特許第6111332号(P6111332)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6111332揮発性物質ディスペンサー及び揮発性物質を放出する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6111332
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】揮発性物質ディスペンサー及び揮発性物質を放出する方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/03 20060101AFI20170327BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20170327BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   A61L9/03
   B65D83/00 F
   A01M1/20 F
【請求項の数】7
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-526618(P2015-526618)
(86)(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公表番号】特表2015-531621(P2015-531621A)
(43)【公表日】2015年11月5日
(86)【国際出願番号】US2013053700
(87)【国際公開番号】WO2014025720
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2015年4月14日
(31)【優先権主張番号】61/680,110
(32)【優先日】2012年8月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【弁理士】
【氏名又は名称】松山 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104444
【弁理士】
【氏名又は名称】上羽 秀敏
(74)【代理人】
【識別番号】100125704
【弁理士】
【氏名又は名称】坂根 剛
(72)【発明者】
【氏名】ジャウォースキー、 トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ボーモント、 デニス、 ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター、 スコット、 ディー.
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−058047(JP,A)
【文献】 特公昭52−012106(JP,B1)
【文献】 特表2003−509166(JP,A)
【文献】 特表2005−535410(JP,A)
【文献】 特表2009−512474(JP,A)
【文献】 実開平01−140269(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0033067(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M1/00−99/00
A61L9/00−9/22
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性物質ディスペンサーであって、
少なくとも1つの壁及び内部に配置された中空部を備えるハウジングと、
揮発性物質及び外に延びて前記揮発性物質と接触する吸い上げ芯を備える詰替品と、
前記中空部内に配置されて前記詰替品が前記ディスペンサー内に挿入されたときに前記吸い上げ芯を囲む加熱器構造と、
を含み、
前記加熱器構造は、中空セラミックシリンダの形態であり、当該中空セラミックシリンダ上に抵抗コーティングが蒸着され
前記加熱器構造に所定の抵抗値を持たせるために、前記抵抗コーティングに螺旋形パターンが形成されている、揮発性物質ディスペンサー。
【請求項2】
コネクタ又は端子が前記中空セラミックシリンダから前記ディスペンサーの電気部品に延びて前記加熱器に電力を提供する、請求項1に記載の揮発性物質ディスペンサー。
【請求項3】
前記中空セラミックシリンダは、電気絶縁コーティングでコーティングされている、請求項1または2に記載の揮発性物質ディスペンサー。
【請求項4】
抵抗コーティングを有する前記加熱器は、5%の公差で14キロオームから16キロオームの間の公称抵抗を有し、3ワットの最大定格出力を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の揮発性物質ディスペンサー。
【請求項5】
前記吸い上げ芯を囲む中空セラミックシリンダは、前記加熱器の内面及び前記吸い上げ芯の外面の間に0.5ミリメートルから2.5ミリメートルの間の空気間隔を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の揮発性物質ディスペンサー。
【請求項6】
前記中空セラミックシリンダは、前記吸い上げ芯が挿入されるチャネルを形成する中空容器内に配置された、請求項1〜5のいずれか一項に記載の揮発性物質ディスペンサー。
【請求項7】
前記抵抗コーティングは、抵抗金属酸化物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の揮発性物質ディスペンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「揮発性物質ディスペンサー(Volatile Material Dispenser)」の名称で、2012年8月6日に出願された、Jaworskiなどの米国仮出願第61/680,110号の利益を伴う。
【0002】
本発明は、一般的に揮発性物質ディスペンサーで使用するための加熱器に関し、さらに具体的には、揮発性物質の揮発のために加熱器を用いる揮発性物質ディスペンサーに関する。
【背景技術】
【0003】
先行技術では、さまざまな揮発性物質ディスペンサーが知られており、通常は中に詰替品(refill)が挿入されたハウジング(housing)を含む。詰替品は、通常中に揮発性物質を収容した容器(container)を含む。ディスペンサーには、そこから揮発性物質を受動的に放出(passively emitted)するものがある。その他のディスペンサーの中には、揮発性物質のディスペンス(dispensing)を容易にするために、何らかの拡散素子が利用されるものがある。拡散素子には、加熱器(heater)、圧電素子(piezoelectric element)、ファン、エアゾール作動装置といった例が含まれる。揮発性物質が放出される方法に拘わらず、いったん揮発性物質が詰替品から出て使い切られてしまうと、詰替品は利用者によって取り外されて新しい詰替品と交換される。
【0004】
揮発性物質ディスペンサーにおける一様式、すなわち、プラグ差し込み式の香油ディスペンサー(plug−in scented oil dispenser)としばしば呼ばれるものは、ハウジングと、ハウジング内部に配置される加熱器とを含む。プラグ差し込み式の香油ディスペンサーと一緒に使う詰替品は、通常、中に揮発性物質を有する容器と、揮発性物質と接触する吸い上げ芯(wick)とを含む。詰替品がディスペンサーに挿入される状態だと、少なくとも吸い上げ芯の一部が、加熱器に近接して配置され、その結果、吸い上げ芯を通って移動する揮発性物質は加熱器によって揮発される。揮発性物質ディスペンサーは普通、ハウジングから外部へ延びる電源プラグ端子(electrical prongs)を有するプラグ組立品(plug assembly)を含む。電源プラグ端子は、一般的なコンセントに挿入され、電気エネルギーを揮発性物質ディスペンサーに供給する。プラグ差し込み式の香油ディスペンサーは、さらに揮発性物質を分配させるのを助けるファンを用いてもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
例示的な実施形態では、揮発性物質ディスペンサーは、少なくとも1つの壁及びハウジング内に配置された中空部を備えるハウジングと、揮発性物質及び詰替品の外に延びて揮発性物質と接触する吸い上げ芯を備える詰替品とを含む。
【0006】
ディスペンサーは、中空部内に配置され、詰替品(refill)がディスペンサー内に挿入されたときに吸い上げ芯を囲む加熱器構造をさらに含む。加熱器構造は、揮発性物質ディスペンサーと同様又はより少ない重量損失の平均比率を有する他の同様の揮発性物質ディスペンサーと比べて、少なくとも約30%減少した電力消耗を提供する。
【0007】
他の例示的な実施形態では、揮発性物質ディスペンサーは、少なくとも1つの壁及びハウジング内に配置された中空部を備えるハウジングと、揮発性物質を内部に有し、当該揮発性物質と接触すると共に外部に延びる吸い上げ芯を有する詰替品とを含む。ディスペンサーは、中空部内に配置され、詰替品がディスペンサー内に挿入されたときに吸い上げ芯に隣接するように配置される加熱器構造をさらに有する。加熱器構造は、約13以上の効率係数(efficiency factor)を有する。
【0008】
また他の例示的な実施形態では、揮発性物質を放出する方法は、少なくとも1つの壁及びハウジング内に配置された中空部を有する揮発性物質ディスペンサーを提供する工程を含む。前記ハウジングは、揮発性物質と、当該揮発性物質と接触すると共に外部に延びる吸い上げ芯とを有する詰替品を収容する。前記方法は、前記ディスペンサー内で加熱器構造を位置決めする工程を含む。前記加熱器構造は、前記ディスペンサーを作動させるのに必要な電力を減少させるように構成されている。また、前記方法は、時間当り少なくとも0.01グラムの平均重量損失を達成するように約1.5ワット以下の電力で加熱器構造を作動させる工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】エネルギー効率の高い加熱器構造を用いる揮発性物質ディスペンサーの第1実施形態の上部斜視図である。
図2】ディスペンサーの内部中空部を示すためにハウジングの前方部分がそれから除去された図1の揮発性物質ディスペンサーの上部斜視図である。
図3】ハウジングの前方部分がそこから取り外されて、揮発性物質ディスペンサー内に配置された詰替品の調整を許容するための調整機構を説明する、図1の揮発性物質ディスペンサーの部分分解上部斜視図である。
図4】ハウジングの前方部分がそこから取り外された調整機構を説明する、図1の揮発性物質ディスペンサーの部分分解底斜視図である。
図5図2の5−5線に概ね沿った断面図であり、一般的に詰替品を移動させるための加熱器及び調整機構を示す。
図6】エネルギー効率の高い加熱器構造を用いる揮発性物質ディスペンサーの第2実施形態の上部斜視図である。
図7図6の揮発性物質ディスペンサーの上部斜視図であり、ハウジングの前方部分がそこから取り外されたディスペンサーの内部中空部を示す。
図8図6の揮発性物質ディスペンサーの底斜視図であり、ハウジングの前方部分がそこから取り外された揮発性物質ディスペンサー内に配置された加熱器の調整を許容するための調整機構を説明する。
図9図7の9−9線に概ね沿った断面図であり、一般的に加熱器と調整機構を示す。
図10図8及び図9に示した加熱器及び調整機構の分解図である。
図11】エネルギー効率の高い加熱器構造を用いる揮発性物質ディスペンサーの第3実施形態の上部斜視図である。
図12】ディスペンサーの内部中空部を示すためにハウジングの前方部分がそこから取り外された、図11の揮発性物質ディスペンサーの上部斜視図である。
図13図11の13−13線に概ね沿った断面図であり、揮発性物質ディスペンサー内に配置された詰替品を調整するための加熱器及び調整機構を示す。
図14図13に示した加熱器及び調整機構の分解図である。
図15図1図14の実施形態と併せて用いることができる加熱器の第1実施形態である。
図16図1図14の実施形態と併せて用いることができる加熱器の第2実施形態である。
図17図1図16の加熱器又は加熱器構造内に含むことができる機能拡張を示す。
図18図1図16の加熱器又は加熱器構造内に含むことができる機能拡張を示す。
図19図1図16の加熱器又は加熱器構造内に含むことができる機能拡張を示す。
図20図1図16の加熱器又は加熱器構造内に含むことができる機能拡張を示す。
図21図1図16の加熱器又は加熱器構造内に含むことができる機能拡張を示す。
図22図1図16の加熱器又は加熱器構造内に含むことができる機能拡張を示す。
図23図1図16の加熱器又は加熱器構造内に含むことができる機能拡張を示す。
図24図1図16の加熱器又は加熱器構造内に含むことができる機能拡張を示す。
図25図1図16の加熱器又は加熱器構造内に含むことができる機能拡張を示す。
図26】試験実施中に試験された5つの揮発性物質拡散装置を示す。
図27図26の試験実施中に試験された様々な装置の設備を示す写真である。
【0010】
本発明におけるその他各種の態様及び利点は、以下の詳細な説明を検討することにより明らかとなるであろう。なお、説明における同様の構造には、同一の符号が付してある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、揮発性物質ディスペンサー用のエネルギー効率の高い加熱器構造に関するものである。本発明は数多くの異なる形態で実施されてもよいが、本発明が今回の発明の原理を例示的に示すにとどまるよう考えられるべきであり、説明する各実施形態に本発明が制限されるものではないと理解することを前提に、具体的な実施形態の数々が本明細書で説明される。
【0012】
図面を参照すると、図1図5は、図1及び図2に示すように揮発性物質を収容する容器52を含み、詰替品51を収容するように構成された揮発性物質ディスペンサー50の第1実施形態を示す。容器52は、ハウジング56によって保持されるように構成されている。容器52は、容器52内部の吸い上げ芯60を収容した保持機構(retaining mechanism)54(図9参照)と、揮発性物質54が中に配置される本体62とを含む。本体(body)62は、底部(base portion)64と、向かい合った第1側壁(sidewall)66a及び第2側壁66bを含む。側壁66aと66bはそれぞれ、第1頂壁(top wall)68aと第2頂壁68bに向かって内向きに曲がる前に、上方及び外部へと延びる。第1頂壁68a及び第2頂壁68bは、ネック(neck)70(図9参照)と一体化している。同様に、向かい合った正面壁(front wall)72a及び後面壁(rear wall)72bはそれぞれ、ネック70に向かって上方へと曲がっている。
【0013】
詰替品(refill)51のネック70は、その頂部を通して配置される開口部73及びその外面上に配置されたねじ付き部分を含み、開口部は揮発性物質へのアクセスを可能にする。保持機構54は、ネック70内に配置されて吸い上げ芯の少なくとも一部周辺に延びてそれを保護するシース(sheath)75をさらに含む。容器52は、1つ以上の対向する正面壁及び後面壁72a,72bから外側に延びる隆起部(raised portion)76を選択的にさらに含む。一実施形態では、隆起部76は、反転したシェル状部材の形態である。特定ディスペンサー50及び容器52が具体的に説明されたとしても、本発明の加熱器構造が加熱器及びいかなる形態の詰替品及び/又は容器を用いる電気ディスペンサーの形態と併せて用いてもよい。例えば、本発明に用いることができるディスペンサーは、Belongiaなどの米国特許第7,840,123号、Varanasiなどの米国特許第6,968,124号、Belandなどの米国特許公開第2011/0049256号、Zobeleの米国特許公開第2005/0180736号、及びPedrottiなどの米国特許第6,862,403号に説明されたディスペンサーを含んでもよく、これらに限定されることはない。さらに、本発明に有用な容器は、本発明と同じ譲受人が所有する、2010年12月15日に出願された米国特許出願第12/969,261号に説明された容器、及び米国特許第7,032,831号に説明された容器を含み、これらに限定されることはない。
【0014】
容器52に配置される揮発性物質は、周囲にディスペンスするよう構成された任意の様式の揮発性物質であってもよい。例えば、容器52は、クリーナー、殺虫剤、防虫剤、昆虫誘引剤、殺菌剤、カビ抑制剤、香料、殺菌剤、空気清浄機、アロマセラピー用芳香剤、防腐剤、臭気除去剤、能動的に香りを発する揮発性物質、空気清浄スプレー、防臭剤など、及びこれらの組み合わせたものを含んでもよい。揮発性物質には添加剤、例えば、香料、及び/又は防腐剤が含まれていてもよい。
【0015】
次に、概して図1図5を参照すると、揮発性物質ディスペンサー50のハウジング56は、一般的に互いに取付けられた前部及び後部90,92を含み、その間に内部チャンバー又は中空部93を形成する。前部及び後部90,92はまた、結合して揮発性物質の放出のためにハウジング56の頂部に開口部94を形成する。詰替品51は、チャンバー93内に上向きの吸い上げ芯60を挿入することによってハウジング56内に挿入される。図1及び図5を参照すると、プラグ組立品96は、ハウジング56の後部92から延びて従来のコンセントに挿入するための2つの電源プラグ端子98を含む。プラグ組立品96は、米国の一般的なプラグ組立品として示されているが、他の国で使用できるプラグ組立品を用いてもよい。さらに、プラグ組立品96は、当該分野で公知の任意の特徴を含んでもよく、例えば、プラグ組立品96は、部分的又は完全に回転可能であってもよい。
【0016】
本出願の図面に示してはいないが、ディスペンサー50は、例えばBelongiaなどの米国公開特許第2012−0275772号に詳細に説明されるような、回転可能に取付けられた面板(faceplate)を含んでもよい。
【0017】
図2及び図3に最もよく示されるように、固定支持台100がハウジング56内に配置されて、ハウジング56の第1及び第2の側面102,104の間に延びる。支持台100は、一般的に平面壁106に対向する端部112,114から第1及び第2の側面102,104の各々の下方及び外側に延びる第1及び第2アーム(arm)108,110及び平面壁106を含む。アーム108,110は、ハウジング56の第1及び第2の側面102,104と一体又はこれらに接続される。
【0018】
[調整機構]
図4及び図5Aを参照すると、支持台100の平面壁106は、それを介した円形開口部120を含み、円筒部材122が円形開口部120内に形成される。円筒部材122は、以下により詳細に説明する吸い上げ芯60のための開口部128と共にカップ126によって部分的に囲まれられる平面壁106の上に延びる上側部分124を含む。円筒部材122は、平面壁106に延びて下側部分130の側面と共に形成された第1及び第2の対向するチャネル132,134を含み、平面壁106の下方に延びる下側部分130をさらに含む。円筒部材122は、さらに下側部分130の前後に形成され、平面壁106まで延びる第3及び第4の対向するチャネル136,138を含む。調整機構139の第1部分は、上側及び下側部分124,130内の円筒部材122の内面142内に配置された3セットの切欠部(140a〜140c)を含む。特に、図5に示すように、第1セットの切欠部140aは、第3及び第4の対向するチャネル136,138の上の下側部分130内に配置される。第2及び第3セットの切欠部140b,140cは、第1セットの切欠部140aの上の上側部分124内に配置される。切欠部の機能については、以下に詳細に説明する。
【0019】
4つの細長いガイドポスト150は、図4及び図5に示すように、円筒部材122の上側部分124から外側に延びてディスペンサー50の長手方向軸152(図5A参照)に一般的に平行する。ガイドポスト150は、それぞれの隣接したチャネル132,134,136,138の間に配置される。4つのポスト150が示されているが、後述するように、案内機能を実現するガイドポスト150の数はいくつであってもよい。
【0020】
調整機構139は、図3図5Aに最もよく示されるように、詰替品ホルダ160をさらに含む。詰替品ホルダ160は、以下でより詳細に説明するように、支持台100の円筒部材122内に挿入するためのシリンダ162を含む。第1及び第2の可撓性のタブ164は、シリンダ162の対向する側面上に配置される。タブ164は、シリンダ162内チャネル166によって形成されて外側に延びる突出部168をさらに含む。第1及び第2の剛性突出部170は、シリンダ162の前方及び後方の側面から外側に延びる。詰替品ホルダ160は、一般的に平坦な表面を形成し、それを介した開口部174を含む環状レッジ(ledge)172をさらに含む(図5A参照)。詰替品51の吸い上げ芯60は、開口部174を介して挿入されてもよいが、環状レッジ172がディスペンサー50内で詰替品51の過挿入を防止する。
【0021】
また、図3図5を参照すると、シリンダ162は、ディスペンサー50の長手方向軸152に一般的に平行であり、シリンダ162の頂部端182から下方に延びる4つの細長いチャネル180を含む。1つの細長いチャネル180は、各タブ164及び隣接した剛性突出部170の間に配置される。
【0022】
図3図5に示すように、詰替品ホルダ160は、シリンダ162の下部端186の前方及び後方の側面から外側及び下方に延びる2つのアーム182をさらに含む。各アーム182は、各々それを介した開口部188を含む。開口部188は、詰替品51上の隆起部76に適合した形状に形成してもよい。開口部188は、選択的にその中に詰替品51を保持するのに役立つ任意の形状であってもよい。また、選択的に、アーム182及び/又は詰替品51は、アーム182に詰替品51を取付けて保持するのに役立つ任意の特徴部を含んでもよい。
【0023】
調整機構139は、支持台100の円筒部材122の下側部分130の中に詰替品ホルダ160のシリンダ162を挿入することによって組立てられる。このような方式において、シリンダ162の第1及び第2の可撓性のタブ164は、下側部分130の側面内第1及び第2の対向するチャネル132,134内に整列し、剛性突出部170は、下側部分130の前方及び後方の側面内の第3及び第4の対向するチャネル136,138内に整列する。同時に、図5Aに最もよく示されるように、円筒部材122の上側部分124の上の4つの細長いガイドポスト150は、シリンダ162から外側に延びる4つの細長いチャネル180内に整列する。三種類の特徴部の各々は、円筒部材122内に詰替品ホルダ60をガイドするように作用する。
【0024】
整列すると、詰替品ホルダ160は、タブ164から外側に延びる突出部168が第1セットの切欠部140a内に配置されるときまで円筒部材122内に押し込まれる。調整機構139の組立て工程は、消費者が購買する前の製造の段階で行ってもよく、選択的に消費者が行うようにしてもよい。組立てた円筒部材122から詰替品ホルダ160が離脱するのを防止するために、任意に1つ以上の特徴部を含んでもよい。
【0025】
利用者は、ディスペンサー50の使用の際に、より高い又は低い揮発性物質の放出を所望し得る。したがって、詰替品ホルダ160は、異なるレベルの放出を提供するために、上下に移動することもできる。特に、突出部168が第1セットの切欠部140a内に配置されるとき、吸い上げ芯60は、加熱器202内に部分的に配置され、低レベルの放出を提供する。突出部168が第2セットの切欠部140b内に配置されたときの詰替品ホルダ160の移動は、詰替品51を上方に動くようにし、加熱器202内の吸い上げ芯60をさらに遠くへ移動させる。最も高レベルの放出は、第3セット切欠部140c内に突出部168を移動することによって提供される。当該技術分野の当業者によって理解されるように、利用者は、ディスペンサー50の強度レベルを変更する必要がある。強度レベルは、加熱器202に詰替品ホルダ160(すなわち、詰替品51及び吸い上げ芯60)を近づけたり遠ざけるように移動させることによって制御される。
【0026】
[加熱器構造]
図2図3図5A、及び図5Bを参照すると、ディスペンサー50は、加熱器又は抵抗202を用いた加熱器構造200の第1実施形態をさらに含む。加熱器202の2つの変形は、図15及び図16に示すように、抵抗の形態の加熱器202が中空セラミックシリンダ204上にスパッタコーティング又はスプレーコーティングによって蒸着される抵抗金属酸化物コーティング206を備える中空セラミックシリンダ204を含む。螺旋形パターン208が抵抗金属酸化物コーティング206内に形成されてもよく、加熱器202のために所望する抵抗値を形成してもよい。又は、セラミックシリンダ204は、正確な抵抗値を有する金属酸化物コーティング206でコーティングされてもよく、螺旋形カット(cutting)の必要性をなくす。金属端部キャップ210は、中空セラミックシリンダ204の第1及び第2端部212,214上に圧入される。金属端部キャップ210は、キャップ210に連結されたり一体化する1つ以上の連結器224及び中空状のシリンダ中空部222を備えるキャップ220を含む。キャップ210は、シリンダ204の端部212,214の上に合わせて、連結器224は、シリンダ204の周辺から延長して離隔した端部(terminals)230で終了することができ(図15参照)、連結器224又は端部230は、プラグ、回路基板、及び/又は揮発性物質ディスペンサー50の他の前記部品に接続される。加熱器202は、絶縁、誘電性、及び/又は難燃性の物質でコーティングしてもよく、セラミック又はプラスチックのブロックに入れられてもよい。一実施形態では、抵抗202は、5%の公差で約14から約16キロオーム(Kohm)の間の公称抵抗(nominal resistance)を有し、約3ワットの最大定格出力を有し、約100ボルトから約230ボルトの間の作動電圧を有する。セラミックチューブが開示されているが、ワイヤーが加熱器を形成するようにチューブに巻かれてもよい。
【0027】
図15及び図16には、セラミックシリンダが抵抗金属酸化物でコーティングされたものであると記述されているが、セラミックシリンダは、選択的に炭素フィルム、抵抗金属フィルム、又は正温度係数(positive temperature coefficient;PTC)の形態の物質でコーティングされてもよい。他の例示的な実施形態において、シリンダは、抵抗ワイヤー又は可撓性加熱要素で巻かれてもよい。また他の例示的な実施形態において、シリンダは、(コーティングセラミックよりも)PTCサーミスター(thermistor)物質で形成されてもよい。また他の例示的な実施形態において、複数の抵抗又はPTCサーミスターが管状の配列又は管状の構造内に配列されてもよく、管状の加熱装置を形成してもよい。また他の例示的な実施形態において、図15及び図16内に示した2つ以上の加熱器を用いてもよい。例示的な実施形態において、2つ以上の加熱器は、垂直方式で積層されて、詰替品の吸い上げ芯は、2つ以上の加熱器を通して挿入される。このような方式において、独立的に作動してもよく、1つ以上の加熱器が特定時間に作動してもよい。2つの加熱器が積層された例示的な実施形態において、第1抵抗を有する第1加熱器は低レベルの熱用に作動してもよく、第1抵抗より大きい第2抵抗を有する第2加熱器が中レベルの熱用に作動してもよく、両方の加熱器が高レベルの熱用に作動してもよい。選択的に、複数の抵抗が単一のセラミックチューブ上に形成されてもよく、同一の効果を形成してもよい。加熱器の組合、抵抗レベル、及び/又は熱のレベルが本出願の範囲内にあることが理解されなければならない。また他の実施形態において、2つ以上の加熱器又は加熱器構造が多芳香を提供するように、2つ以上の他の詰替品と関連付けてもよい。
【0028】
図5Bに最もよく示されるように、加熱器202は、円筒状の容器240内に配置されてもよい。容器240は、容器240の下端部244に取付けられたり、スナップ嵌めされた下部プレート242を含む。下部プレート242は、中央開口部243を含み、加熱器202から熱を移動させるための、複数の補助開口部246を含んでもよい。上部プレート248は、容器240の上端部250に取付けられたり、スナップ嵌めされて下部プレート242と共に容器240内の加熱器202を囲む。上部プレート248は、中央開口部250を含み、熱を移動させるための一つ以上の補助開口部252を含んでもよい。容器240の側面は、1つ以上の開口部を含んで加熱器202から延びる連結器224を受け入れる。容器240は、少なくとも1つのポスト254又は他の支持台をさらに含んでハウジング56に加熱器を取付ける。
【0029】
ギャップ(gap)は、加熱器200を保持できる円筒状の容器240又は加熱器200の内周又は内径、及び吸い上げ芯60の外周又は外径の間に配置されてもよい。ギャップは、加熱器構造202又は加熱器200を介して十分な空気の流れを許容できるように十分に大きい必要があるが、吸い上げ芯60に十分な熱の移動を提供できるように小さくなければならない。例示的な実施形態において、ギャップは、約0.5ミリメートルから2.5ミリメートルの間である。他の例示的な実施形態において、ギャップは、約1.0ミリメートルから約2.0ミリメートルの間である。また他の例示的な実施形態において、ギャップは、約1.0ミリメートルから約1.5ミリメートルである。
【0030】
図2を参照すると、詰替品51は、詰替品ホルダ160のシリンダ162内に吸い上げ芯60を位置させることによって、そして吸い上げ芯60を支持部材100の円筒部材122を介し、さらに下部プレート242内中央開口部243を介してガイドすることによって、ハウジング56内に挿入される。このような方式において、吸い上げ芯60の一部は、加熱器202の円筒状のコア内に配置される。
【0031】
[試験]
現在の市場に出回っている同様の装置と加熱器とを比較して、図16に示した加熱器202の全体効率を測定するための試験を行った。図26を参照すると、5つの装置の試験が示されている。第1の装置800は、図1図6と関連して説明した装置と同様に図16と関連して説明したような加熱器202を含み、上述のように、そこに取付けられたカバーをさらに含む。第2の装置802は、Belongiaなどの米国出願第2012−0275772号に説明され、グレードプラグイン(Glade Plug−Ins)という名称のS.C.ジョンソン&サン社(S.C.Johnson and Son、Inc.)によって現在販売されている装置である。第3の装置804は、エアーウィック(Air Wick)と呼ばれるレキットベンキーザー社(Reckitt Benckiser)によって販売されている装置である。第4の装置806は、米国特許第7,722,807に詳細に説明され、Febreze NoticeablesTMと呼ばれるプロクター・アンド・ギャンブル社(Procte & Gamble)によって販売される装置である。第5の装置808は、バスアンドボディーワークス社(Bath & Body Works)によって現在販売され、米国特許第6,236,807に説明されている装置と同様である。6つの各装置(800〜808)が試験のために使用され、各セットの装置のための重量損失データが平均化された。
【0032】
単一成分のプロキシフォーミュラ(single component proxy formula)が試験の間に用いられ、特にテトラデカン(Tetradecane)99%(C1430)が用いられた。テトラデカン99%は、プロキシとして選択され、それは、香りの形態の揮発性物質の重量損失に最も近接するように模倣するためである。特に、予備試験において、テトラデカン99%は、時間当り約23ミリグラムの放出比率及び重量損失を示し、これは、最も多い香りの放出比率又は普通の重量損失内で集中的に減少する。具体的には、最も多い香りの放出比率及び普通の重量損失は、時間当り約10から約40ミリグラムの間である。重量損失は、揮発性物質が詰替品から減少する比率をいう。特定揮発性物質のための重量損失は、放出比率又は出力比率としてたびたび言及される、周辺に揮発性物質が放出される比率と同一である。
【0033】
詰替品は、プロキシフォーミュラの19.8ミリメートルで充填され、各装置(800〜808)内に挿入された。特に、第1及び第2の装置800,802のために用いられた詰替品は、S.C.ジョンソン&サン社によって販売されて、国特許第8,197,765号に詳細に説明されている詰替品である。第3、第4及び第5の装置804,806,808内で使用された詰替品は、各装置内に現在販売されている詰替品である。第4の装置806と関連して、結合された2つの詰替品が充填され、装置806の2つの構成要素内に挿入された。装置800,802のための詰替品に対して、新しいボトルと吸い上げ芯が使用され、これらは他の揮発性物質と共に以前に利用されていないものである。装置804,806,808のための詰替品のボトル及びプラグが購入され、排水、イソプロピルアルコールによって洗浄され、プロキシフォーミュラで充填する前に空気乾燥した。そのような詰替品用の吸い上げ芯は、吸収紙タオルの上に置いて、プロキシフォーミュラを有するボトル内に挿入される前に約96時間の間乾燥された。
【0034】
試験施設は、22+/−4時間当りの空気変化の換気回数及び50%の相対湿度(RH)(+/−5%)で華氏70度(+/−2°F)で保持される環境的に制御された部屋であった。120VAC+/−0.5ボルトを供給できる(ACコンセントストリップの形態で)定電圧電源が装置(800〜808)に電力を提供するように用いられた。試験の間に用いられた異なる装備は、0.01グラムの分析ができる目盛り付きバランス(calibrated balance)、少なくとも0.1ボルトの分析ができる目盛り付きマルチメータ(calibrated multimeter)、及び目盛り付きパワーメータ(calibrated power meter)であった。
【0035】
試験の初期構成段階の間、初期抵抗、電流引き(current drawn)、及び各装置の電源入力が測定されて記録された。続いて詰替品が設置され、各装置及び詰替品の合計重量を測定した。詰替品の設置後に、試験担当者は、吸い上げ芯が各加熱器に接触せずに装置がコンセントに設置されていることを確認し、図27に示すように、少なくとも6インチの空間が(水平及び垂直に)それぞれの隣接した装置の間で確認された。続いて、温度、湿度、換気回数、及び電力が許容範囲以内にあるということが確認された。最後に、強度レベルスイッチを含む各装置(調整手段を備えていない第5の装置808を除く全て)のために、各装置の強度は高く設定された。
【0036】
試験段階で、装置はコンセントに設置されて、重量損失試験が10日間続けて1日1回行われた。初期重量測定において、各結合装置及び詰替品の重量が測定された。重量損失は、以前及び現在の重量測定を用いて各装置ごとに算出して、重量損失が記録された。各装置に対する平均時間の重量損失(Average Hourly Weight Loss)が3〜10日の間の重量損失値を用いて算出され、各セットの装置に対する平均全体時間の重量損失(Average Overall Hourly Weight Loss)がそのような形態の各装置に対する平均時間の重量損失を平均化することによって決定された。試験段階で、電圧はそれが適切な限界内にあることを確認するために目盛り付き電圧計(calibrated voltmeter)を用いて週に2回ずつ確認した。
【0037】
試験の分析段階において、試験が完了して適切なデータが収集された後に、装置の効率係数(device efficiency factor)が次の式を用いて各装置(800〜808)に対して算出された。
【0038】
装置の効率係数=平均全体時間の重量損失/電力
【0039】
分析段階の結果は、下の表1に示す。

【表1】
【0040】
第1の装置800に対する効率係数のための算出例は以下に示され、各装置に対して算出された装置の効率係数は、下の表2に示す。
【0041】
装置の効率係数=0.026/時間(平均全体時間の重量損失)×1000mg/g/0.886ワット(電力)=29.39

【表2】
【0042】
要約すると、第1の装置800は、試験した他の装置よりもかなり高い重量損失/放出比率/単位ワット当たりの出力率を有する。実際に、第1の装置800の重量損失/放出比率/単位ワット当たりの出力率は、次に高い効率を有する第5の装置808の2倍以上である。言い換えると、第1の装置800を作動させるのに必要な電力量は、装置802,804,806,808と同一又はより大きい重量損失/放出比率/出力率を得るために必要な電力よりも少量である。第1の装置800の純効果は、エネルギー節約及び効率である。
【0043】
例示的な実施形態において、時間当りの少なくとも0.02グラムの重量損失が1.5ワット以下である電源入力を用いて保持される。他の例示的な実施形態において、時間当りの少なくとも0.2グラムの重量損失が約1.0ワット以下である電源入力を用いて保持される。また他の例示的な実施形態において、時間当りの少なくとも0.1グラムの重量損失が1.5ワット以下である電源入力を用いて保持される。他の例示的な実施形態において、時間当りの少なくとも0.1グラムの重量損失が約1.0ワット以下である電源入力を用いて保持される。
【0044】
例示的な実施形態において、本明細書に記述された加熱器構造は、この加熱器構造を用いるディスペンサーに対する重量損失の平均比率と同じ又は小さい重量損失の平均比率を有する他の同様の揮発性物質ディスペンサーと比較して、少なくとも約20%の電力消費の低減を提供する。少なくとも20%の電力消費の低減は、少なくとも20%少ない電力が同一の重量損失の平均比率に到達するのに用いられる可能性があることを意味する。他の例示的な実施形態において、加熱器構造は、本明細書に記述された加熱器構造を用いるディスペンサーに対する重量損失の平均比率以下の重量損失の平均比率を有する他の同様の揮発性物質ディスペンサーと比べて、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は、少なくとも約60%の電力消費の低減を提供する。
【0045】
例示的な実施形態において、本明細書に記述された1つ以上の加熱器の効率係数は、約13以上である。他の例示的な実施形態において、本明細書に記述された1つ以上の加熱器の効率係数は、約15以上、又は約20以上、又は約25以上である。
【0046】
[他の調整機構]
揮発性物質ディスペンサー260の第2実施形態は、図6図10に示されている。ディスペンサー260は、互いに対して取付けられた前部及び後部264,266を備えて、その間に内部チャンバー又は中空部268を形成するハウジング262を含む。前部及び後部264,266はまた、揮発性物質の放出のためのハウジング262の頂部に開口部270を形成するように結合される。詰替品51は、チャンバー268内に上向きの吸い上げ芯60を挿入することによってハウジング262内に挿入される。図6及び図9を参照すると、プラグ組立品272がハウジング262の後部266から延びて従来のコンセントに挿入されるための2つの電源プラグ端子274を含む。プラグ組立品272が米国における一般的なプラグ組立品として示されているが、他の国で使用できるプラグ組立品を用いてもよい。さらに、プラグ組立品272は、当該分野で公知の任意の特徴を含んでもよく、例えば、プラグ組立品272は、部分的又は完全に回転可能であってもよい。
【0047】
図7図9に最もよく示されるように、固定支持台280がハウジング262内に配置されて、ハウジング262の第1及び第2の側面282,284の間に延びる。支持台280は、各々平面壁286に対向する端部292,294から第1及び第2の側面282,284から外側及び下方に延びる第1及び第2アーム278,280及び一般的に平面壁286を含む。アーム288,290は、ハウジング262の第1及び第2の側面282,284に連結されたり一体化する。図10Cに最もよく示されるように、支持台280は、平面壁286の前方端302内に形成された可撓性のタブ300をさらに含む。特に、2つのスロット304は、前方端302から内側に延びてタブ300を形成し、これは、ポイント306の周りに曲がる。突出部308は、タブ300の頂面309から上方に延びて湾曲した外面310を含む。円筒状のチャネル311が吸い上げ芯60を位置決めするために支持台280を介して形成され、これは、以下にてより詳細に説明される。
【0048】
調整ホイール312が固定支持台280に取付けられて外側に湾曲した壁314を備えるベース313を含む。壁314は、ハウジング262の前方部分264の中の開口部318を介して延びるノブ316を提供する。壁314の外面320は、調整ホイール312(例えば、強度レベル)の位置の視覚的な合図(cue)を提供するための複数の指示器322を含んでもよい。壁314の内面は、以下にて説明するように、ディスペンサー260のための強度レベルを設定するのに役立ち、指示器322と整列する複数の切欠部326を含んでもよい。
【0049】
図10Bに示すように、調整ホイール312は、壁314の内側に配置されて、ベース313から下方に延びる第1円筒状の壁330をさらに含む。図10Aを参照すると、調整ホイール312は、第1円筒状の壁30と壁314との間に離隔してベース313から上側に延びる第2円筒状の壁332を含む。2つの螺旋状の開口部334が第2円筒状の壁332内に配置され、その機能は、以下にて詳細に説明する。
【0050】
図10Aを参照すると、ディスペンサー260は、図1図5Bの加熱器構造200と同様の加熱器構造340をさらに含む。したがって、同様の構成要素は、同様の番号が用いられる。円筒状の延長部342は、容器240から下方に延びて容器240の直径より若干大きい直径を有する。延長部342は、延長部342の対向する側面上に2つの可撓性のタブ344を含み、各タブ344は、2つのチャネル346によって形成されて外側に延びる円筒状の突出部348を含む。
【0051】
製造中に、調整ホイール312は、支持台280の円筒状のチャネル311の中に調整ホイール312の第1円筒状の壁330を挿入することによって支持台280に取付けられる。調整ホイール312が支持台280に対して加圧されるとき、突出部308が調整ホイール312の壁314の内面324内の切欠部326のうちの1つ内に配置されるときまで突出部308は、ポイント306の周りに曲がる(flex)。
【0052】
加熱器構造340は、調整ホイール310の第2円筒状の壁332中に延長部342を挿入して内側にタブ344を曲げることによって調整ホイール312に取付けられ、突出部348は螺旋状の開口部334の中に延びる。ディスペンサー260の組立時に、加熱器構造340から外側に延びるポスト254は、ハウジング22から延びる回転防止壁360をまたいで、加熱器構造340の回転を防止する。
【0053】
動作中に、利用者はノブ316を回して加熱器202の強度を調節する。ノブ316が最も低い強度に設定されるとき、円筒状の突出部348は、螺旋状の開口部334の下端部362内に配置される。ノブ316が時計方向に回されるとき、調整ホイール310が回転するが、加熱器構造340は、回転防止壁360によって停止したままになる。円筒状の突出部348が螺旋状の開口部334の上端部364に向かって螺旋状の開口部334の上に上がり、加熱器構造340が上方に移動するように影響して強度レベルを増大させる。特に、加熱器202は、他の位置より大きい吸い上げ芯の露出領域の周りに配置される(例えば、シース75のない吸い上げ芯60の頂部)。ノブ316が螺旋状の開口部334内の円筒状の突出部348を移動するように回されて、最も低い強度から強度を変更してもよい(下端部362から上端部364の最も高い強度に)。
【0054】
揮発性物質ディスペンサー450の第3実施形態は、図11図14に示されている。上記の実施形態と同様に、ディスペンサー450は、互いに取付けられた前部及び後部454,456を有し、その間に内部チャンバー又は中空部458を形成するハウジング452を含む。前部及び後部454,456はまた、揮発性物質の放出のためにハウジング452の頂部に開口部460を形成するように結合される。詰替品51は、チャンバー458の中に上向きに吸い上げ芯60を挿入することによって、ハウジング452内に挿入される。図11及び図13を参照すると、プラグ組立品462は、ハウジング452の後部456から延びて従来のコンセントに挿入するための2つの電源プラグ端子464を含む。プラグ組立品462が米国における従来のプラグ組立品として示されているが、他の国で使用できるプラグ組立品を用いてもよい。さらに、プラグ組立品462は、当該分野で公知の任意の特徴を含んでもよく、例えば、プラグ組立品462は、部分的又は完全に回転可能であってもよい。
【0055】
図12及び図14に最もよく示されるように、ディスペンサー450は、詰替品ホルダ472及び調整ホイール474を含むツーピースの調整機構470を含む。詰替品ホルダ472は、シリンダ476の前方及び後方の側面でシリンダ476の外側の頂部端480内に形成された第1及び第2タブ478を有するシリンダ476を含む。各タブ478は、タブ478が曲がることができるようにスロット481によって形成される。筒状突起482は、各タブ478から外側に延びる。制限突出部484は、シリンダ476から外側に延びてタブ478の下に離隔して配置される。
【0056】
次に図12,14及び15を参照すると、詰替品ホルダ472は、一般的に平坦な表面を形成し、それを介した開口部492を含む環状レッジ490をさらに含む。詰替品51の吸い上げ芯60は、開口部492を介して挿入されてもよいが、環状レッジ490がディスペンサー50の中に詰替品51の過挿入を防止する。
【0057】
詰替品ホルダ472は、シリンダ476の下部端498の前方及び後方の側面から外側及び下方に延びる第1及び第2アーム494をさらに含む。各アーム494は、それを介した開口部500を含む。開口部500は、詰替品51上に隆起部76に適合した形状に形成されてもよい。開口部500は、選択的にその中に詰替品を保持するのに役立つ形状であってもよい。また、選択的に、アーム494及び/又は詰替品51は、アーム494に詰替品51を保持して取付けるのに役立つ特徴部を含んでもよい。
【0058】
図12及び図14を参照すると、調整ホイール474は、ノブ510に垂直とノブの中央を通る平面壁512を備え、それを介した開口部514を備えるノブ510を含む。調整ホイール474は、ノブ510から下方に延びる円筒状の壁516をさらに含み、円筒状の壁516は、2つの螺旋状の開口部518と、開口部518の下に離隔して形成される当接面522との2つの切り欠き部(cutout)520を含む。当接面522は、一般的に螺旋状の開口部518に平行する。加熱器構造200の詰替品51が上下に動くとことを除いて、ノブ510は、図7図11の実施形態と同様にしてもよい。
【0059】
ディスペンサー450は、図1図6の加熱器構造200と同一の加熱器構造524をさらに含む。加熱器構造は、図1及び図6の実施形態に対して説明された方式又は適切な異なる方式によってハウジング452に取付ける。加熱器構造は、調整ホイール474の上に離隔される。本明細書において、手動調整機構が図面及び詳細な実施形態によって示されたが、電気的調整機構を用いることもできる。例えば、多位置スライドスイッチが作動可能に降下抵抗回路に接続して、本明細書に記述した加熱器の温度を変更してもよい。
【0060】
[加熱器構造の向上]
図17図25の加熱器構造の特徴及び構成要素は、そのような加熱器及び/又は加熱器構造の効率を向上させるように図1図16の実施形態に対して記述された加熱器及び/又は加熱器構造と組み合わせて用いてもよい。
【0061】
図17を参照すると、加熱器構造550は、揮発性物質ディスペンサー551内に見られるように典型的にセラミック加熱ブロック552を含んでもよく、これは、図1図16と関連して開示された加熱器構造又は加熱ブロック552内に配置された1つ以上の抵抗(図示せず)を含む。抵抗が作動するとき、抵抗からの熱は、セラミック加熱ブロック552を介して伝導する。加熱器構造550は、(ディスペンサー552内に挿入されるとき)詰替品51の吸い上げ芯60に対向する加熱ブロック552の表面555に取付けられた加熱バンド(heat band)554をさらに含んでもよい。加熱バンド554は、一般的にU字状の壁556及びU字状の壁556の端部560,562に接続された平面壁558を含む。平面壁558は、加熱ブロック552の表面555に対して配置される。加熱バンド554は、加熱ブロック552の頂面566の上でそして平面壁558に一般的に横断して延びる連結器564によって加熱ブロック552に取付けることができる。選択的に、加熱バンド554は、適切な方式で加熱ブロック552に取付けることができる。好ましくは、加熱バンド554は、金属のような伝導性物質で作られる。加熱バンド554がU字状に記述されたが、他の配列及び/又は形状が可能である。
【0062】
図17の特徴部に対して、熱は、伝導によって加熱バンド554を介して移動し、吸い上げ芯60の周りに熱のリングを形成する。リングからの熱は、伝導と放射によって吸い上げ芯60に向かい、エアギャップを介して内側に移動して吸い上げ芯60と加熱バンド554との間のギャップ570に捕えられ、ギャップ570と吸い上げ芯60内の全体温度を上昇させ、吸い上げ芯60の周辺に熱を均一に適用して、吸い上げ芯60内の揮発性物質の揮発性をより増加させる。
【0063】
図18及び図19に示されているように、揮発性物質ディスペンサー582内に含まれる追加的な改良が加熱器構造580内に示される。加熱器構造580は、揮発性物質ディスペンサー582内の回路基板又は他の構成要素から延びる抵抗584を含んでもよい。抵抗584は、セラミック加熱ブロック586内でカプセル化されてもよく、吸い上げ芯590から離隔又はカプセル化してもよい。詰替品588は、セラミック加熱ブロック586及び/又は抵抗584を挿入するための開口部又は中空部592を有する吸い上げ芯590を含むことを除いて、加熱器構造580と共に使用するための詰替品588は、第1実施形態に関する言及された詰替品588と類似してもよい。吸い上げ芯590は、加熱器構造580に近接する吸い上げ芯590の部分の周囲に配置されたシース594をさらに含んでもよい。
【0064】
図18に示すように、加熱器構造580の第1変形において、抵抗584及び/又はセラミック加熱ブロック586は、揮発性物質ディスペンサー582内にあってもよく、吸い上げ芯590内の中空部596は、吸い上げ芯590の頂面596を介して延びる中空シリンダによって形成されてもよい。詰替品588の挿入中に、吸い上げ芯590は、抵抗584及び/又はセラミック加熱ブロック586と共に整列することができて、抵抗584及び/又はセラミック加熱ブロック586は、揮発性物質ディスペンサー582の中に詰替品588が完全に挿入されるときに吸い上げ芯590内に配置される。図19に示すように、加熱器構造580の第2変形において、抵抗584及び/又はセラミック加熱ブロック586は、揮発性物質ディスペンサー582内の1つ以上の構成要素から外側に延びてもよい。中空部592は、吸い上げ芯590の側面600によって形成されてもよい。詰替品588の挿入中に、吸い上げ芯590の側面600によって形成された中空部592は、抵抗584及び/又はセラミック加熱ブロック586内に整列されてもよく、抵抗584及び/又はセラミック加熱ブロック586は、揮発性物質ディスペンサー582中に詰替品588が完全に挿入されるときに吸い上げ芯590内に配置される。
【0065】
図18及び図19の加熱器構造580の特徴部は、吸い上げ芯590が均一に加熱するために増加した加熱器効率を提供する。また、吸い上げ芯590に抵抗584及び/又はセラミック加熱ブロック586が近接し、抵抗584及び/又はセラミック加熱ブロック586が吸い上げ芯590内に配置されるという事実のために、少ない熱が周囲(又はディスペンサー580の他の構成要素)に失われ、吸い上げ芯590は放出された熱の大部分を受容する。
【0066】
さらなる加熱器構造620が図20に示されている。加熱器構造620は、典型的なセラミック加熱ブロック622を含んでもよく、これは加熱ブロック622、又は図1図16に記述された加熱器構造内に配置された1つ以上の抵抗(図示せず)を含む。抵抗が作動するとき、抵抗からの熱は、セラミック加熱ブロック622を介して伝導する。加熱ブロック622は、それが垂直に配列されるという点で以前のセラミック加熱ブロックと異なる。特に、加熱ブロック622は、他の立体(three dimension)を有する直立した長方形(right rectangular)プリズムであり、加熱ブロック622は、吸い上げ芯60の長手方向軸626に平行な長手方向軸624を有する立体のうち最も長い辺と共に配列される。加熱ブロック622内にコーティングされた抵抗はまた、吸い上げ芯60の長手方向軸626に平行な長手方向軸を有してもよい。加熱ブロック622の垂直配列は、熱が吸い上げ芯60のより大きい長さに従って導かれることを可能にし、その中の揮発性物質の揮発性を増大させる。
【0067】
図21に示すように、加熱器構造640において、加熱バンド(図17)及び垂直加熱ブロック642(図20)の両方又は図1図16に記述されたような加熱器構造は、吸い上げ芯60に到達する熱の量をより増加させて加熱器構造640の全体効率を向上させるのに用いてもよい。絶縁体(insulator)646が選択的に加熱バンド644及び加熱ブロック642の少なくとも一部を囲むことができ、加熱器構造640内に熱を保持する。
【0068】
さらなる加熱器構造660が図22に示されている。加熱器構造660は、長方形断面を有する第1部分664及び一般的に円形断面と一体化して第1部分664から離隔して延びる第2部分666を有するセラミック加熱ブロック662を含んでもよい。抵抗668は、第1部分664内に配置された中空部670内に配置されてもよく(セラミック又は他の伝導性物質内に選択的にカプセル化される)、チャネル672は、第2部分666を介して配置されてもよい。又は、図1図16で開示された加熱器構造のうちのいずれかを用いてもよい。金属リベット674はチャネル674の表面を覆い、これを介して延在するリベット674と共に第2部分666の頂部及び底面676,678に取付けられてもよい。詰替品51は、金属リベット674が吸い上げ芯60を囲むように加熱ブロック662のチャネル672内に挿入される。抵抗668が作動すると、熱が加熱ブロック662を介した伝導により移動する。加熱ブロック662がリベット674を含まない場合、熱は吸い上げ芯60の全ての側面に移動するものの、熱が偏ってしまう。具体的には、抵抗668に最も近いチャネル672の側面は、チャネル672の対向する側面より若干さらに多くの熱を受ける。金属リベット674を使用する場合、金属リベット674に到達する熱は、リベット674を介して早く伝導し、リベット674及び吸い上げ芯60内の熱をより均一に分配する。
【0069】
図23に示すような加熱器構造680において、加熱器構造680は、典型的なセラミック加熱ブロック682を含んでもよく、これは、上述したような1つ以上の抵抗(図示せず)、又は図15又は図16に開示したような加熱器構造を含む。絶縁体684を加熱ブロック682の大部分の上に配置して覆い、絶縁体684は、加熱ブロック682が覆われないギャップ686を含んでもよい。ギャップ686は、詰替品51の挿入時に詰替品51の吸い上げ芯60と共に整列してもよい。絶縁体684は吸い上げ芯60に向かう方向と異なる向きの熱の移動を防止し、ギャップ686は吸い上げ芯60に向かう方向の加熱ブロック682からの熱の移動を許容する。他の実施形態のように、加熱ブロック682と熱浪費(吸い上げ芯60に向かう方向と異なる方向に移動する熱)の減少によって、放出される熱の集束が最小化される。
【0070】
図24に示すような、加熱器構造700は、典型的なセラミック加熱ブロック702を含んでもよく、これは、上述したような1つ以上の抵抗(図示せず)又は図1図16に対して開示されたような加熱器構造を含む。加熱器構造700は、加熱ブロック702に対向して配置された絶縁体704又は熱反射器をさらに含んでもよい。反射器又は絶縁体704は、一般的に平坦な表面706から延びてもよく、一般的に楕円形の頂部端710と共に湾曲した壁708を備える。壁の頂部端710は、それが加熱ブロック702から離隔するように移動することによって、上方に湾曲してもよく、壁708の最も高いポイントは、加熱ブロック702に対向して配置される。
【0071】
詰替品51が図24の加熱器構造内に配置されるとき、加熱ブロック702によって放出された熱の一部は、吸い上げ芯60に加えられるが、多くの熱は、吸い上げ芯60を通過する。反射器704が使用される場合、吸い上げ芯60を通過して反射器704に加えられる熱は、吸い上げ芯60に再び反射する。絶縁体704が使用される場合、吸い上げ芯60を通過した熱は、絶縁体704内に捕捉されて絶縁体704内に凝集し、十分な熱が絶縁体704内に捕捉される時、熱は、吸い上げ芯60に向かって押圧されるようになる。反射器又は絶縁体704が特定形態を有するものとして示されているが、本発明の範囲を逸脱することなく変更することができる。例えば、反射器又は絶縁体704は、完全な半円形であってもよく、加熱ブロック702から延びてもよい。様々な他の構成も可能である。さらに、一定数の反射器及び/又は絶縁体を用いてもよい。反射器が使用される場合、反射器は、1つ以上の反射物質で構成されてもよく、これはアルミニウムホイル又は異なる適切な熱的反射物質を含んでもよく、これらに限定されることもない。絶縁体が利用される場合、絶縁体は、1つ以上の絶縁物質で構成されてもよく、これは、繊維ガラス、硬質セラミック、ポリプロピレン、繊維ガラス、又は、異なる適切な絶縁物質や物質を含むが、これらに限定されることはない。柔軟で形成可能な物質が絶縁体として用いられてもよく、例えば、セラミックテープを使用してもよい。
【0072】
図24に示すように、反射器又は絶縁体704は、ハウジング56の前方及び/又は後部90,92の内面722上に装着された反射器720と組み合わせて用いてもよい。一部分又は全体内面722が反射器704を含んでもよく、加熱ブロック702から放出された熱は、それが吸い上げ芯60によって吸収されるときまでチャンバー724の周りで反射し続けてもよい。熱の一部が失われる可能性があるが、従来のディスペンサーよりもさらに多い熱が吸い上げ芯60によって吸収されるため、さらに効率的な加熱器構造700が形成される。
【0073】
他の加熱器構造750が図25に示される。加熱器構造750が配置される揮発性物質ディスペンサー752は、本明細書で説明した加熱器構造又は加熱ブロックと同様の加熱ブロック756を保持するためのプラットフォーム754を含んでもよい。又は、加熱ブロック756は、適切な加熱器によって代替されてもよい。加熱器構造750は、プラットフォーム754又はディスペンサー752の他の構成要素に取付けられたり一体化するアルミニウムシリンダ758をさらに含んでもよい。チャネル760は、アルミニウムシリンダ758を介して延長し、それをによって吸い上げ芯60の挿入に適合してもよい。加熱ブロック756(又は他の加熱器)は、アルミニウムシリンダ758に隣接したり、離隔されたり、直接接触してもよい。加熱ブロック756が作動するとき、生成された熱は、アルミニウムシリンダ758を介した伝導によって移動し、吸い上げ芯60の周りに熱のリングを形成する。加熱ブロック756がアルミニウムシリンダ758に隣接するほど(直接接触)、熱伝達にさらに効率的である。このような方式において、熱は、吸い上げ芯60の環形の表面に一貫して加えられる。
【0074】
本明細書において、加熱器構造がプラグイン香りオイルの詰替品を利用するディスペンサーと共に用いるものとして説明したが、加熱器構造はいかなる形態の揮発性物質が加熱器によって詰替品の形態の外に分配される電気ディスペンサーのために用いてもよい。選択的に、本明細書に開示されたいかなる加熱器構造を用いるディスペンサーは、1つ以上の加熱器及び/又は例えば1つ以上のファン、圧電要素及び又は揮発性物質の放出を簡単に助けるハウジング内に配置された異なる構成要素のような揮発性物質を分配するためのさらなる装置をさらに含んでもよい。さらに、本明細書に開示された1つ以上の同一又は異なる加熱器構造が同一の揮発性物質ディスペンサーと共に用いられてもよい。
【0075】
当業者は、本明細書に開示されたような加熱器構造の変形が利用可能であることを理解しなければならない。例えば、本明細書の態様のいずれかの任意の数の特徴は、加熱器効率をより増大させて全体的な電力消耗を減少させるために組合わせることができる。
【0076】
本明細書に開示された加熱器構造は、吸い上げ芯の周囲及び吸い上げ芯のより大きい長さに従って熱を効率的に集中させる。本明細書に開示された加熱器構造は、加熱器だけを含んでもよく、上述したように、いかなる数の他の構成要素を含んでもよい。
【0077】
本明細書に記載の実施形態のいずれも、他の実施形態に関連して開示された構造または方法のいずれかを含むように変更され得る。
【0078】
さらに、本明細書を通して利用された、前部、後部、上部、底部、上方、下方などのような方向に関する用語は、それらの向きを限定するものではなく、互いに対する他の要素の向きを伝えるために用いたことを理解されるべきである。
【0079】
「詳細な説明」で引用された全文献は、関連事項として、その内容を本明細書に援用する。そのため、任意の文献の引用については、本開示に関連する先行技術であることを容認したと解釈されるべきではない。
【0080】
本発明は、揮発性物質ディスペンサーのためのエネルギー効率の高い加熱器構造を提供する。加熱器配置は、低い電力消耗で従来の装置と同様又はより大きい出力比率/放出比率/重量損失を提供する。このように、電力供給のために、少ないエネルギーが開示されたエネルギー効率の高い加熱器構造を含む装置に使用される。
【0081】
以上の記載を見れば、当業者には本開示に関する多くの変更が明らかとなろう。従って、本記載は、例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、当業者が本開示の実施形態の利用を可能にするとともに、本発明実施における最良の形態を教示することを目的として提示されている。添付の特許請求の範囲内におけるあらゆる変更に対し、独占的権利が留保されている。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図22
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