特許第6111343号(P6111343)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6111343デュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6111343
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】デュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20170327BHJP
【FI】
   H02M3/155 W
   H02M3/155 F
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-555536(P2015-555536)
(86)(22)【出願日】2013年3月5日
(65)【公表番号】特表2016-512014(P2016-512014A)
(43)【公表日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】CN2013072196
(87)【国際公開番号】WO2014131202
(87)【国際公開日】20140904
【審査請求日】2015年8月3日
(31)【優先権主張番号】201310066369.8
(32)【優先日】2013年2月28日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】張華
【審査官】 栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/069371(WO,A1)
【文献】 特開2012−053272(JP,A)
【文献】 特開2005−130107(JP,A)
【文献】 特開平04−137912(JP,A)
【文献】 特開2001−178122(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00−3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワーモジュールと、第1インダクタと、第2インダクタと、第1整流ダイオードと、第2整流ダイオードと、LEDストリップと、定電流駆動チップと、コンデンサと、第1MOSFETと、第2MOSFETと、第1コンパレータと、定電圧源と、を含んでなり、
該第1インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第1整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
2インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第2整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第1整流ダイオードが該コンデンサの一端と該LEDストリップの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該第2整流ダイオードが、該第1整流ダイオードの一端と、該LEDストリップの一端と、該コンデンサの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該LEDストリップが該定電流駆動チップに電気的に接続し、
該コンデンサが該第1MOSFETと該第2MOSFETと該パワーモジュールとに電気的に接続し、
該第1MOSFETが、該第1コンパレータと、該定電流駆動チップと、該第1インダクタの他端と、該第1整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第2MOSFETが該第1コンパレータと、該第2インダクタの他端と、該第2整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第1コンパレータが該定電圧源に電気的に接続し、
該第1MOSFETと該第2MOSFETとが、いずれも該パワーモジュールに電気的に接続し、
前記定電圧源出力電圧が、該第1MOSFETのしきい電圧値よりやや低いか、もしくは等しく、かつ該第1コンパレータの出力電圧は、第2MOSFETのしきい電圧値よりもやや高いか、もしくは等しい
ことを特徴とするデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路。
【請求項2】
請求項1に記載のデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路において、
前記コンデンサが電解コンデンサである
ことを特徴とするデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路。
【請求項3】
請求項1に記載のデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路において、
前記バックライトのドライバー回路が第1抵抗と第2抵抗とを具え、
該第1抵抗の一端が該LEDストリップと該定電流駆動チップとに電気的に接続し、かつ他端が接地に電気的に接続し、
該第2抵抗の一端が該定電流駆動チップに電気的に接続し、かつ他端が接地に電気的に接続する
ことを特徴とするデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路。
【請求項4】
請求項3に記載のデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路において、
前記第1MOSFETが、第1ゲート電極と、第1ドレイン電極と、第1ソース電極とを具え、
かつ該第1ゲート電極が該第1コンパレータと該定電流駆動チップとに電気的に接続し、
該第1ドレイン電極が該第1インダクタの他端と該第1整流ダイオードの一端に電気的に接続するとともに、
該第1ソース電極が該パワーモジュールに電気的に接続する
ことを特徴とするデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路。
【請求項5】
請求項4に記載のデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路において、
前記第2MOSFETが、第2ゲート電極と、第2ドレイン電極と、第2ソース電極とを具え、
かつ該第2ゲート電極が該第1コンパレータに電気的に接続し、
該第2ドレイン電極が該第2インダクタの他端と該第2整流ダイオードの一端に電気的に接続するとともに、
該第2ソース電極が該パワーモジュールに電気的に接続する
ことを特徴とするデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路。
【請求項6】
請求項5に記載のデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路において、
前記第1コンパレータが、第1出力ピンと、第1プラス入力ピンと、第1マイナス入力ピンとを具え、
該第1出力ピンが該第2MOSFETの該第2ゲート電極に電気的に接続し、
該第1プラス入力ピンが該定電圧源に電気的に接続し、
該第1マイナス入力ピンが該第1MOSFETの該第1ゲート電極と該定電流駆動チップとに電気的に接続する
ことを特徴とするデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路。
【請求項7】
請求項6に記載のデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路において、
前記定電流駆動チップが第1ピンと第2ピンと第3ピンとを含んでなり、
該第1ピンが該第1コンパレータの該第1マイナス入力ピンと該第1MOSFETの第1ゲート電極とに電気的に接続し、
該第2ピンが該LEDストリップと該第1抵抗の一端に電気的に接続し、
該第3ピンが該第2抵抗に電気的に接続する
ことを特徴とするデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路。
【請求項8】
請求項7に記載のデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路において、
前記定電流駆動チップが、第2コンパレータと、発振回路とを含み、該第2コンパレータが第2出力ピンと、第2プラス入力ピンと、第2マイナス入力ピンとを具え、
該第2出力ピンが該定電流駆動チップの該第1ピンに電気的に接続し、
該第2マイナス入力ピンが該定電流駆動チップの該第2ピンに電気的に接続し、
該第2プラス入力ピンが該発振回路に電気的に接続し、
該発振回路が該定電流駆動チップの該第3ピンに電気的に接続する
ことを特徴とするデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路。
【請求項9】
パワーモジュールと、第1インダクタと、第2インダクタと、第1整流ダイオードと、第2整流ダイオードと、LEDストリップと、定電流駆動チップと、コンデンサと、第1MOSFETと、第2MOSFETと、第1コンパレータと、定電圧源と、を含んでなり、
該第1インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第1整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
2インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第2整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第1整流ダイオードが該コンデンサの一端と該LEDストリップの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該第2整流ダイオードが、該第1整流ダイオードの一端と、該LEDストリップの一端と、該コンデンサの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該LEDストリップが該定電流駆動チップに電気的に接続し、
該コンデンサが該第1MOSFETと該第2MOSFETと該パワーモジュールとに電気的に接続し、
該第1MOSFETが、該第1コンパレータと、該定電流駆動チップと、該第1インダクタの他端と、該第1整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第2MOSFETが該第1コンパレータと、該第2インダクタの他端と、該第2整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第1コンパレータが該定電圧源に電気的に接続し、
該第1MOSFETと該第2MOSFETとが、いずれも該パワーモジュールに電気的に接続するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路において、
該コンデンサが電解コンデンサであって、
該バックライトのドライバー回路が第1抵抗と第2抵抗とを具え、該第1抵抗の一端が該LEDストリップと該定電流駆動チップとに電気的に接続し、かつ他端が接地に電気的に接続し、該第2抵抗の一端が該定電流駆動チップに電気的に接続し、かつ他端が接地に電気的に接続し、
該第1MOSFETが、第1ゲート電極と、第1ドレイン電極と、第1ソース電極とを具え、かつ該第1ゲート電極が該第1コンパレータと該定電流駆動チップとに電気的に接続し、
該第1ドレイン電極が該第1インダクタの他端と該第1整流ダイオードの一端に電気的に接続するとともに、該第1ソース電極が該パワーモジュールに電気的に接続し、
該第2MOSFETが、第2ゲート電極と、第2ドレイン電極と、第2ソース電極とを具え、かつ該第2ゲート電極が該第1コンパレータに電気的に接続し、該第2ドレイン電極が該第2インダクタの他端と該第2整流ダイオードの一端に電気的に接続するとともに、該第2ソース電極が該パワーモジュールに電気的に接続し、
該第1コンパレータが、第1出力ピンと、第1プラス入力ピンと、第1マイナス入力ピンとを具え、該第1出力ピンが該第2MOSFETの該第2ゲート電極に電気的に接続し、該第1プラス入力ピンが該定電圧源に電気的に接続し、該第1マイナス入力ピンが該第1MOSFETの該第1ゲート電極と該定電流駆動チップとに電気的に接続し、
前記定電流駆動チップが第1ピンと第2ピンと第3ピンとを含んでなり、該第1ピンが該第1コンパレータの該第1マイナス入力ピンと該第1MOSFETの第1ゲート電極とに電気的に接続し、該第2ピンが該LEDストリップと該第1抵抗の一端に電気的に接続し、該第3ピンが該第2抵抗に電気的に接続し、
該定電流駆動チップが、第2コンパレータと、発振回路とを含み、該第2コンパレータが第2出力ピンと、第2プラス入力ピンと、第2マイナス入力ピンとを具え、該第2出力ピンが該定電流駆動チップの該第1ピンに電気的に接続し、該第2マイナス入力ピンが該定電流駆動チップの該第2ピンに電気的に接続し、該第2プラス入力ピンが該発振回路に電気的に接続し、該発振回路が該定電流駆動チップの該第3ピンに電気的に接続し、
該定電圧源の出力電圧が、該第1MOSFETのしきい電圧値よりやや低いか、もしくは等しく、かつ該第1コンパレータの出力電圧は、第2MOSFETのしきい電圧値よりもやや高いか、もしくは等しい
ことを特徴とするデュアルブーストコンバータを具えたバックライトのドライバー回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置のバックライトに関し、特にデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路に関する。
【背景技術】
【0002】
今の科学技術の急激な発展に伴い、情報関連商品の種類も新規なものが開発され、大衆のニーズを満足させている。早期の標示装置は、そのほとんどがブラウン管表示装置であった、その体積は大きく消費する電力も大きかった。しかも発生する電磁波の放射は、長時間にわたって同表示装置を使用する者には、その身体に対する危害が問題となっていた。このため、目下市場における表示装置は、従来のブラウン管から液晶表示装置に変わりつつある。
【0003】
液晶表示装置は、薄く、消費電力が低く、電磁波の放射がないなどの多くの長所を具える。このため、幅広く応用されている。目下市場に見られる液晶表示装置のほとんどが、バックライトを具えた液晶表示装置であって、液晶パネルとバックライトモジュールとを含んでなる。
【0004】
液晶パネル作動の原理は、平行に設けた2枚のガラス基板の間に液晶分子を設け、2枚の該ガラス基板に駆動電圧を負荷することで、液晶分子の配向を制御し、かつバックライトモジュールからの光線を屈折させて画面に表示を行う。
【0005】
液晶パネル自体は発光せず、バックライトモジュールの提供する光線によって正常な画僧を表示する。このため、バックライトモジュールは液晶表示装置の重要なパーツの一つとなっている。
【0006】
バックライトモジュールは光源を配置する位置によってエッジ・ライト型と直下型の二種類に分けられる。直下型は冷陰極蛍光管、もしくは発光ダイオードを光源として液晶パネルの背面側に設置して、液晶パネルに光線を直接提供する。てエッジ・ライト型はLEDライトバーを液晶パネルの端の背面側のバックパネルの端縁部に設ける。LEDライトバーの光線は導光板の一方の側から導光板に入り、反射と拡散を経て導光板の発光面から照射する。組み合わせた複数の光学フィルムを経て、面発光体として液晶パネルに提供される。
【0007】
科学技術の発展と人々の物質生活におけるニーズによって、昨今の液晶表示装置のサイズはますます増大してきた。このため、必要とされるLEDバックライトの輝度もますます高くなっている。
【0008】
図1に、従来の単一ブーストコンバータを具えるLEDバックライトのドライバー回路を開示する。図面に開示するように、インダクタL10と、MOSFETQ10と、整流ダイオードD10と、出力電解コンデンサC10とによって単一ブーストコンバータを構成し、LEDストリップ100に高い電圧を供給する。
【0009】
出力する電圧の大きさは、MOSFETQ10と、ゲート電極駆動信号のデューティ比(D)の大きさに関連する。出力電圧Vo=Vin/(1−D)であって、デューティ比(D)が大きくなるほどVoも増幅。但し、デューティ比(D)が増幅すると、MOSFETQ10は一周期内の導通時間において増幅し、インダクタL10の電流線形性が上昇し、電流値が急速に増幅する。この電流は、同時にMOSFETQ10を通過し、インダクタL10とMOSFETQ10とにおいて消費するパワーも大きくなり、温度も上昇する。
【0010】
インダクタL10内の電流が、インダクタL10とMOSFETQ10とが受けることのできる最大電流値を越えると、インダクタL10とMOSFETQ10とは焼けてしまう。回路の素子の仕様制限により、単一ブーストコンバータの提供できるパワーには制限がある(約70W)よって、液晶表示装置のサイズの発展にともなうニーズを満足させることは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は、二つのブーストコンバータが交互に作動して、更に大きなパワーを提供するとともに、二つのブーストコンバータが同時に作動する場合のリップル量と、電磁干渉の影響とを抑制し、製品の信頼性と歩留まりを高めることのできるデュアルブーストコンバータを具えるバックライト駆動回路を提供することを改題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、本発明者は従来のブーストコンバータに見られる欠点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、
パワーモジュールと、第1インダクタと、第2インダクタと、第1整流ダイオードと、第2整流ダイオードと、LEDストリップと、定電流駆動チップと、コンデンサと、第1MOSFETと、第2MOSFETと、第1コンパレータと、定電圧源と、を含んでなり、
該第1インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第1整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第2インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第2整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第1整流ダイオードが該コンデンサの一端と該LEDストリップの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該第2整流ダイオードが、該第1整流ダイオードの一端と、該LEDストリップの一端と、該コンデンサの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該LEDストリップが該定電流駆動チップに電気的に接続し、
該コンデンサが該第1MOSFETと該第2MOSFETと該パワーモジュールとに電気的に接続し、
該第1MOSFETが、該第1コンパレータと、該定電流駆動チップと、該第1インダクタの他端と、該第1整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第2MOSFETが該第1コンパレータと、該第2インダクタの他端と、該第2整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第1コンパレータが該定電圧源に電気的に接続し、
該第1MOSFETと該第2MOSFETとが、いずれも該パワーモジュールに電気的に接続し、
前記定電圧源の出力電圧が、該第1MOSFETのしきい電圧値よりやや低いか、もしくは等しく、かつ該第1コンパレータの出力電圧は、該第2MOSFETのしきい電圧値よりもやや高いか、もしくは等しい
デュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路によって課題を解決でできる点に着眼し、係る知見に基づいて本発明を完成させた。

【0013】
以下この発明について説明する。
本発明のデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路は、
パワーモジュールと、第1インダクタと、第2インダクタと、第1整流ダイオードと、第2整流ダイオードと、LEDストリップと、定電流駆動チップと、コンデンサと、第1MOSFETと、第2MOSFETと、第1コンパレータと、定電圧源と、を含んでなり、
該第1インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第1整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第2インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第2整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第1整流ダイオードが該コンデンサの一端と該LEDストリップの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該第2整流ダイオードが、該第1整流ダイオードの一端と、該LEDストリップの一端と、該コンデンサの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該LEDストリップが該定電流駆動チップに電気的に接続し、
該コンデンサが該第1MOSFETと該第2MOSFETと該パワーモジュールとに電気的に接続し、
該第1MOSFETが、該第1コンパレータと、該定電流駆動チップと、該第1インダクタの他端と、該第1整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第2MOSFETが該第1コンパレータと、該第2インダクタの他端と、該第2整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第1コンパレータが該定電圧源に電気的に接続し、
該第1MOSFETと該第2MOSFETとが、いずれも該パワーモジュールに電気的に接続し、
前記定電圧源の出力電圧が、該第1MOSFETのしきい電圧値よりやや低いか、もしくは等しく、かつ該第1コンパレータの出力電圧は、該第2MOSFETのしきい電圧値よりもやや高いか、もしくは等しい。

【0014】
請求項2に記載するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路は、請求項1におけるコンデンサが電解コンデンサである。
【0015】
請求項3に記載するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路は、請求項1におけるバックライトのドライバー回路が第1抵抗と第2抵抗とを具え、該第1抵抗の一端が該LEDストリップと該定電流駆動チップとに電気的に接続し、かつ他端が接地に電気的に接続し、該第2抵抗の一端が該定電流駆動チップに電気的に接続し、かつ他端が接地に電気的に接続する。
【0016】
請求項4に記載するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路は請求項3における第1MOSFETが、第1ゲート電極と、第1ドレイン電極と、第1ソース電極とを具え、かつ該第1ゲート電極が該第1コンパレータと該定電流駆動チップとに電気的に接続し、該第1ドレイン電極が該第1インダクタの他端と該第1整流ダイオードの一端に電気的に接続するとともに、該第1ソース電極が該パワーモジュールに電気的に接続する。
【0017】
請求項5に記載するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路は、請求項4における第2MOSFETが、第2ゲート電極と、第2ドレイン電極と、第2ソース電極とを具え、かつ該第2ゲート電極が該第1コンパレータに電気的に接続し、該第2ドレイン電極が該第2インダクタの他端と該第2整流ダイオードの一端に電気的に接続するとともに、該第2ソース電極が該パワーモジュールに電気的に接続する。
【0018】
請求項6に記載するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路は、請求項5における第1コンパレータが、第1出力ピンと、第1プラス入力ピンと、第1マイナス入力ピンとを具え、該第1出力ピンが該第2MOSFETの該第2ゲート電極に電気的に接続し、該第1プラス入力ピンが該定電圧源に電気的に接続し、該第1マイナス入力ピンが該第1MOSFETの該第1ゲート電極と該定電流駆動チップとに電気的に接続する。
【0019】
請求項7に記載するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路は、
請求項6における定電流駆動チップが第1ピンと第2ピンと第3ピンとを含んでなり、
該第1ピンが該第1コンパレータの該第1マイナス入力ピンと該第1MOSFETの第1ゲート電極とに電気的に接続し、
該第2ピンが該LEDストリップと該第1抵抗の一端に電気的に接続し、
該第3ピンが該第2抵抗に電気的に接続する。

【0020】
請求項8に記載するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路は、
請求項7における定電流駆動チップが、第2コンパレータと、発振回路とを含み、
該第2コンパレータが第2出力ピンと、第2プラス入力ピンと、第2マイナス入力ピンとを具え、
該第2出力ピンが該定電流駆動チップの該第1ピンに電気的に接続し、
該第2マイナス入力ピンが該定電流駆動チップの該第2ピンに電気的に接続し、
該第2プラス入力ピンが該発振回路に電気的に接続し、
該発振回路が該定電流駆動チップの該第3ピンに電気的に接続する。
【0022】
請求項9に記載するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路は、
パワーモジュールと、第1インダクタと、第2インダクタと、第1整流ダイオードと、第2整流ダイオードと、LEDストリップと、定電流駆動チップと、コンデンサと、第1MOSFETと、第2MOSFETと、第1コンパレータと、定電圧源と、を含んでなり、
該第1インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第1整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第2インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第2整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第1整流ダイオードが該コンデンサの一端と該LEDストリップの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該第2整流ダイオードが、該第1整流ダイオードの一端と、該LEDストリップの一端と、該コンデンサの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該LEDストリップが該定電流駆動チップに電気的に接続し、
該コンデンサが該第1MOSFETと該第2MOSFETと該パワーモジュールとに電気的に接続し、
該第1MOSFETが、該第1コンパレータと、該定電流駆動チップと、該第1インダクタの他端と、該第1整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第2MOSFETが該第1コンパレータと、該第2インダクタの他端と、該第2整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第1コンパレータが該定電圧源に電気的に接続し、
該第1MOSFETと該第2MOSFETとが、いずれも該パワーモジュールに電気的に接続するデュアルブーストコンバータ具えたバックライトのドライバー回路において、
該コンデンサが電解コンデンサであって、
該バックライトのドライバー回路が第1抵抗と第2抵抗とを具え、該第1抵抗の一端が該LEDストリップと該定電流駆動チップとに電気的に接続し、かつ他端が接地に電気的に接続し、該第2抵抗の一端が該定電流駆動チップに電気的に接続し、かつ他端が接地に電気的に接続し、
該第1MOSFETが、第1ゲート電極と、第1ドレイン電極と、第1ソース電極とを具え、かつ該第1ゲート電極が該第1コンパレータと該定電流駆動チップとに電気的に接続し、
該第1ドレイン電極が該第1インダクタの他端と該第1整流ダイオードの一端に電気的に接続するとともに、該第1ソース電極が該パワーモジュールに電気的に接続し、
該第2MOSFETが、第2ゲート電極と、第2ドレイン電極と、第2ソース電極とを具え、かつ該第2ゲート電極が該第1コンパレータに電気的に接続し、該第2ドレイン電極が該第2インダクタの他端と該第2整流ダイオードの一端に電気的に接続するとともに、該第2ソース電極が該パワーモジュールに電気的に接続し、
該第1コンパレータが、第1出力ピンと、第1プラス入力ピンと、第1マイナス入力ピンとを具え、該第1出力ピンが該第2MOSFETの該第2ゲート電極に電気的に接続し、該第1プラス入力ピンが該定電圧源に電気的に接続し、該第1マイナス入力ピンが該第1MOSFETの該第1ゲート電極と該定電流駆動チップとに電気的に接続し、
前記定電流駆動チップが第1ピンと第2ピンと第3ピンとを含んでなり、該第1ピンが該第1コンパレータの該第1マイナス入力ピンと該第1MOSFETの第1ゲート電極とに電気的に接続し、該第2ピンが該LEDストリップと該第1抵抗の一端に電気的に接続し、該第3ピンが該第2抵抗に電気的に接続し、
該定電流駆動チップが、第2コンパレータと、発振回路とを含み、該第2コンパレータが第2出力ピンと、第2プラス入力ピンと、第2マイナス入力ピンとを具え、該第2出力ピンが該定電流駆動チップの該第1ピンに電気的に接続し、該第2マイナス入力ピンが該定電流駆動チップの該第2ピンに電気的に接続し、該第2プラス入力ピンが該発振回路に電気的に接続し、該発振回路が該定電流駆動チップの該第3ピンに電気的に接続し、
該定電圧源の出力電圧が、該第1MOSFETのしきい電圧値よりやや低いか、もしくは等しく、かつ該第1コンパレータの出力電圧は、該第2MOSFETのしきい電圧値よりもやや高いか、もしくは等しい。

【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】従来のブーストコンバータを具えるバックライト駆動回路を示した回路図である。
図2】この発明によるデュアルブーストコンバータを具えるバックライト駆動回路を示した回路図である。
図3】二つのブーストコンバータが同時に作動するバックライト駆動回路を示した回路図である。
図4】この発明における第1、第2MOSFETの駆動信号の波形図である。
図5】この発明における第1、第2インダクタの駆動信号の波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明は、二つのブーストコンバータが交互に作動して、更に大きなパワーを提供するとともに、二つのブーストコンバータが同時に作動する場合のリップル量と、電磁干渉の影響とを抑制し、製品の信頼性と歩留まりを高めることのできるデュアルブーストコンバータを具えるバックライト駆動回路を提供するものであって
パワーモジュールと、第1インダクタと、第2インダクタと、第1整流ダイオードと、第2整流ダイオードと、LEDストリップと、定電流駆動チップと、コンデンサと、第1MOSFETと、第2MOSFETと、第1コンパレータと、定電圧源と、を含んでなり、
該第1インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第1整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第2インダクタの一端に該パワーモジュールを電気的に接続し、他端に該第2整流ダイオードの一端を電気的に接続し、
該第1整流ダイオードが該コンデンサの一端と該LEDストリップの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該第2整流ダイオードが、該第1整流ダイオードの一端と、該LEDストリップの一端と、該コンデンサの一端にそれぞれ電気的に接続し、
該LEDストリップが該定電流駆動チップに電気的に接続し、
該コンデンサが該第1MOSFETと該第2MOSFETと該パワーモジュールとに電気的に接続し、
該第1MOSFETが、該第1コンパレータと、該定電流駆動チップと、該第1インダクタの他端と、該第1整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第2MOSFETが該第1コンパレータと、該第2インダクタの他端と、該第2整流ダイオードの一端とに電気的に接続し、
該第1コンパレータが該定電圧源に電気的に接続し、
該第1MOSFETと該第2MOSFETとが、いずれも該パワーモジュールに電気的に接続し、
前記定電圧源の出力電圧が、該第1MOSFETのしきい電圧値よりやや低いか、もしくは等しく、かつ該第1コンパレータの出力電圧は、該第2MOSFETのしきい電圧値よりもやや高いか、もしくは等しい。係るバックライト駆動回路の特徴を説明するために、具体的な実施例を挙げ、図面を参照にして以下に詳述する。
【実施例】
【0025】
図2から図5に開示するように、この発明によるバックライト駆動回路は、パワーモジュール5と、第1インダクタL1と、第2インダクタL2と、第1MOSFETQ1と、第2MOSFETQ2と、第1整流ダイオードD1と、第2整流ダイオードD2と、コンデンサCと、第1コンパレータ7と、定電圧源8と、定電流駆動チップ6と、第1抵抗R1と、第2抵抗R2と、LEDストリップ4とを含んでなり、第1インダクタL1と、第1整流ダイオードD1と、第1MOSFETQ1とによってブーストコンバータを形成し、第2インダクタL2と、第2整流ダイオードD2と、第2MOSFETQ2とによって、他のブーストコンバータを形成し、かつ前述する両ブーストコンバータを並列する。
【0026】
バックライト駆動回路は、第1コンパレータ7によって位相が互いに異なる駆動信号を生成し、図4に開示するようにデュアルブーストコンバータの第1MOSFETQ1と、第2MOSFETQ2とをそれぞれ駆動する。よって、デュアルブーストコンバータの交互の作動が得られ、回路の出力する電流の振幅を単一ブーストコンバータの三角波電圧のピーク値と等しくし、出力パワーを増幅する。
【0027】
具体的に述べると、第1インダクタL1の一端に該パワーモジュール5を電気的に接続し、他端に第1整流ダイオードD1の一端を電気的に接続する。
【0028】
また、該2インダクタL2の一端にパワーモジュール5を電気的に接続し、他端に第2整流ダイオードD2の一端を電気的に接続する。
【0029】
第1整流ダイオードD1は、コンデンサCの一端と、LEDストリップ4の一端にそれぞれ電気的に接続し、第2整流ダイオードD2は、第1整流ダイオードD1の一端と、LEDストリップ4の一端と、コンデンサCの一端にそれぞれ電気的に接続する。
【0030】
LEDストリップ4は、第1抵抗R1の一端と定電流駆動チップ6とにそれぞれ電気的に接続し、第1抵抗R1の他端は接地に電気的に接続する。
【0031】
第1MOSFETQ1は、第1ゲート電極gと、第1ドレイン電極dと、第1ソース電極sとを具え、かつ第1MOSFETQ1の第1ドレイント電極dは、第1インダクタL1の他端と第1整流ダイオードD1の一端に電気的に接続する。第1ソース電極sはパワーモジュール5に電気的に接続し、第1ゲート電極gは定電流駆動チップ6に電気的に接続する。
【0032】
第2MOSFETQ2は、第2ゲート電極gと、第2ドレイン電極dと、第2ソース電極sとを具え、かつ第2MOSFETQ2の第2ドレイント電極dは、第2インダクタL2の他端と第2整流ダイオードD21の一端に電気的に接続する。第2ソース電極sはパワーモジュール5に電気的に接続し、第2ゲート電極gは、コンパレータ7に電気的に接続する。
【0033】
第1コンパレータ7は、第1出力ピンと、第1プラス入力ピンと、第1マイナス入力ピンとを具える。第1コンパレータ7の該第1出力ピンは、第2MOSFETQ2の第2ゲート電極gに電気的に接続し、該第1プラス入力ピンは定電圧源8に電気的に接続し、該、第1マイナス入力ピンは、第1MOSFETQ1の第1ゲート電極gと定電流駆動チップ6とに、それぞれ電気的に接続し、コンデンサcの他端はパワーモジュール5と接地とに、それぞれ電気的に接続する。
【0034】
定電流駆動チップ6は、第1ピン1と第2ピン2と、第3ピン3とを含んでなり、第1ピンは第1MOSFETQ1の第1ゲート電極gと、コンパレータ7の該第1マイナス入力ピンとに、それぞれ電気的に接続する第2ピン2はLEDストリップ4と第1抵抗R1の一端に、それぞれ電気的に接続し、第3ピン3は、第2抵抗R2を介して該接地に電気的に接続する。
【0035】
第2抵抗R2の抵抗値を変更することによって、定電流駆動チップ6の
第1MOSFETQ1と第2OSFETQ2とを駆動するパワーを設定することができる。
【0036】
定電流駆動チップ6は、第2コンパレータ62と、発振回路64とを含む。第2コンパレータ62は第2出力ピンと、第2プラス入力ピンと、第2マイナス入力ピンとを具える。該第2出力ピンは、定電流駆動チップ6の該第1ピンに電気的に接続し、該第2マイナス入力ピンは定電流駆動チップ6の該第2ピンに電気的に接続し、該第2プラス入力ピンは発振回路64の一端に電気的に接続する。発振回路64の他端は、定電流駆動チップ6の第3ピン3に電気的に接続する。
【0037】
コンデンサcは電解コンデンサであって、プラス極とマイナス極とを具える。該プラス極は、第1整流ダイオードD1の他端と、第2整流ダイオードD2の他端と、LEDストリップ4の一端とに、それぞれ電気的に接続する。該マイナス極はパワーモジュール5に電気的に接続する。
【0038】
第1整流ダイオードD1は陽極と陰極とを具え、該陽極は第1インダクタL1と、第1MOSFETQ1とに電気的に接続し、該陰極は、電解コンデンサCと、LEDストリップ4と、第2整流ダイオードD2とに、それぞれ電気的に接続する。第2整流ダイオードD2は陽極と陰極とを具え、該陽極は第2インダクタL2と、第2MOSFETQ2とに電気的に接続し、該陰極は、電解コンデンサCと、LEDストリップ4と、第1整流ダイオードD1とに、それぞれ電気的に接続する。
【0039】
第1抵抗R1は、回路において電流を制限し、保護を与える作用を具え、回路が大電流によって焼けることを防ぐ。電解コンデンサCは充放電することによって、該駆動回路の出力端の継続的な電流を保持する。第1整流ダイオードD1は整流の作用を具え、第1MOSFETQ1が導通した場合に電解コンデンサCと第2インダクタL2の地面に対する放電を防ぐ。第2整流ダイオードD2は整流の作用を具え、第2MOSFETQ2が導通した場合に電解コンデンサCと第1インダクタL1の地面に対する放電を防ぐ。
【0040】
定電圧源8の出力電圧は、第1MOSFETQ1のしきい電圧値よりやや低いか、もしくは等しくし、優先的に第1MOSFETQ1のしきい電圧値よりやや低くし、かつ第1コンパレータ7の該第1出力ピンの出力電圧は、第2MOSFETQ2のしきい電圧値よりもやや高くするか、もしくは等しくする。
【0041】
また、第1コンパレータ7の該第1マイナス入力ピンの電圧レベルがハイレベルの場合(即ち、該第1マイナス入力ピンの電圧レベルが該第1プラス入力ピンより高い場合),該第1出力ピンの出力は第2MOSFETQ2の第2ゲート電極gよりローレベルになり、かつ該第1マイナス入力ピンの電圧レベルがローレベルの場合(即ち、該第1マイナス入力ピンの電圧レベルが該第1プラス入力ピンより低い場合)、該第1出力ピンの出力は第2MOSFETQ2の第2ゲート電極gよりハイレベルになる。
【0042】
したがって図4に開示するように、第2MOSFETQ2の駆動信号と第1MOSFETQ1駆動信号とが位相反転し、このため2つのブーストコンバータが交互に作動する。即ち、第1MOSFETQ1が導通した場合、第2MOSFETQ2はオフになり、第1MOSFETQ1がオフの場合第2MOSFETQ2は導通する。
【0043】
この発明によるデュアルブーストコンバータのバックライト駆動回路の具体的な作動と原理は次に述べるとおりである。即ち、定電流駆動チップ6の第1ピン1の出力する電圧レベルがハイレベルの場合、第1MOSFETQ1の第1ゲート電極gの電圧レベルはハイレベルになる。第1MOSFETQ1が導通すると、コンパレータ7の該第1マイナス入力ピンの電圧レベルが該第1プラス入力ピンの電圧レベルに比してハイレベルになり、第1コンパレータ7の出力する電圧レベルが第2MOSFETQ2の第2ゲート電極gよりローレベルになり、第2MOSFETQ2はオフになる。この場合、第1インダクタL1が充電し、第2インダクタL2が放電する。
【0044】
定電流駆動チップ6の第1ピン1の出力する電圧レベルがローレベルの場合、第1MOSFETQ1の第1ゲート電極gの電圧レベルはローレベルになり、第1MOSFETQ1はオフになり、第1コンパレータ7の該第1マイナス入力ピンの電圧レベルが該第1プラス入力ピンの電圧レベルよりローレベルになり、第1コンパレータ7の出力する電圧レベルが第2MOSFETQの第2ゲート電極gよりハイレベルになり、第2MOSFETQ2は導通する。この場合、第1インダクタL1が充電し、第2インダクタL2が放電する。
【0045】
上述する作動が循環することによって、第1MOSFETQ1と第2MOSFETQ2とが交互に作動し、このため第1インダクL1と第2インダクタL2の三角波電流も図5に開示するように逆になり、回路の後端で合流して、電流が重畳して直流に近くなる。その振幅値は単一のブーストコンバータのバックライト駆動回路における三角波のピーク値と等しくなり、出力パワーが増幅される。
【0046】
エネルギー保存の法則から分かるように、LEDバックライト回路の出力するパワーは、入力するパワーを転換してなり、出力するパワーをさらに大きくするためには、即ち入力するパワーをさらに大きくする必要があることを意味する。インダクタとMOSFETに流れる電流の最大値には限りがある。よって、LEDバックライト駆動回路において2つのインダクタと2つのMOSFETとを並列して用い、分流の作用を得る。次いで、回路の後端において合流させる。このような回路は2賣の入力電流を受ける(2倍の出力パワーに転換する)ことができ、提供する出力パワーも2倍になる。
【0047】
図2、3に開示するように、2つのMOSFETQ20、Q21を同一の駆動信号に共用し、両者を同時に導通させ、オフにすると、この場合インダクタL20、22における電流の三角波は同一になる。回路の後端で合流する電流は依然として三角波であるが、但し振幅値は倍になる。このような場合は、整流ダイオードD20の耐電流値を超えてしまい、整流ダイオードD20が焼けてしまう。係る問題を改善するためには、定格電流値のさらに高い整流ダイオードを用いなければならない。但し、そのためには製造コストが高くなる。しかも、三角波の振幅値が倍になり、出力する電流のリップル量も倍になり、出力する電流の正確さが低下する。また、2つのMOSFETが同時にオン、オフすることは、電磁妨害の影響も倍になる。よって、製品の合格率に影響を与えることに繋がる。
【0048】
この発明においては、位相が逆の2つの駆動信号によって第1MOSFETQ1と第2MOSFETQ2とを駆動し、且つ交互に作動させ、かつ第1インダクタL1と第2インダクタL2との放電する電流をして、それぞれ整流ダイオードD1と整流ダイオードD2とを通過させて電解コンデンサCに放電する。係る方式によれば、振幅値が2倍になるような状況は出現せず、整流ダイオードの仕様を上げる必要がない。第1インダクタL1と第2インダクタL2の電流は交錯して重畳するため、出力する電流のリップル量を減少させることができ、2つのブーストコンバータが同時に作動して電磁妨害の影響が2倍になるという現象の発生を避けることができ、製品の合格率を高めることができる。
【0049】
以上をまとめると、この発明によるデュアルブーストコンバータを具えるバックライト駆動回路は、コンパレータを利用して位相の反転した2つの駆動信号を生成し、それぞれがブーストコンバータにおける2つのMOSFETを駆動する。このため、2つのブーストコンバータが交互して作動し、回路の後端におい合流して直流に近くなる。その振幅値は、単一のブーストコンバータの三角波のピーク値に等しくなり、出力パワーが増幅される。但し、振幅値が倍になるといった状況が発生しないので、整流ダイオードの仕様を上げる必要がなく、製造コストを節減することができる。同時に、2つのインダクタの電流が交錯して重畳するため、出力する電流のリップル量を減少させることができ、ブーストコンバータが同時に作動して電磁妨害の影響が2倍になるという現象の発生を避けることができ、製品の合格率を高めることができる。
【0050】
以上は、この発明の好ましい実施の形態であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有する変更、修正などは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0051】
L1 第1インダクタ
L2 第2インダクタ
L10 インダクタ
Q10 MOSFET
Q1 第1MOSFET
Q2 第2MOSFET
D1 第1整流ダイオード
D2 第2整流ダイオード
C コンデンサ
C10 出力電解コンデンサ
R1 第1抵抗
R2 第2抵抗
g 第1ゲート電極
d 第1ドレイン電極
s 第1ソース電極
4 LEDストリップ
5 パワーモジュール
6 定電流駆動チップ
62 第2コンパレータ
64 発振回路
7 第1コンパレータ
8 定電圧源
図1
図2
図3
図4
図5