(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6111256
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】プレス機
(51)【国際特許分類】
B30B 11/02 20060101AFI20170403BHJP
B30B 1/18 20060101ALI20170403BHJP
B30B 1/32 20060101ALI20170403BHJP
B30B 15/04 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
B30B11/02 Z
B30B1/18 A
B30B1/32 Z
B30B15/04 B
【請求項の数】22
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-536130(P2014-536130)
(86)(22)【出願日】2012年10月15日
(65)【公表番号】特表2014-531985(P2014-531985A)
(43)【公表日】2014年12月4日
(86)【国際出願番号】EP2012004304
(87)【国際公開番号】WO2013056805
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2015年7月9日
(31)【優先権主張番号】102011116552.9
(32)【優先日】2011年10月21日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513277289
【氏名又は名称】フェッテ コンパクティング ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】ベーンス ホルガー
(72)【発明者】
【氏名】パネヴィッツ トーマス
【審査官】
塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−057497(JP,A)
【文献】
特開平07−112299(JP,A)
【文献】
再公表特許第2005/120818(JP,A1)
【文献】
特開2004−314118(JP,A)
【文献】
特開2002−153995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B30B 11/02
B30B 1/18
B30B 1/32
B30B 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末材料のペレットを作成するためのプレス機であって、
複数の垂直スペーサ(16)によって互いに接続される上部保持プレートと下部保持プレート(12、14)、および前記上部保持プレートと前記下部保持プレート(12、14)との間に配置される少なくとも1つの支持要素(18)とを有するプレス機フレーム(10)、
少なくとも1つの上部プレスパンチを有する少なくとも1つの上部パンチユニットおよび/または少なくとも1つの下部プレスパンチを有する少なくとも1つの下部パンチユニットおよび前記上部プレスパンチおよび/または前記下部プレスパンチによってプレス加工される粉末材料を充填するための少なくとも1つのホルダを含むダイアセンブリを備えた工具ガイドユニットであって、前記ダイアセンブリはダイプレートを備え、前記支持要素(18)はダイアセンブリのダイプレートから離れて形成され、前記支持要素(18)に配置される工具ガイドユニット、さらに
前記上部パンチユニットを垂直方向に移動させるための少なくとも1つの上部駆動ユニットおよび/または前記下部パンチユニットならびに/もしくは前記ダイアセンブリを垂直方向に移動させるための少なくとも1つの下部駆動ユニットであって、プレス機の動作時に前記少なくとも1つのホルダ内の粉末材料のプレス加工時に発生した押圧力によって作用力として生成された反力が前記支持要素(18)に伝わるように前記支持要素(18)で支持される上部駆動ユニットおよび/または下部駆動ユニット
を備える、プレス機。
【請求項2】
前記ダイアセンブリおよび前記プレス機フレーム(10)の前記支持要素(18)は、同じ設置面もしくは互いにわずかに離間した設置面に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のプレス機。
【請求項3】
前記ダイアセンブリは、前記支持要素(18)に固定されることを特徴とする、請求項1および請求項2のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項4】
前記上部駆動ユニットおよび/または前記下部駆動ユニットは、前記支持要素(18)に配置され、および/または固定されることを特徴とする、請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項5】
前記上部駆動ユニットは、前記支持要素(18)と前記上部パンチユニットとの間に配置され、および/または、前記下部駆動ユニットは、前記支持要素(18)と前記下部パンチユニットもしくは前記ダイアセンブリとの間の配置されることを特徴とする、請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項6】
前記上部駆動ユニットは、直接もしくは上部伝達要素を介して前記上部パンチユニットに固定され、および/または、前記下部駆動ユニットは、直接もしくは下部伝達要素を介して前記下部パンチユニットもしくは前記ダイアセンブリに固定されることを特徴とする、請求項4および請求項5のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項7】
前記上部伝達要素は上部伝達ブリッジ(38)を備え、前記上部伝達ブリッジ(38)には2つの上部駆動ユニットが固定され、および/または、前記下部伝達要素は下部伝達ブリッジ(52)を備え、前記下部伝達ブリッジ(52)には2つの下部駆動ユニットが固定されることを特徴とする、請求項6に記載のプレス機。
【請求項8】
上部力伝達要素(40)は、前記上部伝達ブリッジ(38)と前記上部パンチユニットとの間に配置され、および/または、下部力伝達要素(54)は、前記下部伝達ブリッジ(52)と前記下部パンチユニットもしくは前記ダイアセンブリ(54)との間に配置されることを特徴とする、請求項7に記載のプレス機。
【請求項9】
前記上部駆動ユニットは、電動モータ(30)によって駆動される少なくとも1つの上部スピンドルドライブを備え、および/または、前記下部駆動ユニットは、少なくとも1つの電動モータ(42)によって駆動される少なくとも1つの下部スピンドルドライブを備えることを特徴とする、請求項1〜請求項8のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項10】
前記上部スピンドルドライブの前記少なくとも1つの電動モータ(30)は、前記プレス機フレーム(10)の前記上部保持プレート(12)に固定され、および/または、前記下部スピンドルドライブの前記少なくとも1つの電動モータ(42)は、前記プレス機フレーム(10)の前記下部保持プレート(14)に固定されることを特徴とする、請求項9に記載のプレス機。
【請求項11】
少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドル(34)の上部固定軸受(32)は、前記支持要素(18)に固定され、前記少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドルナット(36)は、直接もしくは上部伝達要素を介して前記上部パンチユニットに固定され、および/または、少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドル(44)の下部固定軸受(46)は、前記支持要素(18)に固定され、前記少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドルナット(50)は、直接もしくは下部伝達要素を介して前記下部パンチユニットならびに/もしくは前記ダイアセンブリに固定されることを特徴とする、請求項9および請求項10のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項12】
前記少なくとも1つの電動モータ(30、42)は中空シャフトモータであることを特徴とする、請求項9〜請求項11のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項13】
前記中空シャフトモータ(30、42)は前記支持要素(18)に固定され、前記中空シャフトモータは前記少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドルナット(36)を駆動し、この場合、前記少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドル(34)は、直接もしくは上部伝達要素を介して前記上部パンチユニットに固定され、および/または、前記中空シャフトモータは前記少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドルナット(50)を駆動し、この場合、前記少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドル(44)は、直接もしくは下部伝達要素を介して前記下部パンチユニットならびに/もしくは前記ダイアセンブリに固定されることを特徴とする、請求項12に記載のプレス機。
【請求項14】
前記中空シャフトモータ(30、42)は、直接もしくは上部伝達要素を介して前記上部パンチユニットに固定されて、前記少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドルナット(36)を駆動し、前記少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドル(34)は、前記支持要素(18)に固定され、および/または、前記中空シャフトモータは、直接もしくは下部伝達要素を介して前記下部パンチユニットならびに/もしくは前記ダイアセンブリに固定されて、前記少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドルナッド(50)を駆動し、前記少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドル(44)は、前記支持要素(18)に固定されることを特徴とする、請求項12に記載のプレス機。
【請求項15】
前記中空シャフトモータ(30、42)は前記支持要素(18)に固定され、前記中空シャフトモ−タは前記少なくとも1つの上部スピンドルドライブの軸方向に可動な上部スピンドル(34)を回転駆動し、前記少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部固定軸受(32)は、直接もしくは上部伝達要素を介して前記上部パンチユニットに固定され、および/または、前記中空シャフトモータは前記少なくとも1つの下部スピンドルドライブの軸方向に可動な下部スピンドル(44)を回転駆動し、前記少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部固定軸受(46)は、直接もしくは下部伝達要素を介して前記下部パンチユニットならびに/もしくは前記ダイアセンブリに固定されることを特徴とする、請求項12に記載のプレス機。
【請求項16】
前記中空シャフトモータ(30、42)は、直接もしくは上部伝達要素を介して前記上部パンチユニットに固定されて、前記少なくとも1つの上部スピンドルドライブの軸方向に可動な上部スピンドル(34)を回転駆動し、前記少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部固定軸受(32)は、前記支持要素(18)に固定され、および/または、前記中空シャフトモータは、直接もしくは下部伝達要素を介して前記下部パンチユニットならびに/もしくは前記ダイアセンブリに固定されて、前記少なくとも1つの下部スピンドルドライブの軸方向に可動な下部スピンドル(44)を回転駆動し、前記少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部固定軸受(46)は、前記支持要素(18)に固定されることを特徴とする、請求項12に記載のプレス機。
【請求項17】
前記上部駆動ユニットは、少なくとも1つの上部油圧もしくは電気油圧ドライブを備え、および/または、前記下部駆動ユニットは、少なくとも1つの下部油圧もしくは電気油圧ドライブを備えることを特徴とする、請求項1〜請求項16のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項18】
前記上部油圧ドライブは、前記支持要素(18)に固定される少なくとも1つの上部油圧シリンダを備え、前記少なくとも1つの上部油圧シリンダのピストンロッドは、直接もしくは上部伝達要素を介して前記上部パンチユニットに固定され、および/または、前記下部油圧ドライブは、前記支持要素(18)に固定される少なくとも1つの下部油圧シリンダを備え、前記少なくとも1つの下部油圧シリンダのピストンロッドは、直接もしくは下部伝達要素を介して前記下部パンチユニットならびに/もしくは前記ダイアセンブリに固定されることを特徴とする、請求項17に記載のプレス機。
【請求項19】
前記上部油圧ドライブは、直接もしくは上部伝達要素を介して前記上部パンチユニットに固定される少なくとも1つの上部油圧シリンダを備え、前記少なくとも1つの上部油圧シリンダのピストンロッドは前記支持要素(18)に固定され、および/または、前記下部油圧ドライブは、直接もしくは下部伝達要素を介して前記下部パンチユニットに固定される少なくとも1つの下部油圧シリンダを備え、前記少なくとも1つの下部油圧シリンダのピストンロッドは前記支持要素(18)に固定されることを特徴とする、請求項17に記載のプレス機。
【請求項20】
前記支持要素(18)は、一体構造であることを特徴とする、請求項1〜請求項19のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項21】
前記支持要素(18)は、U字形であり、前記プレス機フレーム(10)の長手方向軸に対して垂直に配向された面、特に水平面内にあることを特徴とする、請求項1〜請求項20のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【請求項22】
前記工具ガイドユニットは、モジュールを形成し、全体をプレス機から取り外して、同様にモジュールを形成する異なる工具ガイドユニットと交換することができることを特徴とする、請求項1〜請求項21のうちのいずれか一項に記載のプレス機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末材料、例えば、金属粉末またはセラミック粉末からペレットを作成するためのプレス機に関する。
【背景技術】
【0002】
粉末材料は、ダイアセンブリのモールドホルダに充填され、その後、上部パンチと下部パンチとによってモールドホルダ内でペレットにプレス加工される。このようなプレス機の1つは、例えば、特許文献1から周知である。この周知のプレス機は、プレス機の上部、下部、およびプレス機の上部と下部を互いに接続する垂直柱を有するプレス機フレームを有する。プレス加工の過程で力束内の全ての部品を出来るだけ正確に位置合わせすることは、該プレス機によるプレス加工の結果およびプレス機の摩耗にとって決定的に重要である。周知のプレス機では、複数の部品は、通常は別個に製造され、部品のレベルが力束内にある。
【0003】
その結果、製造上の公差が増して、プレス機による強い力のために、プレス機の部品が変形する場合がある。特に、上部パンチおよび下部パンチを駆動させる上部駆動ユニットの軸および下部駆動ユニットの軸が互いに正確に位置合わせされないことも起こり得る。その結果、プレス加工の結果が不良になる恐れがある。プレス加工の結果への影響を最小限に抑えるために、上部パンチおよび下部パンチ、さらにモールドホルダ付きのダイプレートを備えた、いわゆる工具ガイドユニットを使用することが提案されている。工具ガイドユニットが適切な寸法であれば、プレス機部品の変形がペレットに与える影響はごくわずかである。しかし、そのためには、工具ガイドユニットに対するかなりの追加支出が必要になる。さらに、プレス加工時に、個々の部品、例えば、油圧プレス機の場合、シリンダのシールおよびガイドテープ、スピンドルプレス機の場合、スピンドル・スピンドルナットユニット、または工具ガイドユニットのガイドの摩耗が増大する。
【0004】
さらに、特許文献2から、別のプレス機が周知である。このプレス機は、フレーム状のプレス機フレームを有し、上部フレームプレートおよび下部フレームプレートは縁部で複数の支柱によって互いに接続され、複数の支柱はプレス機フレームの長手方向軸に対して平行に配向され、互いに接続される。上部フレームプレートと下部フレームプレートとの間には、長手方向軸に垂直に位置合わせされ、粉末材料をプレス加工するためのホルダを収容するダイプレートがプレス機フレームに取り付けられる。長手方向軸の方向に向けられ、プレス機フレームの上部領域と下部領域において互いに離間してプレス機フレームにしっかりと取り付けられた1組のガイドロッドは、ダイプレートおよびプレス装置を貫通する。プレス装置は、ダイプレートより上方および下方に配置され、プレスパンチを収容して移動させるために設けられ、ガイドロッド上を移動可能である。ダイプレート内で互いに離間してしっかりと固定された2つのねじロッドのそれぞれは指定されたねじナットと係合し、ねじナットは上部および下部プレス装置に回転可能に取り付けられ、ガイドロッドの2つの上方部および2つの下方部は、指定されたプレス装置によって支承されるモータによって駆動される。上部および下部プレス装置は、スピンドルドライブを介して垂直方向に移動可能であり、スピンドルドライブは、ダイプレートに固定され、対になって同期して、いずれも1つのモータによって駆動される。
【0005】
したがって、スピンドルドライブを操作するためのモータは、プレス装置の垂直運動の度に垂直運動に沿って移動される。押圧力(粉末材料がプレス加工される時に、作用力となって、上部プレスパンチと下部プレスパンチに加わる)は反力を生成し、反力はダイプレートの上下に対になって固定されたねじロッドによって吸収されてダイプレートに放出される。この構造では、プレス加工の過程で発生し、ひいては上部および下部のプレス装置の運動の過程で発生する力やモーメントを吸収するためには、ダイプレートおよび各プレス装置をかなり大きくすることが必要である。さらに、プレス装置をプレスパンチと交換するために、プレス機の大部分を分解しなければならず、ダイプレート内の粉末材料のホルダの交換可能性に関しての情報は全く提供されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許第2311587号(A1)明細書
【特許文献2】国際公開第2008/104969(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の先行技術に鑑み、本発明は、上記のタイプのプレス機で、構造的に単純な方法で最適なプレス加工の結果が得られると同時に、プレス機の部品を容易に交換することができるプレス機を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の上記目的は、請求項1の対象によって達成される。有利な発展形態は、従属請求項、明細書、および図面に示されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記目的は、粉末材料からペレットを作成するためのプレス機であって、複数の垂直スペーサによって互いに接続される上部保持プレートと下部保持プレート、および上部保持プレートと下部保持プレートとの間に配置される少なくとも1つの支持要素とを有するプレス機フレームを備え、さらに、少なくとも1つの上部プレスパンチを有する少なくとも1つの上部パンチユニットおよび/または少なくとも1つの下部プレスパンチを有する少なくとも1つの下部パンチユニットおよび上部プレスパンチおよび/または下部プレスパンチによってプレス加工される粉末材料を充填するための少なくとも1つのホルダを含むダイアセンブリを備えた工具ガイドユニットであって、
前記ダイアセンブリはダイプレートを備え、前記支持要素(18)はダイアセンブリのダイプレートから離れて形成され、前記支持要素に配置される工具ガイドユニットを備え、さらに、上部パンチユニットを垂直方向に移動させるための少なくとも1つの上部駆動ユニットおよび/または下部パンチユニットならびに/もしくはダイアセンブリを垂直方向に移動させるための少なくとも1つの下部駆動ユニットであって、プレス機の動作時に少なくとも1つのホルダ内の粉末材料のプレス加工時に発生した押圧力によって作用力として生成された反力が支持要素に伝わるように支持要素で支持される上部駆動ユニットおよび/または下部駆動ユニットを備える、プレス機によって達成される。
【0010】
本発明のプレス機は、垂直スペーサによって接続されてプレス機のフレームまたはハウジングを形成する上部保持プレートおよび下部保持プレートを備えたプレス機フレームを有する。プレス機は、下部保持プレートを介して、足部を使用してまたは地面の上に直接立った状態である。プレス機はさらに、工具ガイドユニット、特に、工具ガイドフレームを備える。この工具ガイドフレームは、少なくとも1つの上部パンチおよび/または下部パンチをそれぞれ有する1つまたは複数の上部および/または下部パンチユニット(1つまたは複数)を有する。さらに、工具ガイドユニットは、プレス加工される粉末がプレスパンチ(1つまたは複数)によってプレス加工される前に充填されるモールドホルダを備えたダイアセンブリを有する。粉末材料は、例えば、金属粉末またはセラミック粉末であってよい。ダイアセンブリは、特に、上部パンチユニットと下部パンチユニットとの間に配置される。通常、プレス機は、少なくとも1つの上部パンチと少なくとも1つの下部パンチとを備え、上部パンチと下部パンチは帯電した粉末をプレス加工するためにダイアセンブリのホルダ内で相互に作用する。しかし、基本的には、例えば、ダイアセンブリのホルダの下部が閉じた状態であれば、上部パンチのみを使用して上方からのみ押圧することも考えられる。
【0011】
ダイアセンブリは、ダイプレートを有してもよい。同様に、上部および/または下部パンチユニット(1つまたは複数)は、上部または下部パンチプレートを有してもよい。工具ガイドユニットの位置調整ユニットが配設されてもよく、位置調整ユニットを使用して、工具ガイドユニットをプレス機フレームに挿入しながら支持要素に対して位置合わせすることができる。プレス加工の過程で上部および/または下部パンチを垂直に移動させるために、上部および/または下部駆動ユニットが配設される。基本的には、1つ以上、例えば、2つの上部駆動ユニットと、1つ以上、例えば、2つの下部駆動ユニットとを配設することができる。2つの上部駆動ユニットおよび/または2つの下部駆動ユニットが配設される場合、これらの駆動ユニットは、例えば、互いにプレス機フレームの2つの反対側の位置に対称的に配置されてもよい。しかし、片側のみに駆動ユニットを配設して、反対側にガイドユニットを有することも考えられる。説明したように、下部駆動ユニットは、下部パンチユニットまたはダイアセンブリを垂直方向に駆動させることができる。したがって、プレス機は、ダイアセンブリが固定された状態で上部および下部パンチがダイアセンブリに対して可動である射出方法によって、さらに、下部パンチが固定された状態でダイアセンブリおよび上部パンチが可動である引き出し方法によって操作することができる。基本的には、プレス機軸の数、ひいては同時に作成されるペレットの数を広い範囲内で増やすことができる。
【0012】
本発明のプレス機フレームは、保持プレート間に配置される支持要素を有する。支持要素は、例えば、基本的には、保持プレート間の中央に配置されてもよい。支持要素は、ダイアセンブリもしくはダイアセンブリのダイプレートとは別個に形成され、大きな力を吸収することができる。本発明によれば、工具ガイドユニットは支持要素に配置される。また本発明によれば、上部駆動ユニットおよび/または下部駆動ユニットは、プレス機の動作時に、特に直接的に、さらには、少なくとも1つのモールドホルダ内の粉末材料のプレス加工時に発生した押圧力によって作用力として生成された反力が少なくとも優位に支持要素に伝えられるように、支持要素で支持される。プレス加工の過程で、上部パンチおよび下部パンチは、上部および/または下部駆動ユニットによって生成された大きな押圧力を、ペレットにプレス加工される粉末材料に加える。この作用力としての押圧力は、反力または逆の力を生成し、次に、この反力が上部パンチおよび下部パンチを介して上部および/または下部駆動ユニットに作用する。
【0013】
本発明によれば、上部パンチおよび下部パンチによって上部および/または下部駆動ユニットへと導入されたこの反力はこのようにして支持要素へと伝えられる。プレス機フレームの残りの部品、特に保持プレート間の垂直スペーサは、基本的には、この力束には関与しない。また、これらの力は、再び上部および/または下部駆動ユニットからダイアセンブリへと伝わることはない。特に、本発明のプレス機フレームは柱部の無いプレス機フレームであり、垂直スペーサが強い押圧力を吸収するような構造でなくてもよい。力は、本質的に、プレス機フレームの比較的長い柱部を介して流れないので、プレス機のフレームの撓みは少ない。プレス機フレームの変形や、それに伴って生じるプレス加工結果への望ましくない影響はかなり避けられる。さらに、有利には、プレス機のごくわずかの部品のみが力束内にある。その結果、ごくわずかの部品のみが累積公差を伴う。本発明の力束フロー内にある部品、特に支承フレームは、構造的に、公差が少なく、より費用のかからない方法で製造することができる。したがって、先行技術よりも低コストで精密なプレス加工の結果が得られる。さらに、駆動ユニットがプレス機のフレーム内に組み込まれるので、プレス機の全高は低くなる。
【0014】
ダイアセンブリおよびプレス機フレームの支持要素は、同じ設置面またはわずかに離間した設置面に設置される。設置面は、特に、水平面である。ダイアセンブリ、(特にダイプレート)および支持要素は、通常、設置面に対して垂直な方向(特に垂直方向)に伸びる。そして、設置面は、例えば、ダイアセンブリ(特にダイプレート)または支持要素の垂直範囲に対して中央に配置される。この構造の場合、例えば、駆動ユニットのスピンドルナットシステムの回転軸に垂直な面が取り付け面として定義される場合、ダイアセンブリ(特にダイプレート)の取り付けレベルは、支持要素における各駆動ユニットの取り付けレベルとほぼ一致すると言える。これらの方法を使用することで、プレス機の動作時のプレス機の部品の変形をさらに回避することができる。ダイアセンブリ(特にダイプレート)は、支持要素に、特に直接固定されてもよい。これらの方法を使用することで、プレス機の部品の変形をさらに低減することができる。
【0015】
さらに別の発展形態によれば、上部駆動ユニットおよび/または下部駆動ユニットは、特に直接、支持要素に固定される。さらに、上部駆動ユニットは支持要素と上部パンチユニットとの間に配置され、および/または下部駆動ユニットは支持要素と下部パンチユニットもしくはダイアセンブリとの間に配置されてもよい。上部駆動ユニットは、直接もしくは上部伝達要素を使用して上部パンチユニットに固定され、および/または、下部駆動ユニットは、直接もしくは下部伝達要素を使用して下部パンチユニットもしくはダイアセンブリに固定されてもよい。
【0016】
さらに別の発展形態によれば、上部伝達要素は上部伝達ブリッジを備えてもよく、および/または下部伝達要素は下部伝達ブリッジを備えてもよい。さらに、2つの上部駆動ユニットを配設して上部伝達ブリッジに固定することも可能であり、および/または2つの下部駆動ユニットを配設して下部伝達ブリッジに固定することも可能である。プレス機軸ごとに2つの駆動ユニットを配設することにより、各駆動ユニットの寸法を小さくすることができる。プレス機の1つの軸に配置される2つの駆動ユニットは、ドライブの2つの駆動モーメントによって生成された反作用トルクが互いに補償し合うことで、ドライブを担う構造において変形を生じさせないために、反対方向に操作されてもよい。この点に関して、補償効果は、逆方向に動作されるドライブのねじスピンドルが反対のリード角を有する(右巻きねじと左巻きねじである)場合に達成される。さらに、上部力伝達要素が、上部伝達ブリッジと上部パンチユニットとの間および/または下部伝達ブリッジと下部パンチユニットもしくはダイアセンブリとの間に配置されてもよい。
【0017】
さらに別の発展形態によれば、上部駆動ユニットは、少なくとも1つの電動モータによって駆動される少なくとも1つの上部スピンドルドライブを備えてもよい。あるいは、または、さらに、下部駆動ユニットは、少なくとも1つの電動モータによって駆動される少なくとも1つの下部スピンドルドライブを備えてもよい。特に強い力は、スピンドルドライブによって正確に伝達される。上部スピンドルドライブの少なくとも1つの電動モータは、プレス機フレームの上部保持プレートに固定される。それに応じて、下部スピンドルドライブの少なくとも1つの電動モータは、プレス機フレームの下部保持プレートに固定される。これは、プレス加工時にモータが移動することはなく、したがって重力が発生しないという利点がある。比較的高重量のモータの場合、関連する駆動ユニットに望ましくない応力が加わることはなく、ひいては、パンチユニットに望ましくない応力が加わることはなく、その代わりに、これらの応力はプレス機フレームによって吸収される。当然、モータは保持プレートに固定される必要はない。
【0018】
さらに別の発展形態によれば、少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドルの上部固定軸受は支持要素に固定でき、少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドルナットは直接もしくは上部伝達要素を介して上部パンチユニットに固定できる。代替として、または追加として、下部スピンドルドライブの下部スピンドルの下部固定軸受は支持要素に固定でき、少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドルナットは直接もしくは下部伝達要素を介して下部パンチユニットおよび/またはダイアセンブリに固定できる。上部伝達要素または下部伝達要素は、例えば、上部伝達ブリッジまたは下部伝達ブリッジとしてもよい。回転スピンドルを有する駆動ユニットの場合、スピンドルは固定軸受によって(特に直接)支持要素に取り付けることができる。スピンドルに取り付けられるスピンドルナットは、この場合、伝達ブリッジを介して互いに接続されるのが好ましい。そして、伝達ブリッジは、工具ガイドユニット、特に、上部パンチユニットもしくは下部パンチユニットまたはダイアセンブリと接続できる。駆動ユニットはさらに、パンチユニットまたはダイアセンブリに直接接続できる。同様に、力伝達要素を使用せずに各伝達ブリッジをパンチユニットもしくはダイアセンブリに直接接続することも考えられる。
【0019】
電動モータは、中空シャフトモータとしてもよい。中空シャフトモータが支持要素に固定され、中空シャフトモータが少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドルナットを駆動することも可能であり、この場合、少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドルを直接もしくは上部伝達要素を介して上部パンチユニットに固定することができ、および/または中空シャフトモータは少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドルナットを駆動することも可能であり、この場合、少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドルを直接または下部伝達要素を介して下部パンチユニットならびに/もしくはダイアセンブリに固定することができる。
【0020】
さらに、中空シャフトモータは直接もしくは上部伝達要素を介して上部パンチユニットに固定されて、少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドルナットを駆動し、少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部スピンドルは、支持要素に固定されることも可能であり、および/または、中空シャフトモータは直接もしくは下部伝達要素を介して下部パンチユニットならびに/もしくはダイアセンブリに固定されて、少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドルナットを駆動し、少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部スピンドルは支持要素に固定されることも可能である。
【0021】
また、中空シャフトモータは支持要素に固定されて、中空シャフトモータは少なくとも1つの上部スピンドルドライブの軸方向に可動な上部スピンドルを回転駆動し、少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部固定軸受は直接もしくは上部伝達要素を介して上部パンチユニットに固定されることも可能であり、および/または、中空シャフトモータは少なくとも1つの下部スピンドルドライブの軸方向に可動な下部スピンドルを回転駆動し、少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部固定軸受は直接もしくは下部伝達要素を介して下部パンチユニットならびに/もしくはダイアセンブリに固定されることも可能である。
【0022】
最後に、中空シャフトモータは直接もしくは伝達要素を介して上部パンチユニットに固定されて、少なくとも1つの上部スピンドルドライブの軸方向に可動な上部スピンドルを回転駆動し、少なくとも1つの上部スピンドルドライブの上部固定軸受は支持要素に固定されることも可能であり、および/または、中空シャフトモータは直接もしくは下部伝達要素を介して下部パンチユニットならびに/もしくはダイアセンブリに固定されて、少なくとも1つの下部スピンドルドライブの軸方向に可動な下部スピンドルを回転駆動し、少なくとも1つの下部スピンドルドライブの下部固定軸受は支持要素に固定されることも可能である。全ての場合において、上部もしくは下部伝達要素は、同様に、上部もしくは下部伝達ブリッジとすることができる。さらに、電動モータと少なくとも1つのスピンドルドライブのスピンドルとの間に可撓性連結部が配置されてもよい。
【0023】
あるいは、上部駆動ユニットは少なくとも1つの上部油圧もしくは電気油圧ドライブを備えることが可能であり、および/または、下部駆動ユニットは少なくとも1つの下部油圧もしくは電気油圧ドライブを備えることが可能である。そしてさらに、上部油圧ドライブは支持要素に固定される少なくとも1つの上部油圧シリンダを備え、少なくとも1つの油圧シリンダのピストンロッドは直接もしくは上部伝達要素を介して上部パンチユニットに固定されることも可能であり、および/または、下部油圧ドライブは支持要素に固定される少なくとも1つの下部油圧シリンダを備え、少なくとも1つの下部油圧シリンダのピストンロッドは直接もしくは下部伝達要素を介して下部パンチユニットならびに/もしくはダイアセンブリに固定されることも可能である。
【0024】
さらに、上部油圧ドライブは直接もしくは上部伝達要素を介して上部パンチユニットに固定される少なくとも1つの上部油圧シリンダを備え、少なくとも1つの上部油圧シリンダのピストンロッドは支持要素に固定されることも可能であり、および/または、下部油圧ドライブは直接もしくは下部伝達要素を介して下部パンチユニットならびに/もしくは下部のダイアセンブリに固定される少なくとも1つの下部油圧シリンダを備え、少なくとも1つの下部油圧シリンダのピストンロッドは支持要素に固定されることも可能である。この場合も同様に、上部もしくは下部伝達要素は、上部もしくは下部伝達ブリッジとすることができる。
【0025】
基本的に、支持要素は複数の部分で構成されると考えられる。支持要素は、閉じた形状または開いた形状にすることが可能である。例えば、支持要素は、それぞれ1つまたは複数の凹部および/または1つまたは複数の支柱を含む2つの別個の側面部を有してもよい。好適な発展形態によれば、支持要素は一体部品で形成される。このことにより、製造上の公差を小さくすることができる。この点に関して、さらに別の発展形態によれば、支持要素は、U字形であり、プレス機の長手方向軸に対して垂直に配向された面、特に水平面内にある。この発展形態では、部品の関連する公差を決定する支持要素の領域を、特に精密に作成することができる。プレス機の動作時のU字形の形状の安定性を高めるために、U字形支持要素の脚部は、取り外し可能な支柱によって接続されてもよい。
【0026】
さらに別の発展形態によれば、工具ガイドユニットはモジュールを形成することができ、全体をプレス機から取り外して、同様にモジュールを形成する異なる工具ガイドユニットと交換することができる。この発展形態では、工具ガイドユニットは、いわゆるアダプタを形成し、例えば、摩耗が生じた場合、または異なる組み合わせのダイアセンブリとパンチユニットに変更する場合に、全体をプレス機フレームから取り外して異なる工具ガイドユニットと交換することができる。
【0027】
本発明によれば、それぞれの駆動ユニットはプレス機フレームの支持要素で支持されており、先行技術の場合とは違って、工具ガイドユニットに、プレス機フレームとしっかりと接続されている駆動ユニットのガイドバーおよびスピンドルが貫通していないので、工具ガイドユニットの取り外しは特に容易である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一例について、図面を用いてより詳細に後述する。
図1は、本発明のプレス機の斜視図である。本発明のプレス機は、上部保持プレート12と下部保持プレート14とを備えたプレス機フレーム10を有する。図示の例では、上部保持プレート12および下部保持プレート14は、垂直方向に伸びる4つのスペーサ16と、上部保持プレート12と下部保持プレート14との間のほぼ中央に配置された支持要素18とによって互いに接続される。図示の例では、支持要素18は、一体構造であり、U字形の形状を有し、水平面、取り付け面または延長面内にある。下部保持プレート14は、設置している4つの支持脚20上にある。
【0030】
さらに、本発明のプレス機は、上部パンチプレート22と上部パンチ(図示せず)から成る上部パンチユニット、下部パンチプレート24と下部パンチ(図示せず)とから成る下部パンチユニット、および上部パンチプレート22もしくは上部パンチユニットと下部パンチプレート24もしくは下部パンチユニットとの間に配置されるダイプレート26を備えたモジュール構造である工具ガイドユニットを有し、ダイプレート26は、上部パンチおよび下部パンチによってプレス加工される粉末(例えば、金属粉末またはセラミック粉末)を充填するためのホルダ(図示せず)を有する。図示の例では、上部パンチプレート22、下部パンチプレート24、およびダイプレート26は、4つの垂直ガイド柱28によって互いに接続される。図示の例では、保持プレート26は、支持要素18と直接接続される。工具ガイドユニット22、24、26、28は、全体がプレス機フレーム10から取り外されて、異なる工具ガイドユニットと交換可能である。
【0031】
さらに、本発明のプレス機は、上部パンチプレート22を垂直方向に移動させるための2つの上部駆動ユニットと、下部パンチプレート24を垂直方向に移動させるための2つの下部駆動ユニットとを備える。上部駆動ユニットおよび下部駆動ユニットは、プレス機フレーム10の2つの互いに反対側の位置に配置される。上部駆動ユニットはそれぞれ、上部保持プレート12上に配置される上部電動モータ30と、上部スピンドルドライブとを備える。図示の例では、上部スピンドルドライブの上部固定軸受32は、支持要素18の上面に直接固定される。しかし、上部固定軸受32は、支持要素18の下面に固定されてもよい。電動モータ30は、軸方向に固定されている上部スピンドル34を回転駆動する。
【0032】
それぞれの上部スピンドル34の上に上部スピンドルナット36が軸方向に可動に配置される。上部スピンドル34が回転駆動されると、それぞれの上部スピンドルナット36が軸方向に移動される。上部駆動ユニットの上部スピンドルナット36は、上部伝達ブリッジ38に固定され、上部伝達ブリッジ38は、上部力伝達要素40を介して上部パンチプレート22と接続される。このようにして上部スピンドルナット36の軸方向運動は上部パンチプレート22に伝達され、上部パンチプレート22も同じように軸方向に移動される。
【0033】
この点に関して、下部駆動ユニットの構造も同様である。例えば、下部駆動ユニットのそれぞれは、下部保持プレート14上に配置される電動モータ42を有し、いずれも軸方向に固定されている下部スピンドル44を駆動し、いずれも下部スピンドルドライブの下部固定軸受46は支持要素18の下面に直接固定される。固定軸受46は、支持要素18の上面に固定されてもよい。この場合も同様に、下部スピンドルナット50がそれぞれの下部スピンドル44上に配置される。下部スピンドルナット50は同様にして、下部伝達ブリッジ52と接続され、下部伝達ブリッジ52は、下部力伝達要素54を介して下部パンチプレート24と接続される。下部電動モータ42が下部スピンドル44を回転駆動すると、同様にして、下部スピンドルナット50の軸方向運動が生じ、この軸方向運動は、下部伝達ブリッジ52および下部力伝達要素54によって下部パンチプレート24に伝達され、その結果、下部パンチプレート24も軸方向に移動される。
【0034】
上部駆動ユニットは上部固定軸受32を介して、下部駆動ユニットは下部固定軸受46を介して、それぞれ支持要素18で直接支承されることがわかる。したがって、プレス加工の過程で、力は、上部パンチから上部パンチプレート22に流れ、上部パンチプレート22から上部力伝達要素40および上部伝達ブリッジ38を介して2つの上部駆動ユニット(特に上部スピンドル34および上部固定軸受32)に流れ、これらの上部駆動ユニットから支持要素18に流れる。それに応じて、力は、下部パンチから下部パンチプレート24に流れ、下部パンチプレート24から下部力伝達要素54および下部伝達ブリッジ52を介して下部駆動ユニット(特に下部スピンドル44および下部固定軸受46)に流れ、同様に、下部駆動ユニットから支持要素18に流れる。
【0035】
したがって、力束内にあるのは比較的少ない部品であるので、少ない部品の公差が累積することになる。支持要素18の設置面はダイプレート26と同じ水平面内、またはダイプレート26からわずかに離間した面内にあるので、垂直スペーサ16は基本的に力束に関与せず、フレームの撓みひいてはプレス機フレーム10の変形は目に見えるほどのものではない。さらに、押圧力を吸収する支持要素18を、精密に、かつ非常に小さい公差で製造することができる。同時に、工具ガイドユニット22、24、26、28は、摩耗が生じた場合もしくは製造の変更がある場合に、容易に交換可能である。