(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の流体が流れうる高温回路と呼ばれる第1の回路(1)と、前記第1の流体の温度より低温で第2の流体が流れうる低温回路と呼ばれる第2の回路(2)と、温度勾配の存在下で電流を発生させるために使用されうる熱電素子と呼ばれる素子(3、3p、3n)とを備える熱電装置であって、
前記高温回路(1)および/または前記低温回路(2)と熱交換関係にあるフィン(5f、6f、6c)を備え、
前記熱電素子(3、3p、3n)が、少なくとも前記フィン(5f、6f、6c)と接触状態にあり、
前記フィンが、前記熱電素子によって発生される電流を伝導するためのトラック(32)を有し、
前記フィン(5f、6f、6c)は、金属材料で作られており2つの面(30a、30b)を有するコア(30)を有し、
前記コアの面(30a、30b)の少なくとも1つの面上に熱伝導性を有し電気絶縁性である基板(31)がコーティングされ、
前記トラック(32)が、前記コア(30)と接触状態にある前記基板の前記面(31a)とは反対の前記基板の面(31b)上に設けられ、
前記フィン(5f、6f、6c)は、前記高温回路(1)の延伸する方向および前記低温回路(2)の延伸する方向の少なくとも一方と直交する平面に配設され、
前記フィン(5f、6f、6c)が、対になってグループ化され、
前記同一の対の前記フィンの間に圧縮性材料(11)が設けられ、
前記フィンが、前記圧縮性材料(11)と接触状態にあるものとは反対の面にのみトラック(32)を有する、
熱電装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、第1の流体が流れうる高温回路と呼ばれる第1の回路と、第1の流体の温度より低温で第2の流体が流れうる低温回路と呼ばれる第2の回路と、温度勾配の存在下で電流を発生させるために使用されうる熱電素子と呼ばれる素子とを備える熱電装置を提案することによってこの状況を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、熱電装置は、前記高温回路および/または前記低温回路と熱交換関係にあるフィンを備え、前記熱電素子は、少なくとも前記フィンと接触状態にある。
【0008】
熱電素子とフィンとを関連付けることによって、温度勾配にさらされるのに必要である熱電素子と熱電装置の高温および/または低温のコンポーネントとの間の接触の親密性が促される。実際、熱電要素とコンポーネントとの間に密接な連結を確立し、動作に必要な温度勾配を生じさせる必要性は、流体循環パイプによってではなく、特定のコンポーネントであるフィンが担い、したがって、少なくとも前記高温または低温回路の1つに対して選択が可能である。したがって、一方では、フィンとパイプの間、他方では、フィンと熱電要素との間の効果的な熱ブリッジを確立するために使用される技術的解決策は、別々に最適化できるようになる。
【0009】
本発明によれば、前記フィンが、前記熱電素子によって発生された電流を伝導するためのトラックを有するように設けられる。このようにして、熱電素子の各々によって発生される電流をフィンの表面に流す方法を操作する自由度が高く、所望のトポロジーを有する回路に電流伝導トラックをグループ化することが可能になる。
【0010】
異なる実施形態によれば、
−フィンは、2つの面が設けられ、コアの面の少なくとも1つの面上に熱伝導性および電気絶縁性基板がコーティングされた金属材料で作られたコアを有し、前記トラックは、コアと接触状態にある基板の面とは反対の基板の面上に設けられ、
−基板は、セラミック材料製であり、
−トラックは、銅製であり、
−前記トラックは、接続端子を形成するためにフィンの周囲まで延伸し、
−前記フィンの少なくともいくつかの間に電気コネクタが設けられ、前記コネクタは、前記端子に連結された熱電素子が同じ電位に設定可能であるように前記接続端子に連結され、
−前記フィンは、対になってグループ化され、同一の対のフィンの間に圧縮性材料が設けられ、前記フィンは、圧縮性材料と接触状態にあるものと反対の面にのみトラックを有する。
【0011】
フィン間に圧縮性材料を設けることによって、前記圧縮性材料で、パイプの熱膨張によって発生する機械的応力が吸収可能になる解決策が得られる。これにより、熱電要素への熱膨張の伝播が防止される。前記圧縮性材料は、電気的に絶縁性でありうる。
【0012】
第1の実施形態によれば、
−高温回路は、高温流体を循環するための高温パイプと呼ばれるパイプを備え、
−前記低温回路は、低温流体を循環するための低温パイプと呼ばれるパイプを備え、
−低温フィンと呼ばれる前記フィンは、低温パイプと熱交換関係にあり、
−熱電素子は、一方で、高温パイプと熱交換関係にあり、他方で、低温フィンと熱交換関係にある。
【0013】
この実施形態によれば、高温パイプには、前記熱電素子によって発生される電流を伝導するためのトラックが設けられうる。
【0014】
別の実施形態によれば、
−前記高温回路は、高温流体を循環するための高温パイプと呼ばれるパイプを備え、
−前記低温回路は、低温流体を循環するための低温パイプと呼ばれるパイプを備え、
−1つの部分に対して、低温フィンと呼ばれる前記フィンは、前記低温パイプと熱交換関係にあり、
−もう1つの部分に対して、高温フィンと呼ばれる前記フィンは、前記高温パイプと熱交換関係にあり、
−前記熱電素子は、一方で、低温フィンと熱交換関係に設けられ、他方で、高温フィンと熱交換関係に設けられる。
この実施形態のさまざまな例示的な実施例によれば、
−低温フィンは、低温対と呼ばれる対になってグループ化され、前記圧縮性材料は、同一の対のフィン間に設けられ、
−低温フィンおよび高温フィンは、それぞれ、低温対、高温対と呼ばれる対になってグループ化され、前記圧縮性材料は、低温対および高温対の同一の対のフィン間に設けられる。
【0015】
さらに、
−低温回路と熱交換関係にあるフィンのトラックにろう付けされる熱電素子と、
−高温パイプまたは高温パイプのトラックと熱交換関係にあるフィンのトラックに接合される熱電素子とを提供可能である。
【0016】
以下、本発明は、指示として単に与えられ、添付の図面を伴うことで、本発明に制限を課すことを意図したものではない以下の記載の点からより深く理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1から
図4に示すように、本発明は、第1の流体、特に、エンジンからの排気ガスが流れうる高温回路と呼ばれる第1の回路1と、第1の流体の温度より低温で第2の流体、特に、冷却回路の熱伝達流体が流れうる低温回路と呼ばれる第2の回路2とを備える熱電装置に関する。
【0019】
また、熱電装置は、温度勾配の存在下において電流を発生することが可能な熱電素子と呼ばれる素子3を備える。
【0020】
これらの素子は、例えば、活性面と呼ばれる2つの対向面4a、4b間にある前記温度勾配にさらされると、ゼーベック効果によって、電流を発生させる実質的に平行六面体の形の素子である。このような素子により、前記活性面4a、4bの間に接続された負荷に電流を生じることができる。当業者に知られているように、このような素子は、例えば、テルル化ビスマス(Bi
2Te
3)からなる。
【0021】
熱電素子は、1つの部分に対して、熱電素子が所与の温度勾配にさらされると、正と呼ばれる一方向に電位差を確立することが可能である、P型と呼ばれる第1のタイプの素子3pであり、もう1つの部分に対して、同じ温度勾配にさらされると、負と呼ばれる反対方向に電位差を生じることが可能である、N型と呼ばれる第2のタイプの素子3nである。
【0022】
また、熱電装置は、前記高温回路および/または前記低温回路と熱交換関係にあるフィン5f、6c、6fを備える。このようにして、前記フィンの間、または前記回路の一方および他方の回路と熱交換関係にあるフィンの間に温度勾配が確保される。また、前記フィン5f、6c、6fも、特に、熱電素子の活性面4a、4bで熱電素子3p、3nと接触状態にある。言い換えれば、熱電素子は、2つのフィンの間か、または回路の一方および他方の回路と熱交換関係にあるフィンのそれぞれの間のいずれかに配設される。このようにして、熱電素子3、3p、3nによる電流発生が確保される。
【0023】
したがって、本発明によれば、少なくとも回路の1つに対して、熱電要素と熱的接触を確立する機能を果たすのは、フィン5f、6c、6fである。
【0024】
フィンは、幅および長さに比べて非常に薄い厚さを有する2つの大きな平坦な対向面7a、7bを有する素子であり、例えば、前記大きな表面7aの1つと、電流を発生させるために温度勾配にさらされる面4a、4bの対向面上にある熱電素子3p、3nとの間に表面接触を確立できることを理解されたい。
【0025】
さらに、
図2aにさらに詳しく示されているように、前記フィン5fは、前記熱電素子3p、3nによって発生される電流を伝導するためのトラック32を有する。このようにして、トラック32を直列および/または並列にグループ化することによって、任意の所望の回路トポロジーに従って、フィンの表面に電流を伝導することが可能である。
【0026】
明らかに、トラック32は、
図2の実施形態に関連してのみ表されているが、本発明により、例示した他の実施形態のフィン6f、6cにも存在し、以下の特徴がこれらのフィンに適用されうる。
【0027】
フィン5fは、例えば、2つの面30a、30bが設けられた金属材料のコア30を有する。コア30は、コアの面30a、30bの少なくとも1つの面上に熱伝導性および電気絶縁性基板がコーティングされる。コアは、例えば、アルミニウム製またはアルミニウム合金製である。
【0028】
基板は、例えば、電気絶縁性および熱伝導性に対して選択されたセラミック材料で作られる。基板は、数マイクロメートルの厚さのアルミニウムタイプ(Al
2O
3)のセラミック層でありうる。トラック32は、特に、銅製である。
【0029】
前記トラック32は、接続端子を形成するためにフィン5fの周囲まで延伸することができ、接続端子は、例えば、前記フィン5f、6f、6cの少なくともいくつかの間に設けられた電気コネクタ33(特に、
図2に示す)の接続を可能にする。このようにして、前記端子を有するフィン、または、より詳細には、前記端子に連結された前記フィンのトラックと接触状態の熱電素子を同じ電位に設定できる。
【0030】
再度、
図1および
図2を参照すると、前記フィン5f、6c、6fの少なくともいくつかが、対になって関連付けられ、同一の対のフィンの間に圧縮性材料11が設けられることが観察される。このようにして、前記材料のレベルで高温および/または低温回路の熱膨張により発生した機械応力の吸収を確保することが可能になる。
【0031】
このようにして、対になって関連付けられた前記フィンは、圧縮性材料11と接触状態にあるものとは反対の面にのみトラック32を有する。
【0032】
各対において、フィン5f、6c、6fは、例えば、同一の寸法を有し、互いに対して平行に配設され、フィン5の一方の大きな面7bの1つが、対のフィンの他方の大きな面7bの1つと対面するように配設される。前記圧縮性材料11は、電気的に絶縁性でありうる。
【0033】
以下、
図2の実施形態をさらに詳細に参照すると、高温回路が、高温流体を循環するための高温パイプと呼ばれるパイプ8を備えることが観察される。低温回路に関して、低温回路は、低温流体を循環するための低温パイプと呼ばれるパイプ9を備える。低温フィンと呼ばれるフィン5fは、低温パイプ9と熱交換関係にある。また、熱電素子3p、3nは、一方で、高温パイプ8と熱交換関係にあり、他方で、低温フィン5fと熱交換関係にある。前記低温フィン5fは、対になってグループ化され、同一の対のフィンの間に前記圧縮性材料11が設けられる。
【0034】
前記高温パイプ8は、例えば、2つの大きな平行対向面10a、10bを備える実質的に平坦なパイプであり、これらの対向面上に、活性面4a、4bの1つによって熱電素子3p、3nが配設される。高温パイプは、排気ガスを循環できるように構成され、特に、ステンレス鋼製のものである。高温パイプは、例えば、プロファイル加工、溶接および/またはろう付けによって形成される。高温パイプは、第1の流体を通過させるための複数のチャネルを有することができ、複数のチャネルは、パイプの対向する平坦な面を連結する仕切りによって分離される。
【0035】
図2aに示されているように、高温パイプ8には、前記熱電素子によって発生される電流を伝導するためのトラック34が設けられる。より詳細には、ここでは、高温パイプ8は、前記大きな面10a、10b上に電気絶縁性および熱伝導性材料層35、例えば、セラミック層が被覆され、高温パイプ8には、高温パイプの面10a、10bの各々に対して、例えば、銅製であり、高温パイプ8上に配設された熱電素子のすべてまたは一部を直列および/または並列に連結する前記トラック34が設けられる。
【0036】
低温フィン5fは、例えば、低温パイプ9を通すためのオリフィス12を有する。前記低温パイプは、例えば、アルミニウム製または銅製であり、円形および/または楕円形の断面を有する。
【0037】
パイプ9と低温フィン5fとの間の接触は、例えば、自動車の熱交換器の分野において機械的交換器として知られている熱交換器のように、パイプの材料の膨張によって生じる。
【0038】
例示した実施形態によれば、高温パイプ8の各平坦な面10a、10bは、隣接低温フィンと呼ばれる少なくとも2つの、いわゆる、低温フィン5f−p、5f−nに関連付けられ、低温フィンは、前記平坦な面と対面して設けられ、互いに電気的に絶縁される。前記2つの隣接フィン5f−p、5f−nの間に電位差を生じるように、P型フィンと呼ばれる前記隣接フィンの一方のフィン5f−pと、前記平坦な面の1つとの間に設けられた熱電素子はP型のものであり、N型フィンと呼ばれる前記2つのフィンの他方のフィン5f−nと前記平坦な面との間に設けられる熱電素子はN型のものである。
【0039】
低温フィン5f−p、1つ以上のP型熱電素子、高温パイプ8の面10aまたは10b、1つ以上のN型熱電素子および低温フィン5f−nからなるこのサブアセンブリは、再現可能である基本構成要素を規定し、この基本構成要素は、所望の強度および/または電位差を呈する電流を発生できるように異なる方法で並列および/または直列に電気的に組み立てられる。
【0040】
以下、上述した基本構成要素の第1のアセンブリをもたらす、所与の高温パイプ8と対面する熱電素子3p、3nと、対応するように設けられた低温フィン5fとの配列の例示的な実施形態について記載する。
【0041】
P型フィン5f−p、N型5f−nは、例えば、同一の高温パイプ9の両側にそれぞれ設置され、特に、高温パイプ9の両側に設置された熱電要素を並列に関連付けるようにして電気的に接続される。
【0042】
前記高温パイプは、1つ以上の列16にフィン5fに対して直交する第1の方向Yに重ね合わされ、列の前記高温パイプ8は、2つの低温パイプ9の間に配設される。前記冷温パイプ9は、高温パイプ8の積層方向Yに配向される。
【0043】
各列16の高温パイプ8は、例えば、一方の列16から他方へ互いの拡張部に設けられる。互いの拡張部に設置された高温パイプ8の熱電要素は、例えば、一方の列16から他方へ直列に接続される。言い換えれば、前記パイプの一方側にある同一の高温パイプ8の両側に設置されたフィン5f−p、5f−n、および隣接する高温パイプ8の列の最初の拡張部に設置される高温パイプ8のフィン5f−p、5f−nは同じ電位に設定される。
【0044】
図2の実施形態によれば、同一の平坦な面10aまたは10bと対面させて設けられた低温フィン5f−p、5f−nは、2つの別個のコンポーネントである。言い換えれば、2つの別個のフィンは、同一の高温パイプ8の各面10a、10bと対面させて設けられる。
図2aによって示された1つの変形例において、これらのフィンは、同一のコンポーネントからなる。言い換えれば、単一のフィンが、同一のパイプ8の面の各々と対面させて設けられる。短絡を回避するために、P型熱電素子と接触状態にあるトラック32は、N型熱電素子と接触状態にあるトラック32とは別個である。このような変形例において、X方向の互いの拡張部に複数の高温パイプ8を設置させて使用する場合、低温フィン5fは、高温パイプの面10a、10bの各々に対して、これらの高温パイプ8のすべてに共通した低温フィン5fを設けることができ、トラック32は、隣接する高温パイプ8の同じP型またはN型の熱電素子を同じ電位に設定するように構成される。
【0045】
再度、
図1を参照すると、例示した実施形態によれば、前記高温回路は、高温流体を循環するための高温パイプと呼ばれるパイプ17と、前記低温回路は、冷温流体を循環するための低温パイプと呼ばれるパイプ18を備える。これらは、特に、例えば、高温パイプ17に対してはステンレス鋼製であり、低温パイプ18に対してはアルミニウム製または銅製である円形および/または楕円形のパイプである。
【0046】
1つの部分に対して、低温フィンと呼ばれる前記フィン6fは、前記低温パイプ18と熱交換関係にあり、もう1つの部分に対して、高温フィンと呼ばれる前記フィン6cは、前記高温パイプ17と熱交換関係にある。
【0047】
前記熱電素子3は、一方で、低温フィン6fと熱交換関係にあり、他方で、高温フィン6cと熱交換関係に構成される。
【0048】
先行する実施形態の低温フィン5fのように、高温フィン6c、低温フィン6fのそれぞれにおいて、高温パイプ17、低温パイプ18のそれぞれに対して、貫通オリフィス13、14が設けられる。パイプ/フィン接触は、上述したように、特に、機械タイプのものである。
【0049】
例示した実施形態によれば、前記低温パイプ18および前記高温パイプ17は、Y方向と呼ばれる同一の方向に延伸し、高温フィンおよび低温フィンは、Y方向に対して直交する平面に互いに平行に配設され、フィンは、Z方向と呼ばれる第1の方向およびX方向と呼ばれる第2の方向に延伸する。
【0050】
図1、
図3および
図5に対応する第1の例示的な実施例によれば、低温フィン6fおよび高温フィン6cは、対になってグループ化され、それぞれ、低温対19/高温対20と呼ばれ、前記圧縮性材料11が、低温対および高温対に対して同一の対のフィン6f、6cの間に設けられる。
【0051】
高温対および低温対は、少なくとも1つのいわゆる低温対が、1つのいわゆる高温対のいずれかの側の位置にあるように、Y方向に交互に設けられる。
【0052】
少なくとも2つの低温対が、X方向の互いの拡張部に設けられ、互いから電気的に絶縁されて、X方向に低温フィンの列を形成する。
【0053】
前の実施形態のように、この場合も、圧縮性材料11によって分離された、または分離されていない低温フィン6fおよび高温フィン6cと、のアセンブリによって形成され、熱電要素3p、3nのアセンブリによって形成されたパターンがある。以下、このパターンの可能な異なる構成およびパターンを組み立てる可能な異なる方法は、特に、電気的な観点から記載される。
【0054】
図3に詳細に示すように、前記パターンの第1の例示的な実施形態によれば、前記高温対20の高温フィン6c−uの一方が、前記高温対20の一方側で、互いの拡張部の位置にある第1および第2の上流低温対と呼ばれる別個の低温対の2つの低温フィン6f−u1、6f−u2と対面させて設けられ、同一の高温対20の他方のフィン6c−dが、前記高温対20の他方側で、互いの拡張部の位置にある第1および第2の下流低温対と呼ばれる別個の低温対の2つの低温対6f−d1、6f−d2と対面させて設けられる。
【0055】
1つ以上のP型素子が、高温フィンの第1のフィン6c−uと、第1の上流低温対のフィン6f−u1との間に設けられる。1つ以上のN型素子が、高温フィン6c−uの前記第1のフィンと、第2の上流低温対の低温フィン6f−u2との間に設けられる。
【0056】
1つ以上のP型素子が、前記高温対20の他方の高温フィン6c−dと、第2の下流対の低温フィン6f−d2との間に設けられる。1つ以上のN型素子が、前記高温対20の前記他方の高温フィン6c−dと、第1の下流対の低温フィン6f−d1との間に設けられる。高温対20のいずれかの側で、上流P型素子が下流N型素子と対面し、上流N型素子が下流P型素子と対面する。
【0057】
図3と比較して高温パイプ17および低温パイプ18が反転されている
図1を再度参照すると、本発明による装置が、この例示的な実施例によれば、X方向に連続した高温対を形成するように、X方向に互いの拡張部の位置にあり、互いから電気的に絶縁された複数の高温対20を備えうることが観察される。
【0058】
また、前記高温対は、高温対がY方向に交互に続く列に分布される。
【0059】
言い換えれば、高温対の前記直列および前記列は、X方向およびY方向に互いに続く。
【0060】
また、低温対19は、低温対がY方向に交互に続く列に分布され、および/または、X方向に連続して分布される。高温対20および低温対19は、例えば、互い違いの配置で設けられる。
【0061】
高温パイプ17は、例えば、Y方向において、低温対19の2つの列の間に設けられ、および/または、低温パイプ18は、Y方向において、高温対20の2つの列の間に設けられる。
【0062】
Y方向における一連の高温対20および/または低温対19は、対ではなく、単独で与えられたいずれかの側、特に、高温フィン6c−tで終端しうる。
【0063】
フィン6c、6fは、Z方向において長手方向に延伸し、X方向において横方向に延伸し、高温パイプ、低温パイプのそれぞれは、X方向に直交する平面に延伸する列21、22にグループ化される。
【0064】
また、
図5に示すように、装置は、高温パイプが端部で開口する高温流体用の収集箱23を備える。
【0065】
低温パイプおよび/または高温パイプは、Z方向に対して直交する平面において延伸する列にも分布される。Z方向に直交する同一の列の低温パイプ18は、Z方向に直交する前記列にある低温流体の曲がりくねった循環を規定するように、低温パイプの端部で連結された屈曲ダクト27によって対になって連結される。
【0066】
曲がりくねったパイプの端部は、パイプが開口する収集箱28に片側で連結される。
【0067】
電気的観点から、フィン間の接続は、
図1の高温フィンによってもたらされる。また、低温フィンによって接続をもたらすことも可能であり、
図3に、上述したパターンが以下のように組み立てられることが観察される。パターンの第2の上流対の低温フィン6f−u2は、X方向において、隣接パターンの第1の上流対の低温フィン6f−u1に接続される。同じことが、下流低温フィン6f−d2、6f−d1に当てはまる。加えて、装置が1つまたは2つ以上の高温対を備えるかどうかにかかわらず、
−第2の上流低温対の低温フィン6f−u2および第2の下流低温対の低温フィン6f−d2は、一連の低温対の一方の端部に設置された低温対のフィンに対して、同じ電位に設定され、
−高温対の1つの第1の下流低温対の低温フィン6f−d1は、一連の低温対の他方の端部に設置された低温対のフィンに対して、Y方向の後続する高温対の前記第1の上流低温対の低温フィン6f−u1と同じ電位に設定され、前記低温フィン6f−d2、6f−u1は、同一の低温フィン対の部分を形成する。
【0068】
図1に示すような高温フィン6c−tの端子、またはY方向において一連のフィンの端部に設置された
図3に示すような低温フィンの端子には、高温フィン、低温フィン6fのそれぞれの連続した列の端子に生じた電位差の和に相当する電位差が存在する。
【0069】
特定の例示的な実施形態によれば、低温対6fのフィンは、長手方向の側面の一方および/または他方に沿って、対面する高温パイプ17からの熱放射からフィンの残りを熱的に絶縁可能にする折返し縁部29を有する。
【0070】
図4に示す異なるパターンに対応する別の例示的な実施例によれば、低温フィン6fのみが、低温対50と呼ばれる対にグループ化され、前記圧縮性材料11は、低温対の同一の対のフィン間に設けられる。
【0071】
この例示的な実施例において、低温対50は、少なくとも1つの、いわゆる、低温対が、1つの、いわゆる、高温フィン6cのいずれかの側の位置にあるように、Y方向に高温フィンと交互に設けられる。
【0072】
X方向の互いの拡張部に、互いから電気的に絶縁された少なくとも2つの低温対を設けることが可能である。
【0073】
図4に示すパターンによれば、前記高温フィン6cは、例えば、前記高温フィンの一方側に設置された、互いの拡張部に設けられた第1および第2の上流低温対と呼ばれる別個の低温対の2つの低温フィン6f−u1、6f−u2と対面し、また、前記高温フィン6cの他方側に、互いの延長部の位置にある第1および第2の下流低温対と呼ばれる別個の低温対の2つの低温フィン6f−d1、6f−d2と対面させて設けられる。
【0074】
前記高温フィン6cと第1の上流低温対の低温フィン6f−u1との間に、1つ以上のP型素子が設けられる。前記高温フィン6cと第2の上流低温対の低温フィン6f−u2との間に、1つ以上のN型素子が設けられる。
【0075】
高温フィン6cと第2の下流低温対の低温フィン6f−d2との間に、1つ以上のN型素子が設けられる。高温フィン6cと第1の下流低温対の低温フィン6f−u1との間に、1つ以上のP型素子が設けられる。上流および下流P型素子は、高温フィン6cの両側に互いと対面させた位置にある。同じことが、N型素子にも当てはまる。
【0076】
このパターンの場合、以下の電気的接続を使用することができる。第2の上流低温対の低温フィン6f−u2および第2の下流低温対6f−d2の低温フィンは、同じ電位になるように電気的に接続される。同じことが、第1の上流低温対の低温フィン6f−u1および第1の下流低温対の低温フィン6f−d1にも当てはまる。
【0077】
また、以下のようにパターンを組み立てることもできる。前記高温フィン6cの1つの第1の上流および下流低温対のフィン6f−d1、6f−u1は、Y方向に後続する高温フィンに関連したものと同じ電位に設定される。Y方向の2つの連続する高温フィン6cに関連した第1の下流低温対の低温フィンおよび第1の上流低温対の低温フィンは、同一の低温フィン対の部分を形成する。同じことが、第2の上流および下流低温対のフィン6f−d2、6f−u2にも当てはまる。
【0078】
図示していないが、Y方向に配向された2つの低温パイプ18の間に挿入されるたびに、Y方向に配向された複数列の高温パイプ17を有する
図4のパターンを用いたバンドルを提供することもでき、高温および低温フィンは、パイプに対して直交方向に配向される。電気的接続に関して、前記列は、例えば、直列に取り付けられる。
【0079】
図3および
図4の2つの実施例の1つの利点は、高温パイプおよび高温フィンのサブアセンブリと、低温パイプおよび低温フィンのサブアセンブリとが、差し込まれたとしても分離されて作られ、これらのサブアセンブリ間の接触が、熱電素子を介してのみ起こるようにすることで、高温コンポーネントと低温コンポーネントとの間の熱的ブリッジを回避可能にすることである。言い換えれば、X方向のN型およびP型の熱電素子の間に1つおきの配列が存在する。
【0080】
図示していない別の異なる例示的な実施例によれば、高温パイプおよび低温パイプは、互いの間に挿入されるのに対して、高温フィンおよび低温フィンは、パイプに直角な平面において、互いの間に挿入され、低温フィンおよび/または高温フィンは対になって任意に分布され、同一の対のフィンは、前記圧縮性材料によって分離される。
【0081】
図1および
図3から
図5の例示的な実施例のように、各低温フィン、高温フィンのそれぞれには、低温パイプ、高温パイプのそれぞれの通路用および熱的接触用のオリフィスが設けられる。
【0082】
また、これらのフィンには、高温パイプ、低温パイプのそれぞれと非接触であるか、または熱的および電気的に絶縁性の接触子を有する貫通オリフィスが設けられる。
【0083】
互いに対面させて配置された低温フィンと高温フィンとの間には、同じタイプの熱電素子が設けられる。同一の対のフィンは、同じ電位に設定される。低温フィンは、連続して直列に接続される。
【0084】
上記において、「電気的に接続」または「同じ電位に設定」という表現は、フィンに設けられたトラック32が、例えば、導体33を用いて、一方のフィンから他方へと接続されていることを意味することを理解されたい。
【0085】
この点に関して、高温フィンではなく低温フィンによって電気的接続をもたらすことは、高温に耐性の定格温度の電気コンポーネントを使用する必要がないため有益である。
【0086】
以下、本発明による装置の製造方法について記載する。このような方法によれば、最初に熱電素子が高温コンポーネント、すなわち、高温パイプ8または高温フィン6cを用いて組み立てられた後、低温フィン5f、6fを用いて組み立てられるステップが設けられる。
【0087】
この順序で連続して行う利点は、熱電素子/高温コンポーネントリンクを実行することによって、熱電素子/低温フィンリンクがダメージを受ける危険性を伴うことなく、熱電素子/高温コンポーネントリンクの実行には比較的厳しい使用条件を用い、熱電素子/低温フィンリンクに対してはあまり厳しくない条件を用いることができることである。
【0088】
例えば、ろう付けによって、熱電素子3p、3nと、低温回路と熱交換関係にあるフィン6fのトラック32との間のリンクが確保される。これは、融点が比較的低い、例えば、600℃未満のろう付け材料を用いて行われる。
【0089】
一方では、熱電素子3p、3nと、他方では、高温パイプ9と熱交換関係にあるフィン6cのトラックまたは高温パイプ8のトラック34との間のリンクに関して、例えば、接合によってリンクが発生される。
【0090】
このような方法を選択する際の1つの利点は、生じるリンクの各々が、本発明による装置の使用条件に適応されることである。
【0091】
フィンは積層され、後続するステップにおいて、低温パイプ9、18は、低温フィン5f、6fに組み立てられる。同じことが、高温フィンを有する実施形態における高温フィン6cの高温パイプ17にも当てはまる。
【0092】
パイプ/フィンリンクを確保するために、上述したように、フィンと接触状態にあるパイプ9、17、18は、例えば、膨張にさらされる。すなわち、特に、パイプ内での膨張オリーブ(expansion olive)の通過により得られる半径方向の膨張であり、この膨張により、フィン5f、6f、6cがパイプに圧着される。
【0093】
このようにして、圧着連結棒を追加する必要なく、フィンがパイプに圧着されると、高温パイプ8、17および低温パイプ9、18が、フィンによってかけられる応力によってフレームワークを形成するバンドルが得られる。次に、パイプは、収集箱に連結される。フィンは、上述した異なる手法により電気的に連結される。