特許第6110930号(P6110930)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6110930
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】ロータを製造するための研削機
(51)【国際特許分類】
   B24B 5/04 20060101AFI20170327BHJP
   B24B 55/02 20060101ALI20170327BHJP
   B24B 9/00 20060101ALI20170327BHJP
   F04C 18/16 20060101ALI20170327BHJP
   F04C 29/00 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   B24B5/04
   B24B55/02 A
   B24B9/00 601F
   F04C18/16 B
   F04C29/00 B
   F04C29/00 D
【請求項の数】5
【外国語出願】
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-250398(P2015-250398)
(22)【出願日】2015年12月22日
(62)【分割の表示】特願2013-549678(P2013-549678)の分割
【原出願日】2011年1月28日
(65)【公開番号】特開2016-74085(P2016-74085A)
(43)【公開日】2016年5月12日
【審査請求日】2015年12月24日
(31)【優先権主張番号】2011/0036
(32)【優先日】2011年1月24日
(33)【優先権主張国】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】ベルビネン ジョゼフ カルロ
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−030038(JP,A)
【文献】 特表2002−543991(JP,A)
【文献】 特開昭62−034772(JP,A)
【文献】 特開2002−066850(JP,A)
【文献】 M. LORENZ,「Schleifen von Schraubenrotoren」,VDI-Berichte (Verein Deutscher Ingenieure),ドイツ,1990年,p281-303
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 5/00 − 5/16
B24B 9/00
B24B 19/02 − 19/14
B23P 15/02 − 15/14
B23F 15/08
F04C 18/16
F04C 29/00
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機のロータ(1)を製造するための研削機(27)であり、前記研削機(27)が、
− 工作物(25)をクランプするためのクランプ手段と;
単一の万能研削スピンドル(33)と;
− 少なくとも一つの円筒研削砥石ディスク(18)と;
− 少なくとも一つの輪郭研削砥石ディスク(23)と;
− 前記ロータ(1)を製造するための研削工程を自動で実行するための制御部(36)と;
− 運転モード間の切り替えの際に前記工作物(25)のクランプを外す必要がないように、二つの前記運転モードの間、より具体的には円筒研削砥石ディスク(18)による研削のための第一運転モードと輪郭研削砥石ディスク(23)による研削のための第二運転モードとの間での切り替えを可能にする切替手段(38)と
を少なくとも備え
前記研削機(27)が、一つ以上のデバリングブラシ(40)も有し、前記切替手段(38)により、前記研削機(27)がデバリングブラシ(40)により工作物(25)をデバリングするための追加の運転モードに切り替えることができることを特徴とする、研削機(27)。
【請求項2】
前記研削機(27)が、交換可能な研削砥石ディスク(18、23)を有するマガジン(34)を含む自動ツール交換器(35)を含み、ロータ(1)の前記製造の間に、交換可能な研削砥石ディスク(18、23)が、前記マガジン(34)から前記研削機(27)の前記単一の万能研削スピンドル(33)に取り付けられ、またはその逆が行われうることを特徴とする、請求項1に記載の研削機(27)。
【請求項3】
前記ツール交換器(35)の前記マガジン(34)が、前記研削機(27)の前記単一の万能研削スピンドル(33)に取り付けられうる一つ以上のデバリングブラシ(40)も含むことを特徴とする、請求項2に記載の研削機(27)。
【請求項4】
前記制御部(36)が、前記ツール交換器(38)だけでなく前記万能研削スピンドル(単数)(33)も制御することを特徴とする、請求項2または3に記載の研削機(27)。
【請求項5】
前記制御部(36)により制御される一つ以上の位置決め可能および/または交換可能なフラッシュポート(29)またはフラッシュポート組も有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の研削機(27)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のロータ等の、ロータの製造方法に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のスクリュロータ製造に用いられうるような方法に関するが、圧縮機、送風機、真空ポンプもしくは膨張機または異なるタイプの機械の他のタイプのロータを除外するものではない。
【背景技術】
【0003】
公知のように、圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のロータは、ロータシャフト上のロータ本体からなる。
【0004】
ロータ本体は、かなり複雑な輪郭の、例えば螺旋形またはスクリュ形を有する。
【0005】
ロータ本体の外郭は、二つの端面の間で外部シリンダケーシング内に備えられうる。
【0006】
ロータシャフトは一般に、ロータシャフトを駆動するためのセクション、ベアリングを装着するためのセクション、シールを装着するためのセクションなど、シャフト直径の異なる様々な円筒セクションを有する。
【0007】
ロータシャフトの連続した円筒セクションの間の移行部には、ロータ軸に対して垂直であり、例えばベアリング等のための接触表面として重要でありうる、半径方向の表面があることも多い。
【0008】
このような複雑な形状を製造するためには、予備工程(例えばフライス加工、穴加工、旋削および/または類似の工程)の後に多くの研削工程が必要であることも公知である。
【0009】
これらの研削工程は、二つの大きなグループに分けられる。
【0010】
より具体的には、上述のロータシャフトの円筒セクションまたはロータ本体の円筒状外郭の製造には、いくつかの円筒研削工程が必要である。
【0011】
このような円筒研削工程においては一般に、斜めまたは垂直インサート複合研削技術が用いられる。
【0012】
このために、例えばコランダムまたはCBNの円筒研削砥石ディスクが、工作物に対して斜角または他の角度で置かれ、輪郭が数か所で工作物にコピーされるように、工作物に向かう方向に一回以上移動される。
【0013】
インサート研削に代わるものとして、ピール研削技術を利用した別の円筒研削工程も用いられうる。
【0014】
このピール研削技術では、任意の形(直径、円錐、端面、半径)が作製されうるように、円筒研削砥石ディスクが任意の方向に移動しうる。
【0015】
したがってこのピール研削技術は、同じ形状の円筒研削砥石ディスクを用いて事実上任意の外郭を作製しうるため、インサート研削技術と比較してはるかに柔軟性がある。
【0016】
円筒研削砥石ディスクの特徴は、これらの円筒研削砥石ディスクが長方形または段状の輪郭を有することである。
【0017】
さらに、ロータ本体の端面およびロータシャフトの半径方向の表面には、ショルダー研削工程と考えられうる研削工程も必要であるが、本明細書では簡単のためこれも円筒研削工程と呼ぶ。
【0018】
端面および他の半径方向の表面を実現するためのこのような円筒研削工程は、円筒研削砥石ディスクが研削する表面を横断する方向に沿って回転する、サイド研削により行うことができる。
【0019】
この技術は、垂直インサート研削と呼ばれる。
【0020】
ロータ本体の端面またはロータシャフトの他の半径方向の表面を研削するためのより効率的な方法は、研削砥石ディスクの側面が目的の表面を研削するように、研削する表面に向かって、研削砥石ディスクの回転軸の方向に研削砥石ディスクを移動させるステップからなる。
【0021】
この最後の研削技術は、クロス研削という名で知られる。
【0022】
ロータ本体の端面またはロータシャフトの他の半径方向の表面は、斜めインサート研削により最も効率的に研削されうる。
【0023】
この場合、研削砥石ディスクの回転軸は研削する表面に対して斜角である(この角度は一般に30°である)。
【0024】
研削砥石ディスク上に正方形の輪郭がドレッシングされ、研削砥石ディスクの回転軸に対して垂直に工作物に対して移動させられることにより、端面または他の半径方向の表面とロータシャフトの直径とが同時に研削される。
【0025】
ロータの両端の端面を工作するためには、
‐第一シャフト端を行った後にロータが逆転されねばならず、または、
‐挿入角度に関して互いの鏡像である二つの研削スピンドルが研削機になければならない。
【0026】
ロータ本体の端面および/または他の半径方向の表面を研削するための上述の研削工程においては、上述の円筒研削砥石ディスクと同一の研削砥石ディスクを用いることができ、そのため、このような研削工程、より具体的には垂直もしくは斜めインサート研削工程の形またはクロス研削工程の形でのショルダー研削工程も、本明細書において円筒研削工程と呼ばれる。
【0027】
ロータ本体の輪郭を形成するためには、完全に異なるタイプの研削工程、すなわち輪郭研削砥石ディスクによる輪郭研削工程が必要である。
【0028】
輪郭研削工程の間には、前もって成型またはフライス加工した未仕上げの工作物から、ロータ本体が所望の輪郭に研削される。
【0029】
この目的で輪郭研削砥石ディスクが用いられるが、輪郭研削砥石ディスクは、その名が示唆する通り、ロータ本体の所望の非直線的輪郭を実現するために適切な輪郭を有する。
【0030】
この輪郭は例えば、典型的にはスクリュ圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のロータの螺旋形を実現するための、カーブした輪郭である。
【0031】
ロータ本体の輪郭を研削するための輪郭研削工程は、螺旋ウォーム研削盤が用いられ、当技術分野ではホブ研削工程と呼ばれることも多い。
【0032】
本明細書においては、ロータ本体の螺旋輪郭の実現を目的とした全ての研削工程を、輪郭研削工程と呼び、使用される研削盤を、輪郭研削盤と呼ぶ。
【0033】
圧縮機、送風機、真空ポンプ、膨張機のロータの既知の製造方法によれば、円筒研削工程(ロータ本体の端面およびロータシャフトの他の半径方向の表面の研削工程を含む)と輪郭研削工程とが異なる研削機で行われ、通常は最初に円筒研削機で全ての円筒研削工程が行われてから、輪郭研削機で輪郭研削工程が行われる。
【0034】
これらの既知の方法には、得られる品質に関する欠点のみならず、経済的欠点が伴う。
【0035】
まず第一に、異なる技術を使用する二つの異なるタイプの研削機を購入および維持しなければならず、これは当然に高価である。
【0036】
さらに、このような研削機は大きな空間を占めるため、余計に費用がかかりうる。
【0037】
あるロータを製造するために二つのタイプの研削機を設置し調節するには、多くの労力がかかる。
【0038】
さらに、全ての工作物をまず円筒研削機内に(一回以上)クランプし、関連の円筒研削工程を行った後に、この円筒研削機から取り出して、さらにロータを形成するための輪郭研削工程を行うために、輪郭研削機内にクランプしなければならない。
【0039】
これらの全てのステップには多大な労力と時間がかかり、ロータを製造するためのリードタイムはかなりのものになる。
【0040】
これに伴うもう一つの欠点は、ロータの製造中に工作物が円筒研削機内にある時間と輪郭研削機内にある時間との間に相当な差があることである。
【0041】
これは、二つのタイプの機械の能力が最大限に利用されないことを意味し、これも経済的損失をもたらす。
【0042】
研削機を操作しなければならない人にとっては、二種類の研削機を用いて働くには徹底的な形の組織化も必要である。
【0043】
円筒研削機の操作盤と輪郭研削機の操作盤は、一般にこれらの工程が同じオペレータにより行われることができないほど異なっている。
【0044】
ロータの仕上げの品質に関しては、既知の方法には、研削される工作物が研削機内に何回もクランプされねばならず、これにより誤差が蓄積し得、損傷のリスクが高くなるという、第一の大きな欠点がある。
【0045】
実際に、製造されるロータの良性能のためには、ロータ輪郭が非常に高精度で製造されることが最も重要である。
【0046】
より具体的には、ロータの輪郭は、支持ベアリングを装着するために用いられるロータシャフトのセクションを通る中心線に対して、非常に良く揃っていなければならない。
【0047】
既知の方法では、ロータシャフトのこれらのベアリング用セクションとロータ本体の輪郭とが、異なる機械で製造されるため、ロータ本体の輪郭が製造される精度に貢献しないクランプ誤差が不可避的に生じる。
【0048】
工作物を異なるタイプの研削機内にクランプするためには、(円筒研削工程の前に)ロータの両端に中心穴が作られ、研削機上に提供される一方または両方のセンターポイントの間に工作物がクランプされる。
【0049】
工作物を研削機内にクランプするためには、従来の輪郭研削機では、研削機の中心突端が、工作物の一端の該当の中心穴内にのみ入れられる。
【0050】
他端では、工作物のシャフトの円筒研削された部分がクランプされる。
【0051】
したがって既知の方法では、ロータの正確な仕上げのためには、中心穴が非常に正確に作製されることが極めて重要である。
【0052】
しかし、極めて正確な中心穴の実施態様であっても、工作物を複数回クランプすることによるクランプ誤差は不可避である。
【0053】
加えて、どんな機械も、工作物を工作する際に同様に誤差をもたらし、その結果ロータの仕上げ不良および/または品質低下をもたらす、幾何偏差を有する。
【0054】
連続した工程に用いる機械の幾何偏差が異なるため、既知の方法では、工作物の処理の間にこれらの誤差が蓄積する。
【0055】
さらに、例えばロータの機能部品だけでなく上述の中心穴なども、工作物が何回もクランプされることにより損傷を受けるリスクが高い。
【0056】
圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のロータを製造するための既知の方法の、品質に有害な別の欠点は、工程の順序に関する。
【0057】
実際に、既知の方法では、ベアリングを支持するロータシャフトのセクションも円筒研削工程により製造されるため、最初に全ての円筒研削工程が行われる。
【0058】
輪郭研削の間には大きな力が発生するため、輪郭研削のためにロータをセンタリングし、クランプし、駆動するためにロータシャフトのこれらのセクションの一つを用いることも必要となる。
【0059】
スクリュ圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のロータを輪郭研削する際には、まず工作物に対して一つ以上の粗輪郭研削工程が行われて、ロータ本体に螺旋溝が研削される。
【0060】
ここでの研削動力のかなりの部分が、工作物に蓄積する熱に変換される。
【0061】
この工作物の蓄熱は、ロータ本体の端面または例えばロータ本体の外郭を取り囲む円筒状外縁等、既に円筒研削されている工作物のある部分に悪影響を与える。
【0062】
既知の方法でとられる工程の順序に伴う別の欠点は、粗輪郭研削工程の直後に精密輪郭研削工程が行われ、上述の工作物に蓄積した熱が、この精密輪郭研削工程の間に徐々にしか消失しないことである。
【0063】
このため、温度変化の結果、精密研削の間に工作物の大きさが変化し、したがってロータ本体の輪郭がロータ本体全体で均一に作られない。
【0064】
このことは、簡潔に言えば、スクリュ圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のロータの場合、例えばロータの溝が均一に作られないことを意味しうる。
【0065】
さらに、工作物を粗輪郭研削する際には、ロータ本体の端面および/またはロータ本体の円筒状外郭壁のエッジに、一般に単なる機械ブラシ研磨によっては除去されない大きなバリが生じる可能性がある。
【0066】
したがって、既知の方法では、これらの大きなバリを除去するときに、ロータの良好な性能にとって重要な部分である上述のロータ本体の端面または外郭等、ロータの円筒研削によって既に作製されている精密研削部分に損傷が生じるリスクが高い。
【0067】
既知の方法では、これらの大きなバリは一般に手作業で、細心の注意を払って除去されねばならず、これは非常に難しい処理であり、したがって少なくない時間がかかる。
【0068】
このような大きなバリを有するロータの取り扱いおよび手作業によるデバリングは、傷がつくリスクが高いことも意味する。
【0069】
両方の研削工程(円筒研削および輪郭研削)がCBN研削砥石ディスクにより行われる場合、例えば高生産性研削技術が用いられる場合には、これらの研削工程は一般に油を用いて行われ、これもさらなる安全性リスクをもたらす。
【0070】
実際、生産フロアに油がこぼれることによりスリップするリスクが大きく増加し、既知の方法では、円筒研削機から輪郭研削機へ工作物を一回以上移さなければならないため、既知の方法での油こぼれのリスクは非常に現実的である。
【0071】
圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のロータを製造するための現在既知の方法では、円筒研削および輪郭研削の間に工作物が一端で駆動され、工作物の直接駆動される端ではない他端で工作物を研削機内にクランプするときには、目的の工作物の端の中心穴内に係合する固定された中心突端が一般に用いられる。
【0072】
したがって、上述の工作物端の中心穴が、工程の間に摩擦による損傷を受けるリスクが高く、後の工程で製造されるロータの品質にも悪影響が生じうる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0073】
したがって、本発明の目的は、上述した欠点および他の任意の欠点に対する解決策を提供することである。
【0074】
このために、本発明は、圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のスクリュロータの製造方法に関し、この方法には、
− 研削工程を実行するために研削機内に工作物をクランプするステップであり、該工作物が、既に部分的に処理されているため、既にロータの形を有する、ステップと;
− 一つ以上の円筒研削工程を実行するステップであり、円筒研削砥石ディスクを用いたこのような円筒研削において、工作物の一つ以上のセクションが所望の直径に前研削されて、ロータシャフトセクションが形成される、ステップと;
− もう一つの輪郭研削工程を実行するステップであり、輪郭研削砥石ディスクを用いたこのような輪郭研削において、工作物のセクションが輪郭付けされて、スクリュロータのロータ本体が形成される、ステップと
を少なくとも含み、研削機におけるロータの製造の間には、工作物のクランプが外されず、円筒研削工程および輪郭研削工程の両方が同じ研削機で行われるようになっている。
【0075】
本発明によるロータ製造方法の大きな利点は、ロータの製造の間に工作物を一回だけクランプすればよく、ロータ全体が仕上がるまでクランプが外されないことである。
【0076】
これにより、既知の方法のように工作物を何度もクランプすることによるクランプ誤差が生じ得なくなるため、得られる品質が向上する。
【0077】
全ての研削工程が同じ研削機で行われるため、機械の幾何偏差の結果として誤差が蓄積することがない。
【0078】
そのうえ、本発明による方法では、工作物を何回もクランプする必要がなくなるため、既知の方法による損傷のリスクと比較して工作物に生じる損傷のリスクが減少する。
【0079】
ロータの製造の間中工作物が研削機内にクランプされたままであり、したがって全工程が、工作物が間に固定された研削機の中心突端のまわりに自動的にセンタリングされるため、工作物を研削機にクランプするための中心穴が工作物上に設けられる精度も、本発明による方法では既知の方法より重要でない。
【0080】
本発明による方法では、一連の工程全体が一つの研削機内で行われ、これには多くの利点がある。
【0081】
まず、既知の方法よりも行われる投資が少なく、研削機に必要な空間が少ない。
【0082】
使用される研削機の能力も、十分に活用される。
【0083】
段階的能力拡大が可能であるため、投資政策がより長期的に予測可能になる。
【0084】
さらに、製造する工作物のタイプに応じて、研削機を一台だけ準備すればよい。
【0085】
加えて、異なる機械の間で工作物を交換することによるさらなる時間のロスもない。
【0086】
本発明による方法が、円筒研削工程および輪郭研削工程をそれぞれが行える二台の研削機に同時に適用されると、一台の円筒研削機および一台の輪郭研削機が用いられる既知の方法による状況と比較して、生産過程での機械の故障または片方の機械の変換による生産量減少が起きにくくなる。
【0087】
実際に、既知のロータ製造方法により、円筒研削と輪郭研削とに別々の研削機が使用される場合には、二台のうちの一方の研削機が故障しまたは変換されるとすぐに生産フローが中断され、全体的生産能力が直ちに失われる。
【0088】
したがって本発明による方法では、既知の方法よりも研削機の活用度が高い。
【0089】
工作物が一つの研削機内にとどまる間の処理所要時間は、既知の方法よりもずっと長いため、オペレータが容易に複数の研削機を同時操作できる。
【0090】
したがって本発明による方法では、ロータの製造にかかる合計時間が大きく減少する。
【0091】
本発明による好適な方法によれば、ロータを製造する際には、研削機の万能研削スピンドルが使用され、研削工程の実行後に研削砥石ディスクが万能研削スピンドルから外され、後続の研削工程を実行するために別の研削砥石ディスクがこの万能研削スピンドルに取り付けられる。
【0092】
この研削砥石ディスクの交換は、自動的に行われるのが好ましい。
【0093】
本発明によるこの好適な方法の利点は、上述の万能研削スピンドルが最適に活用されることである。
【0094】
本発明によるこのような好適な方法により、場合によっては研削砥石ディスクを変換することを要せずに雌型ロータおよび補完的な雄型ロータの両方のロータを製造することが可能になり、これも大幅な時間節減を意味し、例えば一つの研削機内でスクリュ圧縮機用の雌雄のロータが対で製造されうる。
【0095】
その結果、ロータ組および圧縮機エレメントを生産するためのリードタイムが大きく減少するため、これは大きな利点を意味する。
【0096】
両方のロータが利用可能なときにのみ圧縮機エレメントが組み立てられうるため、これは非常に重要である。
【0097】
本発明による別の好適な方法によれば、二つの研削工程の間に、フラッシュポートまたはフラッシュポート組も交換されうる。
【0098】
このようなフラッシュポートは、研削の間の最適な冷却の達成、火花の除去、または砥石の掃除に用いられうる。
【0099】
状況に応じて、研削機の形状が変更される際には、特定の機能を有する一つのそのようなフラッシュポートだけまたはフラッシュポート組全体を交換または再配置することが選択されうる。
【0100】
このような好適な方法は、変換時間が大きく減少しうるため、生産が停止される時間が減少するという利点を提供する。
【0101】
さらに、研削機を停止させることを要せずに研削砥石ディスクおよびフラッシュポートが交換されうる。
【0102】
本発明による非常に好適な方法によれば、粗研削されたロータ本体を有する工作物を得るための第一粗輪郭研削工程の後、一つ以上のロータシャフトセクション、ロータ本体の外径および/またはロータ本体の一方もしくは両方の端面を研削するために一つ以上の仮円筒研削工程が行われ、その後、精密輪郭研削工程の間にロータ本体の輪郭が精密に研削される。
【0103】
本発明によるこのような方法は、ロータ本体の粗輪郭研削の間の工作物の蓄熱ならびにこのロータ本体の粗輪郭研削による大きなバリの形成の結果生じる既知の方法の上述の問題を解決する。
【0104】
実際、本発明によるこの好適な方法では、まずロータ本体の輪郭が輪郭研削により粗研削され、この粗輪郭研削の結果生じた大きなバリが、後続の精密円筒研削工程の間に除去されうる。
【0105】
これは、最終的に精密輪郭研削工程でロータ本体の輪郭を精密研削するために、ロータ本体の外径および端面を円筒研削によって精密研削することにより行われうる。
【0106】
第一の重要な利点は、ロータ本体の重要部分の円筒研削によりバリが除去されるため、輪郭を精密輪郭研削する際に生じる小さなバリを除去する際の損傷のリスクがより少なくなることである。
【0107】
ロータ本体の粗輪郭研削による大きなバリと対照的に、これらの微細なバリは、機械ブラシ研磨により容易に除去されうる。
【0108】
これらの微細なバリは、例えば上述の万能研削スピンドル上の研削砥石ディスクをデバリングブラシと交換することにより、同じ機械内で除去されうる。
【0109】
さらに、ロータ本体の輪郭が最終的に精密研削される際には工作物が冷めている。
【0110】
円筒研削と輪郭研削とに異なる研削機が使用される既知の方法では、機械の交換で非常に多くの時間が失われ、工作物が研削機内にクランプされるたびにクランプ誤差が蓄積するため、このような工程の順序は不可能であるか、少なくとも非常に不利である。
【0111】
本発明は、圧縮機のロータを製造するための研削機にも関し、このような研削機は、
− 工作物をクランプするためのクランプ手段と、
− 一つ以上の研削スピンドルと、
− 少なくとも一つの円筒研削砥石ディスクと、
− 少なくとも一つの輪郭研削砥石ディスクと、
− ロータを製造するための研削工程を自動的に実行するための制御部と、
− 二つの運転モードの間で切り替える際に工作物のクランプを外す必要がないように、少なくとも二つの運転モードの間、より具体的には円筒研削砥石ディスクによる研削のための第一運転モードと輪郭研削砥石ディスクによる研削のための第二運転モードとの間での切り替えを可能にする切替手段と
を少なくとも備えている。
【0112】
本発明による好ましい実施形態によれば、本発明によるこのような研削機は、一つ以上のデバリングブラシも有し、切替手段により、研削機がデバリングブラシによる工作物のデバリングのための追加の運転モードに切り替えることが可能である。
【0113】
このような研削機を用いて本発明による方法を問題なく適用でき、上述の同じ利点がもたらされることは明らかである。
【0114】
本発明の特徴をより良く示すために、本発明による好適な方法および研削機を、添付の図面を参照しながら一切の限定を伴わずに例として以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0115】
図1】スクリュ圧縮機のロータの側面図である。
図2】第一円筒研削工程、より具体的には円筒研削砥石ディスクによる斜めインサート複合研削の概略図である。
図3】円筒研削工程、より具体的には円筒研削砥石ディスクを用いたピール研削の上面概略図である。
図4】(スクリュ圧縮機の雄ロータの輪郭研削を目的とする)可能な輪郭研削砥石ディスクの横断面図である。
図5】(スクリュ圧縮機の雌ロータの輪郭研削を目的とする)可能な輪郭研削砥石ディスクの横断面図である。
図6図1によるロータを製造するための本発明による方法の最初のステップであり、円筒研削工程が行われるステップの概略図である。
図7図1によるロータを製造するための本発明による方法の二番目のステップであり、円筒研削工程が行われるステップの概略図である。
図8】スクリュ圧縮機の雄または雌ロータを製造するための本発明による方法の次のステップであり、粗輪郭研削工程が実行されるステップの正面概略図である。
図9】スクリュ圧縮機の雄または雌ロータを製造するための本発明による方法の次のステップであり、粗輪郭研削工程が実行されるステップの正面概略図である。
図10】いくつかの円筒研削工程が行われる、本発明による方法の次のステップを示した図である。
図11図8と同様に、スクリュ圧縮機用の雄ロータの精密輪郭研削を示した図である。
図12図9と同様に、スクリュ圧縮機用の雌ロータの精密輪郭研削を示した図である。
図13】本方法の最後の円筒研削工程を示した図である。
図14】本発明の研削機の可能な実施形態を示した図である。
図15】本発明の研削機の可能な実施形態を示した図である。
図16】研削機のフラッシュポート組の側面概略図である。
【0116】
図1に示されるロータ1は、スクリュ圧縮機用の雄型ロータ1であり、ロータ本体3を備えたロータシャフト2からなる。
【0117】
ロータ本体3は、外径Dを有する円筒本体に含まれうる。
【0118】
ロータ本体3の軸端は、二つの端面4および5により形成され、スクリュ圧縮機におけるロータ1の組立ての際には、端面4は、スクリュ圧縮機の圧縮室の出口側の方に向けられることが特に企図され、端面5は、入口側の方に向けられることが企図される。
【0119】
ロータ本体3は、圧縮機、真空ポンプまたは膨張機の空気または他の媒体の圧縮または膨張用であるため、螺旋歯6も有し、溝8により歯7が互いに離されている。
【0120】
ロータシャフト2は、入口シャフト側および出口シャフト側の両方の、直径の異なる様々なセクションからなる。
【0121】
図示の例では、ロータシャフト2の一端に、ロータシャフト2を駆動するのに適したセクション9がある。
【0122】
さらに、スクリュ圧縮機のハウジングに対して回転する間にベアリングによってロータシャフト2を支持するためのセクションである、セクション10および11がそれぞれロータ本体3の両側にある。
【0123】
図示の例では、ロータシャフト2のベアリングのためのセクション10に隣接して、ロータ1の軸AA’に対して垂直に、ある段が軸接触表面12を形成しており、装着されるベアリングのための軸接触表面12として働きうる。
【0124】
さらに、ベアリングのためのセクション10および11とロータ本体3との間にはそれぞれ、スクリュ圧縮機のハウジング内にロータ1を密封するためのセクションである、セクション13および14もある。
【0125】
研削機内でロータシャフト2をクランプおよびセンタリングするために、ロータシャフト2の両端15および16の中央に中心穴17がある。
【0126】
この複雑な形状には、多数の異なる工程が必要であることは明らかである。
【0127】
より具体的には、いくつかの円筒研削工程を実行することにより、ロータシャフト2の異なるセクション10〜14およびロータ本体3の外径Dが得られる。
【0128】
図2は、このような円筒研削工程、より具体的には円筒研削砥石ディスク18による斜めインサート複合研削を例として示す。
【0129】
このような円筒研削砥石ディスク18は一般に、コランダムまたはCBN(Cubic Boron Nitride、立方晶窒化ほう素)のような研削材を有し、典型的な切削輪郭19を有する。
【0130】
図2の場合には、切削輪郭19は、円筒研削砥石ディスク18が斜めに挿入されると、シャフトの一部がある直径に研削され、このシャフトに同時に半径方向表面も研削されうるような輪郭である。
【0131】
この場合、工作物は、その軸BB’のまわりを回転運動するシャフト20であり、本例では斜め軸CC’のまわりを回転する円筒研削砥石ディスク18を、インサート研削の間にシャフト20に向かって斜め方向DD’に沿って移動させることにより、円研削砥石ディスク筒18の段状の切削輪郭19が何回かコピーされる。
【0132】
このようにして、シャフト20に段状の輪郭が与えられうる。
【0133】
図3に、別の形の円筒研削、より具体的にはシャフト21の一部が円筒研削砥石ディスク18によりある直径に研削される、ピール研削工程が示される。
【0134】
インサート研削の場合とは対照的に、ピール研削の際には、円筒研削砥石ディスク18は、シャフト21の方向に小さな送り移動をするだけであり、回転する円筒研削砥石ディスク18をシャフト方向FF’に対して平行の長手方向EE’に移動させることにより、さらなるピール研削が行われる。
【0135】
ロータ本体3の端面4および5ならびに場合によってはロータシャフトセクション10と13と間の接触表面12(図1参照)を実現するためには、例えば端面4および5または接触表面12に対して真向きの研削盤により研削することによる研削工程が必要である。
【0136】
例えば図3に示すタイプの円筒研削砥石ディスク18を、この研削工程でも使用でき、以下ではこのような研削工程も円筒研削工程とみなす。
【0137】
ロータ本体3の螺旋歯6を実現するためには、別の研削工程、すなわち輪郭研削盤23を使用した輪郭研削工程が必要であり、その少数の例が図4および5に示される。
【0138】
これらの輪郭研削砥石ディスク23がロータ本体3の螺旋溝8の輪郭に対応する輪郭24を有することは明らかである。
【0139】
さらに、螺旋歯6の研削には、円筒研削の場合よりもずっと複雑な工作物と輪郭研削砥石ディスク23との組み合わせ移動が必要である。
【0140】
既知の方法によれば、円筒研削と輪郭研削とが異なる研削機で行われ、その結果導入部で述べたようにいくつかの欠点がもたらされる。
【0141】
本発明による方法に含まれるのが好ましいステップを、以下に述べる。
【0142】
ここで、本発明によるこのような方法では、研削機が一台のみ使用され、ロータ1の製造の間に工作物のクランプが外されないことが非常に重要である。
【0143】
図6は、本方法の第一ステップを示し、本ステップでは、例えば既に部分的に処理されて既に図1に示されるロータ1の形を大体有する工作物25が、研削機27の二つの中心突端26の間に工作物25をクランプすることによってクランプされる。
【0144】
二つの中心突端26の間に工作物25をクランプした後に、研削機27の円筒研削砥石ディスク18により第一円筒研削工程が行われるのが好ましく、この工程は、工作物25の端15のセクション10を円筒研削して、中心線GG’に対してセンタリングされた円筒クランプ表面28を得るステップからなる。
【0145】
研削中に研削された材料をうまく除去するためおよび/または工作物25のある程度の冷却または潤滑を得るためには、フラッシュポート29またはフラッシュポート組28を用いることが最善であることは明らかである。
【0146】
このようなフラッシュポート29により、研削中に生じる火花を消すことも企図されうる。
【0147】
図16は、フラッシュポート組29を用いて、研削砥石ディスク18および工作物25の冷却、潤滑、および掃除が行われ、研削中に生じる火花が消される典型的構成を示す。
【0148】
冷却および潤滑を提供するフラッシュポート29が、円筒研削砥石ディスク18と工作物25との間の接触ゾーンの上に配置される。
【0149】
この冷却および潤滑のための冷却ポート29は、円筒研削砥石ディスク18と工作物25との間の上述の接触ゾーンに対して研削盤の回転方向に向けられる。
【0150】
火花を消すためのフラッシュポート29は、円筒研削砥石ディスク18の回転方向と反対の方向に、工作物25と円筒研削砥石ディスク18との間の上述の接触ゾーンの方に向けられる。
【0151】
最後に、研削砥石ディスク18の一部に対して研削砥石ディスク18の表面と垂直の方向に向けられた、円筒研削砥石ディスク18を掃除するためのさらなるフラッシュポート29がある。
【0152】
研削砥石ディスク18を回転させる際には、研削砥石ディスク18の一部が該当のフラッシュポート29でまず掃除され、その後この部分が工作物25と接触し、熱の発生を減少させるために潤滑化され、研削により放出された熱が冷却により放散され、生じた火花が関連のフラッシュポート29によって消される。
【0153】
もちろん、輪郭研削の間には同一のフラッシュポート組29が提供されればよく、より多数または少数のフラッシュポート29が使用され、および/または異なって構成されうる。
【0154】
図7に示される本発明による方法の次のステップにおいては、まず研削機27のクランプ機構またはクランプシステム30が工作物に向かって移動し、前のステップで形成されたクランプ表面28のまわりに係合することにより、工作物25が追加的にクランプされる。
【0155】
さらに、工作物25の他端16のセクション11、例えばベアリング装着用のセクション11であるが他の部品は除外されないセクションが、前のステップと同じ円筒研削砥石ディスク18または異なる円筒研削砥石ディスク18である研削機27の円筒研削砥石ディスク18により円筒研削されて、中心線GG’に対してセンタリングされた円筒支持表面31が形成される。
【0156】
図8および9は、本発明による方法の次のステップを示し、このステップでは、スクリュ圧縮機の雄ロータ1および雌ロータ1をそれぞれ研削するために、粗輪郭研削工程が実行されて、ロータ本体3の第一粗仕上げ螺旋歯6が研削される。
【0157】
輪郭研削工程を実行するためには、工作物25が端15で十分に支持され、これにより研削中駆動されなければならない。
【0158】
このため、工作物25は、中心突端26の間に少なくともクランプされ、端15のクランプ機構またはクランプシステム30により上からクランプされる。
【0159】
安定のために望ましい場合には、工作物25の他端16が、ベアリング上に支持されたステイ32または前のステップで研削された支持表面31のまわりに装着されたスライディングステイ32により、回転方式で支持される。
【0160】
このようにして工作物25が十分に支持されることにより、輪郭研削中に生じる大きな力が受け止められ、および/または輪郭研削中に工作物25が曲がるのが防止もしくは制限される。
【0161】
輪郭研削工程を実行するためには、もちろん研削機27の輪郭研削砥石ディスク23が使用される。
【0162】
ここでは既知の方法の場合とは対照的に、これが同じ研削機27の輪郭研削砥石ディスク23である点に留意することが重要である。
【0163】
図8図9の間の唯一の違いは、研削機27内の輪郭研削砥石ディスク23の向きに関し、このことから、輪郭研削砥石ディスク23の向きを変えるだけで、同じ研削機27を用いて、圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機の雌および雄ロータ1の両方を容易に製造できることが分かる。
【0164】
本発明によれば、粗研削されたロータ本体3を有する工作物25を得るためのこの第一粗輪郭研削工程の後に、図10に示すように、一つ以上の仮円筒研削工程が実行されるのが好ましい。
【0165】
このような円筒研削工程は、例えばセクション10〜14またはロータ本体3の外径Dの精密円筒研削など、一つ以上のロータシャフトセクションを円筒研削するステップからなりうる。
【0166】
このような仮円筒研削工程においては、ロータ本体3の端面4および5の一方または両方が、精密研削される。
【0167】
これらの仮研削工程では、研削機27の円筒研削砥石ディスク18が再び用いられる。
【0168】
これらの仮研削工程を実行する利点は主に、ロータ本体3の輪郭が既にその粗形状に研削された後にのみ目的部分の精密研削が行われるため、工作物25の蓄熱、デバリング等といった粗輪郭研削の負の影響が、ロータ1の仕上げにもはや及び得ないことである。
【0169】
本発明による好適な方法によれば、ステップの一つは、同じ研削機27によるデバリング工程からなる。
【0170】
例えば、ロータ本体3の端面4および5ならびに/またはロータ本体3の外径Dを円筒研削することにより、大きなバリがデバリングされうる。
【0171】
本方法の次のステップにおいては、ロータ本体3の螺旋歯6が、輪郭研削盤23を使用してきめ細かく正確な輪郭で精密研削されうる。
【0172】
これは、スクリュ圧縮機用の雄および雌ロータ1をそれぞれ製造するための、図11および12に再び示される。
【0173】
本方法の次のステップにおいては、例えばデバリングブラシ40により微細なバリを除去することによって、精密研削された螺旋歯6がデバリングされうる。
【0174】
最後に、本発明による方法の最後のステップでは、クランプ機構またはクランプシステム30が開かれて引き戻され、支持ステイ32が除去されればよく、その後、クランプ表面28が、研削機27の円筒研削砥石ディスク18を用いた円筒研削により、最後の研削工程において精密研削されて、ベアリングを装着するための精密研削されたセクション10が形成されうる。
【0175】
このようにして、工作物25のクランプを外すことを必要とせずにロータ1が製造されうることが明らかであり、これにより導入部で述べた企図した利点がもたらされる。
【0176】
まとめると、本発明による方法は、以下のステップを含むのが好ましく、以下の工程の順序にしたがうことが好ましいといえる。
− クランプ機構またはクランプシステム30のためのクランプ表面28を円筒研削するステップと;
− ステイ32のための支持表面31を円筒研削するステップと;
− ロータ本体3を粗輪郭研削するステップと;
− ロータ本体3の一方または両方の端面4および5を円筒研削するステップであり、両表面上の大きなバリが、少なくとも部分的に同時に除去されるステップと;
− ロータ1のより重要でないシャフト直径を円筒研削するステップと;
− ベアリング表面10および11を円筒研削するステップと;
− ロータ本体3の外径Dを円筒研削するステップであり、大きなバリが、少なくとも部分的に同時に除去されるステップと;
− ロータ本体3を精密輪郭研削するステップであり、クランプ機構またはクランプシステム30のためのクランプ表面28、言い換えるとロータシャフト2の端のセクション10を、精密円筒研削するステップ。
【0177】
もちろん、別の工程順序の適用および/または工程の追加および/または工程の除去は、本発明により除外されない。
【0178】
本発明による好適な方法によれば、本方法は、少なくとも部分的に自動化される。
【0179】
本発明によれば、圧縮機のロータを製造するために研削機27を利用でき、その例が図14に示される。
【0180】
この研削機27は、工作物25をクランプするためのセンターポイント26と引込め可能なクランプ機構またはクランプシステム30との形のクランプ手段を有するが、これらが他の形であっても同様に良い。
【0181】
さらに、研削機27は、一つの万能研削スピンドル33と、いくつかの交換可能な円筒研削砥石ディスク18およびいくつかの交換可能な輪郭研削砥石ディスク23と、複数のデバリングブラシ40とを有し、これらが、研削機27の自動交換器35のマガジン34に含まれている。
【0182】
交換器35のマガジン34内には、いくつかの交換可能なフラッシュポート29または複数のフラッシュポート組29もあり、これらは、研削砥石ディスク18または23と同時に交換されてもよいし、されなくてもよい。
【0183】
ロータ1の製造の間には、ツール交換器35が、交換可能な研削盤18もしくは23またはデバリングブラシ40をマガジン34から研削機27の万能研削スピンドル33に取り付け、またはその逆を行うようになっている。
【0184】
このようにして本発明による方法を適用でき、工程を実行した後に研削砥石ディスク、すなわち円筒研削砥石ディスク18もしくは輪郭研削砥石ディスク23、またはデバリングブラシ40が、万能研削スピンドル33から除去され、別のツール、すなわち円筒研削砥石ディスク18、輪郭研削砥石ディスク23、またはデバリングブラシ40が、この万能研削スピンドル33上に配備されて、後続の研削工程が実行される。
【0185】
二つの研削工程の間に、フラッシュポート29またはフラッシュポート組(例えば図16による)も交換されるのが好ましく、あるいはこのようなフラッシュポート29またはフラッシュポート組29が、単に異なって配置されうる。
【0186】
さらに、研削機27は、ロータ1の製造のための研削工程を自動で実行するための制御部36を有する。
【0187】
図14はこの制御部36を概略的に示すが、このような制御部36は、例えば、万能研削スピンドル33の全タイプのモータ37を制御するためのコンピュータ化されたシステム、または、研削砥石ディスク18および23ならびに/もしくはデバリングブラシ40ならびに/もしくはフラッシュポート29などを動かすためのロボットアームからなりうる。
【0188】
最後に、可能な運転モード間での変更のために工作物25のクランプを外す必要がないように、研削機27は、少なくとも二つの運転モードの間、より具体的には円筒研削砥石ディスク18による研削のための第一運転モードと輪郭研削砥石ディスク23による研削のための第二運転モードとの間での切り替えを可能にする切替手段38も有する。
【0189】
切替手段38は、研削機27が、工作物25をデバリングブラシ40でデバリングするための追加の運転モードに切り替えることを可能にするのが好ましい。
【0190】
切替手段38およびツール交換器35も、自動化技術による無数の方法で実現でき、制御部36によって制御されるのが好ましい。
【0191】
研削機27は、同様に制御部36によって制御される、一つ以上の位置決め可能および/または交換可能なフラッシュポート29またはフラッシュポート組29も有するのが好ましい。
【0192】
図15は、研削機27の別の実施形態を示す。
【0193】
この研削機27は、特定研削砥石ディスクすなわち円筒研削砥石ディスク19または輪郭研削砥石ディスク23と、適切なフラッシュポート組29とをそれぞれが有する、一つ以上の作業特定研削スピンドル39を有する。
【0194】
研削機27は、デバリングの目的に適したデバリングブラシスピンドル41上に配備された一つ以上の個別のデバリングブラシ40も有する。
【0195】
さらに、この研削機27は、先述の場合のように、制御部36と異なる運転モード間の切り替えのための切替手段38とを有する。
【0196】
ここでは、ロータ1の製造の間に、特定研削砥石ディスク18、23またはデバリングブラシ40が該当の作業特定研削スピンドル39またはデバリングブラシスピンドル41上で交換されることなく、制御部36が、作業特定研削スピンドル39またはデバリングブラシスピンドル41を制御することが企図される。
【0197】
このようにして、研削機27の第一作業特定研削スピンドル39に前もって搭載された第一特定研削砥石ディスク18または23を使用して第一研削工程が実行され、研削機27の第二作業特定研削スピンドル39に前もって搭載された第二特定研削砥石ディスク18または23を使用して第二研削工程が実行され、および/または、研削機27のデバリングブラシスピンドル41に前もって搭載されたデバリングブラシ40を使用してデバリング工程が行われる、本発明による方法が実現されうる。
【0198】
このような方法では、上述の第一および第二研削工程の両方で、第一および第二フラッシュポートまたはフラッシュポート組29をそれぞれ利用して洗浄が適用され、これらの第一および第二フラッシュポートまたは29またはフラッシュポート組29は、研削機27に前もって搭載されているため、第一および第二研削砥石ディスク18および/または23それぞれの近くで工作物25に対して洗浄が射出されうるのが好ましい。
【0199】
一つの研削機27において一つ以上の万能研削スピンドル33を、一つ以上の作業特定研削スピンドル39および/またはデバリングブラシスピンドル41と組み合わせることにより、図14および15の実施形態の背後にある考えが組み合わせられうることは明らかである。
【0200】
本発明は、例として記載および図示された圧縮機、送風機、真空ポンプまたは膨張機のスクリュロータ1の製造方法に決して限られず、このような本発明による方法は、本発明の範囲を逸脱することなく各種の別形において実現されうる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16