(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1の発明において、前記操作ガイド(44)の初期位置(44a)を前記混合米選別部(3)から遠い位置に、作業位置(44b)を前記混合米選別部(3)に近い位置に設け、前記操作ガイド(44)の作業位置(44b)の近傍に排出循環切換スイッチ(SW6)を配設したことを特徴とする籾摺選別機。
請求項1から請求項3いずれかの発明において、仕上米排出作業時に主モータ(M1)が停止した後、主モータ(M1)を再起動させて仕上米排出作業が再開すると、循環/排出切換弁(36)を排出側から循環側に切換え、所定時間後に混合米タンク24内の混合米量が設定量以上あることを検出すると循環/排出切換弁(36)が循環側から排出位置に切換わることを特徴とする籾摺選別機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術の発明は、操作レバーを選別玄米排出位置に操作している選別玄米排出作業状態では、オペレータが循環/排出切換弁を任意に循環側に切り換えできないため、籾摺選別状態に合わせてオペレータの好みに合わせた運転操作ができず、また、籾摺選別機の運転開始時に循環/排出切換弁の循環側から排出側への切り換えが遅れ能率的に選別玄米排出籾摺作業に移行しにくいという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記問題点を解決するために、本発明は次のような技術的手段を講じた。
請求項1の発明は、籾摺部(1)と、摺落米風選部(2)と、揺動選別板
(15)型の混合米選別部(3)と、籾摺選別機駆動用の主モータ(M1)
と、揺動選別板(15)の駆動を入り切りする揺動クラッチプーリ(49a)を備えた籾摺選別機において、
前記混合米選別部(3)には混合米貯溜用の混合米タンク(24)と、選別玄米を機内循環側あるいは機外排出側に切り換える循環/排出切換弁(36)を設け、
初期位置(44a)と作業位置(44b)に操作できる操作レバー(32)を設け、該操作レバー(32)を初期位置(44a)に操作すると、穀物ホッパ(6)の籾シャッタ弁(31)を閉調節し、揺動クラッチプーリ(49a)をクラッチ切り状態とし、操作レバー(32)を作業位置(44b)に操作すると、穀物ホッパ(6)の籾シャッタ弁(31)を開調節し、揺動クラッチプーリ(49a)をクラッチ入り状態とするように構成し、
前記操作レバー(32)を初期位置(44a)に操作した状態で運転スイッチ(SW1)がONされると、主モータ(M1)が起動し、次いで前記操作レバー(32)が初期位置(44a)から作業位置(44b)に操作されると循環籾摺選別作業を開始し、混合米タンク(24)に設定量以上の穀粒の溜まりを混合米タンク上限センサ(SE3)が検出すると前記循環/排出切換弁(36)を循環側から排出側に切り換え仕上米排出作業に移行する構成とし、
前記操作レバー(32)が作業位置(44b)に操作されている状態で
、前記循環/排出切換弁(36)を循環側から排出側へ切り換えたり、あるいは、排出側から循環側に切り換える排出循環切換スイッチ(SW6)を備えていることを特徴とする籾摺選別機とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記操作ガイド(44)の初期位置(44a)を前記混合米選別部(3)から遠い位置に、作業位置(44b)を前記混合米選別部(3)に近い位置に設け、前記操作ガイド(44)の作業位置(44b)の近傍に排出循環切換スイッチ(SW6)を配設したことを特徴とする籾摺選別機とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の発明において、排出循環切換スイッチ(SW6)は操作レバー(32)が作業位置にあるときに操作可能とすることを特徴とする籾摺選別機とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3いずれかの発明において、仕上米排出作業時に主モータ(M1)が停止した後、主モータ(M1)を再起動させて仕上米排出作業が再開すると、循環/排出切換弁(36)を排出側から循環側に切換え、所定時間後に混合米タンク24内の混合米量が設定量以上あることを検出すると循環/排出切換弁(36)が循環側から排出位置に切換わることを特徴とする籾摺選別機とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によると籾摺選別機で籾摺選別作業をする場合には、操作レバー(32)を初期位置(44a)から作業位置(44b)へ操作することによる循環/排出切換弁(36)を循環側から排出側に自動的に切り換え仕上米排出作業に自動的に移行するものでありながら、操作レバー(32)を作業位置(44b)へ操作した状態で、混合米タンク(24)の混合米溜り状況や混合米選別部(3)の選別状況により、オペレータの判断で、排出循環切換スイッチ(SW6)を操作することにより、循環/排出切換弁(36)を循環側から排出側への切り換えることができ、能率的な籾摺作業あるいは、仕上米への籾混入の防止をすることができる。
【0011】
請求項2の発明によると、請求項1の発明の前記効果に加えて、前記操作ガイド(44)の初期位置(44a)を前記混合米選別部(3)から遠い位置に、作業位置(44b)を前記混合米選別部(3)に近い位置に設け、前記操作ガイド(44)の作業位置(44b)の近傍に前記排出循環切換スイッチ(SW6)を配設したので、オペレータは混合米選別部(3)の近くに位置し揺動選別板(15)の選別状態を確認しながら近くの排出循環切換スイッチ(SW6)を操作し、選別状態の突発的な変化に迅速容易に対応することができる。
【0012】
請求項3の発明によると、排出循環切換スイッチ(SW6)は操作レバー(32)が作業位置にあるときに操作可能とすることで、オペレータが意図しないのに混合米タンク24が設定量以上の検出を待たないで仕上排出工程を行い、籾が仕上玄米に混入することが可能になってしまうことを防止することができる。
【0013】
請求項4の発明によると、仕上米排出作業中の停電や運転スイッチOFFによる主モータ(M1)の停止後に、主モータ(M1)を再起動させたときに、オペレータが特別な操作を要することなく、籾混入を防止しつつ、円滑な仕上米排出作業を円滑に継続することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に示す実施例に基づき本発明を説明する。
まず、
図1に基づき本発明を実施する揺動選別板型籾摺選別機の全体構成について説明する。
【0016】
籾摺選別機は、機体の左側上部に配設している籾摺部1と、左右中央部に配設している風選部2と、機体の右側に配設している揺動選別板型混合米選別部3と、混合米選別部3の選別を揚穀する混合米揚穀機4と、混合米選別部3の仕上げ玄米を機外に取り出す玄米揚穀機5と、混合米選別部3の選別籾を籾摺部1に揚穀還元する籾揚穀機27等で構成されている。
【0017】
籾摺部1は籾摺ロール型に構成されていて、穀物ホッパ6と、左右一対の籾摺ロール7,7と、籾摺ロール7,7の下方に設けられている振動型の移送棚8等により構成されている。穀物ホッパ6の籾は籾摺ロール7,7で籾摺されて籾と玄米の混合米となり移送棚8に落下供給され、振動している移送棚8により右側に移送され、風選部2下部の選別始端側に供給される。
【0018】
風選部2は、風選箱体9と、風選箱体9内に上下方向に沿うように構成されている選別風路10と、選別風路10の中途部下方に設けられている粃受樋11と、選別風路10の下部始端側に設けられている受樋12と、選別風路10の上部終端側に配設されている吸引ファン13と、排塵筒14等により構成されている。
【0019】
次に、揺動選別型の混合米選別部3について説明する。
多段の揺動選別板15には、板面に選別用の凹凸が形成されていて、縦方向の一側を高い供給側、他側を低い排出側とし、縦方向に直交する横方向の一方側を高い揺上側、横方向他側を低い揺下側として、揺動選別板15の縦横2方向ともに傾斜構成し、揺動選別板15を揺動装置(図示省略)により横方向斜め上下に往復揺動するように構成している。
【0020】
揺動選別板15の上方には混合米タンク24が配設されていて、受樋12で風選された混合米が混合米揚穀機4により揚穀され混合米タンク24に供給され、次いで、分配供給樋16、分配ケース17を経由して揺動選別板15に供給される。
【0021】
揺動選別板15の揺下側の側壁の排出側部分には、籾排出口を切り欠き構成し、選別籾は揺下側に取り出され、籾還元流路29を経て籾揚穀機27に供給される構成である。
揺動選別板15に供給された混合米は、粒形の大小,比重の大小,摩擦係数の大小等の関係で、比重の重い小形の玄米は揺上側に偏流分布し、玄米に比較して大形で比重の軽い籾は、揺下側に偏流分布し、その中間部には分離されない籾・玄米の混合米が分布しながら選別される。そして、これらの選別穀粒は、揺動選別板15の排出側に設けられている玄米仕切板18及び籾仕切板19で仕切られて取り出される。
【0022】
取り出された仕上げ玄米は、玄米取出樋20,玄米流路21,玄米揚穀機5を経由して機外に取り出される。また、取り出された選別混合米は混合米取出樋22,混合米流路23を経て受樋12に取り出され、更に混合米揚穀機4,混合米タンク24,分配供給樋16,分配ケース17を経由して揺動選別板15に供給され再選別される。
【0023】
また、揺動選別板15の揺下側に偏流分離した選別籾のうち揺下側の側壁に沿って流下したものは、籾排出口から籾還元流路29に取り出され、また、揺下側の側壁よりも揺上側を流下したものは揺動選別板15の排出側端部から籾仕切板18により仕切られて、籾取出樋25に取り出される。このようにして取り出された選別籾は、籾流路26,籾揚穀機27を経て籾摺部1に揚穀還元され、再度の籾摺がなされる。なお、風選部2で粃受樋11に選別された粃は、籾揚穀機27に送られ、混合米選別部3の選別籾と共に籾摺部1に揚穀還元される。
【0024】
次に、
図2に基づき主モータM1による籾摺選別機各部への駆動構成について説明する。
籾摺部1の下方に主モータM1を配設し、主モータM1から籾摺ベルト伝動装置46,籾摺入力軸1aを経由して籾摺ロール7,7に動力が伝達される。籾摺入力軸1aから移送ベルト伝動装置47,移送入力軸8aを経由して移送棚8に振動動力が伝達されている。移送入力軸8aから混合米揚穀ベルト伝動装置48,混合米揚穀入力軸4aを経由して混合米揚穀機4及び混合米ラセン12aに動力が伝達されている。
【0025】
また、混合米揚穀入力軸4aから籾揚穀ベルト伝動装置49,籾揚穀入力軸27aを経由して籾揚穀機27に揚穀動力が伝達されている。籾揚穀入力軸27aから吸引ファンベルト伝動装置50,吸引ファン入力軸13aを経由して吸引ファン13に動力が伝達されている。籾揚穀入力軸27aから玄米揚穀機ベルト伝動装置51,玄米揚穀機入力軸5aを経由して玄米揚穀機5に動力が伝達されている。玄米揚穀機入力軸5aから揺動ベルト伝動装置52,揺動クランク軸53を経由して揺動駆動装置(図示省略)に動力が伝達されている。
【0026】
次に、
図3に基づき混合米タンク24の穀粒溜まり具合に基づく籾シャッタ弁31の関連的調節構成について説明する。
穀物ホッパ6の下部には籾シャッタ弁31を設け、籾シャッタ弁31の軸部31a回りに回動するように軸支している。籾シャッタ弁31の軸部31aの側方には操作レバー32の軸部32aを軸心一致状態で配設し、軸部31aと軸部32aとの間に融通連結手段33を介装して所定範囲の融通を持たせて連動連結し、操作レバー32により籾シャッタ弁31を回動調節するよう構成している。
【0027】
すなわち、籾シャッタ弁31の軸部31a端部に第1融通アーム33aを取り付け、操作レバー32の軸部32a端部に第2融通アーム33bを取り付け、第1融通アーム33aと第2融通アーム33bとの間を長孔とピンにより所定範囲の融通を持たせて連動連結している。しかして、操作レバー32を軸部32a回りに開閉操作すると、第1融通アーム33a,第2融通アーム33bを介して籾シャッタ弁31を開閉することができる。
【0028】
また、混合米揚穀機4上部の揚穀投げ出し部4aに混合米タンク24を上下動自在に吊り下げ支持し、混合米タンク24に所定量以上の穀粒が溜まり重くなると、混合米タンク24がバネ34に抗して下方へ移動し、穀粒が所定量より少なくなると、バネ34により上方へ移動するように構成している。
【0029】
そして、混合米タンク24の側方に混合米タンク上限センサSE3及び混合米タンク下限センサSE4を設け、混合米タンク24に所定量以上の混合米が溜り混合米タンク24が下方へ移動すると混合米タンク上限センサSE3がON検出する。混合米タンク24内の混合米量が所定量以下まで減少し、混合米タンク24が上方へ移動すると混合米タンク下限センサSE4がON検出するようにしている。
【0030】
また、
図3に示すように、混合米タンク24と籾シャッタ弁31とをメカ的なリンケージで連結する籾シャッタ弁調節手段37により連動連結している。この籾シャッタ弁調節手段37は、例えば、混合米タンク24に一端が連結されている誘導ロッド37a、誘導ロッド37aの他端にピン連結されている第1支点アーム37b、第1支点アーム37bの他端にピン連結している連動ロッド37c、連動ロッド37cの他端にピン連結している回動アーム37dにより構成し、回動アーム37dの他端に籾シャッタ弁31の軸部31aのアーム部をピン連結している。
【0031】
しかして、混合米タンク24に所定量以上の穀粒が溜り下動すると、誘導ロッド37a,第1支点アーム37b,連動ロッド37c及び回動アーム37dを介して籾シャッタ弁31が閉調節される。また、混合米タンク24の穀粒量が所定量以下に減少し上方へ移動すると、誘導ロッド37a,第1支点アーム37b,連動ロッド37c及び回動アーム37dを介して籾シャッタ弁31が開調節される。従って、籾摺穀粒量を過不足なく適正に調整しながら円滑に籾摺選別作業をすることができる。
【0032】
なお、混合米タンク24の穀粒流下口からは混合米が常時流下するように構成し、混合米調節弁(図示省略)により流出混合米量を調節するように構成している。
また、混合米選別部3の選別玄米取出部には循環/排出切換弁36を設け、循環/排出切換弁制御モータM2の正逆回転駆動により仕上げ玄米を機内循環側に切り換えたり、機外取出側に切り換えるようにしている。また、循環/排出切換弁36の循環側あるいは排出側への切換状態を検出する循環/排出切換弁(循環)センサSE5,循環/排出切換弁(排出)センサSE6を設けている。
【0033】
また、揺動選別板15の下方には主モータM1で駆動される揺動駆動装置39を設け、フレーム部に揺動クラッチプーリ39a付きの揺動クラッチアーム39bを軸支し、操作レバー32に一端を連結している揺動クラッチワイヤ40の他端を揺動クラッチアーム39bに連結し、操作レバー32の操作に関連して揺動駆動装置39の伝動ベルトを緊張伝動状態としたりあるいは弛緩切り状態とするように構成している。
【0034】
また、
図5に示すように、籾摺選別機の正面中央の風選部2の上部に操作盤41を設け、操作盤41の上方には左右方向に沿うように操作ガイド溝44を設け、操作ガイド溝44の籾摺部1に近い左側部に始動,停止時操作用の初期位置44aを,混合米選別部3に近い右側部に籾摺作業時操作用の作業位置44bを設け、操作レバー32を前後方向の軸心回りに左右に往復回動操作自在に構成している。
【0035】
次に、
図4に基づき操作盤41について説明する。
操作盤41の下側左側部に運転開始スイッチSW1,運転停止スイッチSW2,穀物種類選択スイッチSW3を設け、下側右側部にロール間隙開調節スイッチSW4,籾摺ロール7,7のロール間隙調節表示部54,ロール間隙閉調節スイッチSW5を設けている。
【0036】
また、操作盤41の上側左側部に主モータ異常表示部42を設け、負荷電流センサSE2で検出し主モータM1の負荷状態を表示するようにしている。
上側右側部に操作モニタ表示部43を設けている。操作モニタ表示部43の左側部に初期操作表示部43a,初期ランプLaを設け、右側部に籾摺操作表示部43b,籾摺作業ランプLbを設け、操作レバー32が初期位置44aに操作されると初期ランプLaが点滅表示し、操作レバー32が作業位置44bに操作されると籾摺作業ランプLbが点滅表示する。
【0037】
そして、初期ランプLaの近傍には作業停止と記載し、籾摺作業ランプLbの近傍には籾摺選別作業の内容に応じて機内循環籾摺選別作業,機外排出籾摺選別作業,残米籾摺選別作業,少量籾摺選別作業,麦選別作業と文字表示するようにしている。
【0038】
操作レバー32を左側の初期位置44aに操作すると、穀物ホッパ6の籾シャッタ弁31が閉調節され、揺動クラッチプーリ49aがクラッチ切り状態となり、操作レバー位置検出センサ(初期位置)SE7のON検出によるコントローラ55の循環/排出切換弁循環側切換指令に基づき循環/排出切換弁36が循環側に切り換えられる。
【0039】
また、操作レバー32を右側の作業位置44bに操作すると、穀物ホッパ6の籾シャッタ弁31が開調節され、揺動クラッチプーリ49aがクラッチ入り状態となり、操作レバー位置検出センサ(作業位置)SE8のON検出によりコントローラ55の前記循環/排出切換弁循環側切換指令が保持されたままで循環/排出切換弁36は循環側への切換状態を保持したままで、次いで、混合米タンク上限センサSE3がONし混合米タンク24に設定量以上の混合米が溜まった場合(あるいは、所定時間経過後に負荷電流センサSE2が設定値以上の主モータM1の負荷電流値を検出し籾摺選別作業を継続している場合)には選別玄米排出指令条件が満たされたと判断し、コントローラ55の循環/排出切換弁排出側切換指令に基づき循環/排出切換弁36が循環側から排出側に切り換えら選別玄米の仕上米排出工程の作業に移行するようにしている。
【0040】
図6に示すように、コントローラ55の入力側には前記スイッチ群,センサ群を接続し,出力側には駆動回路を経由して前記モータ類,ランプを接続している。
次に、
図7及び
図8に基づきコントローラ55の制御内容について説明する。
【0041】
籾摺選別機が通電状態となり本制御が開始される。この段階では操作レバー32は初期位置44aに位置し、穀物ホッパ6の籾シャッタ弁31は閉調節状態で、揺動クラッチプーリ49aはクラッチ切り状態で、操作レバー位置検出センサ(初期位置)SE7はONし、コントローラ55の循環/排出切換弁循環側切換指令に基づき循環/排出切換弁36は循環側に切り換えられている。
【0042】
次いで、穀物種類選択スイッチSW3で籾が選択され(ステップS1)、次いでオペレータにより運転開始スイッチSW1がONされると(ステップS2)、主モータM1が駆動され循環/排出切換弁36は循環側切換状態で籾摺選別機の各部が空運転を開始する(ステップS3)。
【0043】
次いで、コントローラ55のロール間隙初期設定指令に基づきロール間隙調節モータM3が正逆駆動され籾摺ロール7,7のロール間隙の初期調節設定が実行される(ステップS4)。次いで、ロール間隙の初期間隙設定制御が終了すると、籾摺作業ランプLcが点滅し操作レバー32の作業位置44bへの操作可能状態を表示する(ステップS5)。次いで、オペレータにより操作レバー32が初期位置44aから作業位置44bへ操作されると、籾シャッタ弁31が開調節状態,揺動クラッチプーリ49aがクラッチ入り状態となり(ステップS6)、循環/排出切換弁36は循環側切換状態を保持したままで循環籾摺選別作業が実行される(ステップS7)。
【0044】
次いで、混合米タンク上限センサSE3の検出値により混合米タンク24に設定量以上の混合米が溜ったか否かを判定し(ステップS8)、Yesであると、コントローラ55の循環/排出切換弁排出側切り換え指令に基づき循環/排出切換弁36が循環側から排出側に切り換えられ(ステップS9)、選別された仕上玄米の排出作業(仕上米排出工程)の作業に移行する(ステップS10)。
【0045】
次いで、
図7のAから
図8のAに移行し、例えば負荷電流センサSE2の検出負荷電流値が所定値以下になったか否かを判定し(あるいは、穀物ホッパ穀粒有無センサSE1が穀粒なし検出をしたか否かを判定し)(ステップS11)、Yesであると、コントローラ55は機内循環穀粒量の減少に基づく残米処理工程への移行時期と判定し、残米処理工程移行指令に基づき循環/排出切換弁36が排出側から循環側に切り換えられ残米処理工程に移行する(ステップS12)。
【0046】
次いで、設定時間の残米処理工程が終了すると(ステップS13)、コントローラ55は残米処理工程の終了と判定し残米処理工程終了指令に基づき循環/排出切換弁36は循環側から排出側に切り換えられ残米処理穀粒の機外排出が開始される(ステップS14)。所定時間の機外排出作業が終了すると(ステップS15)、コントローラ55の循環/排出切換弁循環側切換指令に基づき循環/排出切換弁36が排出側から循環側に切り換えられ、次回作業開始位置に切り換えられ制御は終了する(ステップS16)
なお、前記残米処理工程は、例えば、循環/排出切換弁36の機内循環状態で所定時間にわたり残留穀粒全量を複数回にわたり機内循環して残留穀粒全量を玄米化し、次いで循環/排出切換弁36を機内循環側から機外排出側に切り換え残留穀粒全量を機外に排出し終了する。
【0047】
次に、麦選別制御について説明する。
穀物種類選択スイッチSW3で麦選択され(ステップS21)、オペレータにより運転開始スイッチSW1がONされる(ステップS22)。この段階では操作レバー32は初期位置44aにあり、穀物ホッパ6の籾シャッタ弁31は閉調節状態であり、揺動クラッチプーリ49aはクラッチ切り状態であり、操作レバー位置検出センサ(初期位置)SE7はON状態で、コントローラ55の循環/排出切換弁循環側切換指令に基づき循環/排出切換弁36は循環側に切り換えられた状態である。次いで、主モータM1が駆動され籾摺選別機の各部は空運転を開始する(ステップS23)。
【0048】
次いで、コントローラ55のロール間隙拡開制御指令に基づき籾摺ロール7,7のロール間隙が拡開制御され、麦がロール間隙を通過しても脱ぷ作用を受けないで通過し風選部2に移送される状態となり、コントローラ55の麦選別作業可能指令に基づき籾摺作業ランプLbが点滅し、選別麦機外排出可能状態が表示される(ステップS24)。次いで、オペレータにより操作レバー32が初期位置44aから作業位置44bへ操作されると、籾シャッタ弁31が開調節状態、揺動クラッチプーリ49aがクラッチ入り状態となり、循環/排出切換弁36は循環側切換状態を保持し機内循環麦選別状態に移行する(ステップS25)。
【0049】
次いで、設定時間が経過すると(ステップS26)、コントローラ55は機内循環麦選別作業の安定と判定し、循環/排出切換弁排出側切換指令に基づき循環/排出切換弁36が循環側から排出側に切り換えられ(ステップS27)、選別麦排出麦選別作業に移行する(ステップS28)。
【0050】
次いで、
図7のBから
図8のBに移行し、次いで、オペレータが選別すべき麦が無くなったことを視認して運転停止スイッチSW2がONすると(ステップS29)、コントローラ55は選別麦排出作業の終了と判定し循環/排出切換弁循環側切換指令が出され循環/排出切換弁36は排出側から循環側に切り換えられ次回作業開始位置にセットされ制御は終了する(ステップS30)。
【0051】
なお、ステップS29からステップS30では、運転停止スイッチSW2がON操作により麦選別排出作業の終了判定をしているが、穀物ホッパの穀粒有無センサSE1の麦無し検出,あるいは,選別麦排出作業時にオペレータが選別すべき麦が無くなったことを視認して操作レバー32の初期位置44aへの操作により麦選別作業の終了判定をするようにしてもよい。
【0052】
また、前記操作ガイド溝44の左側部の籾摺部1に近い部位に始動,停止時に操作する初期位置44aを設け,右側部の混合米選別部3に近い部位に籾摺作業用の作業位置44bを設け、操作レバー32を前後方向の軸心回りに左右に往復回動操作自在に構成している。
【0053】
そして、操作レバー32の作業位置44bの近傍に排出循環切換スイッチSW6を設けている。操作モニタ表示部43の左側下部に循環/排出切換弁循環側表示ランプLcを、右側下部に循環/排出切換弁排出側表示ランプLdを設けている。
【0054】
該排出循環切換スイッチSW6はコントローラ55の入力側に接続されていて、操作レバー32が初期位置44aあるいは作業位置44bに操作されている状態で排出循環切換スイッチSW6がON操作されると、コントローラ55の循環/排出切換弁切換指令に基づき循環/排出切換弁36が循環側から排出側へ、あるいは、排出側から循環側に切り換えられ、循環/排出切換弁循環側表示ランプLc,循環/排出切換弁排出側表示ランプLdが点滅し、循環/排出切換弁36の切換状態を表示するようにしている。
【0055】
前記のように排出循環切換スイッチSW6を設けたことにより、籾摺選別機の通常運転では操作レバー32を初期位置44aから作業位置44bへ操作することにより、循環/排出切換弁36を循環側から排出側に切り換え循環籾摺選別作業から排出籾摺選別作業へ自動運転により移行できるものでありながら、操作レバー32を作業位置44bへ操作した状態において、混合米選別部3の揺動選別板15の選別状態が安定したにもかかわらず循環/排出切換弁36の循環側から排出側への自動切換条件が整わない場合にはオペレータの判断で排出循環切換スイッチSW6を操作することにより、選別玄米排出籾摺選別作業に移行し能率的な籾摺作業をすることができる。
【0056】
また、循環/排出切換弁36の排出側への切換状態においてオペレータの判断で排出循環切換スイッチSW6を操作することにより、循環/排出切換弁36を排出側から循環側へ切り換えることができ、籾摺選別機の突発的な選別状態の変化で籾が仕上玄米に混入することの防止を迅速に対応することができる。
【0057】
また、操作ガイド溝44を形成する左右に長い操作ガイド案内体44cの混合米選別部3に近い部位に設けている作業位置44bの近くに排出循環切換スイッチSW6を配設している。そのため、オペレータは混合米選別部3の揺動選別板15の選別状態を近くで確認しながら排出循環切換スイッチSW6を操作することができ、選別状態に迅速容易に対応することができる。
【0058】
排出循環切換スイッチSW6は、操作レバー32が作業位置44bに操作したときに切り換え可能にする。すなわち、初期位置にあるときに切り換え可能に構成すると、循環/排出切換弁36が排出側にある状態で、籾摺り選別作業の開始が可能となり、かつオペレータが意図しないのに混合米タンク24が設定量以上の検出を待たないで仕上げ排出工程が可能になってしまうためである。
【0059】
なお、仕上排出工程中に停電又はオペレータが運転スイッチSW1を操作して主モータM1が停止した際、主モータM1を再起動させたときには循環/排出切換弁36を排出側から一旦循環側に切り換える。そして、所定時間経過後(例えば30秒後)に混合米タンク24に所定量以上の混合米量があることを混合米上限センサSE3が検出すると、循環/排出切換弁36を循環側から排出側に切換わるようにする。それにより、選別作業中に中断して再起動するときに、籾が仕上げ玄米に混入することを防止しつつ、円滑な籾摺選別作業を継続できる。