単位用量の医薬組成物。
(項目79) 前記医薬組成物は、グリシン、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸を更に含む、項目78に記載の単位用量の医薬組成物。
(項目80) 前記グリシンの量は、約0.01g〜約0.50gで存在する、項目78に記載の単位用量の医薬組成物。
(項目81) 前記クエン酸ナトリウムおよびクエン酸は、約0.005g〜約0.250gのクエン酸イオンに同等量で存在する、項目78に記載の単位用量の医薬組成物。
(項目82) 凍結乾燥粉末として、化合物(I−1)の医薬組成物を調製するための方法であって、
(f−1)
i.水、
ii.前記化合物(I−1)、
iii.グリシン、
iv.クエン酸ナトリウム、および
v.クエン酸を混合し、混合物を形成するステップと、
(f−2)前記混合物を凍結乾燥するステップと、を含む、方法。
(項目83) 凍結乾燥粉末として、化合物(I−15)の医薬組成物を調製するための方法であって、
(g−1)
i.水およびtert−ブチルアルコールを含む、水性溶媒混合物、
ii.前記化合物(VIII−15)、
iii.グリシン、
iv.クエン酸ナトリウム、および
v.クエン酸を混合し、混合物を形成するステップと、
(g−2)前記混合物を凍結乾燥するステップと、を含む、方法。
(項目84) 前記水性溶媒混合物の前記tert−ブチルアルコールは、約3%v/v〜約6%v/vのtert−ブチルアルコールの量で存在する、項目83に記載の方法。
(項目85) 液体医薬投薬形態として、化合物(I−1)の医薬組成物を調製するための方法であって、前記プロセスは、注射用水を用いて、項目72に記載の化合物(I−1)の凍結乾燥粉末を再構成するステップを含む、方法。
(項目86) 液体医薬投薬形態として、化合物(I−15)の医薬組成物を調製するための方法であって、注射用水を用いて、項目77に記載の化合物(I−15)の凍結乾燥粉末を再構成するステップを含む、方法。
(項目87) 式(I)の化合物
【化33】
緩衝剤、および任意に、張性調節剤を含む、液体医薬組成物であって、
式中、
Aは、0、1、または2であり、
Pは、水素またはアミノ基遮断部分であり、
R
aは、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
a2は独立して、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、
各R
Bは独立して、置換または非置換の単環式または二環式環系であり、
各R
4は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であるか、または同一窒素原子上の2個のR
4は、前記窒素原子と一体となって、前記窒素原子に加えて、N、O、およびSから独立して選択される0〜2環のヘテロ原子を有する、置換もしくは非置換の4〜8員のヘテロシクリル環を形成し、
各R
5は独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5aは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
5bは独立して、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であり、
各R
6は独立して、置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、またはヘテロアリール基であり、
Yは、水素、−CN、または−NO
2であり、
mは、0、1、または2であり、
Z
1およびZ
2は共に、α−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子であるか、またはZ
1およびZ
2は共に、β−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分を形成し、いずれの場合にもホウ素に付着する原子は、酸素原子である、液体医薬組成物。
(項目88) 前記張性調節剤(tonicity modifier)は、存在する場合、塩化ナトリウムである、項目87に記載の液体医薬組成物。
(項目89) 前記緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である、項目87に記載の液体医薬組成物。
(項目90) 前記α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
前記緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸であり、
前記張性調節剤は、存在する場合、塩化ナトリウムである、項目87に記載の液体医薬組成物。
(項目91) 式(I−1)の化合物を含む、単位用量の液体医薬組成物であって、
【化34】
式中、
式(I−1)の化合物は、約0.5mg/mL〜約3mg/mLの式(VIII−1)の化合物の濃度で存在する、単位用量の液体医薬組成物。
(項目92) クエン酸ナトリウム、クエン酸、および塩化ナトリウムを更に含む、項目91に記載の単位用量の液体医薬組成物。
(項目93) 項目24、52、57、58、59、72、77、および87のうちのいずれか1項に記載の治療有効量の医薬組成物の投与を含む、癌を治療するための方法。
【発明を実施するための形態】
【0027】
定義
別途明確に記述がない限り、「プロテアソーム」という用語は、構造的プロテアソームおよび免疫プロテアソームの双方を指すことを意図する。
【0028】
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書で使用する場合、置換もしくは非置換の直鎖、分岐鎖、または環状のC
1−12炭化水素であって、完全に飽和されているか、または1つ以上の不飽和単位を含むが、芳香族ではない、炭化水素を意味する。例えば、好適な脂肪族基としては、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、もしくは(シクロアルキル)アルケニル等の、置換もしくは非置換の線状、分岐、または環状のアルキル、アルケニル、またはアルキニル基、およびその混合体が挙げられる。様々な実施形態では、脂肪族基は、1〜12個、1〜8個、1〜6個、1〜4個、または1〜3個の炭素を有する。
【0029】
「アルキル」、「アルケニル」、および「アルキニル」という用語は、単独で、またはより大きい部分の一部として用いて、1〜12個の炭素原子を有する、直鎖、または分岐鎖の脂肪族基を指す。本発明の目的のために、「アルキル」という用語は、分子の残りに対して脂肪族基を結合する炭素原子が、飽和炭素原子である場合に使用され得る。しかしながら、アルキル基は、他の炭素原子では不飽和を含んでもよい。故に、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、アリル、プロパルギル、ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本発明の目的のために、「アルケニル」という用語は、分子の残りに対して脂肪族基を結合する炭素原子が、炭素−炭素間の二重結合の一部を形成する場合に使用され得る。アルケニル基としては、ビニル、1−プロペニル、1−ブテニル、1−ペンテニル、および1−ヘキセニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
本発明の目的のために、「アルキニル」という用語は、分子の残りに対して脂肪族基を結合する炭素原子が、炭素−炭素間の三重結合の一部を形成する場合に使用され得る。アルキニル基としては、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニル、1−ペンチニル、および1−ヘキシニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0032】
「シクロアルキル」という用語は、単独で、またはそれより大きい部分の一部として用いて、3〜約14員を有する、飽和したまたは部分的に不飽和の、環状脂肪族環系を指し、脂肪族環系は、任意に置換される。幾つかの実施形態では、シクロ脂肪族は、3〜8個または3〜6個の環炭素原子を有する、単環式炭化水素である。限定されない例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、およびシクロオクタジエニルが挙げられる。幾つかの実施形態では、シクロ脂肪族は、6〜12、6〜10、または6〜8個の環炭素原子を有する、架橋または縮合される二環式炭素原子であり、二環系の任意の個々の環は、3〜8員を有する。
【0033】
幾つかの実施形態では、シクロ脂肪族環上にある2つの隣接した置換基は、介在環原子と一体となって、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3個の環ヘテロ原子を有する、任意に置換の縮合された5〜6員の芳香族または3〜8員の非芳香族環を形成する。故に、「シクロ脂肪族」という用語には、1つ以上のアリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル環に縮合される、脂肪族環が含まれる。限定されない例としては、インダニル、5,6,7,8−テトラヒドロ−キノキサリニル、デカヒドロナフチル、またはテトラヒドロナフチルが挙げられ、ここで、ラジカルまたは結合点は、脂肪族環上にある。
【0034】
単独で、またはより大きい部分(例えば、「アラルキル(aralkyl)」、「アラルコキシ(aralkoxy)」、または「アリールオキシアルキル(aryloxyalkyl)」)の一部として用いて、「アリール(aryl)」および「アラ−(ar−)」という用語は、1〜3個の環を包含する、C
6−14芳香族炭化水素を指し、これらのそれぞれは、任意に、置換される。好ましくは、アリール基は、C
6−10アリール基である。アリール基としては、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、アリール環上にある2つの隣接した置換基は、介在環原子と一体となって、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3個の環ヘテロ原子を有する、任意に置換の縮合された5〜6員の芳香族または4〜8員の非芳香族環を形成する。故に、「アリール」という用語には、本明細書で使用する場合、アリール環が、1つ以上のヘテロアリール、シクロ脂肪族、またはヘテロシクリル環に縮合される基を含み、ここで、ラジカルまたは結合点は、芳香族環上にある。このような縮合環系の限定されない例には、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、フルオレニル、インダニル、フェナントリジニル、テトラヒドロナフチル、インドリニル、フェノキサジニル、ベンゾジオキサニル、およびベンゾジオキソリルが挙げられる。アリール基は、単環式、二環式、三環式、または多環式、好ましくは、単環式、二環式、または三環式、更に好ましくは、単環式、または二環式であり得る。「アリール」という用語は、「アリール基」、「アリール部分」、および「アリール環」という用語と交換可能に使用され得る。
【0035】
「アラルキル」または「アリールアルキル」基とは、そのいずれかが独立して、任意に、置換される、アルキル基に対して共有結合されたアリール基を包含する。好ましくは、アラルキル基は、C
6−10アリール(C
1−6)アルキル、C
6−10アリール(C
1−4)アルキル、またはC
6−10アリール(C
1−3)アルキルであり、ベンジル、フェネチル、およびナフチルメチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
単独で、またはそれより大きい部分(例えば、ヘテロアラルキル(heteroaralkyl)または「ヘテロアラルコキシ(heteroaralkoky)」)の一部として用いて、「ヘテロアリール(heteroaryl)」および「ヘテロアラ−(heteroar−)」という用語は、5〜14個の環原子、好ましくは、5、6、9、または10個の環原子を有する基、環状のアレイで共有される6、10、または14個のπ電子を有する基、そして炭素原子に加えて、1〜4個のヘテロ原子を有する基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を指し、窒素もしくは硫黄の任意の酸化型、および塩基性窒素の任意の四級化型を含む。故に、ヘテロアリールの環原子に関連して使用される場合、「窒素」という用語は、酸化窒素(ピリジンN−酸化物等の場合)を含む。5員のヘテロアリール基の特定の窒素原子はまた、以下に更に定義されるように、置換可能である。ヘテロアリール基としては、チオフェン、フラン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、インドリジン、ナフチリジン、プテリジン、ピロロピリジン、イミダゾピリジン、オキサゾロピリジン、チアゾロピリジン、トリアゾロピリジン、ピロロピリミジン、プリン、およびトリアゾロピリミジンに由来するラジカルが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用される、「に由来するラジカルという語句は、親ヘテロ芳香族環系から水素ラジカルを取り去ることにより生成される一価ラジカルを意味する。ラジカル(即ち、分子の残りに対するヘテロアリールの結合点)は、親ヘテロアリール環系の任意の環上にある任意の置換可能な位置で生成され得る。
【0037】
幾つかの実施形態では、ヘテロアリール上にある2つの隣接した置換基は、介在環原子と一体となって、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3個の環ヘテロ原子を有する任意に置換され縮合5〜6員の芳香族または4〜8員の非芳香族環を形成する。故に、「ヘテロアリール」および「ヘテロア−」という用語は、本明細書で使用する場合、ヘテロ芳香族環が、1つ以上のアリール、シクロ脂肪族、またはヘテロシクリル環に縮合される基も含み、ここで、ラジカルまたは結合点は、ヘテロ芳香族環上にある。限定されない例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾニル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3−b]−1,4−オキサジン−3(4H)−オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環式、二環式、三環式、または多環式、好ましくは、単環式、二環式、または三環式、更に好ましくは、単環式、または二環式であり得る。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、または「ヘテロアリール基」という用語と交換可能に使用され得、これらのそれぞれは、任意に置換される環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールにより置換されるアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロアリール部は独立して、任意に置換される。
【0038】
本明細書で使用される、「芳香族環」および「芳香族環系」という用語は、0〜6個、好ましくは0〜4個の環ヘテロ原子を有し、環状のアレイで共有される6、10、または14個のπ電子を有する、任意に置換される単環式、二環式、または三環式基を指す。故に、「芳香族環」および「芳香族環系」という用語は、アリールおよびヘテロアリール基の双方を包含する。
【0039】
本明細書で使用される、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」、および「複素環」という用語は、交換可能に使用でき、安定した3〜7員の単環式部分、または縮合7〜10員環、または架橋した6〜10員の二環式複素環部分を指し、それらは飽和であるか、または部分的に不飽和であり、炭素原子に加えて、1個以上、好ましくは1〜4個のヘテロ原子(上記に記載される通りである)を有する。複素環の環原子に関連して使用される場合、「窒素」という用語は、置換窒素を含む。例として、酸素、硫黄、または窒素からなる群から選択される1〜3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル環において、窒素は、N(3,4−ジヒドロ−2H−ピロリル等の場合)、NH(ピロリジニル等の場合)、または
+NR(N−置換のピロリジニル等の場合)であり得る。複素環は、安定した構造を生じる、いずれのヘテロ原子または炭素原子でそのペンダント基に結合され得、いずれの環原子も、任意に、置換することができる。このような飽和したまたは部分的に不飽和の複素環式ラジカルの例は、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
幾つかの実施形態では、複素環上にある2つの隣接した置換基は、介在環原子と一体となって、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3個の環ヘテロ原子を有する任意に置換の縮合された5〜6員の芳香族または3〜8員の非芳香族環を形成する。故に、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環部」、および「複素環式ラジカル」という用語は、本明細書で交換可能に使用でき、ヘテロシクリル環が、インドリル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニル等の1つ以上のアリール、ヘテロアリール、またはシクロ脂肪族環に縮合される基を含み、ここで、ラジカルまたは結合点は、ヘテロシクリル環上にある。ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式、または多環式、好ましくは、単環式、二環式、または三環式、更に好ましくは、単環式、または二環式であり得る。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルにより置換されるアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロシクリル部は独立して、任意に置換される。
【0041】
本明細書で使用される、「部分的に不飽和」という用語は、環原子間で少なくとも1つの二重または三重結合を含む、環部分を指す。本明細書で定義するように、「部分的に不飽和」という用語は、複数の不飽和の部位を有する環を包含することを意図するが、アリールまたはヘテロアリール部分を含むことを意図しない。
【0042】
「ハロ脂肪族」、「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、および「ハロアルコキシ」という用語は、脂肪族、アルキル、アルケニル、またはアルコキシ基を指し、場合によって、1個以上のハロゲン原子で置換される。本明細書で使用される、「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、F、Cl、Br、またはIを意味する。「フルオロ脂肪族」という用語は、ハロ脂肪族を意味し、ハロゲンは、ペルフルオロ脂肪族基を含む、フルオロである。フルオロ脂肪族基の例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2−トリフルオロエチル、1,2,2−トリフルオロエチル、およびペンタフルオロエチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
「リンカー基」または「リンカー」という用語は、化合物の2つの部分を連結する有機部分を意味する。リンカーは、一般的に、酸素または硫黄等の原子、−NH−、−CH
2−、−C(O)−、−C(O)NH−等の単位、またはアルキレン鎖等の原子の鎖を包含する。リンカーの分子量は、一般的に、最高約6個までの原子の長さを持つ、約14〜200の範囲内であり、好ましくは、約14〜96の範囲内である。幾つかの実施形態では、リンカーは、C
1−6アルキレン鎖である。
【0044】
「アルキレン」という用語は、二価アルキル基を指す。「アルキレン鎖」とは、ポリメチレン基、即ち、−(CH
2)
y−であり、ここで、yは、自然数であり、好ましくは、1〜6、1〜4、1〜3、1〜2、または2〜3である。置換されるアルキレン鎖は、1つ以上のメチレン水素原子が置換基で置換されるポリメチレン基である。好適な置換基は、置換される脂肪族基に対して下記に記載されるものを含む。アルキレン鎖はまた、1つ以上の位置にて、脂肪族基または置換される脂肪族基で置換されてもよい。
【0045】
アルキレン鎖はまた、官能基により任意に分断することもできる。内部メチレン単位が官能基で置換される場合、アルキレン鎖は、官能基により「分断」される。好適な「分断される官能基」の例としては、−C(R
*)=C(R
*)−、−C≡C−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)
2−、−S(O)
2N(R
+)−、−N(R
*)−、−N(R
+)CO−、−N(R
+)C(O)N(R
+)−、−N(R
+)C(=NR
+)−N(R
+)−、−N(R
+)−C(=NR
+)−、−N(R
+)CO
2−、−N(R
+)SO
2−、−N(R
+)SO
2N(R
+)−、−OC(O)−、−OC(O)O−、−OC(O)N(R
+)−、−C(O)−、−CO
2−、−C(O)N(R
+)−、−C(O)−C(O)−、−C(=NR
+)−N(R
+)−、−C(=NR
+)=N−、−C(=NR
+)−O−、−C(OR
*)=N−、−C(R
o)=N−O−、または−N(R
+)−N(R
+)−が挙げられる。各R
+は独立して、水素または任意に置換される脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基であるか、あるいは、同一窒素原子上の2つのR
+は、窒素原子と一体となって、窒素原子に加えて、N、O、およびSからなる群から選択される0〜2個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の芳香族環または非芳香族環を形成する。各R
*は独立して、水素または任意に置換される脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基である。各Roは独立して、任意に置換される脂肪族、アリール、またはヘテロアリール基である。
【0046】
−O−で「分断」されるC
3−6アルキレン鎖の例としては、CH
2OCH
2−、−CH
2O(CH
2)
2−、−CH
2O(CH
2)
3−、−CH
2O(CH
2)
4−、−(CH
2)
2OCH
2−、−(CH
2)
2O(CH
2)
2−、−(CH
2)
2O(CH
2)
3−、−(CH
2)
3O(CH
2)−、−(CH
2)
3O(CH
2)
2−、および−(CH
2)
4O(CH
2)−が挙げられる。官能基で「分断」されるアルキレン鎖の他の例としては、−CH
2Z
*CH
2−、−CH
2Z
*(CH
2)
2−、−CH
2Z
*(CH
2)-
3−、−CH
2Z
*(CH
2)
4−、−(CH
2)
2Z
*CH
2−、−(CH
2)
2Z
*(CH
2)
2−、−(CH
2)
2Z
*(CH
2)
3−、−(CH
2)
3Z
*(CH
2)−、−(CH
2)
3Z
*(CH
2)
2−、および−(CH
2)
4Z
*(CH
2)−を含み、Zは、上記に記載される「分断される」官能基の1つである。
【0047】
当業者は、分断を有するアルキレン鎖が官能基に結合する場合、特定の組み合わせは、医薬的用途のために十分に安定していないことを認識されよう。安定した、または化学的に実現可能な化合物のみが本発明の範囲内である。安定した、または化学的に実現可能な化合物は、患者への治療的または予防的投与に有用であるのに十分長く、その完全性を維持する化合物である。好ましくは、化学的構造は、少なくとも一週間、−70℃以下、−50℃以下、−20℃以下、0℃以下、または20℃以下の温度で維持され、湿気がない、または他の化学反応状態がない場合、実質的に変化しない。
【0048】
「置換される」という用語は、本明細書で使用する場合、指定された部分の水素ラジカルが、特定の置換基のラジカルで置換され、但し、置換が安定した、または化学的に実現可能な化合物を生じることを意味する。「置換可能な」という用語は、指定された原子に関連して使用される場合、結合した原子が水素ラジカルであり、好適な置換基のラジカルで置換することができることを意味する。
【0049】
「1つ以上の置換基」という語句は、本明細書で使用する場合、利用可能な結合部位の数に基づいて、但し、上記の安定性および化学的な実現可能性の条件が満たされる条件の下で、1つから最大可能な置換基数に相当する複数の置換基を指す。別途規定がない限り、基のそれぞれの置換可能な位置で、任意に置換される基は、置換基を有することがあり、置換基は、同じであっても異なっていてもよい。
【0050】
本明細書で使用される、「独立して」または「独立して選択される」という用語は、同一または異なる値が、単一化合物において、複数の場合の既定の変数に対して、選択されてもよいことを意味する。
【0051】
アリール(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキル等のアリール部分を含む)、またはヘテロアリール(ヘテロアラルキルおよびヘテロアラルコキシ等のヘテロアリール部分を含む)基は、1つ以上の置換基を含み得る。アリールまたはヘテロアリール基の不飽和の炭素原子上の好適な置換基の例としては、−ハロ、−NO
2、−CN、−R
*、−C(R
*)=C(R
*)
2、−C≡C−R
*、−OR
*、−SR°、−S(O)R°、−SO
2R°、−SO
3R
*、−SO
2N(R
+)
2、−N(R
+)
2、−NR
+C(O)R
*、−NR
+C(O)N(R
+)
2、−N(R
+)C(=NR
+)−N(R
+)
2、−N(R
+)C(=NR
+)−R°、−NR
+CO
2R°、−NR
+SO
2R°、−NR
+SO
2N(R
+)
2、−O−C(O)R
*、−O−CO
2R
*、−OC(O)N(R
+)
2、−C(O)R
*、−CO
2R
*、−C(O)−C(O)R
*、−C(O)N(R
+)
2、−C(O)N(R
+)−OR
*、−C(O)N(R
+)C(=NR
+)−N(R
+)
2、−N(R
+)C(=NR
+)−N(R
+)−C(O)R
*、−C(=NR
+)−N(R
+)
2、−C(=NR
+)−OR
*、−N(R
+)−N(R
+)
2、−C(=NR
+)−N(R
+)−OR
*、−C(R°)=N−OR
*、−P(O)(R
*)
2、−P(O)(OR
*)
2、−O−P(O)−OR
*、および−P(O)(NR
+)−N(R
+)
2が挙げられ、ここでR°、R
+およびR
*は、上記に定義される通りであるか、または2つの隣接した置換基は、介在原子と一体となって、N、O、およびSからなる群から選択される0〜3個の環原子を有する5〜6員の不飽和、または部分的に不飽和の環を形成する。
【0052】
脂肪族基または非芳香族複素環は、1つ以上の置換基で置換され得る。脂肪族基または非芳香族複素環の飽和炭素上の好適な置換基の例としては、アリールまたはヘテロアリール基の不飽和炭素に対して上で列挙されたもの、および=O、=S、=C(R
*)
2、=N−N(R
*)
2、=N−OR
*、=N−NHC(O)R
*、=N−NHCO
2Ro、=N−NHSO
2Ro、または=N−R
*が挙げられるが、これらに限定されず、R
*およびR°のそれぞれは、上記に定義される通りである。
【0053】
ヘテロアリールまたは非芳香族複素環の置換可能な窒素原子上の好適な置換基は、−R
*、−N(R
*)
2、−C(O)R
*、−CO
2R
*、−C(O)−C(O)R
*−C(O)CH
2C(O)R
*、−SO
2R
*、−SO
2N(R
*)
2、−C(=S)N(R
*)
2、−C(=NH)−N(R
*)
2、および−NR
*SO
2R
*を含み、R
*のそれぞれは、上記に定義される通りである。ヘテロアリールまたは非芳香族複素環の環窒素原子はまた、酸化され、対応するN−ヒドロキシまたはN−酸化物化合物を形成し得る。酸化された環窒素原子を有するこのようなヘテロアリールの非限定的な例は、N−オキシドピリジルである。
【0054】
「約」という用語は、本明細書に使用され、おおよそ、〜の範囲の、大体、またはおよそを意味する。「約」という用語を数値の範囲と組み合わせて用いる場合、示した数値の上下の境界を拡大することによってその範囲を修飾する。一般に、「約」という用語を、本明細書で使用して、10%の分散で言及した値の上下の数値を修飾する。
【0055】
本明細書で使用される、「含む、包含する」という用語は、「〜が挙げられるが、これらに限定されない」を意味する。
【0056】
本発明の特定の化合物は、互変異性型で存在し得、化合物の全てのそのような互変異性型は、本発明の範囲内にあることは、当業者には明らかである。別途記述がない限り、本明細書に示される構造はまた、構造、即ち、それぞれの不斉中心に対するRおよびS構造の全ての立体化学型に加えて、全ての幾何(または配座)異性体、即ち、(Z)および(E)の二重結合異性体および(Z)および(E)配座異性体を含むことを意味する。したがって、本化合物の鏡像体およびジアステレオマーの混合物に加えて、単一立体化学異性体は、本発明の範囲内である。混合物が別の立体異性体に対して1つの立体異性体に富む場合、その混合物は、例えば、少なくとも50%、75%、90%、99%、または99.5%の鏡像体過剰率を含み得る。
【0057】
別途記述がない限り、本明細書に示される構造はまた、1つ以上の同位体標識原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことを意味する。例えば、本構造を有する化合物は、重水素または三重水素による水素原子の置換、または
13C−または
14C−に富む炭素による炭素原子の置換を除き、本発明の範囲内である。
【0058】
本明細書で使用される、「播種」という用語を使用して、結晶化または再結晶化を開始するために、結晶物質を添加することを指す。
【0059】
化合物が、溶液またはスラリーから結晶化する場合、「多形現象」と称される性質により、異なる空間格子配列で結晶化し得る。結晶形態のそれぞれは、「多形体」である。既定の物質の多形体は、同一の化学組成物を有するが、それらは、溶解度および解離、真密度、融点、結晶形状、圧密挙動、流動性、ならびに/または固体安定性等の1つ以上の物理的性質に関して互いに異なり得る。
【0060】
本明細書で使用される、「溶媒和する、または溶媒和される」という用語は、1つ以上の溶媒分子を有する、化合物の物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む。特定の例では、溶媒和物は、例えば、1つ以上の溶媒分子が、結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合に、単離可能である。「溶媒和する、または溶媒和される」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の双方を包含する。代表的な溶媒和物には、例えば、水和物、エタノラート類、またはメタノラート類が挙げられる。溶媒和物の物理的性質は、一般に、他の溶媒和物、および化合物の非溶媒和形態とは異なる。化学組成物はまた、溶媒和物間で異なるため、これらの形態は、「疑似多形」と称される。
【0061】
本明細書で使用される、「水和物」という用語は、溶媒和物であり、溶媒分子は、定義された化学量論量で存在し、例えば、半水化物、一水和物、二水和物、または三水和物を含み得る、H
2Oである。本明細書で使用される、「無水和物」という用語は、その結晶格子に組み込まれる、H
2Oを含有しない、本発明の化合物である。
【0062】
本明細書で使用される、「結晶」とは、高度に一般化学構造を有する、固体を指す。具体的には、結晶化合物は、化合物の1つ以上の単一結晶形態として生成され得る。本願の目的のために、「単一結晶形態」または「結晶形態」という用語は、交換可能に使用でき、異なる性質(例えば、異なるXRPDパターン、異なるDSC走査結果)を有する、結晶を区別する。故に、化合物のそれぞれの別個の多形および疑似多形は、本明細書で別個の単一結晶形態であると考えられる。
【0063】
「実質的に結晶」とは、少なくとも特定の重量パーセントの結晶であり得る、化合物を指す。特定の重量パーセントは、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、または10%〜100%のいずれのパーセントである。幾つかの実施形態では、実質的に結晶とは、少なくとも70%の結晶である、化合物を指す。他の実施形態では、実質的に結晶とは、少なくとも90%の結晶である、化合物を指す。
【0064】
「実質的に純粋」とは、少なくとも特定の重量パーセントの化合物であり得る、化合物を指す。特定の重量パーセントは、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99.5%である。
【0065】
別途明確に記述がない限り、本明細書に示される構造は、それらの全ての水和物、無水和物、溶媒和物、および多形体を含むことを意味する。
【0066】
本明細書で使用される、「化合物(I−1)」および「4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンズアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸」という用語は、交換可能に使用でき、全ての結晶形態を含む。双方の用語は、形態1および形態2の双方を含む、以下の実施例の実施例1および実施例1Aにおいて生成される、化合物を指す。
【0067】
本明細書で使用される、「化合物(I−1)形態2」および「4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンズアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸形態2」という用語は、交換可能に使用できる。双方の用語は、以下の実施例の実施例1および実施例1Aにおいて生成される、結晶形態2を指す。
【0068】
本明細書で使用される、「式(VIII−1)の化合物」、および「(R)−1−((2,5−ジクロロベンズアミド)アセトアミド)−3−メチルブチルボロン酸」という用語は、交換可能に使用できる。式(VIII−1)の化合物は、米国特許第7,442,830号および国際公開第09/020448号に開示されている。
【0069】
本明細書で使用される、「式(I−15)の化合物」、「化合物(I−15)」、および「(I−15)」という用語は、交換可能に使用でき、化合物(VIII−15)のクエン酸エステル、以下の実施例の実施例15において生成される化合物を指すために使用される。
【0070】
本明細書で使用される、式(VIII)の化合物等のボロン酸に関して使用される、「無水物」という用語は、1つ以上の水分子を喪失して、ボロン酸化合物の2つ以上の分子の組み合わせによって形成される、化学的化合物を指す。水と混合する場合、ボロン酸無水化合物は、水和され、遊離ボロン酸化合物を放出する。様々な実施形態では、ボロン酸無水物は、2つ、3つ、4つ、もしくはそれ以上のボロン酸単位を含むことができ、環状または直線上の構造を有することができる。本発明のペプチドボロン酸化合物のオリゴマーボロン酸の限定されない例は、以下に例示される。
【0071】
【化2】
式(1)および(2)において、変数nnは、0〜約10、好ましくは0、1、2、3、または4の整数である。幾つかの実施形態では、ボロン酸無水化合物は、式(2)の環状三量体(「ボロキシン」)を含み、式中、nnは、1である。変数Wは、式(3)を有し、
【0072】
【化3】
式中、P、R
a2、A、R
a1、およびR
aは、本明細書に定義される通りである。
【0073】
本明細書で使用される、単一の経口医薬投薬形態の全重量は、経口医薬投薬形態中に成分の全ての重量を添加することにより決定され、それを形成した後に経口医薬投薬形態に任意に適用され得る、いずれのコーティングの重量も含まない。単一経口医薬投薬形態の全重量は、経口医薬投薬形態を含むそれぞれの成分の重量パーセントを計算するための基準として使用される。
【0074】
本明細書で使用される、充填剤等として賦形剤に関して使用される、「低水分」は、約0.5%〜約4%の水分含量を有する、賦形剤を指す。「低水分」という用語は、「低水」という用語と交換可能に使用され得る。
【0075】
本明細書で使用される、「凍結乾燥粉末」、「ケーキ」、または「凍結乾燥ケーキ」という用語は、水性混合物の凍結乾燥によって得られるいずれの固体物質を指す。
【0076】
本明細書で使用される、「張性調節剤(tonicity modifier)」という用語は、液体または溶液のオスモル濃度の一因となる、薬剤を指す。
【0077】
本明細書で使用される、「ボロン酸エステル(boronate ester)」および「ボロン酸エステル(boronic ester)」という用語は、交換可能に使用でき、−B(Z
1)(Z
2)部分を含有する、化学的化合物を指し、Z
1およびZ
2は共に、ホウ素に結合している原子が、いずれの場合にも、酸素原子である、部分を形成する。
【0078】
幾つかの実施形態では、ボロン酸エステル部分は、5員環である。幾つかの他の実施形態では、ボロン酸エステル部分は、6員環である。幾つかの他の実施形態では、ボロン酸エステル部分は、5員環と6員環の混合物である。
【0079】
本明細書で使用される、「α−ヒドロキシカルボン酸」という用語は、カルボン酸基に対してα位に炭素原子を直接的に結合しているヒドロキシ基を含有する、化合物を指す。本明細書で使用される、「α−ヒドロキシカルボン酸」という用語は、1つのみのヒドロキシ基および1つのカルボン酸基を有する、化合物に限定されることを意図するものではない。
【0080】
本明細書で使用される、「β−ヒドロキシカルボン酸」という用語は、カルボン酸基に対してβ位に炭素原子を直接的に結合しているヒドロキシ基を含有する、化合物を指す。本明細書で使用される、「β−ヒドロキシカルボン酸」という用語は、1つのみのヒドロキシ基および1つのカルボン酸基を有する、化合物に限定されることを意図するものではない。
【0081】
本明細書で使用される、「α−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分」という用語は、α−ヒドロキシカルボン酸内のカルボン酸から水素原子を除去することにより、およびカルボン酸基に対してα位に炭素原子を直接的に結合しているヒドロキシ基から、水素原子を除去することにより形成される、部分を指す。本明細書で使用される、「β−ヒドロキシカルボン酸に由来する部分」という用語は、β−ヒドロキシカルボン酸内のカルボン酸から水素原子を除去することにより、およびカルボン酸基に対してβ位に炭素原子を直接的に結合しているヒドロキシ基から、水素原子を除去することにより形成される、部分を指す。
発明の詳細な説明
幾つかの実施形態では、α−ヒドロキシ酸は、式(V)を特徴とし、
【0082】
【化4】
式中、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素、−CO
2H、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル基である。
【0083】
幾つかの実施形態では、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素、C
1−6脂肪族、または−(CH
2)
p−CO
2Hであり、pは、0、1、または2である。幾つかの実施形態では、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素またはC
1−6脂肪族である。特定のこのような実施形態では、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、およびシクロヘキシルからなる群から選択される。幾つかの他の実施形態では、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素または−(CH
2)
p−CO
2Hである。幾つかのこのような実施形態では、pは、1である。特定の他の実施形態では、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、−(CH
2)
p−CO
2Hである。特定のこのような実施形態では、pは、1である。
【0084】
幾つかの実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸は、グリコール酸、リンゴ酸、ヘキサヒドロマンデル酸、クエン酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、マンデル酸、乳酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、およびベンジル酸からなる群から選択される。幾つかの他の実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸は、グリコール酸、リンゴ酸、ヘキサヒドロマンデル酸、クエン酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、マンデル酸、乳酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、酒石酸、およびベンジル酸からなる群から選択される。特定の実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸である。α−ヒドロキシカルボン酸の幾つかの他の限定されない例には、グルコヘプトン酸、グルコン酸(maltonic acid)、ラクトビオン酸、およびガラクタル酸が挙げられる。
【0085】
幾つかの実施形態では、β−ヒドロキシ酸は、式(VI)を特徴とし、
【0086】
【化5】
式中、R
b1およびR
b2のそれぞれは独立して、水素、−CO
2H、−OH、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル基であり、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素、−CO
2H、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリールもしくはヘテロシクリル基であるか、
または、R
b2およびR
b4はそれぞれ独立して、水素であり、R
b1およびR
b3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3環のヘテロ原子を有する、非置換もしくは置換の縮合された4〜8員の非芳香族環を形成し、前記環は、任意に、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3環のヘテロ原子を有する、非置換もしくは置換の4〜8員の非芳香族環、または5〜6員の芳香族環に縮合され得るか、
またはR
b2およびR
b4は、存在せず、R
b1およびR
b3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3環のヘテロ原子を有する、非置換もしくは置換の縮合された5〜6員の芳香族環を形成し、前記環は、任意に、O、N、およびSからなる群から選択される0〜3環のヘテロ原子を有する、非置換もしくは置換の4〜8員の非芳香族環、または5〜6員の芳香族環に縮合され得る。
【0087】
幾つかの実施形態では、R
b1およびR
b2のそれぞれは独立して、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
p−OH、または−(CH
2)
p−CO
2Hであり、pは、0、1、または2である。幾つかのこのような実施形態では、R
b1およびR
b2のそれぞれは、水素である。幾つかの他のこのような実施形態では、R
b1は、−OHであり、R
b2は、水素である。
【0088】
幾つかの実施形態では、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素、C
1−6脂肪族、または−(CH
2)
p−CO
2Hであり、pは、0、1、または2である。幾つかの実施形態では、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素またはC
1−6脂肪族である。特定のこのような実施形態では、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、水素、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、およびシクロヘキシルからなる群から選択される。特定の他の実施形態では、R
b3およびR
b4のそれぞれは独立して、−(CH
2)
p−CO
2Hであり、pは、0または1である。
【0089】
変数pは、0、1、または2である。幾つかの実施形態では、pは、0または1である。特定の実施形態では、pは、0である。他の実施形態では、pは、1である。
【0090】
幾つかの実施形態では、R
b2およびR
b4は、存在せず、R
b1およびR
b3は、それらが結合している炭素原子と一体となって、置換もしくは非置換のフェニル環を形成する。
【0091】
幾つかの実施形態では、β−ヒドロキシカルボン酸は、リンゴ酸、クエン酸、3−ヒドロキシ酪酸、β−ヒドロキシイソ吉草酸、およびサリチル酸からなる群から選択される。幾つかの他の実施形態では、β−ヒドロキシカルボン酸は、リンゴ酸、クエン酸、3−ヒドロキシ酪酸、β−ヒドロキシイソ吉草酸、酒石酸、およびサリチル酸からなる群から選択される。特定の実施形態では、β−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸である。β−ヒドロキシカルボン酸の幾つかの他の限定されない例には、グルコヘプトン酸、グルコン酸(maltonic acid)、ラクトビオン酸、およびガラクタル酸が挙げられる。β−ヒドロキシカルボン酸の幾つかの他の限定されない例には、エンボン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、および3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸が挙げられる。
【0092】
幾つかの実施形態では、α−ヒドロキシ酸またはβ−ヒドロキシ酸は、グリコール酸、リンゴ酸、ヘキサヒドロマンデル酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、クエン酸、マンデル酸、乳酸、3−ヒドロキシ酪酸、β−ヒドロキシイソ吉草酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、酒石酸、サリチル酸、およびベンジル酸からなる群から選択される。
【0093】
幾つかの実施形態では、一般式(I)の化合物は、式(II)を特徴とし、
【0094】
【化6】
式中、
変数P、A、R
a、R
a1、R
a2、およびnは、下述の値を有し、変数R
b1、R
b2、R
b3、およびR
b4は、上述の値を有する。
【0095】
幾つかの実施形態では、R
b1、R
b2、R
b3、およびR
b4のうちのいずれか1つは、ホウ素原子と更なる結合を形成することができる、官能基を含み得る。特定の実施形態では、官能基は、カルボン酸である。他の特定の実施形態では、官能基は、ヒドロキシル基である。
【0096】
幾つかの実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、一般式(I)の化合物は、式(III)または(IV)
【0097】
【化7】
またはこれらの混合物を特徴とし、変数P、A、R
a、R
a1、およびR
a2は、下述の値を有する。
【0098】
幾つかの他の実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、更なる結合は、式(III)または(IV)のカルボン酸とホウ素原子との間で形成することができる。いかなる化学結合理論に拘束されるわけではないが、このような実施形態では、一般式(I)の化合物は、式(IIIa)または(IVa)
【0099】
【化8】
またはこれらの混合物によって表され得、変数P、A、R
a、R
a1、およびR
a2は、下述の値を有する。
【0100】
いかなる化学結合理論に拘束されるわけではないが、式(IIIa)および(IVa)において、ホウ素原子とカルボン酸のこの更なる結合を示すように使用され得る、他の表現があることを認識される。
【0101】
以下の値は、式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)、または(IVa)のうちのいずれかの変数に記載される。
【0102】
変数Pは、水素またはアミノ基遮断部分である。アミノ基遮断部分の限定されない例は、P.G.M.Wuts and T.W.Greene,Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis(4
th ed.)、John Wiley & Sons、NJ(2007)に見出され、例えば、アシル、スフホニル、オキシアシル、およびアミノアシル基を含むことができる。
【0103】
幾つかの実施形態では、Pは、R
c−C(O)−、R
c−O−C(O)−、R
c−N(R
4c)−C(O)−、R
c−S(O)
2−、またはR
c−N(R
4c)−S(O)
2−であり、R
cは、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−R
D、−T
1−R
D、および−T
1−R
2cからなる群から選択され、変数T
1、R
D、R
2c、およびR
4cは、下述の値を有する。
【0104】
変数R
4cは、水素、C
1−4アルキル、C
1−4フルオロアルキル、またはC
6−10アラ(C
1−4アルキル)であり、これらのアリール部は、置換もしくは非置換である。幾つかの実施形態では、R
4cは、水素またはC
1−4アルキルである。特定の実施形態では、R
4cは、水素である。
【0105】
変数T
1は、0〜2個の独立して選択される、R
3aまたはR
3bで置換されるC
1−6アルキレン鎖であり、アルキレン鎖は、任意に、−C(R
5)=C(R
5)−、−C≡C−、または−O−で中断される。各R
3aは独立して、−F、−OH、−O(C
1−4アルキル)、−CN、−N(R
4)
2、−C(O)(C
1−4アルキル)、−CO
2H、−CO
2(C
1−4アルキル)、−C(O)NH
2、および−C(O)−NH(C
1−4アルキル)からなる群から選択さる。各R
3bは独立して、R
3aまたはR
7で置換されるC
1−3脂肪族であるか、または同一炭素原子上の2つの置換基R
3bは、それらが結合している炭素原子と一体となって、3〜6員のシクロ脂肪族環を形成する。各R
7は、置換もしくは非置換の芳香族基である。幾つかの実施形態では、T
1は、C
1−4アルキレン鎖である。
【0106】
変数R
2cは、ハロ、−OR
5、−SR
6、−S(O)R
6、−SO
2R
6、−SO
2N(R
4)
2、−N(R
4)
2、−NR
4C(O)R
5、−NR
4C(O)N(R
4)
2、−NR
4CO
2R
6、−N(R
4)SO
2R
6、−N(R
4)SO
2N(R
4)
2、−O−C(O)R
5、−OC(O)N(R
4)
2、−C(O)R
5、−CO
2R
5、または−C(O)N(R
4)
2であり、
各R
4は独立して、水素、または任意に置換される、脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であるか、または同一窒素原子上の2個のR
4は、窒素原子と一体となって、窒素原子に加えて、N、O、およびSからなる群から独立して選択される0〜2環のヘテロ原子を有する、置換もしくは非置換の4〜8員のヘテロシクリル環を形成し、
各R
5は独立して、水素、または任意に置換される、脂肪族、アリール、ヘテロアリール、もしくはヘテロシクリル基であり、
各R
6は独立して、任意に置換される、脂肪族、アリール、またはヘテロアリール基である。
【0107】
変数R
Dは、置換もしくは非置換の芳香族、ヘテロシクリル、またはシクロ脂肪族環であり、これらのいずれかは、任意に、置換もしくは非置換の芳香族、ヘテロシクリル、またはシクロ脂肪族環に縮合される。幾つかの実施形態では、R
Dは、0〜2個のR
dおよび0〜2個のR
8dで置換可能な環炭素原子上で置換され、R
Dの各置換可能な環窒素原子は、非置換であるか、または−C(O)R
5、−C(O)N(R
4)
2、−CO
2R
6、−SO
2R
6、−SO
2N(R
4)
2、C
1−4脂肪族、置換もしくは非置換のC
6−10アリール、またはC
6−10アル(C
1−4)アルキルで置換され、これらのアリール部は、置換もしくは非置換である。変数R
4、R
5、およびR
6は、上述の値を有する。各R
dは独立して、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、ハロ、−R
1d、−R
2d、−T
2−R
1d、および−T
2−R
2dからなる群から選択され、変数T
2、R
1d、R
2d、およびR
8dは、下述の値を有する。幾つかの実施形態では、各R
dは独立して、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、およびハロからなる群から選択される。
【0108】
T
2は、0〜2個の独立して選択されるR
3aまたはR
3bで置換されるC
1−6アルキレン鎖であり、式中、アルキレン鎖は、任意に、−C(R
5)=C(R
5)−、−C≡C−、または−O−で中断される。変数R
3a、R
3b、およびR
5は、上述の値を有する。
【0109】
各R
1dは独立して、置換もしくは非置換のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはシクロ脂肪族環である。
【0110】
各R
2dは独立して、−NO
2、−CN、−C(R
5)=C(R
5)
2、−C≡C−R
5、−OR
5、−SR
6、−S(O)R
6、−SO
2R
6、−SO
2N(R
4)
2、−N(R
4)
2、−NR
4C(O)R
5、−NR
4C(O)N(R
4)
2、−N(R
4)C(=NR
4)−N(R
4)
2、−N(R
4)C(=NR
4)−R
6、−NR
4CO
2R
6、−N(R
4)SO
2R
6、−N(R
4)SO
2N(R
4)
2、−O−C(O)R
5、−OC(O)N(R
4)
2、−C(O)R
5、−CO
2R
5、−C(O)N(R
4)
2、−C(O)N(R
4)−OR
5、−C(O)N(R
4)C(=NR
4)−N(R
4)
2、−N(R
4)C(=NR
4)−N(R
4)−C(O)R
5、または−C(=NR
4)−N(R
4)
2である。変数R
4、R
5、およびR
6は、下述の値を有する。
【0111】
各R
8dは独立して、C
1−4脂肪族、C
1−4フルオロ脂肪族、ハロ、−OH、−O(C
1−4脂肪族)、−NH
2、−NH(C
1−4脂肪族)、および−N(C
1−4脂肪族)
2からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、各R
8dは独立して、C
1−4脂肪族、C
1−4フルオロ脂肪族、またはハロである。
【0112】
幾つかの実施形態では、R
Dは、置換もしくは非置換の単環式または二環式環系である。幾つかの実施形態では、R
Dは、フラニル、チエニル、ピロリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、フェニル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、プリニル、ナフチル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノキサリニル、およびジヒドロベンゾオキサジニルからなる群から選択される、置換もしくは非置換の単環式または二環式環系である。幾つかの実施形態では、R
Dは、フェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ナフチル、ベンゾイミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノキサリニル、およびジヒドロベンゾオキサジニルからなる群から選択される、置換もしくは非置換の単環式または二環式環系である。
【0113】
幾つかの実施形態では、R
Dの置換可能な環炭素原子は、0〜1個のR
dおよび0〜2個のR
8dで置換可能な炭素原子上で置換され、式中、
各R
dは独立して、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、またはハロであり、
各R
8dは独立して、C
1−4脂肪族、C
1−4フルオロ脂肪族、またはハロである。
【0114】
幾つかの実施形態では、R
Dの置換可能な環炭素原子は、0〜1個のR
dおよび0〜2個のR
8dで置換可能であり、式中、
T
1は、非置換であるか、またはR
3aまたはR
3bで置換される、C
1−3アルキレン鎖であり、
各R
1dは独立して、置換もしくは非置換のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはシクロ脂肪族環であり、
各R
2dは独立して、−OR
5、−SR
6、−S(O)R
6、−SO
2R
6、−SO
2N(R
4)
2、−N(R
4)
2、−NR
4C(O)R
5、−NR
4C(O)N(R
4)
2、−O−C(O)R
5、−OC(O)N(R
4)
2、−C(O)R
5、−CO
2R
5、または−C(O)N(R
4)
2である。変数R
4、R
5、およびR
6は、上述の値を有する。
【0115】
幾つかの実施形態では、変数R
dは、式−Q−R
Eを有し、Qは、−O−、−NH−、または−CH
2−であり、R
Eは、置換もしくは非置換のアリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、またはシクロ脂肪族環である。幾つかの実施形態では、R
Eは、置換もしくは非置換のフェニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、またはモルホリニル環である。
【0116】
幾つかの実施形態では、Pは、式R
c−C(O)−を有し、R
cは、C
1−4アルキル、C
1−4フルオロアルキル、またはC
6−10アラ(C
1−4)アルキル、これらの
アリール部は、置換もしくは非置換である。特定のこのような実施形態では、Pは、アセチル、トリフルオロアセチル、およびフェニルアセチルからなる群から選択される。
【0117】
幾つかの他の実施形態では、Pは、式R
D−C(O)−を有し、R
Dは、置換もしくは非置換のフェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、キノリニル、またはキノキサリニルである。なお幾つかの他の実施形態では、Pは、式R
D−C(O)を有し、R
Dは、0〜1個のR
dおよび0〜2個のR
8dで置換される、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ナフチル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾイミダゾリル、またはジヒドロベンゾオキサジニルである。
【0118】
特定の実施形態では、Pは、式R
D−C(O)−を有し、R
Dは、2−ピラジニルである。他の特定の実施形態では、Pは、式R
D−C(O)−を有し、R
Dは、2,5−ジクロロフェニルである。なお他の特定の実施形態では、Pは、式R
D−C(O)−を有し、R
Dは、6−フェニル−2−ピリジニルである。
【0119】
幾つかの他の実施形態では、Pは、式R
c−SO
2−を有し、R
cは、−R
Dまたは−T
1−R
Dであり、T
1は、C
1−4アルキレンであり、R
Dは、0〜1個のR
dおよび0〜2個のR
8dで置換される、フェニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ナフチル、キノリニル、キノキサリニル、ベンゾイミダゾリル、またはジヒドロベンゾオキサジニルである。
【0120】
変数R
aは、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、変数R
4、R
5、およびR
6は、上述の値を有し、変数R
5a、R
5b、R
B、Y、およびmは、下述の値を有する。
【0121】
幾つかの実施形態では、R
aは、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、または−(CH
2)
m−CH
2−R
Bである。幾つかの他の実施形態では、R
aは、C
1−6脂肪族、または−(CH
2)
m−CH
2−R
Bである。幾つかの更なる実施形態では、R
aは、C
1−6脂肪族である。なお他の更なる実施形態では、R
aは、イソブチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、ベンジル、4−フルオロベンジル、4−ヒドロキシベンジル、4−(ベンジルオキシ)ベンジル、ベンジルナフチルメチル、またはフェネチルである。特定の実施形態では、R
aは、イソブチルである。
【0122】
変数R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、変数R
4、R
5、およびR
6は、上述の値を有し、変数R
5a、R
5b、R
B、Y、およびmは、下述の値を有する。
【0123】
幾つかの実施形態では、R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bである。幾つかの他の実施形態では、R
a1は、水素、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bである。なお幾つかの他の実施形態では、R
a1は、イソブチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、ベンジル、4−フルオロベンジル、4−ヒドロキシベンジル、4−(ベンジルオキシ)ベンジル、ベンジルナフチルメチル、またはフェネチルである。
【0124】
特定の実施形態では、R
a1は、−CH
2−R
Bである。他の特定の実施形態では、R
a1は、−CH(R
5a)−OR
5bである。なお他の特定の実施形態では、R
a1は、水素である。
【0125】
変数R
a2は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、−(CH
2)
m−CH
2−NHC(=NR
4)NH−Y、−(CH
2)
m−CH
2−CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH
2−N(R
4)CON(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
6)N(R
4)
2、−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5b、または−(CH
2)
m−CH(R
5)−SR
5であり、変数R
4、R
5、およびR
6は、上述の値を有し、変数R
B、R
5a、R
5b、Y、およびmは、下述の値を有する。
【0126】
幾つかの実施形態では、R
a2は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bである。幾つかの他の実施形態では、R
a2は、イソブチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、ベンジル、4−フルオロベンジル、4−ヒドロキシベンジル、4−(ベンジルオキシ)ベンジル、ベンジルナフチルメチル、またはフェネチルである。
【0127】
各R
Bは独立して、置換もしくは非置換の単環式または二環式環系である。幾つかの実施形態では、各R
Bは独立して、置換もしくは非置換のフェニル、ピリジル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ナフチル、キノリニル、キノキサリニル、またはイソキノリニル環である。特定の実施形態では、R
Bは、置換もしくは非置換のフェニル環である。
【0128】
変数Yは、水素、−CN、または−NO
2である。幾つかの実施形態では、Yは、−NO
2である。
【0129】
変数R
5aは、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基である。幾つかの実施形態では、R
5aは、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族基である。幾つかの他の実施形態では、R
5aは、水素、またはC
1−6脂肪族である。このような実施形態では、R
5aは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、およびイソブチルからなる群から選択される。特定のこのような実施形態では、R
5aは、メチルである。
【0130】
変数R
5bは、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリル基である。幾つかの実施形態では、R
5bは、水素、または置換もしくは非置換の脂肪族基である。幾つかの他の実施形態では、R
5bは、水素またはC
1−6脂肪族である。このような実施形態では、R
5bは、水素、メチル、エチル、イソプロピル、およびイソブチルからなる群から選択される。特定のこのような実施形態では、R
5bは、水素である。
【0131】
変数mは、0、1、または2である。幾つかの実施形態では、mは、0または1である。特定の実施形態では、mは、0である。他の特定の実施形態では、mは、1である。
【0132】
変数Aは、0、1、または2である。幾つかの実施形態では、Aは、0または1である。特定の実施形態では、Aは、0である。
【0133】
変数nは、0、または1である。特定の実施形態では、nは、0である。他の特定の実施形態では、nは、1である。
【0134】
幾つかの実施形態では、Aは、0であり、R
aは、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、または−(CH
2)
m−CH
2−R
Bであり、R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、Pは、R
c−C(O)−またはR
c−S(O)
2−であり、R
cは、−R
Dであり、mは、0または1である。
【0135】
幾つかの他の実施形態では、Aは、0であり、R
aは、C
1−6脂肪族または−(CH
2)
m−CH
2−R
Bであり、R
a1は、水素、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、Pは、R
c−C(O)−またはR
c−S(O)
2−であり、R
cは、−R
Dであり、mは、0または1である。
【0136】
幾つかの他の実施形態では、Aは、0であり、R
aは、C
1−6脂肪族であり、R
a1は、水素、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、Pは、R
c−C(O)であり、R
cは、−R
Dであり、mは、0または1である。
【0137】
幾つかの他の実施形態では、Aは、0であり、R
aは、イソブチルであり、R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、C
1−6フルオロ脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、Pは、R
c−C(O)−であり、R
cは、−R
Dであり、mは、0または1である。
【0138】
なお幾つかの他の実施形態では、Aは、0であり、R
aは、イソブチルであり、R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、Pは、R
c−C(O)−であり、R
cは、−R
Dであり、mは、0または1である。
【0139】
更になお幾つかの他の実施形態では、Aは、0であり、R
aは、イソブチルであり、R
a1は、水素、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、Pは、R
c−C(O)−であり、R
cは、−R
Dであり、mは、0または1である。
【0140】
特定の実施形態では、Aは、0であり、R
aは、イソブチルであり、R
a1は、−CH
2−R
Bであり、R
Bは、フェニルであり、Pは、R
c−C(O)−であり、R
cは、−R
Dであり、R
Dは、2−ピラジニルである。
【0141】
他の特定の実施形態では、Aは、0であり、R
aは、イソブチルであり、R
a1は、水素であり、Pは、R
c−C(O)−であり、R
cは、−R
Dであり、R
Dは、2,5−ジクロロフェニルである。
【0142】
なお他の特定の実施形態では、Aは、0であり、R
aは、イソブチルであり、R
a1は、−CH(R
5a)−OR
5bであり、R
5aは、C
1−6脂肪族であり、R
5bは、水素であり、Pは、R
c−C(O)−であり、R
cは、−R
Dであり、R
Dは、6−フェニル−2−ピリジニル−である。
【0143】
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(I−1)
【0144】
【化9】
またはその結晶形態を特徴とする。
【0145】
幾つかの他の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I−15)
【0146】
【化10】
またはその結晶形態を特徴とする。
【0147】
なお幾つかの他の実施形態では、式(I)の化合物は、式(I−18)
【0148】
【化11】
またはその結晶形態を特徴とする。
【0149】
一般的な合成方法論
式(I)の化合物は、対応するボロン酸のエステル化によって調製することができる。このようなボロン酸化合物は、当業者には既知の方法から調製することができる。例えば、Adamsらの米国特許第5,780,454号、Pickersgillらの国際公開第2005/097809号を参照のこと。例示的な合成経路は、以下のスキーム1に記述されている。
【0151】
【化12】
N保護アミノ酸iiと化合物iのカップリング、次いで、N末端脱保護により、化合物iiiまたはその塩を提供する。好適な保護基(PG)の例としては、例えば、ホルミル、アセチル(Ac)、スクシニル(Suc)、およびメトキシスクシニル等のアシル保護基、ならびに、例えば、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(Cbz)、およびフルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)等のウレタン保護基が挙げられるが、これらに限定されない。任意に、PGは、水素であり、脱保護は、必要ではない。ペプチドカップリング反応は、活性化エステル、または例えば、O−(N−ヒドロキシスクシンイミド)エステル等の酸ハロゲン化物に対して、化合物iiのカルボン酸部分の事前の変換、次いで、化合物iによる処置によって行うことができる。代替として、活性化エステルを、ペプチドカップリング試薬とカルボン酸を接触させることによって、原位置で生成することができる。好適なペプチドカップリング試薬の例としては、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)または1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(EDC)等のカルボジイミド、例えば、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩(BOP)等のホスホニウム試薬、および例えば、O−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)等のウロニウム試薬が挙げられるが、これらに限定されない。
【0152】
化合物iiiは、その後、アミノ基遮断部分とカップリングさせて、化合物ivを得る。化合物iとiiのカップリングのための上述のペプチドカップリング条件はまた、アミノ基遮断部分と化合物iiiをカップリングするのにも適切である。ボロン酸部分の脱保護は、その後、化合物vを得る。脱保護ステップは、好ましくは、ボロン酸エステル化合物iv、有機ボロン酸受容体、低級アルカノール、C
5−8炭化水素溶媒、および水性鉱酸を含む、二相性混合物のエステル交換によって達成される。ボロン酸部分の脱保護に使用することができる他の試薬は、BCl
3、水素化アルミニウムリチウムおよびNaIO
4が挙げられるが、これらに限定されない。
【0154】
【化13】
代替として、スキーム2に示されるように、カップリング反応の順番は、逆行させることができる。故に、O保護アミノ酸viは、第1に、アミノ基遮断部分とカップリングさせ、次いで、エステル加水分解することにより、化合物viiを形成する。任意に、PG’は、Hであり、エステル加水分解を必要とせず、直接、化合物viiを引き起こす。スキーム1のための上述のように、化合物iとカップリングさせ、ボロン酸脱保護を達成し、化合物vを得る。
【0155】
スキーム3に示されるように、化合物vを、適切なα−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸と反応させ、式(I)の化合物を得る。
【0157】
【化14】
vの式(I)の化合物への変換は、約40℃〜約80℃の温度で、酢酸エチル等の溶媒の約モル当量のα−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸を採用する、エステル化条件下で、達成することができる。vの式(I)の化合物への変換はまた、上述のように、モル過剰のα−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸を採用することもできる。本変換に対して他の好適な溶媒の例としては、メチルイソブチルケトン、アセトン、アセトニトリル、2−メチルテトラヒドロフラン、アニソール、酢酸イソプロピル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、トルエン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、tert−ブチルメチルエーテル、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。溶媒の選択は、使用するα−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸の溶解度において、部分的に異なり得る。vの式(I)の化合物への変換に選択される温度は、使用する溶媒または溶媒混合物の沸点において、部分的に異なり得る。
【0158】
vの式(I)の化合物への変換は、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ピリジン、コリジン、2,6−ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン、ジ−tertブチルピリジン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、テトラメチルグアニジン、ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エン、N,N’ジイソプロピルエチルアミン、またはこれらの混合物等であるが、これらに限定されない、有機アミン塩基によって触媒作用を受け得る。
【0159】
式vの化合物およびα−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、一期間にわたって、最適な溶媒中で、共に加熱される。本期間後、反応混合物を、一期間にわたって、冷却させ、冷却と同時に沈殿する式(I)の化合物を、濾過により収集する。冷却は、制御され得ないか、または冷却装置の使用によって制御され得る。反応混合物を、本冷却期間中、撹拌し得る。代替として、式(I)の化合物はまた、冷却し、次いで、溶媒を蒸発することにより、反応混合物から単離することもできる。反応混合物は、沈殿を生じるために、式(I)の化合物の結晶で播種され得る。
【0160】
ヘプタン、メチルシクロヘキサン、トルエン、tert−ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、またはこれらの混合物等であるが、これらに限定されない、共溶媒は、冷却期間中、添加され得る。共溶媒の添加後、反応混合物を冷却し、式(I)の化合物の沈殿を更に生じることができる。代替として、共溶媒を添加すると、反応混合物を、その後、再度加熱し、均質溶液を生成することができ、その後、冷却して、式(I)の化合物の沈殿を生じる。反応混合物は、沈殿を生じるために、式(I)の化合物の結晶で播種され得る。
【0161】
他の実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に純粋形態で単離される。このような実施形態では、純度は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99.5%である。
【0162】
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、結晶形態で単離される。幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、実質的に結晶形態で単離される。幾つかの他の実施形態では、式(I)の化合物は、非晶質形態で単離される。
【0163】
式(I)の化合物はまた、化合物vおよびα−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸を共凍結乾燥することにより生成することもできる。これは、式vの化合物およびモル過剰のα−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸を含む水性溶液を凍結乾燥手順に供することにより達成される。幾つかの実施形態では、水性溶液は、追加として、水混和性共溶媒を含む。好適な共溶媒の例としては、tert−ブチルアルコール、メタノール、エタノール、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。共凍結乾燥は、式(I)の化合物および過剰なα−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸を含有する、組成物を生じる。
【0164】
使用、製剤化、および投与
本発明は、プロテアソームの強力阻害剤である、化合物を提供する。化合物は、プロテアソームを媒介としたペプチド加水分解またはタンパク質分解を阻害するそれらの能力に対して、体外または生体内で、分析され得る。
【0165】
別の態様では、したがって、本発明は、細胞中のプロテアソームの1つ以上のペプチダーゼ活性を阻害するための方法を提供し、これには、本明細書に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、ボロン酸エステル、もしくはボロン酸無水物と、プロテアソーム阻害が所望される細胞を接触させることを含む。
【0166】
本発明はまた、細胞増殖を抑制するための方法も提供し、これには、本明細書に記載の化合物と、このような阻害が所望される細胞を接触させることを含む。「細胞増殖を抑制する」という語句は、阻害剤と接触しない細胞と比較して、接触した細胞中の細胞数または細胞増殖を抑制する、本発明の化合物の能力を表示するために使用される。細胞増殖の評価は、細胞カウンターを用いて、または例えば、MTTまたはWSTアッセイ等の細胞生存アッセイによって、なされ得る。細胞が、充実性増殖(例えば、充実性腫瘍または臓器)している場合、細胞増殖のこのような評価は、例えば、キャリパーを用いて、増殖を測定し、非接触細胞と接触した細胞の増殖の大きさを比較することによって、なされ得る。
【0167】
好ましくは、阻害剤と接触した細胞の増殖は、非接触細胞の増殖と比較して、少なくとも約50%遅延される。様々な実施形態では、接触した細胞の増殖は、非接触細胞と比較して、少なくとも約75%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%抑制する。幾つかの実施形態では、「細胞増殖を抑制する」という語句は、非接触細胞と比較して、接触細胞数の減少を含む。故に、接触した細胞内で細胞増殖を抑制するプロテアソーム阻害剤は、接触細胞が増殖遅延、増殖停止、プログラム化した細胞死(即ち、アポトーシス)、または壊死細胞死を引き起こすことを誘発し得る。
【0168】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0169】
幾つかの実施形態では、組成物はまた、遊離α−ヒドロキシカルボン酸もしくはその塩、またはβ−ヒドロキシカルボン酸もしくはその塩も含む。このような実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸もしくはその塩、またはβ−ヒドロキシカルボン酸もしくはその塩、および式(I)の化合物は、約2:1〜約200:1の範囲のモル比で存在する。様々な実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸もしくはその塩、またはβ−ヒドロキシカルボン酸もしくはその塩、および式(I)の化合物は、約2:1〜約200:1、約15:1〜約80:1、または約20:1〜約40:1の範囲の比で存在する。
【0170】
本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、これらの組成物に利用される場合、該塩は、好ましくは、無機または有機酸または塩基に由来する。好適な塩の概説に関しては、例えば、Berge et al,J.Pharm.Sci.66:1−19(1977)、およびRemington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000を参照のこと。
【0171】
好適な酸付加塩の限定されない例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピン酸塩、ジグルコネート(digluconate)、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ルコヘプタン酸塩(lucoheptanoate)、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタリンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチネート、過硫酸塩、3−フェニル−プロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシレート、およびウンデカン酸塩等が挙げられる。
【0172】
好適な塩基付加塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、亜鉛塩等の他の多価金属塩、有機塩基(例えば、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、およびコリン)との塩、ならびにアミノ酸(例えば、アルギニン、リシン)との塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0173】
「医薬的に許容される担体」という用語は、レシピエント対象、好ましくは哺乳動物、更に好ましくはヒトに適合する、物質を指すように、本明細書に使用され、薬剤の活性を終了することなく、標的部位に活性剤を送達するのに好適である。担体に付随した毒性または副作用が、あったとしても、好ましくは、活性剤の目的用途に対する合理的なリスク/利益比と釣り合っている。
【0174】
「担体」、「賦形剤」、または「ビヒクル」という用語は、本明細書で交換可能に使用され、所望の特定の投薬形態に好適であるように、溶媒、希釈剤、および他の液体媒体、分散助剤もしくは懸濁助剤、界面活性剤、pH調節剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、潤滑剤等のいずれか、および全てが含まれる。Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000は、医薬的に許容される組成物を製剤化するのに使用される様々な担体、ならびにその調製のための既知の技術を開示している。Strickley,Pharmaceutical Research,21(2)201−230(2004)は、経口または非経口投与用の化合物を可溶化するための市販の製品に使用される医薬的に許容される賦形剤を概説する。任意の望ましくない生物学的効果をもたらすか、そうでなければ医薬的に許容される組成物のいずれかの他の成分と有害な様式で相互作用することによる等、任意の従来の担体媒体が、本発明の化合物に不適合である場合を除いて、その使用が、本発明の範囲内であることが企図される。医薬的に許容される担体としての作用し得る物質の幾つかの例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝液物質(例えば、リン酸塩、炭酸塩、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム、グリシン、ソルビン酸、もしくはソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的なグリセリド混合物、水、発熱物質不含有水(pyrogen−free water)、塩もしくは電解質(例えば、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、および亜鉛塩)、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ワックス、ポリエチレン−ポリオキシプロピレンブロックポリマー、羊毛脂、糖類(ラクトース、グルコース、スクロース、およびマンニトール等)、デンプン(例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン)、セルロースおよびその誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース)、粉末状トラガカントガム、麦芽、ゼラチン、タルク、賦形剤(例えば、カカオバターおよび坐剤ワックス)、油(例えば、落花生油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油)、グリコール(例えば、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール)、エステル(例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル)、寒天、アルギン酸、等張生理食塩水、リンゲル溶液、アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、およびグリセロール)、シクロデキストリン(例えば、ヒドロキシプロピルβ−シクロデキストリンおよびスルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン)、潤滑剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)、石油炭化水素(例えば、鉱油およびペトロラタム)が挙げられるが、これらに限定されない。着色剤、放出剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および香料、防腐剤および抗酸化剤も、製剤者の判断に従って当該組成物中に存在することが可能である。
【0175】
本発明の医薬組成物は、従来の整粒、混合、溶解、カプセル化、凍結乾燥、または乳化プロセス等の当該技術分野において公知の方法によって製造することが可能である。顆粒、沈殿剤、または微粒、粉末(凍結乾燥した、回転乾燥、またはスプレー乾燥した粉末を含む)、非晶質粉末、錠剤、カプセル剤、シロップ剤、座薬、注射、乳剤、エリキシル剤、懸濁剤、または溶剤等を含む、様々な剤形で、組成物を生成し得る。
【0176】
好ましい実施形態によれば、本発明の組成物は、哺乳動物、好ましくはヒトへの医薬的な投与用に製剤化される。本発明のこのような医薬組成物は、経口、非経口で、吸入噴霧的、局所的、経直腸的、経鼻的、経頬的、経腟的に、または埋め込み容器を経由して投与され得る。本明細書で使用される、「非経口」という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内、滑膜内、胸骨内、髄腔内、肝内、病巣内、および頭蓋内等の注射または注入法を含む。組成物は、経口的、非経口的、または皮下に投与されることが好ましい。本発明の製剤は、短時間作用型、高速放出、または長時間作用型であるように設計され得る。更になお、化合物は、例えば、腫瘍部位での投与(例えば、注射による)のような全身の手段よりもむしろ局所で投与することができる。
【0177】
経口投与用の液体投薬形態としては、医薬的に許容される乳剤、マイクロエマルジョン、溶剤、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体投薬形態は、例えば、水もしくは他の溶媒のような当該技術分野において一般的に使用される不活性希釈剤、可溶化剤および乳化剤(例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、シクロデキストリン、ジメチルホルムアミド)、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物を含有し得る。不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤および香料等のアジュバントも含むことができる。
【0178】
注射用調合、例えば、無菌注射用の水性もしくは油性懸濁液は、好適な分散剤もしくは湿潤剤、および懸濁化剤を用いて、従来知られている方法により製剤化され得る。無菌注射用調合はまた、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒における、無菌注射用液、懸濁液、または乳剤であり得る。使用され得る許容されるビヒクルおよび溶媒は、水、リンガー溶液、U.S.P.、および等張食塩水である。加えて、従来では、無菌、固定油が、溶媒または懸濁媒体として使用される。この目的のために、合成のモノ−またはジグリセリドを含む、任意の刺激のない固定油が使用され得る。加えて、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体等の脂肪酸は、注射物質の調製に使用される。注射用製剤は、例えば、滅菌フィルタ(bacterial−retaining filter)での濾過によって、使用前に、無菌水または他の無菌注射用媒体中に溶解され得るか、または分散され得る、無菌固体組成物の形状の無菌剤を組み込むことによって、無菌化することができる。非経口投与用に製剤化された組成物は、静脈内ボーラス、または持続放出(timed push)によって注射され得るか、または持続注入によって投与され得る。
【0179】
経口投与用の固体投薬形態には、カプセル剤、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒が含まれる。このような固体投薬形態では、活性化合物は、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウム等の少なくとも1つの不活性の医薬的に許容される賦形剤または担体、ならびに/または、a)デンプン、ラクトース、セルロース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸等の充填剤もしくは増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシア等の結合剤、c)グリセロール等の保湿剤、d)寒天−寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、あるケイ酸塩、クロスポビドン、セルロース、クロスカルメロースナトリウム、スターチグリコール酸ナトリウム、および炭酸ナトリウム等の崩壊剤、e)パラフィン等の溶解遅延剤、f)第四アンモニウム化合物等の吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート等の湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイトクレー等の吸収剤、ならびにi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリンフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ホウ酸グリセリン等の潤滑剤、ならびにこれらの混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸薬の場合は、投薬形態はまた、リン酸塩、または炭酸塩等の緩衝剤も含み得る。
【0180】
同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースもしくは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を用いて、軟質および硬質ゼラチンカプセル剤において充填剤として使用され得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体投薬形態は、腸溶コーティングおよび製薬分野において公知の他のコーティング等のコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。それらは、任意に、乳白剤を含有し得、かつそれらが腸管の特定の部分においてのみ、またはそこにおいて優先的に、任意に、遅延様式で、有効成分(単数または複数)を放出する組成のものでもあり得る。使用され得る包埋組成物の例には、高分子物質およびワックスが挙げられる。同様のタイプの固体組成物はまた、ラクトースもしくは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコール等のような賦形剤を用いて、軟質および硬質ゼラチンカプセル剤において充填剤としても使用され得る。
【0181】
活性化合物はまた、上で述べたように、1つ以上の賦形剤を用いた、マイクロカプセル化した形態であり得る。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸薬、および顆粒剤の固体投薬形態は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および製薬分野において公知の他のコーティング等のコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。このような固体投薬形態では、活性化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプン等の少なくとも1つの不活性希釈剤と混合することができる。このような投薬形態はまた、通常の慣行であるように、例えば、錠剤化潤滑剤、およびステアリン酸マグネシウムおよび微晶質セルロース等の他の錠剤化補助剤等の不活性希釈剤以外の追加物質を含み得る。カプセル剤、錠剤および丸薬の場合は、投薬形態はまた、緩衝剤も含み得る。それらは、任意に、乳白剤を含有し得、かつそれらが腸管の特定の部分においてのみ、またはそこにおいて優先的に、任意に、遅延様式で、有効成分(単数または複数)を放出する組成のものであり得る。使用され得る包埋組成物の例には、高分子物質およびワックスが挙げられる。幾つかの実施形態では、賦形剤または担体としては、ステアリンフマル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、クロスポビドン、エチルセルロース、タルク、およびケイ化微結晶性セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0182】
本発明の化合物の局所または経皮投与用の投薬形態には、軟膏、パスタ剤、クリーム、ローション、ゲル、粉剤、溶剤、スプレー、吸入剤、またはパッチが含まれる。有効成分は、無菌条件下で、医薬的に許容される担体、および任意の必要とされる保存剤または必要とされ得る緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳剤、および点眼剤はまた、本発明の範囲内であることが企図される。追加として、本発明は、経皮パッチの使用を企図し、これは、身体への化合物の制御送達を提供するという更なる利点を有する。このような投薬形態は、適切な媒体において、化合物を溶解または分散することによって、調製され得る。吸収促進剤はまた、皮膚上で化合物の流れを増加させるために使用することもできる。速度制御膜を提供することによってか、またはポリマーマトリクスまたゲルにおいて、化合物を分散することによって、速度を制御することができる。
【0183】
幾つかの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。幾つかの他の実施形態では、本発明は、式(II)の化合物、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。なお幾つかの他の実施形態では、本発明は、式(III)または(IV)の化合物、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0184】
更なる実施形態では、本発明は、化合物(VIII−1)のクエン酸エステル、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。他の更なる実施形態では、本発明は、化合物(VIII−15)のクエン酸エステル、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。更なる実施形態では、本発明は、(VIII−18)のクエン酸エステル、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。
【0185】
【化15】
更なる実施形態では、本発明は、化合物(I−1)、またはその結晶形態を含む、医薬組成物を提供する。なお更に更なる実施形態では、本発明は、化合物(I−15)、またはその結晶形態を含む、医薬組成物を提供する。更になお幾つかの更なる実施形態では、本発明は、化合物(I−18)、またはその結晶形態を含む、医薬組成物を提供する。
【0186】
医薬組成物の以下の説明および前記医薬組成物を調製するための方法は、式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)、または(IVa)の化合物および本明細書に記載のこれらの式の様々な実施形態に適用できる。医薬組成物の以下の説明および前記医薬組成物を調製するための方法はまた、化合物(I−1)、(I−15)、または(I−18)にも適用できる。
【0187】
1つの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物を含み、式(I)の化合物は、実質的に結晶である。別の実施形態では、医薬組成物の式(I)の化合物は、少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%の結晶形態である。なお別の実施形態では、医薬組成物の式(I)の化合物は、結晶形態である。
【0188】
幾つかの実施形態では、本発明の医薬製剤は、低水または低水分含量を有する賦形剤を用いることにより、および乾燥または非水製剤プロセスを用いて製造された、活性化合物の安定した、固体経口投薬形態を提供する。
【0189】
1つの実施形態では、医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒からなる群から選択される、経口医薬投薬形態である。別の実施形態では、経口医薬投薬形態は、カプセル剤であり、ここでカプセル剤は、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、魚ゼラチン、およびプルランからなる群から選択される。なお別の実施形態では、高分子カプセル剤は、ゼラチン、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される。更になお別の実施形態では、高分子カプセル剤は、硬ゼラチンカプセル剤である。
【0190】
1つの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、充填剤、および任意に潤滑剤を含む。別の実施形態では、医薬組成物は、約0.2%〜約3%の式(I)の化合物、またはその結晶形態、約97%〜約99.8%の充填剤、および任意に最大約1.5%の潤滑剤を含む。なお別の実施形態では、医薬組成物は、約0.25%〜約2%の式(I)の化合物、またはその結晶形態、および約98%〜約99.75%の充填剤を含む。
【0191】
別の実施形態では、医薬組成物は、任意の流動助剤、および任意の緩衝剤を更に含む。なお別の実施形態では、医薬組成物は、全重量の割合として、約0.2重量%〜約3重量%の式(I)の化合物、またはその結晶形態、約86.5重量%〜約99.8重量%の充填剤、任意に最大約1.5重量%の潤滑剤、任意に最大約約5重量%の流動助剤、および任意に最大約5重量%の緩衝剤を含む。
【0192】
別の実施形態では、医薬組成物は、全重量の割合として、約0.2重量%〜約12重量%の式(I)の化合物、またはその結晶形態、約76.5重量%〜約99.8重量%の充填剤、任意に最大約1.5重量%の潤滑剤、任意に最大約約5重量%の流動助剤、および任意に最大約5重量%の緩衝剤を含む。
【0193】
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物、またはその結晶形態は、全重量の割合として、約0.2重量%〜約3重量%の量で、医薬組成物に存在する。幾つかの他の実施形態では、式(I)の化合物、またはその結晶形態は、全重量の割合として、約0.25重量%〜約2重量%の量で、医薬組成物に存在する。
【0194】
好適な充填剤としては、粉末セルロース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、高密度微結晶性セルロース、低水分微結晶性セルロース、予めゲル化されたデンプン(pregeletanized starch)、スターチグリコール酸ナトリウム、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの他の実施形態では、充填剤は、粉末セルロース、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、低水分微結晶性セルロース、およびこれらの混合物からなる群から選択される。なお幾つかの他の実施形態では、充填剤は、低水分微結晶性セルロースである。幾つかの更なる実施形態では、充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0195】
他の実施形態では、充填剤は、全重量の割合として、約97重量%〜約99.8重量%の量で存在する。幾つかの他の実施形態では、充填剤は、全重量の割合として、約98重量%〜約99.75重量%の量で存在する。なお幾つかの他の実施形態では、潤滑剤が存在する場合、充填剤の量は、存在する潤滑剤への対応する割合量によって軽減される。幾つかの更なる実施形態では、充填剤は、全重量の割合として、約86.5重量%〜約99.8重量%の量で存在する。
【0196】
幾つかの実施形態では、充填剤は、第1の充填剤および第2の充填剤を含む。充填剤の全重量が、約99.8重量%以下である限り、第1の充填剤は、全重量の割合として、約0重量%〜約99.8重量%の量で存在し、第2の充填剤は、全重量の割合として、約0重量%〜約99.8重量%の量で存在する。幾つかの実施形態では、充填剤の全重量が、全重量の割合として、約99.8重量%以下である限り、第1の充填剤は、全重量の割合として、約40重量%〜約60重量%の量で存在し、第2の充填剤は、全重量の割合として、約40重量%〜約60重量%の量で存在する。
【0197】
幾つかの実施形態では、第1の充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、第2の充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0198】
好適な潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、タルク、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸スクロース、ステアリンフマル酸ナトリウム、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。他の実施形態では、潤滑剤は、全重量の割合として、約1.5重量%の量で存在する。なお幾つかの他の実施形態では、潤滑剤は、全重量の割合として、約1重量%の量で存在する。
【0199】
好適な流動助剤としては、二酸化ケイ素、タルク、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、流動助剤は、タルクである。他の実施形態では、流動助剤は、全重量の割合として、約5重量%の量で存在する。幾つかの他の実施形態では、流動助剤は、全重量の割合として、約1重量%の量で存在する。なお幾つかの他の実施形態では、流動助剤は、全重量の割合として、約2重量%の量で存在する。
【0200】
好適な緩衝剤には、クエン酸ナトリウム、クエン酸、およびこれらの混合物が含まれる。幾つかの実施形態では、緩衝剤は、クエン酸ナトリウムである。幾つかの他の実施形態では、緩衝剤は、全重量の割合として、最大約5重量%の量で存在する。なお幾つかの他の実施形態では、緩衝剤は、全重量の割合として、約2重量%の量で存在する。
【0201】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、充填剤、および任意に潤滑剤を含み、式中、
α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムである。
【0202】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、充填剤、および任意に潤滑剤を含み、式中、
式(I)の化合物は、(I−1)、(I−15)、または(I−18)であり、
充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムである。
【0203】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、約0.25重量%〜約2%の式(I)の化合物、またはその結晶形態、および約98重量%〜約99.75重量%の充填剤を含み、式中、
式(I)の化合物は、(I−1)、(I−15)、または(I−18)であり、
充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0204】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、充填剤、任意に潤滑剤、任意に流動助剤、および任意に緩衝剤を含み、式中、
α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムであり、
流動助剤は、存在する場合、タルクであり、
緩衝剤は、存在する場合、クエン酸ナトリウムである。
【0205】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、充填剤、任意に潤滑剤、任意に流動助剤、および任意に緩衝剤を含み、式中、
式(I)の化合物は、(I−1)、(I−15)、または(I−18)であり、
充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムであり、
流動助剤は、存在する場合、タルクであり、
緩衝剤は、存在する場合、クエン酸ナトリウムである。
【0206】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、全重量の割合として、約0.2重量%〜約重量3%の式(I)の化合物、またはその結晶形態、約86.5重量%〜約99.8重量%の充填剤、任意に最大約1.5重量%の潤滑剤、任意に最大約5重量%の流動助剤、および任意に最大約5重量%の緩衝剤を含み、式中、
式(I)の化合物は、(I−1)、(I−15)、または(I−18)であり、
充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、
潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムであり、
流動助剤は、存在する場合、タルクであり、
緩衝剤は、存在する場合、クエン酸ナトリウムである。
【0207】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、充填剤、および任意に潤滑剤を含み、式(I)の化合物は、(I−1)である。幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその結晶形態、充填剤、および任意に潤滑剤を含み、式(I)の化合物は、(I−1)であり、充填剤は、低水分微結晶性セルロース、スターチグリコール酸ナトリウム、予めゲル化されたデンプン、およびこれらの混合物からなる群から選択され、潤滑剤は、存在する場合、ステアリン酸マグネシウムである。
【0208】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその結晶形態を含み、式(I)の化合物は、(I−1)であり、結晶形態は、形態2である。
【0209】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、および低水分微結晶性セルロースを含む。幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、およびケイ化微結晶性セルロースを含む。なお幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、低水分微結晶性セルロース、およびステアリン酸マグネシウムを含む。更になお幾つかの更なる実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、微結晶性セルロース、およびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0210】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、低水分微結晶性セルロース、およびタルクを含む。幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、および予めゲル化されたデンプンを含む。なお幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)の形態2化合物、予めゲル化されたデンプン、タルク、およびステアリン酸マグネシウムを含む。更になお幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、低水分微結晶性セルロース、タルク、およびステアリン酸マグネシウムを含む。幾つかの更なる実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、低水分微結晶性セルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、およびクエン酸ナトリウムを含む。幾つかの他の更なる実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、低水分微結晶性セルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および予めゲル化されたデンプンを含む。更になお幾つかの更なる実施形態では、医薬組成物は、式(I−1)形態2の化合物、低水分微結晶性セルロース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、およびスターチグリコール酸ナトリウムを含む。
【0211】
式(I)の化合物が、加水分解条件に供される場合、分子のエステル部は、加水分解され、1:1の分子比で式(VIII)の化合物を得る。
【0212】
【化16】
サンプル調製に対する加水分解条件を含む、分析的方法を用いて、試験サンプル中に存在する式(VIII)の化合物の量は、既知の純度の参照標準と比較して、測定される(例えば、以下の分析的試験 方法1を参照のこと)。加水分解条件にサンプルを供さない、分析的方法を用いて、式(I)の化合物のサンプル中に存在する式(VIII)の化合物の量は、既知の純度の参照標準と比較して、測定される(例えば、以下の分析的試験 方法2を参照のこと)。したがって、分析的試験 方法1で測定された式(VIII)の化合物の量から分析的試験 方法2で測定された式(VIII)の化合物の量を減算することにより、式(I)の化合物の加水分解から生じるサンプル中の式(VIII)の化合物の量を得る。式(I)の化合物の式(VIII)の化合物への変換に対する、1:1の分子比に基づいて、分子量の変換により、試験サンプル中に存在する式(I)の化合物の量を得る。
【0213】
真上に、および以下の実験に関する項において、記述されるような分析的方法は、式(I)、(II)、(III)、(IIIa)、(IV)、または(IVa)の化合物のいずれか、および本明細書に記載のこれらの式の様々な実施形態に類似の手段で適用できることが認識されよう。真上に、および以下の実験に関する項において、記述されるような分析的方法は、化合物(I−1)、(I−15)、または(I−18)に類似の手段で適用できる。
【0214】
幾つかの実施形態では、医薬組成物に存在する式(VIII)の化合物の量は、式(I)の化合物が、式(VIII)の化合物に加水分解される条件下にサンプルを供した後、存在する式(VIII)の化合物の量を測定することにより、決定される。
【0215】
幾つかの実施形態では、医薬組成物に存在する、式(I−1)の化合物の量、またはその結晶形態は、式(VIII−1)の化合物のモル重量基準で同等量として表される。
【0216】
幾つかの実施形態では、本発明は、式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含む、単位用量の医薬組成物に関する。
【0217】
幾つかの他の実施形態では、単位用量の医薬組成物は、式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含み、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約0.1mg〜約3.0mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で存在する。なお幾つかの他の実施形態では、単位用量の医薬組成物は、式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含み、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約0.15mg〜約2.2mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で存在する。更になお幾つかの他の実施形態では、単位用量の医薬組成物は、式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含み、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約0.18mg〜約0.22mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で存在する。幾つかの更なる実施形態では、単位用量の医薬組成物は、式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含み、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約0.46mg〜約0.54mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で存在する。なお幾つかの更なる実施形態では、単位用量の医薬組成物は、式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含み、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約1.80mg〜約2.20mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で存在する。
【0218】
幾つかの実施形態では、医薬組成物に存在する、式(I−1)の化合物、またはその結晶形態の量は、式(I−1)の化合物および式(VIII−1)の化合物の相対分子量に基づいて、式(VIII−1)の化合物の同等量として表される。
【0219】
幾つかの実施形態では、単位用量の医薬組成物は、重量/重量基準で、約0.1mg〜約3.0mgの式(VIII−1)の化合物として測定される、約0.143mg〜約4.3mgの式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含む。
【0220】
幾つかの他の実施形態では、単位用量の医薬組成物は、重量/重量基準で、約0.15mg〜約2.2mgの式(VIII−1)の化合物として測定される、約0.214mg〜約3.15mgの式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含む。
【0221】
なお幾つかの他の実施形態では、単位用量の医薬組成物は、重量/重量基準で、約0.18mg〜約0.22mgの式(VIII−1)の化合物として測定される、約0.258mg〜約0.315mgの式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含む。
【0222】
更になお幾つかの他の実施形態では、単位用量の医薬組成物は、重量/重量基準で、約0.46mg〜約0.54mgの式(VIII−1)の化合物として測定される、約0.659mg〜約0.773mgの式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含む。
【0223】
幾つかの更なる実施形態では、単位用量の医薬組成物は、重量/重量基準で、約1.80mg〜約2.20mgの式(VIII−1)の化合物として測定される、約2.58mg〜約3.15mgの式(I−1)の化合物、またはその結晶形態を含む。
【0224】
幾つかの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態の経口医薬投薬形態を製造するためのプロセスを提供し、経口医薬投薬形態は、カプセル剤であり、
(a−1)袋中で、ふるい分けされた充填剤、およびふるい分けされた式(I)の化合物、またはその結晶形態を一緒に混合するステップと、
(a−2)ふるいを通してステップ(a−1)から得られる混合物を通過させ、混和するステップと、
(a−3)同一のふるいを通して追加の充填剤をふるい分けし、同一の袋を通してそれを通過させ、同一の混和装置で混和するステップと、
(a−4)ステップ(a−3)を最高2回まで繰り返すステップと、
(a−5)ステップ(a−4)から得られる混合物を取り出し、カプセル充填システムを用いてそれをカプセル化するステップと、
(a−6)ステップ(a−5)から得られるカプセル剤を重量分類するステップと、を含む。
【0225】
幾つかの実施形態では、ステップ(a−3)は、3回またはそれ以上繰り返され得る。
【0226】
潤滑剤が、医薬組成物に存在する場合、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態の経口医薬投薬形態を製造するためのプロセスを提供し、経口医薬投薬形態は、カプセル剤であり、
(b−1)袋中で、ふるい分けされた充填剤、およびふるい分けされた式(I)の化合物、またはその結晶形態を一緒に混合するステップと、
(b−2)ふるいを通してステップ(b−1)から得られる混合物を通過させ、混和するステップと、
(b−3)同一のふるいを通して追加の充填剤をふるい分けし、同一の袋を通してそれを通過させ、同一の混和装置で混和するステップと、
(b−4)ステップ(b−3)を最高2回まで繰り返すステップと、
(b−5)ステップ(b−4)からの混合物と、ふるい分けした潤滑剤を一緒に混和するステップと、
(b−6)ステップ(b−5)から得られる混合物を取り出し、カプセル充填システムを用いてそれをカプセル化するステップと、
(b−7)ステップ(b−6)から得られるカプセル剤を重量分類するステップと、を含む。
【0227】
幾つかの実施形態では、ステップ(b−3)は、3回またはそれ以上繰り返され得る。緩衝剤、第2の充填剤、または流動助剤等の更なる成分が、医薬組成物に存在する場合、それらは、ステップ(b−1)または(b−3)のいずれかに添加され得る。医薬組成物の各成分の全量は、1ステップで添加され得るか、または幾つかの量に分注され得、これは、同量であっても、同量でなくてもよく、ステップ(b−1)または(b−3)の個々の産出に添加され得る。
【0228】
幾つかの実施形態では、本発明は、式(I)の化合物、またはその結晶形態の経口医薬投薬形態を製造するためのプロセスを提供し、経口医薬投薬形態は、カプセル剤であり、
(c−1)ふるいを通して充填剤を通過させ、高せん断混合装置に設置するステップと、
(c−2)ふるいを通して式(I)の化合物、またはその結晶形態を通過させ、同一の高せん断混合装置に設置するステップと、
(c−3)ふるいを通して充填剤を通過させ、同一の高せん断混合装置に設置するステップと、
(c−4)同一の高せん断混合装置を用いて、10分間未満、混合するステップと、
(c−5)ステップ(c−4)から得られる混合物を取り出し、カプセル充填システムを用いてそれをカプセル化するステップと、
(c−6)ステップ(c−5)から得られるカプセル剤を重量分類するステップと、を含む。
【0229】
幾つかの実施形態では、高せん断混合装置を使用する場合、医薬組成物に存在する更なる成分は、ステップ(c−1)あるいはステップ(c−3)のいずれかを繰り返すことによって添加され得る。
【0230】
幾つかの実施形態では、上述の固体経口投薬形態を調製するためのプロセスに使用される式(I)の化合物は、(I−1)、(I−15)、および(I−18)からなる群から選択される。幾つかの実施形態では、上述の固体経口投薬形態を調製するためのプロセスに使用される式(I)の化合物は、(I−1)である。
【0231】
上で概説されるプロセスは、従来の装置および設備を用いて行うことができる。概説に関しては、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,21
st Ed.,Lippincott Williams & Wilkins,2005を参照のこと。
【0232】
上で概説される混和ステップは、任意の従来の混和装置を用いて行うことができる。幾つかの実施形態では、それぞれの個々の混和ステップに対する混和時間は、約1分間〜約45分間である。幾つかの他の実施形態では、それぞれの個々の混和ステップに対する混和時間は、約1分間〜約20分間である。なお幾つかの他の実施形態では、それぞれの個々の混和ステップに対する混和時間は、約2分間〜約15分間である。
【0233】
上で概説される混合ステップは、任意の従来のポリエチレン袋中で行うことができる。幾つかの実施形態では、混合ステップは、約30秒間〜5分間である。幾つかの実施形態では、上で概説される混合ステップは、ステンレス製の容器中で行うことができる。
【0234】
高せん断混合装置を用いた混合ステップは、任意の従来の高せん断混合装置で行うことができる。このような高せん断混合装置の一例は、Lab High Shear Granulator(Key International,Inc.,Englishtown,NJ)として販売されている。幾つかの実施形態では、混合は、約10分間未満、実行される。幾つかの他の実施形態では、混合は、約5分間未満、実行される。
【0235】
上で概説されるカプセル充填ステップは、任意の従来のカプセル充填システムまたは装置で行うことができる。幾つかの実施形態では、カプセル充填ステップは、半自動化であり、小型バッチサイズを処理することができる。このようなカプセル充填システムの一例は、In−Cap(Isopak Limited,Lincolnshire,Stamford,United Kingdom)として販売されている。幾つかの実施形態では、カプセル充填システムは、手動である。このようなカプセル充填装置の一例は、ProFill 100(Torpac,Inc.,Fairfield,NJ,USA)として販売されている。
【0236】
幾つかの実施形態では、カプセル剤は、硬質ゼラチンカプセルであり、Coni−Snap(登録商標)(Capsugel,Peapack,NJ)として販売されている。当業者は、適切なカプセルの大きさおよび色を選択することができよう。幾つかの実施形態では、カプセル剤は、85mg、120mg、または150mgの充填量を有する。
【0237】
上で概説される重量分類ステップは、任意の従来の重量分類または機械を用いて行うことができる。重量分類または機械の一例は、SADE SP Bench Top Tablet and Capsule Weight Sorter(AC Compacting LLC,North Brunswick,NJ,USA)として販売されている。
【0238】
幾つかの実施形態では、カプセル剤は、瓶中、アルミホイル製の小袋、またはブリスター包装で包装されている。幾つかの他の実施形態では、カプセル剤は、熱誘導シールで密閉された高密度ポリエチレン(HDPE)瓶中に包装されている。別の実施形態では、カプセル剤は、気密密閉されたアルミホイル製の小袋中に包装されている。なお別の実施形態では、カプセル剤は、ホイル−ホイルブリスター包装で包装されている。幾つかの他の実施形態では、カプセル剤は、乾燥剤と共に包装されている。
【0239】
経口医薬投薬形態の物理的かつ化学的安定性は、従来の方法、例えば、異なる時間の長さに対して異なる温度で保存した後の、溶解の測定、崩壊時間、式(I)の化合物の分解産物のアッセイで試験され得る。
【0240】
幾つかの他の実施形態では、本発明は、非経口用の医薬組成物を提供する。なお幾つかの他の実施形態では、本発明は、非経口また経口用の液体医薬組成物を提供する。
【0241】
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、Plamondonら、国際公開第02/059131号に記載されるものと類似の手段において、凍結乾燥粉末として製剤化され、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。このような実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸を含む水性混合物を加水分解して、式(I)の化合物を形成する。
【0242】
幾つかの実施形態では、該凍結乾燥粉末はまた、遊離α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸も含む。好ましくは、遊離α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸化合物、および式(I)の化合物は、約0.5:1〜約100:1、更に好ましくは約5:1〜約100:1の範囲のモル比で、混合物に存在する。様々な実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸化合物は、クエン酸であり、凍結乾燥粉末は、約10:1〜約100:1、約20:1〜約100:1、または約40:1〜約100:1の範囲のモル比で、遊離クエン酸、および対応するボロン酸エステルを含む。
【0243】
幾つかの実施形態では、凍結乾燥粉末は、クエン酸および式(I)の化合物を含み、実質的に他の成分を含んでいない。しかしながら、組成物は、1つ以上の他の医薬的に許容される賦形剤、担体、賦形剤、充填剤、塩、緩衝剤、増量剤、安定剤、可溶化剤、および当該技術分野において公知の他の物質を更に含むことができる。これらの物質を含有する医薬的に許容される製剤の調製は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,ed.A.Gennaro,Lippincott Williams & Wilkins,2000、または最新版、およStrickley,Pharmaceutical Research,21(2)201−230(2004)に記載されている。
【0244】
水媒体に溶解すると同時に、平衡は、ボロン酸エステルの式(I)の化合物と対応する遊離ボロン酸化合物との間で構築される。幾つかの実施形態では、平衡は、例えば、水媒体を添加してから1〜15分以内に、迅速に達成される。ボロン酸エステル、ボロン酸、および平衡で存在する任意の中間体種の相対濃度は、例えば、溶液のpH、温度、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸の性質、および凍結乾燥粉末に存在する、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸のボロン酸エステルの式(I)の化合物に対する比等のパラメータにより異なる。
【0245】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含む。幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥粉末の式(I)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含む。
【0246】
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、予め形成される。幾つかの他の実施形態では、式(I)の化合物は、式(VIII)の対応するボロン酸から、原位置で形成される。なお幾つかの他の実施形態では、化合物(I−1)は、予め形成される。更になお幾つかの他の実施形態では、化合物(I−15)は、化合物(VIII−15)から、原位置で形成される。
【0247】
好適な増量剤は、グリシンを含む。幾つかの実施形態では、増量剤の量は、約1% 重量/容量(w/v)〜約5%w/vで存在する。幾つかの他の実施形態では、増量剤の量は、約3%w/vで存在する。
【0248】
好適な緩衝剤には、クエン酸ナトリウム、クエン酸、およびこれらの混合物が含まれる。幾つかの実施形態では、緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である。
【0249】
幾つかの実施形態では、緩衝剤は、約45mM〜約65mMの濃度で存在する。幾つかの他の実施形態では、緩衝剤は、約50mM〜約60mMの濃度で存在する。
【0250】
幾つかの実施形態では、緩衝剤の式(I)の化合物に対する比は、約50:1〜約10:1である。幾つかの他の実施形態では、緩衝剤の式(I)の化合物に対する比は、約30:1〜約10:1である。なお幾つかの他の実施形態では、緩衝剤の式(I)の化合物に対する比は、約20:1である。
【0251】
幾つかの実施形態では、医薬組成物のpHは、約pH4.7〜pH6.1である。医薬組成物のpHは、任意の好適な無機酸または有機酸を用いて調整され得る。
【0252】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含み、式中、
α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
増量剤は、グリシンであり、
緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である。
【0253】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、式(I)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含み、式中、
式(I)の化合物は、化合物(I−1)、(I−15)、または(I−18)で表され、
増量剤は、グリシンであり、
緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である。
【0254】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥粉末の式(I)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含み、式中、
α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
増量剤は、グリシンであり、
緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である。
【0255】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥粉末の式(I)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含み、式中、
式(I)の化合物は、化合物(I−1)、(I−15)、または(I−18)で表され、
増量剤は、グリシンであり、
緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である。
【0256】
幾つかの実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥粉末の化合物(I−1)である。幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥粉末の化合物(I−1)、グリシン、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸を含む。なお幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥粉末の化合物(I−15)を含む。更になお幾つかの他の実施形態では、医薬組成物は、凍結乾燥粉末の化合物(I−15)、グリシン、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸を含む。
【0257】
幾つかの実施形態では、本発明は、凍結乾燥粉末の式(I−1)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含む、単位用量の医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態では、単位用量の医薬組成物は、凍結乾燥粉末の式(I−1)の化合物、グリシン、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸を含む。
【0258】
幾つかの実施形態では、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約1mg〜約10mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。幾つかの実施形態では、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約1mg〜約5mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。幾つかの実施形態では、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約1.0mg、約1.5mg、約2.0mg、約2.5mg、約3.5mg、約4.0mg、約4.5mg、または約5.0mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。幾つかの実施形態では、式(I−1)の化合物は、モル重量基準で約3.5mgの式(VIII−1)の化合物と同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。
【0259】
幾つかの実施形態では、単位用量の医薬組成物に存在するグリシンの量は、約0.01g〜約0.50gである。幾つかの実施形態では、単位用量の医薬組成物に存在するグリシンの量は、約0.03g〜約0.250gである。幾つかの実施形態では、単位用量の医薬組成物に存在するグリシンの量は、約0.06g〜約0.125gである。
【0260】
幾つかの実施形態では、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸は、約0.005g〜約0.250gのクエン酸イオンと同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。幾つかの実施形態では、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸は、約0.025g〜約0.125gのクエン酸イオンと同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。
【0261】
幾つかの実施形態では、本発明は、凍結乾燥粉末の式(I−15)の化合物、増量剤、および緩衝剤を含む、単位用量の医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態では、単位用量の医薬組成物は、凍結乾燥粉末の式(I−15)の化合物、グリシン、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸を含む。
【0262】
幾つかの実施形態では、式(I−15)の化合物は、モル重量基準で約1mg〜約10mgの式(VIII−15)の化合物と同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。幾つかの実施形態では、式(I−15)の化合物は、モル重量基準で約1mg〜約5mgの式(VIII−15)の化合物と同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。幾つかの実施形態では、式(I−15)の化合物は、モル重量基準で約1.0mg、約1.5mg、約2.0mg、約2.5mg、約3.5mg、約4.0mg、約4.5mg、または約5.0mgの式(VIII−15)の化合物と同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。幾つかの実施形態では、式(I−15)の化合物は、モル重量基準で約3.5mgの式(VIII−15)の化合物と同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。
【0263】
幾つかの実施形態では、単位用量の医薬組成物に存在するグリシンの量は、約0.01g〜約0.50gである。幾つかの実施形態では、単位用量の医薬組成物に存在するグリシンの量は、約0.03g〜約0.250gである。幾つかの実施形態では、単位用量の医薬組成物に存在するグリシンの量は、約0.06g〜約0.125gである。
【0264】
幾つかの実施形態では、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸は、約0.005g〜約0.250gのクエン酸イオンと同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。幾つかの実施形態では、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸は、約0.025g〜約0.125gのクエン酸イオンと同等量で単位用量の医薬組成物に存在する。
【0265】
別の態様では、本発明は、凍結乾燥粉末として、式(I)の化合物を調製するための方法を提供し、方法には、
(d−1)
i.水性溶媒混合物、
ii.式(I)の化合物、
iii.増量剤、および
iv.緩衝剤を混合し、混合物を形成するステップと、
(d−2)混合物を凍結乾燥するステップと、を含む。
【0266】
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(VIII)の対応する化合物から、原位置で形成される。故に、本発明はまた、凍結乾燥粉末として、式(I)の化合物を調製するための方法も提供し、方法には、
(e−1)
i.水性溶媒混合物、
ii.式(VIII)の化合物、
iii.増量剤、および
iv.α−ヒドロキシカルボン酸もしくはその塩、またはβ−ヒドロキシカルボン酸もしくはその塩を混合し、混合物を形成するステップと、
(e−2)混合物を凍結乾燥するステップと、を含む。
【0267】
幾つかの実施形態では、水性溶媒混合物は、水に加えて、1つ以上の共溶媒を含む。幾つかの実施形態では、共溶媒は、水混和性である。幾つかの他の実施形態では、共溶媒は、エタノール、tert−ブチルアルコール、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない、アルコールである。幾つかの他の実施形態では、共溶媒は、tert−ブチルアルコールである。
【0268】
幾つかの実施形態では、水性溶媒混合物は、約1%v/v〜約40%v/vのアルコールを含む。幾つかの他の実施形態では、水性溶媒混合物は、約3%v/v〜約10%v/vのアルコールを含む。幾つかの他の実施形態では、水性溶媒混合物は、約3%v/v〜約6%v/vのアルコールを含む。なお幾つかの他の実施形態では、溶媒混合物は、約3%v/v〜約6%v/v tert−ブチルアルコールを含む。更になお幾つかの他の実施形態では、溶媒混合物は、約5% v/vのtert−ブチルアルコールを含む。
【0269】
幾つかの実施形態では、凍結乾燥粉末として、化合物(I−1)を調製するための方法を提供し、方法には、
(f−1)
i.水、
ii.化合物(I−1)、
iii.グリシン、
iv.クエン酸ナトリウム、および
v.クエン酸を混合し、混合物を形成するステップと、
(f−2)混合物を凍結乾燥するステップと、を含む。
【0270】
幾つかの実施形態では、凍結乾燥粉末として、化合物(I−15)を調製するための方法を提供し、方法には、
(g−1)
i.水およびtert−ブチルアルコールを含む、水性溶媒混合物、
ii.化合物(VIII−15)、
iii.グリシン、
iv.クエン酸ナトリウム、および
v.クエン酸を混合し、混合物を形成するステップと、
(g−2)混合物を凍結乾燥するステップと、を含む。
【0271】
幾つかの他の実施形態では、真上に記載される方法に関しては、水性溶媒混合物に存在するtert−ブチルアルコールの量は、約3%v/v〜約6%v/vである。
【0272】
凍結乾燥またはフリーズドライは、任意の従来の凍結乾燥機またはフリーズドライヤーを用いて行うことができる。幾つかの実施形態では、凍結乾燥は、(i)上記で調製されるように、液体混合物を装填し、凍結するステップと、(ii)アニーリングするステップと、(iii)第2の凍結サイクルと、(iv)真空下で乾燥するステップと、(v)二次乾燥と、を含む。それぞれのステップにおける温度および時間は、採用される凍結乾燥機またはフリーズドライヤーによって異なり得る。
【0273】
幾つかの実施形態では、得られる凍結乾燥粉末は、約2%未満の残留水分含量を有する。幾つかの他の実施形態では、得られる凍結乾燥粉末は、約1%未満の残留水分含量を有する。
【0274】
別の態様では、本発明は、液体医薬投薬形態として、式(I)の化合物の医薬組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、医薬投与に好適な水性溶媒を用いて、式(I)の化合物の凍結乾燥粉末を再構成するステップを含む。好適な再構成溶媒としては、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、再構成溶媒は、水、注射用水、生理食塩水、およびこれらの混合物である。幾つかの他の実施形態では、再構成溶媒は、注射用水である。再構成後、液体医薬投薬形態は、本明細書に記載の式(I)の化合物の濃度を含有することができる。
【0275】
幾つかの実施形態では、液体医薬投薬形態として、化合物(I)の医薬組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、医薬投与に好適な水性溶媒を用いて、本明細書に記載の化合物(I)の凍結乾燥粉末を再構成するステップを含む。幾つかの実施形態では、液体医薬投薬形態として、化合物(I−1)の医薬組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、注射用水、または生理食塩水を用いて、本明細書に記載の化合物(I−1)の凍結乾燥粉末を再構成するステップを含む。幾つかの実施形態では、液体医薬投薬形態として、化合物(I−1)の医薬組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、注射用水を用いて、本明細書に記載の化合物(I−1)の凍結乾燥粉末を再構成するステップを含む。
【0276】
幾つかの実施形態では、液体医薬投薬形態として、化合物(I−15)のの医薬組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、医薬投与に好適な水性溶媒を用いて、本明細書に記載の化合物(I−15)の凍結乾燥粉末を再構成するステップを含む。幾つかの実施形態では、液体医薬投薬形態として、化合物(I−15)の医薬組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、注射用水、または生理食塩水を用いて、本明細書に記載の化合物(I−15)の凍結乾燥粉末を再構成するステップを含む。幾つかの実施形態では、液体医薬投薬形態として、化合物(I−15)の医薬組成物を調製するための方法を提供し、前記方法は、注射用水を用いて、本明細書に記載の化合物(I−15)の凍結乾燥粉末を再構成するステップを含む。
【0277】
再構成溶媒中で再構成すると同時に、平衡は、式(I)の化合物と式(VIII)の対応するボロン酸との間で構築される。一般に、平衡は、再構成溶媒を添加してから約10〜15分以内に、迅速に達成される。平衡で存在するボロン酸エステルおよびボロン酸の相対濃度は、溶液のpH、温度、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸化合物のボロン酸化合物に対する比によって異なる。
【0278】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、および本明細書に記載の追加の賦形剤を含む、液体医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態では、液体医薬組成物は、非経口用に好適である。幾つかの他の実施形態では、液体医薬組成物は、経口用に好適である。
【0279】
このような実施形態では、液体医薬組成物は、式(I)の化合物、緩衝剤、および任意に張性調節剤を含む。
【0280】
幾つかの実施形態では、緩衝剤の式(I)の化合物に対する比は、約50:1〜約10:1である。幾つかの他の実施形態では、緩衝剤の式(I)の化合物に対する比は、約30:1〜約10:1である。なお幾つかの他の実施形態では、緩衝剤の式(I)の化合物に対する比は、約20:1である。
【0281】
幾つかの実施形態では、緩衝剤は、約45mM〜約65mMの濃度で存在する。幾つかの他の実施形態では、緩衝剤は、約50mM〜約60mMの濃度で存在する。
【0282】
好適な緩衝剤には、クエン酸ナトリウム、クエン酸、およびこれらの混合物が含まれる。幾つかの実施形態では、緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸である。
【0283】
好適な張性調節剤としては、アルギニン、ヒスチジン、およびグリシン等のアミノ酸;塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウム、プロピレングリコール等の塩;ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの実施形態では、張性調節剤は、プロピレングリコールである。幾つかの他の実施形態では、張性調節剤は、塩化ナトリウムである。
【0284】
水性溶媒混合物で溶解すると同時に、平衡は、式(I)の化合物と式(VIII)の対応するボロン酸との間で構築される。故に、式(I)の化合物あるいは式(VIII)の化合物のいずれかが、液体医薬組成物の調製において、使用され得る。一般に、平衡は、水性溶媒混合物を添加してから約10〜15分以内に、迅速に達成される。平衡で存在するボロン酸エステルおよびボロン酸の相対濃度は、溶液のpH、温度、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸化合物のボロン酸化合物に対する比によって異なる。幾つかの実施形態では、過剰のα−ヒドロキシまたはβ−ヒドロキシ酸は、安定剤としての役割を果たし得、ボロン酸エステルを平衡状態に近づける。幾つかの実施形態では、張性調節剤はまた、安定剤としても役割を果たし得る。
【0285】
幾つかの実施形態では、液体医薬組成物は、任意に、保存剤を更に含む。
【0286】
幾つかの実施形態では、液体医薬組成物は、式(I)の化合物、緩衝剤、および任意に、張性調節剤を含み、式中、
α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、
Aは、0であり、
R
aは、イソブチルであり、
R
a1は、水素、C
1−6脂肪族、−(CH
2)
m−CH
2−R
B、または−(CH
2)
m−CH(R
5a)−OR
5bであり、
Pは、R
c−C(O)−であり、
R
cは、−R
Dであり、
mは、0または1であり、
緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸であり、
張性調節剤は、存在する場合、塩化ナトリウムである。
【0287】
幾つかの実施形態では、液体医薬組成物は、式(I)の化合物、緩衝剤、および任意に、張性調節剤を含み、式中、
式(I)の化合物は、化合物(I−1)、(I−15)、または(I−18)で表され、緩衝剤は、クエン酸ナトリウム、およびクエン酸であり、
張性調節剤は、存在する場合、塩化ナトリウムである。
【0288】
幾つかの実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸、式(I)の化合物の液体医薬組成物は、式(I)の化合物、水、クエン酸、クエン酸ナトリウム、および塩化ナトリウムを含む。幾つかの他の実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、液体医薬組成物は、式(I)の化合物、水、クエン酸、およびプロピレングリコールを含む。なお幾つかの他の実施形態では、液体医薬組成物は、式(I)の化合物を含み、式(I)の化合物は、化合物(I−1)、水、クエン酸、クエン酸ナトリウム、および塩化ナトリウムである。
【0289】
このような実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、式(I)の化合物の液体医薬投薬形態は、約pH3〜約pH7のpHを有する。特定のこのような実施形態では、pHは、約pH4.9〜約pH6.7である。他の特定のこのような実施形態では、pHは、約pH5.5〜約pH6.5である。
【0290】
幾つかの実施形態では、α−ヒドロキシカルボン酸またはβ−ヒドロキシカルボン酸は、クエン酸であり、式(I)の化合物の液体医薬組成物は、保存用ビヒクルおよび式(VIII)の化合物から原位置で調製される。幾つかの実施形態では、保存用ビヒクルは、水、クエン酸、クエン酸ナトリウム、およびプロピレングリコールを含む。このような実施形態では、得られる溶液を、保存用ビヒクルまたは塩化ナトリウム溶液で更に希釈し、所望の濃度の式(I)の化合物の液体医薬組成物を生成することができる。
【0291】
別の態様では、本発明は、式(I)の化合物、緩衝剤、および任意に張性調節剤を含む、単位用量の液体医薬組成物を提供する。幾つかの実施形態では、単位用量の液体医薬組成物は、式(I)の化合物、緩衝剤、および任意に張性調節剤を含み、式(I)の化合物は、化合物(I−1)である。幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、約0.5mg/mL〜約3mg/mLの濃度の式(VIII)の化合物で、単位用量の液体医薬組成物に存在する。幾つかの他の実施形態では、式(I)の化合物は、約1mg/mLの濃度の式(VIII)の化合物で、単位用量の液体医薬組成物に存在する。幾つかの他の実施形態では、式(I)の化合物は、化合物(I−1)であり、単位用量の液体医薬組成物において、化合物(I−1)は、約0.5mg/mL〜約3mg/mLの濃度の式(VIII−1)の化合物に存在する。なお幾つかの他の実施形態では、式(I)の化合物は、化合物(I−1)であり、単位用量の液体医薬組成物において、化合物(I−1)は、約1mg/mLの濃度の式(VIII−1)の化合物に存在する。更になお幾つかの他の実施形態では、式(I)の化合物は、化合物(I−15)、単位用量の液体医薬組成物において、化合物(I−15)は、約1mg/mLの濃度の式(VIII−15)の化合物に存在する。
【0292】
単位用量の液体医薬組成物において、幾つかの実施形態では、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸は、約0.005g〜約0.250gのクエン酸イオンと同等量で存在する。単位用量の液体医薬組成物において、幾つかの実施形態では、クエン酸ナトリウムおよびクエン酸は、約0.025g〜約0.125gのクエン酸イオンと同等量で存在する。
【0293】
単位用量の液体医薬組成物において、幾つかの実施形態では、塩化ナトリウムは、約0.0045g〜約0.09gの量で存在する。単位用量の液体医薬組成物において、幾つかの実施形態では、塩化ナトリウムは、約0.01g〜約0.04gの量で存在する。
【0294】
単位用量の液体医薬組成物において、幾つかの実施形態では、医薬組成物は、使用するまで冷凍した状態で保存される。
【0295】
別の態様では、本発明は、単位用量の液体医薬組成物として、式(I)の化合物を調製する方法を提供し、方法は、
(h−1)水性溶媒に緩衝剤を溶解するステップと、
(h−2)ステップ(h−1)において得られた混合物に、式(I)の化合物、またはその結晶形態を溶解するステップと、
(h−3)ステップ(h−2)において得られた混合物に、張性調節剤を溶解するステップと、
(h−4)必要とされるバッチ容量に水性溶媒を更に添加するステップと、
(h−5)ステップ(h−4)において得られた混合物の量で、バイアルを充填するステップと、を含む。
【0296】
幾つかの実施形態では、ステップ(h−5)後、バイアルに、栓をする。幾つかの他の実施形態では、ステップ(h−5)前、窒素を、混合物に吹き込む。なお幾つかの他の実施形態では、ステップ(h−5)後、バイアル中の液体を、窒素で重層することができる。
【0297】
幾つかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(VIII)の化合物から原位置で形成される。このような実施形態では、ステップ(h−2)において、式(VIII)の化合物、またはその結晶形態を、混合物に添加する。幾つかの実施形態では、α−ヒドロキシ酸またはβ−ヒドロキシ酸を、ステップ(h−2)において、添加する。幾つかの他の実施形態では、α−ヒドロキシ酸またはβ−ヒドロキシ酸は、緩衝剤として、ステップ(h−1)において存在する。
【0298】
本発明の医薬組成物は、好ましくは、プロテアソーム媒介性疾患に罹患している、またはそれを発症もしくは再発を経験する危険性がある、患者に投与するために製剤化される。「患者」という用語は、本明細書で使用される場合、動物、好ましくは哺乳動物、更に好ましくはヒトを意味する。本発明の好ましい医薬組成物は、経口、静脈内、または皮下投与用に製剤化されたものである。しかしながら、治療有効量の本発明の化合物を含有する、上記の投薬形態のうちのいずれかは、日常的な実験の十分な範囲内であり、したがって、本発明の十分な範囲内である。幾つかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、別の治療剤を更に含み得る。幾つかの実施形態では、このような他の治療剤は、治療されるべき疾患または状態を有する患者に通常投与されるものである。
【0299】
「治療有効量」とは、プロテアソーム活性またはプロテアソーム媒介性疾患の重症度における検出可能な減少を生じるのに十分な量を意味する。必要とされるプロテアソーム阻害剤の量は、既定の細胞型および疾患を治療するために必要とされる時間に対する阻害剤の有効性によって異なり得る。また、いずれの特定の患者に必要とされる特効薬および治療レジメンは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、患者の食生活、投与時間、排出率、薬の併用、治療にあたる医師の判断、および治療を受ける特定の疾患の重症度を含む、様々な要因によることが理解されるべきである。本発明の組成物に存在する治療剤の追加の量は、一般的に、唯一の活性剤としてその治療剤を含む組成物で通常投与される量よりも少ない。好ましくは、治療剤の追加の量は、唯一の治療活性剤としてその薬剤を含む組成物に通常存在する量の約50%から約100%の範囲であり得る。
【0300】
別の態様では、本発明は、プロテアソーム媒介性疾患に罹患している、またはそれを発症もしくは再発を経験する危険性がある、患者を治療するための方法を提供する。本明細書で使用される、「プロテアソーム媒介性疾患」という用語は、プロテアソーム発現または活性が増加することにより生じるまたは特徴とする、またはプロテアソーム活性が必要とされる、いかなる疾患、疾病または、状態を含む。「プロテアソーム媒介性疾患」という用語はまた、プロテアソーム活性の阻害が有益である、いかなる疾患、疾病または、状態も含まれる。
【0301】
例えば、本発明の化合物および医薬組成物は、プロテアソーム活性によって調節される、タンパク質(例えば、NFκB、p27
Kip、p21
WAF/CIP1、p53)を介して媒介される疾患の治療において有用である。関連疾患には、炎症性疾患(例えば、リウマチ性関節炎、炎症性腸疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、変形性関節症、皮膚病(例えば、アトピー性皮膚炎、乾癬))、血管増殖性疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症、再狭窄)、増殖性眼疾患(例えば、糖尿病性網膜症)、良性増殖性障害(例えば、血管腫症)、自己免疫疾患(例えば、多発性硬化症、組織および臓器の拒絶反応)、ならびに感染と関連した炎症(例えば、免疫反応)、神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、運動ニューロン疾患、神経因性疼痛、トリプレットリピート病、星状細胞腫、およびアルコール性肝臓疾患の結果としての神経変性)、虚血性傷害(例えば、脳梗塞)、ならびに悪液質(例えば、様々な生理学的および病理的状態(例えば、神経傷害、絶食、発熱、アシドーシス、HIV感染、癌の苦痛、および特定の内分泌障害)を伴う促進筋肉タンパク質分解)が含まれる。
【0302】
本発明の化合物および医薬組成物は、癌を治療するのに特に有用である。本明細書で使用される、「癌」という用語は、抑制されていない、または調節されていない細胞増殖、細胞分化の減少、周囲組織に侵入する不適切な能力、および/または異所で新しい増殖を構築する能力を特徴とする、細胞障害を指す。「癌」という用語としては、固形腫瘍および血液感染性の腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。「癌」という用語は、皮膚、組織、臓器、骨、軟骨、血液、および血管の疾患を包含する。「癌」という用語は、原発性癌および転移性癌を更に含む。
【0303】
開示されたプロテアソーム阻害剤または医薬組成物で治療可能な固体腫瘍の限定されない例には、膵臓癌、膀胱癌、結腸直腸癌、転移性乳癌を含む乳癌、アンドロゲン依存性およびアンドロゲン非依存性前立腺癌を含む前立腺癌、腎臓癌(例えば、転移性腎細胞癌を含む)、肝細胞癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌(NSCLC)、および細気管支肺胞上皮癌(BAC)を含む)、卵巣癌(例えば、進行性上皮癌または原発性腹膜癌を含む)、子宮頸癌、胃癌、食道癌、頭頸部癌(例えば、頭頸部の扁平上皮細胞癌を含む)、メラノーマ、転移性神経内分泌腫瘍を含む神経内分泌癌、脳腫瘍(例えば、神経膠腫、未分化希突起グリオーマ、多形成グリア芽細胞腫、および成人未分化星細胞腫を含む)、骨肉種、ならびに軟部組織の肉腫が挙げられる。
【0304】
開示されたプロテアソーム阻害剤または医薬組成物で治療可能な血液学的悪性腫瘍の限定されない例には、急性骨髄性白血病(AML)、CML移行期およびCML芽球期(CML−BP)を含む慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ホジキン病(HD)、濾胞性リンパ腫およびマントル細胞リンパ腫を含む非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、多発性骨髄腫(MM)、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、不応性貧血(RA)、環状鉄芽球を伴う不応性貧血(RARS)、過剰な芽球を伴う不応性貧血(RAEB)、および移行期RAEB(RAEB−T)を含む骨髄異形成症候群(MDS)、ならびに骨髄増殖性症候群が挙げられる。
【0305】
幾つかの実施形態では、本発明の化合物または医薬組成物は、多発性骨髄腫およびマントル細胞リンパ腫からなる群から選択される癌に罹患している、またはそれを発症もしくは再発を経験する、患者を治療するために使用される。
【0306】
幾つかの実施形態では、本発明のプロテアソーム阻害剤または医薬組成物は、別の治療剤と組み合わせて投与される。他の治療剤はまた、プロテアソームを阻害し得るか、または異なる機構によって作用し得る。幾つかの実施形態では、他の治療剤は、治療されるべき疾患または状態を有する患者に通常投与されるものである。本発明のプロテアソーム阻害剤は、単一の投薬形態の他の治療剤と共に、または別個の投薬形態として、投与され得る。別個の投薬形態として投与される場合、他の治療剤は、本発明のプロテアソーム阻害剤を投与する前、同時に、または投与した後に、投与され得る。
【0307】
幾つかの実施形態では、式(I)のプロテアソーム阻害剤、または式(I)の化合物の医薬組成物は、抗癌剤と組み合わせて投与される。本明細書で使用される、「抗癌剤」という用語は、癌を治療する目的のために癌を患う対象に投与される、任意の薬剤を指す。
【0308】
DNA損傷性のある化学療法薬の限定されない例には、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン、カンプトセシン、またはその類似物、およびドキソルビシン)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシド、およびダウノルビシン)、アルキル化剤(例えば、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、チオテパ、イホスファミド、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、メトトレキサート、マイトマイシンC、およびシクロホスファミド)、DMA挿入剤(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、およびカルボプラチン)、DNA挿入剤および遊離ラジカル生成物(例えば、ブレオマイシン)、ならびにヌクレオシド模倣薬(例えば、5−フルオロウラシル、カペシタビン、ゲムシタビン、フルダラビン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン、およびヒドロキシ尿素)が挙げられる。
【0309】
細胞複製を妨害する化学療法剤には、パクリタキセル、ドセタキセルおよび関連類似物、ビンクリスチン、ビンブラスチンおよび関連類似物、サリドマイド、レナリドマイドおよび関連類似物(例えば、CC−5013およびCC−4047)、タンパク質チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、メシル酸イマチニブおよびゲフィチニブ)、プロテアソーム阻害剤(例えば、ボルテゾミブ)、IκBキナーゼの阻害剤を含むNF−κB阻害剤、癌に過剰発現したタンパク質に結合し、それにより細胞複製を下方制御する抗体(例えば、トラスツズマブ、リツキシマブ、セツキシマブ、およびベバシツマブ)、ならびに癌において上方制御、過剰発現、または活性化するのに周知のタンパク質もしくは酵素の他の阻害剤、細胞複製を下方制御する阻害剤が挙げられる。
【0310】
本発明を更に十分に理解するために、以下の調製および実験例を示す。これらの実施例には、特定の化合物を生成または試験する方法を例示し、いかなる方法において、本発明の範囲を制限するものとして解釈するべきではない。
【実施例】
【0311】
実施例
【0312】
【数1】
一般方法
1H NMR:スペクトルは、大気温度で、
1H NMRにおいて400MHzで作動するJOEL ECX−400NMRスペクトロメータ上で得られる。得られるFIDは、Acorn NMR Inc.からのNUTS NMR処理ソフトウェアを用いて、PCに転送された。化学シフトは、DMSO溶媒、2.50ppmを参照した。溶媒ブランクは、約0.75mLのDMSO−d6をNMRチューブに添加することにより調製する。
1Hスペクトルが、溶媒ブランク上に得られた後、サンプルを添加し、完全に溶解する。
【0313】
質量分析法:質量分析試験は、Thermo−Finnigan LCQ Deca−XPイオントラップ型質量分析計上で作動させる。エレクトロスプレーイオン源は、5kvの高電圧、35arbのシースガスの流速、275℃のキャピラリ温度、9Vのキャピラリ電圧、および35Vのチューブレンズオフセットを有する、陽および負モードの双方において使用された。検体は、アセトニトリルに溶解され、0.5mg/mLの溶液を生成した。Agilent 1100 HPLCシステムは、液体クロマトグラフィ質量分析の流量分析のために使用された。ポンプ流速は、1.0mL/分であった。10μlの各サンプル溶液は、オートサンプラーからT字ジョイントに注射された。T字ジョイントからの約2%の溶液は、質量分析計に注入された。
【0314】
X線粉末回折法(XRPD):X線粉末回折パターンは、以下のいずれかで得られる。i)Bruker AXS D8Advance回折計。データは、0.05°の2θのステップサイズおよび2秒のステップ時間を用いて、連続スキャンモードにおいて、2.9°から29.6°の2θの角度範囲にわたって、収集される。サンプルは、周囲条件下で操作し、粉砕することなく受容される場合、粉末を用いて、平板試料として調製されるか、または
ii)PANalytical X’Pert Pro回折計。各試料は、Optix製の長い高精度焦点源を用いて生成した、銅放射を用いて分析される。楕円状に等級化された多層膜鏡を使用して、試料を通して、検出器上に、Cu K α X線の源の焦点を合わせる。試料は、3マイクロメートルの厚膜間に狭装、透過幾何学において分析し、配向統計を最適化するように回転させる。ビームストップを使用して、空気散乱によって生成されるバックグラウンドを最小化する。ヘリウムおよび散乱線除去の拡張を使用しない。ソーラースリットを、入射および回折ビームに使用して、軸発散を最小化する。回折パターンを、走査位置を最小化する軸発散を用いて収集する。回折パターンを、走査式位置感応検出器(X’Celerator)を用いて収集し、試料から240mmに位置する。分析前に、シリコン試料(NIST標準参照物質640c)を分析し、シリコン111ピークの位置を照合する。
【0315】
示差走査熱量測定(DSC):示差走査熱量測定(DSC)データを、いずれかにおいて収集する。
i)50位置オートサンプラーを装備した、TA Instruments Q100示差走査熱量計。エネルギーおよび温度較正の基準は、インジウムである。サンプルを、25℃〜300℃で、毎分10℃の速度で加熱する。毎分50mLで流れる窒素浄化を、走査中、サンプル上で維持する。1mg〜3mgのサンプルを分析する。全てのサンプルは、ピンホールを有する密封されているアルミ製の鍋に圧着され、溶媒蒸気からの蓄積される圧力を軽減するか、または
ii)TA Instruments示差走査熱量計2920。サンプルを、アルミニウム製のDSC鍋に入れ、重量を正確に記録する。開口した鍋を蓋で覆い、次いで、圧着させる。サンプル細胞を、25℃で、平衡し、10℃/分の速度で、窒素浄化下で、加熱する。インジウム金属を較正基準として使用した。
【0316】
熱重量分析(TGA):熱重量分析(TGA)データを、ニッケル/アルメルによって較正した、毎分10℃の走査速度での試行により、TA Instruments Q500熱重量分析器上で収集する。毎分60mLで流れる窒素浄化を、測定中、サンプル上に維持する。一般に、5mg〜15mgのサンプルを、予め風袋を量った(pre−tared)白金るつぼに入れた。
【0317】
実施例1:
4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンズアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)の合成
【0318】
【化17】
ステップ1:2,5−[(ジクロロベンゾイル)アミノ]酢酸
水(120mL)中のNaOH(12g、300mmol)とグリシン(18g、239mmol)の混合物に、45分間にわたって、約25℃以下の内部温度を維持しながら、THF(15mL)中の2,5−ジクロロベンゾイルクロリド(10g、48mmol)の溶液を滴下した。1時間後、混合物を、約5℃以下の内部温度を維持しながら、2.0M HCl(125mL)で酸性化した。得られた沈殿物を、真空濾過によって収集した。粗生成物を、水から再結晶し、白色の結晶固体(6.1g、52%)として、2,5−[(ジクロロベンゾイル)アミノ]酢酸を得た。融点173.3℃。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6,δ):12.72(bs,1H)、8.89(t,J=6.0Hz,1H)、7.54(m,2H)、7.48(m,1H)、3.93(d,J=6.0Hz)。
13C NMR(75MHz,DMSO−d
6,δ):41.6、129.3、129.6、131.4、132.2、138.2、171.4、165.9。MS(m/z):[M+H]C
9H
8Cl
2NO
3における計算値248.0;実測値248.0;[M+Na]C
9H
7Cl
2NNaO
3における計算値270.0;実測値270.2。
【0319】
2,5−[(ジクロロベンゾイル)アミノ]酢酸はまた、以下の手順を介して調製された。水(437mL)中のグリシン(21.5g、286mmol)の混合物に、2.0M NaOH(130mL)を添加し、得られた溶液を0℃まで冷却した。THF(75mL)中の2,5−ジクロロベンゾイルクロリド(50.0g、239mmol)の溶液を、内部温度を、0±1℃で維持するような速度で、滴下した。添加中、pHは、2.0M NaOHで滴定される、pH制御装置を用いて11.0±0.2で制御された。添加を完了した後、混合物を、更に2時間、0±1℃で撹拌した。その後、混合物を、最終pHが2.5になるまで、2.0M HCl(176mL)で酸性化した。得られた沈殿物を、濾過によって収集し、冷水(125mL)で洗浄し、真空オーブン中で45℃で乾燥させ、白色固体として、2,5−[(ジクロロベンゾイル)アミノ]酢酸(57.6g、97.3%)を得た。
【0320】
ステップ2:2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロル−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド
約5℃以下の内部温度を有する、DMF(40mL)中の2,5−[(ジクロロベンゾイル)アミノ]酢酸(6.10g、24.6mmol)およびTBTU(8.34g、26.0mmol)の溶液に、(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロル−2−イル]ブタン−1−アミン●TFA(9.35g、24.7mmol)を添加した。DIPEA(13mL、75mmol)は、その後、約5℃以下で内部温度を維持しながら、2時間にわたって、滴下した。40分後、混合物を、EtOAc(90mL)で希釈し、5% NaCl(150mL)で、10% NaCl(2×40mL)で2回、2% K
2CO
3(1×40mL)で1回、1% H
3PO
4(1×40mL)で1回、および10% NaCl(1×40mL)で1回、洗浄した。得られた有機層を、濃縮油まで濃縮し、ヘプタン(40mL)で希釈し、蒸発させ、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロル−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミドを産出し、精製せずに次のステップで使用した。
【0321】
ステップ3:N,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)
メタノール/ヘキサン(1:1)(250mL)中の2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−3−メチル−1−[(3aS,4S,6S,7aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノ−1,3,2−ベンゾジオキサボロル−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(12.2g、24.6mmol)の溶液に、1N HCl(30mL、30mmol)および(2−メチルプロピル)ボロン酸(6.5g、64mmol)を添加した。反応混合物を、一晩撹拌させた。相を分離し、メタノール層を、追加のヘプタン(2×55mL)で2回洗浄した。得られた有機層を、約10mLまで濃縮し、2.0M NaOH(30mL)とDCM(25mL)との間で分画した。DCM層を、追加の2.0M NaOH(5mL)で1回洗浄した。その後、塩基水層を、混合し、DCM(2×25mL)で2回洗浄し、1M HCl(60mL)で酸性化した。得られた混合物を、DCM(40mL)で希釈し、層を分離し、得られた水層を、DCM(3×10mL)で3回洗浄した。混合したDCM抽出物を、MgSO4(25g)で乾燥させ、濃縮油になるまで蒸発させた。生成物を、ヘプタン(50mL)で沈殿させ、濾過によって収集し、白色固体として、N,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(6.6g、74%)を得た。
1H NMR(300MHz、DMSO−d
6、δ):8.93(t,J=6.0Hz,1H)、8.68(bs,1H)、7.63(m,1H)、7.52(m,2H)、4.00(d,J=6.0Hz,2H)、2.62(m,1H)、1.59(m,1H)、1.33(m,1H)、1.24(m,1H)、0.81(d,J=5.9Hz,6H)。
13C NMR(125MHz,DMSO−d
6,δ):23.2、25.8、40.1、40.7、43.0、129.0、130.0、131.0、137.5、165.0、172.5。CH
3CN中のMS(m/z):[M+H] C
42H
52B
3Cl
6N
6O
9における計算値1027.2;実測値1027.3;[M+Na] C
42H
51B
3Cl
6N
6NaO
9における計算値1049.2;実測値1049.5。
【0322】
ステップ4:4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)
形態1:約74℃の内部温度を有する、EtOAc(85mL)中のクエン酸(2.75g、14.3mmol)の溶液に、固体として、N,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(5.00g、4.87mmol)を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで放置した状態で冷却し、混合物を一晩撹拌した。得られた沈殿物を、濾過によって収集し、結晶性固体として、2,2’−{2−[(1R)−1−({[(2,5−ジクロロベンゾイル)アミノ]アセチル}アミノ)−3−メチルブチル]−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4,4−ジイル}アセト酢酸形態1(6.65g、88%)を得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,δ110℃):10.08(s,1H)、8.69(s,1H)、7.61(s,1H)、7.52(d,J=1.3Hz,2H)、4.26(d,J=5.5Hz,2H)、2.70(q,J=14.5Hz,4H)、2.70(bs,1H)、1.72(sept,J=6.5Hz,1H),1.42(ddd,J=5.2Hz,J=8.6Hz,J=13.9Hz,1H)、1.28(ddd,J=5.3,J=9.4Hz,J=14.3Hz,1H)、0.91(dd,J=3.3Hz,J=6.6Hz,6H)。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Na] C
20H
23BCl
2N
2NaO
9における計算値539.1;実測値539.1。
【0323】
I−1形態1に関するXRPDデータを、
図1および表1に示す。
【0324】
【表1】
I−1形態1に対する示差走査熱量測定(DSC)データを、
図2に示す。プロファイルは、191.8℃の開始温度で、198.8℃の融点を有する、吸熱転移を特徴とする。分解に対応する第2の吸熱転移は、225℃の開始温度を有する。これらの温度は、±5℃の誤差を有する。
【0325】
I−1形態1に対する熱重量分析(TGA)データを、
図2に示す。プロファイルは、温度関数として、サンプルの重量損失率をグラフにし、ここで、温度変化量は、約10℃/分である。重量損失は、温度が、50℃から200℃に変化する場合のサンプルの重量が、約0.72%の損失を示す。これらの温度は、±5℃の誤差を有する。
【0326】
形態2:約74℃の内部温度を有する、EtOAc(300mL)中のクエン酸(10.1g、52.6mmol)の溶液に、EtOAc(60mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(20.0g、19.5mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約60℃になるまで、ゆっくりと(約0.33℃/分)冷却し、混合物を3時間撹拌した。得られたスラリーを、内部温度が約25℃になるまで、ゆっくりと(約0.12℃/分の速度)冷却し、混合物を一晩撹拌した。得られた沈殿物を、濾過によって収集し、結晶性固体として、4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸形態2(26.7g、98%)を得た。
1H NMR(500MHz,DMSO−d
6,δ110℃):10.08(s,1H)、8.69(s,1H)、7.61(s,1H)、7.52(d,J=1.3Hz,2H)、4.26(d,J=5.5Hz,2H)、2.70(q,J=14.5Hz,4H)、2.70(bs,1H)、1.72(sept,J=6.5Hz,1H),1.42(ddd,J=5.2Hz,J=8.6Hz,J=13.9Hz,1H)、1.28(ddd,J=5.3,J=9.4Hz,J=14.3Hz,1H)、0.91(dd,J=3.3Hz,J=6.6Hz,6H)。
13C NMR(100MHz,DMSO−d
6,δ100℃):21.65、23.34、25.09、38.39、38.98、42.07、76.25、128.97、129.14、130.94、131.48、131.73、137.05、165.44、170.23、175.74、177.43。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Na] C
20H
23BCl
2N
2NaO
9における計算値539.1;実測値539.1。
【0327】
4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸形態2はまた、60℃で、THF(80mL)中のクエン酸(21g、0.11mmol)の溶液をTHF(80mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(40g、0.11mmol)の溶液に添加することによって、調製された。その後、溶液を、形態2 結晶(400mg)で播種した。60℃で、30分間撹拌した後、EtOAc(400mL)を、9時間にわたって添加した。EtOAcの添加が完了した後、温度を、5時間にわたって20℃まで低下させた。得られた懸濁液を濾過し、結晶性固体として、4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸形態2(40g、70%)を収集した。
【0328】
4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸形態2はまた、表2に記載される、条件を用いて、同一の一般的方法において調製された。
【0329】
【表2】
4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸形態2はまた、アセトン中に溶解し、次いで、抗溶媒として、EtOAcを添加することによって調製された。
【0330】
I−1形態に2対する2XRPDデータを、
図3および表3に示す。
【0331】
【表3】
I−1形態2に対する示差走査熱量測定(DSC)データを
図4に示す。プロファイルは、206.5℃の開始温度で、219.9℃の融点を有する、吸熱転移を特徴とする。分解に対応する第2の吸熱転移は、225℃の開始温度を有する。これらの温度は、±5℃の誤差を有する。
【0332】
I−1形態2に対する熱重量分析(TGA)データを、
図4に示す。プロファイルは、温度関数として、サンプルの重量損失率をグラフにし、ここで、温度変化量は、約10℃/分である。重量損失は、温度が、50℃から200℃に変化する場合のサンプルの重量が、約1.1%の損失を示す。これらの温度は、±5℃の誤差を有する。
【0333】
実施例1A:4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)形態2の代替合成
機械的撹拌器、滴下漏斗、温度計、および加熱/冷却制御ユニット(窒素下)を装備した50Lのガラス製の反応器を、1.2マイクロメートルのフィルタ処理したEtOAc(18.9kg)および無水クエン酸(0.561kg、2.9mol)を用いて、充填した。混合物を71℃まで加熱し、溶液を得た。EtOAc(4.0kg)中に溶解されるN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(1.109kg、3.1mol)を、インラインフィルタ(1.2マイクロメートル)を用いて浄化し、溶液を、撹拌下で(193rpm)、73℃〜75℃の温度を維持したままで、20分間にわたって、反応混合物に添加した。撹拌を、96rpmまで減速し、混合物を、以下のように、冷却した。(1)混合物を、25分間、73℃〜75℃で維持した;(2)混合物は、約5℃/30分の速度で、40℃まで段階的冷却を行った;(3)混合物を、撹拌しながら、大気温度まで一晩放置した状態で冷却した。その後、生成物は、濾過によって単離され、1.2マイクロメートルのフィルタ処理したEtOAc(2×1.2kg)を用いて、フィルタ上で洗浄し、40〜41℃で一晩(22時間)、真空下で乾燥させ、1.458kg(92%)の表題化合物を得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6,δ):12.13(s,2H)、10.69(s,1H)、9.11(t,J=5.6Hz,1H)、7.66(t,J=1.2Hz,1H)、7.56(d,J=1.2Hz,2H)、4.27(bs,2H)、2.9−2.55(m,5H)、1.67(bs,1H)、1.4−1.15(bs,2H)、0.86(d,J=6.4Hz,6H)。
【0334】
化合物(I−1)形態2に関するXRPDデータを、
図7および表6に示す。
【0335】
【表6】
化合物(I−1)形態2に対する示差走査熱量測定(DSC)データを、
図8に示す。プロファイルを、2つの吸熱転移である、約231.3℃の融点を有する第1の吸熱転移、および約239.9℃の融点を有する第2の吸熱転移を特徴とする。これらの温度は、±5℃の誤差を有する。
【0336】
実施例2:2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−3−メチル−1−(4−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(I−2)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中のグリコール酸(0.041g、0.54mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.199g、0.19mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−3−メチル−1−(4−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(0.215g、95%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Et
3N+H] C
22H
35BCl
2N
3O
5における計算値502.2;実測値502.0。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
16H
18BCl
2N
2O
5における計算値399.1;実測値399.0。
【0337】
実施例3:{(4S)−2−[(1R)−1−({[(2,5−ジクロロベンゾイル)アミノ]−アセチル}アミノ)−3−メチルブチル]−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル}酢酸(I−3)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中のL−リンゴ酸(0.0958g、0.714mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)の溶液(0.239g、0.233mmol)を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、{(4S)−2−[(1R)−1−({[(2,5−ジクロロベンゾイル)アミノ]−アセチル}アミノ)−3−メチルブチル]−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル}酢酸(0.307g、96%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+ Et
3N+H] C
24H
37BCl
2N
3O
7における計算値560.1;実測値560.1。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
18H
20BCl
2N
2O
7における計算値457.1;実測値457.1。
【0338】
実施例4:2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−1−[(4S)−4−シクロヘキシル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]−3−メチルブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(I−4)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中の(S)−ヘキサヒドロマンデル酸(0.0881g、0.557mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.200g、0.195mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−1−[(4S)−4−シクロヘキシル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]−3−メチルブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(0.251g、93%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+ Et
3N+H] C
28H
45BCl
2N
3O
5における計算値584.3;実測値584.1。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
22H
28BCl
2N
2O
5における計算値481.1;実測値481.1。
【0339】
実施例5:2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−1−(4,4−ジメチル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3−メチルブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(I−5)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中の2−ヒドロキシイソ酪酸(0.0567g、0.545mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]imino(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.200g、0.195mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−1−(4,4−ジメチル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3−メチルブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(0.225g、96%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+ Et
3N+H] C
24H
39BCl
2N
3O
5における計算値530.2;実測値530.0。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
18H
22BCl
2N
2O
5における計算値427.1;実測値427.0。
【0340】
実施例6:2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−3−メチル−1−[(5R)−4−オキソ−5−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(I−6)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中の(R)−マンデル酸(0.168g、1.10mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.382g、0.37mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、得られた沈殿物を、濾過によって収集し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−3−メチル−1−[(5R)−4−オキソ−5−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(0.343g、65%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6,δ):10.88(s,1H)、9.22(m,1H)、7.68−7.27(m,8H)、5.15(s,1H)、4.33(d,J=6.0Hz,2H)、2.8−2.76(m,1H)、1.71−1.62(m,1H)、1.50−1.28(m,2H)、0.89(m,6H)。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Et
3N+H] C
28H
39BCl
2N
3O
5における計算値578.2;実測値578.1。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
22H
22BCl
2N
2O
5における計算値475.1;実測値475.1。
【0341】
実施例7:2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−3−メチル−1−[(4S)−4−メチル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(I−7)の合成
約70℃の内部温度を有する、EtOAc(3.0mL)中のL−乳酸(0.675g、7.34mmol)の溶液に、EtOAc(7.5mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(2.50g、2.43mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約60℃になるまで、放置した状態で冷却した。30分後、溶液が混濁するまで、ヘプタン(11.5mL)を添加した。懸濁液を内部温度が約70℃になるまで加熱し、この時点で、同質溶液を得た。溶液を、内部温度が約30℃になるまで、0.17℃/分の速度で冷却し、次いで、内部温度が、約0℃になるまで、放置した状態で冷却した。得られた沈殿物を、濾過によって収集し、白色結晶性固体として、2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−3−メチル−1−[(4S)−4−メチル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(2.32g、81%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Et
3N+H] C
23H
37BCl
2N
3O
5における計算値515.9;実測値516.0。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
17H
20BCl
2N
2O
5における計算値413.1;実測値413.0。
【0342】
I−7に関するXRPDデータを、
図5および表4に示す。
【0343】
【表4】
実施例8:2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−3−メチル−1−[(4S)−4−メチル−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(I−8)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中の(S)−3−ヒドロキシ酪酸(0.0598g、0.566mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.200g、0.195mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−3−メチル−1−[(4S)−4−メチル−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(0.225g、95%)を得た。
1H NMR(300MHz,DMSO−d
6,δ):10.45(s,1H)、9.11(t,J=6.0Hz,1H)、7.65(m,1H)、7.55(m,2H)、4.21(d,J=6.0Hz,2H)、3.98−3.90(m,1H)、2.51(m,1H)、2.33(dd,J
1=19.2Hz,J=2.7Hz,1H)、2.24−2.21(m,1H)、1.61−1.52(m,1H)、1.33−1.19(m,2H)、1.07−1.04(m,3H)、0.84(m,6H)。CH
3CN中のMS(m/z):[M+ Et
3N+H] C
24H3
9BCl
2N
3O
5における計算値530.2;実測値530.0。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
18H
22BCl
2N
2O
5における計算値427.1;実測値427.1。
【0344】
実施例9:2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−1−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル)−3−メチルブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(I−9)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中のβ−ヒドロキシイソ吉草酸(0.0841g、0.712mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.260g、0.253mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−1−(4,4−ジメチル−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−2−yl)−3−メチルブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(0.296g、95%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+ Et
3N+H] C
25H
41BCl
2N
3O
5における計算値544.3;実測値544.0。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
19H
24BCl
2N
2O
5における計算値441.1;実測値441.0。
【0345】
実施例10:2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−1−[(4S)−4−tert−ブチル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]−3−メチルブチル}アミノ)−2−オキソエチル]−2,5−ジクロロベンズアミド(I−10)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中の(S)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸(0.0712g、0.553mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.200g、0.195mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−1−[(4S)−4−tert−ブチル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]−3−メチルブチル}アミノ)−2−オキソエチル]−2,5−ジクロロベンズアミド(0.245g、97%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+ Et
3N+H] C
26H
43BCl
2N
3O
5における計算値558.3;実測値558.0。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
20H
26BCl
2N
2O
5における計算値455.1;実測値455.0。
【0346】
実施例11:2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−1−[(4S)−4−イソプロピル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]−3−メチルブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(I−11)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中の(S)−2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸(0.0659g、0.558mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.200g、0.195mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−1−[(4S)−4−イソプロピル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]−3−メチルブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(0.246g、99%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Na] C
19H
25BCl
2N
2NaO
5における計算値465.1;実測値465.1。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
19H
24BCl
2N
2O
5における計算値441.1;実測値441.0。
【0347】
実施例12:2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−1−[(4S)−4−イソブチル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]−3−メチルブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(I−12)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中の2−ヒドロキシイソカプロン酸(0.0752g、0.569mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.200g、0.195mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−[2−({(1R)−1−[(4S)−4−イソブチル−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]−3−メチルブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ベンズアミド(0.253g、95%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Na] C
20H
27BCl
2N
2NaO
5における計算値479.1;実測値479.1。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
20H
26BCl
2N
2O
5における計算値455.1;実測値455.1。
【0348】
実施例13:2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−3−メチル−1−(4−オキソ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサボリニン−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(I−13)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中のサリチル酸(0.0758g、0.549mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.200g、0.195mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、得られた沈殿物を、濾過によって収集し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−3−メチル−1−(4−オキソ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサボリニン−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(0.198g、78%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Na] C
21H
21BCl
2N
2NaO
5における計算値485.1;実測値485.1。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
21H
20BCl
2N
2O
5における計算値461.1;実測値461.0。
【0349】
I−13に関するXRPDデータを、
図6および表5に示す。
【0350】
【表5】
実施例14:2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−3−メチル−1−(5−オキソ−4,4−ジフェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(I−14)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中のベンジル酸(0.126g、0.552mmol)の溶液に、EtOAc(1.0mL)中のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)(0.200g、0.195mmol)の溶液を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、2,5−ジクロロ−N−(2−{[(1R)−3−メチル−1−(5−オキソ−4,4−ジフェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ブチル]アミノ}−2−オキソエチル)ベンズアミド(0.291g、95%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Na] C
28H
27BCl
2N
2NaO
5における計算値575.1;実測値575.2。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
28H
26BCl
2N
2O
5における計算値551.1;実測値551.1。
【0351】
実施例15:2,2’−{2−[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4,4−ジイル}アセト酢酸(I−15)の合成
約74℃の内部温度を有する、EtOAc(7.4mL)中のクエン酸(0.257g、1.34mmol)の溶液に、固体として、N,N’,N’’−(ボロキシン−2,4,6−トリルトリス{[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ[(2S)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−1,2−ジイル]})トリピラジン−2−カルボキサミド(0.500g、0.455mmol)を添加した。得られた溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、蒸発させ、白色固体として、2,2’−{2−[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4,4−ジイル}アセト酢酸(0.730g、99%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Et
3N+H] C
31H
45BN
5O
9における計算値642.3;実測値642.2。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H]
C
25H
28BN
4O
9における計算値539.2;実測値539.2。
【0352】
実施例16:N−[(1S)−1−ベンジル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(5R)−4−オキソ−5−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド(I−16)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中の(R)−マンデル酸(0.0738g、0.485mmol)の溶液に、固体として、N,N’,N’’−(ボロキシン−2,4,6−トリルトリス{[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ[(2S)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−1,2−ジイル]})トリピラジン−2−カルボキサミド(0.178g、0.162mmol)を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、得られた沈殿物を、濾過によって収集し、白色固体として、N−[(1S)−1−ベンジル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(5R)−4−オキソ−5−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド(0.195g、80%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Na] C
27H
29BN
4NaO
5における計算値523.2;実測値523.2。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
27H
28BN
4O
5における計算値499.2;実測値499.2。
【0353】
実施例17:N−[(1S)−1−ベンジル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(5R)−4−オキソ−5−フェニル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド(I−17)の合成
約60℃の内部温度を有する、EtOAc(2.0mL)中の(S)−3−ヒドロキシ酪酸(0.0509g、0.489mmol)の溶液に、固体として、N,N’,N’’−(ボロキシン−2,4,6−トリルトリス{[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ[(2S)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−1,2−ジイル]})トリピラジン−2−カルボキサミド(0.179 g、0.163mmol)を添加した。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却し、溶媒を蒸発させることによって除去し、白色固体として、N−[(1S)−1−ベンジル−2−({(1R)−3−メチル−1−[(4S)−4−メチル−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル]ブチル}アミノ)−2−オキソエチル]ピラジン−2−カルボキサミド(0.213g、96%)を得た。CH
3CN中のMS(m/z):[M+Na] C
23H
29BN
4NaO
5における計算値475.2;実測値475.2。CH
3CN中のMS(m/z):[M−H] C
23H
28BN
4O
5における計算値451.2;実測値451.1。
【0354】
実施例18:非経口または経口投与用の4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)の製剤の調製
製剤A:瓶を、90mLの水で充填し、クエン酸一水和物(0.08g)およびクエン酸ナトリウム二水和物(1.5g)を添加し、溶解するまで撹拌した。この溶液に、4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)形態2(0.142g)を添加し、混合物を、溶液が得られるまで撹拌した。この溶液に、塩化ナトリウム(0.45g)を添加し、2N HClを用いて、pH5.45になるまでpHを調節した。得られた溶液の最終容量を、水を用いて100mLになるまで調節し、0.2μm PES膜を通して濾過し、製剤Aを得、これを−20℃で保存した。
【0355】
製剤Bは、2N NaOHを用いてpH6.2になるまでpHを調節することを除いては、製剤Aのように調製された。
【0356】
製剤C:瓶を、90mLの水で充填し、クエン酸一水和物(0.08g)、クエン酸ナトリウム二水和物(1.5g)、およびプロピレングリコール(1.0g)を添加し、溶解するまで撹拌した。この溶液に、4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)形態2(0.142g)を添加し、混合物を、溶液が得られるまで撹拌した。2N NaOHを用いて、pHが6.2になるまで調節し、得られた溶液の最終容量を、水を用いて100mLになるまで調節し、0.2μm PESを通して濾過し、製剤Cを得、これを−20℃で保存した。
【0357】
実施例19:非経口または経口投与用の4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)の製剤の原位置調製
保存用製剤ビヒクル:瓶を、約160mLの水で充填し、クエン酸一水和物(0.714g)およびクエン酸ナトリウム二水和物(2.24g)を添加し、溶解するまで撹拌した。この溶液に、プロピレングリコール(2.0g)を添加し、混合物を、均一溶液が得られるまで撹拌した。最終pHは、pH5.14であった。得られた溶液の最終容量は、水を用いて200g(1g/mLの濃度であると想定)まで調節され、0.2μm PES膜フィルタユニットを通して濾過し、約2℃〜約8℃の温度で保存した。
【0358】
製剤保存剤(1mg/mL):瓶に、0.105グラムの(約95.4% 純度)のN,N’,N’’−{ボロキシン−2,4,6−トリルトリス[[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ(2−オキソエタン−2,1−ジイル)]}トリス(2,5−ジクロロベンズアミド)を添加した。これに、約90gの保存用製剤ビヒクルを添加し、得られた混合物を、光から保護される状態で48時間撹拌した。最終pHは、pH5.12であった。得られた溶液の最終容量は、保護用製剤ビヒクルを用いて100g(1g/mLの濃度であると想定)まで調節され、0.2μm PES膜フィルタユニットを通して濾過し、約2℃〜約8℃の温度で、光から保護される状態で保存した。
【0359】
製剤D:製剤用保存剤を、使用する前、保存用製剤ビヒクルを用いて0.05mg/mL〜0.1mg/mLの濃度まで希釈した。
【0360】
製剤E:製剤保存剤を、使用する前、0.9% 塩化ナトリウム溶液を用いて0.05mg/mL〜0.1mg/mLの濃度まで希釈した。
【0361】
実施例20:20Sプロテアソームアッセイ
384ウェル黒色マイクロタイタープレートにおいて、DMSO中に溶解された1μLの試験化合物に、37℃で、Ac−WLA−AMC(β5選択的基質)(15μM 最終)と共に、ヒトPA28活性剤(Boston Biochem、12 nM 最終)を含有する、25μLのアッセイ緩衝剤、ついで、37℃で、ヒト20Sプロテアソーム(Boston Biochem、0.25nM 最終)を含有する、25μLのアッセイ緩衝剤を添加する。アッセイ緩衝剤は、20mM HEPES、0.5mM EDTA、および0.01% BSA、pH7.4からなる。反応物は、BMG Galaxyプレートリーダー(37℃、励起380nm、発光460nm、増幅20)上に生じた。0%
阻害(DMSO)および100% 阻害(10μM ボルテゾミブ)の対照に対して、阻害率を計算する。
【0362】
実施例21:抗増殖アッセイ
10% ウシ胎仔血清(Invitrogen)が補充される、100μLの適切な細胞培養培地(HCT−116に対してMcCoy’s 5A、Invitrogen)中のHCT−116(1000)または他の腫瘍細胞は、96ウェル細胞培養プレートのウェルに播種され、37℃で一晩インキュベートされる。試験化合物をウェルに添加し、プレートを、37℃で、96時間、インキュベートされる。MTTまたはWST試薬(10μL、Roche)を、製造業者によって記載されるように、各ウェルに添加し、37℃で4時間、インキュベートされる。MTTの代謝染色剤を、製造業者の取扱説明書(Roche)に従い、一晩可溶化する。各ウェルに対する光学濃度を、分光光度計(分子デバイス)を用いて、MTTに対して、595nm(初期)および690nm(参照)、およびWSTに対して450nmで読み込む。MTTに対する参照光学濃度値は、初期波長の値から減算される。阻害率を、100%に対するDMSO対照セットからの値を用いて計算する。
【0363】
実施例22:生体内腫瘍有効性モデル
100μLのRPMI−1640培地(Sigma−Aldrich)中の新たに解離されたHCT−116(2−5×10
6)または他の腫瘍細胞は、1mLの26 3/8ゲージ針(Becton Dickinson Ref#309625)を用いて、メスCD−1ヌードマウス(5〜8週齢、Charles River)の右背脇腹の皮下腔に、無菌で注射される。代替として、幾つかの異種移植モデルは、連続継代の腫瘍断片を必要とする。これらの場合は、腫瘍組織の小断片(約1mm
3)を、13ゲージのトロカール(Popper & Sons 7927)を介して、麻酔した(3−5% イソフロラン/酸素の混合物)C.B−17/SCIDマウス(5〜8週齢、Charles River)の右背脇腹に、皮下移植する。接種してから7日目に開始し、腫瘍を、ノギスを用いて、1週間に2回測定する。腫瘍容量を、標準手順を用いて計算する(0.5×(長さ×幅
2))。腫瘍が、約200mm
3の容量に達する時、マウスは、処置群に無作為化され、薬物療法の受容を開始する。投薬およびスケジュールは、薬物動態的/薬力学的および最大耐量試験から得られた前回の結果に基づいて、各実験に対して決定する。対照群は、いかなる薬物のない、ビヒクルを受容し得る。一般に、試験化合物(100〜200μL)は、様々な投薬およびスケジュールで、静脈内(27ゲージ針)、経口(20ゲージの経管針(gavage needle))、または皮下(27ゲージ針)経路を介して投与される。腫瘍の大きさおよび体重は、1週間に2回測定され、試験は、対照腫瘍が、約2000mm
3に達する時、終了される。
【0364】
実施例23:N−((S)−1−((R)−3−メチル−1−(4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボリニン−2−イル)ブチルアミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)ピラジン−2−カルボキサミド(I−19)の合成
N,N’,N’’−(ボロキシン−2,4,6−トリルトリス{[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ[(2S)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−1,2−ジイル]})トリピラジン−2−カルボキサミド(0.250g、0.228mmol)およびサリチル酸(269.6mg、0.68mmol)の混合物を、EtOAc(10mL)中で混合した。混合物を加熱し、溶液を形成する。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却した。ヘプタン(16mL)を添加した。白色固体が、沈殿し、得られたスラリーを、大気温度で、3時間、煽動した。スラリーを濾過し、固体N−((S)−1−((R)−3−メチル−1−(4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボリニン−2−イル)ブチルアミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)ピラジン−2−カルボキサミド(0.249g、75%)を収集した。CH
3CN中のMS(m/z):[M+H] C
26H
28BN
4O
5における計算値487.2153;実測値487.3。
【0365】
実施例24:2−((S)−2−((R)−3−メチル−1−((S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボキシアミド)プロパンアミド)ブチル)−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル)酢酸(I−20)の合成
N,N’,N’’−(ボロキシン−2,4,6−トリルトリス{[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ[(2S)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−1,2−ジイル]})トリピラジン−2−カルボキサミド(0.500g、0.455mmol)およびL−リンゴ酸(213.6mg、0.55mmol)の混合物を、THF(5mL)中で混合した。混合物を加熱し、溶液を形成する。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却した。白色固体が、沈殿し、得られたスラリーを、大気温度で、1時間、煽動した。スラリーを濾過し、固体2−((S)−2−((R)−3−メチル−1−((S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボキシアミド)プロパンアミド)ブチル)−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル)酢酸(0.625g、95%)を収集した。CH
3CN中のMS(m/z):[M+H] C
23H
28BN
4O
7における計算値483.2051;実測値483.2。
【0366】
実施例25:2−((R)−2−((R)−3−メチル−1−((S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボキシアミド)プロパンアミド)ブチル)−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル)酢酸(I−21)の合成
N,N’,N’’−(ボロキシン−2,4,6−トリルトリス{[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ[(2S)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−1,2−ジイル]})トリピラジン−2−カルボキサミド(0.305g、0.278mmol)およびD−リンゴ酸(130.3mg、0.33mmol)の混合物を、アセトン(3mL)中で混合した。混合物を加熱し、溶液を形成する。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却した。白色固体が、沈殿し、得られたスラリーを、大気温度で、3時間、煽動した。スラリーを濾過し、固体2−((R)−2−((R)−3−メチル−1−((S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボキシアミド)プロパンアミド)ブチル)−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル)酢酸(0.410g、100%)を収集した。[M+H] C
23H
28BN
4O
7における計算値483.2051;実測値483.2。
【0367】
実施例26:(R)−2−ヒドロキシ−2−((R)−2−((R)−3−メチル−1−((S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボキシアミド)プロパンアミド)ブチル)−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル)酢酸(I−22)の合成
N,N’,N’’−(ボロキシン−2,4,6−トリルトリス{[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ[(2S)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−1,2−ジイル]})トリピラジン−2−カルボキサミド(0.270g、0.246mmolおよびL−酒石酸(149.5mg、0.33mmol)の混合物を、アセトン(3mL)中で混合した。混合物を加熱し、溶液を形成する。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却した。ヘプタン(2.5mL)を添加した。白色固体が、沈殿し、得られたスラリーを、大気温度で、1.5時間、煽動した。スラリーを濾過し、固体(R)−2−ヒドロキシ−2−((R)−2−((R)−3−メチル−1−((S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボキシアミド)プロパンアミド)ブチル)−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル)酢酸(0.388g)を収集し、これも二量体種を含んでいた。CH
3CN中のMS(m/z):[M+H] C
23H
28BN
4O
8における計算値499.2000;実測値499.2。
【0368】
実施例27:(S)−2−ヒドロキシ−2−((S)−2−((R)−3−メチル−1−((S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボキシアミド)プロパンアミド)ブチル)−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル)酢酸(I−23)の合成
N,N’,N’’−(ボロキシン−2,4,6−トリルトリス{[(1R)−3−メチルブタン−1,1−ジイル]イミノ[(2S)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−1,2−ジイル]})トリピラジン−2−カルボキサミド(0.180g、0.164mmol)およびD−酒石酸(147.5mg、0.33mmol)の混合物を、アセトン(4mL)中で混合した。混合物を加熱し、溶液を形成する。溶液を、内部温度が約25℃になるまで、放置した状態で冷却した。ヘプタン(8mL)を添加した。混合物を蒸発させ、(S)−2−ヒドロキシ−2−((S)−2−((R)−3−メチル−1−((S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボキシアミド)プロパンアミド)ブチル)−5−オキソ−1,3,2−ジオキサボロラン−4−イル)酢酸(0.447g)を得、これも二量体種を含んでいた。CH
3CN中のMS(m/z):[M+H] C
23H
28BN
4O
8における計算値499.2000;実測値499.2。
【0369】
実施例28:医薬組成物1
カプセル剤の組成物を、以下の表7に示す。
【0370】
【表7】
実施例29:医薬組成物2
カプセル剤の組成物を、以下の表8に示す。
【0371】
【表8】
実施例30:医薬組成物3
カプセル剤の組成物を、以下の表9に示す。
【0372】
【表9】
実施例31:医薬組成物4
カプセル剤の組成物を、以下の表10に示す。
【0373】
【表10】
実施例32:医薬組成物5
カプセル剤の組成物を、以下の表11に示す。
【0374】
【表11】
実施例33:
医薬組成物6
カプセル剤の組成物を、以下の表12に示す。
【0375】
【表12】
実施例34:医薬組成物7
カプセル剤の組成物を、以下の表13に示す。
【0376】
【表13】
実施例35:医薬組成物8
組成物を、以下の表14に示す。
【0377】
【表14】
以下のプロセスに従い、バッチを調製した。
1)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#2)を、40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
2)ステップ1)でふるい分けした物質を、PKミキサーに添加し、2分間、混和した。3)60マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした式(I−1)形態2の化合物を、計量した(商品番号#1)。
4)ステップ3)からの式(I−1)形態2の化合物、および微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#3)を、ポリエチレン袋中で混合し、ポリエチレン袋を振盪し、次いで、ステップ1)において使用されるように、ポリエチレン袋の中身を、同一の40マイクロメートルのふるいを通過させた。
5)ステップ4)からの物質を、PKミキサーに添加し、15分間、混和した。
6)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#4)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、ステップ4)において使用した同一のポリエチレン袋に移し、ポリエチレン袋中で振盪した。7)ステップ6)からの物質を、PKミキサーに添加し、これは、ステップ5)からの物質をなお含み、10分間混和した。
8)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#5)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、ステップ4)および6)において使用した同一のポリエチレン袋に移し、ポリエチレン袋中で振盪した。
9)ステップ8)からの物質を、PKミキサーに添加し、これは、ステップ5)および7)からの物質をなお含み、10分間混和した。
10)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#6)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、ステップ4)、6)、および8)において使用した同一のポリエチレン袋に移し、ポリエチレン袋中で振盪した。
11)ステップ10)からの物質を、PKミキサーに添加し、これは、ステップ5)および7)、および9)からの物質をなお含み、10分間混和した。
12)ミキサーからの物質を、In−Capシステムを用いて、4号乳白色のゼラチンカプセル中にカプセル化した。
13)カプセル剤は、除塵し、重量分類した。
【0378】
実施例36:医薬組成物9
カプセル剤の組成物を、以下の表15に示す。
【0379】
【表15】
実施例37:医薬組成物10
カプセル剤の組成物を、以下の表16に示す。
【0380】
【表16】
実施例38:医薬組成物11
カプセル剤の組成物を、以下の表17に示す。
【0381】
【表17】
実施例39:医薬組成物12
カプセル剤の組成物を、以下の表18に示す。
【0382】
【表18】
実施例40:医薬組成物13
カプセル剤の組成物を、以下の表19に示す。
【0383】
【表19】
実施例41:医薬組成物14
カプセル剤の組成物を、以下の表20に示す。
【0384】
【表20】
実施例42:医薬組成物15
カプセル剤の組成物を、以下の表21に示す。
【0385】
【表21】
実施例43:医薬組成物16
カプセル剤の組成物を、以下の表22に示す。
【0386】
【表22】
以下のプロセスに従い、バッチを調製した。
1)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#2)を、40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
2)ステップ1)でふるい分けした物質を、PKミキサーに添加し、2分間、混和した。
3)60マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした式(I−1)形態2の化合物を、計量した(商品番号#1)。
4)ステップ3)からの式(I−1)形態2の化合物、および微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#3)を、ポリエチレン袋中で混合し、ポリエチレン袋を振盪し、次いで、ステップ1)において使用されるように、ポリエチレン袋の中身を、同一の40マイクロメートルのふるいを通過させた。5)ステップ4)からの物質を、PKミキサーに添加し、15分間、混和した。
6)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#4)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、ステップ4)において使用した同一のポリエチレン袋に移し、ポリエチレン袋中で振盪させた。
7)タルク(商品番号#7)、およびクエン酸ナトリウム(商品番号#8)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
8)ステップ6)および7)からの物質を、PKミキサーに添加し、これは、ステップ5)からの物質をなお含み、10分間混和した。
9)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#5)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、ステップ4)および6)において使用した同一のポリエチレン袋に移し、ポリエチレン袋中で振盪した。
10)ステップ9)からの物質を、PKミキサーに添加し、これは、ステップ5)および8)からの物質をなお含み、10分間混和した。
11)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#6)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、ステップ4)、6)、および9)において使用した同一のポリエチレン袋に移し、ポリエチレン袋中で振盪した。
12)ステップ11)からの物質を、PKミキサーに添加し、これは、ステップ5)および8)、および10)からの物質をなお含み、10分間混和した。
13)ステアリン酸マグネシウム(商品番号#9)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
14)ステップ13)からの物質を、PKミキサーに添加し、これは、ステップ5)および8)、10)、および12)からの物質をなお含み、5分間混和した。
15)ミキサーからの物質を、Profillシステムを用いて、4号乳白色のゼラチンカプセル中にカプセル化した。
16)カプセル剤は、除塵し、重量分類した。
【0387】
実施例44:医薬組成物17
カプセル剤の組成物を、以下の表23に示す。
【0388】
【表23】
以下のプロセスに従い、バッチを調製した。
1)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#2)を、40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
2)ステップ1)でふるい分けした物質を、小型PKミキサーに添加し、2分間混和した。
3)60マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした式(I−1)形態2の化合物を、計量した(商品番号#1)。
4)ステップ3)からの式(I−1)形態2の化合物、および微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#3)を混合し、次いで、ステップ1)において使用されるように、同一の40マイクロメートルのふるいを通過させた。
5)ステップ4)からの物質を、小型PKミキサーに添加し、30分間混和した。
6)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#4)およびタルク(商品番号#5)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
7)ステップ6)からの物質を、小型PKミキサーに添加し、これは、ステップ5)からの物質をなお含み、15分間混和した。
8)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#6)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、第2の大型PKミキサーに移し、2分間混和した。
9)ステップ5)および7)からの小型PKミキサーの中身を、ポリエチレン袋に出し、次いで、ステップ8)からの大型PKミキサーに移した。
10)タルク(商品番号#7)および微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#8)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
11)ステップ10)からの物質の半分を、ステップ5)および7)からの小型PKミキサーに添加し、3分間混和し、ステップ9)において使用した同一のポリエチレン袋に移し、ポリエチレン袋中で振盪した。
12)ステップ11)からの物質を、大型PKミキサーに添加し、これは、ステップ8)および9)からの物質をなお含んでいた。
13)ステップ10)からの物質の残りの半分を、ステップ5)、7)、および11)からの小型PKミキサーに添加し、3分間混和し、ステップ9)および11)において使用した同一のポリエチレン袋に移し、ポリエチレン袋中で振盪した。
14)ステップ13)からの物質を、大型PKミキサーに添加し、これは、ステップ8)、9)、および12)からの物質をなお含み、10分間混和した。
15)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#9)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、ステップ9)、11)、および13)において使用した同一のポリエチレン袋に移し、ポリエチレン袋中で振盪した。
16)ステップ15)からの物質を、同一の大型PKミキサーに添加し、これは、ステップ8)、9)、12)、および14)からの物質をなお含み、10分間混和した。
17)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#10)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
18)ステップ17)からの物質を、同一の大型PKミキサーに添加し、これは、ステップ8)、9)、12)、14)、および16)からの物質をなお含み、10分間混和した。
19)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#11)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
20)ステップ19)からの物質を、同一の大型PKミキサーに添加し、これは、ステップ8)、9)、12)、14)、16)、および18)からの物質をなお含み、10分間混和した。
21)ステアリン酸マグネシウム(商品番号#12)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けした。
22)ステップ21)からの物質を、同一の大型PKミキサーに添加し、これは、ステップ8)、9)、12)、14)、16)、18)、および20)からの物質をなお含み、5分間混和した。
23)ミキサーからの物質を、In−capシステムを用いて、4号乳白色のゼラチンカプセル中にカプセル化した。
24)カプセル剤は、除塵し、重量分類した。
【0389】
実施例45:医薬組成物18
カプセル剤の組成物を、以下の表24に示す。
【0390】
【表24】
以下のプロセスに従い、バッチを調製した。
1)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#2)を、40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、高せん断混合器に添加する。
2)式(I−1)形態2の化合物を、60マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、計量し(商品番号#1)、ステップ1)からの同一の高せん断混合器に添加する。
3)微結晶性セルロース、NF(Emcocel(登録商標)XLM90、低水分)(商品番号#3)を、同一の40マイクロメートルの網目ふるいを通してふるい分けし、ステップ1)および2)からの同一の高せん断混合器に添加する。
4)ステップ1)、2)、および3)からの高せん断混合器を、4分間作動する。
5)高せん断混合器からの物質を、In−capシステムを用いて、4号乳白色のゼラチンカプセル中にカプセル化する。
6)カプセル剤は、除塵し、重量分類する。
【0391】
実施例46:凍結乾燥粉末1
清浄な容器中で、40% tert−ブチルアルコール/60% 注射用水の溶液を、所要量のtert−ブチルアルコールを35℃まで温めることにより調製した。溶液を、15〜30℃まで冷却した。所要量の一部(全バッチの60%)のtert−ブチルアルコール/水溶液を、予め配合した容器に添加した。約40%の溶液を、すすぎ用に用意した。クエン酸(バッチ量の30%)を、撹拌しながら、予め配合した容器に添加した。用意したtert−ブチルアルコール/水溶液で、容器をすすぎ、洗浄処理物を、予め配合した容器に添加した。混合物は、クエン酸が、完全に溶解するまで、撹拌した。クエン酸ナトリウム(バッチ量の30%)を、撹拌しながら、予め配合した容器に添加した。用意したtert−ブチルアルコール/水溶液で、容器をすすぎ、洗浄処理物を、予め配合した容器に添加した。混合物は、クエン酸ナトリウムが、完全に溶解するまで、撹拌した。N−(2−ピラジン)カルボニル−L−フェニル−L−ロイシンボロン酸(VIII−15)を、撹拌しながら、予め配合した容器に添加した。用意したtert−ブチルアルコール/水溶液で、容器をすすぎ、洗浄処理物を、予め配合した容器に添加した。混合物は、ボロン酸が、完全に溶解するまで、撹拌した。予め配合した容器からのクエン酸、クエン酸ナトリウム、およびボロン酸の混合物を、主要な配合した瓶に移した。予め配合した容器を、注射用水ですすぎ、洗浄処理物を、主要な配合した瓶に添加した。クエン酸(バッチ量の70%)を、撹拌しながら、主要な配合した瓶に添加した。容器を、水ですすぎ、洗浄処理物を、主要な配合した瓶に添加した。混合物は、クエン酸が、完全に溶解するまで、撹拌した。クエン酸ナトリウム(バッチ量の70%)を、撹拌しながら、主要な瓶に添加した。容器を、水ですすぎ、洗浄処理物を、予め配合した容器に添加した。混合物は、クエン酸ナトリウムが、完全に溶解するまで、撹拌した。グリシンを、主要な瓶に添加し、残留グリシンを水ですすぎ、洗浄処理物を、主要な瓶に添加した。混合物は、グリシンが、完全に溶解するまで、撹拌した。十分な水を添加し、全アルコール含有量を4.7%v/vまで低下した。混合物を、0.22μmフィルタを通して濾過した。濾過された溶液のアリコートを、バイアルに入れた。バイアルを、凍結乾燥栓で密閉し、20℃に維持した状態で凍結乾燥機チャンバの棚に置いた。凍結乾燥機チャンバの棚を、適切なランプ速度を用いて、−45℃まで冷却し、200分間、その温度で保持した。棚を、適切なランプ速度を用いて、−20℃まで温め、480分間、その温度で維持した。棚を、適切なランプ速度を用いて、−45℃まで再度冷却し、その温度で維持した。200分後、凍結乾燥チャンバを真空にし、チャンバ圧を、窒素を用いて150マイクロメートルまで調節した。チャンバの棚を、適切なランプ速度を用いて、最高−25℃まで温め、3000分間、その温度で維持した。それぞれの熱電対製品が、−25℃以上を読み取った後、棚を、27℃まで温め、600分間、その温度で維持した。最終的な乾燥相の終わりに、窒素を用いて、チャンバ圧を再度保存し、バイアルを密閉し、除去した。予め凍結乾燥した溶液は、5 mM クエン酸塩、3% グリシン、4.7% tert−ブチルアルコールを含有した(以下の表25に示す)。
【0392】
【表25】
実施例47:凍結乾燥粉末2
実施例46に記載されるように調製した。予め凍結乾燥した溶液は、52mM クエン酸塩、3% グリシン、および4.7% tert−ブチルアルコールを含有した(以下の表26に示す)。
【0393】
【表26】
実施例48:凍結乾燥粉末3
凍結乾燥サイクルを修正することを除いては、実施例46に記載されるように、製剤を調製した。バイアルを、凍結乾燥栓で密閉し、20℃に維持した状態で凍結乾燥機チャンバの棚に置いた。凍結乾燥チャンバの棚を、適切なランプ速度を用いて、−45℃まで冷却し、200分間、その温度に保持した。棚を、適切なランプ速度を用いて、−20℃まで温め、480分間、その温度で維持した。棚を、適切なランプ速度を用いて、−45℃まで再度冷却し、その温度で維持した。200分後、凍結乾燥チャンバを真空にし、チャンバ圧を、窒素を用いて150マイクロメートルまで調節した。チャンバの棚を、適切なランプ速度を用いて、最高−15℃まで温め、2700分間、その温度で維持した。それぞれの熱電対製品が、−15℃以上を読み取った後、棚を、37℃まで温め、300分間、その温度で維持した。最終的な乾燥相の終わりに、窒素を用いて、チャンバ圧を再度保存し、バイアルを密閉し、除去した。予め凍結乾燥した溶液は、52mM クエン酸塩、3% グリシン、および4.7% tert−ブチルアルコールを含有した(以下の表27に示す)。
【0394】
【表27】
実施例49:凍結乾燥粉末4
清浄な瓶を、注射用水で充填した。クエン酸およびクエン酸ナトリウムを添加し、溶解するまで撹拌した。この溶液に、N−(2−ピラジン)カルボニル−L−フェニル−L−ロイシンボロン酸(VIII−15)を添加し、溶解するまで撹拌した。グリシンを、瓶に添加し、残留グリシンを水ですすぎ、洗浄処理物を、主要な瓶に添加した。混合物は、グリシンが、完全に溶解するまで、撹拌した。十分な水をバッチ容量に添加した。混合物を、0.22μmフィルタを通して濾過した。濾過された溶液のアリコートを、バイアルに入れた。バイアルを、凍結乾燥栓で密閉し、20℃に維持した状態で凍結乾燥機チャンバの棚に置いた。凍結乾燥機チャンバの棚を、適切なランプ速度を用いて、−45℃まで冷却し、200分間、その温度に保持した。棚を、適切なランプ速度を用いて、−20℃まで温め、480分間、その温度で維持した。棚を、適切なランプ速度を用いて、−45℃まで再度冷却し、その温度で維持した。200分後、凍結乾燥チャンバを真空にし、チャンバ圧を、窒素を用いて150マイクロメートルまで調節した。チャンバの棚を、適切なランプ速度を用いて、最高−25℃まで温め、3000分間、その温度で維持した。それぞれの熱電対製品が、−25℃以上を読み取った後、棚を、27℃まで温め、600分間、その温度で維持した。最終的な乾燥相の終わりに、窒素を用いて、チャンバ圧を再度保存し、バイアルを密閉し、除去した。予め凍結乾燥した溶液は、52mM クエン酸塩、および3% グリシンを含有した(以下の表28に示す)。
【0395】
【表28】
実施例50:凍結乾燥粉末5
実施例49に記載されるように調製した。予め凍結乾燥した溶液は、52mM クエン酸塩、および3% グリシンを含有した(以下の表29に示す)。本実施例では、予め凍結乾燥した溶液のpHは、2N HClを添加することにより、最終測定されたpHまで調節された。
【0396】
【表29】
実施例50: 凍結乾燥粉末6
清浄な瓶を、注射用水で充填する。クエン酸およびクエン酸ナトリウムを添加し、溶解するまで撹拌する。この溶液に、4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)を添加し、溶解するまで撹拌する。グリシンを、瓶に添加し、残留グリシンを水ですすぎ、洗浄処理物を、主要な瓶に添加する。混合物は、グリシンが、完全に溶解するまで、撹拌する。十分な水をバッチ容量に添加する。混合物を、0.22μmフィルタを通して濾過する。濾過された溶液のアリコートを、無菌バイアルに入れる。バイアルを、凍結乾燥栓で密閉し、20℃に維持した状態で凍結乾燥機チャンバの棚に置く。凍結乾燥機チャンバの棚を、適切なランプ速度を用いて、−45℃まで冷却し、200分間、その温度に保持する。棚を、適切なランプ速度を用いて、−20℃まで温め、480分間、その温度で維持する。棚を、適切なランプ速度を用いて、−45℃まで再度冷却し、その温度で維持する。200分後、凍結乾燥チャンバを真空にし、チャンバ圧を、窒素を用いて150マイクロメートルまで調節する。チャンバの棚を、適切なランプ速度を用いて、最高−25℃まで温め、3000分間、その温度で保持する。それぞれの熱電対製品が、−25℃以上を読み取った後、棚を、27℃まで温め、600分間、その温度で維持する。最終的な乾燥相の終わりに、窒素を用いて、チャンバ圧を再度保存し、バイアルを密閉し、除去する。予め凍結乾燥した溶液の組成物は、55mM クエン酸塩、および3% グリシンである(以下の表30に示す)。
【0397】
【表30】
実施例51:凍結乾燥粉末の再構成
凍結乾燥粉末(例えば、実施例46〜50において調製される)は、ケーキ構造、ケーキ安定性、残留溶媒、および残留水分に対して、それぞれ、XRPD、DSC、ガスクロマトグラフィ、およびカールフィッシャーを用いて、分析される。適切な量の注射用無菌水、または0.9% 注射用無菌塩化ナトリウム溶液を用いて、凍結乾燥粉末を再構成する。エステルの純度、および収率に対して、HPLC、およびNMRを用いて、再構成した溶液を分析する。
【0398】
実施例52:非経口または経口用の4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)形態2の製剤の調製
瓶を、水で充填し、クエン酸一水和物およびクエン酸ナトリウム二水和物を添加し、溶解するまで撹拌した。この溶液に、4−(R,S)−(カルボキシメチル)−2−((R)−1−(2−(2,5−ジクロロベンゾアミド)アセトアミド)−3−メチルブチル)−6−オキソ−1,3,2−ジオキサボリナン−4−カルボン酸(I−1)形態2を添加し、混合物は、溶液が得られるまで撹拌した。この溶液に、塩化ナトリウムを添加し、溶解するまで撹拌した。十分な水をバッチ容量に添加し、溶液は、0.2μm PES膜を通して濾過した。濾過された溶液のアリコートを、バイアルに入れた。バイアルを、栓で密閉し、−20℃で保存した。バッチおよびバイアル組成物は、以下の表31に記載される通りである。
【0399】
【表31】
実施例53:分析試験方法1
225nmでの紫外線(UV)検出を用いる、25℃にてC8カラムを用いた逆相HPLC
移動相:勾配システムは、85% 移動相A(水中0.01% トリフルオロ酢酸)および15% 移動相B(アセトニトリル中0.01% トリフルオロ酢酸)で開始し、40分後、75% 移動相Bで終了する。
【0400】
試験サンプルは、15:85(v/v)のアセトニトリル:20mM クエン酸塩緩衝剤である、希釈剤中でカプセル剤の中身を溶解することによって、調製される。これらの水性条件下で、式(I−1)の化合物は、クエン酸エステル部の分子を完全に加水分解し、1:1の分子比で、式(VIII−1)の化合物を得る。試験サンプル中の式(VIII−I)の化合物の存在は、参照基準の保持時間とサンプルの保持時間を比較することによって確認される。サンプル中に存在する式(VIII−1)の化合物の量は、分子量変換を含む、重量/重量比較に基づいて、参照基準のピーク下面積を用いて、ピーク下面積から計算される。使用される参照基準は、既知の純度の、既知の量の式(I−1)の化合物であり、これは、試験サンプルと同一加水分解条件下で調製される。方法の定量限界は、0.05%であり、検出の計算限界は、0.02%である。
【0401】
実施例54:分析試験方法2
230nmでのUV検出を用いる、25℃にて、8分間、シアノHPLCカラム上の移動相の40/60/0.1(v/v/v)THF/n−ヘキサン/TFAでの定組成溶離を用いた正常相HPLC
試験サンプルは、40/60(v/v)THF/n−ヘキサン中でカプセル剤の中身を溶解することによって調製される。これらの条件下で、式(I−1)の化合物は、式(VIII−1)の化合物に加水分解されない。試験サンプル中に存在する式(VIII−1)の化合物の量は、分子量変換を含む、重量/重量比較に基づいて、参照基準のピーク下面積を用いて、ピーク下面積から計算される。使用される参照基準は、既知の純度の、既知の量の式(VIII−1)の化合物であり、これは、試験サンプルと同一加水分解条件下で調製される。式(I−1)の化合物の検出の定量限界は、0.2%である。
【0402】
試験サンプル中に存在する式(I−1)の化合物の量を計算するために、分析試験方法1および分析試験方法2の双方を使用する。分析試験方法1を用いて、式(I−1)の化合物を含有する、試験サンプル中に存在する式(VIII−1)の化合物の重量基準に基づいて、量を計算する。また、分析試験方法2を使用し、誘発加水分解を行わずに得られた式(I−1)の化合物のサンプル中に存在する式(VIII−1)の化合物の量も計算する。
【0403】
分析試験方法1から得られた式(VIII−1)の化合物の量から分析試験方法2から得られた式(VIII−1)の化合物の量を減算することにより、試験サンプル中に存在する式(I−1)の化合物を誘発加水分解することにより生成される、式(VIII−1)の化合物の測定した量を得る。1:1の分子比に基づいて、分子量を計算することにより、試験サンプル中に存在する式(I−1)の化合物の量を得る。
【0404】
前述の本発明は、明確さおよび理解の目的のために詳細に説明されているが、これらの特定の実施形態は例証としてであり、制限的なものではないものとする。当業者は、形式および詳細の様々な変更は、本発明の正しい範囲から逸脱することなくなされ得、これは特定の実施形態よりむしろ添付の特許請求の範囲によって定義されるべきであることを理解されよう。
【0405】
本明細書に付託される特許および科学文献は、当業者に利用可能である知識を確立する。別途定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術的かつ科学的用語は、本発明が属する当業者により一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に引用される交付済みの特許、特許出願、および参考文献は、それぞれが具体的かつ単独に参考によって組み込まれることが示されるのと同じ程度で、本明細書に参照することにより組み込まれる。矛盾する場合、定義を含む、本開示が、制御される。