【課題を解決するための手段】
【0009】
上記リレーの切り換えのタイミングにおける電圧ゼロ点からの位相が大きくなるのに応じて、交流電源から整流回路に印加される瞬時電圧が大きくなるという問題が生じる。
【0010】
具体的には、
図8に示すように、リレーの切り換えタイミングが交流電源の電圧のゼロ点からの位相が30°のとき、LC共振の影響を受けて整流回路に印加される瞬時電圧が大きくなる。尚、
図8に示す下図の破線は、交流電源の電圧のゼロ点においてリレーが切り換えられた場合のスイッチング波形を示し、上図の破線は、整流回路に入力される電圧を示している(以下、
図9〜
図13において同じ)。さらに、
図8〜
図11に示すように、電圧ゼロ点からの位相が大きく(30°〜90°)なると、交流電源から整流回路へ印加される瞬時電圧が大きくなる。そして、交流電源から整流回路へ印加される瞬時電圧が大きくなると、その結果、整流回路の出力側の電圧も過渡的に大きくなり、インバータ回路の構成素子等が破壊されてしまう。
【0011】
逆に、
図12に示すように、リレーの切り換えタイミングが、交流電源の電圧のゼロ点の近傍であると瞬時電圧が小さくなる。そこで、本発明は、整流回路に印加される電圧が小さいときにリレー回路をオンするようにしたものである。
【0012】
尚、上述した突入電流防止回路(b)を有するインバータ回路(a)では、抵抗素子(g)によって電流が減少するため、LC共振そのものが抑制されており、
図13に示すように、リレーの切り換えタイミングが電圧ゼロ点から所定の範囲を超えても交流電源から整流回路へ印加される電圧が過渡的に大きくなることはない。
【0013】
第1の発明は
、少なくともコンデンサ(26,56)を含む変換器
を有する電力変換装置であって、
交流電源(1)と上記変換器との間に設けられたリレー回路(14)と、上記リレー回路(14)をオフ状態からオン状態に切り換えることによって上記変換器の入力電圧が上記変換器の構成素子の耐電圧に対して過渡的に過電圧とならないような所定の範囲内に、上記交流電源(1)の電圧又は電圧の位相があるときに、上記リレー回路(14)をオフ状態からオン状態に切り換えるリレー制御部(41,43,54)
とを備え
る。上記コンデンサ(26,56)は、上記交流電源(1)からの電圧変動を吸収することなく、上記変換器のスイッチングによる電圧変動を吸収する。
【0014】
上記第1の発明では、リレー制御部(41,43,54)は、交流電源(1)の電圧状態に基づいてリレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換える。つまり、交流電源(1)の電圧状態に基づいてリレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、交流電源(1)から変換器へ印加される電圧(入力電圧)が装置の配線等に含まれるリアクトル成分とコンデンサ(26,56)との間で発生する共振現象(LC共振)の影響を受けても、変換器の入力電圧が過電圧となることがない。
これにより、変換器の構成素子が破壊されるような過電圧となる前にリレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換えることができる。上記リレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、変換器は電力変換を行う。
【0015】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記変換器は、上記交流電源(1)から出力された交流電力を整流する整流回路(20)と、上記整流回路(20)から電力供給されるインバータ回路(30)と
を有し、上記コンデンサ(26)
は、該インバータ回路(30)の入力側に設けられている。
【0016】
上記第2の発明では、リレー制御部(41,43)は、交流電源(1)の電圧状態に基づいてリレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換える。つまり、交流電源(1)の電圧状態に基づいてリレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、交流電源(1)からインバータ回路(30)へ印加される電圧(印加電圧)が装置の配線等に含まれるリアクトル成分とコンデンサ(26)との間で発生する共振現象(LC共振)の影響を受けても、インバータ回路(30)に供給される電圧が過電圧となることがない。
【0017】
上記リレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、整流回路(20)は交流電力を整流する。この整流回路(20)は、交流電源(1)の出力電圧に応じた電圧変動を含んでインバータ回路(30)に電力供給をする。そして、インバータ回路(30)は、交流電力を出力して負荷に供給する。
【0018】
上記インバータ回路(30)では、スイッチングによる電圧変動が発生する。上記コンデンサ(26)は、整流回路(20)からの電圧変動を吸収せず、インバータ回路(30)のスイッチングに起因する電圧変動のみを吸収する。
【0019】
第3の発明は、上記第1の発明において、上記変換器は、上記交流電源(1)から交流出力を直接生成するマトリックスコンバータ(51)
を有し、上記コンデンサ(56)は、該マトリックスコンバータ(51)の入力側に設けられ
ている。
【0020】
上記第3の発明では、リレー制御部(54)は、交流電源(1)の電圧状態に基づいてリレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換える。つまり、交流電源(1)の電圧状態に基づいてリレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、交流電源(1)からマトリックスコンバータ(51)へ印加される電圧(印加電圧)が装置の配線等に含まれるリアクトル成分とコンデンサ(56)との間で発生する共振現象(LC共振)の影響を受けても、マトリックスコンバータ(51)への印加電圧(入力電圧)が過電圧となることがない。
【0021】
上記リレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、マトリックスコンバータ(51)は交流電源(1)から供給された交流電力から直接交流電力を出力して負荷に供給する。
【0022】
第4の発明は、上記第1〜3の発明の何れか1つにおいて、上記リレー制御部(41,54)は、上記交流電源(1)の電圧の瞬時値が
上記所定の範囲内にあるタイミングで上記リレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換えるよう構成されている。
【0023】
上記第4の発明では、リレー制御部(41,54)は、交流電源(1)の電圧の瞬時値が所定
の範囲内にあるタイミングでリレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換える。つまり、上記タイミングでリレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、交流電源(1)から変換器へ印加される電圧(入力電圧)が、装置の配線等に含まれるリアクトル成分とコンデンサ(26,56)との間で発生する共振現象(LC共振)の影響を受けても、変換器の入力電圧が過電圧となることがない。
【0024】
第
5の発明は、上記第
4の発明において、上記所定
の範囲は、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わる間に変化する電圧分を考慮して設定される。
【0025】
上記第
5の発明に係るリレー制御部(41,54)では、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わる間に生じた(変化した)電圧分を考慮し、例えば、この電圧分だけ所定値を補正する。そして、リレー制御部(41,54)は、交流電源(1)の電圧の瞬時値が所定値を越えないタイミングでリレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換える。つまり、このタイミングでリレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、装置の配線等に含まれるリアクトル成分とコンデンサ(26,56)との間で発生する共振現象(LC共振)の影響を受けても、変換器の入力電圧が過電圧となることがない。
【0026】
第
6の発明は、上記第1〜第3の発明の何れか1つにおいて、上記リレー制御部(43,54)は、上記交流電源(1)の電圧の位相が
上記所定
の範囲内
にあるタイミングで上記リレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換えるよう構成されている。
【0027】
上記第
6の発明では、リレー制御部(43,54)は、交流電源(1)の電圧の位相が所定位相範囲内のタイミングでリレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換える。つまり、上記タイミングでリレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、交流電源(1)から変換器へ印加される電圧(入力電圧)が、装置の配線に含まれるリアクトル成分とコンデンサ(26,56)との間で発生する共振現象(LC共振)の影響を受けても、変換器の入力電圧が過電圧となることがない。
【0028】
第
7の発明は、上記第
6の発明において、上記所定の
範囲は、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わる間に変化する位相分を考慮して設定される。
【0029】
上記第
7の発明に係るリレー制御部(43,54)では、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わる間に生じた(変化した)位相分を考慮し、例えば、この位相分に相当する時間分だけ所定位相を補正する。
【0030】
そして、リレー制御部(43,54)は、交流電源(1)の電圧の位相が補正された所定位相の範囲内にリレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換える。つまり、このタイミングでリレー回路(14)がオン状態へ切り換わると、装置の配線等に含まれるリアクトル成分とコンデンサ(26,56)との間で発生する共振現象(LC共振)の影響を受けても、変換器の入力電圧が過電圧となることがない。
【0031】
第
8の発明は、上記第1〜第
7の発明の何れか1つにおいて、上記交流電源(1)と上記変換器との間に設けられるリアクトル(11)を備えている。
【0032】
上記第
8の発明では、リレー回路(14)の切り換えのタイミングが電圧ゼロ点から所定の範囲を超えると、交流電源(1)から変換器へ印加される電圧(入力電圧)がリアクトル(11)とコンデンサ(26,56)との間で発生するLC共振の影響を受け、変換器の入力電圧が過電圧となる。
【発明の効果】
【0033】
上記第1の発明によれば、交流電源(1)の電圧状態に基づいてリレー回路(14)をオン状態へ切り換えるようにしたため、交流電源(1)から変換器へ印加される電圧(入力電圧)が過渡的に過電圧になるのを防止することができる。つまり、変換器へ印加される電圧(入力電圧)がLC共振による影響を受けても、変換器の入力電圧が過電圧とならない。これにより、変換器の構成素子等を破壊することなく、リレー回路(14)を切り換えることができる。
【0034】
また、リレー回路(14)をオフ状態からオン状態へ切り換えたときの変換器の入力電圧が該変換器の構成素子の耐電圧以下となるような電圧の範囲で電圧又は位相を設定したため、変換器の入力電圧が大きくなっても該変換器の構成素子に耐電圧以上の過電圧が印加されるのを確実に防止することができる。これにより、変換器の構成素子を破壊することなく、リレー回路(14)を切り換えることができる。
【0035】
上記第2の発明によれば、交流電源(1)の電圧状態に基づいてリレー回路(14)をオン状態へ切り換えるようにしたため、交流電源(1)から整流回路(20)へ印加される電圧(印加電圧)が過渡的に過電圧になるのを防止することができる。つまり、整流回路(20)へ印加される電圧(印加電圧)がLC共振による影響を受けても、整流回路(20)から出力される電圧が過電圧とならない。これにより、インバータ回路(30)の構成素子等を破壊することなく、リレー回路(14)を切り換えることができる。
【0036】
上記第3の発明によれば、交流電源(1)の電圧状態に基づいてリレー回路(14)をオン状態へ切り換えるようにしたため、マトリックスコンバータ(51)の入力電圧が過渡的に過電圧になるのを防止することができる。つまり、マトリックスコンバータ(51)へ入力される電圧がリアクトル成分による影響を受けても、入力電圧が過電圧となるのを防止しつつ、リレー回路(14)を切り換えることができる。
【0037】
上記第4の発明によれば、交流電源(1)の電圧の瞬時値が
上記所定の範囲内にあるときにリレー回路(14)をオン状態へ切り換えるようにしたため、交流電源(1)から変換器へ印加される電圧(入力電圧)が過電圧になるのを防止することができる。つまり、変換器へ印加される電圧(入力電圧)がLC共振による影響を受けても、変換器の入力電圧が過電圧とならない。これにより、変換器の構成素子等を破壊することなく、リレー回路(14)を切り換えることができる。
【0038】
上記第
5の発明によれば、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わる間に生じる(変化する)電圧分を考慮して所定値を設定したため、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わるまでの時間を考慮してリレー回路(14)を切り換えることができる。つまり、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わる時間を考慮することで変換器の入力電圧が過渡的に過電圧となるのを確実に防止することができる。これにより、変換器の構成素子等を破壊することなく、リレー回路(14)を切り換えることができる。
【0039】
上記第
6の発明によれば、交流電源(1)の電圧の位相が所定の位相の範囲内のタイミングでリレー回路(14)をオン状態へ切り換えるようにしたため、交流電源(1)から変換器の入力電圧が過電圧になるのを防止することができる。つまり、変換器へ印加される電圧(入力電圧)がLC共振による影響を受けても、変換器の入力電圧が過電圧とならない。これにより、変換器の構成素子等を破壊することなく、リレー回路(14)を切り換えることができる。
【0040】
上記第
7の発明によれば、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わる間に生じる(変化する)位相分を考慮して所定の位相を設定したため、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わるまでの時間を考慮してリレー回路(14)を切り換えることができる。つまり、リレー回路(14)がオフ状態からオン状態へ切り換わる時間を考慮することで変換器の入力電圧が過渡的に過電圧となるのを確実に防止することができる。これにより、変換器の構成素子等を破壊することなく、リレー回路(14)を切り換えることができる。
【0041】
上記第
8の発明では、交流電源(1)と変換器との間にリアクトル(11)を設けたため、リレー回路(14)の切り換えのタイミングが電圧ゼロ点から所定の範囲を超えると、交流電源(1)から変換器へ印加される電圧(入力電圧)がリアクトル(11)とコンデンサ(26,56)との間で発生するLC共振の影響を受け、変換器の入力電圧が過電圧となる。
【0042】
ところが、第
8の発明によれば、交流電源(1)の電圧が所定値になる前、又は交流電源(1)の位相が所定の位相になる前にリレー回路(14)をオン状態へ切り換えるようにしたため、交流電源(1)から変換器へ印加される電圧(入力電圧)が過渡的に過電圧になるのを防止することができる。つまり、変換器へ印加される電圧(入力電圧)がLC共振による影響を受けても、変換器の入力電圧が過電圧とならない。これにより、変換器の構成素子等を破壊することなく、リレー回路(14)を切り換えることができる。