(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
被包装物を収容する包装袋を把持するグリップ対と、包装袋を把持した前記グリップ対を複数の包装工程毎に間欠移動させるための移動体と、被包装物を包装袋内に充填するための充填手段と、包装袋内に充填された被包装物の重量をそれぞれ計量するための計量手段と、前記充填手段内における被包装物を検知する検知手段と、被包装物を収容した包装袋を封止するためのシール手段とを有する包装機における残留被包装物の処理方法であって、
前記検知手段によって前記充填手段内の被包装物の供給不足が検出された場合、または手動により切り替えられた場合、前記充填手段内に残留した被包装物の量で生産可能な設定数量の製品を継続して生産可能に構成され、その後、被包装物の充填が低速で行われる残量排出モードにて、前記計量手段を介して包装袋内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かが判定され、目標重量に達するうちは次位の包装袋内への充填およびシールが行われて良品として製品排出され、目標重量に達しなくなると、充填量不足のままシールが行われて不良品として製品排出されることを特徴とする包装機における残留被包装物の処理方法。
前記残量排出モードにおける、包装袋内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かの判定は、前記計量手段にて包装袋内に充填される被包装物が設定時間内に目標重量に達するか否かで判断されるものである請求項1に記載の包装機における残留被包装物の処理方法。
前記充填手段内に残留した被包装物の量で生産可能な設定数量の製品の生産中に、前記検知手段が上流からの原料供給を検出した場合は、前記残量排出モードへは移行せず、通常運転モードを継続させるものである請求項1または2に記載の包装機における残留被包装物の処理方法。
被包装物を収容する包装袋を把持するグリップ対と、包装袋を把持した前記グリップ対を複数の包装工程毎に間欠移動させるための移動体と、被包装物を包装袋内に充填するための充填手段と、包装袋内に充填された被包装物の重量をそれぞれ計量するための計量手段と、前記充填手段内における被包装物を検知する検知手段と、被包装物を収容した包装袋を封止するためのシール手段とを有する包装機であって、
前記検知手段によって前記充填手段内の被包装物の供給不足が検出された場合、または手動により切り替えられた場合、前記充填手段内に残留した被包装物の量で生産可能な設定数量の製品を継続して生産可能に構成され、その後、被包装物の充填が低速で行われる残量排出モードにて、前記計量手段を介して包装袋内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かが判定され、目標重量に達するうちは次位の包装袋内への充填およびシールが行われて良品として製品排出され、目標重量に達しなくなると、充填量不足のままシールが行われて不良品として製品排出されるように構成されていることを特徴とする包装機。
前記残量排出モードにおける、包装袋内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かの判定は、前記計量手段にて包装袋内に充填される被包装物が設定時間内に目標重量に達するか否かで判断されるように構成されている請求項5に記載の包装機。
前記充填手段内に残留した被包装物の量で生産可能な設定数量の製品の生産中に、前記検知手段が上流からの原料供給を検出した場合は、前記残量排出モードへは移行せず、通常運転モードを継続するように構成されている請求項4または5に記載の包装機。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明では、検知手段によって前記充填手段内の被包装物の供給不足が検出された場合、または自動で切り替えられた場合、残量排出モードにて、前記計量手段を介して包装袋内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かが判定され、目標重量に達するうちは次位の包装袋内への充填およびシールが行われ良品として製品排出され、目標重量に達しなくなると、充填量不足のままシールが行われて不良品として製品排出されることで、被包装物の切り替え時や生産終了時に充填手段内に残留する被包装物を使い切ることができ、排出作業が不要で清掃時間も短縮されると共に、残留被包装物は品質を保持したままリサイクルできる、包装機における残留被包装物の処理方法および包装機を実現した。
【実施例1】
【0012】
本発明の包装機における残留被包装物の処理方法を適用した包装機を
図1ないし
図11に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の包装機1は、被包装物を収容する包装袋aを把持するグリップ対2を備えた複数の爪ユニット3と、複数の爪ユニット3を着脱可能に保持すると共に複数の包装工程毎に爪ユニット3を間欠移動させるための移動体4と、移動体4から分離した複数の爪ユニット3の重量をそれぞれ計量するための計量手段5と、被包装物を包装袋a内に充填するための充填手段6と、充填手段6内における被包装物を検知する検知手段12と、被包装物を収容した包装袋aを封止するためのシール手段13とを有する包装機であって、検知手段12によって充填手段6内の被包装物の供給不足が検出された場合、または手動にて切り替えられた場合、残量排出モードS2にて、計量手段5を介して包装袋a内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かが判定され、目標重量に達するうちは次位の包装袋a内への充填およびシールが行われて良品として製品排出され、目標重量に達しなくなると、充填量不足のままシールが行われて不良品として製品排出されるように構成されている。以下、包装機1の構成と共に、包装工程の中で包装機における残留被包装物の処理方法について詳述する。
【0013】
包装機1は、
図1に示すようにロータリー式包装機であり、包装袋aを吊り下げ状に把持するグリップ対2を備えた爪ユニット3を移動体(ターンテーブル)4により間欠的に回転移動させて複数の包装工程に順次配し被包装物を包装袋a内に収容して製品化する装置である。
【0014】
この包装機1の主な包装工程は、給袋装置により袋めくり、袋受け渡しを行い包装袋aを各グリップ対2に一枚ずつ供給する給袋工程(0工程:
図3参照)、プリンターにより包装袋aの表面に賞味期限等を印字する印字工程(1工程:
図3参照)、印字検査を行うと共に包装袋aの袋上部を開く袋上開口工程(2工程:
図3参照)、充填手段6により包装袋a内に被包装物を充填する充填工程(3工程:
図3参照)、被包装物が充填された包装袋aの底部を叩いて内部の被包装物の嵩を減らし収容状態を良好にする底タタキ振動工程(4,5,6工程:
図3参照)、吹飛ばし装置により袋内面および袋口付近に付着する被包装物をエアーで吹き飛ばすための吹飛ばし工程(7工程:
図3参照)、包装袋a内に残留するエアーを排除すると共に底上げ装置により底上げを行った後、シール装置により袋口にヒートシールを施すトップシール工程(8工程:
図3参照)、ヒートシール部分を冷却した後、振分けシュートにて良品または不良品をそれぞれ系外に排出する系外排出工程(9工程:
図3参照)であり、包装機1では、包装袋aを吊り下げ状に把持したグリップ対2を備えた爪ユニット3が、移動体(ターンテーブル)4により各工程を順次間欠移動することにより、被包装物が包装袋a内に充填され包装されて、系外排出工程を経て機外に放出されるように構成されている。
【0015】
包装袋aを吊り下げ状に把持するグリップ対2を備えた爪ユニット3は、包装工程数と同数、移動体(ターンテーブル)4の周囲に着脱可能に取り付けられている。
【0016】
具体的には、移動体4には、
図6に示すように、クランプ開閉ユニット7と、クランプ開閉ユニット7のロッド7aの伸縮により開閉可能な一対のクランプ8が設けられており、このクランプ8が各爪ユニット3に設けられた係止部3aを両側から挟持することにより、移動体(ターンテーブル)の周囲に爪ユニット3が取り付けられ、他方、クランプ8を外側に向かって開き係止部3aの挟持を解除することにより、爪ユニット3が移動体4より分離可能となるように構成されている。
【0017】
計量手段5は、移動体4から分離した複数の爪ユニット3の重量をそれぞれ計量するためのものであり、
図2に示すように充填工程を行う部位に配されている。この実施例の計量手段5はロードセルにて構成されており、ロードセル5は、
図5に示すように、昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により昇降可能に構成されている。
【0018】
ロードセル5の上部には、
図5に示すように、ガイドピン9が設けられ、他方、爪ユニット3の下部にはパイプガイド11が設けられ、計量手段(ロードセル)5が昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により上昇すると、
図9に示すように、パイプガイド11内にガイドピン9が差し込まれ、移動体4から分離した爪ユニット3が持ち上げられ、爪ユニット3が計量可能に構成されている。
【0019】
充填手段6は、被包装物を包装袋a内に充填するためのものであり、充填工程を行う部位の上方に配されている。充填手段6は、
図2または
図6に示すように、ホッパー14a,14bと、包装袋a内に挿入され被包装物を包装袋a内に投入するための充填ジョーゴ6aと、充填ジョーゴ昇降ユニット6bとを有しており、被包装物の充填に際しては、
図9に示すように、充填ジョーゴ昇降ユニット6bにより充填ジョーゴ6aを下降させて包装袋a内に挿入した後、充填作業を行い、充填完了後は、
図11に示すように、充填ジョーゴ昇降ユニット6bにより充填ジョーゴ6aを上昇させて包装袋aから引き抜かれるよう構成されている。
【0020】
検知手段12は、充填手段6内における被包装物の供給不足を検知するためのものであり、この実施例では、
図2に示すように、充填手段6のホッパー14aに取り付けられており、検知手段(レベルセンサー)12に被包装物が接触しなくなると(ホッパー14a内の被包装物が一定レベル未満になると)、被包装物の不足として信号を検出して制御部(包装機メインCPU)15に伝達するように構成されている。また、シール手段13(
図3の8工程参照)は被包装物を収容した包装袋aを封止するためのものである。
【0021】
そして、この包装機1において、運転をスタートすると、
図4の左側フローに示すように、包装工程に先立って、複数の爪ユニット3がそれぞれ移動体4にて順次間欠移動され、複数の爪ユニット3の重量が予め計量手段5にてそれぞれ計量されて、個々の爪ユニット3の重量データがそれぞれ取得される。
【0022】
具体的には、包装機1を起動させると、移動体4が間欠的に回転して充填工程に至った爪ユニット3は、移動体4のクランプ8から開放されて移動体4から分離可能な状態になる。それと同時に、計量手段(ロードセル)5が昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により上昇して爪ユニット3を上昇させる。この状態で爪ユニット3は計量手段(ロードセル)5にて重量測定されて爪ユニット3の重量データは包装機1の制御部15に格納される。
【0023】
このような充填工程における動作は、包装機1の制御部15が測定開始信号をロードセルコントローラに送信すると、計量手段(ロードセル)5が爪ユニット3の重量測定を行い、爪ユニット3の重量データが測定完了信号と共にロードセルコントローラから包装機1の制御部15へ送信されて格納されることにより行われる。また、包装機1の制御部15は、サーボアンプに昇降指令および昇降量を送信すると、昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により、計量手段(ロードセル)5および爪ユニット3が昇降し、計量手段(ロードセル)5が爪ユニット3を持ち上げた状態で、爪ユニット3の重量が測定され、爪ユニット3の重量データが得られるよう制御する。
【0024】
一つの爪ユニット3の重量データの測定および包装機1の制御部15への格納が完了すると、爪ユニット3は計量手段(ロ−ドセル)5と共に昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により降下し、クランプ8に捕捉されて移動体4に取り付けられる。
【0025】
移動体4は、間欠的に回転して次位の爪ユニット3を充填工程に搬送して、包装袋aを備えた爪ユニット3の重量データの測定および包装機1の制御部15への格納が行われる。このような動作を繰り返して、全ての爪ユニット3の重量データの測定および包装機1の制御部15への格納が行われる。これにより、移動体4が一回転するとすべての爪ユニット3の重量データが取得される。
【0026】
その後、爪ユニット3を保持した移動体4が間欠回転することにより、複数の包装工程が順次行われる。具体的には、
図4の左側フローに示すように、給袋工程と印字工程を経て、印字検査を行うと共に包装袋aの袋上部を開く袋上開口工程では、印字検査・開口検査でNGとなった場合は、充填、シール等をキャンセルして系外排出され、OKとなった場合は充填工程へ移動する。
【0027】
充填工程では、それぞれ爪ユニット3毎の目標重量データ(包装袋aの重量+爪ユニットの重量+被包装物の充填量)に基づき、以下のように、当該爪ユニット3の重量が目標重量になるまで充填手段6により被包装物が包装袋a内に充填されて正味充填が行われる。
【0028】
正味充填では、充填する包装袋aの上端が開口した状態(
図8の状態)で、まず、
図9に示すように被包装物内に充填ジョーゴ6aが挿入されて大投入充填が開始される。大投入を開始した後、
図10に示すように爪ユニット3を上昇させ充填量を測定し、大投入が完了したら小投入充填を開始する。小投入充填の途中から計量手段5にて重量測定を開始し、目標重量に達したら小投入を中止し、
図11に示すように、充填ジョーゴ6aを上昇させて包装袋a内から抜去する一方、爪ユニット3を下降させて正味充填作業は完了する。
【0029】
なお、このような充填工程における動作は、包装機1の制御部15が各部を制御することにより行なわれる。具体的には、包装機1の制御部が測定開始信号および目標重量データをロードセルコントローラに送信すると、計量手段(ロードセル)5が重量測定を行い、ロードセルコントローラに予め送信されている目標重量データとの比較を行い、一致を確認できた時点で、計測重量データが測定完了信号と共にロードセルコントローラから制御部に送信される。また、包装機1の制御部15は、サーボアンプに昇降指令および昇降量を送信すると、昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により、計量手段(ロードセル)5および爪ユニット3が昇降し、計量手段(ロードセル)5が爪ユニット3を持ち上げた状態で、爪ユニット3の重量が測定され、爪ユニット3の計測重量データが得られるよう制御する。さらに、包装袋aへの充填制御は、包装機1の制御部15から充填手段6(充填機)へ充填指令が送信されることにより行われる。
【0030】
充填工程にて正味充填が行われた包装袋aは、その後、底タタキ振動工程(4,5,6工程:
図3参照)、吹飛ばし工程(7工程:
図3参照)、トップシール工程(8工程:
図3参照)を経た後、冷却シールされ、良品または不良品として系外排出される(
図4の左側フロー)。
【0031】
他方、本発明の包装機1では、被包装物の切り替え時や生産終了時などに、検知手段12によって充填手段6内の被包装物の不足が検出された場合、または手動により切り替えられると、
図4のS1に移行し、制御部15は充填手段6内に残留した被包装物の量で生産可能な設定袋数Nの製品を継続して生産するように各部を制御し、その後、前記残量排出モードS2へ移行するように制御する。
【0032】
具体的には、検知手段12によって充填手段6内の被包装物の供給不足が検出されると、または手動により切り替えられると、予め入力された設定袋数NのカウントがスタートしてN袋の製品の生産を継続する。そして、カウントが終了(カウントアップ)してN袋の製品が生産されると、残量排出モードS2へ移行する。このように、検知手段12によって充填手段6内の被包装物の供給不足が検出された場合、または手動により切り替えられた場合でも、すぐに残量排出モードへ移行するのではなく、充填手段6内に残留した被包装物の量で生産可能な設定数量の製品を通常運転モードの状態で生産することによって、より迅速かつ効率的に残留被包装物の処理を行うことができる。だたし、この実施例では、手動にて切り替えられた場合、直接、残量排出モードS2へ移行することができるようにも設定されている。
【0033】
なお、
図4のS1に移行し、充填手段6内に残留した被包装物の量で生産可能な設定数量Nの製品の生産中に、検知手段12が上流からの原料供給を検出した場合は、残量排出モードS2へは移行せず、通常運転モードを継続するように構成されている。これにより、検知手段12による供給不足の検出が一時的なものであった場合、残量排出モードS2へ移行してしまうことが防止される。
【0034】
そして、残量排出モードS2においては、計量手段5を介して包装袋a内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かが判定され、目標重量に達するうちは次位の包装袋a内への充填およびシールが行われて良品として製品排出され、目標重量に達しなくなると、充填量不足のままシールが行われて不良品として製品排出されるように構成されている。これにより、被包装物の切り替え時や生産終了時に充填手段内に残留する被包装物を使い切ることができ、別段の排出作業が不要で清掃時間も短縮されると共に、残留被包装物は充填量不足のままシールが行われて不良品として製品排出されるため、品質を保持したままリサイクルできる。
【0035】
具体的には、残量排出モードS2では、
図4に示すように、制御部15が充填スクリューを回転させるサーボモーターを制御して、充填手段6(オーガー充填機)の充填スクリューの回転スピードを低速にすることで被包装物の充填が低速で行われる。
【0036】
残量排出モードS2に移行すると、包装機1の運転がスタートし、給袋工程、印字工程、開口・印字検査工程の後、充填工程(正味充填)が行われる。
【0037】
正味充填は、充填する包装袋aの上端が開口した状態(
図8の状態)で、まず、
図9に示すように被包装物内に充填ジョーゴ6aが挿入されて大投入充填が開始される。大投入を開始した後、
図10に示すように爪ユニット3を上昇させ充填量を測定し、大投入が完了したら小投入充填を開始する。小投入充填の途中から計量手段5にて重量測定を開始し、目標重量(包装袋aの重量+爪ユニットの重量+被包装物の充填量)に達したら小投入を中止し、
図11に示すように、充填ジョーゴ6aを上昇させて包装袋a内から抜去する一方、爪ユニット3を下降させて正味充填作業が完了する。
【0038】
残量排出モードS2における充填工程で正味充填が行われた包装袋aは、その後、底タタキ振動工程(4,5,6工程:
図3参照)、吹飛ばし工程(7工程:
図3参照)、トップシール工程(8工程:
図3参照)を経た後、冷却シールされ、良品として系外排出される。
【0039】
残量排出モードS2における充填工程で目標重量に達するうちは、ホッパー14内の原料が残っていると判断して、給袋工程、印字工程、開口・印字検査工程の後、充填工程が繰り返し行われる。
【0040】
他方、残量排出モードS2における充填工程で目標重量に達しなかった場合は、ホッパー内の原料は全て使用したと判断して生産を終了すると共に、充填未完了のまま、爪ユニット3は降下し、底タタキ振動工程(4,5,6工程:
図3参照)、吹飛ばし工程(7工程:
図3参照)、トップシール工程(8工程:
図3参照)を経た後、冷却シールされ、不良品として系外排出される。そして、充填未完了の状態でトップシールされた包装袋a内の被包装物は、包装袋a内で品質が保持されるためリサイクルすることができる。
【0041】
なお、残量排出モードS2における、包装袋a内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かの判定は、タイマーを介して、計量手段5にて包装袋a内に充填される被包装物が設定時間M内に目標重量に達するか否かで判断されるように構成されている。これにより、残量排出モードS2における、包装袋a内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かの判定を、より簡素な構成で容易かつ確実に行うことができる。ただし、設定時間M内に目標重量に達するか否かを判定する際に使用されるのはタイマーに限定されず、例えば設定パルス数内に目標重量に達するか否かで判定するものなどでもよい。
【実施例2】
【0042】
つぎに、
図12ないし
図15に示した本発明の他の実施例の包装機20について説明する。なお、前述した包装機1と同一構成部分については同一符号を付すと共に、包装機1と同一構成部分を示した図面については包装機1の図面を用いて説明する。
【0043】
この実施例の包装機20は、被包装物を収容する包装袋aを把持するグリップ対2を備えた複数の爪ユニット3と、複数の爪ユニット3を着脱可能に保持すると共に複数の包装工程毎に爪ユニット3を間欠移動させるための移動体4と、移動体4から分離した複数の爪ユニット3の重量をそれぞれ計量するための計量手段5と、被包装物を包装袋a内に充填するための充填手段6と、充填手段6内における被包装物を検知する検知手段12と、被包装物を収容した包装袋aを封止するためのシール手段13と有し、前記充填手段6は、被包装物を包装袋a内に充填するための粗充填用オーガー充填機26と、被包装物を包装袋a内に充填するための補正充填用オーガー充填機27とを備える包装機であって、検知手段12によって充填手段6内の被包装物の供給不足が検出された場合、または手動にて切り替えられた場合、残量排出モードにて、計量手段5を介して包装袋a内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かが判定され、目標重量に達するうちは次位の包装袋a内への充填およびシールが行われて良品として製品排出され、目標重量に達しなくなると、充填量不足のままシールが行われて不良品として製品排出されるように構成されている。以下、包装機の構成と共に、包装工程の中で包装機における残留被包装物の処理方法について詳述する。
【0044】
包装機20は、
図12に示すようにロータリー式包装機であり、包装袋aを吊り下げ状に把持するグリップ対2を備えた爪ユニット3を移動体(ターンテーブル)4により間欠的に回転移動させて複数の包装工程に順次配し被包装物を包装袋a内に収容して製品化する装置である。
【0045】
この包装機20の主な包装工程は、給袋装置により袋めくり、袋受け渡しを行い包装袋aを各グリップ対2に一枚ずつ供給する給袋工程(0工程:
図14参照)、プリンターにより包装袋aの表面に賞味期限等を印字する印字工程(1工程:
図14参照)、印字検査を行うと共に包装袋aの袋上部を開く袋上開口工程(2工程:
図14参照)、包装袋aの底部を叩き振動を与えながら粗充填用オーガー充填機26により包装袋a内に被包装物を充填する充填工程(3工程:
図14参照)、被包装物が充填された包装袋aの底部を叩いて内部の被包装物の嵩を減らし収容状態を良好にする底タタキ振動工程(4工程:
図14参照)、インラインチェッカーにて計量する計量工程(5工程:
図14参照)、計量により判明した不足分の被包装物を補正充填用オーガー充填機27により包装袋a内に充填する補正充填工程(6工程:
図14参照)、吹飛ばし装置により袋内面および袋口付近に付着する被包装物をエアーで吹き飛ばすための吹飛ばし工程(7工程:
図14参照)、包装袋a内に残留するエアーを排除すると共に底上げ装置により底上げを行った後、シール装置により袋口にヒートシールを施すトップシール工程(8工程:
図14参照)、ヒートシール部分を冷却した後、振分けシュートにて良品または不良品をそれぞれ系外に排出する系外排出工程(9工程:
図14参照)であり、包装機20では、包装袋aを吊り下げ状に把持したグリップ対2を備えた爪ユニット3が、移動体(ターンテーブル)4により各工程を順次間欠移動することにより、被包装物が包装袋a内に充填され包装されて、系外排出工程を経て機外に放出されるように構成されている。
【0046】
包装袋aを吊り下げ状に把持するグリップ対2を備えた爪ユニット3は、包装工程数と同数、移動体(ターンテーブル)4の周囲に着脱可能に取り付けられている。
【0047】
具体的には、移動体4には、
図6に示すように、クランプ開閉ユニット7と、クランプ開閉ユニット7のロッド7aの伸縮により開閉可能な一対のクランプ8が設けられており、このクランプ8が各爪ユニット3に設けられた係止部3aを両側から挟持することにより、移動体(ターンテーブル)の周囲に爪ユニット3が取り付けられ、他方、クランプ8を外側に向かって開き係止部3aの挟持を解除することにより、爪ユニット3が移動体4より分離可能となるように構成されている。
【0048】
計量手段5は、移動体4から分離した複数の爪ユニット3の重量をそれぞれ計量するためのものであり、
図13に示すように充填工程において補正充填用オーガー充填機27の下方付近に配されている。この実施例の計量手段5はロードセルにて構成されており、ロードセル5は、
図5に示すように、昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により昇降可能に構成されている。
【0049】
ロードセル5の上部には、
図5に示すように、ガイドピン9が設けられ、他方、爪ユニット3の下部にはパイプガイド11が設けられ、計量手段(ロードセル)5が昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により上昇すると、
図9に示すように、パイプガイド11内にガイドピン9が差し込まれ、移動体4から分離した爪ユニット3が持ち上げられ、爪ユニット3が計量可能に構成されている。
【0050】
充填手段6は、被包装物を包装袋a内に充填するためのものであり、充填工程を行う部位の上方に配されている。充填手段6は、
図6または
図13に示すように、包装袋a内に挿入され被包装物を包装袋a内に投入するための充填ジョーゴ6aと、充填ジョーゴ昇降ユニット6bと、ホッパー24と、被包装物を包装袋a内に充填するための粗充填用オーガー充填機26と、被包装物を包装袋a内に充填するための補正充填用オーガー充填機27とを有しており、被包装物の充填に際しては、
図9に示すように、充填ジョーゴ昇降ユニット6bにより充填ジョーゴ6aを下降させて包装袋a内に挿入した後、充填作業を行い、充填完了後は、
図11に示すように、充填ジョーゴ昇降ユニット6bにより充填ジョーゴ6aを上昇させて包装袋aから引き抜かれるよう構成されている。
【0051】
検知手段12は、充填手段6内における被包装物の供給不足を検知するためのものであり、この実施例では、
図13に示すように、充填手段6のホッパー24に取り付けられており、検知手段(レベルセンサー)12に被包装物が接触しなくなると(ホッパー24内の被包装物が一定レベル未満になると)、被包装物の不足として信号を検出して制御部(包装機メインCPU)15に伝達するように構成されている。また、シール手段13(
図14の8工程参照)は被包装物を収容した包装袋aを封止するためのものである。
【0052】
そして、この包装機20において、運転をスタートすると、
図15の左側フローに示すように、包装工程に先立って、複数の爪ユニット3がそれぞれ移動体4にて順次間欠移動され、複数の爪ユニット3の重量が予め計量手段5にてそれぞれ計量されて、個々の爪ユニット3の重量データがそれぞれ取得される。
【0053】
具体的には、包装機20を起動させると、移動体4が間欠的に回転して充填工程に至った爪ユニット3は、移動体4のクランプ8から開放されて移動体4から分離可能な状態になる。それと同時に、計量手段(ロードセル)5が昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により上昇して爪ユニット3を上昇させる。この状態で爪ユニット3は計量手段(ロードセル)5にて重量測定されて爪ユニット3の重量データは包装機20の制御部15に格納される。
【0054】
このような動作は、包装機20の制御部15が測定開始信号をロードセルコントローラに送信すると、計量手段(ロードセル)5が爪ユニット3の重量測定を行い、爪ユニット3の重量データが測定完了信号と共にロードセルコントローラから包装機20の制御部15へ送信されて格納されることにより行われる。また、包装機20の制御部15は、サーボアンプに昇降指令および昇降量を送信すると、昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により、計量手段(ロードセル)5および爪ユニット3が昇降し、計量手段(ロードセル)5が爪ユニット3を持ち上げた状態で、爪ユニット3の重量が測定され、爪ユニット3の重量データが得られるよう制御する。
【0055】
一つの爪ユニット3の重量データの測定および包装機20の制御部15への格納が完了すると、爪ユニット3は計量手段(ロ−ドセル)5と共に昇降手段(爪ユニット昇降サーボモータ)10により降下し、クランプ8に捕捉されて移動体4に取り付けられる。
【0056】
移動体4は、間欠的に回転して次位の爪ユニット3を充填工程に搬送して、包装袋aを備えた爪ユニット3の重量データの測定および包装機20の制御部15への格納が行われる。このような動作を繰り返して、全ての爪ユニット3の重量データの測定および包装機20の制御部15への格納が行われる。これにより、移動体4が一回転するとすべての爪ユニット3の重量データが取得される。
【0057】
その後、爪ユニット3を保持した移動体4が間欠回転することにより、複数の包装工程が順次行われる。具体的には、
図15の左側フローに示すように、給袋工程と印字工程を経て、印字検査を行うと共に包装袋aの袋上部を開く袋上開口工程では、印字検査・開口検査でNGとなった場合は、充填、シール等をキャンセルして系外排出され、OKとなった場合は充填工程へ移動する。
【0058】
充填工程では、粗充填用オーガー充填機26の充填用スクリューをサーボモーターで所定の回転角度(目標パルス数)だけ回転させて粗充填が行われる。その後、底タタキ振動工程を経てインラインチェッカーにて充填量が測定され、補正充填工程において補正充填用オーガー充填機27の充填用スクリューをサーボモーターで回転させて補正充填が行われる。
【0059】
被包装物の充填が行われた包装袋aは、その後、吹飛ばし工程(7工程:
図14参照)、トップシール工程(8工程:
図14参照)を経た後、冷却シールされ、良品または不良品として系外排出される(
図15の左側フロー)。
【0060】
他方、本発明の包装機20では、被包装物の切り替え時や生産終了時などに、検知手段12によって充填手段6内の被包装物の供給不足が検出された場合、手動にて切り替えられた場合は、
図15のS3に移行し、制御部15は、充填手段6内に残留した被包装物の量で生産可能な設定袋数Nの製品を通常運転モードで生産するように各部を制御し、その後、前記残量排出モードS4へ移行するように制御する。
【0061】
具体的には、検知手段12によって充填手段6内の被包装物の供給不足が検出されると、または、手動にて切り替えられると、予め入力された設定袋数NのカウントがスタートしてN袋の製品の生産を継続する。そして、カウントが終了(カウントアップ)してN袋の製品が生産されると、残量排出モードS4へ移行する。このように、検知手段12によって充填手段6内の被包装物の不足が検出された場合、または手動にて切り替えられた場合でも、すぐに残量排出モードへ移行するのではなく、充填手段6内に残留した被包装物の量で生産可能な設定数量の製品を通常運転モードの状態で生産することによって、より迅速かつ効率的に残留被包装物の処理を行うことができる。だたし、この実施例では、手動にて切り替えられた場合、直接、残量排出モードS4へ移行することができるようにも設定されている。
【0062】
なお、検知手段12によって充填手段6内の被包装物の供給不足が検出されて、
図15のS3に移行し、充填手段6内に残留した被包装物の量で生産可能な設定数量Nの製品の生産中に、検知手段12が上流からの原料供給を検出した場合は、残量排出モードS4へは移行せず、通常運転モードを継続するように構成されている。これにより、検知手段12による供給不足の検出が一時的なものであった場合に残量排出モードS4へ移行してしまうことが防止される。
【0063】
そして、残量排出モードS4においては、計量手段5を介して包装袋a内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かが判定され、目標重量に達するうちは次位の包装袋a内への充填およびシールが行われて良品として製品排出され、目標重量に達しなくなると、充填量不足のままシールが行われて不良品として製品排出されるように構成されている。これにより、被包装物の切り替え時や生産終了時に充填手段内に残留する被包装物を使い切ることができ、別段の排出作業が不要で清掃時間も短縮されると共に、残留被包装物は充填量不足のままシールが行われて不良品として製品排出されるため、品質を保持したままリサイクルできる。
【0064】
具体的には、残量排出モードS4では、包装機20の運転モードが通常運転モードから待機運転に変更されるとともに、制御部15が充填スクリューを回転させるサーボモーターを制御して、粗充填用オーガー充填機26と補正充填用オーガー充填機27の充填スクリューの回転スピードを低速にすることで被包装物の充填が低速で行われる。
【0065】
残量排出モードS4に移行すると、包装機20の運転がスタートし、給袋工程、印字工程、開口・印字検査工程の後、充填工程が行われる。
【0066】
充填工程では、粗充填用オーガー充填機26の充填用スクリューをサーボモーターで所定の回転角度(目標パルス数)だけ回転させて粗充填が行われる。その後、底タタキ振動工程を経て、インラインチェッカーによる充填量の測定はキャンセルされ、補正充填用オーガー充填機27にて正味充填が行われる。
【0067】
正味充填は、爪ユニット3が上昇されて粗充填量が測定された後、
図9に示すように被包装物内に充填ジョーゴ6aが挿入されて大投入充填が開始される。大投入にて大投充填目標重量に達したら小投入充填が開始される。小投入充填により目標重量(包装袋aの重量+爪ユニットの重量+被包装物の充填量)に達したら小投入を中止し、
図11に示すように、充填ジョーゴ6aを上昇させて包装袋a内から抜去する一方、爪ユニット3を下降させて正味充填作業が完了する。
【0068】
残量排出モードS4において正味充填が行われた包装袋aは、その後、吹飛ばし工程(7工程:
図14参照)、トップシール工程(8工程:
図14参照)を経た後、冷却シールされ、良品として系外排出される。
【0069】
残量排出モードS4における上記充填工程で目標重量に達するうちは、ホッパー14内の原料が残っていると判断して、給袋工程、印字工程、開口・印字検査工程の後、充填工程が繰り返し行われる。
【0070】
他方、残量排出モードS4における充填工程で目標重量に達しなかった場合(粗充填用オーガー充填機26からの充填と補正充填用オーガー充填機27からの充填でも目標重量に達しない場合)は、充填未完了のまま、爪ユニット3は降下し、吹飛ばし工程(7工程:
図14参照)、トップシール工程(8工程:
図14参照)を経た後、冷却シールされ、不良品として系外排出される。そして、粗充填用オーガー充填機26からの充填と補正充填用オーガー充填機27からの充填で目標重量に達しない不良品が生産される間は、充填未完了のままシールされ、不良品として系外排出される。充填未完了の状態でトップシールされた包装袋a内の被包装物は、包装袋a内で品質が保持されるためリサイクルすることができる。
【0071】
なお、残量排出モードS4における、包装袋a内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かの判定は、計量手段5にて包装袋a内に充填される被包装物が設定時間M内に目標重量に達するか否かで判断されるように構成されている。これにより、残量排出モードS4における、包装袋a内に充填される被包装物が目標重量に達するか否かの判定を、より簡素な構成で容易かつ確実に行うことができる。ただし、設定時間M内に目標重量に達するか否かを判定する際に使用されるのはタイマーに限定されず、例えば設定パルス数内に目標重量に達するか否かで判定するものなどでもよい。
【0072】
また、上記各実施例はロータリー方式の包装機であるが、公知の直線移動方式の包装機に本発明の包装機における残留被包装物の処理方法を適用した包装機も本発明の範疇に包含される。