特許第6110868号(P6110868)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6110868移動する流体からエネルギを再生するための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6110868
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】移動する流体からエネルギを再生するための装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 3/04 20060101AFI20170327BHJP
   F03D 3/02 20060101ALI20170327BHJP
   F03D 80/00 20160101ALI20170327BHJP
   F03B 13/10 20060101ALI20170327BHJP
   F03B 13/26 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   F03D3/04 B
   F03D3/02 B
   F03D80/00
   F03B13/10
   F03B13/26
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-540486(P2014-540486)
(86)(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公表番号】特表2014-532838(P2014-532838A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】EP2012072315
(87)【国際公開番号】WO2013068556
(87)【国際公開日】20130516
【審査請求日】2015年11月9日
(31)【優先権主張番号】1160238
(32)【優先日】2011年11月10日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】514116545
【氏名又は名称】ジェエペエス イノヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100133983
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 均
(72)【発明者】
【氏名】バルサック,マシュー
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−210237(JP,A)
【文献】 特表2013−522530(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/049843(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0220466(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0034649(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 3/04
F03B 13/10
F03B 13/26
F03D 3/02
F03D 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中の流体からエネルギを再生するための装置であって、
実質的に平行な回転軸を備え、且つ前記移動中の流体が回転において少なくとも1つの第1のタービン及び少なくとも1つの第2のタービンを駆動するときに電気エネルギを生成するために少なくとも1つの交流発電機に結合される、前記少なくとも1つの第1のタービン及び前記少なくとも1つの第2のタービンを含み、
各タービンは、前記流体の流れの方向に対して垂直な第1の方向において、第1の流れの案内素子と第2の流れの案内素子との間に取り付けられ、前記流れの案内素子の各々は、概ね流線形の形状であり、
前記第2のタービンは、前記流れの方向と平行な第2の方向において、前記第1のタービンの下流に配置され、前記第2のタービンは、前記第1のタービンの前記第1及び/又は第2の流れの案内素子が前記第2のタービンの前記2つの流れの案内素子の間で前記第1の方向において位置付けられるような方法において、前記第1の方向においてシフトさせられることを特徴とする、
装置。
【請求項2】
移動中の流体からエネルギを再生するための装置であり、
実質的に平行な回転軸を備え、且つ前記移動中の流体が回転において少なくとも第1のタービン及び少なくとも第2のタービンを駆動するときに電気エネルギを生成するために少なくとも1つの交流発電機に結合される、前記少なくとも1つの第1のタービン及び前記少なくとも1つの第2のタービンを含み、
前記第2のタービン又は各第2のタービンは、前記第1のタービン又は各第1のタービンに関して、
− 前記流体の流れの方向に対して垂直な第1の方向においてシフトさせられ、
− 前記流れの方向と平行な第2の方向における下流に配置される、
装置であって、
− 各タービンは、前記第1の方向において、第1及び第2の流れの案内素子の間に取り付けられ、各流れの案内素子は、概ね流線形の形状であり、
当該装置は、少なくとも2つの第2のタービンを含み、該少なくとも2つの第2のタービンは、前記第1のタービン又は各第1のタービンの前記第1の流れの案内素子が前記第2のタービンのうちの1つの前記2つの流れの案内素子の間で前記第1の方向において位置付けられ、且つ前記第1のタービン又は各第1のタービンの前記第2の流れの案内素子が他の第2のタービンの前記2つの流れの案内素子の間で前記第1の方向において位置付けられるような方法において、前記第1の方向において互いに関してシフトさせられ、
前記第1のタービン又は各第1のタービンの前記第1及び/又は第2の流れの案内素子は、各第2のタービンの前記2つの流れの案内素子の間で前記第1の方向において位置付けられる、
装置。
【請求項3】
各第2のタービンは、前記第1の方向に対して並びに前記第2の方向に対して垂直な第3の方向において、前記第1のタービンに関してシフトさせられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
第1のタービンが、前記第3の方向において互いに関してシフトさせられる2つの第2のタービンの間で前記第3の方向において位置付けられることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
当該装置は、前記第3の方向において互いに関してシフトさせられる、少なくとも2つの第1のタービンを含み、前記第1のタービンの前記第1及び第2の流れの案内素子は、前記2つの第1のタービンの間で前記第3の方向におけるそれらの最大寸法において延在する、請求項3又は4に記載の装置。
【請求項6】
各第2のタービンは、前記第3の方向において互いに関してシフトさせられる2つの第1のタービンの間で、前記第3の方向において位置付けられることを特徴とする、請求項3及び5のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
当該装置は、少なくとも1つの第3のタービンが前記流体の流れの変位の方向に関して前記第2のタービンの下流に配置されるような方法において、前記第2の方向において前記第1のタービンに関してシフトさせられる、前記少なくとも1つの第3のタービンを含み、前記第3のタービンは、前記第1のタービンの前記第1の方向における位置付けと実質的に同じ前記第1の方向における位置付けを有することを特徴とする、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
当該装置は、第2のタービンの2つの重ね合わせられた列において配置される少なくとも4つの第2のタービンと、少なくとも1つの第3のタービンとを含み、1つの列の前記タービンは、前記第3の方向において互いからシフトさせられることを特徴とする、請求項3、4、及び7のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
各タービンは、前記第1の方向に対して並びに前記第2の方向に対して垂直な第3の方向において互いからシフトさせられる、流線形の形状の2つの追加的な案内素子を更に含むことを特徴とする、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
当該装置は、海洋装置であり、気流タービン及び/又は海流タービンを含む、1つ又は幾つかの地点で海底に固着される浮遊沿岸構造、又は固定沿岸構造を含むことを特徴とする、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記タービンは、水によって駆動されるような方法において浸漬されることを特徴とする、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか1項に記載の装置であって、
− 前記第1のタービンの前記第1及び第2の流れの案内素子は凸状の外輪を有し、且つ/或いは
− 各第2のタービンの少なくとも外の流れ案内素子は凸状の外輪を有することを特徴とする、
装置。
【請求項13】
当該装置は、少なくとも2つの第2のタービンを含み、該少なくとも2つの第2のタービンは、前記第1のタービンの前記第1の流れの案内素子が第2のタービンの前記2つの案内素子の間で前記第1の方向において位置付けられ、且つ前記第1のタービンの前記第2の流れの案内素子が他の第2のタービンの前記流れの2つの案内素子の間で前記第1の方向において位置付けられるような方法において、前記第1の方向において互いに関してシフトさせられることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
当該装置は、前記第1の方向に対して並びに前記第2の方向に対して垂直な第3の方向において互いに関してシフトさせられる、少なくとも2つの第2のタービンを含み、前記第1のタービンの前記第1及び第2の流れの案内素子は、前記2つの第1のタービンの間で前記第3の方向におけるそれらの最大寸法において延在することを特徴とする、請求項1乃至13のうちのいずれか1項に記載の装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は開放環境内を移動する流体からエネルギを再生するための装置に関する。この発明は気流エネルギ及び海流エネルギの分野においてより具体的な用途を有する。
【背景技術】
【0002】
現在のところ、気流エネルギ及び海流エネルギの設計者は、気流タービン及び海流タービンの各々の個別の性能を改良することに焦点を合わせることによって、或いは生産される毎時間キロワットのコストにおける固定費の割合を減少させるために気流タービン及び海流タービンの数又は大きさを増大させることによる規模に関するアプローチを通じて、気流タービン及び海流タービンの設備の出力の向上させようと努めている。
【0003】
しかしながら、風力タービンエネルギの収集は、物理的現象によって制限される。より正確には、Albert Betzは、風力タービンによって再生し得る最大理論出力が風力タービンを通過する数の放射電力の16/27と等しいことを示した。この限界は、ベッツ限界と呼ばれるのが普通である。
【0004】
その上、気流場又は海流場の表面に対する視覚的な影響及び妨害も、これらのシステムの大きさを増大させることにおける障害を構成する。
【0005】
沿岸場において海に配置される風力タービンは、従来的には水平な回転軸の風力タービンであり、陸風タービンに関して、
− 浮遊構造物の場合には、風力タービンにとって破壊的な加速を生成し得る構造物の動態的変動の故に、ブレードの長さも制限されなければならず、
− 後流の影響を制限するために、風力タービンを風力タービン間で十分に離間させなければならない、
という他の不利点も有する。、
【0006】
海流タービンに関して、海流タービンは現在のところ水底に固定的に配置されており、
− 表面航行に対する妨害を制限するために、海流タービンの直径を減少させなければならず、
− 風力タービンと同様に、後流の影響を制限するために、海流タービンも海流タービン間で十分に離間させられなければならない、
という不利点も有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来技術の問題点を解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに晒される解決策の第1の一般的な原理は、案内素子の外輪に沿う流束と組み合わせられる上流タービンの組を通過する流れの少なくとも一部が、下流に配置される組のタービンに向かって方向付けられ且つ下流タービン内に進入する流れの加速に寄与するような方法において、考察される流体の流れの軸に沿って方向付けられる、少なくとも2つのタービン組の配置に基づく。
【0009】
この趣旨で、この発明は、移動中の流体が回転においてタービンを駆動するときに電気エネルギを生成するために少なくとも1つの交流発電機に結合される実質的に平行な回転軸を備える少なくとも2つのタービンを含む、移動中の流体からエネルギを再生するための装置であって、
− 各タービンが、流体の流れの変位の方向に対して垂直な第1の方向において、第1の流れの案内素子と第2の流れの案内素子との間に取り付けられ、案内素子の各々は、概ね流線形の形状であり、
− 当該装置が、少なくとも1つの第1のタービンと、流束の変位の方向と平行な第2の方向において第1のタービンの下流に配置される少なくとも1つの第2のタービンとを含み、第2のタービンは、第1のタービンの第1及び/又は第2の流れの案内素子が第2のタービンの2つの案内素子の間で第1の方向において位置付けられるような方法において、第1の方向においてシフトさせられることを特徴とする、
装置を提案する。
【0010】
ここに晒される解決策の第2の一般的な原理は、以下の考察に基づく。
【0011】
多数の風力タービン及び海流タービンの現時点の構成(図9及び10の実施例を参照)は、
− 各タービン50に関する流れが、水平な又は垂直の回転軸51を備える、1つ又は幾つかの環状の整形構造52(図9)の使用によって最適化され、各々の整形構造は、垂直の回転軸510を備える翼の形状にあり(図10)、各々の整形構造は、典型的には凸状の内側縁520を備え、
− 異なるタービンの間の相互作用は、可能な限り最小である、
ような方法において設計される。
【0012】
その上、具体的には2つの論文、即ち、AUMELAS Sept-2011及びMENCHACA-2011において実施された完全な研究は、垂直軸タービンのための垂直整形構造に関する。著しく目立つ特徴は、タービン側、即ち、整形構造の内側の凸面である。
【0013】
これらのアクセサリの目的は、図11に示されるような流れに寄与することである。Weler又はHansenの仮説(”Aerodynamics of Wind Turbine”)によれば、整形構造(複数の整形構造)又は付属物又は複数の付属物を備えるタービンの有効性は、2から5まで比例して増大し、59%のベッツ限界を超えることを可能にする。
【0014】
その上、WO2011/049843は、移動中の流体からエネルギを再生するための装置を開示しており、当該装置は、少なくとも1つの第1のタービンと、少なくとも1つの第2のタービンとを含み、少なくとも1つの第1のタービン及び少なくとも1つの第2のタービンは、実質的に平行な回転軸を備え、移動中の流体が回転においてタービンを駆動するときに電気エネルギを生成するために少なくとも1つの交流発電機に結合され、前記又は各第2のタービンは、前記又は各第1のタービンに関して、
− 流体の流れの方向(F)に対して垂直な第1の方向(Z)においてシフトさせられ、且つ
− 流れの方向と平行な第2の方向(X)における下流に配置される、
ことを考察し得る。
【0015】
しかしながら、あいにく幾つかの上流/下流の順位(ランク)に亘って配置されるタービンを備える設備の全体出力はそれらの相対的な位置決めに依存し、特に以下に「案内素子」と呼ぶ前述の付属物又は整形構造の組成に依存する。
【0016】
よって、以下のことが提案される。
− 各タービンを第1及び第2の流れの案内素子の間で第1の方向(Z)において取り付け、各案内素子は概ね流線形の形状であり、
− 当該装置は、前記又は各第1のタービンの第1の案内素子が第2のタービンのうちの1つの第2のタービンの2つの案内素子の間で第1の方向(Z)において位置付けられ且つ前記又は各第1のタービンの第2の案内素子が他の第2のタービンの2つの流れの案内素子の間で第1の方向(Z)において位置付けられるような方法において、第1の方向(Z)において互いに関してシフトさせられる、少なくとも2つの第2のタービンを含み、且つ
− 前記又は各第1のタービンの第1及び/又は第2の流れの案内素子を各第2のタービンの2つの案内素子の間で第1の方向(Z)において位置付ける。
【0017】
より好ましくは、これは実際には(垂直軸タービンのために実質的に水平な弦を備える)タービンの軸と(実質的に)垂直な軸の案内素子を備える多段及び多順位装置であり、それは第1の順位のタービンで構成される「ブレーキ」を創り出すことを機能として有し、それは、特に図1及び12において示される案内素子と関連付けられて、次の順位の性能における顕著な向上に寄与する。
【0018】
この枠組において、この発明の特徴は、前述の不利点の全部又は一部を克服することに向けられた解決策を提案すること、具体的には、出力において59%のベッツ限界を超えることによって、開放環境における移動中の流体の運動エネルギを収集する全体出力を向上させることを目的として有し、これは、1つよりも多くのタービンが危機に晒されているとき、即ち、第2のタービンによって受け入れられる流体の流れの少なくとも一部の第1のタービンを通じる通過の故に、少なくとも1つのタービンが他のタービンに影響を与える場合である。
【0019】
これと関連して、少なくとも第1の順位のために、より好ましくは、各第2のタービン(第2の順位の最低のもの)の外側案内素子、従って、凸状の外輪を備える外側案内素子のためにさえも、案内素子はタービンと反対の側に凸状プロファイルを好ましくは有することが勧められる。
【0020】
前述の「第1の方向」(Z)は垂直方向であるのがより好ましいが、水平の向きも可能である。
【0021】
背景技術において、流線形の形状は、その横断面が、タービンに関して外側に配置される外輪表面とタービンに関して内側に配置される内輪表面とを介して接続される、流れに関してプロファイルの上流に配置される前縁と、流れに関して下流に配置される後縁とを含む、三次元形状であることを意味する。
【0022】
案内素子は、例えば、流れの方向におけるプロファイル区画と、「翼」型の素子の場合における大きなサイズ又は「レンズ」型の素子の場合におけるある直径とを有するする、フィンである。両方の場合において、その区画の弦は、そのプロファイルの前縁の曲率中心と後縁の曲率中心とを接合する線として定められる。「翼」型のフィンのために、最大寸法は、張り幅(スパン)に対応し、縦横比は、張り幅と弦の長さとの間の比に対応する。「レンズ」型の素子を備える場合、案内素子は、回転のその区画及びその直径によって定められる。
【0023】
驚くべきことには、発明者は、試験中に、案内素子を備える第一のタービンに関する案内素子を備える第二のタービンのこの特定の配置が、第2のタービンのための回転速度の増大を得ることを可能にすることを発見した。これらの試験は、第2のタービンの回転速度が第1のタービンの回転速度よりも少なくとも1.5倍大きいこと、並びに第2のタービンの回転速度が第1のタービンの回転速度よりも最大で3倍大きくあり得ることを示した。
【0024】
前記のような凸状の外輪を有する流線形の流れの案内素子を用いるならば、垂直な「第1の方向」の場合において第1のタービン(又は一連のタービン)のこれらの外輪の上及び下を通る流体(特に液体)は、これらの凸状の外表面の上で加速させられ、それは第2のタービン(又は一連のタービン)から入って来る流体の流れを集中させ且つ加速させる。外輪上のこの加速流体は、第2のタービンに供給する前に第1のタービンから出る流体を引き、それは装置の荷重の全体損失を低減させることを効果として有する(図12中の破線のような流れを参照)。
【0025】
「互いに関してシフトさせられるタービン」又は他の「下流に配置されるタービン」という表現は、これらのタービンが、それらの間に
− 流束と平行な方向Xに従って、後流の求される効果を得るために、(最も近い20%までの)約1Dと環境5Dとの間の距離X1(図2,4)、及び/又は
− 流束に対して垂直な方向Y(以下の図面において水平)に従って、いずれの場合においても、以下の図5におけるように連続的でさえあり得る関係を備える、同じ後流の効果のための、(最も近い20%までの)環境1Dと環境5Dとの間の距離を伴う、連続的な(航空機翼)であり得る並びにタービンのための支持構造として用い得るプロファイル、及び/又は
− (垂直方向の又はタービンの回転軸と平行な)方向Zに従って、それらの流れの案内素子を介して実質的に並び、次に、機能的である以外の分離を伴わずに、望ましくないが、約0.5Dまでの分離が可能であるとしてさえも、可能であればスロット効果から利益を得る可能な配置、
を有することを示すのを目標としていることに留意のこと(図1に特に示されるように、Dはタービンの直径である)。
【0026】
タービンとそれらを取り囲む流れの案内素子との間の相対的な厚さに関して、
− 流束と平行な方向Xに従って、(最も近い20%までの)環境0.5Dと約1.5〜2Dとの間の案内素子(図1)の直径X2、及び/又は
− 方向Yに従って、(最も近くまで)約2Dと約4Dとの間のこれらの素子の寸法Y2、
があることが好ましい。
【0027】
方向Zに従って、前記プロファイル(図2及び4中の実施例を参照)の厚さZ2が(最も近い20%まで)0.5Dよりも大きくないことが更に勧められる。さもなければ、それ自体が制動体(ブレーキ)として作用するプロファイルを有する危険性があり、如何なる加速の効果をも獲得せず、むしろ渦効果による抵抗(ドラグ)の増大がある。
【0028】
よって、「第1のタービン」は、第1のタービンを通じる第2のタービンによって受け取られる流体の流れの少なくとも一部の通過の故に、その後流中に配置される「第2の(又は他の)タービン」に好ましい影響を及ぼす。
【0029】
順位間の、例えば、1及び2(図2及び4)並びに2−3(図4)間の距離X1は異なり得る(同じことがYにも当て嵌まり、Zにさえも当て嵌まる)。
【0030】
ある実施態様によれば、前記第2のタービンは、第1の方向に対して及び第2の方向に対して垂直な第3の方向に関して更にシフトさせられる。この場合、第1のタービンは、第2の方向において第2のタービンの上流に配置される部分を有するために、十分な縦横比を備える案内素子を有利に有する。
【0031】
ある実施態様によれば、前記装置は、第1のタービンの第1の案内素子が第2のタービンの間で第1の方向において位置付けられ且つ第1のタービンの第2の案内素子が他の第2のタービンの2つの流れの案内素子の間で第1の方向において位置付けられるような方法において、第1の方向において互いに関してシフトさせられる少なくとも2つの第2のタービンを含む。
【0032】
有利には、第2のタービンは並置される流れの案内素子を有し、2つの案内素子は、1つ又は2つの部分において、第2のタービンのための内側案内表面を構成する表面と他の第2のタービンのための内側案内表面を構成する表面とを備える、中間案内素子を形成する。
【0033】
第1の垂直方向の及び垂直軸タービンの場合、2つの第2のタービンの軸方向ロッドは同軸であるのが有利である。
【0034】
ある実施態様によれば、第2のタービンの中間案内素子を形成する案内素子は、第1のタービンから出る流れが2つの第2のタービンの間で実質的に等しい割当(シェア)において分配されるような方法において、第1のタービンの2つの案内素子の間の実質的に中間で第1の方向において配置される。
【0035】
ある実施態様によれば、一方では、第1のタービンの案内素子は、他方では、第2のタービン又は複数の第2のタービンは、第1の方向において部分的に重なり合うような方法において配置され、特に装置の全体的な妨害(encumbrance)を減少させるような方法において配置される。
【0036】
ある実施態様によれば、装置は、第3の方向において互いに関してシフトさせられる少なくとも2つの第2のタービンを含み、第1のタービンの第1及び第2の案内素子は、より好ましくは2つの第1のタービンの間で第3の方向においてそれらの最大寸法において延在し、第1のタービンの案内素子は同じ部分から形成されるのが有利である。
【0037】
ある実施態様によれば、第1のタービンは、前記第3の方向において互いに関してシフトさせられる2つのタービンの間で第3の方向において位置付けられる。
【0038】
ある実施態様によれば、装置は、第3の方向において互いに関してシフトさせられる少なくとも2つの第1のタービンを含み、第1のタービンの第1及び第2の案内素子は、より好ましくは2つの第1のタービンの間で第3の方向においてそれらの最大寸法において延在し、第1のタービンの案内素子は同じ部分から形成されるのが有利である。
【0039】
ある実施態様によれば、各第2のタービンは、前記第3の方向において互いに関してシフトさせられる2つの第1のタービンの間で第3の方向において位置付けられる。
【0040】
ある実施態様によれば、装置は、第3のタービンが流体の流れの変位の方向に関して第2のタービンの下流に配置されるような方法において、第2の方向において第1のタービンに関してシフトさせられる少なくとも1つの第3のタービンを含み、前記第3のタービンは、前記第1のタービンの第1の方向における位置付けと実質的に同じ第1の方向における位置付けを有するのがより好ましい。
【0041】
ある実施態様によれば、装置は、少なくとも1つの第1のタービンと、2つの第2のタービンの2つの重ね合わせられた列において配置される少なくとも4つの第2のタービンとを含み、ある列のタービンは第3の方向において互いからシフトさせられる。ある実施態様によれば、それは少なくとも1つの列の2つ又は幾つかの第1のタービンと、少なくとも2つの重ね合わせられた列の2つ又は幾つかの第2のタービンと、少なくとも1つの列の2つ又は幾つかの第3のタービンとを含む。
【0042】
ある実施態様によれば、第1のタービンの第1の案内素子及び/又は第2の案内素子は、外輪の近傍においてシフトさせられる流体の加速を更に最適化するような方法において、案内素子の弦に従った凸状の外輪を有する。
【0043】
案内素子は「翼」型であり、第2の方向において互いからシフトさせられる前縁及び後縁を備え、且つ第3の方向と実質的に平行にそれらの最大寸法において延在するのが有利である。
【0044】
ある実施態様によれば、各タービンのために、互いに面し合って位置付けられる案内素子は、2つの案内素子の前縁及び後縁がタービン内に入って来る流れを集中させるための収束部分とタービンから出る流れをより良く分配することに寄与する発散部分とをそれぞれ形成するような方法において、実質的に凸状の形状の内輪を有する。
【0045】
その上、内輪又は内表面は、特に水平軸タービンの場合には、第3の方向において凸面を有し得る。
【0046】
内表面は、外輪又は外表面ほど十分でない凸面を有し得る。内表面は実質的に平面的な内輪を形成し得る。傾斜又は凸状型の両端部のみが実質的に平面的な中心部分によって一体に接続される収束部分及び発散部分を形成する。
【0047】
よって、ある実施態様によれば、各タービンのために、2つの流れの案内素子の内表面は、実質的に平面的な中心部分を含み、2つの案内素子の中心部分は、互いに実質的に平行である。
【0048】
ある実施態様によれば、各タービンは、前述の案内素子に対して垂直に配置される、流線形の形状の2つの追加的な案内素子を更に含む。
【0049】
タービンは支持構造の上に取り付けられるのが有利である。本発明のある実施態様によれば、支持構造は、第2の方向が流れの方向と実質的に平行であるような方法において、自然に或いは強制的に、自動的に方向付けられ得る。
【0050】
ある実施態様によれば、前記装置は、海洋装置であり、気流及び/又は海流型のタービンを含む、1つ又は幾つかの地点で海底に固着される浮遊沿岸構造物、又は固定沿岸構造物である。
【0051】
ある具体的な実施態様によれば、タービンを備える支持構造は浮遊し、装置は少なくとも2組のタービンを含み、各々は上で定めた第1のタービンと2つの第2のタービンとを含み、第1の組のタービンは支持構造の水線より上に配置され、第2の組のタービンは支持構造の水線より下に配置される。第1の組のタービンは水によって駆動される。有利には、支持構造の浸漬部分及び非浸漬部分は、各組のタービンがその流れに関して互いに独立して方向付けられるような方法において、垂直方向の周りの少なくとも1つ相対的な回転を許容するために切り離されるのがより好ましい。
【0052】
他の実施態様によれば、前記装置は、陸地装置(land device)である。
【0053】
ある実施態様によれば、支持構造は垂直ライザを含み、タービンの流れの案内素子は垂直ライザに組み立てられる。
【0054】
ある実施態様によれば、各流れの案内素子は概ねテーパ形状であり、内表面の中心部分は円形であり、上流及び下流の端部分は円形の中心部分の周縁から径方向に延びる傾斜環状部分によって形成される。垂直な第1方向及び垂直軸タービンの場合には、各タービンのために、タービンの流れの案内素子の円形中心部分の中心を前記タービンの軸方向ロッドの垂直軸の上に配置し得る。よって、その2つの流れの案内素子を備えるタービンは、前記垂直軸に対応する公転軸を有し、それが入って来る流れの入射角に拘わらず最適に作動することを可能にする。
【0055】
ある特定の実施態様によれば、本発明の装置は、少なくとも2組のタービンを含む。各組のタービンは、上で定めたような第1のタービンと2つの第2のタービンとを含む。前記2組のタービンは、支持構造上で互いに関して角度的にシフトさせられる。有利には、第1のタービンは、第1の円に従って配置され、第2のタービンは、第1の方向においてシフトさせられた、例えば、垂直にシフトさせられた、同じ半径の2つの第2の円に従って配置される。2つの連続的な組のタービンを分離する角度は、公転の特徴を装置に与えるために一定であるのが有利である。
【0056】
以下の添付図面を参照して以下の詳細な説明的な記載を判読するときに、本発明はより良く理解され、他の目的、詳細、特徴、及び利点はより明確に見えてくるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本発明の第1の実施態様に従った装置を概略的に示す頂面図である。
図2図1の装置を概略的に示す側面図である。
図3図1及び2の装置の第1のタービンを概略的に示す側面図である。
図4】本発明の第2の実施態様に従った装置を概略的に示す側面図である。
図5図4の装置を概略的に示す斜視図である。
図6図4及び5の装置を概略的に示す頂面図である。
図7】第3の実施態様を概略的に示す頂面図である。
図8図7の装置を概略的に示す側面図である。
図9】従来技術の解決策を示す図である。
図10】従来技術の解決策を示す図である。
図11】従来技術の解決策を示す図である。
図12図1の解決策の代替的な実施態様を概略的に示す側面図である。
図13図1の解決策の代替的な実施態様を概略的に示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
本発明によれば、エネルギを再生するための装置は、支持構造上に取り付けられる少なくとも2つの流体の運動エネルギのセンサを含む。これらの流体の運動エネルギのセンサは、垂直軸タービン又は水平軸タービンである。これらのタービンは、例えば空気又は水であり得る開放環境の移動中の流体によって回転において駆動させられる。各タービンは、流線形の区画の弦が流れの方向と実質的に平行であり且つ互いから垂直に又は水平にシフト(移動)させられるような方法において配置される、流線形状の流れの2つの案内素子の間に取り付けられる。タービン及びそれらの流れの案内素子は、装置の全体性能を向上させるよう互いに対して配置される。
【0059】
図1乃至3によって示される本発明の第1の実施態様によれば、装置は参照番号4の下で図1に部分的に示される支持構造上に取り付けられる3つのタービン1,21,22を含む。移動中の流体が回転においてタービンを駆動させるときに電気エネルギを生成するために、これらのタービンは、少なくとも1つの交流発電機(図示せず)に結合され、交流発電機は、例えば、案内素子の内側に据え付けられる。この実施態様において、タービンは垂直軸を備える。
【0060】
図3を参照すると、第1のタービン1は、垂直な軸方向ロッド10と、アーム11によって軸方向ロッド10に接続されるブレード12とを含む。流線形の各ブレード12は揚力を創り出し、揚力は、タービンを通じて流れる流体が移動しているときに、軸方向ロッドの回転動作を生み出し、よって、適切な手段によって交流発電機を駆動する。各タービンは、より好ましくは、少なくとも2つのブレードを含む。
【0061】
第1のタービン1は、2つの流れの案内素子、即ち、第1の垂直方向Zにおいて垂直にシフトさせられた、流れの第1の上方案内素子13と、第2の下方案内素子14とを含み、それらの間には、軸方向ロッド10が取り付けられている。これらの案内素子は「レンズ」型であり、それらのそれぞれの弦が実質的に平行であり且つ第1の方向Zに対して垂直であるような方法において、タービンの両側に配置される。それらは、流れをタービンのブレードに向かって案内する内輪15と、外輪16とを有する。案内素子13,14の内輪15は互いに面し合っている。
【0062】
図示の実施態様において、案内素子は、概ねテーパ状の形状である。切頭円錐の大きな表面又は大きな平面ベースに対応する外輪16は、凸状の形状を有する。内輪15は、切頭円錐の小さい表面又は小さいベースに対応する平面状で円形の中心部分15aと、円形の中心部分から径方向に外向きに延び且つ切頭円錐の側面に対応する傾斜した環状部分15bとを含む。よって、互いに面し合う2つの案内素子の環状傾斜部分15bは、流れの方向Fに従って、収束部分と、発散部分とを形成する。流れの方向Fに対してタービンの上流に配置される互いに向き合う環状部分の区画は、入って来る流体をタービンに向かって案内し且つ加速させるために収束部分を形成し、タービンの下流に配置されて面する環状部分の区画は、タービンから出る流れをより良く分配するために発散部分を形成する。
【0063】
第2のタービン21,22は、第1のタービン1と同様に、垂直な軸方向ロッドと、アーム11によって接続される例えば3つの数のブレードとを含む。各第2のタービン21,22は、その軸方向ロッドによって、垂直にシフトさせられた上方案内素子231,232と下方案内素子241,242との間にも取り付けられ、それらの間には、軸方向ロッドが取り付けられている。3つの案内素子は流線形であり、流れをタービンのブレードに向かって案内するための内輪25と、外輪26とを有する。第2のタービン21,22は、互いに重なり合い、第2のタービンが流れの方向Fに対して第1のタービンの下流に位置付けられるような方法において、流れの方向Fと平行な第2の水平方向Xにおいて第1のタービンに対してシフトさせられ、第1のタービンの軸方向ロッド及び第2のタービンの軸方向ロッドは実質的に同じ垂直平面内に配置され、第2のタービンの軸方向ロッドは実質的に整列させられる。
【0064】
第2の上方タービン21は、他の第2の下方タービン22の上に取り付けられる。案内素子は、前と同じように概ねテーパ状の形状であり、収束部分と発散部分とを形成する環状部分を有する内輪26を備える。上方タービンの上方案内素子231の外輪26及び下方タービンの下方案内素子242の外輪26も凸状の形状を有する。第2の上方タービン21は、上方タービンの下方案内素子241が下方タービンの上方案内素子232と並んで配置されるような方法において、第2の下方タービン22の上に取り付けられる。案内素子241,232の外輪は実質的に平面的であり、並んで配置される。案内素子241,232は、有利には単一の部分で構成される中間案内素子27を構成する。
【0065】
第1のタービン1及び第2のタービン21,22は、第1のタービンの上方案内素子13が第2の上方タービンの案内素子231,241の間で方向Zにおいて垂直に配置されるような方法において、並びに下方案内素子14が第2の下方タービンの案内素子232,242の間で垂直に配置されるような方法において、支持構造の上に取り付けられる。
【0066】
流体が方向Fにおいて循環するとき、第1のタービン1は、2つの第2のタービン21,22の上流に存在する。第1のタービンを駆動し且つ第1のタービンから出る流体は、第2の上方タービン21中のある部分に向かって進み、且つ第2の下方タービン22中の他の部分に向かって進む。案内素子241,232は、第1のタービンの2つの案内素子13,14の間の中間で垂直に配置されるのが有利である。第1のタービンから出る流れが2つの第2のタービンと実質的に等しい割当(シェア)において供給される。第1のタービンの上下を通る流体は、案内素子13,14の外表面又は外輪16上で加速させられる。外表面16の凸面は、近傍において循環する流体の加速を増大させることを可能にする。外輪上のこの加速流体は、第2のタービン21,22内に入る前に、タービン1から出る流体を引く。
【0067】
一方では、第1のタービンの案内素子が、他方では、2つの第2のタービンの流れの案内素子が、水平方向Xにおいて部分的に重なり合うような方法において配置されるのが有利である。この配置は、水平平面における装置の妨害(encumbrance)を減少させることに関わる。
【0068】
その上、各タービンの案内素子の円形の中心部分の中央は、タービンの軸方向ロッドの垂直軸の上に配置されるのが有利である。そのように定められる2つの案内素子を備えるタービンは、軸方向ロッドの軸に対応する公転軸を備える回転対称性を有する。その場合、タービンは入って来る流れの入射角に拘わらず最適に作動する。
【0069】
図1に部分的に示されるように、各タービンの流れの案内素子は、例えば、タービンの軸方向ロッドの軸に対して対称的に配置される、2つの垂直ライザ4に固定される。装置は2つのライザ4を含み、2つのライザ4の上には、流れの案内素子13,14が固定される。それは2つの他のライザを含み、2つの他のライザの上には、案内素子231,241,232,242が固定される。これらの垂直ライザは、流れを可能な限り最小に妨げる流線形である。
【0070】
図1乃至3を参照して単一の組の3つのタービンを含む装置を記載した。他の実施態様によれば、装置は上述したような複数の組の第1のタービン及び第2のタービンとを含む。これらの組を方向Yにおいて互いに隣り合って及び/又は方向Xにおいて互いに前後して並置し得る。これらの組を方向Zにおいて互いに垂直に列において積み重ね得る。装置は、少なくとも3つのタービンの複数組、例えば、第1の2つのタービンが3つの第2のタービンの上流に配置された状態で、互いに重なり合った2つの第1のタービンと、同様に互いに重なり合った3つの第2のタービンとを含む、組も含み得る。
【0071】
図4乃至6は、本発明に従った第2の実施態様に従った装置を示している。その装置、例えば、海流タービン型の装置は、一列の3つの第1のタービン1011,1012,1013と、2つの第2のタービンの重なり合った列において配置される4つの第2のタービン2011,2012,2013,2014と、一列の3つの第3のタービン3031,3032,3033とを含む。この実施態様において、第1及び第2のタービンは、各第2のタービンが第1の垂直方向Zにおいて、第2の水平方向Xにおいて、並びに流れの方向Fに対して垂直な第3の水平方向Yにおいて、第1のタービンに対してシフトさせられるような方法において配置されている。
【0072】
第1のタービンの列において、第1のタービンは、方向Yにおいて互いからシフトさせられている。
【0073】
上方列の2つの第2の上方タービン2011,2012は、方向Yにおいて互いからシフトさせられ、下方列の2つの第2の下方タービン2013,2014は、方向Yにおいて互いからシフトさせられている。2つの下方及び上方の列は、方向Yにおける上方タービンと下方タービンとの間のシフトが実質的にない、上方タービンが下方タービンの上に配置された状態で、方向Zにおいて上下に重なり合って配置され、第2のタービンが流れの方向Fに対して第1のタービンの下流に配置されるような方法において、第1のタービンの列に対して方向Xにおいてシフトさせられている。第2のタービンの2つの列は、各第2のタービンが方向Yにおいて2つの第1のタービンの間に配置されるような方法において、第1のタービンに対して方向Yにおいて更にシフトさせられ、第2の上方タービンが第1のタービンに対して方向Zにおいて上向きにシフトさせられ且つ第2の下方タービンが第1のタービンに対して方向Zにおいて下向きにシフトさせられるような方法において、第1のタービンに対して方向Zにおいてシフトさせられている。
【0074】
第3のタービンの列において、第3のタービンは、方向Yにおいて互いからシフトさせられている。この列は、第3のタービンが方句Fに対して第2のタービンの下流に配置され且つ各第3のタービンが実質的に第1のタービンの延長において延びるような方法において、第1のタービンの列に対して方向Xにおいてシフトさせられているだけである。
【0075】
第1のタービンは、流れの上方案内素子と第1タービンの下方案内素子とをそれぞれ構成する、共通の上方プロファイル区画113と共通の下方プロファイル区画114との間に取り付けられる。上方及び下方のプロファイル区画は、第3の方向Yにおけるそれらの最大寸法に従って延び、後縁までの凸形状の前縁の外表面116又は外輪と、実質的に平面的な内表面115又は内輪とを備える、「翼」型の横断区画を有する。各プロファイルの前縁及び後縁は、第2の方向において互いからシフトさせられる。そのプロファイルは凸状の前縁を有し、その一部は流れを第1のタービンに向かって案内するために収束部分を形成する。そのプロファイルは凸状の後縁を有し、その一部は流れを第1のタービンの出力部で案内するために発散部分を形成する。
【0076】
同様に、第2の上方タービン2011,2012は、それらの上方案内素子とそれらの下方案内素子とをそれぞれ構成する、上方の共通プロファイル区画2231と共通の中間プロファイル区画227との間に取り付けられる。第2の下方タービン2013,2014は、それらの上方案内素子とそれらの下方案内素子とをそれぞれ構成する、中間プロファイル区画227と下方プロファイル区画2242との間に取り付けられる。
【0077】
上方プロファイル区画2231及び下方プロファイル区画2242は、第1のタービンのプロファイル113,114と実質的に同じ形状を有し、収束部分及び発散部分をそれぞれ形成する前縁及び後縁と実質的に平面的な凸状の外輪及び内輪を有する。中間プロファイル区画227は、前縁及び凸状の後縁と実質的に平面的な上方表面と下方表面とを有する。
【0078】
第3のタービン3031,3032,3033は、第1のタービンと同じ方法において、上方プロファイル区画323と下方プロファイル区画324との間に取り付けられる。
【0079】
タービンは、第1のタービンの上方プロファイル区画113及び第3のタービンの上方プロファイル区画323の弦が実質的に第2の上方タービンの上方プロファイル区画2231と中間プロファイル区画227との間で方向Zにおいて位置付けられ且つ第1のタービンの下方プロファイル区画114及び第3のタービンの下方プロファイル区画324が第2のタービンの中間プロファイル区画227と下方プロファイル2242との間で方向Zにおいて位置付けられるような方法において、それぞれのプロファイルの端部を介して支持構造104に取り付けられる。
【0080】
各タービンは、流れの追加的な案内素子を構成する、方向Yにおいて互いからシフトさせられた、流れの案内素子に対して実質的に垂直に配置される2つの垂直プロファイル区画を更に含み得る。これらの垂直プロファイル区画は、同じ列の2つの隣接するタービンに対して共通であり得る垂直プロファイルを備えて、流れの上方及び下方案内素子の間に有利に取り付けられる。
【0081】
第3の具体的な実施態様によれば、図7及び8に示される本発明の装置は、上で定められるような複数の組の第1のタービン401及び第2のタービン4021,4022を含み、それらのタービンの組は、支持構造上で互いに対して角度的にシフトさせられ、第1のタービンは、半径R1の第1の円405に従って配置され、第2の上方及び下方タービンは、垂直にシフトさせられた半径R2<R1の2つの他の円406,407に従って配置され、半径R1の円及びR2の円は同心状である。2つの連続的な組のタービンを分離する角度408は、公転の特徴を装置に与えるために有利に一定である。この実施態様において、装置の第1のタービンの流れの案内素子は、垂直にシフトさせられ且つ実質的に同じ内半径及び外半径を有する、2つの第1の同心状の流線形リング413,414で形成され、第1のタービン401は、これらの2つの第1のリングの間に取り付けられる。各第1のタービンのために、前記タービンより上にあるリング413の部分又は区画は上方案内素子を構成し、前記タービンより下にあるリング414の部分又は区画は下方案内素子を構成する。同様に、第1のリングよりも少ない半径を有する3つの第2のリング4231,427,4242が、第2のタービンの上方案内素子及び下方案内素子にそれぞれ設けられる。第2の上方タービン4021は、第2の上方リング4231と第2の中間リング427との間に取り付けられるのに対し、第2の下方タービン4022は、第2の中間リング427と第2の下方リング4242との間に取り付けられる。
【0082】
循環トンネル内の試験は(図4乃至6に示される)完全な構造を速度Vの均質な淡水の流れ内に現すことに存する。各タービンの回転速度を記録した。これらの試験は、第2のタービンの回転速度が第1のタービンの回転速度よりも少なくとも1.5倍大きく、第1のタービンの回転速度よりも最大3倍大きくあり得ること、並びに第3のタービンの回転速度が第1のタービンの回転速度よりも少なくとも1.4倍大きく、第1のタービンの回転速度よりも最大2.5倍大きくあり得ることを示した。
【0083】
本発明を異なる具体的な実施態様に関して記載したが、本発明がそれらに如何様にも限定されないこと、並びに、記載される手段の均等技術の全て及びそれらの組み合わせが本発明の範囲に入るならば、本発明がそれらを含むことは、明らかである。
【0084】
図12,13は、図1の場合のように、これ以外に他の場合において当て嵌まり、図示の配置は、順位2及び3のタービンのために有意に加速される流れを生成する。
【0085】
達成される目的は、所与の動きにおける流体の管のために最大出力を引き出すことである。
【0086】
これは、その出力が59%を超え得ず且つ実質的な環境影響(妨害する)を有する大型タービンを、移動中有の流体の基準管に対して59%を超える全体出力を達成するために上述した案内素子を備える、幾つかの、より好ましくは同一の、より小型のタービンの組織化され且つ計算された並置と置換するという事実をもたらし、これは流体が液体であるならば尚更そうである。
【0087】
よって、図12は、多段(少なくとも順位2のために、軸Z)の多順位(軸X)装置を示しており、ここのように、(501のようなタービンのために水平な)垂直軸タービンの軸に対して垂直な軸を備える。
【0088】
凸状の外輪案内素子(516,5261,5262)を備える第1の順位のタービンは、「ブレーキ」を生み出すことを効果として有し、それは、従って特に図1及び12中に垂直断面として示される案内素子と関連付けられて、後続の順位の性能の顕著な向上に寄与する。
【0089】
記載し且つ図示した配置を用いて、タービンと反対側の(従って外輪のような)この凸面は、順位1の前記(各)タービンのために、より好ましくは、少なくとも各第2のタービン(順位2のタービン、ここでは、5021,5022)の外側案内素子(表面5261,5262、図12)のために、(26,226等)を有し、これは図12又は13中に破線として示される流れを生成する(それは図1の場合にも特に存在し)、そして、それは順位2及び3のタービンのために有意に加速される。
【0090】
よって、移動中の流体の所与の管のために最大出力を引き出すことによって、移動中の流体の基準管に関して前述の59%のベッツ限界よりも高い出力の全体出力を達成することが可能である。
【0091】
図12の解決策において、(タービン側に依然として配置される)内輪は凹状であり、以下のタービンのために、図13におけるように、それは実質的に平坦である。即ち、
− 2つの他のタービン(図示の実施例における順位1及び3)の間に垂直に介装されるタービン、及び/又は
− 「多段」順位(図示の順位2)のために、それぞれ最大及び最小の、端タービン。後者のために、プロファイルを反転させるよう導かれ得る、即ち、図13に示されるような凸状内輪に導かれ得る。
【0092】
「中間」案内素子、ここでは、(積み重ねられたタービンを備える)順位2のために、図13に626で印される(図12も参照)、二重の上方/下方の凸面を備える対称的プロファイルを、これらのタービンの回転軸と平行に(ここでは、従って垂直に)積み重ねられるタービンの間に有用に設け得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13