(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6110971
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】計量ユニット
(51)【国際特許分類】
G01F 13/00 20060101AFI20170327BHJP
G01F 23/62 20060101ALI20170327BHJP
B67D 3/00 20060101ALI20170327BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
G01F13/00 331S
G01F23/62 P
B67D3/00 G
B67D3/00 F
B05C11/10
【請求項の数】19
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-47797(P2016-47797)
(22)【出願日】2016年3月11日
(65)【公開番号】特開2016-188852(P2016-188852A)
(43)【公開日】2016年11月4日
【審査請求日】2016年3月11日
(31)【優先権主張番号】10 2015 104 791.8
(32)【優先日】2015年3月27日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514297888
【氏名又は名称】マルコ システマナリセ ウント エントヴィックルング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ロイター
【審査官】
森 雅之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−36619(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0256501(US,A1)
【文献】
特開昭53−39768(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F
B67D
B05C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体媒体の自動的な計量のための計量ユニットであって、
ロボットへの締結のための締結要素(12)を備えるモジュールキャリア(10)と、
モジュールキャリア(10)に締結されたバルブモジュール(14)と、
モジュールキャリア(10)に交換可能に締結された媒体貯蔵部(16)と、を有し、
電源用に単一のプラグ接続式コネクタ(18)が設けられており、該接続式コネクタによって供給電圧(U,Z)とデータバス(D)とが計量ユニットに結合され、
交換可能な拡張モジュール(24)が、モジュールキャリア(10)に接続されて電源とデータラインのディストリビュータを構成することを特徴とする計量ユニット。
【請求項2】
締結要素(12)は、交換可能であることを特徴とする請求項1に記載の計量ユニット。
【請求項3】
バルブモジュール(14)は、交換可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の計量ユニット。
【請求項4】
媒体貯蔵部は、加熱可能なカートリッジホルダ(16,116,216,416,616)として構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項5】
交換可能な充填レベルセンサ用の収容部(56)が、媒体貯蔵部(16)に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項6】
圧縮給気のための制御バルブ(32)がモジュールキャリア(10)に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項7】
クロージャ(36)が媒体貯蔵部(16)に設けられており、圧縮給気(72)が該クロージャを通して導かれることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項8】
クロージャ(36)が媒体貯蔵部(16)に設けられており、ドライパック(70)が該クロージャと一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項9】
クロージャ(36)が媒体貯蔵部(16)に設けられており、媒体貯蔵部に挿入されるカートリッジ(40)は、該クロージャによって周方向に規定される向きでしか固定できないことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項10】
カートリッジ出口(41)のためのねじが設けられたコネクタ片(43)が媒体貯蔵部(16)に取り付けられており、コネクタ片は周方向において異なる向きで固定可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項11】
圧縮空気によって動作可能な加圧器(438,440)が媒体貯蔵部(416)に取り付けられており、該加圧器は、媒体貯蔵部(416)内に移動できる圧力プランジャ(438)を備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項12】
特に加熱可能である媒体供給源(62)は、交換可能に媒体貯蔵部(16)とバルブモジュール(14)との間に配置することができることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項13】
前記締結要素は、交換可能なアダプタプレート(12)であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項14】
バルブモジュール(14)は、データバスコネクタとデータバスプロセッサとを備えることを特徴とする請求項1〜13に記載の計量ユニット。
【請求項15】
浮動体(319)が媒体貯蔵部(316)内に設けられており、該浮動体は、充填レベルセンサ(382)と協働し、媒体貯蔵部は、浮動体(319)を通して充填可能であることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項16】
加圧貯蔵部と、特に追加で加熱装置が、媒体貯蔵部(516)と一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項17】
バルブモジュール(614)は、モジュールキャリア(610)と一体に設けられていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項18】
媒体貯蔵部(616)が水平位置に配置されており、媒体貯蔵部(616)をその水平軸を中心に回転させる回転装置(650)が設けられていることを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の計量ユニット。
【請求項19】
圧縮給気が、圧縮空気ガイド(72)からドライパック(70)を通して導かれることを特徴とする請求項7または8に記載の計量ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体媒体の自動計量のための計量ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤やコーティングなどの液体媒体の計量は、典型的に異なる要素の相互作用によって行われる。異なる粘度を有しうる液体は、典型的に貯蔵タンク内で加圧され、バルブによって滴下式に計量されることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、自動化された用途で幅広く使用できる上記計量ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的は、請求項1の特徴部によって達成され、特に、特に交換可能な締結要素である、締結要素を備えるモジュールキャリアを有する計量ユニットによって達成され、締結要素は、ロボットへの締結、特に交換可能にモジュールキャリアに固定されるバルブモジュールへの締結およびモジュールキャリアに交換可能に固定される媒体貯蔵部への締結のために使用される。
【0005】
本発明による計量ユニットによって、一連のモジュール設計が得られ、この設計では、モジュールに欠陥があるか、修理を要するか、他の用途のために計量ユニットの変更が必要なときに、システムの個々のモジュールが単純な方法で交換可能である。計量ユニットは、モジュールキャリアに設けられた締結要素によって単純な方法でロボットに締結可能である。計量ユニットの他の変更も、バルブモジュールとしてのバルブの設計および交換可能な媒体貯蔵部を提供することによって単純な方法で達成することができる。例えば、タンクとして構成された媒体貯蔵部は、カートリッジホルダとして機能する媒体貯蔵部と交換可能である。これにより、計量ユニットは、リザーバから充填できるタンクと交換可能なカートリッジとのいずれでも動作可能となる。
【0006】
本発明の有利な実施例が明細書、図面および従属項に記載されている。
【0007】
第1の有利な実施例によると、単一のプラグ接続式コネクタを電源用に設けることができ、このプラグ接続式コネクタによって供給電圧とデータバスの両方が計量ユニットに結合される。これにより、ロボットアームと計量ユニットとの間で必要な接続部の数が最小化される。同時に、計量ユニットや計量ユニットに設けられたモジュールやセンサのインテリジェント制御も可能となる。
【0008】
他の有利な実施例によると、電源ラインおよびデータラインのデストリビュータを構成する交換可能な拡張モジュールをモジュールキャリアに接続することができる。計量ユニットは、このような拡張モジュールにより、例えば1つの電気部品のみを含む単純な用途から、複数の電気的に制御可能な構成要素および/またはセンサがモジュールキャリアに設けられるより要求の高い用途に変更可能である。
【0009】
媒体貯蔵部は、加熱可能なカートリッジホルダとして構成された場合には、カートリッジの使用にかかわらず、媒体貯蔵部に提供される加熱によって媒体の濃度に影響を与えることができるため有利である。
【0010】
また他の有利な実施例によると、交換可能な充填レベルセンサの収容部を媒体貯蔵部に設けることができる。これにより、所望に応じて計量ユニットに充填レベルセンサを備えるか後付けすることができる。つまり、充填レベルセンサは、組立以外の他の処置を要することなく、必要に応じて設けることができる計量ユニットの交換可能なモジュールの例である。
【0011】
さらに他の有利な実施例によると、圧縮給気用の制御バルブをモジュールキャリアに設けることができる。これにより、計量すべき液体を加圧して計量の精度を高めることができる。
【0012】
またさらに他の有利な実施例によると、媒体貯蔵部にクロージャを設けることができ、このクロージャを通して圧縮給気が導かれる。これにより、計量ユニット内の圧縮空気は、媒体貯蔵部の内部または媒体貯蔵部内に配置されたカートリッジの内部に導くことができ、カートリッジの交換や媒体貯蔵部の再充填の後でも液体に圧縮空気を供給することが可能となる。
【0013】
この点について、圧縮空気は湿り気があることが多く、媒体によっては水分と反応するため、ドライパックをクロージャと一体に設けると有利でありうる。また他の有利な実施例では、液体に加える前に空気を除湿するように、圧縮空気をクロージャ内の圧縮空気ガイドからドライパックを通って導くことができる。
【0014】
さらに他の実施例では、閉鎖部にクロージャを設けることができ、このクロージャによって、媒体貯蔵部に挿入されたカートリッジは、周方向において規定された向きのみで固定されうる。これは、差込み固定用の2つの羽根を上面に備えるカートリッジの使用時に有利である。すなわち、カートリッジの2つの羽根を、常に圧縮給気を受け入れる規定の向きに確実に設けることができる。
【0015】
カートリッジ出口用のねじが設けられたコネクタ片が、周方向の向きが異なる位置で固定できるように媒体貯蔵部に取り付けられていれば同様に有利でありうる。市販のカートリッジは、多くの場合カートリッジ出口に規格化されたねじが設けられており、このねじにコネクタ片が螺合される。しかし、このようなコネクタ片が、計量ユニットの所望の位置に固定された場合には、カートリッジをコネクタ片に螺合した後でカートリッジが上述の所望の周方向の向きにあることを保証することができない。しかし、説明した実施例では、最初にカートリッジをコネクタ片に螺合し、次に周方向の所望の向きに達するようにカートリッジを整列させてから、得られた向きでコネクタ片を(周方向で)固定することができる。これにより、次のカートリッジのねじも(少なくとも同じ1つのロットの)交換されるカートリッジのねじと同じ寸法を有するため、続くカートリッジの交換によってさらなる調整を行う必要はない。
【0016】
また他の有利な実施例では、圧縮空気で動作可能な加圧器を媒体貯蔵部に取り付けることができ、この加圧器は、媒体貯蔵部内に移動可能なピストンを有する。給気の圧力は、例えば、このような加圧器を使用して、特定の用途で有利となる3倍以上に増加させることができる。この実施例では、同時に、追加の圧力ユニットを設けたり、変更したモジュールキャリアを使用したりする必要がない。
【0017】
媒体供給源が、媒体貯蔵部とバルブモジュールとの間に交換可能に配置されることが有利である。このような媒体供給源に、例えば、加熱要素または混合要素を設置して、計量ユニットの応用範囲をさらに広げることができる。計量ユニットは、交換または異なる媒体供給源の使用により、異なる液体の必要条件に簡単に適応させることができる。
【0018】
さらに他の有利な実施例では、締結要素は、交換可能なアダプタプレートとすることができ、計量ユニットは、モジュールキャリアの変更を必要とせずにアダプタプレートを用いて異なるロボットアームに締結することができる。
【0019】
バルブモジュールがデータバスコネクタとデータバスプロセッサを有する計量ユニットによって有利な実施例が提供される。これにより、バルブモジュールは、含まれうる他の構成要素をデータバスを介してデータバスプロセッサを用いて制御する計量ユニットのインテリジェント制御要素として機能する。
【0020】
またさらに他の有利な実施例では、充填レベルセンサと協働する浮動体を媒体貯蔵部内に配置することができ、媒体貯蔵部は浮動体を通して充填可能である。これにより、作動を中断せずに、いつでも上部から媒体貯蔵部に媒体または液体を充填または再充填することができる。例えば、媒体貯蔵部が空に近くなり、浮動体がその下端点に達すると、続いて浮動体を通して媒体貯蔵部に媒体を再充填することができるように、データバスを用いて充填レベルセンサによって媒体の再充填が必要であるという信号が送られる。媒体の再充填によって、上端位置に達するまで浮動体が浮力によって再度上昇し、上端位置に達すると媒体供給源がオフになる。
【0021】
他の有利な実施例では、圧力貯蔵部そして特に加熱装置を媒体貯蔵部と一体に設けることができる。この実施例では、圧縮空気供給源で発生する圧力変動がなくなる。
【0022】
また他の実施例では、バルブモジュールをモジュールキャリアと一体に設けて、特にコンパクトな実施例を得ることができる。
【0023】
さらに他の実施例では、媒体貯蔵部は、水平位置に配置することができ、媒体貯蔵部をその水平軸を中心に回転させるために回転装置を設けることができる。この実施例は、一方では、比較的長い計量時間にわたって、時間の経過とともに媒体の均質性に影響を与えて計量結果を損なうような充填材料の沈降が起こらないという利点を有する。他方では、媒体貯蔵部の回転によって媒体の連続的な混合が行われ、媒体の均質性が高まる。
【0024】
供給される圧縮空気の除湿が行われるため、上述のクロージャ内の圧縮空気が、ドライパックを通って圧縮空気ガイドから導かれることがさらに有利でありうる。
【0025】
本発明は、以下では、異なる実施例および添付図面を参照して単に例示として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】計量ユニットの第1の実施例の分解図である。
【
図2】
図1の計量ユニットの組立状態の斜視図である。
【
図4】計量ユニットの第2の実施例の分解図である。
【
図5】計量ユニットの第3の実施例の分解図である。
【
図6】
図5の計量ユニットの媒体貯蔵部を通る長手方向断面図である。
【
図7】計量ユニットの第4の実施例の分解図である。
【
図8】
図7の計量ユニットの媒体貯蔵部を通る長手方向断面図である。
【
図9】計量ユニットの第5の実施例の分解図である。
【
図10】
図9の計量ユニットの加圧器を通る長手方向断面図である。
【
図11】計量ユニットの第6の実施例の分解図である。
【
図13】計量ユニットの第7の実施例の分解図である。
【
図14】組立状態の
図13の計量ユニットを通る断面図である。
【
図15】
図14の計量ユニットの液圧制御の概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1,
図2に示す液体媒体の自動化された計量のための計量ユニットは、完全なモジュール構造であり、ロボットへの締結のための交換可能な締結要素を備えるモジュールキャリア10を有し、図示の実施例の締結要素は、ロボットアームへの締結用の組立ボアが設けられた交換可能なアダプタプレート12である。
【0028】
計量ユニットは、さらに、モジュールキャリア10に交換可能に締結されたバルブモジュール14と媒体貯蔵部16とを備える。
【0029】
計量ユニットの電力供給源として、単一のプラグ接続式コネクタ18がバルブモジュール14に設けられており、このプラグ接続式コネクタ18にプラグ20を差し込んで単一のケーブル22を介して供給電圧とデータバスとの両方を接続することができる。
【0030】
図示の実施例において、さらに他のモジュールおよび/またはセンサや構成要素を計量ユニットに電気的に結合するには、交換可能な拡張モジュール24がモジュールキャリアに接続されて電気供給およびデータラインのディストリビュータを構成する。拡張モジュール24は、平行六面体形状に形成されるとともに下面にプラグ25が設けられ、このプラグ25は、バルブモジュール14がモジュールキャリア10の下方に配置され、かつ拡張モジュール24がバルブモジュールの上面に配置されるように、バルブモジュール14の第2のプラグ接続式コネクタ19にプラグ接続することができる。
【0031】
中間キャリア26が、モジュールキャリア10の上方に設けられ、アダプタプレート12と平行に延在するとともに、実質的に平行六面体形状であり、追加の構成要素を締結するとともに空気を配分するように機能する。この目的のために、中間キャリア26の上外側面に圧縮空気コネクタ28が設けられており、この圧縮空気コネクタ28を介して圧縮空気管30を用いて計量ユニットに圧縮空気を供給することができる。供給された圧縮空気は、中間キャリア26を通して圧縮空気コネクタ28から圧縮空気バルブ32内に送られ、圧縮空気バルブ32も、同様に平行六面体形状であり、プラグ接続式電気コネクタによって拡張モジュール24の上面に差し込まれる。圧縮空気バルブ32は、拡張モジュール24がモジュールキャリア10に同時に締結されるように、ねじ33を用いて中間キャリア26に固くねじ留めされうる。これにより、圧縮空気バルブ32を同時に電気的に作動させることができる。制御は、データバスに接続されたデータラインを介して行われ、データバスは、バルブモジュール14および拡張モジュール24を介してプラグ20から案内される。
【0032】
圧縮空気管30を通して供給される圧縮空気を媒体貯蔵部16に計量して供給するために、上記の圧縮空気は、バルブ32の出口から中間キャリア26の上端面で終端となる中間キャリア26の空気通路内に戻るように導かれる。完全に組み立てられた状態(
図2参照)では、空気がクロージャ36を通して媒体貯蔵部16の内部に案内されるように、上記の空気出口は、クロージャ36によって覆われ、中間キャリア26の上方端側においてクロージャ36に設けられた空気案内通路が空気出口と整列する。
【0033】
図示の実施例では、媒体貯蔵部16は、カートレッジホルダとして構成され、すなわち、上面に2つの羽根部42,44が設けられたカートレッジ40が媒体貯蔵部16(
図3も参照)に挿入されて、差込み式締結部として構成されたクロージャ36を用いて媒体貯蔵部16に連結される。カートリッジ40の周方向での向きが常に変わらないことを保証するために、カートリッジ40の羽根42,44に対応し、羽根42,44をカートリッジ40の適切な位置と整列させる2つのフランジ46,48が媒体貯蔵部18の上面に設けられている。クロージャ36のラッチがかかった状態では、羽根42,44は自動的に押されて、整列された向きとなり、カートリッジの規定の位置がその周方向に対して固定される。
【0034】
図1に示すように、図示の実施例では、媒体貯蔵部16は、ケーブルとプラグ接続式コネクタ52とを介して拡張モジュール24に接続された加熱装置50を有する。
【0035】
特に小型の設計を達成するために、媒体貯蔵部16は、その下3分の1に交換可能な充填レベルセンサ58用の収容部56を有し、この充填レベルセンサ58は、超音波によって作動し、ケーブルおよびプラグ接続式コネクタを介して拡張モジュール24に接続される。充填レベルセンサ58は、平面図において実質的にC字形に形成され、外部からカートリッジ40の壁に直接超音波を当てることができるように、モジュールキャリア10の対応する収容部内に押し込まれうる。充填レベルセンサ58が計量ユニットと完全に一体化されると同時に計量ユニット内に保持されるように、中間キャリア26には、特に小型構造のための2つのリセス27が設けられている。
【0036】
バルブモジュール14は、その前方下部にバルブインサート60を有し、このバルブインサート60は、計量プロセスの詳細に従って選択され、このバルブインサート60を通して計量される媒体が送り出される。媒体供給源62が、媒体貯蔵部16から媒体を供給するように機能し、加熱装置64にプラグ接続され、この加熱装置64はケーブルおよびプラグを介して拡張モジュール24と接続されている。
【0037】
加熱保護カバーとして放熱器を有しうるカバー66は、
図2に示す計量ユニットの後方側に設けられている。最後に、参照符号68は、外側ハウジングを示し、この外側ハウジングは、内部に配置された断熱材を有し、断面がU字形であり、媒体貯蔵部16を介して差し込まれるとともに中間キャリア26に接続されている。
【0038】
図3は、挿入されたカートリッジ40を含むカートリッジホルダ16を通る拡大された長手方向断面を示しており、クロージャ36はOリングによって密閉され、かつクロージャ36に螺合されたカバー37を有することが確認できる。インサート39が、カバー37の下方でクロージャに螺合され、カバー37とインサート39との間にドライパック70が配置される中間の空間38が形成されている。
【0039】
さらに、
図3において確認できるように、圧縮空気通路72がクロージャ36と一体に設けられており、この圧縮空気通路によって、圧縮空気を中間キャリア26から中間の空間38に送ることができ、ここからドライパック70を通してカートリッジ40の内部に送ることができる。適切にラッチされた差込み式締結部によって、クロージャ36の圧縮空気通路72は、中間キャリア26に設けられた空気通路29と整列し、Oリングによって密閉されたばね式ピストン74が、密閉された連結のためにクロージャ36と一体に設けられている。よって、空気通路29,72の連結は、中間キャリア26を介して差込み式締結部36をラッチするだけで行われる。
【0040】
図4は、計量ユニットの第2の実施例を示し、同様の構成要素には同様の参照番号を付している。この実施例では、媒体貯蔵部116に設けられたカートリッジ140には、羽根が設けられておらず、差込み式ラッチが下面に設けられたクロージャ136は、フッド形状に形成されて媒体貯蔵部116上に配置され、回転によってラッチすることができる。この場合には、さらに、クロージャ136に設けられた空気通路を通して圧縮空気の供給が行われ、空気通路は、圧縮空気がカートリッジ140の内部に導かれるようにクロージャの下面からその上面まで案内される。
【0041】
図5は、媒体貯蔵部が変更された計量ユニットの第3の実施例を示している。
図5に示す計量ユニットに用いられる媒体貯蔵部216は、閉じたハウジングを有していないが、
図1〜
図3の実施例と同様に羽根42,44を有する市販のカートリッジ40を受け入れるように機能する。このカートリッジにより、上記で説明した実施例と同様に、カートリッジ出口41は規格雌ねじ(ルアーロック)を有し、相補形のねじを有するコネクタ片43をカートリッジ出口41のねじに取り付けることができる。このために、まず、カートリッジを上方からカートリッジホルダ216に挿入し、次に、コネクタ片43をカートリッジホルダ216の下方からカートリッジ出口41に完全に螺合させて、コネクタ片43のリングウェブ45が、媒体貯蔵部216のリングフランジ217に整列して接触するようにする。続いて、羽根42,44が媒体貯蔵部216の対応するフランジ242,244と整列するまで、カートリッジ40を周方向に回転させることができる。次に、コネクタ片43をリングフランジ217にねじ留めすることができ、周方向で向きが異なる位置での固定を可能にするようにリングウェブ45に湾曲した細長い孔が設けられる。
【0042】
このようにコネクタ片43が媒体貯蔵部216に固定されていると、空になったカートリッジ40を(クロージャ36を外した後で)コネクタ片43から取り外して新しいカートリッジと交換することができる。この新しいカートリッジは、同じねじ形状を有するため、続いて媒体貯蔵部216に挿入してコネクタ片43に螺合することができ、ねじによる完全な取付後、カートリッジ40の羽根42,44は、媒体貯蔵部216の対応するフランジ242,244と再び整列する。
【0043】
図5に示す実施例では、内部ピストン280が充填レベルを測定するよう機能し、磁石281(
図6参照)を有し、媒体貯蔵部216に設けられて拡張モジュール24と電気的に接続されるセンサ282と協働する。実施例に示したセンサ282は、互いに隣接して配置された一連のホール要素によって構成され、ピストン280がカートリッジ40内でその下端位置に達したときにデータバスを介して信号を送る。
【0044】
図6は、媒体貯蔵部216内に配置されたカートリッジ40を通る拡大断面図を示し、内部に磁石が配置されたピストン280の断面を容易に確認することができる。コネクタ片43も、同様に容易に確認することができ、カートリッジ出口41に螺合されているとともに、そのリングウェブ45が(カートリッジ40の周方向での正しい配置の後)カートリッジホルダ216のリングフランジ217に固定されている。
【0045】
図7は、媒体貯蔵部316がさらに変更された計量ユニットの第4の実施例を示している。この実施例では、媒体貯蔵部316は、リングフランジ317が下面に設けられた平行六面体のタンクとして形成され、リングフランジ317は、モジュールキャリア10の開口部にプラグ接続される。
【0046】
内部が円筒形に形成された媒体貯蔵部316には、浮動体319が設けられ、この浮動体319は、組み込まれた磁石318を介して上記で説明した実施例と同様に形成された充填レベルセンサ382と協働する。
【0047】
この実施例では、媒体貯蔵部316の充填は、上方に設けられた充填コネクタ334を介して行われ、この充填コネクタ334は、媒体貯蔵部316のカバー336に螺合される。充填管338が、充填コネクタ334に下方からプラグ接続されて固定され、ほぼ媒体貯蔵部316の中間まで延在し、浮動体319が
図8に示す最低位置にあるときに前方端部が浮動体319の中央通路340に浸かる。通路340は、浮動体319の上面から下面まで延在し、媒体ホース333によって媒体または液体が充填管338および通路340を通してタンクの下面まで充填可能となるように浮動体319の下面において拡大する。これにより、浮動体319が浮力によって上部位置に達するまで浮き、この位置では充填管338が浮動体319内に実質的に収容される。
【0048】
図7の参照符号366は、冷却リブを含まないカバーを示す。
【0049】
図9に示す計量ユニットの第5の実施例では、第1の実施例の媒体貯蔵部16と実質的に同様の構造を有する媒体貯蔵部416が使用される。しかし、カートリッジ40を媒体貯蔵部416に固定するために設けられたクロージャ436は、媒体貯蔵部416内に移動することができる圧力プランジャ438を有する一体化された加圧器を有する。
【0050】
図10に示すように、円筒状の中空空間がクロージャ436に設けられ、この中空空間内でOリングによって密閉されたピストン440が移動可能となっている。ピストン440は、圧力プランジャ438を移動させ、圧力プランジャ438は、媒体貯蔵部416内に配置されたピストンに作用する。ピストン440の断面積と圧力プランジャ438の有効断面積との違いにより、圧力の増加が生じ、図示の実施例では加えられた圧力が約3倍増加する。
【0051】
中間キャリア26(
図9参照)を通る空気の案内は、第1の実施例と同様に行われ、圧縮空気は、クロージャ436の外部で案内される管442を通して中間キャリア26の出口からクロージャ436の上面まで送られる。
【0052】
図11は、一部の構成要素のみが示された計量ユニットの第6の実施例を示す。この実施例では、媒体貯蔵部516は、一体化された加熱装置と共に一体化された圧力貯蔵部を含む。別の観点から言えば、計量ユニットの残りの構成要素は上記で説明した実施例と同様に形成される。
【0053】
図12は、個々の構成要素の電子的な関係を示しており、単純化のために第1の実施例の参照符号のみが示されている。計量ユニットは、制御モニタを有する制御ユニットSによって制御されており、複数の制御ユニットが結合あるいは外部的に接続されうる。バルブモジュール14の接続のための電気ケーブル22は、バルブモジュールの電圧供給源Uとバルブモジュール14に設けられたデータバスプロセッサを制御するデータラインDの両方を含む。拡張モジュール24は、バルブモジュール14を介して電圧の供給を受けるか、またはラインの消費電力を超える構成要素を接続するときには電源ラインZをケーブル22に追加で設けることができる。これにより、拡張モジュール24に電圧を直接供給することもできる。
【0054】
拡張モジュール24に接続することができる他の構成要素は、媒体貯蔵部16の領域に設けられた加熱装置H、媒体貯蔵部16用の充填レベルセンサ58、圧縮空気管30を介した圧縮給気用の加熱装置64および/または調整バルブ32である。
【0055】
図13,
図14は、バルブモジュール614がモジュールキャリア610と一体化された計量ユニットの第7の実施例を示す。高粘度の媒体の計量が可能となるように、加熱装置664をモジュールキャリア610の下面に設けることができる。この実施例では、バルブ614は、円形の開口部が円形のバルブシートから押し出されることでバルブが開閉するスライドバルブとして構成される。
【0056】
本実施例の媒体貯蔵部616は、円筒形であり、内部にカートリッジ640を受け入れるとともに、カートリッジを媒体貯蔵部616に固定するために差込み式の締結具636が設けられる。この実施例では、媒体貯蔵部616、従ってカートリッジ640も、充填材の沈降を最小にするために水平位置でかつ水平軸を中心に回転可能に設けられる。
【0057】
一方、カートリッジ640は、ルアーロック接続部を介してコネクタ片643に締結される。ピストン680が、カートリッジ640の内部に挿入され、充填レベルセンサ682と協働する磁石681を含む。さらに、ピストン680は、カートリッジ内に位置する媒体に向かってクロージャ636内のばね装置によって押されて、媒体とガス/空気とを確実に分離させる。クロージャ636は、上記で説明した実施例と同様に構成される。
【0058】
媒体貯蔵部616の駆動は、ベルト652を介して媒体貯蔵部616を駆動するモータ650によって行われる。モータの回転速度は、所望の通り設定することができ、回転可能な媒体貯蔵部を案内するために4点ベアリング654が使用可能である。この点で、媒体の案内は、バルブ614への回転貫通部656を通して行われる。圧力を増加させるために、圧力ブースタ670を使用することができ、この圧力ブースタ670では、ピストン672が、例えば8:1の比率で圧縮給気を加圧する。ここでは、回転貫通部にばねの予圧のみがかかるように、外部から回転貫通部にも高圧が作用することが有利である。この目的のために、加圧ブースタ670で発生する圧力は、圧力管671を介して回転シール673の領域内に案内される。同時に、クロージャ636内に設けられた図示省略の管を介して、同じ圧力がピストン680の後側(
図14の右側)に導かれる。これにより、カートリッジ内の圧力がピストン680の右側よりもピストン680の左側で常に少し高くなるように、制御装置を用いて圧力を制御することができる。
【0059】
図15は、圧力ブースタ670の制御を示す概略説明図である。制御バルブX1が、バスシステムに接続された概略的に示す制御装置684によって作動され、ピストン672に圧縮空気が供給される。しかし、ピストン672が後退した状態では、より小さい断面積を有するピストン空間にバルブX3によって圧縮空気が予め充填され、結果として40バールの大きさの圧力がピストン680の後側のカートリッジ640の領域に加えられる。
【0060】
ロックできないチェックバルブ686が、カートリッジ640を通気するために追加の制御バルブX2を用いて制御可能である。
【0061】
上記で説明した計量ユニットの個々のモジュールや構成要素は、所望の通りに互いに組み合わせることができ、すなわち、はっきりと説明していない組合せも本発明の範囲内である。