(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記直線スライド機構が、前記グリップ・アタッチメントに力を与えるように構成された直線駆動部品をさらに備える、請求項1に記載の力フィードバック・コントローラ。
前記肢アタッチメントが、前記外殻の少なくとも一部に位置する粘弾性発泡体をさらに備え、該粘弾性発泡体が、ユーザの腕の輪郭に一致して、衝撃力に晒されたときに変形に抵抗するように構成される、請求項6に記載の力フィードバック・コントローラ。
前記グリップ・アタッチメントが、第1のプリント回路基板電気コネクタと導電性エラストマ要素とを備え、前記プリント回路基板電気コネクタおよび前記導電性エラストマ要素が、前記グリップ・モジュールに連結されたグリップの第2のプリント回路基板電気コネクタと電気接続を形成するように設計されて構成される、請求項1に記載の力フィードバック・コントローラ。
前記第1の方向が第1の軸の周りの回転を含み、前記第2の方向が第2の軸の周りの回転を含み、該第2の軸が該第1の軸に対して非平行であり、前記第3の方向が該第1の軸および該第2の軸の少なくとも一方に略垂直である、請求項1に記載の力フィードバック・コントローラ。
前腕モジュール、手首モジュール、およびグリップ・モジュールからなり、該前腕モジュールおよび該手首モジュールが、取り外し可能に共に連結して力フィードバック・コントローラ外骨格を形成するように設計されて構成され、該グリップ・モジュールが、該手首モジュールに連結されるとともに、該手首モジュールに対して第1の方向に移動可能であり、
該グリップ・モジュールが、直線スライド機構および該直線スライド機構に連結されたグリップを備え、該グリップが前記直線スライド機構を介して前記第1の方向に対して略垂直な方向に移動可能である、力フィードバック・コントローラ外骨格。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一部の態様は、改良された人間−コンピュータ・インタフェーシングおよびコンピュータ・シミュレーション制御のための様々な携帯用FFC(PFFC)デバイスおよびシステムを含む。本明細書に記載のPFFCは、人間オペレータの精度および/または強度を高めること、ならびにコンピュータ・シミュレーション、データ調査、およびゲームなどの適用におけるオペレータと人工環境との相互作用の効率および質を向上させることを含む様々な適用で使用され得る。また、本明細書に記載のPFFCを使用して、物理療法、作業療法、スポーツ・トレーニング、ならびにその他の治療およびトレーニングの用途のような試みに対して、測定、案内、実行を助け、または人間オペレータの運動を強化することもできる。また、PFFCを使用して、人間オペレータに対して感覚認識を高めるとともに、遠隔環境との遠隔操作相互作用および遠隔ロボット相互作用における使用を容易にすることもできる。例えば、本明細書に記載のPFFCにより、遠隔マニピュレータの運動をより自然かつ直感的に制御することが可能になり、遠隔感知された力をフィードバックすることによって、人間オペレータが遠隔操作タスクをより精巧に、および/またはより迅速に実行することが可能になるため、遠隔マニピュレータによる望ましくない破砕または衝突を最小限にすることができる。
【0010】
以下でより完全に説明するように、本明細書に記載のPFFCは、オペレータの運動を正確に追跡し、高忠実度力を与え、エネルギー効率が高く、かさを最小限にし、軽量であり、快適で人間工学的であって長期の使用を可能にすることにより、前述したような適用に対して改善された解決法をもたらす。
【0011】
例示的なPFFCの実施形態はモジュール式PFFCを含み、このモジュール式PFFCは、物理的モジュールおよび部品を追加することによって機能および/または構造を連続的に追加する能力を提供することができる。本明細書に記載のモジュール式PFFCは、他のモジュールに対して取り付けることができ、取り外すことのできるモジュールを含み、各モジュールは、人体の特定の解剖学的部位に着用されるように構成されてよい。モジュールは、隣接するモジュールに取り外し可能に取り付けられる構造、もしくは隣接するモジュールにまたがる構造、または2つのモジュールを接合するための取り外し可能な中間接合部品を含むことができる。そのようなモジュール性は、様々な異なる適用および使用状況に合わせて迅速かつ容易に修正可能なPFFCシステムを提供する。例えば、観血手術のシミュレーションは、手首および手にのみ係合するPFFCによって最良に行うことができるが、視覚ツールを含むデバイス・アセンブリ・シミュレーションは、手、手首、および前腕に係合するPFFCを必要とする場合がある。別の例として、ゲームまたはシミュレーションにおいて人間オペレータの手、手首、前腕、および肘および/または肩に係合して、例えば、仮想オブジェクトの重量のより現実的な感覚を与え、投げるおよびつかむなどの複雑な運動の、より忠実度の高い制御を行うことが望ましい場合がある。そのようなモジュール性は、カスタマイズされた外骨格コントローラが特定の使用状況に合わせて設計された、ある先行技術のコントローラにまさる重要な利点をもたらす。一般的に、オペレータは、コントローラをそれに合わせて設計した特定の用途以外の用途については、準最適なコントローラ構成で間に合わせるしかない。カスタマイズされたコントローラの開発は、時間と費用のかかる方法であるからである。
【0012】
本明細書に記載のPFFCの様々な態様の幅広い適用性を鑑みて、
図1は、オペレータの腕に着用されるように設計されて構成される例示的なモジュール式外骨格PFFCシステム100を示す。例示的なPFFC100は、肩モジュール110、上腕モジュール112、肘モジュール114、前腕モジュール116、手首モジュール118、およびグリップ・モジュール120を含む6つのモジュールを有する。モジュール110〜120の各々は、隣接するモジュールに取り外し可能に接続されて、各モジュールを他のモジュールに迅速かつ容易に機械的および電気的に接続することができるようになっていてもよい。モジュール110〜120の各々は、モジュールを特定の解剖学的位置に取り付けるための快適な人間工学的機能を有するとともに、多様な適用について適切な構造完全性を有する軽量構造である。モジュール110〜120は、PFFC100のサイズを特定のユーザの寸法に合わせて調節するための調節機構を有することができる。
【0013】
モジュール110〜120の1つまたは複数は、1つまたは複数の自由度を有することができ、他のモジュールに対して運動するように構成されて、PFFC100がユーザの腕の自然な運動に従うことができ、以下で説明するように、ユーザ上の様々な方向および位置に力を与えることができるようになっている。例えば、肘モジュール114は、旋回点122の周りを旋回するように構成されて、第1の側部部材124が第2の側部部材126に対して矢印1Aで示す方向に旋回できるようになっている。前腕モジュール116は、手首モジュール118に対して矢印1Bの方向へねじり運動するように構成されてもよい。同様に、手首モジュール118は、前腕モジュール116およびグリップ・モジュール120の一方または両方に対して矢印1Cの方向にねじり運動するように構成されてもよい。一部の実施形態では、モジュール116、118が相対ねじり運動するように構成されてよく、PFFC100が他の方向への相対運動、例えば、矢印1Dで示す方向への相対直線運動を実質的に防止する構造機能を有することができ、これにより、PFFCの動作に必要な構造完全性をもたらすことができる。グリップ・モジュール120は、ユーザの手首に対するユーザの手の自然な運動に従う1つまたは複数の自由度を有して構成されてもよい。例示的なグリップ・モジュール120は、手首モジュール118に対して、矢印1Eの方向へのピッチ(手首橈骨/尺骨偏位)、1Fの方向へのヨー(手首屈曲/伸展)、および矢印1Gの方向の直線軸方向運動を含む3つの自由度を有する。以下で説明するように、方向1Gへの直線軸方向運動の機能は、グリップ・モジュール120を特定のユーザの手のサイズに合わせることを可能にし、また矢印1Gの方向へ触覚力を与える能力を含むことができる。
【0014】
各モジュールの全体および/または相対位置をコンピュータ・システムに伝えるように設計され得るPFFC100で、様々な位置センサを使用することができる。1つまたは複数の加速度計、ジャイロスコープおよび/または磁力計を含み得る慣性測定部品(IMU)を含む、様々な異なる位置センサの解決法を使用することができる。PFFC100は、肩モジュール110の位置センサ128、肘モジュール114の位置センサ130、132、および前腕モジュール116、手首モジュール118、グリップ・モジュール120のそれぞれの位置センサ134、136、138を含む。位置センサ128〜138の各々は、他のモジュールに対する各モジュールの位置を説明する高解像度位置情報を提供することができる。代替実施形態では、センサ128〜138の1つまたは複数に加えて、またはこれらの代わりに、回転光学エンコーダなどの回転センサを使用して、モジュールの1つまたは複数の回転位置についての情報を提供してもよい。
【0015】
PFFC100は、それぞれのモジュール114、118、120に力を与えるように構成された駆動モジュール140、142、144を含むこともできる。以下でより詳細に説明するように、駆動モジュール140、142、144は、PFFC100に力を与えるように設計された、モータ、形状記憶合金、または超音波アクチュエータなどの部品を含んでもよく、PFFC100の構造に力を伝えるための対応する構造を含んでもよい。駆動モジュール140は、肘モジュール114に連結され、第1の側部部材124および第2の側部部材126に力を与えるように構成されて、肘モジュールを矢印1Aの方向へ旋回させる。手首モジュール18は、グリップ・モジュール120に対して矢印1E〜1Gで示す方向の1つまたは複数へ力を与えるように構成され得る駆動モジュール142を含んでよく、グリップ・モジュール120は、矢印1E〜1Gで示す方向の1つまたは複数へ力を与えるように構成され得る駆動モジュール144を含んでもよい。したがって、駆動モジュール140〜144は、ユーザの腕全体にわたって分散された多くの非常に正確で局所的な触覚をもたらすように構成され、これは様々な適用に使用可能である。
【0016】
グリップ・モジュール120は様々な構成を有することができ、PFFC100を様々な適用に使用できるように高い適応性を有することができる。例えば、グリップ・モジュール120は、1つまたは複数コントローラまたは器具をPFFC100に取り外し可能に機械的および電気的に接続するための機能を含むことができる。例えば、コンピュータ・シミュレーションの適用では、グリップ・モジュール120は、グリップ・モジュール120に接続されたグリップのタイプを検出する論理を含んで、コンピュータ・シミュレーションに対応する更新を行うことができる。例えば、あるモデルの小火器をグリップ・モジュール120に接続すると、小火器に対する触覚力を制御して提供するための対応するソフトウェアが起動され得る。医療または遠隔マニピュレータの適用では、グリップ・モジュール120に接続されたそのタイプのモデル器具が、幾何学的情報および力情報の異なるライブラリを呼び出すことができ、遠隔位置における器具の運動および力の大きさが、グリップ・モジュールに連結された器具に応じて、PFFC100の所与の運動について変化し得るようになっている。
【0017】
図2〜
図7は、ユーザの腕に着用されるように設計されて構成された例示的なPFFC200を示す。PFFC100と同様に、PFFC200は、上腕モジュール210、肘モジュール212、前腕モジュール214、手首モジュール216、およびグリップ・モジュール218を含む。モジュール210〜218の各々が肢アタッチメント220を備え、肢アタッチメント220は、以下で
図3に関連してより詳細に説明するように、各モジュールをユーザの腕のそれぞれの位置に取り付ける。例示した実施形態において、モジュール210〜218の各々は同一のタイプの肢アタッチメント220を使用し、この肢アタッチメント220は様々なサイズに調節可能であるように設計されて構成され、各肢アタッチメント220をユーザの腕の任意の部位に固定して連結できるようになっている。他の実施形態では、肢アタッチメントのサイズがモジュール間で変化し得る。肢アタッチメント220は、PFFC200の快適な長期使用を可能にする、軽量で非常に快適なアタッチメント機構を提供する。各肢アタッチメント220は、本明細書で受け部230、232、234とも呼ばれるそれぞれの細長部材に摺動可能に連結され、肢アタッチメント220の各々の位置を調節して、PFFC200を特定のユーザにフィットさせることができる。肢アタッチメント220は、位置決めされると、止めねじ362(
図3)を締め付けることによって、定位置に固定され得る。
【0018】
モジュール210〜218の各々は、他のモジュールに対して相対運動するように構成されて、PFFC200がユーザの腕の自然な運動に従うことができ、ユーザに触覚力を与えるように構成され得る。例えば、肘モジュール212の第1の側部部材240および第2の側部部材242は、旋回点244の周りを矢印2Aの方向に旋回して、上腕モジュール210が前腕モジュール214に対して動いて、ユーザが自分の腕を曲げることができるようになっている。また、肘モジュール212は回転駆動部品250を有し、回転駆動部品250は、肘モジュール212に触覚力を与えて、第1の側部部材240および第2の側部部材242を矢印2Aの方向へ動かすように構成される。
図7に関連して以下で説明するように、例示的な回転駆動部品250は、力を発生させるためのモータ252と、力をモータから側部部材240、242に伝えるためのベルトプーリ・システム254とを含む。例示した実施形態において、モータ252は逆駆動可能なDCモータである。
【0019】
前腕モジュール214および手首モジュール216は、矢印2Bおよび2Cの方向へ相対ねじり運動するように構成されて、肘と手首との間のユーザの下腕の部分に沿ったひねり運動を可能にする。例示した実施形態において、そのような相対ねじり運動は下腕ひねりモジュール260によって可能になり、下腕ひねりモジュール260は、相対ねじり運動を可能にし、矢印2Dの方向への軸方向運動を実質的に防止するように設計されて構成される。
図6に関連して以下でより詳細に説明するように、下腕ひねりモジュール260は、特定の自由度を可能にし、他の自由度を限定する、エレガントで低コストの解決法をもたらす。グリップ・モジュール120と同様に、グリップ・モジュール218は、手首モジュール216に対して、ピッチ、ヨー、および直線軸方向運動を含む3つの自由度を有する。例示した実施形態において、ピッチおよびヨーは、2つの回転駆動部品270、272のそれぞれによってもたらされ、直線軸方向運動は、本明細書でZスライド270とも呼ばれる直線スライド機構によってもたらされる。Zスライド270の一部は
図4および
図5にさらに示される。肘モジュール212の回転駆動部品250と同様に、図示した回転駆動部品270、272は、
図2ではカバー276、278によって隠されているモータ410(
図4)およびベルトプーリ・システム412(
図4)を含む。図示したZスライドは、
図2ではカバー282によって隠されているモータ510(
図5)およびラックアンドピニオン512(
図5)を含む直線駆動部品280(
図5)により、直線運動および触覚力の機能をもたらす。例示した実施形態において、モータ410、510は逆駆動可能なDCモータである。
【0020】
また、PFFC200は電子機器ボックス280を含み、この電子機器ボックス280は、PFFCの1つまたは複数の部品に接続して、信号ケーブルまたは無線信号伝送インタフェースを介して制御機能を提供する。電子機器ボックス280は、整流器と、様々な部品の必要に応じてAC電力をDC電力に変換するための関連部品とを含むことができ、および/またはバッテリ・パックを含むことができる。あるいは、DC電力を供給する電気ケーブルを電子機器ボックスに接続してもよい。電子機器ボックス280および/または他のケーブルは、1つまたは複数の接続箱282、または信号を様々なモジュールに対して受信および/または送信するための様々なポートを含む他のインタフェースを介して、モジュール210〜218に接続することができる。接続箱282、手首モジュール216、およびグリップ・モジュール218はまた、位置、運動、速度、加速および/または構造の他の運動関連の態様に関連する様々なデータを集めるように構成されたIMU位置センサ(図示せず)を含む。
【0021】
図3は、肢アタッチメント220をより詳細に示す。前述したように、例示した実施形態では、モジュール220、214、216(
図2)の各々をユーザの腕に取り付けるために同一の肢アタッチメント220を使用することによって、製造が容易になり、コストが削減される。代替実施形態では、モジュール220、214、216の1つまたは複数が、特定の解剖学的位置に合わせた寸法を持つ特定の肢アタッチメント有することができる。肢アタッチメント220の設計および構成は、PFFC200の正常な動作に重要である。これは、PFFC200が多様なユーザにとって快適でなければならず、またPFFC200をユーザにしっかりと連結して、PFFCにより発生する触覚力が適切な解剖学的位置で感じられるようにしなければならないからである。例えば、アタッチメント構造が適切に設計されず、ユーザの腕の形状に適切に一致しない場合、構造が緩すぎるおそれがあり、その場合、例えば、ユーザの手または肘領域で感じられることになっている触覚力が、代わりにコントローラの構造に沿って伝わって、アタッチメント構造が位置するユーザの皮膚で不快な牽引感覚のように感じられることがある。また、そのような不快な肢アタッチメントをユーザに適切に固定するためには、肢アタッチメントを不快なほどきつくする必要があり、例えば、快適な長期使用を妨げるつまみ点を生じさせることがある。
【0022】
それに対して、肢アタッチメント220は、PFFCの快適な長期使用を可能にする、PFFC200(
図2)のための軽量で快適なアタッチメント機構を提供する。肢アタッチメント220は、基部312に連結された外殻310を含む。外殻310は、ユーザの腕に巻き付いてユーザの腕に連結されるように構成された上部314と下部316とを備える。上部314は、下部316に旋回可能かつ摺動可能に連結されて、外殻310の形状を多様な腕の横断面形状に一致させることができるため、適合性の高い、しっかりとし、かつ快適なフィット性が得られる。例示した実施形態において、スロット318、320を上部314の第1の端部322および第2の端部322、324に組み入れることによって、上部314は下部316に旋回可能かつ摺動可能に連結される。スロット318、320の各々は、ピン326、328(一方のみを図示する)に摺動可能かつ旋回可能に連結するようにサイズ決めされて構成され、第1の端部322および第2の端部324が矢印3A、3Bの方向に独立して摺動できるようになっている。上部314はまた、ピン326、328の周りを矢印3Cの方向へ旋回して、調節機能をさらに有効にするように構成される。
【0023】
下部316は、上部314の第1の端部322および第2の端部324を間に摺動可能に受けるようにサイズ決めされて構成された内壁330および外壁332をそれぞれ含む二重壁設計を有する。そのような二重壁構成により、妨げのない上部314と下部316との摺動係合および容易な調節機能が促進される。図示した肢アタッチメント220は、上部314の位置を摺動可能に調節して、上部を下部316に固定するように設計されたラインスプール・アタッチメント・システム340を使用する。ラインスプール・システム340は、第1の端部322および第2の端部324に連結されたライン342、344(一方のみを図示する)とスプール346とを含み、このシステム340を用いて、スプールを回転することによりライン342、344(一方のみを図示する)の長さを調節し、ラインを基部312に固定することができる。例示した実施形態において、スプール346は、基部312から矢印3Dの方向へ引き離されたときにライン342、344を解放し、基部に押し込まれたときにラインに係合するように構成される。ライン342、344を締め付け、または緩めて、スプール346を時計方向または反時計方向に回転させることにより外殻310を締め付け、または緩めることができる。図示したスプール346はラチェット機構を有し、ラチェット機構が締付け後に定位置にとどまって、ライン342、344と外殻310とを固定するようになっている。ライン342、344を、スペクトル・ケーブルのようなポリエチレン繊維などのポリマ繊維を含む様々な材料から作ることができる。外殻310の例示した実施形態は、低コストの材料に適切な可撓性および強度を与える高密度ポリエチレン(HDPE)から構成される。代替実施形態は、ナイロン、ポリプロピレン、およびその他の耐久性のある可撓性プラスチックなどの様々な他の材料から構成されてもよい。
【0024】
肢アタッチメント220はまた、外殻310の内面の一部に位置するクッション材料350を有する。例示した実施形態において、クッション材料350は粘弾性発泡体であり、肢アタッチメント220における使用に適した固有の特性を有する。すなわち、クッション材料350は、ユーザの腕の形状に快適に一致することができ、しかもPFFC200により発生した力のような衝撃力などの突然の力を受けたときに、形状変化に抵抗する材料特性を有する。そのような材料特性は、肢アタッチメント220をユーザの腕に快適に、かつしっかりと取り付けることを助けて、PFFC200によって触覚力が発生したときに、PFFCがユーザの腕にしっかりと連結されて、ユーザの手などの意図した位置で力が感じられるようにする。
【0025】
肢アタッチメント220はまた、基部312を含む。基部312は、細長部材230、232、234(
図2)の1つを開口部360内に摺動させることによって、これらの細長部材のようなPFFC200の構造に摺動可能に連結するように設計された略円筒形の突起である。図示した基部312は、少なくとも1つの平坦部362を含み、この平坦部362は、細長部材230、232、234のようなPFFC構造200のそれぞれの平坦部に嵌合して、細長部材に対する肢アタッチメント220の回転を防止する。基部312はまた、止めねじ362を含み、止めねじ362は、肢アタッチメントを細長部材上に締め付けることにより、各肢アタッチメントをPFFC200に迅速かつ容易に取り付けることができるようにする。
【0026】
図4は、手首モジュール216(
図2)に対するグリップ・モジュール218(
図2)のピッチ運動を可能にするとともに、ピッチ方向への触覚力を与える回転駆動部品270(
図2)を示す。ヨー運動を可能にし、ヨー方向への触覚力を発生させる回転駆動部品272(
図2)は、回転駆動部品270と同様の構成を有する。回転駆動部品270は、例示した実施形態では逆駆動可能なDCモータであるモータ410を含む。モータ410により発生した力が、駆動プーリ414、従動プーリ416、ベルト418、および1対のテンショナ420を含むベルトプーリ・システム412を介してグリップ・モジュール218(
図2)に伝えられる。例示した実施形態において、ベルト418は歯付ベルトである。
図2にも見られるように、回転駆動部品272は、構造部材422によってPFFC200に基礎が置かれる。回転駆動部品270により発生した力は、Zスライド274(
図2)の近位端に連結する構造部材428(
図2、9、10にも見られる)によってグリップ・モジュール281に伝えられる。したがって、回転駆動部品270、272は、2つのL字型構造部材(422、428)を組み入れることにより、コンパクトな空間エンベロープ内に非常に確実で強力な設計を有して設計されて構成される。この2つのL字型構造部材は、構造部材422が回転駆動部品272に連結する、手首モジュール216との単一の接触点を有するグリップ・モジュール218に2つの自由度を与える。加えて、部材428はまた、前方にずれて構成され、ピッチ回転点454(
図4、19)がユーザの手首のピッチ回転の自然な位置に隣接できるように、部材428の遠位端部1050(
図10、
図19)が部材の近位端452(
図4)の遠位にあるようにし、部材428の遠位端部1050(
図10、
図19)に連結するZスライド274の近位端1056(
図10、
図19)が、ユーザの手のひらによるグリップ1000(
図10)のようなグリップを位置合わせするのに十分に遠位にあるようにする。そのような構成によって、Zスライドの近位端1056をユーザの手のひらの位置により近接して位置させることができるため、グリップ・モジュール218の、特にピッチ方向へのより自然な運動が可能になり、よりコンパクトなZスライド274の設計が可能になる。
【0027】
図19は、手首モジュール216およびグリップ・モジュール218の構成をさらに示す。例示の目的で、手首モジュール216およびグリップ・モジュール218の部品のいくつかが
図19において取り外されていることに留意されたい。図示したように、回転駆動部品272は手首モジュール216の底部に位置し、カバー278の下には、回転駆動部品270(
図4)のモータ410およびベルトプーリ・システム412と同様のモータおよびベルトプーリ・システム(図示せず)がある。回転駆動部品272は、構造部材422の19Aの方向への運動によって、ヨー運動およびヨー方向への力をもたらす。
図19に示すように、回転駆動部品270およびグリップ・モジュール218は、回転駆動部品272が構造部材422を動かしたときに回転駆動部品270およびグリップ・モジュールの両方がヨー方向へ動くように、構造部材422に連結される。回転駆動部品270は、グリップ・モジュール218をピッチ方向へ動かす、構造部材426の19Bの方向への運動によって、ピッチ運動およびピッチ方向への力をもたらす。
【0028】
コンパクトな設計を容易にするために、モータ410は、モータが力を与えるように構成された運動面と平行関係に配置される。例えば、モータ410は、PFFC構造422に対して略垂直構成に連結されて、グリップ・モジュール218(
図2)をピッチ方向へ、または垂直面で動かす。1対のかさ歯車430により、そのようなコンパクトな配置が可能になる。回転駆動部品272はまた、モータ410のハウジング内に取り付けられた回転位置センサ432を含み、この回転位置センサ432を用いて、例えば、以下で説明するPFFC制御システムによって使用可能なグリップ・モジュール218の位置を表す信号を発生させることができる。例示した実施形態において、回転位置センサ432は回転光学エンコーダである。したがって、回転駆動部品272、270はコンパクトで低コストの確実な設計を有し、2つの自由度および2つの度合のトルク・フィードバック機能を有するグリップ・モジュール218(
図2)を提供するように構成される。
【0029】
図5は、Zスライド274(
図2)の直線駆動部品500の一部を示す。前述したように、Zスライド274は、軸方向の直線自由度をグリップ・モジュール218(
図2)に与えるように構成され、また触覚力を同じ方向に与えるように構成される。Zスライド274によって一意的に、グリップ・モジュール218が異なる長さの手に自動的に対応できるようになり、グリップ・モジュール218に連結されたグリップの位置およびユーザの手に与えられた力を感知できるようになる。Zスライド274は、例示した実施形態では逆駆動可能なDCモータであるモータ510を含むことができる。モータ510により発生した力が、ラックアンドピニオン・システム512を介してグリップ・モジュール218(
図2)に伝えられる。回転駆動部品270、272と同様に、Zスライド274は1対のかさ歯車514を使用して、モータ510をZスライド274に平行にできることにより、コンパクトかつ確実な設計をもたらす。したがって、Zスライド274は、軸方向への触覚力を与えることができ、以下で説明するように、この触覚力を様々な適用で使用して、PFFC200の力フィードバック機能を強化することができる。Zスライド274はまた、モータ510に取り付けられた、例示した実施形態では回転光学エンコーダである回転位置センサ516を含む。代替実施形態では、ラックアンドピニオン512に連結された代わりの回転センサ、および/または直線位置センサを用いて、Zスライド位置情報を得ることができる。PFFCの代替実施形態は、感覚機能、表示機能、または作動機能を有していないZスライドを含んでもよく、このZスライドは、受動運動を通して、グリップ・モジュール218を異なるユーザの手のサイズに合わせて自動的に調節できるように主に構成される。さらに他の実施形態では、Zスライドのないグリップを手首モジュール216(
図2)に直接組み入れてもよい。
【0030】
図6は、下腕ひねりモジュール260(
図2)を示す。前述したように、下腕ひねりモジュール260により、特定の自由度を可能にし、他の自由度を限定する。すなわち、下腕ひねりモジュール260により、前腕モジュール214と手首モジュール216との相対ねじり運動が可能になるとともに、相対軸方向運動を実質的に防止して、軸方向の力を前腕モジュールと手首モジュールとの間に伝えることができ、前腕モジュールがユーザの腕の下方へ摺動しないようにする。下腕ひねりモジュール260は、止めねじ622、624によりチューブ616、620に連結されたコネクタ・リング612、614間で延びるエラストマ要素610を含む。例示した実施形態において、エラストマ要素610はHDPEから作られる。この配置により、ユーザの手首と前腕との間に回転/ひねりのかなりの運動自由度がもたらされ、しかもPFFC200に沿って力を伝えるのに十分な、腕に沿った剛性を有する。チューブ616、620は、構造部材と、手首モジュール216および前腕モジュール214の間に引き回される配線626のための管との二重目的を果たす。
【0031】
図7は、肘モジュール212(
図2)をさらに示す。肘モジュール212は、第1の側部部材240および第2の側部部材242が旋回点244の周りを旋回できるようにすることにより、PFFC200がユーザの腕の自然な運動に従うことができるように構成される。肘モジュール212はまた、第1の側部部品240および第2の側部部品242に旋回点2244で力を与えるように構成された駆動部品250を含む。駆動部品250は、モータ252とベルトプーリ・システム254とを含む。例示した実施形態において、モータ252は逆駆動可能なDCモータである。ベルトプーリ・システム254は、駆動プーリ710、従動プーリ712、2対のテンショナ714、716、および歯付ベルト718を含む。代わりの作動デバイスは、形状記憶合金および超音波アクチュエータを含むことができる。肘モジュール212はまた、モータ252に位置する回転光学エンコーダ720のような回転位置センサ、またはユーザの肘関節の位置、回転、および力データを検出するための他のセンサなどの、ユーザの肘角度を感知するための機能を含むこともできる。追加の、または代わりのセンサは、電位差計またはその他の可変抵抗要素、および/または前腕モジュール214に取り付けられた加速度計、ジャイロスコープおよび/または磁力計などのIMUを含むことができる。
【0032】
また、肘モジュール212は前腕モジュール214および上腕モジュール210を支持し、および/またはこれらに接続して、異なる腕の大きさに対応するようにモジュールを調節可能にするようにサイズ決めされ、位置決めされ、または他の方法で構成された受け部724、726を含む。また、肘モジュール212は摩擦ブレーキ・パッドに対して圧力を作動させて、様々な入力要因に基づいて運動に対する抵抗を変化させる可変抵抗要素を含んでもよい。他の変形形態は、2枚の磁性板間の運動に対する電磁抵抗をもたらす構造、あるいは流体圧により、または空気が電気的もしくは機械的に制御された流量弁に通されることにより制御される運動に対する抵抗をもたらす構造を含む。
【0033】
図8は、例示的なグリップ810が取り外し可能に連結された、グリップ・モジュール218および手首モジュール216(
図2)を示す。前述したように、グリップ・モジュール218は、回転駆動部品270、272(一方のみを
図8に示す)とZスライド274とを含む。グリップ・モジュール218の位置を、回転駆動部品および直線駆動部品270、272、280のモータ内に位置する回転光学エンコーダから判定することができ、またはIMUセンサをグリップ・モジュール218に追加するなどの他の方法で判定することができる。また、グリップ・モジュール218は例示的なグリップ810をZスライド274に取り外し可能に連結するように設計されたグリップ・アタッチメント812を含む。グリップ・アタッチメント812は、グリップ810などの様々なグリップをグリップ・モジュール218に容易かつ迅速に機械的および電気的に接続するように構成されて、ユーザが使用中にグリップを容易に交換できるようにする。例示した実施形態において、グリップ・アタッチメント812は、プリント回路基板(PCB)電気コネクタおよび発泡部材を含む導電性エラストマ要素および発泡部材に位置する導電性要素を介してグリップと電気接続を形成するように構成される。導電性エラストマ要素は、グリップ・アタッチメント812PCBとグリップ内に位置するPCBとの間に位置して電気接続を形成するように構成される。例示的なグリップ810は、Zスライド274に取り付けられた右手ハンドル構造820を含む。図示したように、Zスライド274およびグリップ810は、ユーザの手首の遠位、および回転駆動部品270、272(一方のみを
図8に示す)の遠位に位置する。使用時に、グローブ状の布地構造822などのアタッチメント構造を用いて、右手ハンドル構造820をユーザの手のひら領域にわたってユーザの手に取り付けることができ、ストラップを用いてハンドル構造を調節することができる。例示的なグリップ810により、ユーザはPFFC200を着用している間に物体を持ち上げて操作することができる。グリップ・モジュール218に連結され得るグリップの他の実施形態は、グリップ・モジュールをユーザの手に機械的に連結するための任意の構造を含み、これには、
図8に示すように、ユーザの手の背面に隣接するように設計された右手ハンドル構造820などの、ユーザの手で把持されるように設計されない構造が含まれる。
【0034】
図9および
図10は、グリップ・モジュール218に取り外し可能に連結可能な代わりのグリップ900、1000を示す。グリップ・モジュール218およびZスライド274は、様々な能動(例えば、様々な感覚機能、表示機能、および作動機能による)グリップまたは受動グリップに対応することができる。グリップ900(
図9)は、Zスライド274に連結された操縦棒のような人間工学的ハンドル910を含む。ハンドル910は、PFFCの適用のための入力を行うように構成された4位置ハット・スイッチ912と、ユーザがハンドルを保持しているときを検出するための赤外線近接センサ(図示せず)とを含むことができる。グリップ900の可能な適用は、車両制御および飛行シミュレーションを含む。グリップ1000(
図10)は、Zスライド274に連結されたピストル・ハンドル1002を含む。ピストル・ハンドル1002は、トリガー作動スイッチ1004と、グリップ1000の側面に沿ったボタン1006などの任意の数の構成ボタンとを含むことができる。グリップ1000を、例えば、武器訓練シミュレーションおよびゲームのために使用することができる。例示した実施形態において、Zスライド274は、発砲するときの反動力などのグリップ1000に特有の触覚力フィードバック機能をもたらすことができる。一実施形態において、ピストル・ハンドル1002はまた、内部ソレノイド(図示せず)を有し、この内部ソレノイドは、Zスライド274によって発生した力に加えて追加の衝撃反力を与えることにより、仮想ピストルの発砲に追加の触覚の現実感を加えることができる。
【0035】
図11および
図12は、隣接するモジュール間の相対ねじり運動を可能にするように使用され得るひねりモジュールの代替実施形態を示す。例えば、ひねりモジュール1100またはひねりモジュール1200を、下腕ひねりモジュール260(
図2および
図6)の代わりに使用してもよい。ひねりモジュール1100は、入れ子構造1106と、隣接するモジュール間の相対運動を可能にする接合部1108、1110とを接合する2つの側部腕部材1102、1104を含む。入れ子部分1106のねじ付外軸1112をねじ付内軸1114に対して回転させることによって、ひねりモジュール1100の全体長さを、例えば、ユーザの腕の長さに一致するように調節してもよい。電気ケーブルは、チューブ1120、1122の内腔を通って引き回されてもよい。ひねりモジュール1200(
図12)は、接合部1206で接合された第1の腕部材1202と第2の腕部材1204とを含み、この接合部1206は、相対回転運動および角運動を可能にするが軸方向運動を実質的に防止する。接合部1200は、オペレータの下腕のひねりの高解像度感知を行うために使用可能な高解像度回転光学エンコーダを含んでもよい。
【0036】
図13は、肘モジュール212などの肘モジュールで使用可能な代替ヒンジ機構1300を示す。ヒンジ1300は、多中心ヒンジ1306により旋回可能に連結された第1の側部部材1302と第2の側部部材1304とを含む。多中心ヒンジ1306は、第1の側部部材1302と第2の側部部材1304との角運動の割合を1:1または1:1以外の割合とすることのできるギア付機構である。例えば、多中心ヒンジ1306の周りの、第1の側部部材1302の所与の量の角運動に対して、第2の側部部材1304は異なる量だけ動くことができる。そのような関係を用いて、ユーザの腕の自然な運動により細密に従う肘モジュールを提供することができ、これにより、肢アタッチメントとユーザの腕との間の望ましくない相対軸方向運動を防止することができる。
【0037】
前述したように、PFFCの例示的な実施形態はモジュール式PFFCを含み、このPFFCは、異なる適用について容易に接続され取り外され得る交換可能なモジュールからなる。したがって、モジュールのサブセットを特殊な目的で使用することができる。例えば、使用可能なPFFCモジュールのサブセットを、特定の目的で使用することができる。これにより、PFFCを必要な機能に合わせて最適に再構成することができる。例示的な実施形態は、標準化された機械的嵌合機能ならびに電気データおよび電力コネクタを使用することにより、この構成可能性を支持する。例えば、一実施形態において、1.27センチメートル(1/2インチ)(または他の大きさの)アルミニウム・チューブ、または二重の平坦部を有する他のワイヤ送達構造を、PFFCの構造およびそのモジュールにおいて広く使用することができる。モジュールは、適切な嵌合部品(ピンアンドレセプタクルなど)を用いて、これらのチューブまたはその他のワイヤ送達構造に容易に取り付けられてよく、止めねじにより構造に取り付けられてもよく、または適宜構造に沿って摺動するようにしてもよい。一実施形態において、円形、プッシュプル式、自己ラッチ、迅速交換式コネクタを用いて、モジュール間のデータおよび電力接続を、迅速に設定することができ、または再構成のために遮断させることができる。
図14および
図15は、モジュール性についてのPFFC200などのPFFCの機能を示す。例えば、
図14は、手首モジュール216およびグリップ・モジュール218を他のモジュールからどのように独立して使用するかを示し、これにより、武器訓練またはゲームのための携帯性の高いコントローラを提供することができる。
図15は、前腕モジュール214、肘モジュール212、および上腕モジュール210を、肘の体操または物理的治療などの様々な適用のために他のモジュールから独立して使用することができる、別の例を示す。
【0038】
図16〜
図18は、様々なPFFCの実施形態と共に使用可能な例示的なコンピュータおよび電気システム構成を示す。例示的なシステム構成1600は、1つまたは複数のプロセッサ、外部通信コンポーネント1604、内部通信コンポーネント1606、モータ駆動コンポーネント1608、およびエンコーダ・インタフェース・コンポーネント1610を含み得る処理コンポーネント1602を備える。外部通信コンポーネント1604は、送信機、受信機、送受信機、通信ポート、またはPFFC電子機器と搭載ホスト・コンピュータもしくは遠隔ホスト・コンピュータとの通信を処理するように構成されたその他の通信デバイスであってよい。様々な有線通信プロトコルおよび無線通信プロトコルは、外部通信コンポーネント1604によって処理されてよい。内部通信コンポーネント1606は、グリップ・モジュールに取り付けられたグリップとの通信などの、モジュールとPFFCのコンポーネントとのデータ通信を処理することができる。
【0039】
モータ駆動コンポーネント1608は、処理コンポーネント1602が1つまたは複数のモータのトルクを制御できるように構成されたエンコーダまたは駆動装置を含むことができる。例えば、制御は、2つのパルス幅変調(PWM)制御信号と方向信号とを使用することを含んでよい。DCモータにより使用される電流に正比例するアナログ信号を処理コンポーネント1602に与えて、トルク制御をモータについて行うことができるようにしてもよい。様々なモータをモータ駆動コンポーネント1608により動作させることができる。任意のモジュールがモータおよびモータ駆動コンポーネントを含んでもよい。任意のモジュールのモータ駆動コンポーネント1608は、それぞれのモジュールのモータを駆動することにより、ユーザに力フィードバックを与えることができる。追加の感知能力およびオプションのブレーキ抵抗またはトルク・モータ作動構造が、モジュールおよび/またはそれらの部品のいずれかと共に含まれていてもよい。
【0040】
エンコーダ・インタフェース・コンポーネント1610は、直角位相形式で与えられたような、任意のモジュールの駆動コンポーネントからの直線センサ情報および回転センサ情報を受信および/または処理することができる。エンコーダ・インタフェース・コンポーネント1610は、センサとの基本的なインタフェーシングを処理することができ、適用可能であれば、ハードウェアにエンコーダの「カチカチ音」カウンタを実装することができる。処理コンポーネント1602を読み取って、カウンタをリセットすることができる。モータ、モータ駆動コンポーネント1608、およびエンコーダ・インタフェース・コンポーネント1610の数は、PFFCの特定の構成に基づいて変化し得る。
【0041】
図17は、モジュール式PFFCのモジュール性を促進させるために、PFFCの電子構成がモジュール・システムとしてどのように設計され得るかを示す、構成1600の例示的な適用1700を示す。電子部品は、モジュール性および/またはパッケージを考慮して、単一のプリント回路基板上に共に存在するように、または複数のプリント回路基板にわたって分散され得るように設計されてよい。例えば、モジュールは、固有の回路基板を含んでもよく、または1つまたは複数の他のモジュールまたはコンポーネントと回路基板を共有してもよい。
図17に示す一実施形態において、PFFC電子機器は、単一のプリント回路基板アセンブリ上にホストされる。例示した実施形態は、高性能デジタル信号プロセッサの形の処理コンポーネント(処理コンポーネント1602に対応)、図示したように複雑なプログラム可能論理デバイス(CPLD)を用いて実施可能な7つのエンコーダ・インタフェース(エンコーダ・インタフェース・コンポーネント1610に対応)、および6つのモータ駆動コンポーネント(モータ駆動コンポーネント1608に対応)を含む。外部通信コンポーネント(外部通信コンポーネント1606に対応)は、有線USB2.0および/または通信プロトコルを含むことができる。内部通信コンポーネント(内部通信コンポーネント1606に対応)は、双方向シリアル通信、単一のエンコーダのための直角位相インタフェース、単一のDCモータのためのモータ駆動信号、およびグリップ・バスへの電力供給DC電源を含む。
【0042】
図18は、例示的なモータ駆動コンポーネント1800(モータ駆動コンポーネント1608に対応)を示す。PFFC電子機器は、DC電源、例えば、変圧器またはバッテリを有するACアダプタにより電力供給され得る。一実施形態において、PFFC電子機器は、12V〜30VのDC電源により電力供給されてよい。一実施形態において、PFFC電子機器は、22V、2.5ampのDC電源により電力供給されてよい。別の実施形態において、PFFC電子機器は、14.8V、800mAhのリチウム・ポリマ・バッテリにより電力供給されてよい。
【0043】
加えて、MPEFFC電子機器は、一般的な消費者環境、実験室環境、および産業環境(すなわち、5〜38℃)において受動冷却のみが必要であるように設計されてよい。
本明細書に記載のPFFCは、身体の位置を感知し、身体の1つまたは複数の部位に触覚刺激(運動に対する抵抗、触覚モータ力、モータによる振動、超音波振動、または加熱要素および冷却要素が任意のモジュールに含まれる場合に熱もしくは冷気を加えることなどによる)、および/または非触覚刺激(視覚表示、音、匂いの1つまたは複数を意味し得る)を加えることができる。PFFCモジュールは互いに取り付けられて、互いに順に動作し、または互いに独立して動作することができるため、ユーザは様々な外骨格アタッチメントを共にまたは別個に購入することができる。
【0044】
本明細書に記載のPFFCを、遠隔コンピュータ、搭載コンピュータ、および/またはスマート・フォンもしくはタブレットなどの携帯用電子デバイスにより制御することができる。様々な実施形態において、システムが、外骨格または携帯用電子デバイスの一部として含まれるバックパック内でコンソールとして独立していても、テーブル上にあっても、システムはPFFCに配線されてよく、またはPFFCへの無線接続を有してよい。その後、この通信により、コンピュータが位置センサまたは他のセンサを読み取ることができ、次いで、PFFCまたはアドオン・アタッチメントを通して触覚刺激または非触覚刺激を加えることができる。
【0045】
例示的な実施形態について上で開示し、添付図面において例示した。本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に詳細に開示された内容に対して様々な変更、省略、および追加を行ってもよいことを理解されたい。