特許第6111345号(P6111345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6111345
(24)【登録日】2017年3月17日
(45)【発行日】2017年4月5日
(54)【発明の名称】攪拌容器
(51)【国際特許分類】
   A47J 43/07 20060101AFI20170327BHJP
   B01F 7/16 20060101ALI20170327BHJP
   B01F 15/00 20060101ALI20170327BHJP
   A47J 43/046 20060101ALI20170327BHJP
【FI】
   A47J43/07
   B01F7/16 Z
   B01F15/00 Z
   A47J43/046
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-155(P2016-155)
(22)【出願日】2016年1月4日
(65)【公開番号】特開2016-209538(P2016-209538A)
(43)【公開日】2016年12月15日
【審査請求日】2016年1月5日
(31)【優先権主張番号】201510228801.8
(32)【優先日】2015年5月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516005360
【氏名又は名称】李文欽
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】李文欽
【審査官】 宮崎 賢司
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭45−017576(JP,Y1)
【文献】 実公昭30−008489(JP,Y1)
【文献】 実公昭34−019071(JP,Y1)
【文献】 登録実用新案第3163160(JP,U)
【文献】 実公昭62−021315(JP,Y1)
【文献】 実公昭57−011613(JP,Y1)
【文献】 実公昭45−019824(JP,Y1)
【文献】 実公昭40−014215(JP,Y1)
【文献】 実公昭37−027591(JP,Y1)
【文献】 実公昭31−015184(JP,Y1)
【文献】 特開2014−226241(JP,A)
【文献】 特許第2610440(JP,B2)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0105387(US,A1)
【文献】 中国実用新案第203647174(CN,U)
【文献】 中国実用新案第203647102(CN,U)
【文献】 中国実用新案第203074401(CN,U)
【文献】 中国特許出願公開第102753071(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第103799894(CN,A)
【文献】 特開2000−176269(JP,A)
【文献】 特開2006−263277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 43/07
A47J 43/046
B01F 7/16
B01F 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カップ、クランプ機構および攪拌装置を備え、
前記カップは、底板と、前記底板の辺縁部から上に伸びて形成された壁面とを有し、前記底板は頂面、底面および開口部を有し、前記開口部は前記頂面および前記底面を貫通し、
前記クランプ機構は、前記カップの前記底板に連結され、前記カップの前記底板の前記頂面および前記底面を挟み込み、
前記攪拌装置は、前記カップの前記底板の前記開口部を貫通し、前記クランプ機構に連結され、
前記クランプ機構は、押さえ板および台座を有し、前記押さえ板は前記カップの前記底板の前記頂面を押さえ、前記台座は前記カップの前記底板の前記底面を支え、前記攪拌装置は前記台座に連結され、前記押さえ板を挟み込んで押さえ、
前記押さえ板は、環状片、ガイド辺部および穿孔を有し、前記穿孔は前記カップの前記底板の前記開口部に繋がり、前記ガイド辺部は前記環状片から下に伸びて形成されることを特徴とする、
攪拌容器。
【請求項2】
前記押さえ板の材質はステンレス鋼であることを特徴とする請求項に記載の攪拌容器。
【請求項3】
前記クランプ機構は、さらに複数の連結ユニットを有し、前記連結ユニットは前記カップおよび前記クランプ機構の前記台座を連結することを特徴とする請求項に記載の攪拌容器。
【請求項4】
前記クランプ機構は、さらに防水ワッシャーを有し、前記防水ワッシャーは前記押さえ板と前記カップの前記底板との間に挟み込まれることを特徴とする請求項に記載の攪拌容器。
【請求項5】
前記ガイド辺部は前記穿孔を囲むように形成され、前記攪拌装置は前記穿孔を貫通し、前記ガイド辺部の上縁部を押さえ、前記ガイド辺部の下縁部は前記カップの前記底板に当接することを特徴とする請求項に記載の攪拌容器。
【請求項6】
前記クランプ機構は、さらに防水リングを有し、前記防水リングは前記クランプ機構の前記押さえ板と前記攪拌装置との間に配置されることを特徴とする請求項1または請求項に記載の攪拌容器。
【請求項7】
前記カップの外側輪郭は矩形であり、前記カップの前記底板の輪郭は菱形であることを特徴とする請求項1に記載の攪拌容器。
【請求項8】
前記クランプ機構は、さらに防振リングを有し、前記防振リングは前記クランプ機構の前記台座と前記カップの前記底板との間に配置されることを特徴とする請求項1に記載の攪拌容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、攪拌容器、特にジューサーの攪拌容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
健康志向が高まっていく現今において、日々忙しく、様々な食材を使って料理する時間的な余裕がないため、通常の食事から十分な栄養を摂ることはできない。そこで食品調理機器が開発された。食品調理機器は様々な食材を刻み、加熱し、食べ物を作るものであるため、食材を使って料理を作る時間が足りないという問題は食品調理機器の利便性によって改善される。
【0003】
食品調理機器は食材を細かく刻む機能のほかに、本体によって攪拌容器を加熱し、攪拌容器内の食材を煮る機能がある。攪拌容器は通常プラスチックから製作され、食材を煮るとともに生じた高温によって攪拌容器の底板が変形しやすいため、攪拌容器内の食材の汁は変形した部位から攪拌容器の外部へ漏れることがよくある。
【0004】
従って、攪拌容器が加熱によって変形するという問題は本技術領域において極めて解決すべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した欠点に鑑み、熱を受けても変形を抑制できる攪拌容器を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するための攪拌容器はカップ、クランプ機構および攪拌装置を備える。
カップは底板と、底板の辺縁部から上に伸びて形成された壁面とを有する。底板は頂面、底面および開口部を有する。開口部は頂面および底面を貫通する。クランプ機構はカップの底板に連結され、カップの底板の頂面および底面を挟み込む。攪拌装置はカップの底板の開口部を貫通し、クランプ機構に連結される。上述したとおり、攪拌容器はクランプ機構によってカップの底板を固定するため、カップの底板が加熱によって変形することを抑制することができる。
【0007】
比較的好ましい場合、クランプ機構は押さえ板および台座を有する。押さえ板はカップの底板の頂面を押さえる。台座はカップの底板の底面を支える。攪拌装置は台座に連結され、押さえ板を挟み込んで押さえる。上述したとおり、カップの底板は押さえ板および台座に挟み込まれ、固定されるため、変形を抑制できる。
【0008】
本発明による攪拌容器の詳細な構造、特徴、組み立てまたは使用方法を、以下の実施形態の詳細な説明を通して明確にする。なお、以下の詳細な説明および本発明により提示された実施形態は本発明を説明するための一例に過ぎず、本発明の請求範囲を限定できないことは、本発明にかかわる領域において常識がある人ならば理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態による攪拌容器を使用した食品調理機器を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による攪拌容器を示す分解斜視図である。
図3】本発明の一実施形態による攪拌容器を示す平面図である。
図4図3中の4−4線に沿った断面図である。
図5図3中の5−5線に沿った断面図である。
図6図4の一部分を示す拡大図である。
図7図6の一部分を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明による攪拌容器の構成および達成した効果を図面および実施形態に基づいて説明する。図中の攪拌容器のパーツ、寸法および外観は本発明の構成を限定するものでなく、本発明の技術特徴を明確にするためである。
【0011】
(一実施形態)
図1に示すように、本発明の一実施形態による攪拌容器10は本体30に着脱できるように装着される。本体30は食品調理機器、ジューサーおよび攪拌機器を作動させる機構であり、モーターおよびコントローラを備えることが一般的である。本体30は形態が様々であり、これは従来の技術であるため、詳しい説明を省略する。
【0012】
図2に示すように、攪拌容器10はカップ11、クランプ機構13、攪拌装置15、計量カップ17および蓋19を備える。クランプ機構13および攪拌装置15はカップ11に装着される。計量カップ17は蓋19に配置されるか、蓋19に着脱できるように装着される。計量カップ17および蓋19は本発明の特徴ではないため、詳しい説明を省略する。
【0013】
本実施形態において、クランプ機構13は、押さえ板131、台座133、防水ワッシャー135、防水リング137、防振リング139および二つの連結ユニットを有する。連結ユニットはナット141およびボルト143からなる。攪拌装置15はカップ11内の食品を刻んだり攪拌したりする刃物である。押さえ板131の材質はステンレス鋼であれば比較的好ましいが、これに限らない。
【0014】
図3に示すように、本実施形態において、カップ11は外側輪郭Aが矩形であり、底部の輪郭Bが菱形であるように設計されるため、カップ11内の食品を攪拌する効果を向上させることができる。カップ11の形は上述したとおりであるが、これに限らない。
【0015】
図4および図5に示すように、カップ11は底板111と、底板111の辺縁部から上に伸びて形成された壁面113とを有する。底板111および壁面113の位置を説明するために、図中の底板111および壁面113は破線によって分割される。実際に破線は存在しない。
上に伸びて形成された壁面113は上に伸びる傾斜角度を呈するとは限らないため、カップ11の壁面113は本実施形態に限定されない。一方、底板111の輪郭は菱形である。本実施形態において、底板111は上述したカップ11の底部であるため、底板111の輪郭は図3に示した輪郭Bである。
【0016】
底板111は、頂面115、底面117および開口部119を有する。開口部119は頂面115および底面117を貫通する。クランプ機構13はカップ11の底板111に連結され、カップ11の底板111の頂面115および底面117を挟み込む。攪拌装置15はカップ11の底板111の開口部119を貫通し、クランプ機構13に連結される。
上述したとおり、カップ11の底板111はクランプ機構13に挟まれ、固定される。カップ11の底板111およびクランプ機構13は攪拌装置15によって連結および固定されるため、攪拌容器10が長時間にわたって使用されても、クランプ機構13は底板111が変形し、水漏れを生じさせることを抑制することができる。
【0017】
防振リング139は、台座133とカップ11の底板111との間に装着され、攪拌装置15の回転に伴ってカップ11に生じた振動を緩和する。
【0018】
ナット141およびボルト143は、台座133およびカップ11を連結するため、台座133は緩くならないようにカップ11にしっかり固定される。
本実施形態は連結ユニットとしてナット141およびボルト143を使用するが、これに限らず、別の連結ユニットを使用してもよいため、連結ユニットはナット141およびボルト143からなるとは限らない。
【0019】
以上、図4および図5に示すように、断面図の表示方向が異なっても、カップ11、クランプ機構13および攪拌装置15は同じ位置に配置される。
続いて図4の一部分を示す拡大図(即ち図6)に基づいてカップ11、クランプ機構13および攪拌装置15の関係を説明する。
【0020】
図6および図7に示すように、押さえ板131はカップ11の底板111の頂面115を押さえる。台座133はカップ11の底板111の底面117を支える。攪拌装置15は台座133に連結されることで押さえ板131を挟んで押さえる。上述した構造により、カップ11の底板111は攪拌装置15によって押さえ板131および台座133の間に挟まれ、固定される。
【0021】
防水ワッシャー135は、押さえ板131とカップ11の底板111との間に挟み込まれ、カップ11内の液体がカップ11の外部に漏れることを抑制する。
【0022】
図2図6および図7に示すように、押さえ板131は、環状片131a、ガイド辺部131bおよび穿孔131cを有する。穿孔131cはカップ11の底板111の開口部119に繋がる。ガイド辺部131bは穿孔131cを囲むように環状片131aから下に伸びて形成される。
攪拌装置15は穿孔131cを貫通し、ガイド辺部131bの上縁部を押さえる。ガイド辺部131bは下縁部がカップ11の底板111に当接する。防水ワッシャー135は押さえ板131の環状片131a、ガイド辺部131bと底板111との間に位置する。
【0023】
防水リング137は、クランプ機構13の押さえ板131と攪拌装置15との間に配置され、カップ11内の液体が攪拌装置15の外側表面に沿ってカップ11の外部に漏れることを抑制する。
【0024】
クランプ機構13は、押さえ板131および台座133にカップ11の底板111を挟み込んで固定することによって底板111の変形を抑制することができるだけでなく、防水リング137によってカップ11内の液体がカップ11の外部に漏れることを抑制することができる。
【0025】
本実施形態において、クランプ機構13は上述したパーツを有するが、これに限らない。カップ11の底板111を挟み込み、固定し、カップ11の底板111の変形を抑制することさえできれば、クランプ機構13の構造を変えてもよい。つまり、クランプ機構13の構造は本実施形態に限定されない。
一方、先行技術により食品調理機器の攪拌容器が変形するだけでなく、長期間にわたって使用されたジューサーまたは攪拌機器では攪拌容器の底板も変形するという実態が提示された。これに対し、本発明による攪拌容器は食品調理機器の使用に限らず、それ以外の使用に対応できる。
【0026】
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0027】
10 攪拌容器
11 カップ
111 底板
113 壁面
115 頂面
117 底面
119 開口部
13 クランプ機構
131 押さえ板
131a 環状片
131b ガイド辺部
131c 穿孔
133 台座
135 防水ワッシャー
137 防水リング
139 防振リング
141 ナット
143 ボルト
15 攪拌装置
17 計量カップ
19 蓋
30 本体
AB 輪郭
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7