(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態である地図管理装置の概略構成を示した概略構成図である。
【0019】
図1に示すように、地図管理装置1は、ネットワーク9を介して、道路管理者のコンピュータ2、下水道事業者のコンピュータ3、電気事業者のコンピュータ4、及び水道事業者のコンピュータ5等と接続されている。また、道路管理者、下水道事業者、電気事業者、水道事業者から、それぞれカテゴリの異なるライフラインの地図が印刷された用紙(図面)102,103,104,105が、地図管理装置1を管理している管理者に提供される。なお、ここでは、道路管理者が有する道路地図、下水道事業者が有する下水道の経路図、電気事業者が有する電力供給網を示した配線図、及び水道事業者が有する上水の経路図等を総称して、地図という。
【0020】
道路管理者のコンピュータ2は、他のコンピュータ3,4,5と同様の構成を有しており、地図管理装置1に対して、地図の表示を要求することにより、該当の地図を表示することができる。
【0021】
地図管理装置1は、スキャナ11と、認識部13と、地図データベース15A,15B,15C,15D,15Dと、地図フレームデータベース19と、基準メッシュデータベース21と、リンク生成部23と、地図対応データベース25と、表示制御部27と、表示パネル29とを備えている。
【0022】
スキャナ11は、受光素子であるCCDがライン状に配置されたラインセンサと、LED等の光源ランプとを備えている。スキャナ11は、給紙台を備えており、道路管理者、下水道事業者、電気事業者、水道事業者から提供された用紙が給紙台に載置される。スキャナ11の原稿台カバーに備えられたオートシードフィーダ機能により、給紙台に載置された用紙が1枚ずつ給紙されることにより、光源ランプが搬送された用紙に対して光を照射し、その反射光をラインセンサが主走査1ラインずつ読み取ることにより、用紙から画像を読み取る。
【0023】
認識部13は、図示しない入力装置へのユーザ操作により、地図のカテゴリが選択されると共に、地図データ及び地
図IDの認識が要求されると、地図が印刷された用紙102,103,104,105から読み取られた画像に基づいて、地図データと、地図を一意に識別する地
図IDとを認識する。
【0024】
地図データベース15A,15B,15C,15Dは、地図のカテゴリ毎に、読み取られた地図データと、読み取られた地
図IDとを関連づけて、地図情報として記憶する。
【0025】
また、地図データベース15A,15B,15C,15Dは、それぞれ読み取られた地
図IDに、地
図IDが示す地図データに含まれる位置座標と、この位置が示す住所や、ランドマーク、緯度経度情報等を関連づけて、地図詳細情報として記憶している。
【0026】
地図フレームデータベース19は、地図のカテゴリ毎に、基準メッシュ地図における位置と、地図データを配置する位置を地図フレームとして記憶する。この地図フレームは、地図のカテゴリ毎に、予め作成され記憶されている。
【0027】
基準メッシュデータベース21は、世界測地系の所定の1点を基準座標点とした座標系においてメッシュに領域区分された基準メッシュ地図を記憶する。
【0028】
リンク生成部23は、認識された地
図IDと、地図フレームと、基準メッシュ地図とに基づいて、読み取られた地図データに対応するメッシュを読み出し、メッシュをそれぞれ一意に識別するメッシュIDと、地
図IDとを関連づけ、地図対応テーブルとして生成する。
【0029】
地図対応データベース25は、リンク生成部23により生成された地図対応テーブルを記憶する。
【0030】
表示制御部27は、表示パネル29の第1の表示領域に、地図のカテゴリのうち第1のカテゴリとして指定された地図データの表示が要求された場合に、地図情報に基づいて、第1の表示領域に表示が要求された地図データを表示させると共に、第1の表示領域より小さい第2の表示領域と同一形状の表示枠を表示し、地図対応テーブル及び地図情報に基づいて、第2の表示領域に、表示枠内に表示された地図データと同じ位置である第2のカテゴリとして指定されたカテゴリの地図データを表示させると共に、第3の表示領域に、表示枠内に表示された地図データと同じ位置である第3のカテゴリとして指定されたカテゴリの地図データを表示させる。
【0031】
また、表示制御部27は、第1の表示領域内で表示枠が移動された場合、移動された表示枠内に表示された地図データと同じ位置である第2のカテゴリの地図データを表示させると共に、第3のカテゴリの地図データを表示させる。
【0032】
さらに、表示制御部27は、ユーザ操作により、地
図ID、位置情報、又は住所が入力情報として入力された場合に、入力情報に基づいて、表示が要求された地図データを決定し、決定した地図データを第1の表示領域に表示させる。
【0033】
表示パネル29は、有機EL(electroluminescence)ディスプレイや、液晶ディスプレイ等の画像出力装置を備え、表示制御部27から供給された出力信号に基づいて、画面を表示する。
【0034】
<地図管理装置1の作用>
次に、本発明の実施例1である地図管理装置1の作用について説明する。
【0035】
本発明の実施例1である地図管理装置1は、主に地図対応テーブル生成処理、及び地図表示処理を行う。そのため、各々の処理について以下に詳細に説明する。
【0036】
≪地図対応テーブル生成処理≫
本発明の一実施形態である地図管理装置1の地図対応テーブル生成処理について説明する。
【0037】
図2は、本発明の一実施形態である地図管理装置1の地図対応テーブル生成処理を模式的に示した図である。
【0038】
図2に示すように、スキャナ11は、地図のカテゴリ毎に、地図が印刷された用紙から画像を読み取る。例えば、スキャナ11は、道路地図が印刷された用紙102から画像を読み取り、下水道図面が印刷された用紙103から画像を読み取り、電力供給網が印刷された用紙104から画像を読み取る。
【0039】
用紙102には、道路地図である地図と、この地図を一意に識別する地
図IDとが記載されており、同様に、他のカテゴリの地
図103,104にも、それぞれの地図と、この地図を一意に識別する地
図IDとが記載されている。
【0040】
そして、認識部13は、スキャナ11により用紙102から読み取られた画像から、道路の地図を示す地図データ102aを抽出すると共に、読み取られた画像のうち対象の一部の画像に対して文字認識を行うことにより、地
図ID102bを文字データとして抽出する。他のカテゴリの地図が印刷された用紙103,104についても同様に、認識部13は、スキャナ11により読み取られた画像から、地図データを抽出すると共に、読み取られた画像のうち対象の一部の画像に対して文字認識を行うことにより、地
図IDを文字データとして抽出する。
【0041】
地
図ID102bは、用紙102上の所定の箇所に印刷されており、ユーザ操作に基づいて、予め文字認識する領域を指定しておくことにより、認識部13は、効率良く地
図ID102bを文字認識することができる。
【0042】
そして、リンク生成部23が、認識部13により認識された地
図IDと、地図フレームデータベース19に記憶された地図フレームと、基準メッシュ地図とに基づいて、認識された地図データに対応するメッシュを読み出し、メッシュをそれぞれ一意に識別するメッシュIDと、地
図IDとを関連づける。例えば、リンク生成部23は、地図合成イメージ20aに示すように、道路の地図フレーム201に、認識された地図データ102aを配置する配置位置を決定する。同様に、リンク生成部23は、地図合成イメージ20bに示すように、下水道の地図フレーム210に、認識された地図データ103aを配置する配置位置を決定し、地図合成イメージ20cに示すように、電力供給網の地図フレーム220に、認識された地図データ104aを配置する配置位置を決定する。
【0043】
そして、リンク生成部23は、各カテゴリの地図フレームに配置位置が決定された地図データが、基準メッシュ地図のどのメッシュに対応するかを算出し、地図対応テーブルとして生成する。
【0044】
このリンク生成部23が実行する処理について詳述する。
【0045】
図3は、本発明の一実施形態である地図管理装置1が備えるリンク生成部23の作用を詳細に説明した図である。ここでは、道路地図が印刷された用紙102から道路の地図を示す地図データ102aが抽出されると共に、道路の地図を示す地図データ102aを一意に識別する地
図ID102bが文字データとして抽出された場合を例に挙げて説明する。他のカテゴリの地図についても、リンク生成部23は同様の処理を実行する。
【0046】
図3に示すように、リンク生成部23は、その機能上、照合部23aと、リンク部23bとを備えている。
【0047】
リンク生成部23の照合部23aは、地図フレーム201における地
図IDから、認識された地
図ID102bと一致する地
図IDを検索し、一致する地
図IDを抽出する。
【0048】
図4は、本発明の一実施形態である地図管理装置1の地図フレームデータベース19が記憶している地図フレームの一例を示した図である。ここでは、道路の地図フレームを代表して説明するが、下水道、電力供給網、水道などについても、同様に、それぞれの地図フレームが記憶されている。
【0049】
図4に示すように、地図フレーム201の任意の位置に、全体基準位置座標202が設定されており、この全体基準位置座標202は、基準メッシュデータベース21に記憶された基準メッシュ地図における位置を示している。
【0050】
また、地図フレーム201には、地図データが配置されるべき位置が示されており、
図4に示した地図フレーム201では、全体基準位置座標202を基準として、道路の地図データA0001,A0002,A0003,・・・を配置すべき位置が定められている。
【0051】
具体的には、地図データが地図フレーム201上で配置される所定の1点を個別基準位置座標203として、道路の地図データA0001,A0002,A0003,・・・に対応して、それぞれ配置すべき位置を示す個別フレーム201a,201b,201c,201d,・・・が配置されている。なお、個別基準位置座標203は、全体基準位置座標202を基準としたときの位置座標を示している。
【0052】
また、個別フレーム201a,201b,201c,201d,・・・は、全体基準位置座標202を基準としたX−Y座標におけるX方向の長さとY方向の長さを記憶している。例えば、地図データA0003が配置される個別フレーム201cにおいては、個別基準位置座標203(ax3,ay3)が記憶されていると共に、X方向の長さとY方向の長さを示すサイズ(Lx3,Ly3)が記憶されている。
【0053】
なお、
図4に示した例では、地
図ID“A0001”から“A0012”の地図データが配置される個別フレーム201a〜201lは、1/1,000の縮尺で、400m×250mである。一方、地
図ID“A0013”から“A0016” の地図データが配置される個別フレーム201r〜201uは、1/2,000の縮尺で、800m×500mである地図データが配置される位置を示している。
【0054】
このように、地
図ID毎に、個別基準位置座標203と、サイズとが記憶されることにより、地図フレーム201上における地図データが配置される位置、即ち個別フレームの位置が定義されている。
【0055】
そこで、照合部23aは、地図フレーム201の個別フレームに対応づけられた地
図IDから、認識された地
図ID102bと一致する地
図IDを検索する。例えば、認識された地
図ID102bが、“A0003”であったとすると、照合部23aは、地図フレーム201において個別フレーム201cに対応付けられた地
図IDの中に、“A0003”と一致する地
図IDが存在するか否かを判定する。
【0056】
図3に戻り、照合部23aにより、地図フレーム201における地
図IDから、認識された地
図ID102bと一致する地
図IDが存在すると判定されると、リンク生成部23のリンク部23bは、基準メッシュデータベース21に記憶された基準メッシュ地図に基づいて、抽出された地
図IDが示す地図データに対応するメッシュを読み出す。
【0057】
具体的には、リンク部23bは、地図データ毎に、リンク部23bから、個別基準位置座標と、地図データのサイズとが供給されることにより、抽出された地
図IDが示す地図データが重なり合うメッシュを一意に識別するメッシュIDを抽出し、地
図IDとメッシュIDとを関連づける。
【0058】
図5は、本発明の一実施形態である地図管理装置1のリンク生成部23のリンク部23bによる関連づけ処理を説明した図である。
【0059】
図5に示すように、基準メッシュ地
図301は、基準メッシュ位置座標302(X,Y)を基準として、S0001,S0002,S0003,・・・の複数のメッシュに領域区分されている。基準メッシュ位置座標302(X,Y)は、世界測地系に基づいて定められており、緯度及び経度で示されたある1つの地点の座標が、X−Y座標に変換され、基準として定められている。
【0060】
各メッシュのサイズは、同一であり、例えば、X−Y座標における200m×100mとして定められている。
【0061】
そして、リンク部23bは、全体基準位置座標202と、供給された個別基準位置座標と、地図データのサイズとに基づいて、基準メッシュ地
図301上に、地図データを重ね合わせた場合に、重なり合うメッシュのメッシュIDを抽出する。
【0062】
例えば、地
図IDが“A0003”である地図データは、基準メッシュ地図における位置を示している全体基準位置座標202を基準としたときの個別基準位置座標とサイズにより、
図5に示した例に示すように、配置が定められる。このとき、地
図IDが“A0003”である地図データは、メッシュID“S0007”,“S0008”,“S0009”,“S0012”,“S0013”,“S0014”のメッシュと重なり合っている。
【0063】
そこで、リンク部23bは、地
図ID“A0003”と、メッシュID“S0007”,“S0008”,“S0009”,“S0012”,“S0013”,“S0014”とを関連づけて、地図対応テーブルとして、地図対応データベース25に記憶する。
【0064】
同様に、下水道、電力供給網の地図データについても、リンク部23bは、それぞれ下水道、電力供給網の地図データ毎に、照合部23aから、個別基準位置座標と、地図データのサイズとが供給されることにより、抽出された地
図IDが示す地図データが重なり合うメッシュを一意に識別するメッシュIDを抽出し、地
図IDとメッシュIDとを関連づけて、地図対応テーブルとして、地図対応データベース25に記憶する。
【0065】
図6は、本発明の一実施形態である地図管理装置1のリンク生成部23のリンク部23bにより生成され、地図対応データベース25に記憶された地図対応テーブルの一例を示した図である。
【0066】
図6に示すように、地図対応テーブル401は、カラム名“メッシュID”(符号402)と、カラム名“道路”(符号403)と、カラム名“下水道”(符号403)と、カラム名“電力供給網”(符号404)とが関連付けられて記憶されている。
【0067】
このように、地図対応データベース25に、地
図IDとメッシュIDとを関連づけられた地図対応テーブルが記憶されているので、あるカテゴリの地
図IDに対応する他のカテゴリの地
図IDを容易に抽出することができる。
【0068】
図7は、本発明の一実施形態である地図管理装置1のリンク生成部23により、関連づけられた基準メッシュ地図と、各カテゴリの地図との関連イメージを示したイメージ図である。
【0069】
図7に示すように、基準メッシュ地
図301は、世界測地系の所定の1点を基準メッシュ位置座標302(X,Y)とした座標系において、S0001,S0002,S0003,・・・の複数のメッシュに領域区分されている。
【0070】
そして、地図対応データベース25に記憶された地図対応テーブルにより、基準メッシュ地
図301に、各カテゴリの地図データが位置づけられる。
【0071】
図7に示した例では、地
図IDが“A0003”である道路の地図データの個別基準位置座標203が、基準メッシュ地
図301上のメッシュID“S0007”のメッシュのある座標301aに位置づけられている。これにより、地
図ID“A0003”の地図データは、メッシュID“S0007”,“S0008”,“S0009”,“S0012”,“S0013”,“S0014”のメッシュと重なり合うことになる。
【0072】
同様に、下水道の地図データについても、地
図IDが“B1010”,“B1011”である下水道の地図データの個別基準位置座標203が、基準メッシュ地
図301上のメッシュID“S0007”,“S0012”のメッシュのある座標301b,301cに位置づけられている。これにより、地
図ID“B1010”,“B1011”の地図データは、メッシュID“S0007”,“S0008”,“S0012”,“S0013”のメッシュと重なり合うことになる。
【0073】
さらに、電力供給網の地図データについても、地
図IDが“C2001”,“C2002”である下水道の地図データの個別基準位置座標203が、基準メッシュ地
図301上のメッシュID“S0007”,“S0008”のメッシュのある座標301e,301fに位置づけられている。これにより、地
図ID“C2001”,“C2002”の地図データは、メッシュID“S0007”,“S0008”のメッシュと重なり合うことになる。
【0074】
≪地図表示処理≫
次に、本発明の一実施形態である地図管理装置1の地図表示処理について説明する。
【0075】
図8は、本発明の一実施形態である地図管理装置1における地図表示処理を模式的に示した図である。ここでは、第1のカテゴリとして道路の地
図IDが指定されると共に、第2のカテゴリとして対応する下水道の地図、及び第3のカテゴリとして電力供給網の地図の表示が要求された場合を例に挙げて説明する。
【0076】
図8に示すように、表示パネル29に表示される表示画面401には、入力欄402と、第1の表示領域403と、第2の表示領域404と、第3の表示領域405とが設けられている。ユーザは、表示画面401を見ながら、図示しない入力装置を操作することにより、入力欄402等から入力することができる。
【0077】
表示制御部27は、その機能上、抽出部27aと、地図生成部27bと、表示領域決定部27cと、表示部27dとを有しており、それぞれが機能することにより、表示パネル29に様々な表示画面を表示することができる。例えば、表示制御部27は、ユーザによる表示パネル29に表示される表示画面401の入力欄402への操作により供給された入力情報(ここでは、地
図ID)に基づいて、第1のカテゴリとして、地図対応データベース25から該当の地
図IDが示す地図データ(ここでは、道路の地図データ)を表示パネル29の第1の表示領域403に表示すると共に、第1の表示領域403より小さい第2の表示領域404及び第3の表示領域405と同一形状の表示枠406を表示する。
【0078】
また、表示制御部27は、第2の表示領域404及び第3の表示領域405に、表示枠406内に表示された地図データと同じ位置である他のカテゴリの地図データを表示させる。例えば、表示制御部27は、第2の表示領域404に、第2のカテゴリとして表示枠406内に表示された地図データと同じ位置である下水道の地図データを地図データベース15Bから読み出し、表示させると共に、第3の表示領域405に、第3のカテゴリとして表示枠406内に表示された地図データと同じ位置である電力供給網の地図データを地図データベース15Cから読み出し、表示させる。
【0079】
図9は、本発明の一実施形態である地図管理装置1が備える表示パネル29に表示される表示画面401の一例を示した図である。
【0080】
図9に示すように、表示画面401には、入力欄402と、第1の表示領域403と、第2の表示領域404と、第3の表示領域405と、表示ボタン407とが備えられている。
【0081】
第2の表示領域404の上部には、地図選択ドロップダウンボックス404aが設けられており、ユーザのドロップダウン操作により、地図データベース15A,15B,15C,15Dそれぞれのカテゴリから、第2の表示領域404に表示させる地図のカテゴリとしていずれか1つを選択可能なように一覧表示させる。ここでは、地図データベース15A,15B,15C,15Dそれぞれに対応するカテゴリとして、「道路」、「下水道」、「電力供給網」、及び「水道」が一覧表示され、第2の表示領域404に表示させる地図のカテゴリとして、「下水道」が選択されている。これにより、第2の表示領域404には、第2のカテゴリとして下水道の地図データが表示されることになる。
【0082】
同様に、第3の表示領域405の上部には、地図選択ドロップダウンボックス405aが設けられており、ユーザのドロップダウン操作により、地図データベース15A,15B,15C,15Dそれぞれのカテゴリから、第3の表示領域405に表示させる地図のカテゴリとしていずれか1つを選択可能なように一覧表示させる。ここでは、第3の表示領域405に表示させる地図のカテゴリとして、「電力供給網」が選択されている。これにより、第3の表示領域405には、第3のカテゴリとして電力供給網の地図データが表示されることになる。
【0083】
入力欄402は、地図選択ドロップダウンボックス402aと、地
図ID入力ボックス402bと、住所入力ボックス402cと、ランドマーク入力ボックス402dと、緯度入力ボックス402eと、経度入力ボックス402fとを備える。
【0084】
地図選択ドロップダウンボックス402aは、ユーザのドロップダウン操作により、地図データベース15A,15B,15C,15Dそれぞれのカテゴリのうちいずれか1つを選択可能なように一覧表示させる。ここでは、地図データベース15A,15B,15C,15Dそれぞれに対応するカテゴリとして、「道路」、「下水道」、「電力供給網」、及び「水道」が一覧表示され、第1の表示領域403に表示させる地図のカテゴリとして、「道路」が選択されている。これにより、第1の表示領域403には、第1のカテゴリとして道路の地図データが表示されることになる。
【0085】
地
図ID入力ボックス402bは、ユーザの入力操作により、地
図IDが入力され、住所入力ボックス402cは、ユーザの入力操作により、住所が入力され、ランドマーク入力ボックス402dは、ユーザの入力操作により、ランドマークが入力される。
【0086】
緯度入力ボックス402eには緯度が入力されると共に、経度入力ボックス402fには、経度が入力されることにより、地図上の1点が指定される。
【0087】
このように、地
図ID入力ボックス402bから、直接的に地
図IDが入力されることにより、検索すべき地
図IDが指定され、又は、住所入力ボックス402c、ランドマーク入力ボックス402d、緯度入力ボックス402e、経度入力ボックス402fに入力されることにより、この入力された情報により特定される地点を含む地
図IDが指定される。
【0088】
図10は、本発明の一実施形態である地図管理装置1における地図表示処理を詳細に説明した図である。
【0089】
図10に示すように、地
図IDが指定され、ユーザ操作により、表示ボタン407が押下操作されると、表示制御部27の地図生成部27bは、指定された地
図IDに基づいて、地図データベース15Aから該当の地
図IDが示す地図データを抽出する。
【0090】
そして、表示制御部27の表示領域決定部27cは、抽出された地図データのうち、表示パネル29に表示される領域を決定し、表示部27dが、決定された領域を表示パネル29の第1の表示領域403に表示させる。
【0091】
また、表示部27dは、第1の表示領域403より小さい第2の表示領域404及び第3の表示領域405と同一形状の表示枠406を表示する。
【0092】
一方、地
図IDが指定され、ユーザ操作により、表示ボタン407が押下操作されると、表示制御部27の抽出部27aは、地図対応データベース25に記憶された地図対応テーブルに基づいて、指定された地
図IDに対応する下水の地
図ID、及び電力供給網の地
図IDを抽出する。
【0093】
そして、表示制御部27の地図生成部27bは、抽出された地
図IDに基づいて、地図データベース15B,15Cから該当の地
図IDが示す地図データを抽出し、表示制御部27の表示領域決定部27cは、抽出された地図データのうち、表示パネル29に表示される領域を決定し、表示部27dが、決定された領域を表示パネル29の第2の表示領域404及び第3の表示領域405にそれぞれ表示させる。
【0094】
図11は、本発明の一実施形態である地図管理装置1が備える表示パネル29へ表示する方法を説明した図である。
【0095】
図11に示すように、指定された地
図IDが“A0003”であるとすると、表示領域決定部27cは、地
図IDが“A0003”である地図データを抽出する。そして、表示領域決定部27cは、この地図データの中心部に第1の表示領域403と同一形状・同一サイズの矩形枠を投影したときに、地図データのうち矩形枠の内側となる領域を地図データから抽出し、第1の表示領域403に表示させる。
【0096】
さらに、表示領域決定部27cは、抽出した矩形枠内であって、左右方向及び上下方向において中央部に、第1の表示領域403より小さい第2の表示領域404及び第3の表示領域405と同一形状である表示枠406の位置を決定する。
【0097】
そして、表示領域決定部27cは、決定した表示枠406の座標を算出する。具体的には、地
図IDが“A0003”の地図データの個別基準位置座標203(ax3,ay3)と、X方向の長さとY方向の長さを示すサイズ(Lx3,Ly3)とに基づいて、表示枠406の表示枠基準位置座標406a(awx,awy)を算出する。
【0098】
次に、表示領域決定部27cは、算出された表示枠406の表示枠基準位置座標406a(awx,awy)と、予め定められた表示枠406のX方向の長さとY方向の長さを示すサイズ(Lwx,Lwy)と、抽出された下水の地
図ID(ここでは、“B1010,B1011であるとする)に対応する地図データの個別基準位置座標203(bx10,by10),(bx11,by11)とに基づいて、下水の地図に表示枠406を投影した場合の領域を決定する。
【0099】
そして、表示部27dが、決定された領域を表示パネル29の第2の表示領域404に表示させる。
【0100】
同様に、表示領域決定部27cは、算出された表示枠406の表示枠基準位置座標406a(awx,awy)と、予め定められた表示枠406のX方向の長さとY方向の長さを示すサイズ(Lwx,Lwy)と、抽出された電力供給網の地
図ID(ここでは、C2001,C2002であるとする)に対応する地図データの個別基準位置座標203(cx01,cy01),(cx02,cy02)とに基づいて、電力供給網の地図に表示枠406を投影した場合の領域を決定する。
【0101】
そして、表示部27dが、決定された領域を表示パネル29の第3の表示領域405に表示させる。
【0102】
以上のように、本発明の一実施形態である地図管理装置1によれば、世界測地系の所定の1点を基準座標点とした座標系においてメッシュに領域区分された基準メッシュ地図を記憶する基準メッシュデータベース21と、地図が印刷された用紙から読み取られた画像に基づいて、地図データと、用紙に印刷された地図を一意に識別する地
図IDとを認識する認識部13と、地図のカテゴリ毎に、基準メッシュ地図における位置と、地図データを配置する位置とを地図フレームとして記憶する地図フレームデータベース19と、認識された地
図IDと、地図フレームと、基準メッシュ地図とに基づいて、読み取られた地図データに対応するメッシュを読み出し、メッシュを一意に識別するメッシュIDと、地
図IDとを関連づけ、地図対応テーブルとして生成するリンク生成部23と、表示パネルの第1の表示領域に、カテゴリのうち第1のカテゴリとして指定された地図データの表示が要求された場合に、第1の表示領域403に表示が要求された地図データを表示させると共に、第1の表示領域403より小さい第2の表示領域404と同一形状の表示枠406を表示し、地図対応テーブルに基づいて、第2の表示領域404に、表示枠406内に表示された地図データと同じ位置である第2のカテゴリとして指定されたカテゴリの地図データを表示させる表示制御部27と、を備えたので、様々なカテゴリの地図を重ね合わせることなく、それぞれの位置関係が明確になるように地図を表示することができる。
【0103】
次に、ユーザ操作により、表示枠が移動された場合の動作について説明する。
【0104】
図12は、本発明の一実施形態である地図管理装置1において、ユーザ操作により、表示枠が移動された場合の動作を説明した図である。(a)は、第1の表示領域403、第2の表示領域404、第3の表示領域405にそれぞれ、道路、下水道、電力供給網の地図が表示された場合の表示画面の一例を示しており、(b)は、ユーザ操作により、第1の表示領域403の表示枠406が移動された場合における表示画面の一例を示している。
【0105】
図12(a)に示すように、表示パネル29に表示された表示画面401の第1の表示領域403には、道路の地図データが表示されており、また、第1の表示領域403の中心部には、第1の表示領域403より小さく、第2の表示領域404及び第3の表示領域405と同一形状の表示枠406が表示されている。このときの、表示枠406の表示位置として406Aで示している。
【0106】
そして、ユーザが、入力装置を用いて、表示枠406をドラッグアンドドロップ操作等の操作を行うことにより、表示枠406が、表示位置406Aから表示位置406Bへ移動されると、表示制御部27は、移動された表示枠406内に表示された地図データと同じ位置である第2のカテゴリの地図データを表示させる。
【0107】
具体的には、表示枠406が、表示位置406Aから表示位置406Bへ移動されると、表示枠406の位置を決定する。
【0108】
そして、表示領域決定部27cは、決定した表示位置406Bにおける表示枠406の座標を算出する。具体的には、地
図IDが“A0003”の地図データの個別基準位置座標203(ax3,ay3)と、X方向の長さとY方向の長さを示すサイズ(Lx3,Ly3)とに基づいて、表示位置406Bにおける表示枠406の表示枠基準位置座標406a(awx,awy)を算出する。
【0109】
次に、表示領域決定部27cは、算出された表示位置406Bにおける表示枠406の表示枠基準位置座標406a(awx,awy)と、予め定められた表示枠406のX方向の長さとY方向の長さを示すサイズ(Lwx,Lwy)と、抽出された下水の地
図ID(ここでは、“B1010,B1011であるとする)に対応する地図データの個別基準位置座標203(bx10,by10),(bx11,by11)とに基づいて、下水道の地図に表示位置406Bにおける表示枠406を投影した場合の領域を決定する。
【0110】
これにより、
図12(b)に示すように、表示位置406Bに対応した位置の下水道の地図を第2の表示領域404に表示させることができる。
【0111】
同様に、表示領域決定部27cは、算出された表示位置406Bにおける表示枠406の表示枠基準位置座標406a(awx,awy)と、予め定められた表示枠406のX方向の長さとY方向の長さを示すサイズ(Lwx,Lwy)と、抽出された電力供給網の地
図ID(ここでは、C2001,C2002であるとする)に対応する地図データの個別基準位置座標203(cx01,cy01),(cx02,cy02)とに基づいて、電力供給網の地図に表示位置406Bにおける表示枠406を投影した場合の領域を決定する。
【0112】
これにより、
図12(b)に示すように、表示位置406Bに対応した位置の電力供給網の地図を第3の表示領域405に表示させることができる。
【0113】
以上のように、本発明の一実施形態である地図管理装置1によれば、表示制御部27は、第1の表示領域403内で表示枠が移動された場合、移動された表示枠内に表示された地図データと同じ位置である第2のカテゴリの地図データを表示させると共に、移動された表示枠内に表示された地図データと同じ位置である第3のカテゴリの地図データを表示させるので、表示枠406の移動と連動して、第2のカテゴリ及び第3のカテゴリの地図データの表示領域が変更される。これにより、様々なカテゴリの地図を重ね合わせることなく、それぞれの位置関係が明確になるように地図を表示することができる。
【0114】
なお、本発明の一実施形態では、入力欄402から、直接的に地
図IDが入力されることにより、地図データが指定される地図管理装置1を例に挙げて説明したが、これに限らず、住所入力ボックス402c、ランドマーク入力ボックス402d、緯度入力ボックス402e、経度入力ボックス402fに入力されることにより、この入力された情報により特定される地点を含む地
図IDが指定されるようにしてももちろんよい。
【0115】
この場合、住所入力ボックス402c、ランドマーク入力ボックス402dのいずれか、又は、緯度入力ボックス402e及び経度入力ボックス402fが入力された場合、地図データベース15A,15B,15C,15D,15Dに記憶された地図詳細情報に基づいて、入力された情報に関連づけられた地
図IDを指定するようにする。
【0116】
また、表示画面401に表示させる地図データの縮尺を設定するようにしてもよい。具体的には、入力欄402に縮尺設定入力ボックスを設け、ユーザ操作により、縮尺設定入力ボックスにより入力された縮尺となるように、地図フレームに記憶された縮尺に基づいて、地図データを拡大又は縮小して表示するようにしてもよい。
【0117】
また、表示パネル29に表示する地図管理装置1を例に挙げて説明したが、表示パネル29は、必ずしも、地図管理装置1内に備えられている必要はない。例えば、道路管理者のコンピュータ2に接続され、ネットワーク9を介して、地図管理装置1の指示により表示画面を表示するようにしてもよい。
【0118】
なお、本発明の一実施形態では、表示制御部27は、第2の表示領域404に、表示枠406内に表示された地図データと同じ位置である第2のカテゴリとして指定されたカテゴリの地図データを表示させると共に、第3の表示領域405に、表示枠406内に表示された地図データと同じ位置である第3のカテゴリとして指定されたカテゴリの地図データを表示させたが、第2の表示領域404及び第3の表示領域405は、必ずしも、両方の表示領域が必須ではなく、第2の表示領域404及び第3の表示領域405のうち、いずれか一方の表示領域が設けられていればよい。
【0119】
また、上述した実施形態は、コンピュータにインストールした地図管理プログラムを実行させることにより実現することもできる。