【実施例】
【0025】
図2から
図5に開示するように、この発明によるバックライト駆動回路は、パワーモジュール5と、第1インダクタL1と、第2インダクタL2と、第1MOSFETQ1と、第2MOSFETQ2と、第1整流ダイオードD1と、第2整流ダイオードD2と、コンデンサCと、第1コンパレータ7と、定電圧源8と、定電流駆動チップ6と、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、LEDストリップ4とを含んでなり、第1インダクタL1と、第1整流ダイオードD1と、第1MOSFETQ1とによってブーストコンバータを形成し、第2インダクタL2と、第2整流ダイオードD2と、第2MOSFETQ2とによって、他のブーストコンバータを形成し、かつ前述する両ブーストコンバータを並列する。
【0026】
バックライト駆動回路は、第1コンパレータ7によって位相が互いに異なる駆動信号を生成し、
図4に開示するようにデュアルブーストコンバータの第1MOSFETQ1と、第2MOSFETQ2とをそれぞれ駆動する。よって、デュアルブーストコンバータの交互の作動が得られ、回路の出力する電流の振幅を単一ブーストコンバータの三角波電圧のピーク値と等しくし、出力パワーを増幅する。
【0027】
具体的に述べると、第1インダクタL1の一端に該パワーモジュール5を電気的に接続し、他端に第1整流ダイオードD1の一端を電気的に接続する。
【0028】
また、該
第2インダクタL2の一端にパワーモジュール5を電気的に接続し、他端に第2整流ダイオードD2の一端を電気的に接続する。
【0029】
第1整流ダイオードD1は、コンデンサCの一端と、LEDストリップ4の一端にそれぞれ電気的に接続し、第2整流ダイオードD2は、第1整流ダイオードD1の一端と、LEDストリップ4の一端と、コンデンサCの一端にそれぞれ電気的に接続する。
【0030】
LEDストリップ4は、第1抵抗R1の一端と定電流駆動チップ6とにそれぞれ電気的に接続し、第1抵抗R1の他端は接地に電気的に接続する。
【0031】
第1MOSFETQ1は、第1ゲート電極gと、第1ドレイン電極dと、第1ソース電極sとを具え、かつ第1MOSFETQ1の第1ドレイント電極dは、第1インダクタL1の他端と第1整流ダイオードD1の一端に電気的に接続する。第1ソース電極sはパワーモジュール5に電気的に接続し、第1ゲート電極gは定電流駆動チップ6に電気的に接続する。
【0032】
第2MOSFETQ2は、第2ゲート電極gと、第2ドレイン電極dと、第2ソース電極sとを具え、かつ第2MOSFETQ2の第2ドレイント電極dは、第2インダクタL2の他端と第2整流ダイオードD21の一端に電気的に接続する。第2ソース電極sはパワーモジュール5に電気的に接続し、第2ゲート電極gは、コンパレータ7に電気的に接続する。
【0033】
第1コンパレータ7は、第1出力ピンと、第1プラス入力ピンと、第1マイナス入力ピンとを具える。第1コンパレータ7の該第1出力ピンは、第2MOSFETQ2の第2ゲート電極gに電気的に接続し、該第1プラス入力ピンは定電圧源8に電気的に接続し、該、第1マイナス入力ピンは、第1MOSFETQ1の第1ゲート電極gと定電流駆動チップ6とに、それぞれ電気的に接続し、コンデンサcの他端はパワーモジュール5と接地とに、それぞれ電気的に接続する。
【0034】
定電流駆動チップ6は、第1ピン1と第2ピン2と、第3ピン3とを含んでなり、第1ピンは第1MOSFETQ1の第1ゲート電極gと、コンパレータ7の該第1マイナス入力ピンとに、それぞれ電気的に接続する第2ピン2はLEDストリップ4と第1抵抗R1の一端に、それぞれ電気的に接続し、第3ピン3は、第2抵抗R2を介して該接地に電気的に接続する。
【0035】
第2抵抗R2の抵抗値を変更することによって、定電流駆動チップ6の
第1MOSFETQ1と第2OSFETQ2とを駆動するパワーを設定することができる。
【0036】
定電流駆動チップ6は、第2コンパレータ62と、発振回路64とを含む。第2コンパレータ62は第2出力ピンと、第2プラス入力ピンと、第2マイナス入力ピンとを具える。該第2出力ピンは、定電流駆動チップ6の該第1ピンに電気的に接続し、該第2マイナス入力ピンは定電流駆動チップ6の該第2ピンに電気的に接続し、該第2プラス入力ピンは発振回路64の一端に電気的に接続する。発振回路64の他端は、定電流駆動チップ6の第3ピン3に電気的に接続する。
【0037】
コンデンサcは電解コンデンサであって、プラス極とマイナス極とを具える。該プラス極は、第1整流ダイオードD1の他端と、第2整流ダイオードD2の他端と、LEDストリップ4の一端とに、それぞれ電気的に接続する。該マイナス極はパワーモジュール5に電気的に接続する。
【0038】
第1整流ダイオードD1は陽極と陰極とを具え、該陽極は第1インダクタL1と、第1MOSFETQ1とに電気的に接続し、該陰極は、電解コンデンサCと、LEDストリップ4と、第2整流ダイオードD2とに、それぞれ電気的に接続する。第2整流ダイオードD2は陽極と陰極とを具え、該陽極は第2インダクタL2と、第2MOSFETQ2とに電気的に接続し、該陰極は、電解コンデンサCと、LEDストリップ4と、第1整流ダイオードD1とに、それぞれ電気的に接続する。
【0039】
第1抵抗R1は、回路において電流を制限し、保護を与える作用を具え、回路が大電流によって焼けることを防ぐ。電解コンデンサCは充放電することによって、該駆動回路の出力端の継続的な電流を保持する。第1整流ダイオードD1は整流の作用を具え、第1MOSFETQ1が導通した場合に電解コンデンサCと第2インダクタL2の地面に対する放電を防ぐ。第2整流ダイオードD2は整流の作用を具え、第2MOSFETQ2が導通した場合に電解コンデンサCと第1インダクタL1の地面に対する放電を防ぐ。
【0040】
定電圧源8の出力電圧は、第1MOSFETQ1のしきい電圧値よりやや低いか、もしくは等しくし、優先的に第1MOSFETQ1のしきい電圧値よりやや低くし、かつ第1コンパレータ7の該第1出力ピンの出力電圧は、第2MOSFETQ2のしきい電圧値よりもやや高くするか、もしくは等しくする。
【0041】
また、第1コンパレータ7の該第1マイナス入力ピンの電圧レベルがハイレベルの場合(即ち、該第1マイナス入力ピンの電圧レベルが該第1プラス入力ピンより高い場合),該第1出力ピンの出力は第2MOSFETQ2の第2ゲート電極gよりローレベルになり、かつ該第1マイナス入力ピンの電圧レベルがローレベルの場合(即ち、該第1マイナス入力ピンの電圧レベルが該第1プラス入力ピンより低い場合)、該第1出力ピンの出力は第2MOSFETQ2の第2ゲート電極gよりハイレベルになる。
【0042】
したがって
図4に開示するように、第2MOSFETQ2の駆動信号と第1MOSFETQ1駆動信号とが位相反転し、このため2つのブーストコンバータが交互に作動する。即ち、第1MOSFETQ1が導通した場合、第2MOSFETQ2はオフになり、第1MOSFETQ1がオフの場合第2MOSFETQ2は導通する。
【0043】
この発明によるデュアルブーストコンバータのバックライト駆動回路の具体的な作動と原理は次に述べるとおりである。即ち、定電流駆動チップ6の第1ピン1の出力する電圧レベルがハイレベルの場合、第1MOSFETQ1の第1ゲート電極gの電圧レベルはハイレベルになる。第1MOSFETQ1が導通すると、コンパレータ7の該第1マイナス入力ピンの電圧レベルが該第1プラス入力ピンの電圧レベルに比してハイレベルになり、第1コンパレータ7の出力する電圧レベルが第2MOSFETQ2の第2ゲート電極gよりローレベルになり、第2MOSFETQ2はオフになる。この場合、第1インダクタL1が充電し、第2インダクタL2が放電する。
【0044】
定電流駆動チップ6の第1ピン1の出力する電圧レベルがローレベルの場合、第1MOSFETQ1の第1ゲート電極gの電圧レベルはローレベルになり、第1MOSFETQ1はオフになり、第1コンパレータ7の該第1マイナス入力ピンの電圧レベルが該第1プラス入力ピンの電圧レベルよりローレベルになり、第1コンパレータ7の出力する電圧レベルが第2MOSFETQの第2ゲート電極gよりハイレベルになり、第2MOSFETQ2は導通する。この場合、第1インダクタL1が充電し、第2インダクタL2が放電する。
【0045】
上述する作動が循環することによって、第1MOSFETQ1と第2MOSFETQ2とが交互に作動し、このため第1インダクL1と第2インダクタL2の三角波電流も
図5に開示するように逆になり、回路の後端で合流して、電流が重畳して直流に近くなる。その振幅値は単一のブーストコンバータのバックライト駆動回路における三角波のピーク値と等しくなり、出力パワーが増幅される。
【0046】
エネルギー保存の法則から分かるように、LEDバックライト回路の出力するパワーは、入力するパワーを転換してなり、出力するパワーをさらに大きくするためには、即ち入力するパワーをさらに大きくする必要があることを意味する。インダクタとMOSFETに流れる電流の最大値には限りがある。よって、LEDバックライト駆動回路において2つのインダクタと2つのMOSFETとを並列して用い、分流の作用を得る。次いで、回路の後端において合流させる。このような回路は2賣の入力電流を受ける(2倍の出力パワーに転換する)ことができ、提供する出力パワーも2倍になる。
【0047】
図2、3に開示するように、2つのMOSFETQ20、Q21を同一の駆動信号に共用し、両者を同時に導通させ、オフにすると、この場合インダクタL20、22における電流の三角波は同一になる。回路の後端で合流する電流は依然として三角波であるが、但し振幅値は倍になる。このような場合は、整流ダイオードD20の耐電流値を超えてしまい、整流ダイオードD20が焼けてしまう。係る問題を改善するためには、定格電流値のさらに高い整流ダイオードを用いなければならない。但し、そのためには製造コストが高くなる。しかも、三角波の振幅値が倍になり、出力する電流のリップル量も倍になり、出力する電流の正確さが低下する。また、2つのMOSFETが同時にオン、オフすることは、電磁妨害の影響も倍になる。よって、製品の合格率に影響を与えることに繋がる。
【0048】
この発明においては、位相が逆の2つの駆動信号によって第1MOSFETQ1と第2MOSFETQ2とを駆動し、且つ交互に作動させ、かつ第1インダクタL1と第2インダクタL2との放電する電流をして、それぞれ整流ダイオードD1と整流ダイオードD2とを通過させて電解コンデンサCに放電する。係る方式によれば、振幅値が2倍になるような状況は出現せず、整流ダイオードの仕様を上げる必要がない。第1インダクタL1と第2インダクタL2の電流は交錯して重畳するため、出力する電流のリップル量を減少させることができ、2つのブーストコンバータが同時に作動して電磁妨害の影響が2倍になるという現象の発生を避けることができ、製品の合格率を高めることができる。
【0049】
以上をまとめると、この発明によるデュアルブーストコンバータを具えるバックライト駆動回路は、コンパレータを利用して位相の反転した2つの駆動信号を生成し、それぞれがブーストコンバータにおける2つのMOSFETを駆動する。このため、2つのブーストコンバータが交互して作動し、回路の後端におい合流して直流に近くなる。その振幅値は、単一のブーストコンバータの三角波のピーク値に等しくなり、出力パワーが増幅される。但し、振幅値が倍になるといった状況が発生しないので、整流ダイオードの仕様を上げる必要がなく、製造コストを節減することができる。同時に、2つのインダクタの電流が交錯して重畳するため、出力する電流のリップル量を減少させることができ、ブーストコンバータが同時に作動して電磁妨害の影響が2倍になるという現象の発生を避けることができ、製品の合格率を高めることができる。
【0050】
以上は、この発明の好ましい実施の形態であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有する変更、修正などは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に属するものとする。