(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態の搬送システム1の斜視図である。
なお、実施形態及び図面では、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。この座標系は、合紙載置装置10の鉛直方向Z、左右方向X、奥行方向Yを表す。
左右方向Xは、ローラコンベア5がガラス板2(板状材)を搬送する搬送方向であり、左側X1が上流側、右側X2が下流側である。
【0010】
搬送システム1は、ローラコンベア5(搬送部)上を連続して流れてくるガラス板2に、合紙載置装置10(シート載置装置)によって合紙4(シート)を載せるものである。
ローラコンベア5は、ガラス板2を奥行方向Yに2枚並べて、右側X2に搬送する。
なお、ガラス板2の一方の面には、焼け抑制等のために、必要に応じて薬剤が塗布されている場合がある。この場合には、ローラコンベア5は、薬液が塗布された面を上面にして、ガラス板2を搬送する。
ローラコンベア5は、ガラス板2を、停止することなく一定の速度で搬送する。
なお、
図1に示す工程よりも下流側の工程では、移載装置の吸着パッド(図示せず)が、ローラコンベア5上のガラス板2を、合紙4を介してガラス板2を吸着保持して、搬出パレット等に積み込む。このため、合紙4は、通気性を有する。
【0011】
[合紙載置装置10の構成]
搬送システム1は、2つの合紙載置装置10を備える。
2つの合紙載置装置10は、ローラコンベア5の奥側Y2の領域に、左右方向Xに並んで配設されている。左側X1の合紙載置装置10は、奥側Y2を搬送されるガラス板2に合紙4を載せ、一方、右側X2の合紙載置装置10は、手前側Y1を搬送されるガラス板2に合紙4を載せる。
なお、搬送システム1は、ガラス板2の約2倍のサイズの大板を、1列で搬送することもできる。この場合には、2つの合紙載置装置10が、大板1枚当り複数枚の合紙4を、奥行方向Yの位置をずらして載せればよい。
左右の合紙載置装置10は、主に水平レール42(後述する)等の長さが異なり、その他の構成は同様である。以下、左側X1の合紙載置装置10の構成について、説明する。
【0012】
図2は、第1実施形態のスライダ31が合紙保持位置にある状態の合紙載置装置10の縦断面図(右側X2から見た断面図)である。
図3は、第1実施形態のスライダ31が合紙解放位置にある状態の合紙載置装置10の縦断面図である。
図4は、第1実施形態の合紙搬送装置30を示す図である。
図4(A)は、
図3の4A−4A断面に相当する平面図である。
図4(B)は、
図4(A)のB−B断面図である。
図5は、第1実施形態の変換レール43の動作を説明する縦断面図である。
図5(A)は、変換レール43が上配置にある状態を示す。
図5(B)は、変換レール43が下配置にある状態を示す。
図6は、第1実施形態の合紙切断時における合紙載置装置10の縦断面図である。
【0013】
図2、
図3に示すように、合紙載置装置10は、合紙供給部20、合紙搬送装置30、制御部60を備える。
(合紙供給部20)
合紙供給部20は、原紙ロール保持部21、転向ローラ22、合紙切断部25(シート切断装置)、通気板28、空気流出部29を備える。
【0014】
原紙ロール保持部21は、原紙ロール4bを回転可能に保持する。原紙ロール4bは、合紙4を連続した状態でロール状に巻いたものである。原紙ロール4bの回転軸の方向は、左右方向Xである。原紙ロール保持部21は、駆動部(図示せず)によって回転駆動されて、原紙ロール4bから連続合紙4aを手前側Y1(転向ローラ22側)に送り出す。
原紙ロール保持部21は、原紙ロール4bからの連続合紙4aの送り量を検出する検知ローラ(図示せず)を備える。検知ローラは、原紙ロール4bの外周に当接して回転し、回転量に応じた信号を制御部60に出力する。
転向ローラ22は、原紙ロール保持部21の手前側Y1に、原紙ロール保持部21と平行に配置されている。転向ローラ22は、原紙ロール保持部21から繰り出された連続合紙4aの送り方向を、手前側Y1から下側Z1に変換する。
【0015】
合紙切断部25は、連続合紙4aを押し切るようにして切断する装置である。
合紙切断部25は、カッター刃26(カッター)、刃受け27を備える。
カッター刃26と刃受け27とは、転向ローラ22から垂下する連続合紙4aを挟むように、対向配置されている。左右方向Xにおいて、カッター刃26と刃受け27の長さとは、連続合紙4aを押し切ることができるように、連続合紙4aの長さよりも長い(
図1参照)。
【0016】
カッター刃26は、駆動部(図示せず)によって、待避位置(
図2に示す位置)と、切断位置(
図6に示す位置)との間で駆動される。
待避位置では、カッター刃26の刃先は、連続合紙4aの移動経路よりも奥側Y2に配置される。この状態では、連続合紙4aは、カッター刃26と刃受け27との間を通過できる。
切断位置では、カッター刃26の刃先は、連続合紙4aの移動経路よりも手前側Y1に配置される。
【0017】
刃受け27は、カッター刃26が合紙4を奥側Y2から押し切るために、合紙4の手前側Y1の面を受ける部材である。刃受け27は、縦長の矩形断面の部材である。
刃受け27は、スリット27a(カッター逃し溝)、空気供給部27bを備える。
スリット27aは、切断位置におけるカッター刃26の刃先を収容する溝である。
空気供給部27bは、スリット27a内部に空気を供給するノズル等である。スリット27a内部に供給された空気は、スリット27aの開口部から噴出する。
【0018】
通気板28は、合紙4に対応する大きさの矩形状の板材である。通気板28の板面は、垂下される連続合紙4aに平行である。通気板28は、垂下された連続合紙4aを、合紙保持位置にあるスライダ31の吸着パッド32(後述する)との間に挟むように配置される。通気板28は、全面に多数の通気孔28aを有する、例えばパンチングメタル等のような部材である。
通気板28の上側Z2には、導入部28bが設けられている。
導入部28bは、通気板28に対して斜めに接続された板材である。導入部28bは、合紙切断部25から送られてきた合紙4を、通気板28の手前側Y1に導く。
【0019】
空気流出部29は、合紙切断部25の上側Z2に配置されている。空気流出部29は、左右方向Xに連続したノズルでもよく、数個(例えば4個程度)の独立したノズルを左右方向Xに並べてもよい。
空気流出部29は、空気を、刃受け27と導入部28bとの間に、下側Z1に向けて吹き込む。空気は、その後、導入部28bによって通気板28上に導かれ、通気板28上を下側Z1に向けて流れる(
図3参照)。
【0020】
(合紙搬送装置30)
合紙搬送装置30は、スライダ31、レールユニット40(ガイド部)、スライダ駆動部50を備える。
スライダ31は、合紙4を保持した状態でレールにガイドされて移動して、合紙4をガラス板2の上面に搬送して載置する部材である。なお、制御部60は、スライダ31の移動位置を、光学センサ等の検出部や、スライダ駆動部50のモータの駆動量等に基づいて、確認できる。
【0021】
図4に示すように、スライダ31は、フレーム31a、吸着パッド32、車輪35(35F,35B)を備える。
フレーム31aは、スライダ31の基礎となる枠体である。フレーム31aは、合紙4と対応する矩形状である。フレーム31a内部には、左右一対の縦桟31bを備える。
【0022】
吸着パッド32は、合紙4を吸着して保持する部材である。吸着パッド32は、吸引装置(図示せず)に接続されている。吸着パッド32は、4つ設けられており、合紙4を安定して吸着できる。
図6に示すように、吸着パッド32の吸着面は、レールユニット40の各レールよりも外側に突出している。つまり、断面形状において、吸着パッド32の吸着面及びスライダ31の本体の間に、各レールが配置される。これにより、スライダ31は、各レールよりも内側に位置した状態で、各レールよりも外側の位置で合紙4を保持できる。
【0023】
車輪35は、2つの前輪35F(前従動部材)、2つの後輪35B(後従動部材)を備える。
なお、実施形態において、スライダ31、車輪35の前後方向(つまりスライダ31のシート搬送方向の前後方向)は、これらの移動経路において、合紙保持位置(シート保持位置)から合紙解放位置(シート解放位置)へと移動する方向を、前側とする。
図3、
図4に示すように、2つの前輪35Fは、スライダ31の前側端部の左右に設けられている。
2つの後輪35Bは、スライダ31の後側端部の左右に設けられている。
左右方向Xにおいて、前輪35F、後輪35Bの位置は、同じである。つまり、左右方向Xにおいて、左側X1の前輪35Fの位置と、左側X1の後輪35Bの位置とは一致しており、かつ、右側X2の前輪35Fの位置と、右側X2の後輪35Bの位置とは一致している。
なお、各車輪35は、1つの車輪から構成された形態を図示するが、実際には、レールから脱落しないために、複数の車輪から構成される。例えば、各車輪35は、レールを表裏から挟み込む2つの車輪と、レールに対して左右外側の側面から当接する1つの車輪とからなる、計3つの車輪から構成される。
【0024】
図5に示すように、レールユニット40は、鉛直レール41(鉛直ガイド部)、水平レール42(水平ガイド部)、変換レール43(変換ガイド部)を備える。
鉛直レール41、水平レール42、変換レール43は、左右にそれぞれ設けられている。
各レールの幅方向(つまり左右方向X)において、左右の鉛直レール41の間隔と、左右の水平レール42の間隔、左右の変換レール43の間隔とは、一致している。また、左右方向Xにおいて、各レールの位置と、前輪35Fの位置と、後輪35Bの位置とは、一致している。つまり、左側X1の各レールは、奥行方向Yに平行な同一線上に配置されており、同様に、右側X2の各レールは、奥行方向Yに平行な同一線上に配置されている。
【0025】
鉛直レール41は、鉛直方向Zに配置されたレールである。鉛直レール41は、後輪35Bを鉛直方向Zにガイドする。このため、鉛直レール41の上端は、合紙保持位置におけるスライダ31の後輪35Bの位置よりも高い(
図2参照)。
鉛直方向Zにおいて、鉛直レール41の下端と、水平レール42間とには、隙間を有する。つまり、鉛直レール41と、水平レール42とは、接続されていない。
【0026】
水平レール42は、水平方向に配置されたレールである。水平レール42は、ローラコンベア5よりも上側Z2の空間に配置されている。
水平レール42は、前輪35F及び後輪35Bを奥行方向Yにガイドする。鉛直レール41の前端は、水平レール42の前輪35Fの移動範囲をカバーできるように、合紙解放位置におけるスライダ31の前輪35Fの位置よりも手前側Y1である(
図3参照)。
【0027】
変換レール43は、湾曲レール43a(湾曲ガイド部)、延長水平レール43b(延長水平ガイド部)を備える。
湾曲レール43a、延長水平レール43bは、エアシリンダ等を備える駆動部(図示せず)によって、鉛直方向Zに一体で駆動される。変換レール43は、
図5(A)に示す上配置と、
図5(B)に示す下配置との間で駆動される。
【0028】
湾曲レール43aは、湾曲したレールである。湾曲レール43aの断面形状は、変換レール43が下配置にある状態で、水平レール42の後端と、鉛直レール41を下側Z1に延長した鉛直線とを、コーナRで結ぶような円弧状である。これにより、湾曲レール43aは、後輪35Bの移動方向を、鉛直方向Z及び奥行方向Yとの間で変換できる。
延長水平レール43bは、水平なレールである。延長水平レール43bは、湾曲レール43aの直下に配置されている。鉛直方向Zにおいて、湾曲レール43a及び延長水平レール43bは、前輪35Fが通過可能な程度、離間している。
【0029】
上配置、下配置において、変換レール43は、以下のように他のレールに接続する。
・上配置(
図5(A))
湾曲レール43aの上端は、鉛直レール41の下端に接続する。一方、湾曲レール43aの前端は、他のレールには接続しない。
延長水平レール43bは、水平レール42の後端に接続する。延長水平レール43bは、水平レール42を奥側Y2に延長したような形態になり、延長水平レール43b及び水平レール42は、一体で1つの水平方向のレールを構成する。
なお、スライダ31が保持位置にある状態では、変換レール43は、上位置に配置される(
図2参照)。この場合、前輪35Fは、延長水平レール43bの上側Z2に配置され、かつ、湾曲レール43aの下側Z1に収容される形態となる。
【0030】
・下配置(
図5(B))
湾曲レール43aの上端は、他のレールには接続しない。一方、湾曲レール43aの前端は、水平レール42の後端に接続する。
延長水平レール43bは、いずれのレールにも接続しない。
【0031】
スライダ駆動部50は、スライダ31を駆動するための装置である。
図2、
図3及び
図4に示すように、スライダ駆動部50は、スプロケット51,52、駆動チェーン55を備える。
スプロケット51,52の一方は、サーボモータ等の駆動部(図示せず)の駆動力が伝達されて回転駆動される。
図3に示すように、スプロケット51は、合紙解放位置における前輪35Fの位置よりも手前側Y1に配設されている。
図2に示すように、スプロケット52は、合紙保持位置における前輪35Fの位置よりも奥側Y2に配設されている。
【0032】
駆動チェーン55は、スプロケット51,52に巻き掛けられている。駆動チェーン55は、奥行方向Yに平行に周回する。駆動チェーン55は、接続部56によって、前輪35Fに結合されている。鉛直方向Zにおいて、接続部56の位置と、前輪35Fの位置とは一致している。このため、前輪35Fの移動経路は、駆動チェーン55の周回軌道内に含まれる。
【0033】
上記構成により、スライダ駆動部50は、駆動チェーン55を周回させて、前輪35Fを移動させることによって、スライダ31を移動する。また、スライダ駆動部50は、駆動チェーン55の回転方向を切り替えることで、スライダ31の移動方向を切り替えできる。
【0034】
(制御部60)
図1に示すように、制御部60は、合紙載置装置10の各駆動部、各検出部に接続されており、合紙載置装置10の動作に必要な演算処理をしたり、合紙載置装置10を統括的に制御する。制御部60は、例えば、CPU(中央処理装置)等の制御装置から構成される。制御部60は、記憶装置(図示せず)に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、実施形態の各種機能を実現している。
制御部60は、例えば、連続合紙4aの送り制御、合紙切断部25の制御、変換レール43等の制御、スライダ駆動部50の制御等を行う。
なお、制御部60は、各駆動部に制御装置を設けることにより、複数の制御部から構成されていてもよい。この場合には、各制御部同士が、必要に応じて情報伝達すればよい。
【0035】
[合紙載置装置10の動作]
合紙載置装置10の動作を、
図2、
図3、
図6、
図7、
図8を参照して説明する。
図7は、第1実施形態の変換レール43が上位置にある状態において、後輪35Bが湾曲レール43a上にある状態の合紙載置装置10の縦断面図である。
図8は、第1実施形態の変換レール43が下位置にある状態において、後輪35Bが湾曲レール43a上にある状態の合紙載置装置10の縦断面図である。
合紙載置装置10は、以下の順序で動作をする。
以下、
図2に示すように、スライダ31が合紙保持位置にあり、湾曲レール43aが上位置に配置された状態からの動作を説明する。
【0036】
(合紙繰り出し工程)
図2に示すように、制御部60は、合紙載置装置10から連続合紙4aを繰り出す。繰り出された連続合紙4aは、空気流出部29から流出する空気の流れに乗って(
図3参照)、導入部28bから通気板28の前面へと促される。
(合紙吸着工程)
図6に示すように、制御部60は、連続合紙4aが規定量だけ送り出されたと判断すると、吸着パッド32を駆動して連続合紙4aを吸着する。合紙4の保持は、吸着パッド32を駆動すればよいので、制御が容易である。
この場合、通気板28は、合紙4を奥側Y2から支える。これにより、吸着パッド32は、合紙4の面方向が鉛直方向Zの状態(つまり、合紙4の表面が手前側Y1を向いた状態)であり、合紙4が平坦な状態で、合紙4を吸着保持できる。
また、通気板28は、通気孔28aを備える。これにより、吸着パッド32は、通気性を有する合紙4を介して、通気板28までも吸着してしまうことを抑制できる。さらに、合紙4は、通気板28に対して真空吸着することが抑制される。このため、合紙4は、通気板28から容易に離間できる。
【0037】
(合紙切断工程)
図6に示すように、制御部60は、合紙切断部25を駆動して連続合紙4aを切断する。これにより、独立した合紙4が、スライダ31の吸着パッド32によって吸着保持された状態となる。
なお、切断後の連続合紙4aの切断端部は、スリット27aに押し込まれてしまったり、スリット27aに引っ掛かってしまう可能性がある。実施形態では、空気供給部27bは、合紙4の切断端部をスリット27aから排出させて、上記引っ掛かり等を抑制する(
図7、
図8参照)。
これにより、合紙供給部20は、次の合紙4を準備するために連続合紙4aを繰り出す場合に、連続合紙4aをスムーズに送ることができる。
【0038】
(スライダ前進工程)
制御部60は、スライダ駆動部50を制御して、前輪35Fを、手前側Y1に移動する。これにより、スライダ31は、合紙保持位置から合紙解放位置に向けて前進する。制御部60は、スライダ駆動部50の駆動(つまりスライダ前進工程)を、スライダ31が合紙解放位置に到達するまで継続する。
前輪35Fは、延長水平レール43b及び水平レール42によって、手前側Y1に連続してガイドされる。前述した通り、湾曲レール43a及び延長水平レール43bは、前輪35Fが通過可能な程度離間している。このため、前輪35Fは、湾曲レール43aに干渉することなく、延長水平レール43bから水平レール42に移動できる(
図6に示す矢印B参照)。
一方、後輪35Bは、鉛直レール41及び変換レール43の湾曲レール43aによって、鉛直方向Z及び湾曲状に連続してガイドされる。後輪35Bは、鉛直レール41に沿って下降し、
図7に示すように、その後、湾曲レール43aに到達する。
【0039】
なお、制御部60は、スライダ31を前進させることにより、通気板28の前面のスペースが空くと、この次の合紙4を準備するために、上記合紙繰り出し工程を行う。
【0040】
(変換レール降下工程)
図8に示すように、制御部60は、後輪35Bが湾曲レール43aに到達すると、変換レール43を、上配置から下配置に駆動する。
これにより、変換レール43の湾曲レール43a及び水平レール42が接続される。後輪35Bは、湾曲レール43a及び水平レール42よって、湾曲状及び水平方向に連続してガイドされる。これにより、後輪35Bは、湾曲レール43aから水平レール42に移動することができる。
なお、制御部60は、スライダ31の移動速度が速すぎる場合には、後輪35Bが湾曲レール43a上にいる状態では、スライダ31の移動速度を遅くしたり、スライダ31を一時停止してもよい。
後輪35Bが湾曲レール43aから水平レール42に移動すると、制御部60は、変換レール43を、下配置から上配置に戻す(変換レール上昇工程)。
【0041】
(合紙解放工程)
図3に示すように、スライダ31が合紙解放位置に到達すると、制御部60は、スライダ前進工程を終了する。つまり、制御部60は、スライダ駆動部50を停止させて、スライダ31を停止させる。
スライダ31が合紙解放位置にある状態では、前輪35F、後輪35Bは、水平レール42上にある。このため、スライダ31が水平に配置されるので、スライダ31が保持する合紙4の面方向は、水平方向の状態(つまり、合紙4の下面が下側Z1を向いた状態)になる。これにより、合紙4とガラス板2とが、対向配置される。
制御部60は、光学センサ等の検出部(図示せず)の出力に基づいて、搬送されるガラス板2が合紙4の直下に到達したと判定すると、吸着パッド32を制御して、合紙4を解放する。
これにより、合紙載置装置10は、合紙4をガラス板2の上面に載せることができる。合紙4の解放は、吸着パッド32を駆動すればよいので、制御が容易である。
【0042】
このように、スライダ前進工程では、前輪35Fは、「延長水平レール43b→水平レール42」の順に、連続してガイドされる。後輪35Bは、「鉛直レール41→湾曲レール43a→水平レール42の奥側Y2の一部範囲」の順に、連続してガイドされる。
【0043】
(スライダ後進工程)
吸着パッド32が合紙4を解放すると、制御部60は、スライダ駆動部50を制御して、前輪35Fを、後側に駆動する。これにより、スライダ31は、合紙解放位置から合紙保持位置に向けて後進する。制御部60は、スライダ駆動部50の駆動(つまりスライダ後進工程)を、スライダ31が合紙保持位置に到達するまで、継続する。
後輪35Bは、水平レール42及び変換レール43の湾曲レール43aによって、水平方向及び湾曲状に連続してガイドされる。後輪35Bは、水平レール42に沿って奥側Y2に移動し、
図8に示すように、その後、後輪35Bは、変換レール43の湾曲レール43aに到達する。
【0044】
(変換レール上昇工程)
制御部60は、後輪35Bが湾曲レール43aに到達すると、変換レール43を、下配置から上配置に駆動する。
図7に示すように、これにより、湾曲レール43a及び鉛直レール41が接続される。後輪35Bは、湾曲レール43a及び鉛直レール41によって、湾曲状及び鉛直方向Zに連続してガイドされる。これにより、後輪35Bは、湾曲レール43aから鉛直レール41に移動することができる。
一方、水平レール42及び延長水平レール43bが接続される。これにより、前輪35Fは、水平レール42及び延長水平レール43bによって、奥側Y2に連続してガイドされる。この場合にも、前輪35Fは、湾曲レール43aに干渉することなく、水平レール42から延長水平レール43bに移動できる。
このように、スライダ後進工程では、後輪35Bは、「水平レール42の奥側Y2の一部範囲→湾曲レール43a→鉛直レール41」の順に、連続してガイドされる。前輪35Fは、「水平レール42→延長水平レール43b」の順に、連続してガイドされる。
【0045】
スライダ31が合紙保持位置に到達すると、制御部60は、スライダ後進工程を終了する。つまり、制御部60は、スライダ31を停止させる。
その後、制御部60は、前述したように既に繰り出され準備された連続合紙4aを吸着して、合紙吸着工程からの工程を繰り返す。これにより、合紙載置装置10は、連続して搬送されるガラス板2に、連続して合紙4を載置できる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の合紙載置装置10は、小さいスペースに設置できる。
すなわち、
図1、
図2等に示すように、合紙載置装置10は、ローラコンベア5よりも上側Z2のスペースには、水平レール42等、駆動チェーン等のみを設ければよい。このため、合紙載置装置10は、ローラコンベア5上に、他の製造装置等を設置するための十分なスペースを設けることができる。また、ローラコンベア5の保守、点検時等には、作業者は、ローラコンベア5の上側Z2から作業できるので、作業性が良好である。
また、
図2に示すように、スライダ31は、合紙保持位置では、前輪35Fが水平レール42上に位置した状態で、直立する。このため、スライダ31は、鉛直方向Zの移動量が少ない。これにより、合紙載置装置10は、全高を低くすることができる。
さらに、スライダ31は、合紙保持位置では、合紙4を鉛直方向Zに立てた状態で保持する。これにより、合紙載置装置10は、合紙4を寝かした状態で保持する形態よりも、ローラコンベア5よりも奥側Y2における動作空間を小さくできる。
【0047】
さらにまた、スライダ31の前輪35F及び後輪35Bは、左右方向Xにおいて、同一の位置に配置されていても、変換レール43が駆動されることにより、レールユニット40の一部(つまり水平レール42の奥側Y2の範囲)を共通で利用できる。このため、前輪35F及び後輪35Bに対して、左右方向Xにおいて2本のレールユニットを用意すればよく、左右方向Xの大きさを小さくできる。
すなわち、本実施形態とは異なり、前輪35F及び後輪35Bが左右方向Xにおいて異なる位置に配置する形態では、これらを独立してガイドする必要がある。このため、この形態では、左右方向Xにおいて4本のレールユニットを用意する必要があり、設置スペースが大きくなってしまう。これに対して、本実施形態では、2本のレールユニットで足りるので、この大きさを小さくできるわけである。
【0048】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を適宜付して、重複する説明を適宜省略する。
また、以下、主に、スライダ231の本体部分、レールユニット240等の構成について説明する。その他の構成は、第1実施形態と同様であるため、図示及び説明を適宜省略する。
【0049】
図9は、第2実施形態のスライダ231が合紙解放位置にある状態の合紙載置装置210の平面図である。
図10は、第2実施形態の合紙載置装置210の縦断面図である。
図10(A1)は、
図9のA1−A1断面図である。
図10(A2)は、
図9のA2−A2断面図である。
図10(A1)、
図10(A2)には、合紙解放位置にあるスライダ231を実線で図示し、また、合紙保持位置にあるスライダ231を点線で図示した。
図10(B)(
図10(B1)〜
図10(B3))は、スライダ231が合紙保持位置から合紙解放位置に移動する動作(スライダ前進工程)を説明する図である。
【0050】
図9に示すように、左右方向Xにおいて、前輪235F、後輪235Bの位置は、異なる位置に配置されている。つまり、左右方向Xにおいて、左側X1の前輪235Fの位置と、左側X1の後輪235Bの位置とは異なり、同様に、右側X2の前輪235Fの位置と、右側X2の後輪235Bの位置とは異なる。
【0051】
レールユニット240は、2つの後輪ガイドレール240A、2つの前輪ガイドレール242(水平ガイド部)を備える。
図9に示すように、2つの後輪ガイドレール240Aは、左右の後輪235Bをそれぞれガイドするレールである。左右方向Xにおいて、2つの後輪ガイドレール240Aは、左右の後輪235Bに対応した位置に配置されている。
合紙載置装置210は、レールを鉛直方向Zに移動するような構成を備えていない。つまり、全てのレールが固定されている。このため、後輪ガイドレール240Aの全長及び形状は、後輪235Bの移動経路に対応している。
【0052】
図10(B)に示すように、後輪ガイドレール240Aは、鉛直レール241(鉛直ガイド部)、湾曲レール243a、水平部243cを備える。
鉛直レール241(鉛直ガイド部)、湾曲レール243aは、前述した第1実施形態と同様な形状である。鉛直レール241の下端と、湾曲レール243aの上端とは、接続されている。
湾曲レール243aは、後輪235Bの移動方向を、鉛直方向Z及び奥行方向Yとの間で変換する。
水平部243cは、水平方向(奥行方向Y)に配置されたレールである。水平部243cは、湾曲レール243aの前端に接続されている。これにより、水平部243cは、湾曲レール243aよりも手前側Y1の範囲において、後輪235Bをガイドする。
鉛直方向Zにおいて、水平部243cの高さと、前輪ガイドレール242の高さは、同一である。
【0053】
2つの前輪ガイドレール242は、左右の前輪235Fをそれぞれガイドするレールである。左右方向Xにおいて、2つの前輪ガイドレール242は、左右の前輪235Fに対応した位置に配置されている。
前輪ガイドレール242は、前述した第1実施形態の水平レール42と同様な形状である。但し、第2実施形態では、第1実施形態の延長水平レール43bを備えていない。このため、各前輪ガイドレール242の全長は、各前輪235Fの移動範囲を満たす。
【0054】
上記構成により、合紙載置装置210は、奥行方向Yに平行であって、左右方向X(ガイド部の幅方向)において異なる位置に配置された4つのレールが、4つの車輪235(235F,235B)をそれぞれガイドするようになっている。
【0055】
合紙載置装置210の動作について説明する。
以下、スライダ231が合紙保持位置から合紙解放状態へ移動する工程であるスライダ前進工程を説明する。なお、その他の工程(合紙繰り出し工程等)は、第1実施形態と同様である。
図10(B1)に実線で示すように、スライダ231は、合紙保持状態では、後輪235Bは、鉛直レール241の上端近傍に位置し、前輪235Fは、前輪ガイドレール242の奥側端部近傍に位置する。
制御部(第1実施形態の制御部60参照)は、スライダ駆動部50を駆動して、前輪235Fを前輪ガイドレール242に沿って手前側Y1に移動する。これにともない、後輪235Bは、鉛直レール241に沿って降下する。
【0056】
図10(B2)に示すように、スライダ231が前進を続けると、後輪235Bが湾曲レール243aに到達する。後輪235Bは、湾曲レール243aに沿って、移動方向を鉛直方向Zから奥行方向Yに変える。
図10(B3)に示すように、後輪235Bは、水平部243cに到達すると、前輪235Fと同じ高さになる。
制御部は、スライダ231が合紙解放位置に到達すると、スライダ駆動部50を駆動停止して、スライダ231を停止させる。
【0057】
以上説明したように、本実施形態の合紙載置装置210は、レールを切り替える構成が不要であるので、構成が簡単である。なお、設置スペースを小さくできる効果は、第1実施形態と同様である。
【0058】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図11は、第3実施形態の合紙載置装置310の縦断面図である。
第3実施形態のスライダ31の前輪35F、後輪35Bは、レールユニット340を共有して利用する。
つまり、レールユニット340は、鉛直レール341(鉛直ガイド部)、水平レール342(水平ガイド部)、湾曲レール343a(変換ガイド部)が一体に連続して構成されている。
左右方向Xの配置は、第1実施形態と同様に、左側X1の各レールは、奥行方向Yに平行な同一線上に配置されており、また、右側X2の各レールは、奥行方向Yに平行な同一線上に配置されている。
スライダ31の形態は、第1実施形態と同様である。
【0059】
合紙載置装置310の動作について説明する。
以下、スライダ前進工程(スライダ31が鉛直方向Zの合紙保持位置から水平方向の合紙解放位置へ移動する工程)では、前輪35Fは、「鉛直レール341の下側Z1の一部範囲→湾曲レール343a→水平レール342」の順にガイドされる。後輪35Bは、「鉛直レール341→湾曲レール343a→水平レール342の奥側Y2の一部範囲」の順にガイドされる。
スライダ後進工程では、前輪35F、後輪35Bは、これらとは逆の順序でガイドされる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態の合紙載置装置310は、構成を一層簡単にすることができる。
なお、本実施形態では、前輪35Fの鉛直方向Zの高さが変化する。このため、合紙載置装置310は、スライダ駆動装置のローラチェーンの軌道を、スプロケット等を用いて前輪35Fの移動経路に合わせて、前輪35Fを移動すればよい。
【0061】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図12は、第4実施形態の合紙搬送装置430のスライダ431の斜視図である。
図12(A)は、吸着パッド432aが平行位置の状態を示す図である。
図12(B)は、吸着パッド432aが傾斜位置の状態を示す図である。
図12には、スライダ431のフレーム431a等の構成は、二点鎖線で示した。
図13は、第4実施形態の合紙押さえ部434の動作を説明する図である。
【0062】
図12に示すように、スライダ431は、吸着パッド432(432a,432b)、吸着パッド傾斜装置433、合紙押さえ部434(シート押さえ部)を備える。
吸着パッド432は、4つ設けられている。2つの吸着パッド432a、搬送方向前側の吸着装置である。2つの吸着パッド432bは、搬送方向後側の吸着装置である。
吸着パッド傾斜装置433は、吸着パッド432aを、平行位置及び傾斜位置の間で、駆動する装置である。吸着パッド傾斜装置433は、エアシリンダ、モータ等を備える。吸着パッド傾斜装置433は、吸着パッド432a及びスライダ431のフレーム431a間を接続するアームに設けられている。
【0063】
図12(A)に示すように、平行位置は、吸着パッド432aの吸着面と、合紙4の表面とが平行な状態である。
図12(B)に示すように、傾斜位置は、吸着パッド432aの吸着面が、合紙4の表面に対して傾いた状態である。これにより、吸着パッド432aは、合紙4の前側先端を、フレーム431a側に傾ける。つまり、合紙4は、先端に至る程、フレーム431aに近付く。
【0064】
合紙押さえ部434は、保持している合紙4を、ガラス板2側に押さえる部材である。
合紙押さえ部434は、押さえパッド434a、シリンダ434bを備える。
押さえパッド434aは、フレーム431aの下側(合紙4を保持する側)のほぼ中央に配置される。このため、押さえパッド434aは、合紙4のほぼ中央を押し下げることができる。押さえパッド434aは、スポンジ、ゴム等により形成されている。
シリンダ434bは、押さえパッド434aを駆動する駆動装置である。シリンダ434bは、例えば、エアシリンダ等である。シリンダ434bは、押さえパッド434aを、スライダ431が合紙解放位置にいる状態で、押さえパッド434aを鉛直方向Zに駆動する。
【0065】
合紙搬送装置430の動作を説明する。
(合紙吸着工程(
図6参照))
制御部(
図1等に示す制御部60参照)は、吸着パッド432aを駆動して、合紙4を保持する。この場合には、吸着パッド432aの吸着面は、合紙4の表面に平行に配置されている。このため、吸着パッド432aは、より確実に合紙4を保持できる。
制御部は、合紙4を保持した後に、吸着パッド傾斜装置433を駆動して合紙4を傾ける(合紙傾け工程)。
【0066】
(スライダ前進工程(
図6から
図8等参照))
その後、制御部は、スライダ前進工程を開始する。
合紙搬送途中では、合紙4の前側先端は、フレーム431a側に傾いているので、自重によってゆるく垂れ下がったりすることを抑制でき、さらに搬送方向からの相対的空気流によって曲げられることを抑制できる。
【0067】
(合紙解放工程(
図3参照))
図13(A)に示すように、スライダ431が合紙解放位置に到達すると、制御部は、吸着パッド432a,432bを制御して、合紙4を解放すると同時に、シリンダ434bを駆動して、押さえパッド434aを下側Z1(ガラス板2側)に駆動する。
押さえパッド434aは、解放された合紙4を、下側Z1に真っ直ぐに移動させる。これにより、解放された合紙4は、空気に流されたりすることが抑制され、ガラス板2上の狙い通りの位置に、正確に載置される。また、押さえパッド434aは、合紙4のほぼ中央を押し下げるので、合紙4をバランスよく押し下げることができる。
なお、押さえパッド434aは、スポンジ等により形成されているので、合紙4を介してガラス板2に当接しても、ガラス板2を損傷することはない。
【0068】
また、前述したように、スライダ前進工程では、吸着パッド432aからはみ出した合紙4の前側先端の垂れ下がり、折り曲げが抑制される。
すなわち、上記形態とは異なり、吸着パッド432aが平行位置にある状態で合紙4を吸着すると、吸着パッド432aからはみ出した合紙4の前側先端は、自重によって大きく垂れ下がる。この状態で、合紙4を搬送すると、合紙4の前側先端は、進行方向からの相対的空気流によって曲げられることがある。
図13(B)に示すように、この場合には、合紙4の先端は、ガラス板2側に折れ曲がることになる(
図13(B)の矢印A参照)。合紙4は、この状態で、ガラス板2上に載置されると、ガラス板2上から浮き上がってしまう。この場合には、ガラス板2を適切に保護できない。
実施形態では、合紙4の折れ曲がりを抑制でき、合紙4をガラス板2上に密着させて載置できるので、ガラス板2を適切に保護できる。
【0069】
制御部は、合紙4を解放した後には、シリンダ434bを駆動して押さえパッド434aを戻し、また、吸着パッド傾斜装置433を駆動して吸着パッド432aを平行位置に配置する。
【0070】
以上説明したように、本実施形態の合紙載置装置は、合紙4を、ガラス板2上の正確な位置に載置でき、また、合紙4を折れ曲がることなく載置できるので、ガラス板2を適切に保護できる。
【0071】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
図14は、第5実施形態の合紙載置装置の合紙供給部520を示す図である。
図14(A)は、合紙供給部520の縦断面図である。
図14(B)は、合紙供給部520を奥側Y2から見た図である。
図14には、連続合紙4aを、適宜二点鎖線で示す。
【0072】
合紙供給部520(シート供給部)は、原紙ロール保持部581、転向ローラ582a,582b、紙切れセンサ583、紙継ぎ当て板584、ストッパ585、台車586を備える。
原紙ロール保持部581は、原紙ロール4bを保持する装置である。
原紙ロール保持部581は、ロール支持軸581a、支持軸駆動装置581bを備える。
ロール支持軸581aは、原紙ロール4bの中芯に挿入されることによって、原紙ロール4bを左右方向Xから挟み込んで支持する。
ロール支持軸581aは、合紙切断部25よりも十分に下側Z1に配置されている。ロール支持軸581aの中心軸の設置高さは、作業者が設置面に立っている状態で、作業者が容易に作業可能な高さ(例えば1m程度)である。
支持軸駆動装置581bは、ロール支持軸581aを左右方向Xに駆動する装置である(
図14(B)の矢印A参照)。ロール支持軸581aは、支持位置及び退避位置間で、駆動される。
支持位置は、ロール支持軸581aが左右内側に駆動されて原紙ロール4bの中芯に挿入される位置である。退避位置は、ロール支持軸581aが左右外側に駆動されて原紙ロール4bの中芯から退避する位置である。
なお、支持軸駆動装置581bは、連続合紙4aを送り出すために、ロール支持軸581aを回転駆動する装置を備えてもよい。
【0073】
転向ローラ582aは、原紙ロール4bから引き出された連続合紙4aが巻き掛けられている。
転向ローラ582aは、下側Z1から送られてくる連続合紙4aを、転向ローラ582bに導く。
転向ローラ582bは、転向ローラ582aから送られてくる連続合紙4aを、合紙切断部25に導く。転向ローラ582bは、合紙切断部25よりも高い位置に配置されている。
上記構成により、転向ローラ582a,582bは、原紙ロール4bから送られてきた連続合紙4aを、一旦、合紙切断部25よりも高い位置に導いてから、合紙切断部25に導くことができる。
【0074】
紙切れセンサ583は、原紙ロール4bの紙切れを検出する光学センサ等の検出部である。紙切れセンサ583は、紙継ぎ当て板584よりも、原紙ロール4b側に配置されている。このため、紙切れセンサ583は、紙継ぎ当て板584よりも原紙ロール4b側において、連続合紙4aの下端を検出できる。
紙継ぎ当て板584は、作業者が紙継ぎ作業する場合に利用する当て板である。紙継ぎ当て板584の設置高さは、作業者が設置面に立っている状態で、作業者が容易に作業可能な高さ(例えば、1.5m程度)である。
【0075】
ストッパ585は、奥行方向Yに長い板材である。ストッパ585は、新たな原紙ロール4bの位置決めをする部材である。新たな原紙ロール4bをストッパ585に当て付けた状態で、奥行方向Yにおいて、原紙ロール4bの中心と、ロール支持軸581aの中心とが一致するように設定されている。
【0076】
台車586は、作業者が新たな原紙ロール4bを運搬するための装置である。
台車586は、ロール置台586a、ジャッキ586b(ロール上昇部)を備える。
ロール置台586aは、新たに交換する原紙ロール4bを載置する台である。ロール置台586aの断面形状は、原紙ロール4bを保持できるように、原紙ロール4bの外周に対応した円弧状である。
ジャッキ586bは、ロール置台586aを上下駆動するための油圧ジャッキ等である(
図14(a)に示す二点鎖線参照)。ジャッキ586bは、レバー586cの操作に応じて、上下駆動する。
【0077】
合紙供給部520のロール交換時の動作、使用方法について説明する。
図15、
図16は、第5実施形態のロール交換時の合紙供給部520の動作、使用方法を説明する断面図である。
図15、
図16には、連続合紙4aを、適宜二点鎖線で示す。
合紙供給部520、作業者は、以下の工程に従って、ロール交換作業を行う。
(合紙切れ検出工程)
図15(A)、
図15(B)に示すように、原紙ロール4bの連続合紙4aを使い切ると、紙切れセンサ583が連続合紙4aの後端を検出する。
制御部(
図1等に示す制御部60参照)は、紙切れセンサ583の出力に基づいて、連続合紙4aの送り駆動を停止する。この場合、連続合紙4aの下端は、紙継ぎ当て板584よりも若干下側Z1、又は紙継ぎ当て板584上で停止する。
また、制御部は、紙切れセンサ583の出力に基づいて、又は作業者による操作装置(図示せず)の操作に基づいて、ロール支持軸581aを退避位置に駆動する。
【0078】
(新ロール配置工程)
図15(B)に示すように、作業者は、新たな原紙ロール4bを台車586に乗せて、原紙ロール4bがストッパ585に当接するまで、台車586を手前側Y1に移動する。これにより、奥行方向Yにおいて、新たな原紙ロール4bの中心と、ロール支持軸581aの中心とが一致する。
図15(C)に示すように、作業者は、ジャッキ586bのレバー586cを操作して、ジャッキ586bを上昇駆動する。これにより、鉛直方向Zにおいて、新たな原紙ロール4bの中心と、ロール支持軸581aの中心とが一致する。
これにより、奥行方向Y及び鉛直方向Zにおいて、原紙ロール4bの中心は、ロール支持軸581aの中心と一致する。
【0079】
作業者が操作装置(図示せず)を操作すると、制御部は、操作装置の出力に基づいて、ロール支持軸581aを左右内側に駆動する。
図16(A)に示すように、作業者は、ジャッキ586bのレバー586cを操作して、ジャッキ586bを降下駆動する。
これにより、新たな原紙ロール4bは、ロール支持軸581aによって、完全に支持される。
作業者は、台車586を、奥側Y2に移動して、原紙ロール4bの下側Z1の領域から退避させる。
【0080】
(合紙継ぎ工程)
図16(B)に示すように、作業者は、原紙ロール4bから連続合紙4aを引き出す。作業者は、この引き出した連続合紙4aの先端と、紙切れした連続合紙4aの後端とを、テープ4d等で貼り付ける。
作業者は、このとき、これらの連続合紙4aを重ねて、紙継ぎ当て板584に押し付ければよく、また、設置面に立った状態で作業できるので、作業性が良好である。
図16(C)に示すように、作業者が操作装置(図示せず)を操作すると、制御部は、操作装置の出力に基づいて、連続合紙4aの送り駆動を再開する。
【0081】
以上説明したように、本実施形態の合紙供給部520の原紙ロール4bの支持高さは、作業者が作業可能な高さである。このため、作業者は、台車586等を利用して、ロール交換の作業をすることができる。これにより、合紙供給部520は、ロール交換の作業性がよく、また、作業者への肉体的負荷を軽減できる。
また、従来は、ホイスト式クレーンで原紙ロール4bを吊って2人係りでロール交換していたものが、本実施形態では、1人で作業できるようになった上、作業時間を短縮できた。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、後述する変形形態等のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0083】
(変形形態)
(1)実施形態において、板状材は、ガラス板であるの例を示したが、これに限定されない。板状材は、例えば、搬送時に表面を上面にして搬送され、かつ、上面に合紙が載置される部材であればよい。
(2)実施形態において、合紙は、通気性を有する例を示したが、これに限定されない。例えば合紙を介して板状材を吸着する必要がない製造工程等を有すれば、合紙は、通気性を有しないシート材(例えば樹脂シート等)でもよい。