(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6110944
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】単極メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 27/105 20060101AFI20170327BHJP
H01L 45/00 20060101ALI20170327BHJP
H01L 49/00 20060101ALI20170327BHJP
G11C 13/00 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
H01L27/10 448
H01L45/00 Z
H01L49/00 Z
G11C13/00 215
G11C13/00 230
G11C13/00 270J
G11C13/00 480J
【請求項の数】29
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-528578(P2015-528578)
(86)(22)【出願日】2013年8月20日
(65)【公表番号】特表2015-534259(P2015-534259A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】US2013055758
(87)【国際公開番号】WO2014031617
(87)【国際公開日】20140227
【審査請求日】2016年3月24日
(31)【優先権主張番号】13/590,758
(32)【優先日】2012年8月21日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(72)【発明者】
【氏名】ラマスワミ,ドゥライ ヴィシャーク ニルマル
(72)【発明者】
【氏名】ビー,レイ
【審査官】
小山 満
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2008/038365(WO,A1)
【文献】
特開2009−218260(JP,A)
【文献】
特開2010−028001(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/072213(WO,A1)
【文献】
国際公開第2011/064967(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/046454(WO,A1)
【文献】
特開2010−251491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/105
G11C 13/00
H01L 45/00
H01L 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
抵抗性メモリセルであって、
酸素シンクと、
酸素源と、
前記酸素シンクと前記酸素源との間に配置された誘電体と、
2つの電極であって、それらの間に前記酸素シンク、前記誘電体および前記酸素源が配置された2つの電極と、
を含む、抵抗性メモリセルを備え、
第1の電圧を前記2つの電極の間に第1の極性で印加することにより、前記誘電体から酸素を前記酸素シンク内に移動させて、導電性フィラメントを前記誘電体内に形成し、第2の電圧を前記2つの電極の間に前記第1の極性と同一の極性で印加することにより、前記酸素源から酸素を前記誘電体内に移動させて、前記誘電体内に形成された導電性フィラメントを除去するように構成された、装置。
【請求項2】
前記2つの電極の間で前記導電性フィラメントを除去するために用いられるよりも大きさの大きな電圧、短いパルスの電圧、または大きさが大きく短いパルスの電圧を用いて前記導電性フィラメントが形成されるように、前記酸素シンク、前記酸素源、および前記誘電体が構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記抵抗性メモリセルが、前記導電性フィラメントの除去において、前記導電性フィラメントの形成よりも長いパルスまたは短いパルスおよび高い電圧または低い電圧で動作可能であるように、前記酸素シンク、前記酸素源、および前記誘電体が構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記抵抗性メモリセルが、選択された回数のサイクルで動作可能であるように、前記酸素シンクが、前記抵抗性メモリセルの初期動作の前に、十分な数の空孔と共に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記回数のサイクルが少なくとも1万サイクルに等しい、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記誘電体が、前記酸素シンクと前記酸素源との間のバリア領域として構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記酸素シンクが、(Pr,Ca)MnOx、(La,Sr)CaOx、(La,Sr)MnOx、SrTiOx、またはABO3、ABO3−δ、ABO3+δ、A2BO4、A0.6BO3、A1−xBO3、A0.3BO3、およびAnBnO3n+1の形態の材料であって、AおよびBが遷移金属イオンである、材料のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記酸素源が、(Pr,Ca)MnOx、(La,Sr)CaOx、(La,Sr)MnOx、SrTiOx、またはABO3、ABO3−δ、ABO3+δ、A2BO4、A0.6BO3、A1−xBO3、A0.3BO3、およびAnBnO3n+1の形態の材料であって、AおよびBが遷移金属イオンである、材料のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記2つの電極のうちの一方または両方が、Pt、Ru、RuOx、Ir、またはSrRuOのうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記誘電体が、ZrOx、YSZ、TaOx、HfSiOx、Al2O3、AlOx、CoO、CoOx、NiO、NiOx、Fe2O3、Fe3O4、FeOx、Cu2O、CuO、CuOx、Zn:FeOx、HfO2、HfOx、HfSiOx、SiOx,TiO2、TiOx、MgO、MgOx、MnO2、MnOx、Ti:NiO、TaOx、Ta2O5、WO2、WO3、WOx、ZnO、ZnOx、ZrO2、ZrOx、ZrSiOx、またはこれらの材料の組み合わせのうちの1つ以上のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記誘電体が、約20Å〜約30Åの範囲の厚さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
アクセスデバイスと、
前記アクセスデバイスに連結された抵抗性メモリ素子と、を備える、装置であって、前記抵抗性メモリ素子が、
酸素シンクと、
酸素源と、
動作可能可変抵抗領域として構成された誘電体であって、前記酸素シンクと前記酸素源との間に配置された、誘電体と、
2つの電極であって、前記2つの電極のうちの一方が、前記アクセスデバイスに連結され、前記2つの電極の間に前記酸素シンク、前記誘電体、および前記酸素源が配置された、2つの電極と、を含み、
第1の電圧を前記2つの電極の間に第1の極性で印加することにより、前記誘電体から酸素を前記酸素シンク内に移動させて、導電性フィラメントを前記誘電体内に形成し、第2の電圧を前記2つの電極の間に前記第1の極性と同一の極性で印加することにより、前記酸素源から酸素を前記誘電体内に移動させて、前記誘電体内に形成された導電性フィラメントを除去するように構成された、装置。
【請求項13】
前記アクセスデバイスおよび前記抵抗性メモリ素子が、メモリセルのアレイにおいてメモリセルとして配置される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記酸素シンクおよび前記酸素源が、導電性金属酸化物である、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記誘電体が、前記酸素源と前記酸素シンクとの間の酸素流を抑制するためのバリア材料を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記誘電体が表面の端を超えて延びるように、前記誘電体が前記酸素源の前記表面にわたって前記酸素源に接触する、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記酸素シンクが前記酸素源の前記表面の前記端を超えて延びるように、前記酸素シンクが前記誘電体の表面にわたって前記誘電体に接触する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記アクセスデバイスがトランジスタである、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記装置がメモリデバイスである、請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記酸素シンクおよび前記酸素源が導電性金属酸化物である、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の電圧を印加することが、実質的な量の酸素が前記酸素源から前記誘電体内に移動しないように、ある期間、前記第1の電圧を印加することである、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の電圧を印加することが、実質的な量の酸素が前記酸素源から前記誘電体内に移動しないように、ある期間、前記第1の電圧を印加することである、請求項12に記載の装置。
【請求項23】
前記第2の電圧を印加することが、酸素を駆動して前記誘電体内に入れて前記誘電体内の前記フィラメントを除去して、前記酸素源と前記酸素シンクとの連結を減少させ、かつ前記2つの電極の間の抵抗を増加させるのに十分な大きさで、前記第2の電圧を印加することを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記第2の電圧を印加することが、酸素を駆動して前記誘電体内に入れて前記誘電体内の前記フィラメントを除去して、前記酸素源と前記酸素シンクとの連結を減少させ、かつ前記2つの電極の間の抵抗を増加させるのに十分な大きさで、前記第2の電圧を印加することを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項25】
酸素シンクが2つの電極の一方と誘電体との間に配置され、酸素が駆動されて、中にフィラメントが形成される前記誘電体から前記酸素シンク内に入るように、第1の電圧差を前記2つの電極の間に印加することと、
酸素源が前記誘電体と前記2つの電極の他方との間に配置され、酸素が駆動されて、前記酸素源から前記誘電体内に入り、前記フィラメントが除去されるように、前記第1の電圧差と同じ極性を有する第2の電圧差を前記2つの電極の間に印加することと、を含む、方法。
【請求項26】
酸素シンクが2つの電極の一方と誘電体との間に配置され、酸素が駆動されて、中にフィラメントが形成される前記誘電体から前記酸素シンク内に入るように、第1の電圧差を前記2つの電極の間に印加することと、
酸素源が前記誘電体と前記2つの電極の他方との間に配置され、酸素が駆動されて、前記酸素源から前記誘電体内に入り、前記フィラメントが除去されるように、前記第1の電圧差と同じ極性を有する第2の電圧差を前記2つの電極の間に印加することと、を含み、
前記第1の電圧差を印加することが、実質的な量の酸素が前記酸素源から前記誘電体内に移動しないように、ある期間、前記第1の電圧差を印加することである、方法。
【請求項27】
酸素シンクが2つの電極の一方と誘電体との間に配置され、酸素が駆動されて、中にフィラメントが形成される前記誘電体から前記酸素シンク内に入るように、第1の電圧差を前記2つの電極の間に印加することと、
酸素源が前記誘電体と前記2つの電極の他方との間に配置され、酸素が駆動されて、前記酸素源から前記誘電体内に入り、前記フィラメントが除去されるように、前記第1の電圧差と同じ極性を有する第2の電圧差を前記2つの電極の間に印加することと、を含み、
前記第2の電圧差を印加することが、酸素を駆動して前記誘電体内に入れて前記誘電体内の前記フィラメントを除去して、前記酸素源と前記酸素シンクとの連結を減少させ、かつ前記2つの電極の間の抵抗を増加させるのに十分な大きさで、前記第2の電圧差を印加することを含む、方法。
【請求項28】
酸素シンクが2つの電極の一方と誘電体との間に配置され、酸素が駆動されて、中にフィラメントが形成される前記誘電体から前記酸素シンク内に入るように、第1の電圧差を前記2つの電極の間に印加することと、
酸素源が前記誘電体と前記2つの電極の他方との間に配置され、酸素が駆動されて、前記酸素源から前記誘電体内に入り、前記フィラメントが除去されるように、前記第1の電圧差と同じ極性を有する第2の電圧差を前記2つの電極の間に印加することと、を含み、
前記第2の電圧差を印加することが、前記第2の電圧差を印加して、前記フィラメントを完全に除去することを含む、方法。
【請求項29】
前記酸素シンクおよび前記酸素源が、導電性金属酸化物である請求項25〜28のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2012年8月21日に出願された米国特許出願第13/590,758号に対する優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス産業は、メモリデバイスの動作を改善させる市場主導型ニーズが存在する。改善は、メモリデバイスの設計および処理の進歩によって対処され得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】様々な実施形態に従う、例示のメモリデバイスブロック図を示す。
【
図2】様々な実施形態に従う、アクセス部品およびメモリ素子と共にメモリセルを有するメモリアレイを含む例示のメモリデバイスの特徴のブロック図を示す。
【
図3】様々な実施形態に従う、メモリ素子に連結されたアクセス部品を有する例示のメモリセルの概略図を示す。
【
図4】様々な実施形態に従う、メモリ素子に連結されたアクセス部品を有する例示のメモリセルの概略図を示す。
【
図5】様々な実施形態に従う、メモリ素子に連結されたアクセス部品を有する例示のメモリセルの概略図を示す。
【
図6】様々な実施形態に従う、抵抗性メモリセルの部品を図解する抵抗性メモリセルを含む例示の装置のブロック図を示す。
【
図7】様々な実施形態に従う、抵抗性メモリセルの部品を図解する抵抗性メモリセルを含む例示の装置のブロック図を示す。
【
図8A】様々な実施形態に従う、例示の抵抗性メモリセルにおけるフィラメントの生成のブロック図を示す。
【
図8B】様々な実施形態に従う、
図8Aの例示の抵抗性メモリセルにおけるフィラメント再設定を図解するブロック図を示す。
【
図9】様々な実施形態に従う、抵抗性メモリセルを形成する例示の方法の実施形態の特徴を示す。
【
図10】様々な実施形態に従う、抵抗性メモリセルを動作させる例示の方法の実施形態の特徴を示す。
【
図11】様々な実施形態に従う、完成したウェーハを示す。
【
図12】様々な実施形態に従う、電子システムの様々な特徴のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
以下の詳細な発明は、図解によって本発明の様々な実施形態を示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者がこれらおよび他の実施形態を実施できるように十分に詳細に記述される。他の実施形態は利用され得、構造的、論理的、電気的変化はこれらの実施形態に対して行われ得る。いくつかの実施形態を1つ以上の他の実施形態と組み合わせて新しい実施形態を形成することができるように、様々な実施形態は、必ずしも相互排他的ではない。以下の詳細な説明は、したがって、限定的な意味に解釈されるべきではない。
【0005】
図1は、メモリデバイス100の例示の実施形態のブロック図を示す。メモリデバイス100は、複数のメモリセル101を有するメモリアレイ102を含み得る。メモリアレイは、複数のパラメータに従って論理的に配置され得るメモリセルの系統的な物理的配置である。様々な実施形態において、それぞれのメモリセルは、2つのパラメータの値に従ってアドレス指定され得る。2つのパラメータは、行および列と称され得る。メモリセルは、行に対する値および列に対する値に従って、メモリアレイ内に論理的に位置付けられ、一意的に指定され得る。論理的配置が物理的配置とは大幅に異なり得るように、行および列は、特別な物理的配向または線形関係に限定されない。メモリアレイの列は、列値に割り当てられたデコーダによって同時にアクセスされ得るメモリセルの群として配置され得る。メモリアレイの行は、行値に割り当てられたデコーダによって同時にアクセスされ得るメモリセルの群として配置され得る。
【0006】
メモリセル101は、アクセス線104および第1のデータ線106と共に、行および列で配置され得る。例えば、アクセス線は、信号WL0〜WLmを伝導するためにワード線として構成され得、第1のデータ線は、信号BL0〜BLnを伝導するためにビット線として構成され得る。メモリデバイス100は、アクセス線104および第1のデータ線106を使用して、情報をメモリセル101へ、およびそこから転送することができる。行デコーダ107および列デコーダ108は、アドレス線109上のアドレス信号A0〜AXをデコードして、メモリセル101のうちのどれがアクセスされるべきなのかを決定する。
【0007】
感知増幅器回路110は、メモリセル101から読み取られた情報の値を決定するように動作し、読み取られた情報は、第1のデータ線106への信号の形態で通信される。感知増幅器回路110は、また、第1のデータ線106上の信号を使用して、メモリセル101に対して書き込まれることになる情報の値を決定する。
【0008】
メモリデバイス100は、メモリアレイ102と入力/出力(I/O)線105との間で情報を転送するための回路網112を含み得る。I/O線105上の信号DQ0〜DQNは、メモリセル101から読み取られるかそこへ書き込まれる情報を表し得る。I/O線105は、メモリデバイス100が存在し得るパッケージ上のメモリデバイス100内のノード(あるいは、ピン、はんだボール、または圧壊制御方式チップ接続(C4)もしくはフリップチップ実装(FCA)等の他の相互接続技術)を含み得る。メモリデバイス100の外部の他のデバイスは、I/O線105、アドレス線109、または制御線120を介してメモリデバイス100と通信し得る。例えば、そのような外部デバイスは、メモリ制御装置またはプロセッサを含み得る。
【0009】
メモリデバイス100は、メモリセル101の選択されたものから情報を読み取るための読み取り動作、および情報をメモリセル101の選択されたものの中にプログラムする(書き込む)ためのプログラミング動作(書き込み動作とも称される)等のメモリ動作を行い得る。メモリデバイス100は、また、メモリ消去動作を行って、情報をメモリセル101のいくつかまたは全てから消去し得る。メモリ制御ユニット118は、制御線120上に存在する信号に基づいて、メモリ動作を制御する。制御線120上の信号としては、どの動作(例えば、プログラミングまたは読み取り動作)をメモリデバイス100が行い得るまたは行うべきかを表示するための1つ以上のクロック信号および他の信号が挙げられる。メモリデバイス100の外部の他のデバイスは、制御線120上の制御信号の値を制御し得る。外部デバイスは、例えば、プロセッサまたはメモリ制御装置を含み得る。制御線120上の信号の組み合わせの特定の値は、例えば、メモリデバイス100に、対応するメモリ動作を行わせ得るプログラミングまたは読み取りコマンド等のコマンドを生じ得る。対応するメモリ動作は、例えば、プログラム、読み取り、または消去動作を含み得る。
【0010】
メモリセル101のそれぞれは、プログラムされて、単一ビットの値、または2、3、4、もしくはより大きな数のビット等の複数ビットの値を表す情報を記憶し得る。例えば、メモリセル101のそれぞれは、プログラムされて、単一ビットの2進値「0」または「1」を表す情報を記憶し得る。セルあたりの単一ビットは、シングルレベルセルと時に呼ばれる。別の例において、メモリセル101のそれぞれは、プログラムされて、2ビットの「00」、「01」、「10」、および「11」という4つの可能な値のうちの1つ、3ビットの「000」、「001」、「010」、「011」、「100」、「101」、「110」、および「111」という8つの可能な値のうちの1つ、または別の複数ビットの値の集合のうちの1つ等の複数ビットを表す値を表す情報を記憶し得る。複数ビットを記憶する能力を有するセルは、マルチレベルセルまたは多状態セルと時に称される。
【0011】
メモリデバイス100は、第1の供給線130および第2の供給線132上にそれぞれ供給電圧信号VccおよびVssを含む供給電圧を受容し得る。供給電圧信号Vssは、グランド電位で動作し得る。グランド電位は、およそ0ボルトの値を有し得る。供給電圧信号Vccは、電池または交流直流(AC−DC)変換器回路網等の外部電力源からメモリデバイス100に供給された外部電圧を含み得る。
【0012】
メモリデバイス100の回路網112は、選択回路115および入力/出力(I/O)回路116を含み得る。選択回路115は、信号SEL1〜SELnに反応して、第1のデータ線106およびメモリセル101から読み取られるかメモリセル101にプログラムされる情報を表し得る第2のデータ線113上の信号を選択し得る。列デコーダ108は、アドレス線109上のA0〜AXアドレス信号に基づいて、SEL1〜SELnの信号を選択的に活性化し得る。選択回路115は、第1のデータ線106および第2のデータ線113上の信号を選択して、読み取りおよびプログラミング動作中に、メモリアレイ102と入力/出力回路116との間の通信を提供し得る。
【0013】
電力がメモリデバイス100から切られたときに、メモリセル101が、中に記憶された情報を保持するように、メモリデバイス100は、不揮発性メモリデバイスを含み得、メモリセル101は、不揮発性メモリセルを含み得る。電力は、Vcc、Vss、または両方の表示によって表され得る。
【0014】
メモリセル101のそれぞれは、材料を有するメモリ素子を含み得、その少なくとも一部は、材料の抵抗値を変化するようにプログラムされ得る。メモリセル101のそれぞれがプログラミング動作においてプログラムされるとき、メモリセル101のそれぞれは、抵抗値に対応する状態を有し得る。異なる抵抗値は、このように、メモリセル101のそれぞれにプログラムされた情報の異なる値を表し得る。
【0015】
メモリデバイス100は、それがプログラミングコマンドおよびメモリセル101のうちの1つ以上の選択されたものの中にプログラムされる情報の値を受信したとき、プログラミング動作を行い得る。プログラミングコマンドは、外部プロセッサ、メモリ制御装置、または他の制御装置から受信され得る。情報の値に基づいて、メモリデバイス100は、選択されたメモリセルをプログラムして、それらが、中に記憶された情報の数値またはシンボル値を表す適切な抵抗値をもつようにさせ得る。メモリデバイス100は、デバイスおよびメモリセルを含み、本明細書で議論された様々な他の図および実施形態を参照して下記に記載されたものと類似または同一のメモリ動作を用いて動作し得る。
【0016】
図2は、アクセス部品211およびメモリ素子222をもつメモリセル201を有するメモリアレイ202を含むメモリデバイス200の例示の実施形態例の特徴のブロック図を示す。メモリアレイ202は、
図1のメモリアレイ102と類似または同一であり得る。メモリセル201は、信号WL0、WL1、およびWL2等の信号を伝導するアクセス線に沿った、いくつかの行230、231、および232に配置され得る。アクセス線はワード線であり得る。メモリセル201は、また、信号BL0、BL1、およびBL2等の信号を伝導するデータ線に沿った、いくつかの列240、241、および242に配置され得る。データ線はビット線であり得る。アクセス部品211は、例えば、信号WL0、WL1、WL2の適切な値を用いることによってオンとなって、メモリ素子222から情報を読み取るかそこに情報をプログラムするための、メモリ素子222へのアクセスを可能にし得る。メモリアレイ202は、
図2に示されたメモリセル201の数よりも多数または少数を有し得る。
【0017】
情報をメモリ素子222内にプログラムすることは、メモリ素子222に特定の抵抗値または指定された範囲の抵抗値を有させることを含み得る。抵抗性ランダムアクセスメモリ(RRAM)セルに関して、電界は酸素空孔を移動するために印加され得る。それから、情報をメモリ素子222から読み取ることは、メモリ素子222の抵抗値を測定することを含み得る。抵抗を測定することは、メモリセル201の様々なものを流れる電流の値を感知することを含み得る。電流の測定値に基づいて、メモリ内に記憶された情報の対応する値は決定され得る。情報の決定は電流の値に基づき得る。
【0018】
図3〜5のそれぞれは、メモリ素子333、444、555にそれぞれ連結された異なるアクセス部品311、411、511を有する異なるメモリセル301、401、501の例示の実施形態の概念図を示す。
図3〜5においてWLおよびBLと呼ばれる線は、
図1のアクセス線104のうちの任意の1つおよび第1のデータ線106のうちの任意の1つにそれぞれ対応し得る。
図3〜5は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)、およびダイオードをそれぞれ含むアクセス部品311、411、511の例を示す。メモリセル301、401、および501は、他の種類のアクセス部品を含み得る。
【0019】
メモリ素子333、444、555のそれぞれは、
図3の第1の電極351および第2の電極352、
図4の第1の電極451および第2の電極452、または
図5の第1の電極551および第2の電極552等の2つの電極に連結され、それらの間に配置され得る。
図3〜5は、これらの電極のそれぞれを点として概略的に示す。構造的に、これらの電極のそれぞれは、導電性材料を含み得る。メモリ素子333、444、555のうちの各一つは、例えば、信号に応じて、異なる抵抗値を有するように変化させられ得る材料を含み得る。メモリ素子内に記憶された情報の値は、メモリ素子の抵抗値に対応し得る。アクセス部品311、411、511は、信号が、読み取り、プログラム、または消去動作等のメモリセルの動作中、各対の電極を介して、メモリ素子333、444、555に対しておよびそれらから転送されることを可能にし得る。
【0020】
RRAMセルとして実現されたメモリセル301、401、または501に関して、電極351および352、電極451および452、電極551および552は、2つの電極の間の動作可能可変抵抗領域を有するRRAMメモリセルの2つの電極であり得る。メモリ素子333、444、555は、動作可能可変抵抗領域として実現され得る。酸化物は、2つの電極の間で動作可能可変抵抗領域として構成され得る。酸化物は、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、またはチタニウム酸化物のうちの1つ以上を含み得る。抵抗性ランダムアクセスメモリセルとして構成されるメモリセル301、401、または501は、それぞれ、酸化物333、444、または555のそれぞれと、2つの対応する電極351および352、451および452、または551および552のうちの一方との間の緩衝領域を含み得る。様々な実施形態において、2つの対応する電極351および352、451および452、または551および552のうちの少なくとも一方は、酸化物と反応する材料を含み得る。
【0021】
プログラミング動作は、信号WLを使用して、アクセス部品311、411、511をオンにし、それから、例えばプログラミング電圧または電流を有する信号を、メモリ素子333、444、555を通るように印加することができる。そのような信号は、メモリ素子333、444、555の材料の少なくとも一部を変化させ得る。その変化は、例えば、消去動作を行うことによって逆にされ得る。抵抗値における差を使用して、メモリ素子333、444、555内に記憶される情報の異なる値を表す異なる状態を表すことができる。
【0022】
読み取り動作は、信号WLを使用して、アクセス部品311、411、または511をオンにし、それから、電圧または電流を有する信号を、メモリ素子333、444、555を通るように印加することができる。読み取り動作は、中に記憶された情報の対応する値を決定するために、読み取り電圧または電流に基づいて、メモリセル301、401、501の抵抗を測定し得る。読み取り電流がメモリ素子333、444、555を通るとき、例えば、メモリセル301、401、501のそれぞれにおいて、異なる抵抗値は、異なる大きさ(例えば、電圧または電流値)を信号BLに伝え得る。メモリデバイスの他の回路網、例えば、
図1の入力/出力回路116等の回路は、中に記憶された情報の値を決定するために、信号BLを使用して、メモリ素子333、444、555の抵抗値を測定することができる。
【0023】
読み取り動作において、メモリ素子を流れる電流を生成する信号(例えば、
図3もしくは
図4における信号BLまたは
図5における信号WL)の値(例えば、電圧)は、電流を生成するには十分であるが、メモリ素子の任意の部分を変化させるには不十分であり得る。その結果として、メモリ素子内に記憶された情報の値は、読み取り動作中および後に変更され得ない。
【0024】
消去動作において、信号の電圧値(例えば、
図3もしくは
図4における信号BLまたは
図5における信号WL)は、プログラミング動作において用いられた電圧から反対の極性を有し得る。この場合に電流を生成している信号は、したがって、メモリ素子の材料をその元の状態、例えば、任意のプログラミングがメモリセル上で行われる前の状態に変化するか再設定し得る。
【0025】
図6は、抵抗性メモリセル601の部品を図解する抵抗性メモリセル601を含む装置600の実施形態のブロック図を示す。抵抗性メモリセル601は、電界駆動単極メモリセルとして構成され得る。抵抗性メモリセル601の部品は、酸素シンク615、酸素源605、酸素シンク615と酸素源605との間に配置された誘電体610、および2つの電極620、625を含み、酸素シンク615、酸素源605、および誘電体610は、電極620と電極625との間に配置される。導電性フィラメントを誘電体610内で設定して酸素源605を酸素シンク615に連結することが、第1の極性を有する第1の電圧を電極620と電極625との間に印加することによって達成され得るように、酸素シンク615、酸素源605、および誘電体610は構成され得る。酸素空孔に基づく導電性フィラメントは、メモリセル601の動作中に、高電流の流れを可能にさせ得る。導電性フィラメントを誘電体610内で再設定することが、第2の極性を有する第2の電圧を電極620と電極625との間に印加することによって達成され得、かつ第2の極性が第1の極性と同じであるように、酸素シンク615、酸素源605、および誘電体610は構成され得る。ある実施形態において、再設定のために用いられるよりも、2つの電極の間のより大きさの大きな電圧、より短いパルス、またはより大きさの大きな電圧とより短いパルスとの両方を用いて設定が行われるように、酸素シンク615、酸素源605、および誘電体610は構成され得る。他の変形は、再設定において、設定よりも長いパルスまたは短いパルスおよび高い電圧または低い電圧を印加することを含み得る。
【0026】
抵抗性メモリセル601が、ある回数のサイクルで動作可能であるように、酸素シンク615は、抵抗性メモリセル601の初期動作の前に、十分に大きな数の空孔と共に構成され得る。ある実施形態において、サイクルの数は少なくとも1万サイクルに等しくあり得る。酸素シンク615は、プラセオジウムカルシウムマンガン酸化物(Pr,Ca)MnO
x、ランタンストロンチウムコバルト酸化物(La,Sr)CaO
x、ランタンストロンチウムマンガン酸化物(La,Sr)MnOx、チタン酸ストロンチウムSrTiOx、またはABO
3、ABO
3−δ、ABO
3+δ、A
2BO
4、A
0.6BO
3、A
1−xBO
3、A
0.3BO
3、およびA
nB
nO
3n+1の形態の材料であって、AおよびBが遷移金属イオンである、材料のうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。他の酸素系材料は、酸素シンク材料として用いられ得る。酸素シンク615は導電性金属酸化物であり得る。酸素源605は、(Pr,Ca)MnO
x、(La,Sr)CaO
x、(La,Sr)MnOx、SrTiOx、またはABO
3、ABO
3−δ、ABO
3+δ、A
2BO
4、A
0.6BO
3、A
1−xBO
3、A
0.3BO
3、およびA
nB
nO
3n+1の形態の材料であって、AおよびBが遷移金属イオンである、材料のうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。高い酸素移動度および/または拡散率を有する他の酸素源も、酸素源材料として使用され得る。酸素源605は導電性金属酸化物であり得る。
【0027】
誘電体610は、酸素源の材料組成と酸素シンクの材料組成との間のバリア領域として構成され得る。誘電体610は、酸素が酸素源と酸素シンクとの間に流れることが抑制されるようなバリア材料を含み得る。誘電体610は、ZrO
x、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、TaO
x、HfSiO
x、Al
2O
3、AlO
x、CoO、CoO
x、NiO、NiO
x、Fe
2O
3、Fe
3O
4、FeO
x、Cu
2O、CuO、CuO
x、Zn:FeO
x、HfO
2、HfO
x、HfSiO
x、SiO
x,TiO
2、TiO
x、MgO、MgO
x、MnO
2、MnO
x、Ti:NiO、TaO
x、Ta
2O
5、WO
2、WO
3、WO
x、ZnO、ZnO
x、ZrO
2、ZrO
x、ZrSiO
x、またはこれらの材料の組み合わせのうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。ある実施形態において、誘電体610は、約20Å〜約30Åの範囲の厚さを有し得る。
【0028】
電極620および電極625は、Pt、Ru、RuO
x、Au、Ir、またはSrRuOのうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。他の貴金属またはそれらの組み合わせを使用して、2つの電極620および625の一方または両方を形成することができる。
【0029】
抵抗性メモリセル601はアクセスデバイスを含み得る。酸素シンク615、酸素源605、誘電体610、電極620、および電極625は、抵抗性メモリセル601内でアクセスデバイスに連結された抵抗性メモリ素子として配置され得る。アクセスデバイスおよび抵抗性メモリ素子は、メモリセルのアレイ内においてメモリセルとして配置され得る。アクセスデバイスは、アクセスデバイスとして機能し得る
図3のトランジスタ311、
図4のトランジスタ411、またはいくつかの他のトランジスタ等のトランジスタであり得る。アクセスデバイスは、また、
図5のダイオード511等のダイオードによって実現され得る。選択可能なアクセスを提供する他のアクセスデバイスを使用して、抵抗性メモリセル601の単極メモリセルとしての動作のために、電圧を電極620または電極625に提供することができる。装置600はメモリデバイスとして構成され得る。例えば、装置600は、
図1のメモリデバイス100、
図2のメモリデバイス200と類似もしくは同一の構造部を用いて、または別のメモリデバイスとして実現され得る。
【0030】
様々な実施形態において、フィラメントの作製は、単極セル内に電界を生成することによって達成され得、そこでは電界強度と電流との両方が、2つの電極の間に配置された酸素源と酸素シンクとの間のバリア誘電体の絶縁破壊において役割を果たす。酸素が酸素源からバリア誘電体内に移動することなく、酸素がバリア誘電体から酸素シンク内に移動し、フィラメントをバリア誘電体内に作製するように、フィラメントを形成(設定)する上での第1の動作として、2つの電極に亘る高電圧は、例えば、短いパルス(複数可)の一部として、高速動作において印加され得る。酸素シンクは、酸素が酸素バリア誘電体から酸素シンク内に移動し得る実質的な数の空孔を有するように設計され得る。再設定動作中、フィラメントおよび電界中を流れる電流は、酸素を酸素源からフィラメント中に駆動する熱を生成するのに十分高いことが有り得、それによってフィラメントを減退させる。熱、高電界によるイオンドリフト、または熱と高電界との両方によるイオンドリフトは、フィラメントを減退させるためのメカニズムを提供し得る。フィラメントは、再設定動作中に完全に減退され得る。ある実施形態において、フィラメント減退のために単極セルに対する印加された電圧は、フィラメントを生成するために用いられた絶縁破壊電圧よりも低くあり得、このより低い印加された電圧におけるより長いパルスを使用して、酸素をフィラメント内に駆動することができる。しかし、再設定印加電圧は、必ずしも、設定印加電圧よりも低いおよび/またはそのパルスにおいてより長くなくてもよい。
【0031】
図7は、抵抗性メモリセル701の部品を図解する抵抗性メモリセル701を含む装置700の実施形態のブロック図を示す。抵抗性メモリセル701は、電界駆動単極メモリセルとして構成され得る。抵抗性メモリセル701の部品は、酸素シンク715、酸素源705、酸素シンク715と酸素源705との間に配置された誘電体710、および2つの電極720、725を含み、酸素シンク715、酸素源705、および誘電体710は、電極720と電極725との間に配置される。導電性フィラメントを誘電体710内で設定して酸素源705を酸素シンク715に連結することが、第1の極性を有する第1の電圧を電極720と電極725との間に印加することによって達成され得るように、酸素シンク715、酸素源705、および誘電体710は構成され得る。導電性フィラメントを誘電体710内で再設定することが、第2の極性を有する第2の電圧を電極720と電極725との間に印加することによって達成され得、かつ第2の極性が第1の極性と同じであるように、酸素シンク715、酸素源705、および誘電体710は構成され得る。再設定のために用いられるよりも、2つの電極の間のより大きさの大きな電圧を用いて設定が達成されるように、酸素シンク715、酸素源705、および誘電体710は構成され得る。
【0032】
図7は、酸素源と酸素シンクとの間に積層された誘電体を有する抵抗性メモリセルであって、多くの配置において実現可能な単極メモリデバイスとして動作可能な抵抗性メモリセルを図解する例示の実施形態を示す。誘電体710が表面708−1の端712−1および712−2を超えて延びるように、誘電体710が酸素源705の表面708−1にわたって酸素源705に接触し得る。酸素シンク715が酸素源705の表面708−1の端712−1および712−2を超えて延びるように、酸素シンク715が誘電体710の表面708−2にわたって誘電体710に接触し得る。また、電極720と電極725との間に配置された酸素シンク715、酸素源705、および誘電体710の順番は、
図7に示すように電極720が基板702に接触するのではなく、電極725が基板702上に配置されかつ基板702に接触するように、逆さにされ得る。
【0033】
抵抗性メモリセル701が、ある回数のサイクルで動作可能であるように、酸素シンク715は、抵抗性メモリセル701の初期動作の前に、十分に大きな数の空孔と共に構成され得る。ある実施形態において、サイクルの数は少なくとも1万サイクルに等しくあり得る。酸素シンク715は、(Pr,Ca)MnO
x、(La,Sr)CaO
x、(La,Sr)MnOx、SrTiOx、またはABO
3、ABO
3−δ、ABO
3+δ、A
2BO
4、A
0.6BO
3、A
1−xBO
3、A
0.3BO
3、およびA
nB
nO
3n+1の形態の材料であって、AおよびBが遷移金属イオンである、材料のうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。他の酸素系材料は、酸素シンク材料として用いられ得る。酸素シンク715は導電性金属酸化物であり得る。酸素源705は、(Pr,Ca)MnO
x、(La,Sr)CaO
x、(La,Sr)MnOx、SrTiOx、またはABO
3、ABO
3−δ、ABO
3+δ、A
2BO
4、A
0.6BO
3、A
1−xBO
3、A
0.3BO
3、およびA
nB
nO
3n+1の形態の材料であって、AおよびBが遷移金属イオンである、材料のうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。高い酸素移動度および/または拡散率を有する他の酸素源も、酸素源材料として使用され得る。酸素源705は導電性金属酸化物であり得る。
【0034】
誘電体710は、酸素源の材料組成と酸素シンクの材料組成との間のバリア領域として構成され得る。誘電体710は、酸素が酸素源705と酸素シンク715との間に流れることが抑制されるようなバリア材料を含み得る。誘電体710は、ZrO
x、YSZ、TaO
x、HfSiO
x、Al
2O
3、AlO
x、CoO、CoO
x、NiO、NiO
x、Fe
2O
3、Fe
3O
4、FeO
x、Cu
2O、CuO、CuO
x、Zn:FeO
x、HfO
2、HfO
x、HfSiO
x、SiO
x,TiO
2、TiO
x、MgO、MgO
x、MnO
2、MnO
x、Ti:NiO、TaO
x、Ta
2O
5、WO
2、WO
3、WO
x、ZnO、ZnO
x、ZrO
2、ZrO
x、ZrSiO
x、またはこれらの材料の組み合わせのうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。ある実施形態において、誘電体710は、約20Å〜約30Åの範囲の厚さを有し得る。
【0035】
電極720および電極725は、Pt、Ru、RuO
x、Au、Ir、またはSrRuOのうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。他の貴金属またはそれらの組み合わせを使用して、2つの電極720および725の一方または両方を形成することができる。電極720は、絶縁性領域730−1および730−2内またはそれらの間に配置され得る。絶縁性領域730−1および730−2は、窒化ケイ素領域として実現され得る。酸素源705は、隣接する電極720内、または絶縁性領域730−1と730−2との間に配置され得る。
【0036】
抵抗性メモリセル701はアクセスデバイスを含み得る。酸素シンク715、酸素源705、誘電体710、電極720、および電極725は、抵抗性メモリセル701内でアクセスデバイスに連結された抵抗性メモリ素子として配置され得る。アクセスデバイスは、抵抗性メモリ素子に連結され、メモリセルのアレイ内においてメモリセルとして配置され得る。アクセスデバイスは、アクセスデバイスとして機能し得る
図3のトランジスタ311、
図4のトランジスタ411、またはいくつかの他のトランジスタ等のトランジスタであり得る。アクセスデバイスは、また、
図5のダイオード511等のダイオードによって実現され得る。選択可能なアクセスを提供する他のアクセスデバイスを使用して、抵抗性メモリセル701の単極メモリセルとしての動作のために、電圧を電極720または電極725に提供することができる。装置700はメモリデバイスとして構成され得る。例えば、装置700は、
図1のメモリデバイス100、
図2のメモリデバイス200と類似もしくは同一の構造部と共に、または別のメモリデバイスとして実現され得る。
【0037】
図8Aは、誘電体810内のフィラメント807が生成される抵抗性メモリセル801の実施形態のブロック図を示す。フィラメント807を誘電体810内で生成することは、導電性経路を酸素源805から酸素シンク815に提供し得る。フィラメント807は、基板802上に配置された電極825と電極820との間の電圧差を提供することによって生成され得る。電圧差の印加と共に、酸素は、誘電体810から酸素シンク815内に駆動され得る。電圧差は、電極820を0ボルトにして印加され得る。電圧差は、電極820を0ボルト以外の電圧にして印加され得る。電圧は、酸素が酸素源805から誘電体810内に移動し始めないように、短い時間にわたって印加され得る。メモリセル801は、メモリセル601もしくはメモリセル701と類似または同一の方法で形成され得る。
【0038】
図8Bは、誘電体810内のフィラメント807が再設定される抵抗性メモリセル801の実施形態のブロック図を示す。フィラメント807を再設定することは、酸素源805から酸素シンク815への導電性経路を減少させ、抵抗性メモリセル801の抵抗を増加させ得る。導電性経路は、減退フィラメント807によって減少され得る。フィラメント807は、酸素を酸素源805から誘電体810内に駆動することによって減退され得る。酸素は、基板802上に配置された電極825と電極820との間の電圧差を提供することによって駆動され得る。電圧差は、電極820を0ボルトにして印加され得る。電圧差は、電極820を0ボルト以外の電圧にして印加され得る。フィラメント807を減退させるための電圧差の極性は、フィラメントを生成するために用いられた電圧差の極性と同じであり得る。フィラメントを生成するための電圧差の大きさは、フィラメントを減退させるために用いられた電圧差の大きさよりも大きいことがあり得る。
【0039】
図9は、抵抗性メモリセルを形成する方法の例の実施形態の特徴を示す。910において、酸素シンクは形成される。酸素シンクは抵抗性メモリセルの一部として形成される。酸素シンクを形成することは、酸素源を形成する温度よりも高い温度で酸素シンクの材料を処理して、酸素シンクの材料内に酸素空孔を生成することを含み得る。酸素シンクを形成することは、酸素源を形成するために用いられる酸素分圧よりも低い酸素分圧で酸素シンクの材料を処理することを含み得る。酸素シンクを形成するための温度は、約300℃〜約800℃の範囲内であり得る。酸素シンクを形成するための酸素分圧は、約0〜数トルに及び得る。他の温度、酸素分圧、または温度と酸素分圧との組み合わせを使用することができる。典型的には、より高い温度およびより低い酸素分圧は、これらの条件を酸素シンクに使用されるのに好ましくする酸素空孔を好む。酸素シンクを形成することは、材料内に酸素空孔を生成するための選択された化学量論に基づいて、酸素シンクの材料を処理することを含み得る。酸素シンクを形成することは、導電性金属酸化物を形成することを含み得る。
【0040】
920において、酸素源は形成される。酸素源は抵抗性メモリセルの一部として形成される。酸素源を形成することは、導電性金属酸化物を形成することを含み得る。930において、誘電体が酸素シンクと酸素源との間に配置されるように、誘電体は形成される。誘電体を形成することは、酸素源と酸素シンクとの間の酸素の流れを抑制するためのバリアを形成することを含み得る。940において、酸素シンク、酸素源、および2つの電極の間に配置された誘電体を有する2つの電極は形成される。酸素源を酸素シンクに連結する誘電体内に導電性フィラメントを設定することが、2つの電極の間に印加された第1の電圧を用いて動作可能に行われ得るように、酸素シンク、酸素源、および誘電体は構成され得る。この構造の誘電体内にフィラメントを再設定することは、2つの電極の間に印加された第2の電圧を用いて動作可能に行われ得、第2の電圧は、第1の電圧の極性と同じ極性を有する。
【0041】
バリア誘電体が、約20Åの厚さ、およそ5〜8単層のフィラメント、および約20Åのフィラメントの幅を有する単極メモリセルに対する設計例において、フィラメント内におよそ125アトムがあり得る。単極抵抗性メモリ素子の動作メカニズムが酸素の一方向輸送を伴うので、酸素源は、十分な量の酸素を含んで、指示された期間持続するように設計され得る。例えば、交差点構造体内のNANDデバイスの交換対象として、指示された時間は、10,000(10K)サイクルに設定され得る。酸素源からの全ての可用な酸素の完全な輸送に関して、125x10,000=125x10
4アトムは10Kサイクルに対して用いられる。PrCaMnO
3は酸素源として使用することができ、式中、PrCaMnO
3は、2.21884x10
−28m
3の単位セル体積を有し、a=5.40x10
−10、b=7.61x10
−10、およびc=5.40x10
−10の格子定数を有する。PrCaMnO
3を酸素源として用いて、5%の空孔密度を有意に超えて導電率低下を呈し、およそ125nmのPrCaMnO
3の厚さを使用できる。しかし、いくつかの種類の動作は、あるパーセントの酸素の移動にしかならないこともあり得る。バリア誘電体およびフィラメントの異なる特徴を有する酸素源の適切な厚さならびに組成は、単極メモリセルを構成するための適切な材料を選択する上で決定され得る。
【0042】
図10は、抵抗性メモリセルを動作させる方法の例の実施形態の特徴を示す。1010において、酸素が誘電体内に酸素シンクから駆動され、フィラメントが誘電体内に形成されるように、第1の電圧差は2つの電極の間に印加される。酸素シンクは、2つの電極の一方と誘電体との間に配置される。第1の電圧差を印加することは、酸素が酸素源から誘電体内に実質的に移動しないように、ある期間、第1の電圧差を印加することを含み得る。誘電体に酸素源からこの時間で移動する酸素の量は、フィラメントの形成を防ぐであろう量未満、または選択された抵抗よりも大きなレベルに形成されているフィラメントの抵抗を増加させるであろう量未満に限定され得る。第1の電圧差の大きさは、酸素がフィラメントから駆動されたフィラメントを形成する誘電体を絶縁破壊するために閾値電圧よりも高く設定され得る。形成されたフィラメントは、酸素シンクに接触している誘電体の表面から、酸素シンクに接触している表面の反対の誘電体の表面まで導電性経路を提供し得る。閾値電圧は、誘電体の厚さ、誘電体の材料組成、誘電体の他の特徴の組み合わせ、および酸素シンクの特徴に依存し得る。
【0043】
1020において、酸素が誘電体内に酸素源から駆動され、そこで第1の電圧差および第2の電圧差が同じ極性を有するように、第2の電圧差は2つの電極の間に印加される。酸素源は、誘電体と2つの電極のうちの他方との間に配置される。第2の電圧差を印加することは、酸素源の酸素シンクに対する連結を減少させ、2つの電極の間の抵抗を増加させる程度に、酸素を誘電体内に駆動して、フィラメントを誘電体内で除去するのに十分な大きさで、第2の電圧差を印加することを含み得る。第2の電圧差を印加することは、フィラメントを完全に除去するために、第2の電圧を印加することを含み得る。第2の電圧差の大きさは、酸素を誘電体内のフィラメント内に移動させるために閾値電圧よりも高く設定され得る。第2の電圧差の大きさ、および第2の電圧差の閾値電圧の大きさは、第1の電圧の大きさよりも低いレベルに設定され得る。閾値電圧は、誘電体の厚さ、誘電体の材料組成、誘電体の他の特徴の組み合わせ、および酸素源の組み合わせに依存し得る。酸素源は、印加された電界下で相対的に高い酸素拡散率または移動度を有し得る。第1の電圧差を印加することおよび第2の電圧差を印加することは、メモリセルを調整して2つの抵抗状態で動作するように、電圧を用いることを含み得る。
【0044】
図11は、複数の電子部品を提供するように配置されたウェーハ1100の例を図解する。ウェーハ1100は、複数のダイス1105が製作され得るウェーハとして提供され得る。あるいは、ウェーハ1100は、複数のダイス1105が加工されて電子機能性を提供して、パッケージ化のためにウェーハ1100からの単体化を待っているウェーハとして提供され得る。ウェーハ1100は、半導体ウェーハ、セミコンダクターオンインシュレータウェーハ、または集積回路チップ等の電子デバイスを処理するための他の適切なウェーハを含み得る。ウェーハ1100は、
図1〜10に関係した任意の1つ以上の実施形態に従って製作され得る。
【0045】
ウェーハ1100上の他のダイスと同じ機能性およびパッケージ構造を有する集積回路として、それぞれのダイス1105が製作されるように、様々なマスキングおよび加工技法を用いて、それぞれのダイス1105は、機能的回路網を含むように加工され得る。あるいは、ダイス1105のうちの全てがウェーハ1100上の他のダイスと同じ機能性および実装構造を有する集積回路として、製作されるわけではないように、様々なマスキングおよび加工技法を用いて、様々な組のダイス1105が機能的回路網を含むように加工され得る。電子能力を提供し、その上で集積された回路を有するパッケージ化されたダイスは、本明細書では集積回路(IC)と称される。
【0046】
ウェーハ1100は、抵抗性メモリを含み得、それぞれの抵抗性メモリはダイス1105内に位置付けられる。抵抗性メモリはRRAMとして構成され得る。それぞれの抵抗性メモリは抵抗性メモリセルを含み得る。それぞれの抵抗性メモリセルは、2つの電極の間の積層配置を有する2つの電極を含み得、積層配置は、酸素源と酸素シンクとの間にバリア誘電体を含む。バリア誘電体は、抵抗性メモリセルの動作可能可変抵抗領域として構成され得、その中でフィラメントは、同じ極性の電圧を用いて設定および再設定され得る。フィラメントを設定する電圧の大きさは、フィラメントが再設定される電圧の大きさよりも大きくあり得る。
【0047】
図12は、抵抗性メモリとして構成されるメモリ1203を含むシステム1200のブロック図を示す。抵抗性メモリは抵抗性ランダムアクセスメモリであり得る。それぞれの抵抗性メモリセルは、2つの電極の間の積層配置を有する2つの電極を含み得、積層配置は、酸素源と酸素シンクとの間にバリア誘電体を含む。バリア誘電体は、抵抗性メモリセルの動作可能可変抵抗領域として構成され得、その中でフィラメントは、同じ極性の電圧を用いて設定および再設定され得る。フィラメントを設定する電圧の大きさは、フィラメントが再設定される電圧の大きさよりも大きくあり得る。抵抗性メモリセルおよびメモリの単極デバイス構造部は、本明細書で議論されるような様々な実施形態に従って、構造と類似または同一の方法で実現され得る。
【0048】
システム1200は、メモリ1203に動作可能に連結された制御装置1201を含み得る。システム1200は、また、電子装置1211および周辺装置1209を含み得る。制御装置1201、メモリ1203、電子装置1211、および周辺装置1209のうちの1つ以上は、ICのうちの1つ以上の形態であり得る。バス1206は、システム1200の様々な部品の間および/または中で電気導電率を提供する。ある実施形態において、バス1206は、それぞれが独立して構成されるアドレスバス、データバス、および制御バスを含み得る。代替の実施形態において、バス1206は、アドレス、データ、または制御のうちの1つ以上を提供するための共通の導電線を用い、その使用は、制御装置1201によって規制される。制御装置1201は、その形態または1つ以上のプロセッサにおいて実現され得る。
【0049】
電子装置1211は追加メモリを含み得る。システム1200内のメモリは、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、同期動的ランダムアクセスメモリ(SDRAM)、同期グラフィックスランダムアクセスメモリ(SGRAM)、ダブルデータレート動的ラム(DDR)、ダブルデータレートSDRAM、および磁気ベースメモリ等の1つ以上の種類のメモリとして構成され得るが、これらに限定されない。
【0050】
周辺装置1209は、制御装置1201と併せて動作し得るディスプレイ、撮像デバイス、印刷デバイス、無線デバイス、追加記憶メモリ、および制御デバイスを含み得る。様々な実施形態において、システム1200は、光ファイバーシステムまたはデバイス、電子光学システムまたはデバイス、光学システムまたはデバイス、撮像システムまたはデバイス、ならびに無線システムまたはデバイス、電気通信システムまたはデバイス、およびコンピュータ等の情報取扱システムまたはデバイスを含み得るが、これらに限定されない。
【0051】
特定の実施形態が本明細書に図解かつ説明されたが、同じ目的を達するために計算される全ての配置が、示される特定の実施形態の代わりに使われ得ることが、当業者によって認識されるだろう。様々な実施形態は、本明細書に記載された実施形態の順列および/または組み合わせを用いる。上記の説明が図解を意図されるが、制限的なものではなく、本明細書中に用いられる語法または専門用語が説明の目的のためのものである、ことが理解されるべきである。また、上述の詳細な説明において、様々な特徴が本開示を合理化するために単一の実施形態にまとめられる、ことが理解され得る。開示の本方法は、特許請求の範囲に記載された実施形態がそれぞれの請求項に明示的に述べられるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。このように、以下の特許請求の範囲は、本明細書によって詳細な説明内に組み込まれ、それぞれの請求項は、別個の実施形態として独立している。