【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年10月7日〜10日東京ビッグサイト(東京国際展示場)東展示棟(東京都江東区有明三丁目10番1号)において開催された2014東京国際包装展(主催者:公益社団法人日本包装技術協会)に出品
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1突状部と第1糊代部が係合し第2突状部と第2糊代部が係合している状態で、第1正面部の上側の領域を外側から押して、第1突状部と第1糊代部の係合及び第2突状部と第2糊代部との係合が解除されることにより、蓋部は、回動して上面部の内側の面が底面部の上面の方向と鋭角になるように傾斜した状態となり、第1正面部への押し動作を中止することにより、上面フラップは、その先端が背面側斜め上方を向くように底面部に対して傾斜した状態となることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装箱。
第1正面部の上側領域には、第1正面部と上面フラップ間の折れ線が背面側に湾曲しやすくなるための第1罫線(46a、46b、46c)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の包装箱。
第1罫線が、第1正面部の上側領域に形成された罫線で、第1正面部と上面フラップ間の折れ線で第1突状部と第2突状部間の折れ線における左右方向の略中心位置を中心として形成された複数の罫線を有し、該複数の罫線が、該中心位置から下方に形成された中央罫線(46a)と、第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して鋭角をなし右側面側に形成された右側面側罫線(46b)と、第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して鋭角をなし左側面側に形成された左側面側罫線(46c)とを有することを特徴とする請求項4に記載の包装箱。
上面フラップにおける領域には、上面フラップが上面フラップの内側の面側に湾曲しやすくなるための第2罫線(46d、46e、46f)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5に記載の包装箱。
第2罫線が、第1正面部と上面フラップ間の折れ線で第1突状部と第2突状部間の折れ線における左右方向の略中心位置を中心として形成された複数の罫線を有し、該複数の罫線が、該中心位置から第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して略直角に形成された中央罫線(46d)と、第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して鋭角をなし右側面側に形成された右側面側罫線(46e)と、第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して鋭角をなし左側面側に形成された左側面側罫線(46f)とを有することを特徴とする請求項6に記載の包装箱。
第1正面部と上面フラップの展開状態において、第1正面部と上面フラップ間の折れ線で第1突状部と第2突状部間の折れ線における左右方向の略中心位置を中心として第1正面部の上側領域と上面フラップの領域に形成された放射状の罫線(46)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の包装箱。
第2正面部の上面部側とは反対側の領域には、第1突状部と第1糊代部が係合し第2突状部と第2糊代部が係合している状態で、第1正面部の上側領域に形成された上記罫線の一部を正面側に露出させるための切欠部(131)が形成されていることを特徴とする請求項4又は5又は8に記載の包装箱。
箱本体部において、第1右側面部が、その内側の面と底面部の上面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、第1左側面部が、その内側の面と底面部の上面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、背面部が、その内側の面と底面部の上面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、
蓋部において、第2右側面部が、その内側の面と上面部の内側の面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、第2左側面部が、その内側の面と上面部の内側の面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9に記載の包装箱。
第1正面部の右側面側の辺部と第1右側面部の正面側の辺部の間に第1折込み片部(52)が設けられ、第1折込み片部は2つ折りにした状態で第1右側面部の外側の面に接着され、
第1背面部の右側面側の辺部と第1右側面部の背面側の辺部の間に第2折込み片部(54)が設けられ、第2折込み片部は2つ折りにした状態で第1右側面部の外側の面に接着され、
第1正面部の左側面側の辺部と第1左側面部の正面側の辺部の間に第3折込み片部(62)が設けられ、第3折込み片部は2つ折りにした状態で第1左側面部の外側の面に接着され、
第1背面部の左側面側の辺部と第1左側面部の背面側の辺部の間に第4折込み片部(64)が設けられ、第4折込み片部は2つ折りにした状態で第1左側面部の外側の面に接着されていることを特徴とする請求項1又は2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10に記載の包装箱。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のトップオープンカートンにおいては、蓋正面板5の貼着板15の箇所を押し込んで係止舌片21の係止を解除した後に蓋正面板10を上げて蓋体3を箱本体2に対して回動させる動作をする必要があり、蓋体3を容易に開くことができないという問題があった。特に、蓋正面板5を押し込んで係止舌片21の係止を解除しても、蓋正面板5の押し動作を解除すると、箱上面フラップ12の係止部16への係止が解除されてもとに戻ってしまい、再び係止舌片21が貼着フラップ11aに係止してしまい、蓋正面板10を上げる動作をしても、蓋体を開けることができないおそれがある。
【0007】
また、特許文献1に記載のトップオープンカートンにおいては、箱正面板5が箱底面板4に対して直角で、蓋正面板10が蓋上面板9に対して直角であり、さらに、箱上面フラップ12が仕切り13の係止部16に係止しているので、係止舌片21は正面側に突出した状態になっており、すると、蓋体3を箱本体2に対して閉める際に、蓋正面板10の下端が係止舌片21に接触してしまい、蓋体3の閉動作を円滑に行なうことができないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上面が開口されている箱本体と、箱本体の背面部に連設され、箱本体に対して開閉する蓋体とを有し、箱正面板から連設された箱上面フラップから突出した係止舌片が蓋正面板に貼着された貼着フラップと係止する包装箱において、係止舌片が貼着フラップに係止した状態から蓋体が箱本体に対して回動して開いた状態にする動作を容易に行なうことができるとともに、蓋体の箱本体に対する閉動作を円滑に行なうことができる包装箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、箱本体部(10)と蓋部(110)とを有し、シート状のブランクにより形成された包装箱であって、箱本体部が、底面部(20)と、第1正面部(30)と第1右側面部(50)と第1左側面部(60)と背面部(70)とを備えた側面部(25)と、第1正面部の上辺から連設された上面フラップ(40)と、を有し、上面フラップは、
第1正面部の上辺から連設された上面フラップ本体部(42)と、上面フラップ本体部の第1正面部側の端部から突出する第1突状部(44a)と第2突状部(44b)とを有し、上面フラップが、第1正面部に対して背面側に折曲し、蓋部が、背面部の上辺から折れ線を介して連設された上面部(120)と、上面部の背面部とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された第2正面部(130)と、上面部の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された第2右側面部(150)と、上面部の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された第2左側面部(160)と、第2右側面部の第2正面部側の辺部から折れ線を介して連設され、第2正面部の内側の面に接着された第1糊代部(170)と、第2左側面部の第2正面部側の辺部から折れ線を介して連設され、第2正面部の内側の面に接着された第2糊代部(180)と、を有し、第1糊代部と第2正面部と上面部間の折れ線(C130)の間に第1の隙間(S1)が形成され、第2糊代部と第2正面部と上面部間の折れ線(C130)の間に第2の隙間(S2)が形成され、
第1正面部が、その内側の面と底面部の上面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、第2正面部が、その内側の面と上面部の内側の面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、蓋部を箱本体部に対して閉じることにより、
第1突状部が第1糊代部に押されて上面フラップ本体部に対して折曲するとともに、第2突状部が第2糊代部に押されて上面フラップ本体部に対して折曲し、その後、第1突状部が第1の隙間に入って第1糊代部と係合するとともに、第2突状部が第2の隙間に入って第2糊代部と係合し、第1突状部と第1糊代部が係合し第2突状部と第2糊代部が係合している状態で、第1正面部における上側領域で左右方向において第1突状部と第2突状部間の領域を外側から押すことにより、第1正面部と上面フラップ間の折れ線(C40)が背面側に湾曲し、第1突状部と第1糊代部の係合及び第2突状部と第2糊代部との係合が解除され、第1正面部と上面フラップ間の折れ線が背面側に湾曲することにより上面フラップが上面フラップの内側の面側(「背面側」としてもよい)に湾曲しながら(「上面フラップが上面フラップの内側の面側が膨出するように湾曲しながら」としてもよい)立ち上がって、上面部を下方から押し上げ蓋部を蓋部が開く方向に回動させることを特徴とする。
【0010】
第1の構成の包装箱によれば、第1正面部における上側領域で左右方向において第1突状部と第2突状部間の領域を外側から押して、第1突状部と第1糊代部及び第2突状部と第2糊代部の係合を解除させるのみで、上面フラップが上面部を押し上げ、蓋部を確実に開蓋状態に回動させることができるので、突状部が糊代部と係合した状態から蓋部が箱本体部に対して回動して開いた状態にする動作を容易に行なうことができる。
【0011】
また、上面フラップが立ち上がることにより上面部を持ち上げるので、素早く確実に蓋部が回動して開いた状態とすることができる。
特に、第1正面部が傾斜しているので、第1正面部の正面側の面を押すことにより斜め下方から押すことになり、上面フラップが立ち上がりやすい。
【0012】
また、第2正面部が、その内側の面と上面部の内側の面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成されているので、蓋部を閉状態とするべく回動させる際に、第2正面部の先端の高さ位置が第1突状部及び第2突状部の高さ位置に到達した時には、第1突状部及び第2突状部と正面部の先端の間には間隔が存在し、正面部の先端が第1突状部及び第2突状部に接触することがなく、蓋部の箱本体部に対する閉動作を円滑に行なうことができる。
【0013】
なお、上記第1の構成において、第1突状部と第2突状部は、上面フラップと第1正面部間の折れ線(C40)から第1正面部側に略コ字状の切込み(K1、K2)を形成することにより第1突状部と第2突状部が形成されているものとしてもよい。
【0014】
また、
第2には、上記
第1の構成において、
該シート状のブランクが、段ボール材であり、段ボール材における断面略波形形状の中芯の段の方向が、第1正面部と上面フラップにおいては、第1正面部と上面フラップ間の折れ線の方向に対して直角方向であることを特徴とする。
【0015】
また、第3には、上記第1又は第2の構成において、第1突状部と第1糊代部が係合し第2突状部と第2糊代部が係合している状態で、第1正面部の上側の領域を外側から押して、第1突状部と第1糊代部の係合及び第2突状部と第2糊代部との係合が解除されることにより、蓋部は、回動して上面部の内側の面が底面部の上面の方向と鋭角になるように傾斜した状態となり、第1正面部への押し動作を中止することにより、上面フラップは、その先端が背面側斜め上方を向くように底面部に対して傾斜した状態となることを特徴とする。
【0016】
よって、蓋部と上面フラップとは、係合が解除されることにより基本の状態に復帰するので、蓋部と上面フラップの復帰しようとする力により、より素早く蓋部を開いた状態とすることができる。
【0017】
また、第4には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、第1正面部の上側領域には(「第1正面部の上側領域で左右方向において第1突状部と第2突状部間の領域には」としてもよい)、第1正面部と上面フラップ間の折れ線が背面側に湾曲しやすくなるための第1罫線(46a、46b、46c)が形成されていることを特徴とする。よって、第1正面部を押すことによる上面フラップの立ち上がりを容易にすることができる。
【0018】
また、第5には、上記第4の構成において、第1罫線が、第1正面部の上側領域に形成された罫線で、第1正面部と上面フラップ間の折れ線で第1突状部と第2突状部間の折れ線における左右方向の略中心位置を中心として形成された複数の罫線を有し、該複数の罫線が、該中心位置から下方に形成された中央罫線(46a)と、第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して鋭角をなし右側面側に形成された右側面側罫線(46b)と、第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して鋭角をなし左側面側に形成された左側面側罫線(46c)とを有することを特徴とする。
【0019】
また、第6には、上記第1から第5までのいずれかの構成において、上面フラップにおける領域には(「上面フラップにおける領域で左右方向において第1突状部と第2突状部間の領域には」としてもよい)、上面フラップが上面フラップの内側の面側に湾曲しやすくなるための第2罫線(46d、46e、46f)が形成されていることを特徴とする。よって、第1正面部を押すことによる上面フラップの立ち上がりを容易にすることができる。
【0020】
また、第7には、上記第6の構成において、第2罫線が、第1正面部と上面フラップ間の折れ線で第1突状部と第2突状部間の折れ線における左右方向の略中心位置を中心として形成された複数の罫線を有し、該複数の罫線が、該中心位置から第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して略直角に形成された中央罫線(46d)と、第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して鋭角をなし右側面側に形成された右側面側罫線(46e)と、第1正面部と上面フラップ間の折れ線に対して鋭角をなし左側面側に形成された左側面側罫線(46f)とを有することを特徴とする。
【0021】
また、第8には、上記第1から第3までのいずれかの構成において、第1正面部と上面フラップの展開状態において、第1正面部と上面フラップ間の折れ線で第1突状部と第2突状部間の折れ線における左右方向の略中心位置を中心として第1正面部の上側領域と上面フラップの領域に形成された放射状の罫線(46)が設けられていることを特徴とする。
【0022】
よって、放射状の罫線が設けられているので、第1正面部と上面フラップ間の折れ線が湾曲しやすいとともに、上面フラップが湾曲しやすく、よって、第1正面部を押すことによる上面フラップの立ち上がりを容易にすることができる。
【0023】
また、第9には、上記第4又は第5又は第8の構成において、第2正面部の上面部側とは反対側の領域には、第1突状部と第1糊代部が係合し第2突状部と第2糊代部が係合している状態で、第1正面部の上側領域に形成された上記罫線(第1罫線、放射状の罫線)の一部を正面側に露出させるための切欠部(131)が形成されていることを特徴とする。これにより、第2正面部における罫線が形成されている領域を押し操作しやすくなっている。
【0024】
また、第10には、上記第1から第9までのいずれかの構成において、箱本体部において、第1右側面部が、その内側の面と底面部の上面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、第1左側面部が、その内側の面と底面部の上面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、背面部が、その内側の面と底面部の上面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、蓋部において、第2右側面部が、その内側の面と上面部の内側の面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成され、第2左側面部が、その内側の面と上面部の内側の面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成されていることを特徴とする。
【0025】
また、第11には、上記第1から第10までのいずれかの構成において、第1正面部の右側面側の辺部と第1右側面部の正面側の辺部の間に第1折込み片部(52)が設けられ、第1折込み片部は2つ折りにした状態で第1右側面部の外側の面に接着され、第1背面部の右側面側の辺部と第1右側面部の背面側の辺部の間に第2折込み片部(54)が設けられ、第2折込み片部は2つ折りにした状態で第1右側面部の外側の面に接着され、第1正面部の左側面側の辺部と第1左側面部の正面側の辺部の間に第3折込み片部(62)が設けられ、第3折込み片部は2つ折りにした状態で第1左側面部の外側の面に接着され、第1背面部の左側面側の辺部と第1左側面部の背面側の辺部の間に第4折込み片部(64)が設けられ、第4折込み片部は2つ折りにした状態で第1左側面部の外側の面に接着されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0027】
本発明に基づく包装箱によれば、第1の構成の包装箱によれば、第1正面部における上側領域で左右方向において第1突状部と第2突状部間の領域を外側から押して、第1突状部と第1糊代部及び第2突状部と第2糊代部の係合を解除させるのみで、上面フラップが上面部を押し上げ、蓋部を確実に開蓋状態に回動させることができるので、突状部が糊代部と係合した状態から蓋部が箱本体部に対して回動して開いた状態にする動作を容易に行なうことができる。
【0028】
また、上面フラップが立ち上がることにより上面部を持ち上げるので、素早く確実に蓋部が回動して開いた状態とすることができる。
【0029】
また、第2正面部が、その内側の面と上面部の内側の面との間の角度が鈍角になるように傾斜して形成されているので、蓋部を閉状態とするべく回動させる際に、第2正面部の先端の高さ位置が第1突状部及び第2突状部の高さ位置に到達した時には、第1突状部及び第2突状部と正面部の先端の間には間隔が存在し、正面部が第1突状部及び第2突状部に接触することがなく、蓋部の箱本体部に対する閉動作を円滑に行なうことができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明においては、上面が開口されている箱本体と、箱本体の背面部に連設され、箱本体に対して開閉する蓋体とを有し、箱正面板から連設された箱上面フラップから突出した係止舌片が蓋正面板に貼着された貼着フラップと係止する包装箱において、係止舌片が貼着フラップに係止した状態から蓋体が箱本体に対して回動して開いた状態にする動作を容易に行なうことができるとともに、蓋体の箱本体に対する閉動作を円滑に行なうことができる包装箱を提供するという目的を以下のようにして実現した。
【0032】
本発明に基づく包装箱A(箱体としてもよい)は、
図1〜
図10に示すように構成され、本体部10と、本体部10における背面部70から連設された蓋部110とを有している。包装箱Aは、
図8に示す1枚のシート状のブランク(具体的には、段ボール製(特に、両面段ボール製)(例えば、薄型段ボール製)のブランク)により形成されている。
【0033】
本体部10は、方形状(具体的には、長方形状)の底面部20と、底面部20の正面側の辺部から折れ線を介して連設された正面部30と、正面部30の底面部20とは反対側の辺部から折れ線を介して連設された上面フラップ40と、底面部20の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された右側面部50と、底面部20の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された左側面部60と、底面部20の背面側の辺部から折れ線を介して連設された背面部70と、正面部30と右側面部50間に設けられた折込み片部52と、背面部70と右側面部50間に設けられた折込み片部54と、正面部30と左側面部60間に設けられた折込み片部62と、背面部70と左側面部60間に設けられた折込み片部64とを有している。
【0034】
なお、正面部30と右側面部50と左側面部60と背面部70と折込み片部52、54、62、64で側面部25が構成される。
【0035】
正面部30は、台形形状を呈し、底面部20の正面側の辺部から離れるに従い横方向の幅が大きくなる等脚台形となっている。正面部30の右側面側の辺部は、底面部20の正面側で右側面側の角部H1に接し、正面部30の左側面側の辺部は、底面部20の正面側で左側面側の角部H2に接している。
【0036】
上面フラップ40は、左右方向に横長の帯状を呈し、横長長方形状の両側の角部にアールが設けられた形状を呈している。すなわち、上面フラップ40は、正面部30の上辺(つまり、折れ線C40c)の右側面側の端部近傍位置(端部位置でもよい)から形成された直線状の辺部40aと、辺部40aの端部から連設された略円弧状の辺部40bと、略円弧状の辺部40bの端部から連設された直線状の辺部40cと、辺部40cの端部から連設された略円弧状の辺部40dと、辺部40dの端部と正面部30の上辺(つまり、折れ線C40a)の左側面側の端部近傍位置(端部位置でもよい)間に形成された直線状の辺部40eとを有し、左右対称(つまり、左右線対称)の形状に形成されている。折れ線C40と辺部40cは互いに平行となっている。上面フラップ40は、辺部40a〜40eと、折れ線C40と、突状部44a、44b(後述)を構成する略コ字状の辺部とに囲まれた形状となっている。
【0037】
上面フラップ40は、正面部30との折れ線C40から形成された上面フラップ本体部42と、上面フラップ本体部42の基端から突出した突状部44a、44bとを有している。
【0038】
すなわち、上面フラップ40と正面部30の境界位置の左右両側には、略コ字状の切込みK1、K2が形成され、この切込みにより上面フラップ40には突状部44a、44bが設けられている。つまり、切込みK1により突状部44aが形成され、切込みK2により突状部44bが形成されている。
【0039】
つまり、正面部30と上面フラップ40間の折れ線C40は、左側面側の折れ線C40aと、中央の折れ線C40bと、右側面側の折れ線C40cとを有し、折れ線C40aと折れ線C40bと折れ線C40cとは、左右方向の直線状に形成され、同一直線上に形成されている。
【0040】
切込みK1は、折れ線C40bと折れ線C40c間に設けられ、切込みK1は、左右方向に形成された直線状の切込みK1aと、切込みK1aの右側面側の端部から切込みK1aに対して直角に形成され、折れ線C40cと接する切込みK1bと、切込みK1aの左側面側の端部から切込みK1aに対して直角に形成され、折れ線C40bと接する切込みK1cとを有し、切込みK1aと切込みK1bと切込みK1cとで略コ字状を呈している。なお、切込みK1b、K1cは、折れ線C40よりも正面部30側に向けて形成され、これにより、正面部30の上端には、切込みK1を形成することによる切欠きが形成されている。つまり、上面フラップ40と正面部30間の折れ線C40から正面部30側に略コ字状の切込みK1を形成することにより突状部44aが形成されている。
【0041】
切込みK2は、折れ線C40aと折れ線C40b間に設けられ、切込みK2は、左右方向に形成された直線状の切込みK2aと、切込みK2aの左側面側の端部から切込みK2aに対して直角に形成され、折れ線C40aと接する切込みK2bと、切込みK2aの右側面側の端部から切込みK2aに対して直角に形成され、折れ線C40bと接する切込みK2cとを有し、切込みK2aと切込みK2bと切込みK2cとで略コ字状を呈している。なお、切込みK2b、K2cは、折れ線C40よりも正面部30側に向けて形成され、これにより、正面部30の上端には、切込みK2を形成することによる切欠きが形成されている。つまり、上面フラップ40と正面部30間の折れ線C40から正面部30側に略コ字状の切込みK2を形成することにより突状部44bが形成されている。
【0042】
また、正面部30と上面フラップ40には、放射状罫線46が形成されている。すなわち、放射状罫線46は、折れ線C40bの左右方向の中心位置Gを中心に放射状に形成され、正面部30に形成された罫線(第1罫線)46a、46b、46cと、上面フラップ40に形成された罫線(第2罫線)46d、46e、46fとを有している。罫線46a〜46fはいずれも直線状に形成されている。
【0043】
ここで、罫線46aは、中心位置Gから下方(折れ線C40bに対して直角方向(左右方向に対して直角方向(略直角方向としてもよい)としてもよい))に形成され、罫線46bは、中心位置Gから罫線46aに対して右側面側に傾斜して(すなわち、右側面側に斜め下方に傾斜して)形成され、罫線46cは、中心位置Gから罫線46aに対して左側面側に傾斜して(すなわち、左側面側に斜め下方に傾斜して)形成されている。
【0044】
罫線46a〜46cは、正面部30の上側領域に形成されていて、左右方向における形成領域は、突状部44aと突状部44b間の領域となっている(なお、罫線46a〜46cは、左右方向に少なくとも突状部44aと突状部44b間の領域に形成されていればよく、左右方向に突状部44aと突状部44b間の領域外にまで形成されていてもよい)。罫線46a〜罫線46cは、中心位置Gから正面部30の下辺までの途中位置まで形成されていて、正面部30の下辺までは形成されていない。
【0045】
つまり、罫線(右側面側罫線)46bは、折れ線C40bに対して鋭角をなし、罫線(左側面側罫線)46cは、折れ線C40bに対して鋭角をなしている。罫線46a〜46cが、「第1正面部の上側領域に形成された第1罫線で、第1正面部と上面フラップ間の折れ線が背面側に湾曲しやすくなるための第1罫線」であるといえる。特に、罫線46a〜46cが設けられていることにより、各罫線を中心に湾曲しやすくできるので、正面部30の上側領域の中央部分を外側から押すことにより、折れ線C40bが背面側に膨出して(つまり、中心位置Gを中心に膨出する)湾曲しやすくできる。
【0046】
なお、上記の例では、右側面側に傾斜した罫線としては罫線46bのみが形成されているが、右側面側に傾斜した複数の罫線が設けてもよく、また、左側面側に傾斜した罫線としては罫線46cのみが形成されているが、左側面側に傾斜した複数の罫線が設けてもよい。
【0047】
また、罫線46dは、中心位置Gから折れ線C40b(左右方向としてもよい)に対して直角方向(略直角方向としてもよい)に形成され、罫線46eは、中心位置Gから罫線46dに対して右側面側に傾斜して形成され、罫線46fは、中心位置Gから罫線46dに対して左側面側に傾斜して形成されている。
【0048】
罫線46d〜46fは、上面フラップ40の領域に形成され、左右方向における形成領域は、左右方向における形成領域は、突状部44aと突状部44b間の領域となっている(なお、罫線46d〜46fは、左右方向に少なくとも突状部44aと突状部44b間の領域に形成されていればよく、左右方向に突状部44aと突状部44b間の領域外にまで形成されていてもよい)。罫線46d〜46fは、中心位置Gから上面フラップ40の先端側の辺部にまで形成されている。
【0049】
罫線46e、46fは、左右方向の折れ線C40bに対して鋭角に傾斜している。つまり、罫線(右側面側罫線)46eは、折れ線C40bに対して鋭角をなし、罫線(左側面側罫線)46fは、折れ線C40bに対して鋭角をなしている。罫線46d〜46fが、「上面フラップにおける領域に形成され、上面フラップが上面フラップの内側の面側に湾曲しやすくなるための第2罫線」であるといえる。特に、罫線46d〜46fが設けられていることにより、各罫線を中心に湾曲しやすくできるので、正面部30の上側領域の中央部分を外側から押すことにより、上面フラップ40が上面フラップ40の内側の面側(つまり、正面部30の内側の面から連続した面側)に膨出して(つまり、罫線46dを中心として膨出する)湾曲しやすくできる。
【0050】
なお、上記の例では、右側面側に傾斜した罫線としては罫線46eのみが形成されているが、右側面側に傾斜した複数の罫線が設けてもよく、また、左側面側に傾斜した罫線としては罫線46fのみが形成されているが、左側面側に傾斜した複数の罫線が設けてもよい。
【0051】
なお、正面部30と上面フラップ40の展開状態において、罫線46aと罫線46dは同一直線上にあり、罫線46bと罫線46eは同一直線上にあり、罫線46cと罫線46fは同一直線上にある。
【0052】
以上のように放射状罫線46が形成されていることにより、正面部30の中央上側の領域(つまり、罫線46aの箇所)を背面側に押すことにより、正面部30が背面側に湾曲しやすくなり、正面部30の湾曲に伴って上面フラップ40も背面側にしなりやすくなっている。
【0053】
また、右側面部50は、台形形状を呈し、底面部20の右側面側の辺部から離れるに従い横方向の幅が大きくなる等脚台形となっている。右側面部50の正面側の辺部は、底面部20の正面側で右側面側の角部H1に接し、右側面部50の背面側の辺部は、底面部20の背面側で右側面側の角部H3に接している。
【0054】
また、左側面部60は、台形形状を呈し、底面部20の左側面側の辺部から離れるに従い横方向の幅が大きくなる等脚台形となっている。左側面部60の正面側の辺部は、底面部20の正面側で左側面側の角部H2に接し、左側面部60の背面側の辺部は、底面部20の背面側で左側面側の角部H4に接している。なお、右側面部50と左側面部60とは、包装箱Aの展開状態において左右対称(つまり、左右線対称)に形成されている。また、左側面部60における前後両側の辺部の下辺に対する角度α4は、右側面部50における前後両側の辺部の下辺に対する角度α3と同一に形成され、左側面部60における下辺と上辺間の長さは、右側面部50における下辺と上辺間の長さと同一となっている。なお、α3、α4は鈍角に形成されている。
【0055】
また、背面部70は、台形形状を呈し、底面部20の背面側の辺部から離れるに従い横方向の幅が大きくなる等脚台形となっている。背面部70の右側面側の辺部は、底面部20の背面側で右側面側の角部に接し、背面部70の左側面側の辺部は、底面部20の背面側で左側面側の角部に接している。なお、背面部70は、包装箱Aの展開状態において、正面部30と略前後対称に形成され、背面部70における左右両側の辺部の下辺に対する角度α2は、正面部30における左右両側の辺部の下辺に対する角度α1と同一に形成され、背面部70における下辺と上辺間の長さは、正面部30における下辺と上辺(折れ線C40としてもよい)間の長さと同一となっている。なお、α1、α2は鈍角に形成されている。
【0056】
また、折込み片部52は、その展開状態においては、正面部30の右側面側の辺部と、右側面部50の正面側の辺部と、正面部30の右側面側の辺部の上端と右側面部50の正面側の辺部の上端とを結ぶ辺部52aにより囲まれた三角形状を呈し、正面部30の右側面側の辺部の長さと右側面部50の正面側の辺部の長さは同一で、該三角形は二等辺三角形を呈している。折込み片部52は、角部H1から辺部52aへの垂線C52を介して、内側片部52−1と外側片部52−2とに区画され、折込み片部52は該垂線C52を介して二つ折りされた状態で、内側片部52−1が右側面部50の外側の面に接着されている。
【0057】
また、折込み片部54は、その展開状態においては、背面部70の右側面側の辺部と、右側面部50の背面側の辺部と、背面部70の右側面側の辺部の上端と右側面部50の背面側の辺部の上端とを結ぶ辺部54aにより囲まれた三角形状を呈し、背面部70の右側面側の辺部の長さと右側面部50の背面側の辺部の長さは同一で、該三角形は二等辺三角形を呈している。折込み片部54は、角部H3から辺部54aへの垂線C54を介して、内側片部54−1と外側片部54−2とに区画され、折込み片部54は該垂線C54を介して二つ折りされた状態で、内側片部54−1が右側面部50の外側の面に接着されている。
【0058】
また、折込み片部62は、その展開状態においては、正面部30の左側面側の辺部と、左側面部60の正面側の辺部と、正面部30の左側面側の辺部の上端と左側面部60の正面側の辺部の上端とを結ぶ辺部62aにより囲まれた三角形状を呈し、正面部30の左側面側の辺部の長さと左側面部60の正面側の辺部の長さは同一で、該三角形は二等辺三角形を呈している。折込み片部62は、角部H2から辺部62aへの垂線C62を介して、内側片部62−1と外側片部62−2とに区画され、折込み片部62は該垂線C62を介して二つ折りされた状態で、内側片部62−1が左側面部60の外側の面に接着されている。
【0059】
また、折込み片部64は、その展開状態においては、背面部70の左側面側の辺部と、左側面部60の背面側の辺部と、背面部70の左側面側の辺部の上端と左側面部60の背面側の辺部の上端とを結ぶ辺部64aにより囲まれた三角形状を呈し、背面部70の左側面側の辺部の長さと左側面部60の背面側の辺部の長さは同一で、該三角形は二等辺三角形を呈している。折込み片部64は、角部H4から辺部64aへの垂線C64を介して、内側片部64−1と外側片部64−2とに区画され、折込み片部64は該垂線C64を介して二つ折りされた状態で、内側片部64−1が左側面部60の外側の面に接着されている。
【0060】
また、蓋部110は、背面部70の上辺から折れ線を介して連設された上面部120と、上面部120の正面側の辺部(背面部70とは反対側の辺部)から折れ線C130を介して連設された正面部130と、上面部120の右側面側の辺部から折れ線を介して連設された右側面部150と、上面部120の左側面側の辺部から折れ線を介して連設された左側面部160と、右側面部150の正面側の辺部から折れ線を介して連設され、正面部130の内側の面に接着された糊代部170と、左側面部160の正面側の辺部から折れ線を介して連設され、正面部130の内側の面に接着された糊代部180とを有している。
【0061】
ここで、上面部120は、方形状(具体的には、長方形状)を呈し、左右方向の長さ(長辺の長さ)は、背面部70の上辺の長さと略同一であり、前後方向の長さ(短辺の長さ)は、右側面部50の上辺の長さや左側面部60の上辺の長さと略同一となっている。
【0062】
また、正面部130は、等脚台形に対して両側の角部に切欠きを形成するとともに、左右方向の中央に略凹状の切欠きを形成した形状を呈し、上面部120の正面側の辺部に沿って形成された辺部130aと、辺部130aの右側面側の端部から辺部130aに対して鈍角に形成された直線状の辺部130bと、辺部130bの辺部130aとは反対側の端部から連設され、辺部130aに対して略平行な辺部130cと、辺部130cの辺部130bとは反対側の端部から連設され、辺部130cに対して鈍角をなす直線状の辺部130dと、辺部130dの辺部130cとは反対側の端部から連設され、辺部130aと略平行に形成された辺部130eと、辺部130eの辺部130dとは反対側の端部から連設され、辺部130aに向けて湾曲する円弧状の辺部130fと、辺部130fの辺部130eとは反対側の端部から連設され、辺部130a側とは反対側に湾曲する円弧状の辺部130gと、辺部130gの辺部130fとは反対側の端部から連設され、左側面側に湾曲する円弧状の辺部130hと、辺部130hの辺部130gとは反対側の端部から連設され、辺部130aと略平行に形成された直線状の辺部130iと、辺部130iの辺部130hとは反対側の端部から連設され、左側面側への斜め辺部130a側に形成された直線状の辺部130jと、辺部130jの辺部130iとは反対側の端部から連設され、辺部130aに対して略平行で、辺部130jに対して鈍角をなす辺部130kと、辺部130kの辺部130jとは反対側の端部と辺部130aの左側面側の端部間に形成され、辺部130aに対して鈍角をなす辺部130lとを有している。
【0063】
ここで、辺部130f〜辺部130hにより、正面部130の上面部120側とは反対側の領域には切欠部131が形成され、これにより、突状部44aと糊代部170が係合し突状部と糊代部180が係合している状態で、放射状の罫線46の一部である罫線46dが正面側に露出しており、突状部44aと糊代部170が係合し突状部と糊代部180が係合している状態で、罫線46dの箇所を押し操作しやすくなっている。
【0064】
なお、正面部130は、左右対称(つまり、左右線対称)に形成され、辺部130bは辺部130lと左右対称(つまり、左右線対称)に形成され、辺部130cは辺部130kと左右対称(つまり、左右線対称)に形成され、辺部130dは辺部130jと左右対称に形成され、辺部130eは辺部130iと左右対称(つまり、左右線対称)に形成され、辺部130fは辺部130hと左右対称(つまり、左右線対称)に形成されている。
【0065】
また、右側面部150は、上面部120の右側面側の辺部に沿って細長の略帯状形状を呈し、背面側よりも正面側が幅広に形成されている。すなわち、右側面部150は、上面部120の右側面側の辺部に沿った辺部150aと、辺部150aの正面側の端部から辺部150aに対して鈍角をなす直線状の辺部150bと、辺部150bの辺部150aとは反対側の端部から連設され、円弧状を呈する辺部150cと、辺部150cの辺部150bとは反対側の端部から連設され、辺部150aに対して傾斜した(背面側にいくほど辺部150aとの距離が短くなるように傾斜した)辺部150dと、辺部150dの辺部150cとは反対側の端部から連設された円弧状の辺部150eと、辺部150eの辺部150dとは反対側の端部と辺部150aの背面側の端部間に形成された直線状の辺部150fとを有している。
【0066】
また、左側面部160は、上面部120の左側面側の辺部に沿って細長の略帯状形状を呈し、背面側よりも正面側が幅広に形成されている。左側面部160は、包装箱Aの展開状態において、右側面部150と左右対称(つまり、左右線対称)に形成されている。
【0067】
また、糊代部170は、全体に鉤状を呈し、辺部150bに沿って形成された辺部170aと、辺部170aの下端から連設され、辺部170aに対して鈍角(包装箱Aの展開状態では、左右方向に対して直角方向)に形成された辺部170bと、辺部170bの辺部170aとは反対側の端部から連設され、湾曲して形成された(糊代部170が正面部130と接着した状態では、上面部120と正面部130間の折れ線C130(辺部130aとしてもよい)に向けて湾曲して形成され、包装箱Aの展開状態では、正面部130に向けて湾曲して形成されている)辺部170cと、辺部170cの辺部170bとは反対側の端部から形成され、辺部170bと略直角に形成された直線状の辺部170dと、辺部170dの辺部170cとは反対側の端部から連設され、辺部170dに対して鋭角に形成され、糊代部170が正面部130と接着した状態では、折れ線C130と平行(略平行としてもよい)で、折れ線C130と間隔h1(
図4参照)を介して形成された直線状の辺部170eと、辺部170eの辺部170dとは反対側の端部から連設され、辺部170eに対して鈍角をなす直線状の辺部170fと、辺部170fの辺部170eとは反対側の端部と辺部170aの端部間に形成され、辺部170fに対して鋭角をなす直線状の辺部170gとを有し、辺部170eと辺部130dとは切込みを介して隣接し、辺部170fと辺部130cとは切込みを介して隣接し、辺部170gと辺部130bとは切込みを介して隣接している。つまり、包装箱Aの展開状態において、糊代部170の正面部130側の辺部は切込みを介して正面部130と隣接している。ここで、糊代部170における先端の辺部170eが、蓋部110を閉状態とした際に、突状部44aと係合する。すなわち、辺部170eと折れ線C130間の隙間S1の間隔がh1となる。
【0068】
また、糊代部180は、全体に鉤状を呈し、糊代部170と左右対称(つまり、包装箱Aの展開状態で、左右線対称)に形成されている。すなわち、糊代部180における先端の直線状の辺部180eは、糊代部180が正面部130と接着した状態では、折れ線C130と平行(略平行としてもよい)で、折れ線C130と間隔h2(
図4参照)を介して形成され、この辺部180eが、蓋部110を閉状態とした際に、突状部44bと係合する。間隔h1と間隔h2は同一(略同一としてもよい)である。すなわち、辺部180eと折れ線C130間の隙間S2の間隔がh2となる。
【0069】
なお、糊代部170の場合と同様に、包装箱Aの展開状態において、糊代部180の正面部130側の辺部は切込みを介して正面部130と隣接している。
【0070】
なお、間隔h1、h2の長さは、突状部44a、44bの長さ(基端から先端までの長さ)よりも長く形成されている。
【0071】
包装箱Aは以上のように構成され、
図8に示すように、包装箱Aは、展開状態では全体に左右対称(つまり、左右線対称)に形成されている。
【0072】
包装箱Aを組み立てた状態では、内側片部52−1、54−1が右側面部50に接着され、内側片部62−1、64−1が左側面部60に接着されているので、右側面部50の正面側の辺部が正面部30の右側面側の辺部に沿って正面部30の右側面側の辺部に隣接し、右側面部50の背面側の辺部が背面部70の右側面側の辺部に沿って背面部70の右側面側の辺部に隣接し、左側面部60の正面側の辺部が正面部30の左側面側の辺部に沿って正面部30の左側面側の辺部に隣接し、左側面部60の背面側の辺部が背面部70の左側面側の辺部に沿って背面部70の左側面側の辺部に隣接している。
【0073】
また、糊代部170と糊代部180とは、正面部130の内側の面に接着され、右側面部150の正面側の辺部150bが正面部130の右側面側の辺部130bに沿って辺部130bに隣接し、左側面部160の正面側の辺部160bが正面部130の左側面側の辺部130lに沿って辺部130lに隣接している。
【0074】
また、本体部10における正面部30と右側面部50と左側面部60と背面部70とは台形形状に形成されているので、正面部30と右側面部50と左側面部60と背面部70は、上側にいくほど(つまり、底面部20から離れるほど)外側となるように傾斜しており、例えば、正面部30においては、上側にいくほど正面側となるように傾斜している。つまり、正面部30と右側面部50と左側面部60と背面部70の各部と底面部20とは鈍角をなしている。
【0075】
また、蓋部110においても、正面部130と右側面部150と左側面部160とは下側にいくほど(つまり、上面部120から離れるほど)外側となるように傾斜していて、正面部130と右側面部150と左側面部160の各部と上面部120とは鈍角をなしている。
【0076】
また、突状部44a、44bと糊代部170、180との係合が解除した状態、特に、突状部44a、44bと糊代部170、180とが係合した状態から正面部30の上側領域を押して係合を解除した状態では、
図1〜
図3に示すように、蓋部110は本体部10に対して上方に回動した状態となっていて、蓋部110の上面部120は、底面部20に対して鋭角に傾斜した状態となっている(つまり、上面部120の内側の面と底面部20の上面の方向とが鋭角となっている)(この状態を蓋部110についての自然状態とする)。つまり、蓋部110に対して外部から力が加わっていない状態が蓋部110の自然状態である。
【0077】
なお、突状部44a、44bが糊代部170、180に係合して蓋部110が閉じた状態(すなわち、上面部120が底面部20と略平行な状態)から蓋部110を90度以上回動させた場合には、
図11に示すように、上面部120の内側の面が底面部20と平行な面に対して鈍角をなした状態で蓋部110が静止する。
【0078】
また、上面フラップ40は、その自然状態(つまり、上面部120により上面フラップ40を押していない状態)では、その先端が斜め上方を向くように傾斜しており、上面フラップ40が正面部30に対して内側に折曲し、底面部20と平行な状態から鋭角に回動した状態となっている(この状態を上面フラップ40についての自然状態とする)。つまり、上面フラップ40に対して外部から力が加わっていない状態が上面フラップ40の自然状態である。特に、正面部30が上側にいくほど正面側となるように傾斜しているので、上面フラップ40は、自然状態で、その先端が斜め上方を向くように傾斜しやすくなっている。
【0079】
また、包装箱Aの展開状態は、
図8のように示されるが、包装箱Aを構成する両面段ボール材の中芯(つまり、断面略波形形状の中芯)の段の方向は、
図8の円内に示すように、左右方向に対する直角方向に形成されている。これにより、正面部30や上面フラップにおいては、中芯の段の方向は、折れ線C40に対して直角の方向となっている。つまり、上面フラップ40の先端側の辺部40cや正面部130の先端側の辺部(上面部120側とは反対側の辺部)には、中芯の略波形形状が視認できる。
【0080】
これにより、正面部30と上面フラップ40間の折れ線C40に対して、中芯の段が直交するので、段ボールの中芯の段の方向が左右方向である場合に比べて、以下のように正面部30への押し動作をすることにより、上面フラップ40が立ち上がりやすいといえる。
【0081】
なお、段ボール材は両面段ボール材としたが、片面段ボール材としてもよい(中芯に接着されたライナーは、包装箱の内側と外側のいずれでもよい)。片面段ボール材の場合でも、段ボール材の段の方向を左右方向に対する直角方向とすることにより、正面部30への押し動作をすることにより、上面フラップ40が立ち上がりやすくなる。
【0082】
なお、中芯の段の方向は、左右方向に対する直角方向であるとしたが、これには限られず他の方向としてもよい。また、包装箱Aを構成するシート状のブランクとしては、段ボール材以外のシート状のブランク(例えば、厚紙)でもよい。
【0083】
上記構成の包装箱Aの使用状態について説明する。まず、突状部44a、44bが糊代部170,180と係合していない状態から蓋部110を開けて本体部10内に被収納物を収納する。例えば、
図11に示すように、上面部120の内側の面が底面部20と平行な面に対して鈍角をなすように蓋部110が開けた状態として、本体部10内に被収納物を収納する。
【0084】
その後、蓋部110を本体部10の側に回動させて、上面部120が底面部20と略平行とすることにより突状部44a、44bが糊代部170、180に係合して蓋部110が閉状態となる。なお、以下の説明で使用する
図12〜
図13では、突状部44a、44bのうち突状部44bのみを図示しているが、突状部44aについても同様の作用であるので、「突状部44b(44a)」のように表示する。
【0085】
すなわち、蓋部110を閉状態となる方向に回動させていき、
図12(a)に示すように、蓋部110の正面部130の先端の高さ位置が突状部44b(44a)の高さ位置にある際には、もともと正面部130は上面部120に対して鈍角をなすので、
図12(a)に示す状態で、突状部44aと正面部130の先端の間には間隔nが存在し(突状部44bと正面部130の先端の間にも同様に間隔が存在する)、正面部130が突状部44a、44bに接触することがなく、蓋部110の本体部10に対する閉動作を円滑に行なうことができる。特に、上面フラップ40は、その自然状態において、その先端が斜め上方を向くように傾斜しているので、突状部44a、44bは、
図12(a)に示すように、斜め下方を向いた状態であり、仮に、正面部130の先端が突状部44a、44bに接触したとしても、上面フラップ40が外側に若干回動し、正面部130の先端は、突状部44a、44bの外側の面を滑りながら下降するので、突状部44a、44bが閉蓋動作の邪魔になることがない。
【0086】
図12(a)に示す状態から蓋部110が回動していくと、
図12(b)に示すように、上面フラップ40の先端が上面部120の内側の面に接し、さらに、蓋部110を回動させていくと、突状部44b(44a)が糊代部180(170)に接し、その後、蓋部110が下降することにより、糊代部180(170)に押されて突状部44b(44a)は上面フラップ40に対して鋭角に折曲した状態となり、
図13(c)に示すように、突状部44b(44a)の上側の面が糊代部180(170)の外側の面に接しながら、蓋部110が下降していく。
【0087】
なお、上記の説明では、上面フラップ40の先端が上面部120の内側の面に接触した後に突状部44b(44a)が糊代部180(170)に接触するとしたが、ほぼ同時である場合もあるし、順序が逆である場合もある。
【0088】
その後、突状部44b(44a)の先端が糊代部180の辺部180e(170e)の位置に達した時に、突状部44b(44a)が隙間S2(S1)に入り込み、
図13(d)に示すように、突状部44b(44a)の先端が辺部180e(170e)と当接して、突状部44b(44a)と糊代部180(170)が係合する。突状部44b(44a)の上側の面が糊代部180(170)の外側の面に接している状態では、正面部130が上面部120に対して鈍角をなし、突状部44b(44a)の上面部120に対する折曲角度が小さいので、突状部44b(44a)が隙間S2(S1)に到達した際に、突状部44b(44a)の折曲状態からもとに戻りやすく、よって、突状部44b(44a)が隙間に入りやすいといえる。
【0089】
以上のようにして、突状部44b(44a)が糊代部180(170)と係合して、蓋部110が閉状態でロックされる。蓋部110が閉状態でロックされた状態では、上面フラップ40は
図13(d)に示すように、ほぼ水平(底面部20に対して略平行)となっている。なお、この状態でも、上面フラップ40自体は、自然状態に戻ろうとして上面部120を上方に押しているが、突状部44b(44a)が糊代部180(170)に係合してロックされているので、上面フラップ40は自然状態には戻れない状態となっている。また、蓋部110についても自然状態に戻ろうとしている(つまり、上方に回動しようとしている)が、突状部44b(44a)が糊代部180(170)に係合してロックされているので、蓋部110は自然状態には戻れない状態となっている。
【0090】
次に、蓋部110が閉状態でロックされている状態から本体部10の正面部30の中央上側の領域(つまり、罫線46aの箇所)を背面側に押すことにより(
図14(a)参照)、正面部30が背面側に湾曲し、正面部30の湾曲に伴って正面部30と上面フラップ40間の折れ線C40がしなり、折れ線C40が湾曲する(「しなる」としてもよい)(折れ線C40の中央部分を中心に背面側に凹状に湾曲する)ことにより突状部44b(44a)と糊代部180(170)との係合が解除される。
【0091】
また、折れ線C40が背面側に凹状に湾曲することにより、上面フラップ40が背面側に湾曲しながら(「しなりながら」としてもよい)(つまり、上面フラップ40の左右方向の中央部分を中心に背面側に(すなわち、上面フラップ40の内側の面側に)膨出して凹状に湾曲する)立ち上がるので、これにより上面フラップ40が上面部120を押し上げる(跳ね上げるとしてもよい)。また、上面フラップ40自身も基本状態に復帰しようとするので、その復帰力によっても上方に回動して上面部120を持ち上げる。さらに、蓋部110は、上面フラップ40に押し上げられた後は、蓋部110自身が基本状態に復帰しようとして回動し、その後、基本状態に復帰する。特に、正面部30が傾斜しているので、正面部30の正面側の面を押すことにより斜め下方から押すことになるので、上面フラップ40が立ち上がりやすい。
【0092】
なお、正面部30への押し動作を中止することにより、上面フラップ40は、正面部30への押し動作による立ち上がりから解放されて、基本状態に復帰する(
図14(b)、
図15参照)。
【0093】
すなわち、上面フラップ40が上面部120を押し上げるので、蓋部110が上方への回動をスタートする際の速度(つまり、回動の初速)を上面フラップ40の押し上げがない場合に比べて速くすることができ、蓋部110が基本状態に戻るまでの時間を短くすることができる。以上のように、上面フラップ40が立ち上がることによる上面部120の持ち上げと、上面フラップ40が復帰しようとして回動することにより上面部120の持ち上げと、蓋部110自身の上方への回動により、素早く確実に蓋部110が回動して開いた状態とすることができる。
【0094】
特に、上面フラップ40による押し上げがない場合には、蓋部110自身が基本状態に戻ろうとする復帰力のみにより上方に回動するので、回動の初速が遅く、正面部30の押し操作の時間が短いと、解除された係合状態が再び行われてしまう(つまり、再び係合する)おそれがあるが、本実施例の場合には、回動の初速が速いので、正面部30の押し操作が短くても、確実に蓋部110を回動させて開蓋状態とすることができる。
【0095】
また、上面フラップ40は基本状態では斜めに傾斜しているので、蓋部110の基本状態への復帰力が弱く下降してきても、上面フラップ40が上面部120を下方から支持するので、不用意に突状部44a、44bと糊代部170、180が係合してしまうことがない。
【0096】
以上のように、正面部30の上側の領域を押して、突状部44b(44a)と糊代部180(170)との係合を解除させるのみで、上面フラップ40が上面部120を押し上げ、蓋部110を確実に開蓋状態に回動させることができるので、突状部44a、44bが糊代部180、170と係合した状態から蓋部110が本体部10に対して回動して開いた状態にする動作を容易に行なうことができる。
【0097】
また、正面部130は上面部120に対して鈍角をなすので、蓋部110を閉状態とするべく回動させる際に、蓋部110の正面部130の先端の高さ位置が突状部44b(44a)の高さ位置に到達した時には、突状部44a、44bと正面部130の先端の間には間隔が存在し、正面部130が突状部44a、44bに接触することがなく、蓋部110の本体部10に対する閉動作を円滑に行なうことができる。