(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6111318
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】パックをカートンに導入するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
B65B 35/18 20060101AFI20170327BHJP
【FI】
B65B35/18
【請求項の数】12
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-502118(P2015-502118)
(86)(22)【出願日】2013年2月22日
(65)【公表番号】特表2015-514644(P2015-514644A)
(43)【公表日】2015年5月21日
(86)【国際出願番号】EP2013000514
(87)【国際公開番号】WO2013143637
(87)【国際公開日】20131003
【審査請求日】2015年11月17日
(31)【優先権主張番号】102012006278.8
(32)【優先日】2012年3月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504265684
【氏名又は名称】フォッケ・ウント・コンパニー(ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト)
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】ブラントホルスト・ビョルン
(72)【発明者】
【氏名】ザックス・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ノイフェルト・アンドレアス
【審査官】
家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】
特表2011−512302(JP,A)
【文献】
特開平02−191106(JP,A)
【文献】
特開2004−268976(JP,A)
【文献】
特開2011−241027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B35/00−35/58
B65B 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パック(11)が、相前後して又はグループでパックステーション(23)に供給され、少なくとも1つのパックロボット(33)によってカートン(10)内に導入され、カートン(10)が、このカートンを把持するカートンロボット(26)によって異なった充填位置に移動可能である、カートン(10)内のパック(11)の所定の編成を構成しつつ、パック(11)をカートン(10)内に導入するための方法において、
一方ではカートン(10)の回転及び/又は傾倒及び/又は直線運動によって、他方ではパック(11)の昇降運動及び/又はパック(11)の回転運動又は押込みによって、カートン(10)が異なったパック編成で充填されるように、パックロボット(33)のヘッド(37)が、カートンロボット(26)の運動と同調して、複数の座標(40)に沿って移動可能で、複数の軸(42)を中心として旋回可能であること、及び、
空のカートン(10)が、搬送によってカートンロボット(26)の開放したカートンホルダ(30)内へ導入され、カートンホルダ(30)の閉鎖により機械的及び/又は空気圧的な保持機構(46,47)によって固定され、空のカートン(10)をカートンホルダ(30)の領域内へ押し込む時に、充填されたカートン(10)が、同時にカートンホルダ(30)の領域外に移送され、充填されたカートン(10)が、プッシャ(75)によってスライドさせることにより、カートンホルダ(30)の領域外へ移送され、後続の空のカートン(10)が、同じプッシャ(75)によって引き込むことにより、カートンホルダ(30)の領域内へ移送されること、を特徴とする方法。
【請求項2】
パック(11)が、パックに対応付けされたパックロボット(33)によって吸気によって把持され、昇降させることによりカートン(10)内へ搬入されるか、選択的にスライドさせることによってカートン(10)内へ導入され、パックロボット(33)のヘッド(37)が、パック(10)のためのキャリヤ又はスライダとして使用されること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a)折畳みによって直立させたカートン(10)が、上面を開放させて、カートン供給部(21)に沿ってカートンステーション(24)に搬送されること、
b)空のカートン(10)が、カートンステーション(24)の領域内でカートンロボット(26)によって把持され、パックステーション(23)に供給され、このパックステーションで、パック(11)を収容するために用意されること、
c)パックコンベヤ(32)よって供給されたパック(11)が、パックステーション(23)の領域内でパックロボット(33)によって把持され、カートン(10)内へカートンが充填されるまで導入されること、及び、
d)充填されたカートン(10)が、次にカートンロボット(26)によって搬出コンベヤ(70)に引き渡されること、
を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
カートン(10)が、カートンホルダ(30)のカートン壁に作用する吸引器(54,55)によって、移送方向に延在する長手方向壁(13,14)の領域と底壁(12)の領域とにおいて、把持及び保持されること、を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
カートン(10)が、カートンロボット(26)によって把持可能で、パックステーション(23)においてパックプロセス中に相対位置を変更しつつパック(11)を収容するために保持され、パック(11)が、個々に連続的にパックロボット(33)によって編成を構成しつつカートン(10)内に導入可能である、カートン(10)内に所定の編成を構成しつつ、パック(11)をカートン(10)内に導入するための装置において、
パックロボット(33)に、複数の座標(40)に沿った直線運動能力及び/又は複数の軸(42)を中心とする回転能力に基づいたカートンロボット(26)の運動と同調して、パック(11)を、パックステーション(23)において引き取り、カートンロボット(26)によって用意されたカートン(10)に引き渡しつつ搬送するヘッド(37)が設けられていること、
空のカートン(10)が、カートンステーション(24)内のカートンロボット(26)によって把持可能で、パックステーション(23)に供給可能であり、充填されたカートン(10)が、カートンロボット(26)によってカートンステーション(24)へ逆移送可能であり、充填されたカートン(10)が、カートンステーション(24)内で、プッシャ(75)によってカートンロボット(26)のカートンホルダ(30)から搬出コンベヤ(70)にスライド可能であること、
空のカートン(10)をカートンステーション(24)へ搬送するためのカートンコンベヤ(43)と、充填されたカートン(10)をカートンホルダ(30)の領域から押し出す際に同時に後続の空のカートン(10)をカートンホルダ(30)の領域内に導入するプッシャ(75)によって、カートンコンベヤ(43)に続くカートンホルダ(30)の領域内へカートン(10)を導入するための引渡し機構とが設けられていること、
を特徴とする装置。
【請求項6】
カートンロボット(26)が、底壁(12)の領域及び底壁(12)に隣接する長手方向壁(13,14)の領域においてカートン(10)を把持する移動可能な保持機構(46,47)によってカートン(10)を把持するためのカートンホルダ(30)を備え、保持機構(46,47)が、長手方向壁(13,14)の領域及び底壁(12)の領域において負圧によってカートン(10)を把持するための吸引器(54,55)を備えること、を特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
カートンホルダ(30)が、空のカートン(10)のための移送方向の継続部内でカートンホルダ(30)内へ押し込む際にカートン(10)を支持するためのガイド(57)を備えること、を特徴とする請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
プッシャ(75)が、充填されたカートン(10)を押し出すための支持形材(77)を有する脚(76)を備え、後側に、後続の空のカートン(10)の前面を把持するための吸引機構(79)を備えること、を特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
パックロボット(33)のヘッド(37)が、パック(11)をカートン(10)内へ押し込むためのスライダとして移動可能であり、ヘッド(37)が、支持プレート(62)の領域内で、押込み運動時にパック(11)を把持するために横に取り付けられたプッシュバー(61)を備えること、を特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
パックロボット(33)のヘッド(37)によってパック(11)をカートン(10)内へ押し込む際に、橋渡し機構が繰出し可能であること、を特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
開放位置にあるカートン(10)の折畳みタブ(17,18;19,20)を固定するために少なくともパックステーション(23)の領域内で有効なタブホルダ(65)が設けられ、タブホルダ(65)が、カートン(10)の充填位置で上の折畳みタブ(19,20)を把持するための少なくとも1つの保持ウェブ(67)と、カートン(10)の充填位置で横の折畳みタブ(17,18)のための横移動可能な支持ウェブ(68)とを備えること、を特徴とする請求項5〜10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
充填されたカートン(10)が、カートンステーション(24)に続き、空のカートン(10)の供給方向の継続部内で搬出コンベヤ(70)のプレート状の下ガイド(74)上へスライド可能で、横移動可能なスライダ(72)によって下ガイド(74)上を、搬出コンベヤ(70)に対して横に整向された排出ベルト(71)に供給可能であること、を特徴とする請求項5〜11のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を容器に導入するための、特にフィルムパックもしくはソフトパックのようなパックを(大きい)カートンに充填するための方法及び装置に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
袋パック(ポテトチップ用)の処理及びこのような袋によるカートンの充填は、国際公開第2009/103441号パンフレット(特許文献1)のテーマである。この従来技術の場合は、敏感な内容物を有するフィルム袋を異なった編成で大容量のカートン内に位置決めすることが、その内部空間をできるだけ最適に利用するために、しかしながら他方で袋の機械的侵害を回避するために、問題である。公知の装置は、(2つの)ロボットを備え、これらロボットは、交互に直立及び開放させたカートンを、袋を導入するためのパックステーションにおいて、用意している。ロボットにより、カートンは、袋の異なったパックパターンを保証するために、カートンの位置が充填中に変更されるという条件付きで、異なった相対位置に提供可能である。袋は、(主に)スライダによって斜めに整向された移送平面をわたってカートン内に導入される。この場合、袋は、同様に傾斜させたベルト上に位置し、このベルトから、袋は、横移動可能なスライダによって押し出されてカートン内に押し込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/103441号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、高い効率で対象物、特に(フィルム)パックによる容器もしくはカートンの最適な充填が可能であるように、特に前記の技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1を特徴付ける特徴によって解決される。
【0006】
本発明によれば、パックプロセス時に、一方では(開放した)カートンのために、他方では導入すべきパックのために、複雑な運動が行なわれる。集結させるべき対象物−カートン及びパック−は、個々の処理機器もしくは保持部によって、特に3つの座標内で(直線的に)移動可能で、付加的に−運動が重ね合わされる時には−特に3つの軸を中心として回転可能もしくは旋回可能である。従って、カートンへのパックの慎重な導入と、複雑なパックパターンの形成は、一方ではカートンのための、他方では導入すべきパックのための保持機構の互いに同調させた直線運動及び/又は回転運動によって得られる。これら機構の制御は、保管された、調整可能もしくは呼出し可能なプログラムを介して行なわれる。
【0007】
別の特徴は、パックが、カートンへの引渡し時に、選択的にホルダもしくは保持ヘッドによって把持可能で、昇降運動によって処理可能であることにある。選択的又は付加的に、パックは、押出しによりカートン内に導入される。特に、パックを処理するためのリフトヘッドは、選択的にパックが吸気によって把持可能であるか、(同じリフトヘッドによる)押出しによって移動可能であるように形成されている。
【0008】
独立したロボットは、カートンを処理するために、即ち、カートン供給コンベヤから空のカートンを引き取るため、パックステーションにおいてカートンのそれぞれ必要な運動を実施するためにパックステーションに移送するため、及び、カートンを搬出するために充填されたカートンを降ろすために、使用される。カートンの処理は、特別な方法で行なわれる。(直線的に移動可能な)移送機構は、充填されたカートンを、送り運動によって排出コンベヤに搬送する。同じ機構が、後続の空カートンを把持し、この空カートンを、ロボットによって引き取るための位置へ移送する。
【0009】
本発明の別の特徴は、充填中にカートンの開放もしくは開放の維持をするための機構とロボットによって空のカートン及び充填されたカートンを把持するための機構に関する。
【0010】
方法の詳細と装置の実施例を、以下で図面に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】部分的に切り裂いた開放したカートンと部分的に切断した複雑な編成で配置されたパックの斜視図
【
図3】カートンの処理及び充填をするための設備の平面図
【
図4】機構の位置を変更した
図3による設備の平面図
【
図5】
図4の切断平面もしくは注視平面V−Vにおける装置の側面図
【
図6】パックステーションでのカートンの充填中の
図3、
図4と同様の装置の平面図
【
図7】詳細としてのスケールを拡大したカートンの充填中のパックステーションの側面図
【
図8】カートンと充填機構の相対位置を変更した
図7によるパックステーション
【
図9】
図7の矢印IXに応じたパックステーションの平面図
【
図10】スケールを拡大した
図4の切断平面もしくは注視平面X−Xにおける空カートンを供給する領域内の詳細
【
図11】切断平面もしくは注視平面XI−XIにおける
図10による装置の詳細
【
図12】一方ではカートンの、他方ではパックの処理機構の運動の自由度の概略斜視図
【
図13】スケールを拡大したパックの処理をするためのリフトヘッドの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び
図2は、本技術の好ましい適用例を、即ち多数の個々の対象物、即ちパック11による容器もしくはカートン10の充填を、示す。これらパック11は、袋として形成すること又はここでは平たい正方形の形状を備えることができる。
図1の例は、特に生理帯のようなセルロース製品のためのフィルムラッピングを有するパック11に関する。
【0013】
カートンが最適に充填されるように、(大量の)数のパック11が、異なった編成でカートン10内に収納されている。直方体のカートンは、底壁12、横もしくは直立した長手方向壁13,14、(短い)横方向壁15,16、並びに、長手方向タブ17,18及び横方向タブ19,20から成る上壁を構成する。
【0014】
図2の例の場合、多数のパック11が、直立した状態で底壁12上に静止して配置され、このグループのパック11は、大面積のパック面をもって互いに隣接している。それ以外のパック11は、同様に直立した状態で、しかしながら横向きに、長手方向壁13に接して配置されている。直立したパック11の領域内に、横になったパック11が位置決めされ、これらパックは、大面積のパック面をもって直立したパック11に接している。
【0015】
パック11をカートン10に導入するための装置の基本構成は、カートン供給部21と、パック供給部22と、パックステーション23と、充填されたカートン10の処理及び搬出をするためのカートンステーション24とから成る。個々のステーションに付設された機構及びユニットは、機械フレーム25と結合されている。
【0016】
装置のコアユニットは、(空の及び充填された)カートンのための処理機器と、パック10のための別の処理機器とである。両処理機器は、一方でカートンが、他方でパックが互いに同調した複雑な運動をパック11のカートン10内への導入の際に実施することができるように形成されている。両処理機器は、ここではロボットとして形成されている。
【0017】
第1のロボット、即ちカートンロボットは、カートン10を処理するために使用される。カートンロボット26は、ここでは機械フレーム25の上のクロスビーム27に回転可能に支承されている。下方へ整向された支持アーム28は、旋回可能であり、下のブーム29と結合されている。従って、このブームは、垂直方向と水平方向に旋回可能であり、更に長さ可変(テレスコープ)である。ブーム29の自由端には、特別な方法で形成されたカートンホルダ30が取り付けられている。このカートンホルダは、支持部材31を介して旋回可能にブーム29の終端と結合されている。パックコンベヤ32上を供給されるパック11は、付設された処理機器によって引き取られ、用意されたカートン10内に導入される。このため、ロボット、即ちパックロボット33が設けられている。このパックロボットは、パックステーション23の領域に配置され、しかも機械フレーム25の上部に、即ちサイドビーム34に支承されている。パックロボット33は、スイングアーム35とこれに取り付けられたブームアーム36を有する二本アームに形成されている。アーム35,36は、互いに相対的に旋回可能で、垂直もしくは水平な軸を中心として回転可能である。ブームアーム36に自由端には、パック11の把持及び搬送をするためにパックキャリヤが取り付けられている。特別な方法で形成されたヘッド37(
図13)が問題となるが、このヘッドは、それぞれ1つのパック11を、自由な上面(大面積のパック側)で、特に吸気によって把持し、パック11を相前後してパックコンベヤ32から引き取り、カートンステーション23内の用意されたカートン10に供給する。ヘッドは、旋回可能及び回転可能な支持ロッド38を介してブームアーム36と結合されている。支持ロッド38を介して、ヘッド37の制御及び吸気の作用を行なうことができる。
【0018】
カートン10及びパック11のための処理機器、即ちカートンロボット26及びパックロボット33は、特にカートンステーション24の領域内でカートン10を充填する際に、互いに同調するように協働する。カートンロボット26は、(最初は空の)カートン10をパックステーション23に搬送し、そこでカートン10を用意し、パックプロセス中にカートン10の同調させた運動を実施する。カートンホルダ30は、カートン10が、開放側から離れて位置する領域内で、特に底壁12の領域及び引続く側壁、特に長手方向壁13,14の領域内で外側を把持されるように、形成されている。
【0019】
カートン10の充填中、このカートンは、カートンロボット26によって異なった、特に変化する相対位置に用意される。パックロボット33もしくはそのヘッド37も、パック11が(個々に)カートン10内に導入される時に、カートンの位置に同調させた異なった運動を実施する。これにより、異なったパック編成(
図2の例)が形成可能である。カートン10及びパック11のための処理機器は、特に、カートンホルダ30が運動時に複数の、特に6つの自由度を有する(
図12)ように形成されている。合目的に、パックロボット33のヘッド37は、相応の配置に基づいて同様に相応に移動される。3つの座標39,40に応じた直線運動と、二重矢印41,42によって指示された回転軸に沿った回転運動もしくは旋回運動が問題となる。座標39,40は、X軸、Y軸及びZ軸に沿った運動を定義する。一方ではカートン10の、他方ではパック11の運動が、両ロボット26,33のための共通の中央制御装置を介して行なわれる。
【0020】
カートン10は、カートン供給部21の領域内で、ベルトコンベヤとして形成された連続する部分コンベヤ44,45を有するカートンコンベヤ43によってカートンステーション24に供給される。カートン10は、(上方へ整向された)折畳みタブ17..20を除いて十分完全に折り畳まれている。長手方向タブ17,18は、移送方向に向いている。
【0021】
カートンステーション24内で、それぞれ1つの空カートンが、カートンロボット26もしくはそのカートンホルダ30によって引き取られる。カートンホルダ30の特別な形成及び作動方式に基づいて、それぞれ引き取るべき(からの)カートン10を相対運動によって(開放させた)カートンホルダ30の作動領域内に位置決めすることが可能である。カートンホルダ30は、実質的に(横断面が)U字形に形成され、しかも底側の保持機構と直立した横の保持機構を有する。この配置は、空カートンを、供給運動の継続下でカートンコンベヤ43に続いて直接カートンホルダ30内に導入することができるように適合されている。カートンホルダによってカートンを収容した後、その保持機構は、カートンを有効に把持するために変位される。このため、保持機構46,47がカートンホルダ30に取り付けられ、これら保持機構は、特に底12及び隣接する直立したカートン壁−長手方向壁13,14の領域内の保持位置にあるカートン10を把持する。
【0022】
カートンホルダ30の保持機構46,47は、一方で機械的な支持もしくはガイド機構を、他方でカートンの外側に対して有効になる吸引ホルダを備える。このように形成されたカートンホルダは、カートンロボット26のブームに、しかもカートンロボット26のブーム29の終端の支持部材31に配置されている。ロッド状の支持部材31は、(正方形の)終端部材48を備え、この終端部材に、カートンホルダの機構が固定されている。
【0023】
横の保持機構46は、側壁−長手方向壁13,14−の底壁12に面した(下の)領域内で有効になる。それぞれユニットとして形成された横の保持機構46は、共通のキャリヤ上に、しかも終端部材48と結合された横方向ロッド50に、(横方向に)移動可能に支承されている。各保持機構46には、チューブもしくはスリーブ状の横方向部材51が付設され、この横方向部材は、横方向ロッド50上を、しかもカートン10から間隔を置いた開放位置(
図10の左側)からカートンを把持するための保持位置(
図10の右側)へ移動可能である。底壁12に付設された保持機構47は、(底壁の)周縁側に、即ち側壁13,14に隣接して位置決めされている。両保持機構47は、−支持アームとして形成された−キャリヤ52に配置されている。
【0024】
保持機構46,47は、カートン10を把持するために吸引器54,55を備える。底側の保持機構47は、相並んで位置する多数の吸引器54を備え、これら吸引器は、(空気圧)シリンダ53によって、即ちカートンを把持するために底壁12に当接するまで、上下動可能である。吸引器54は、カートン10に当接した際に負圧を作用可能である。
【0025】
横の保持機構47は、同様に吸引器55を備え、これら吸引器は、横移動可能なシリンダ56に支承されている。これら吸引器55は、それぞれのシリンダ56によって初期位置(
図10の左側)から保持位置(
図10の右側)へカートン10の側壁に当接しつつ移動可能である。負圧の作用により、保持力がカートンに伝達される。
【0026】
カートンホルダ30には、移動可能なガイド機構が取り付けられ、これらガイド機構は、カートンホルダ30の領域へのもしくは領域でのカートン10の導入及び整向を保証する。これは、カートン10の両側のレール状に形成された長く伸びたガイド形材57のことである(
図10)。特にアングル状の板材から成るガイド形材57は、それぞれ1つの直立した横脚58及び水平な底脚59を備える。ガイド形材57は、横移動可能な保持機構46と、即ちガイド部材51と結合されている。従って、ガイド形材57は、吸引器55と共に、引き戻された初期位置(
図10の左側)から調整位置(
図10の右側)へ移動される。入側、即ち(空の)カートン10の入口側に、ガイド形材57は、漏斗状の拡大部60(
図11)を備えている。
【0027】
保持力は、主として吸引器54,55によってカートン10へ伝達される。合目的に、大きい保持力が底壁12の領域で発生される。
図11からわかるように、底脚59の領域には、複数−5つ−の吸引器54がカートン10の長手方向に配置されている。側壁13,14の領域には、ここでは2つの吸引器55が相並んで位置するように(共通のキャリヤに)配置されている。ガイド形材57の脚58,59は、それぞれの吸引器54,55を通すための開口を備える。水平な底脚59は、特にほぼカートンコンベヤ43の平面内にその継続部として配置されている。
【0028】
供給される(空の)カートン10は、カートンロボット26によってカートンステーション24からパックステーション23へ移送され、そこで充填のために用意される。カートンの開放側は、パックロボット33もしくはそのヘッド37に面している(
図7、
図8)。特に、カートンは、(可変の)傾斜位置に保持される。カートン10及びパック11の寸法並びにその数に応じて、パック11は、1つ又は複数の堆積体を構成しつつ底壁12に配置される。パックロボット33は、それぞれ1つのパック11を(又は複数のパックを同時に)把持し、パックの大きい面積の領域を吸気(
図13)によって保持し、ヘッド37及び(部分的に)ブームアーム36によってカートン10内に導入する。
【0029】
選択的に、パック11は、パックが狭幅側を底壁12に整向され、大きいパック面をもってカートン10の側壁に当接するように、カートン10内に導入される。この場合は、パック11が、スライドさせることによってカートン10内に導入される。ヘッド37は、スライダとしての機能が付与されるように形成されている。ヘッドの少なくとも1つの面にプッシュバー61が配置され、このプッシュバーは、押し込むために、パック11の(狭幅の)側面に当接する(
図7)。押込み運動は、(パックロボット33の相応の操作に基づいた)ヘッド37の移動によって実施可能である。プッシュバー61は、ヘッド37の支持プレート62の横に配置され、プッシュバー61の自由な周縁がパック11を把持する際にパックに当接するような高さに設定もしくは配置されている。ヘッド37は、支持プレート62の自由面に、パック11を把持するために1つ又は複数の吸引機構を、ここでは弾性材料(発泡材)から成る1つのプレート状の吸引体63と特に複数の吸引孔(示してない)を備えている。パック11を把持するための負圧は、(吸引)配管64と支持プレート62を介して吸引体63に供給される。
【0030】
プッシュバーは、その配置に基づいて、パック11を収容する際の支持機構として使用される。パックが外装(上のフィルム壁)の領域しか把持されないので、(不安定な)パック11の不利な変形が生じる。相対位置に基づいてパック11に当接するプッシュバー61は、パック11の傾斜の補正を行なう。
【0031】
パックステーション23は、パック11を押し込む際に使用される補助手段、即ちスライドレート49を備えることができる。このプッシュプレートは、パックステーション23の領域内のパックコンベヤ32の横に並んで、しかも滑り移動されるパック11のための支承面の継続部として配置されている。スライドプレート49は、実質的にパックコンベヤ32の平面内に継続部として、特に用意されたカートン10の領域にまで延在する(
図7)。ヘッド37は、特にスライド運動を意図して僅かな間隔を置いてスライドプレート49の上に配置されている。スライドプレート49は、
図8に応じた積上げの場合のために引戻し可能である。
【0032】
パックステーション23には、充填プロセス中にカートンの閉鎖タブ17..20を開放位置に固定するためにタブホルダ65が付設されている。タブホルダ65は、機械フレーム25に取り付けられ、しかもパックステーション23の作動平面の上の領域で、(上の)サイドビーム34の平面内の機械フレーム25の支持形材66に支承されている。
【0033】
タブホルダ65は、複数の特に移動可能な機構から成り、これら機構は、上へ整向された1つの横方向タブ19と、この相対位置の場合には直立した両長手方向タブ17,18を、漏斗状の開放位置に固定する。ほぼ中心の第1の保持ウェブ67は、横方向タブ19の内側に当接する(
図7)。横に位置決めされた長手方向タブ17,18には、支持ウェブ68が付設され、これら支持ウェブは、保持ロッド69上を、即ち接近する又は離隔する方向に移動可能である。カートン10がパックステーション23に達した時に、両支持ウェブ68は、ほぼ中心の初期位置から反対方向に離隔移動され、これにより、折畳みタブ19,20が、
図9に応じた開放位置に達する。横に整向されたタブ19は、保持ウェブ67によって同様に開放位置に保持される。
【0034】
支持ウェブ68は、スリーブ状のガイドによって保持ロッド69上をカートン10の幅に適合させて移動可能である。
【0035】
カートンロボット26は、充填されたカートン10をパックステーション23の領域から部分区間をわたって搬出するとの課題も担う。充填されたカートン10は、カートンステーション24内のカートンロボット26によって(再び)降ろされるか、カートンホルダ30によって、カートンコンベヤ43に続く排出位置、即ち部分コンベヤ45の終端に保持される。次に、カートン10は、未だ閉鎖タブ17..20が開放している時にカートンホルダ30の領域から排出され、搬出コンベヤ70に引き渡される。この搬出コンベヤは、カートン10を横方向に排出ベルト71へ、更にまた搬出コンベヤ70の領域内で搬送方向に対して横に搬送する。カートンステーション24に続く搬出コンベヤ70は、リニアコンベヤとして形成され、(アングル状の)スライダ72を有し、このスライダは、リニア駆動装置73によって往復運動可能であり、初期位置(
図4)で、カートン10は、スライダ72のための連行位置に達する。
図6は、スライダ72の向かい合う最終位置を示すが、この最終位置で、カートン10は、排出ベルト71に降ろされる。搬出コンベヤ70の領域内で、カートン10は、(プレート状の)下ガイド74上に静止している。下ガイド上で、カートン10は、スライダ72によって滑るように搬送される。
【0036】
特殊性は、カートンステーション24の領域内でのカートン10の搬送、即ち一方では充填されたカートンの、他方では後続の空のカートンの搬送である。充填されたカートンは、推進機構によってカートンホルダ30の領域外に移動される。同時に、後続の(空の)カートン10が、ここでは同じ機構によって、カートンホルダ30に導入される。(アングル状に形成された)プッシャ75が、連行体もしくは脚76と共に、2つの連続するカートンの間の領域に存在する。スライダとして作用する脚76には、押し出すべき(充填された)カートン10に面した側に、支持形材77が配置され、この支持形材は、カートン10の背面−後側の横方向壁15−に当接する。カートンの移動軌道の隣のリニア駆動装置78により、カートンロボット26によって用意された(中身を有する)カートン10が、プッシャ75によってカートンホルダ30の領域から、搬出コンベヤ70の下ガイド74上へ押し出される。
【0037】
プッシャ75は、同時に、後続の空のカートン10の用意されたカートンホルダ30への引渡しを行なう。プッシャ75もしくは横に整向された脚76は、後続のカートン10のための連行体を、しかも吸引機構79を備え、これら吸引機構は、移送方向に関して逆に向いており、カートン10の前に位置する壁−横方向壁16−に当接し、カートンを吸気によって把持する。プッシャ75による充填されたカートン10の押出し運動中、後続の空のカートンが追随させられ、カートンホルダ30に引き渡される(
図4)。
【0038】
相対移動に関して互いに同調させたロボット26,33の作動方式は、複雑なパック編成を得る時に適用可能であるが、異なった寸法及び/又は形状のパック及び/又はカートンの処理時にも適用可能であり、これらに、一方ではカートンの位置を、他方ではパックの移動を、パックプロセス中に最適に合わせることができる。
【符号の説明】
【0039】
10 カートン
11 パック
12 底壁
13 長手方向壁
14 長手方向壁
15 横方向壁
16 横方向壁
17 長手方向タブ
18 長手方向タブ
19 横方向タブ
20 横方向タブ
21 カートン供給部
22 パック供給部
23 パックステーション
24 カートンステーション
25 機械フレーム
26 カートンロボット
27 クロスビーム
28 支持アーム
29 ブーム
30 カートンホルダ
31 支持部材
32 パックコンベヤ
33 パックロボット
34 サイドビーム
35 スイングアーム
36 ブームアーム
37 ヘッド
38 支持ロッド
39 座標
40 座標
41 二重矢印
42 二重矢印
43 カートンコンベヤ
44 部分コンベヤ
45 部分コンベヤ
46 保持機構
47 保持機構
48 終端部材
49 スライドプレート
50 横方向ロッド
51 ガイド部材
52 キャリヤ
53 シリンダ
54 吸引器
55 吸引器
56 シリンダ
57 ガイド形材
58 横脚
59 底脚
60 拡大部
61 プッシュバー
62 支持プレート
63 吸引体
64 配管
65 タブホルダ
66 支持形材
67 保持ウェブ
68 支持ウェブ
69 保持ロッド
70 搬出コンベヤ
71 排出ベルト
72 スライダ
73 リニア駆動装置
74 下ガイド
75 プッシャ
76 脚
77 支持形材
78 リニア駆動装置
79 吸引機構