【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明においては、上記従来の発明と異なり、単に明るさや色調の調整等を目的とするものでなく、道路トンネル内の状況を伝えるため、即ち、車両の渋滞や交通事故、若しくは工事中又は火災等々の各種状況を車両運転者に予め簡易に伝えることができるような注意喚起又は警告をするための表示、合図又はサイン等となるべき照明方法を提供することをその目的としている。
【0007】
従来においては、トンネル内には情報板や誘導表示板等が設置されているが、数百メートルの間隔を置いて設置されるものであり、それら表示板等の間のエリアに存在する運転者に対してこれらの設備により渋滞情報や事故情報等の情報提供又は告知をすることは困難であったのである。
そこで、上記のようにトンネル内の状況を伝えることができるような合図又はサイン等となるべき照明方法を提供することが本発明の課題となるのである。
【0008】
そして、一般に車両運転者は、日常の交差点等における交通信号機の青信号、黄信号及び赤信号の意味合いを反射的に理解して運転しているために、この黄信号と赤信号の意味合いを道路トンネル内の照明設備自体に応用して、この光色制御を照明設備全体に利用することによって、注意喚起と警告とを行えるようにすることが本発明の課題である。
【0009】
更に、照明装置が通常の白色照明から黄色照明又は赤色照明に急に変化し又は変更されることによって、特に赤色の場合には顕著なのであるが、車両運転者に驚きと恐怖感を与えてしまう場合もあり、このような場合には運転者がパニックを引き起こし、逆に事故発生の要因となる可能性があるため、その色相、彩度、明度等々の選択も非常に重要な課題となる。
【0010】
本発明者らは、これまで多種多様な実験を繰り返し、更には車両運転者への評価アンケート等の多数のデータをも収集することにより、白色発光ダイオードと黄色発光ダイオード、又は白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとの組み合わせにより、最適な注意喚起及び警告を発することができる照明方法を創案することができたものである。
尚、本発明に係る照明方法は、道路のトンネル内ばかりでなく、通常の道路明かり部に設置される道路照明設備にも適用できるものである。
また、本発明に係る照明方法をトンネル入口からトンネル内数百メートルにわたって設置される入口照明に適用することにより、トンネル内を走行する運転者のみでなく、トンネルに進入しようとしてトンネル入口手前を走行する運転者に対しても同様の情報提供が可能となる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の第1のものは、白色発光ダイオードを光源とする照明装置を適宜間隔で多数列設してトンネル照明を行う照明方法であって、照明光の周波数を0.5〜2.0Hzの範囲内、照明光の波形のデューティ比を0.4:0.6から0.7:0.3の範囲内とし、前記白色発光ダイオードの光束を波形の前半と後半で所定の光束比で変化させることにより、通行する車両運転者等に注意を喚起することを特徴とするトンネル照明方法である。
【0012】
本発明の第2のものは、上記第1の発明において、前記所定の光束比が、波形前半又は後半の光束1.0に対して波形後半又は前半の光束を0.4〜0.6の範囲内としたことを特徴とするトンネル照明方法である。
【0013】
本発明の第3のものは、上記第1又は第2の発明において、白色発光ダイオードが第一の色度点x=0.330、y=0.318、第二の色度点x=0.330、y=0.360、第三の色度点x=0.356、y=0.351、第四の色度点x=0.361、y=0.385から成る色度範囲にあることを特徴とするトンネル照明方法である。
【0014】
本発明の第4のものは、白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードを光源とする照明装置を適宜間隔で多数列設してトンネル照明を行う照明方法であって、照明光の周波数を0.5〜2.0Hzの範囲内、照明光の波形のデューティ比を0.4:0.6から0.7:0.3の範囲内とし、前記白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードの光束を波形の前半と後半で所定の光束比で変化させ、波形前半又は後半に黄色発光ダイオードを点灯することにより、通行する車両運転者等に注意を喚起することを特徴とするトンネル照明方法である。
【0015】
本発明の第5のものは、上記第4の発明において、前記波形前半又は後半の白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードとの光束比を1.0:0、波形後半又は前半の白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードとの光束比を1.0:0.7〜1.0:1.0の範囲内としたことを特徴とするトンネル照明方法である。
【0016】
本発明の第6のものは、上記第4の発明において、前記波形前半又は後半の白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードとの光束比を1.0:0、波形後半又は前半の白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードとの光束比を0.2:0.8〜0.4:0.6の範囲内としたことを特徴とするトンネル照明方法である。
【0017】
本発明の第7のものは、上記第4乃至第6の発明の何れかの発明において、白色発光ダイオードが第一の色度点x=0.330、y=0.318、第二の色度点x=0.330、y=0.360、第三の色度点x=0.356、y=0.351、第四の色度点x=0.361、y=0.385から成る色度範囲にあり、黄色発光ダイオードが第一の色度点x=0.522、y=0.460、第二の色度点x=0.532、y=0.467、第三の色度点x=0.589、y=0.393、第四の色度点x=0.603、y=0.397から成る色度範囲にあることを特徴とするトンネル照明方法である。
【0018】
本発明の第8のものは、白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードを光源とする照明装置を適宜間隔で多数列設してトンネル照明を行う照明方法であって、照明光の周波数を0.5〜2.0Hzの範囲内、照明光の波形のデューティ比を0.4:0.6から0.7:0.3の範囲内とし、前記白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードの光束を波形の前半と後半で所定の光束比で変化させ、波形前半又は後半に赤色発光ダイオードを点灯することにより、通行する車両運転者等に警告を発することを特徴とするトンネル照明方法である。
【0019】
本発明の第9のものは、上記第8の発明において、前記波形前半又は後半の白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとの光束比を1.0:0、波形後半又は前半の白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとの光束比を1.0:0.3〜1.0:0.5の範囲内としたことを特徴とするトンネル照明方法である。
【0020】
本発明の第10のものは、上記第8の発明において、前記波形前半又は後半の白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとの光束比を1.0:0、波形後半又は前半の白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとの光束比を0.5:0.5〜0.7:0.3の範囲内としたことを特徴とするトンネル照明方法である。
【0021】
本発明の第11のものは、上記第8乃至第10の何れかの発明において、白色発光ダイオードが第一の色度点x=0.330、y=0.318、第二の色度点x=0.330、y=0.360、第三の色度点x=0.356、y=0.351、第四の色度点x=0.361、y=0.385から成る色度範囲にあり、赤色発光ダイオードが第一の色度点x=0.659、y=0.321、第二の色度点x=0.680、y=0.320、第三の色度点x=0.685、y=0.295、第四の色度点x=0.708、y=0.292から成る色度範囲にあることを特徴とするトンネル照明方法である。
【発明の効果】
【0022】
本発明の第1のものにおいては、当該照明設備が白色発光ダイオードのみから成るものであり、この白色発光ダイオードの所定範囲内の周波数とデューティ比で変化させるものである。
即ち、照明光の周波数を0.5〜2.0Hzの範囲内、照明光の波形のデューティ比を0.4:0.6から0.7:0.3の範囲内、前記白色発光ダイオードの光束を波形の前半と後半で所定の光束比で変化させ白色明暗状態とすることができるものである。
【0023】
これにより、通行する車両運転者或いは搭乗者等に注意を喚起することができる。
この注意喚起の理由としては、トンネル内の車両の渋滞や道路工事中等の場合が挙げられる。
車両運転者は、この白色発光ダイオードの明暗状態の表示により、トンネル内の渋滞や工事中の有無を判断することができ、運転注意の意識付けが成されることとなるのである。
【0024】
本発明の第2のものにおいては、上記第1の発明において、前記所定の光束比を限定したものである。
即ち、この光波形の光束比を波形前半又は後半の光束1.0に対して波形後半又は前半の光束を0.4〜0.6の範囲内とすることにより、前記所定の周波数、前記所定のデューティ比と合せて、運転者に対して適切な注意喚起を行うことができる。
【0025】
本発明の第3のものにおいては、白色発光ダイオードを第一の色度点x=0.330、y=0.318、第二の色度点x=0.330、y=0.360、第三の色度点x=0.356、y=0.351、第四の色度点x=0.361、y=0.385から成る色度範囲とすることにより、車両運転者に違和感を抱かせることなく、且つ実用的な効率を確保しつつ注意喚起を行うことができるようにしたものである。
【0026】
本発明の第4のものにおいては、当該照明設備が白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードとから成るものである。
即ち、照明光の周波数を0.5〜2.0Hzの範囲内、照明光の波形のデューティ比を0.4:0.6から0.7:0.3の範囲内とし、前記白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードの光束を波形の前半と後半で所定の光束比で変化させたものであり、これにより白色光をベースとして所定の黄色点滅状態を得ることができ、車両の運転者等に注意を喚起することができる。
【0027】
本発明の第5のものにおいては、黄色発光ダイオードを付加点滅とし、白色及び黄色発光ダイオードとの光束比を限定したものである。
即ち、前記波形前半又は後半の白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードとの光束比を1.0:0、波形後半又は前半の白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードとの光束比を1.0:0.7〜1.0:1.0の範囲内とすることにより、黄色発光ダイオードを付加点滅させたものである。
即ち、白色発光ダイオードは常時点灯、黄色発光ダイオードは所定の条件にて点滅することとなる。
このような黄色発光ダイオードの付加点滅により、車両運転者にトンネル内や道路前方の車両渋滞や工事中情報を告知できるようにしたものである。
【0028】
本発明の第6のものにおいては、請求項5の発明と異なり、黄色発光ダイオードの付加点滅でなく、白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードの点灯条件を光波形前半と後半とで変えて交互点灯させるものである。
即ち、前記波形前半又は後半の白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードとの光束比を1.0:0、波形後半又は前半の白色発光ダイオードと黄色発光ダイオードとの光束比を0.2:0.8〜0.4:0.6の範囲内とすることにより、両者を交互点灯させるものである。
これにより、車両運転者は、トンネル内や道路前方の車両渋滞や工事中情報を認識し、注意運転を心掛けることとなるのである。
【0029】
本発明の第7のものは、白色発光ダイオードを第一の色度点x=0.330、y=0.318、第二の色度点x=0.330、y=0.360、第三の色度点x=0.356、y=0.351、第四の色度点x=0.361、y=0.385から成る色度範囲とし、黄色発光ダイオードを第一の色度点x=0.522、y=0.460、第二の色度点x=0.532、y=0.467、第三の色度点x=0.589、y=0.393、第四の色度点x=0.603、y=0.397から成る色度範囲とすることにより、車両運転者に違和感を抱かせることなく、且つ驚かす心配のない適切な色度で注意喚起を行うことができるようにしたものである。
【0030】
本発明の第8のものにおいては、当該照明設備が白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとから成るものである。
即ち、照明光の周波数を0.5〜2.0Hzの範囲内、照明光の波形のデューティ比を0.4:0.6から0.7:0.3の範囲内とし、前記白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードの光束を波形の前半と後半で所定の光束比で変化させ、これにより白色光をベースとして所定の赤色点滅状態を得ることができ、車両の運転者等に警告を発することができるものである。
【0031】
本発明の第9のものにおいては、赤色発光ダイオードを付加点滅とし、白色及び赤色発光ダイオードとの光束比を限定したものである。
即ち、前記波形前半又は後半の白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとの光束比を1.0:0、波形後半又は前半の白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとの光束比を1.0:0.
3〜1.0:0.5の範囲内とすることにより、白色光をベースとして赤色発光ダイオードを付加点滅させたものである。
【0032】
このような赤色発光ダイオードの付加点滅により、車両運転者にトンネル内や道路前方の交通事故や火災等の重大なトラブルを告知できるようにしたものである。
この赤色発光ダイオードを用いた場合には、上記黄色発光ダイオードと異なり、その色相が強烈であるため、車両運転者に驚きと不安感や恐怖感を生じさせる可能性が大きいために、上記のようにその光束比率を黄色発光ダイオードに比較すると小さく設定している。
【0033】
本発明の第10のものにおいては、請求項9の発明と異なり、赤色発光ダイオードの付加点滅でなく、白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードの点灯条件を光波形前半と後半とで変えて交互点灯させるものである。
即ち、前記波形前半又は後半の白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとの光束比を1.0:0、波形後半又は前半の白色発光ダイオードと赤色発光ダイオードとの光束比を0.5:0.5〜0.7:0.3の範囲内とすることにより、両者を交互点灯させるものである。
これにより、車両運転者は、トンネル内や道路前方の交通事故や火災等の重大なトラブルを察知し、その運転に細心の注意を傾倒し、或いは、車両から離れる準備又は避難するための行動を取ることとなるのである。
【0034】
ここで、黄色又は赤色発光ダイオードの上記した付加点滅又は交互点灯について付言すると、これらの付加点滅又は交互点灯にはそれぞれの特徴がある。
即ち、付加点滅は本来の交通照明施設としての白色発光ダイオードの照明を一定に維持して点灯することができるが、半面、黄色発光ダイオード又は赤色発光ダイオードを付加点灯した場合には、それに相当する消費電力が増加する。
一方、交互点灯では、光波形の前半と後半を通じて消費電力を一定に維持できるが、半面、光波形の後半において演色性が低下することは免れない。
このため、付加点滅と交互点灯は、照明レベル、消費電力、要求される演色性等を総合的に勘案して選択され、決定されることとなるために、これらの諸条件を考慮して上記請求項に記載の一定の数値範囲に特定し、限定したものである。
また、上記請求項においては、波形前半又は後半への言及及び特定があるが、この前半と後半というのは便宜的な区分であり、波形は繰り返し生じるため、光束比の限定は、これら波形の前半又は後半の何れの側の限定としてもよく、これら前半又は後半の何れの側をも含む意味で両者への言及を行っている。
【0035】
本発明の第11のものは、白色発光ダイオードを第一の色度点x=0.330、y=0.318、第二の色度点x=0.330、y=0.360、第三の色度点x=0.356、y=0.351、第四の色度点x=0.361、y=0.385から成る色度範囲とし、赤色発光ダイオードを第一の色度点x=0.659、y=0.321、第二の色度点x=0.680、y=0.320、第三の色度点x=0.685、y=0.295、第四の色度点x=0.708、y=0.292から成る色度範囲として、警告を受ける車両運転者を驚かすことなく、事故や火災等の重大トラブルにも冷静に対処できるような範囲の適切な色度範囲で警告を行うことができるようにしたものである。
これにより、運転者にパニックを起こさせることなく、警告できるものとなるのである。