【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の基本的な考え方は、スイッチング動作をなくしエネルギー損失を低減しつつ、充電モード及び動作モード時にエネルギーの流れまたは電流の流れを導く車両の電力供給システム、特に牽引システムの様々な要素を接続する受動的電気回路構成を使用することである。
【0011】
車両の電力供給システム、特に牽引システムが提案される。電力供給システムはエネルギー貯蔵モジュール(例えば、電気化学的貯蔵)、例えば、牽引電池と、車両を推進するために使うことができる電気機械、例えば、牽引モータとの間に電気エネルギーを伝送するために使用することができる。
【0012】
具体的には、電力供給システムはインバータ及び電気機械を備える。電気機械は、具体的には、車両を推進するために使われる。例えば、電気機械はモータモード及び任意選択的な発電機モードで動作することができる。モータモードにおいて、電気機械は電気エネルギーを、特に車両を推進するために使われる機械エネルギーに変換する。発電機モードにおいて、電気機械は、移動中の車両によって提供される機械エネルギーを電気エネルギーに変換する。発電機モードでの変換は回収と呼ぶこともできる。従って、発電機モードで電気機械を動作させることによってエネルギー貯蔵モジュールを充電することができる。電気機械は3相モータ、例えば、非同期機または同期機とすることができる。
【0013】
更に、電力供給システムは、交番電磁界を受け取り磁気誘導によって交番電流を生成するようになっている受け取りデバイス(一般的な名称:ピックアップ)を備える。受け取りデバイスは変圧器の2次側を提供し、変圧器の1次側は車両が走行するトラック(例えば、道路)に埋設されている電線によって提供することができる。受け取りデバイスは磁気誘導によってトラック側から車両へ電気エネルギーを伝送するために使用される。電気エネルギーは、車両がトラックに対して移動している間及び/または車両が静止もしくは停止している間、トラック側から車両へ伝送することができる。車両が停止している間の電気エネルギーの貯蔵モジュールへの伝送も静止充電と呼ばれる。エネルギー貯蔵モジュールは、受け取りデバイスによって生成される電気エネルギーによってのみ充電できるということが可能である。これは、電気機械が発電機モードで動作できない場合に該当することができる。
【0014】
インバータは、エネルギー貯蔵モジュールに電気的に接続することができる。車両の充電モードにおいて、インバータは、交番電流、例えば、受け取りデバイスによって生成される交番電流を、エネルギー貯蔵モジュールを充電するために使用する直流電流に変換する。車両の動作モードはモータモード及び発電機モードを含む。モータモードでは、電気エネルギーはエネルギー貯蔵モジュールから電気機械に伝送され、インバータは、エネルギー貯蔵モジュールによって供給される直流電流を、電気機械を動作させるために使用する交番電流に変換する。発電機モードでは、電気エネルギーは、電気機械からエネルギー貯蔵モジュールへ伝送され、インバータは、電気機械によって供給される交番電流を、エネルギー貯蔵モジュールを充電するために使用することができる直流電流に変換する。インバータは、3相交番電流を生成する3相インバータとすることができる。
【0015】
更に、電力供給システムは、インバータ、電気機械、及び受け取りデバイスを電気的に接続するようになっている受動的電気回路構成を備える。受動的電気回路は誘導性素子及び/または容量性素子のような受動的電気素子のみを含む。用語「受動的電気素子」は、外部の電気エネルギーが受動素子を動作させるために使用されていないことを意味する。これとは対照的に、電界効果トランジスタのような能動的電気素子は動作のために電気エネルギーが必要である。受動的電気回路構成は、インバータをエネルギー貯蔵モジュールに接続するようにもされることができる。例えば、エネルギー貯蔵モジュールは、インバータの出力(具体的には、DC側)に電気的に接続することができる。インバータの入力(具体的には、AC側)は受け取りデバイスの出力に電気的に接続することができる。更に、インバータの入力は電気機械の入力に電気的に接続することができる。そのような構成の範囲内で、受け取りデバイスの出力はまた電気機械の入力に電気的に接続される。
【0016】
受動的電気回路構成は、受け取りデバイスと電気機械との間に電気エネルギーを伝送するための第1の伝送回路を備える。更に、受動的電気回路構成は、受け取りデバイスとインバータとの間に電気エネルギーを伝送するための第2の伝送回路を備える。更に、受動的電気回路構成は、インバータと電気機械との間に電気エネルギーを伝送するための第3の伝送回路を備える。第1、第2及び第3の伝送回路は受動的電気回路構成の一部である。第1の伝送回路の一部は第2及び/または第3の伝送回路の一部であることも可能である。同様に、第2の伝送回路の一部は第1及び/または第3の伝送回路の一部であることもできる。また、第3の伝送回路の一部は第1及び/または第2の伝送回路の一部であることもできる。伝送回路は、エネルギー伝送の経路を提供するので、代替的に「伝送路」と呼ぶことができる。ただし、経路の幾つかは少なくとも特定の動作モードで電力の大部分の伝送を遮断することができる。例えば、第1の伝送回路は、受け取りデバイスによって電気機械へ直接提供される電力の大部分の伝送を遮断することができる。
【0017】
受動的電気回路構成によって提供される電気接続は、例えば、インバータと受け取りデバイスとの間に追加の電気素子が何も配置されていない直接電気接続とすることができ、または、1つ以上の追加の電気素子、例えば、インダクタまたはキャパシタのような誘導的及び/または容量的素子を含む電気接続とすることができる。
【0018】
具体的には、受動的電気回路構成は、所与の充電周波数において、第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスは所定の第1の遮断インピーダンスより高く、第2の伝送回路によって提供されるインピーダンスは所定の第2の通過インピーダンスより低いように設計される。第1の遮断インピーダンスは第1の伝送回路の所定のインピーダンスを表す。以下では、用語「第1の遮断または通過インピーダンス」は第1の伝送回路のインピーダンスを指し、用語「第2の遮断または通過インピーダンス」は第2の伝送回路のインピーダンスを指す。以下に詳述するように、用語「第3の遮断または通過インピーダンス」は第3の伝送回路のインピーダンスを指す。
【0019】
充電周波数は、充電過程での電気エネルギーの伝送の間、特に静止充電の間に受け取りデバイスによって提供される交番電流の周波数を表す。具体的には、充電周波数は、受け取りデバイスの電気的特性によって、及び/または受け取りデバイスによって受け取られる電磁界の周波数によって与えられる。特に、充電周波数が、任意選択的に本構成の他の部品を含む受け取りデバイスの共振周波数によって与えられる場合、所与の充電周波数は「固有の充電周波数」とも呼ぶことができる。例えば、充電周波数は20kHzとすることができる。この周波数において、受け取りデバイスの出力と電気機械の入力との間に配置されている電気素子は、ある特定のインピーダンスを提供する。このインピーダンスは所定の第1の遮断インピーダンスより高い。好ましくは、第1の遮断インピーダンスは、電気機械の入力電流が所定の入力電流より小さい、特にできるだけ小さい、好ましくは0または略0であるように選択される。
【0020】
従って、第1の遮断インピーダンスは高いインピーダンスが選択されるべきである。しかしながら、同時に、受け取りデバイスの出力とインバータの入力との間に配置されている電気素子によって提供されるインピーダンス、例えば、第2の伝送回路に含まれる電気素子によって提供されるインピーダンスは、所定の第2の通過インピーダンスより低い。好ましくは、第2の通過インピーダンスは、インバータの入力電流が所定の入力電流より高いように、好ましくは、できるだけ高いように選択されるべきである。従って、第2の通過インピーダンスは低いインピーダンスとして選択されるべきである。いずれにしても、第1の遮断インピーダンスは、第2の通過インピーダンスより高い、好ましくは、少なくとも100倍、もっと言えば、少なくとも1000倍だけより高い。実際には、第1の遮断インピーダンス及び第2の通過インピーダンス(及び、第3の通過インピーダンス、下記参照、のような任意の他の所定のインピーダンス)は、受け取りデバイス、インバータ、電気機械及び受動的電気回路構成を含む電力供給システムの電気的特性(具体的には、キャパシタンス、インダクタンス及び/またはオーム抵抗)によって規定される。
【0021】
従って、受動的電気回路構成は、受け取りデバイス、インバータ及び電気機械の間の受動的スイッチング網を提供する。静止充電の過程の間、受動的電気回路構成は、電流をインバータへ導く一方、電流が受け取りデバイスから電気機械へ流れるのを防止する。このように、静止充電時に伝送される電気エネルギーは主に、好ましくは全てインバータに伝送される。有利にも、例えば、電界効果トランジスタ、電気的リレー、またはソリッド・ステート・スイッチなどの能動的スイッチのような能動的素子は、所望の電流の流れを提供するために必要ではない。電気機械に流れる電流が最小化されるので、受動的電気回路構成は、静止充電時に車両が望ましくない動きをすることも防止する。
【0022】
別の実施形態では、受動的電気回路構成は、所与の動作周波数において、第3の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第3の通過インピーダンスより低いように設計される。動作周波数は、モータ動作時にインバータによって供給される交番電流の周波数、または発電機動作時に電気機械によって供給される交番電流の周波数を表す。
【0023】
受動的電気回路構成は、動作周波数の区間の各周波数で、第3の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第3の通過インピーダンスより低いように設計されることが可能である。動作周波数/周波数群は通常充電周波数より小さい。例えば、動作周波数は0kHzから10kHzまでの範囲とすることができる。
【0024】
この実施形態では、インバータと電気機械との間に配置されている電気素子(電気機械の電気的特性、例えば、電気機械の固有インダクタンスを含む)は、これらの素子によって提供されるインピーダンスが所与の動作周波数または所与の周波数群において第3の通過インピーダンスより小さいように選択される。これは、好都合に、モータモード時に電流がインバータから電気機械へ流れ、発電機モード時に電流が電気機械からインバータへ流れることを可能にする。第3の通過インピーダンスは第2の通過インピーダンスに等しくてもよい。あるいは、第2の通過インピーダンスと第3の通過インピーダンスとの差は、その2つのインピーダンスの小さい方の50%より小さくてもよく、好ましくは、その2つのインピーダンスの小さい方の20%より小さくてもよい。いずれにしても、第1の遮断インピーダンスは第3の通過インピーダンスより高い、好ましくは、少なくとも100倍だけより高い、もっと言えば、少なくとも1000倍だけより高いのが好ましい。好ましくは、第3の通過インピーダンスは、インバータから電気機械へ流れる電流、及び/または電気機械からインバータへ流れる電流が所定の電流より高いように選択される。好ましくは、第3の通過インピーダンスは低いインピーダンスとして選択される。
【0025】
更なる実施形態では、受動的電気回路構成は、所与の動作周波数(具体的には、前の段落で述べた所与の動作周波数または所与の動作周波数群の1つ)で、第2の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第2の遮断インピーダンスより高いように設計される。この場合、インバータと受け取りデバイスの出力との間に配置された電気素子は、これらの素子によって提供されるインピーダンスが所定の第2の遮断インピーダンスより高いように選択される。好ましくは、第2の遮断インピーダンスは、インバータから受け取りデバイスへ流れる電流が小さい、好ましくは、0または略0であるように選択される。それ故に、第2の遮断インピーダンスは高インピーダンスとして選択される。いずれにしても、第2の遮断インピーダンスは、第2の通過インピーダンス及び/または第3の通過インピーダンスより高い、好ましくは、少なくとも100倍だけ、もっと言えば、少なくとも1000倍だけより高いのが好ましい。
【0026】
代替的にまたは追加的に、第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスは、所与の動作周波数で、別の所定の第1の遮断インピーダンスより高い。受け取りデバイスの出力と電気機械の入力との間に配置されている前述の電気素子は、動作周波数/周波数群でのこれらの素子によって提供されるインピーダンスが他の第1の遮断インピーダンスより高いように、追加的に設計または選択される。他の第1の遮断インピーダンスは前述の第1の遮断インピーダンスに等しいことができる。第1の遮断インピーダンスは、充電周波数での第1の伝送回路のインピーダンスを表し、受け取りデバイスから電気機械へ流れる電流が充電モードで小さいように選択される。他の第1の遮断インピーダンスも第1の伝送回路のインピーダンスを表す。しかしながら、他の第1の遮断インピーダンスは、所与の動作周波数での第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスであり、電気機械から受け取りデバイスへ流れる電流が発電機モードで小さいように選択される。
【0027】
これにより、有利にも、モータモード時に、インバータから受け取りデバイスへ流れる電流を最小にし、該当する場合は、発電機モードで電気機械から受け取りデバイスへ流れる電流を最小にすることができる。これは、結果的に、モータモード及び発電機モードで電気エネルギーの最適な伝送を確実にする。
【0028】
更なる実施形態では、第2の伝送回路は回路誘性導素子を含み、ここで、回路誘導性素子のインダクタンスは、充電周波数で第2の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第2の通過インピーダンスより低く、且つ/または、所与の動作周波数で第2の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第2の遮断インピーダンスより高いように選択される。回路誘導性素子はインバータからまたはインバータへ流れる電流に対してフィルタ回路を提供する。回路誘導性素子は第3の伝送回路の一部であることもできる。回路誘導性素子は、モータモードで受け取りデバイスから、インバータによって提供される矩形の高頻度交番電流電圧をデカップリングするために使用することができ、これは、この交番電流出力電圧のスペクトルが受け取りデバイスの共振周波数を含む可能性があり、それ故に、高い共振電流を生成することもあり得るからである。提案の電力供給システムの電気機械の設計時に、回路誘導性素子のインダクタンスを考慮する必要がある。
【0029】
これにより、有利にも、モータモード時に、インバータを受け取りデバイスからデカップリングするために受動的誘導性素子を使用することができる。これはまた、第2の伝送回路の設計、結果的に、受動的電気回路構成全体の設計を簡単にする。
【0030】
別の実施形態では、第2の伝送回路の回路誘導性素子は、第3の伝送回路の一部でもある。それ故に、回路誘導性素子、特に誘導性素子のインダクタンスは、充電周波数、及び/または動作周波数での第3の伝送回路の前述の要求事項が満たされるように選択されなければならない。具体的には、回路誘導性素子のインダクタンスは、所与の動作周波数で、第3の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第3の通過インピーダンスより低いように選択される。
【0031】
回路誘導性素子を第2の伝送回路及び第3の伝送回路の一部として同時に使用することは、有利にも、受動的電気構成の複雑性を生じさせ、その結果、コストも低減する。
【0032】
別の実施形態では、第1の伝送回路は、回路容量性素子を備え、回路容量性素子の容量は、充電周波数では、第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第1の遮断インピーダンスより高く、且つ/または動作周波数では、第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスが別の所定の第1の遮断インピーダンスより高いように選択される。回路容量性素子は、第1の伝送回路の一部とすることができ、且つ同時に第3の伝送回路の一部とすることができる。この場合、回路容量性素子の容量は、動作周波数で、第3の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第3の通過インピーダンスより低いように選択される。回路容量性素子の統合は、有利にも、提案の受動的回路構成を容易に入手可能な電気素子で構築することを可能にする。
【0033】
好ましい実施形態では、第1の伝送回路は並列共振回路を備える。前述の回路容量性素子は並列共振回路の一部とすることができる。更に、並列共振回路は容量性素子に並列に接続される誘導性素子を備えることができる。並列共振回路の電気素子、例えば、誘導性素子及び/または容量性素子は、充電周波数では、第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第1の遮断インピーダンスより高く、且つ、並列共振回路が第3の伝送回路の一部でもある場合、動作周波数で、第3の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第3の通過インピーダンスより低いように選択される。並列共振回路は、静止充電の場合に高いインピーダンスを提供する。従って、静止充電時に受け取りデバイスから電気機械への電流の流れは無いかまたはごくわずかである。
【0034】
別の実施形態では、並列共振回路の誘導性素子は電気機械のモータのインダクタンスである。同期モータや非同期モータなどの電気機械は、モータのインダクタンス、具体的には、電気機械の位相ごとに1つのインダクタンスを備える。この誘導性素子は前述の容量性素子に平行に接続することができる。これにより、有利にも、受動的電気回路構成をより少ない電気素子で構築することが可能となる。この場合、特にモータの要求条件の結果モータのインダクタンスが固定または予め決定されている場合、容量性素子の容量は、並列共振回路が静止充電時に高インピーダンスを提供するように選択される。
【0035】
代替的な実施形態では、第1の伝送回路はRC並列フィルタを備える。RC並列フィルタは容量性素子及び誘導性素子に平行に接続される誘導性素子を備える。しかしながら、RC並列フィルタは電気機械に直列に、特に電気機械のモータのインダクタンスを提供する素子に直列に接続される。RCフィルタの第1の伝送回路への統合によって、静止充電時に受け取りデバイスから電気機械への電流の流れを更に最小化することが可能となる。
【0036】
別の実施形態では、容量性素子も第3の伝送回路の一部である。前述の並列共振回路または前述のRC並列フィルタも第3の伝送回路の一部であることも可能である。これにより、有利に、受動的電気回路構成を構築するために使用される電気素子の量が低減される。
【0037】
別の実施形態では、受け取りデバイスは、電磁気誘導によって交番電流の1つの位相を生成する導電材料によって形成される少なくとも1つの誘導性素子を備える。受け取りデバイスは、静止充電時に受動的電気回路構成内で定電圧源を提供する。定電圧源とは、受け取りデバイスによって提供される交番電圧の有効値または二乗平均平方根値が一定であることを意味する。
【0038】
誘導性素子は力率補正または無効電力補正の目的で使用することができる。この場合、第1及び/または第2及び/または第3の伝送回路の電気素子は、受け取りデバイスの誘導性素子のインダクタンスに基づいて選択することができる。受け取りデバイスの誘導性素子は第1の及び/または第2の伝送回路の一部であることも可能である。
【0039】
受動的電気回路構成の設計時での、受け取りデバイスの誘導性素子の、第1の及び/または第2の伝送回路への統合により、または受け取りデバイスの誘導性素子の考慮によって、受動的電気回路構成をより少ない電気素子で構築することが可能となり、更に静止充電時にインバータから電気機械への電流の流れを最小化することも可能である。
【0040】
別の実施形態では、受け取りデバイスは、交番電流の1つの位相を生成するために誘導性素子に接続される少なくとも1つの追加電気素子を備える。追加電気素子は力率補正及び無効電力補正のためにも使用される容量性素子であることも可能である。これにより、有利に、静止充電時に受け取りデバイスの出力電圧または電流の品質が更に改善される。更に、追加電気素子は第1の及び/または第2の伝送回路の一部であることも可能である。これにより、有利に、提案の受動的電気回路構成をより少ない電気素子で構築することが可能である。
【0041】
更に、上記に提案した電力供給網の1つを備える車両が提案される。車両はトラックに拘束される車両または道路用車両とすることができる。特に、本発明は、任意の陸上用の車両、つまり、一時的にのみ陸上にいる任意の車両を含むが、好ましくは含まない車両、具体的には、鉄道車両(例えば、路面電車)のようなトラックに拘束される車両だけでなく、個人用(自家用)乗用車のような道路用自動車または公共交通車両(例えば、トラックに拘束される車両でもあるトロリーバスを含むバス)にも適用されることができる。好ましくは、交番電磁界を生成する1次側導体構成は、1次側導体構成の電線が、車両が走行する道路またはトラックの表面に略平行である平面内に延在するように、車両のトラックまたは道路内に一体化される。受け取りデバイスは、車両の下部に配置することができ、板の形体等の強磁性体で覆ってもよい。好適な材料はフェライトである。強磁性体は磁界の磁力線を束にして且つ方向を変え、それ故に、強磁性体の上の磁界強度をほぼゼロにまで低減する。しかしながら、1次側導体構成の他の構成、配置及び/または向きが可能である。
【0042】
更に、電気エネルギーを使用して車両、特にトラックに拘束される車両及び/または道路用車両を動作させる方法が提案される。充電モードにおいて、交番電磁界は受け取りデバイスによって受け取られ、電磁誘導によって交番電流を生成するために使用される。充電モードは、具体的には静止充電モードであり、車両は充電時に停止または静止している。更に、電気エネルギーは、第2の伝送回路を介して受け取りデバイスからインバータへ伝送される。インバータは、(静止)充電時に受け取りデバイスによって生成される交番電流を、エネルギー貯蔵モジュール、例えば、車両の牽引電池を充電するために使用することができる直流電流に変換する。
【0043】
本発明によれば、第1の伝送回路を介しての受け取りデバイスから電気機械への電気エネルギーの伝送は、第1の伝送回路のインピーダンスによって遮断される。第1の伝送回路は、受け取りデバイス、インバータ及び電気機械を接続する受動的電気回路構成の一部である。
【0044】
静止充電時の受け取りデバイスの交番電流の周波数(充電周波数)は、例えば20kHzであり、第1の伝送回路のインピーダンスは、この充電周波数では所定の第1の遮断インピーダンスより高い。その結果、静止充電時に受け取りデバイスから電気機械への電流の流れは無いかまたはごくわずかである。具体的には、第1の伝送回路を備える受動的電気回路構成は、所与の充電周波数において、第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第1の遮断インピーダンスより高く、これも受動的電気回路構成の一部である第2の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第2の通過インピーダンスより低いように設計される。
【0045】
別の実施形態では、電気エネルギーは、動作モードにおいて第3の伝送回路を介してインバータから電気機械へまたは電気機械からインバータへ伝送される。第3の伝送回路も受動的電気回路構成の一部である。モータモードにおいて電気エネルギーはインバータから電気機械へ伝送される。この場合、第2の伝送回路を介してのインバータから受け取りデバイスへの電気エネルギーの伝送は、動作周波数での第2の伝送回路によって提供されるインピーダンスによって遮断される。具体的には、動作周波数での、または動作周波数区間の周波数での第2の伝送回路によって提供されるインピーダンスは、第2の遮断インピーダンスより高くできる。
【0046】
発電機モードにおいて、電気エネルギーは、回収によって生成され、電気機械からインバータへ伝送される。この場合、第1の伝送回路を介しての電気機械から受け取りデバイスへの電気エネルギーの伝送は、動作周波数での第1の伝送回路により提供されるインピーダンスによって遮断される。具体的には、動作周波数、または動作周波数区間の周波数での第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスは、別の所定の第1の遮断インピーダンスより高くできる。
【0047】
この方法により、有利に、モータモードにおいてインバータから受け取りデバイスへの、または発電機モードにおいて電気機械から受け取りデバイスへの電流の流れを最小にすることが可能となる。
【0048】
更に、車両、特にトラックに拘束される車両及び/または道路用自動車を製造する方法が提案される。その方法は次のステップを備える:
− 交番電磁界を受け取り電磁気誘導により交番電流を生成するようになっている受け取りデバイスを設けること、
− エネルギー貯蔵モジュールを設けること、
− インバータを設けること、
− 電気機械を設けること、
− 所与の充電周波数において、受動的電気回路構成の第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第1の遮断インピーダンスより高く、受動的電気回路構成の第2の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第2の通過インピーダンスより低いような受動的電気回路構成を設けること。
【0049】
更に、その方法は、受動的電気回路構成によって受け取りデバイス、インバータ及び電気機械を電気的に接続するステップを備え、受動的電気回路構成は、電気エネルギーを受け取りデバイスと電気機械との間で伝送する第1の伝送回路と、電気エネルギーを受け取りデバイスとインバータとの間で伝送する第2の伝送回路と、電気エネルギーをインバータと電気機械との間で伝送する第3の伝送回路と、を備える。
【0050】
そのような車両内で、静止充電時及び/または動作時のエネルギーの流れは、静止充電時の受け取りデバイスから電気機械へのエネルギーの流れがゼロであるかまたは最小化され、一方車両の動作時、例えば、モータモードにおいてまたは発電機モードにおいて動作時の受け取りデバイスへのエネルギーの流れがゼロであるかまたは最小化されるように設計される受動的電気回路構成によって有利に導かれる。
【0051】
別の実施形態では、次のステップが追加的に実行される:
− 所与の動作周波数において、第3の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第3の通過インピーダンスより低いような受動的電気回路構成を設けること。
【0052】
別の実施形態では、次のステップが追加的に実行される:
− 所与の動作周波数において、第2の伝送回路によって提供されるインピーダンスが所定の第2の遮断インピーダンスより高く、且つ/または第1の伝送回路によって提供されるインピーダンスが別の第1の遮断インピーダンスより高いような受動的電気回路構成を設けること。
【0053】
添付の図を参照して本発明の例を以下に説明する。