【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに晒される解決策の第1の一般的な原理は、案内素子の外輪に沿う流束と組み合わせられる上流タービンの組を通過する流れの少なくとも一部が、下流に配置される組のタービンに向かって方向付けられ且つ下流タービン内に進入する流れの加速に寄与するような方法において、考察される流体の流れの軸に沿って方向付けられる、少なくとも2つのタービン組の配置に基づく。
【0009】
この趣旨で、この発明は、移動中の流体が回転においてタービンを駆動するときに電気エネルギを生成するために少なくとも1つの交流発電機に結合される実質的に平行な回転軸を備える少なくとも2つのタービンを含む、移動中の流体からエネルギを再生するための装置であって、
− 各タービンが、流体の流れの変位の方向に対して垂直な第1の方向において、第1の流れの案内素子と第2の流れの案内素子との間に取り付けられ、案内素子の各々は、概ね流線形の形状であり、
− 当該装置が、少なくとも1つの第1のタービンと、流束の変位の方向と平行な第2の方向において第1のタービンの下流に配置される少なくとも1つの第2のタービンとを含み、第2のタービンは、第1のタービンの第1及び/又は第2の流れの案内素子が第2のタービンの2つの案内素子の間で第1の方向において位置付けられるような方法において、第1の方向においてシフトさせられることを特徴とする、
装置を提案する。
【0010】
ここに晒される解決策の第2の一般的な原理は、以下の考察に基づく。
【0011】
多数の風力タービン及び海流タービンの現時点の構成(
図9及び10の実施例を参照)は、
− 各タービン50に関する流れが、水平な又は垂直の回転軸51を備える、1つ又は幾つかの環状の整形構造52(
図9)の使用によって最適化され、各々の整形構造は、垂直の回転軸510を備える翼の形状にあり(
図10)、各々の整形構造は、典型的には凸状の内側縁520を備え、
− 異なるタービンの間の相互作用は、可能な限り最小である、
ような方法において設計される。
【0012】
その上、具体的には2つの論文、即ち、AUMELAS Sept-2011及びMENCHACA-2011において実施された完全な研究は、垂直軸タービンのための垂直整形構造に関する。著しく目立つ特徴は、タービン側、即ち、整形構造の内側の凸面である。
【0013】
これらのアクセサリの目的は、
図11に示されるような流れに寄与することである。Weler又はHansenの仮説(”Aerodynamics of Wind Turbine”)によれば、整形構造(複数の整形構造)又は付属物又は複数の付属物を備えるタービンの有効性は、2から5まで比例して増大し、59%のベッツ限界を超えることを可能にする。
【0014】
その上、WO2011/049843は、移動中の流体からエネルギを再生するための装置を開示しており、当該装置は、少なくとも1つの第1のタービンと、少なくとも1つの第2のタービンとを含み、少なくとも1つの第1のタービン及び少なくとも1つの第2のタービンは、実質的に平行な回転軸を備え、移動中の流体が回転においてタービンを駆動するときに電気エネルギを生成するために少なくとも1つの交流発電機に結合され、前記又は各第2のタービンは、前記又は各第1のタービンに関して、
− 流体の流れの方向(F)に対して垂直な第1の方向(Z)においてシフトさせられ、且つ
− 流れの方向と平行な第2の方向(X)における下流に配置される、
ことを考察し得る。
【0015】
しかしながら、あいにく幾つかの上流/下流の順位(ランク)に亘って配置されるタービンを備える設備の全体出力はそれらの相対的な位置決めに依存し、特に以下に「案内素子」と呼ぶ前述の付属物又は整形構造の組成に依存する。
【0016】
よって、以下のことが提案される。
− 各タービンを第1及び第2の流れの案内素子の間で第1の方向(Z)において取り付け、各案内素子は概ね流線形の形状であり、
− 当該装置は、前記又は各第1のタービンの第1の案内素子が第2のタービンのうちの1つの第2のタービンの2つの案内素子の間で第1の方向(Z)において位置付けられ且つ前記又は各第1のタービンの第2の案内素子が他の第2のタービンの2つの流れの案内素子の間で第1の方向(Z)において位置付けられるような方法において、第1の方向(Z)において互いに関してシフトさせられる、少なくとも2つの第2のタービンを含み、且つ
− 前記又は各第1のタービンの第1及び/又は第2の流れの案内素子を各第2のタービンの2つの案内素子の間で第1の方向(Z)において位置付ける。
【0017】
より好ましくは、これは実際には(垂直軸タービンのために実質的に水平な弦を備える)タービンの軸と(実質的に)垂直な軸の案内素子を備える多段及び多順位装置であり、それは第1の順位のタービンで構成される「ブレーキ」を創り出すことを機能として有し、それは、特に
図1及び12において示される案内素子と関連付けられて、次の順位の性能における顕著な向上に寄与する。
【0018】
この枠組において、この発明の特徴は、前述の不利点の全部又は一部を克服することに向けられた解決策を提案すること、具体的には、出力において59%のベッツ限界を超えることによって、開放環境における移動中の流体の運動エネルギを収集する全体出力を向上させることを目的として有し、これは、1つよりも多くのタービンが危機に晒されているとき、即ち、第2のタービンによって受け入れられる流体の流れの少なくとも一部の第1のタービンを通じる通過の故に、少なくとも1つのタービンが他のタービンに影響を与える場合である。
【0019】
これと関連して、少なくとも第1の順位のために、より好ましくは、各第2のタービン(第2の順位の最低のもの)の外側案内素子、従って、凸状の外輪を備える外側案内素子のためにさえも、案内素子はタービンと反対の側に凸状プロファイルを好ましくは有することが勧められる。
【0020】
前述の「第1の方向」(Z)は垂直方向であるのがより好ましいが、水平の向きも可能である。
【0021】
背景技術において、流線形の形状は、その横断面が、タービンに関して外側に配置される外輪表面とタービンに関して内側に配置される内輪表面とを介して接続される、流れに関してプロファイルの上流に配置される前縁と、流れに関して下流に配置される後縁とを含む、三次元形状であることを意味する。
【0022】
案内素子は、例えば、流れの方向におけるプロファイル区画と、「翼」型の素子の場合における大きなサイズ又は「レンズ」型の素子の場合におけるある直径とを有するする、フィンである。両方の場合において、その区画の弦は、そのプロファイルの前縁の曲率中心と後縁の曲率中心とを接合する線として定められる。「翼」型のフィンのために、最大寸法は、張り幅(スパン)に対応し、縦横比は、張り幅と弦の長さとの間の比に対応する。「レンズ」型の素子を備える場合、案内素子は、回転のその区画及びその直径によって定められる。
【0023】
驚くべきことには、発明者は、試験中に、案内素子を備える第一のタービンに関する案内素子を備える第二のタービンのこの特定の配置が、第2のタービンのための回転速度の増大を得ることを可能にすることを発見した。これらの試験は、第2のタービンの回転速度が第1のタービンの回転速度よりも少なくとも1.5倍大きいこと、並びに第2のタービンの回転速度が第1のタービンの回転速度よりも最大で3倍大きくあり得ることを示した。
【0024】
前記のような凸状の外輪を有する流線形の流れの案内素子を用いるならば、垂直な「第1の方向」の場合において第1のタービン(又は一連のタービン)のこれらの外輪の上及び下を通る流体(特に液体)は、これらの凸状の外表面の上で加速させられ、それは第2のタービン(又は一連のタービン)から入って来る流体の流れを集中させ且つ加速させる。外輪上のこの加速流体は、第2のタービンに供給する前に第1のタービンから出る流体を引き、それは装置の荷重の全体損失を低減させることを効果として有する(
図12中の破線のような流れを参照)。
【0025】
「互いに関してシフトさせられるタービン」又は他の「下流に配置されるタービン」という表現は、これらのタービンが、それらの間に
− 流束と平行な方向Xに従って、後流の求される効果を得るために、(最も近い20%までの)約1Dと環境5Dとの間の距離X1(
図2,4)、及び/又は
− 流束に対して垂直な方向Y(以下の図面において水平)に従って、いずれの場合においても、以下の
図5におけるように連続的でさえあり得る関係を備える、同じ後流の効果のための、(最も近い20%までの)環境1Dと環境5Dとの間の距離を伴う、連続的な(航空機翼)であり得る並びにタービンのための支持構造として用い得るプロファイル、及び/又は
− (垂直方向の又はタービンの回転軸と平行な)方向Zに従って、それらの流れの案内素子を介して実質的に並び、次に、機能的である以外の分離を伴わずに、望ましくないが、約0.5Dまでの分離が可能であるとしてさえも、可能であればスロット効果から利益を得る可能な配置、
を有することを示すのを目標としていることに留意のこと(
図1に特に示されるように、Dはタービンの直径である)。
【0026】
タービンとそれらを取り囲む流れの案内素子との間の相対的な厚さに関して、
− 流束と平行な方向Xに従って、(最も近い20%までの)環境0.5Dと約1.5〜2Dとの間の案内素子(
図1)の直径X2、及び/又は
− 方向Yに従って、(最も近くまで)約2Dと約4Dとの間のこれらの素子の寸法Y2、
があることが好ましい。
【0027】
方向Zに従って、前記プロファイル(
図2及び4中の実施例を参照)の厚さZ2が(最も近い20%まで)0.5Dよりも大きくないことが更に勧められる。さもなければ、それ自体が制動体(ブレーキ)として作用するプロファイルを有する危険性があり、如何なる加速の効果をも獲得せず、むしろ渦効果による抵抗(ドラグ)の増大がある。
【0028】
よって、「第1のタービン」は、第1のタービンを通じる第2のタービンによって受け取られる流体の流れの少なくとも一部の通過の故に、その後流中に配置される「第2の(又は他の)タービン」に好ましい影響を及ぼす。
【0029】
順位間の、例えば、1及び2(
図2及び4)並びに2−3(
図4)間の距離X1は異なり得る(同じことがYにも当て嵌まり、Zにさえも当て嵌まる)。
【0030】
ある実施態様によれば、前記第2のタービンは、第1の方向に対して及び第2の方向に対して垂直な第3の方向に関して更にシフトさせられる。この場合、第1のタービンは、第2の方向において第2のタービンの上流に配置される部分を有するために、十分な縦横比を備える案内素子を有利に有する。
【0031】
ある実施態様によれば、前記装置は、第1のタービンの第1の案内素子が第2のタービンの間で第1の方向において位置付けられ且つ第1のタービンの第2の案内素子が他の第2のタービンの2つの流れの案内素子の間で第1の方向において位置付けられるような方法において、第1の方向において互いに関してシフトさせられる少なくとも2つの第2のタービンを含む。
【0032】
有利には、第2のタービンは並置される流れの案内素子を有し、2つの案内素子は、1つ又は2つの部分において、第2のタービンのための内側案内表面を構成する表面と他の第2のタービンのための内側案内表面を構成する表面とを備える、中間案内素子を形成する。
【0033】
第1の垂直方向の及び垂直軸タービンの場合、2つの第2のタービンの軸方向ロッドは同軸であるのが有利である。
【0034】
ある実施態様によれば、第2のタービンの中間案内素子を形成する案内素子は、第1のタービンから出る流れが2つの第2のタービンの間で実質的に等しい割当(シェア)において分配されるような方法において、第1のタービンの2つの案内素子の間の実質的に中間で第1の方向において配置される。
【0035】
ある実施態様によれば、一方では、第1のタービンの案内素子は、他方では、第2のタービン又は複数の第2のタービンは、第1の方向において部分的に重なり合うような方法において配置され、特に装置の全体的な妨害(encumbrance)を減少させるような方法において配置される。
【0036】
ある実施態様によれば、装置は、第3の方向において互いに関してシフトさせられる少なくとも2つの第2のタービンを含み、第1のタービンの第1及び第2の案内素子は、より好ましくは2つの第1のタービンの間で第3の方向においてそれらの最大寸法において延在し、第1のタービンの案内素子は同じ部分から形成されるのが有利である。
【0037】
ある実施態様によれば、第1のタービンは、前記第3の方向において互いに関してシフトさせられる2つのタービンの間で第3の方向において位置付けられる。
【0038】
ある実施態様によれば、装置は、第3の方向において互いに関してシフトさせられる少なくとも2つの第1のタービンを含み、第1のタービンの第1及び第2の案内素子は、より好ましくは2つの第1のタービンの間で第3の方向においてそれらの最大寸法において延在し、第1のタービンの案内素子は同じ部分から形成されるのが有利である。
【0039】
ある実施態様によれば、各第2のタービンは、前記第3の方向において互いに関してシフトさせられる2つの第1のタービンの間で第3の方向において位置付けられる。
【0040】
ある実施態様によれば、装置は、第3のタービンが流体の流れの変位の方向に関して第2のタービンの下流に配置されるような方法において、第2の方向において第1のタービンに関してシフトさせられる少なくとも1つの第3のタービンを含み、前記第3のタービンは、前記第1のタービンの第1の方向における位置付けと実質的に同じ第1の方向における位置付けを有するのがより好ましい。
【0041】
ある実施態様によれば、装置は、少なくとも1つの第1のタービンと、2つの第2のタービンの2つの重ね合わせられた列において配置される少なくとも4つの第2のタービンとを含み、ある列のタービンは第3の方向において互いからシフトさせられる。ある実施態様によれば、それは少なくとも1つの列の2つ又は幾つかの第1のタービンと、少なくとも2つの重ね合わせられた列の2つ又は幾つかの第2のタービンと、少なくとも1つの列の2つ又は幾つかの第3のタービンとを含む。
【0042】
ある実施態様によれば、第1のタービンの第1の案内素子及び/又は第2の案内素子は、外輪の近傍においてシフトさせられる流体の加速を更に最適化するような方法において、案内素子の弦に従った凸状の外輪を有する。
【0043】
案内素子は「翼」型であり、第2の方向において互いからシフトさせられる前縁及び後縁を備え、且つ第3の方向と実質的に平行にそれらの最大寸法において延在するのが有利である。
【0044】
ある実施態様によれば、各タービンのために、互いに面し合って位置付けられる案内素子は、2つの案内素子の前縁及び後縁がタービン内に入って来る流れを集中させるための収束部分とタービンから出る流れをより良く分配することに寄与する発散部分とをそれぞれ形成するような方法において、実質的に凸状の形状の内輪を有する。
【0045】
その上、内輪又は内表面は、特に水平軸タービンの場合には、第3の方向において凸面を有し得る。
【0046】
内表面は、外輪又は外表面ほど十分でない凸面を有し得る。内表面は実質的に平面的な内輪を形成し得る。傾斜又は凸状型の両端部のみが実質的に平面的な中心部分によって一体に接続される収束部分及び発散部分を形成する。
【0047】
よって、ある実施態様によれば、各タービンのために、2つの流れの案内素子の内表面は、実質的に平面的な中心部分を含み、2つの案内素子の中心部分は、互いに実質的に平行である。
【0048】
ある実施態様によれば、各タービンは、前述の案内素子に対して垂直に配置される、流線形の形状の2つの追加的な案内素子を更に含む。
【0049】
タービンは支持構造の上に取り付けられるのが有利である。本発明のある実施態様によれば、支持構造は、第2の方向が流れの方向と実質的に平行であるような方法において、自然に或いは強制的に、自動的に方向付けられ得る。
【0050】
ある実施態様によれば、前記装置は、海洋装置であり、気流及び/又は海流型のタービンを含む、1つ又は幾つかの地点で海底に固着される浮遊沿岸構造物、又は固定沿岸構造物である。
【0051】
ある具体的な実施態様によれば、タービンを備える支持構造は浮遊し、装置は少なくとも2組のタービンを含み、各々は上で定めた第1のタービンと2つの第2のタービンとを含み、第1の組のタービンは支持構造の水線より上に配置され、第2の組のタービンは支持構造の水線より下に配置される。第1の組のタービンは水によって駆動される。有利には、支持構造の浸漬部分及び非浸漬部分は、各組のタービンがその流れに関して互いに独立して方向付けられるような方法において、垂直方向の周りの少なくとも1つ相対的な回転を許容するために切り離されるのがより好ましい。
【0052】
他の実施態様によれば、前記装置は、陸地装置(land device)である。
【0053】
ある実施態様によれば、支持構造は垂直ライザを含み、タービンの流れの案内素子は垂直ライザに組み立てられる。
【0054】
ある実施態様によれば、各流れの案内素子は概ねテーパ形状であり、内表面の中心部分は円形であり、上流及び下流の端部分は円形の中心部分の周縁から径方向に延びる傾斜環状部分によって形成される。垂直な第1方向及び垂直軸タービンの場合には、各タービンのために、タービンの流れの案内素子の円形中心部分の中心を前記タービンの軸方向ロッドの垂直軸の上に配置し得る。よって、その2つの流れの案内素子を備えるタービンは、前記垂直軸に対応する公転軸を有し、それが入って来る流れの入射角に拘わらず最適に作動することを可能にする。
【0055】
ある特定の実施態様によれば、本発明の装置は、少なくとも2組のタービンを含む。各組のタービンは、上で定めたような第1のタービンと2つの第2のタービンとを含む。前記2組のタービンは、支持構造上で互いに関して角度的にシフトさせられる。有利には、第1のタービンは、第1の円に従って配置され、第2のタービンは、第1の方向においてシフトさせられた、例えば、垂直にシフトさせられた、同じ半径の2つの第2の円に従って配置される。2つの連続的な組のタービンを分離する角度は、公転の特徴を装置に与えるために一定であるのが有利である。
【0056】
以下の添付図面を参照して以下の詳細な説明的な記載を判読するときに、本発明はより良く理解され、他の目的、詳細、特徴、及び利点はより明確に見えてくるはずである。