特許第6112731号(P6112731)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大野 隆次の特許一覧

<>
  • 特許6112731-焼却炉 図000002
  • 特許6112731-焼却炉 図000003
  • 特許6112731-焼却炉 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6112731
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】焼却炉
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/00 20060101AFI20170403BHJP
   F23G 5/16 20060101ALI20170403BHJP
   F23G 5/46 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   F23G5/00 119H
   F23G5/00 119D
   F23G5/16 BZAB
   F23G5/00 119G
   F23G5/46 A
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2014-196919(P2014-196919)
(22)【出願日】2014年9月26日
(65)【公開番号】特開2016-70518(P2016-70518A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2015年12月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】514245144
【氏名又は名称】大野 隆次
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】大野 隆次
【審査官】 礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−225015(JP,A)
【文献】 特開平08−049829(JP,A)
【文献】 登録実用新案第369479(JP,Z2)
【文献】 実公昭16−019591(JP,Y1)
【文献】 特開2006−078151(JP,A)
【文献】 実公昭46−017500(JP,Y1)
【文献】 実公昭60−021692(JP,Y2)
【文献】 特開平10−325519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 5/00
F23G 5/14 − 5/18
F23G 5/46
F24B 1/26
F24C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入した燃焼物を燃焼させる燃焼室を構成する中空の本体と、
当該本体から延出した引出管部と、
引出管部の内部を加熱することで当該引出管部内に第二燃焼部を構成するバーナーと、
前記引出管部に設けられ且つ前記バーナーにより直接加熱可能な調理プレートと、
前記引出管部に連結して煙を排出するための管部と、
を備えたことを特徴とする焼却炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次燃焼室を備えた焼却炉に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から特許文献1に記載されているような焼却炉が知られていた。この焼却炉は、焼却物を焼却する炉体内に形成した第一の燃焼室と、炉体の上側に形成されガスを二次燃焼させるための燃焼筒とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−39366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の焼却炉では、二次燃焼を起こす際に用いられるガスのエネルギーは二次燃焼のみに用いられているため、エネルギーの有効利用が図られていないという問題点があった。本発明は、係る問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る焼却炉は、投入した燃焼物を燃焼させる燃焼室を構成する中空の本体と、
当該本体から延出した引出管部と、引出管部の内部を加熱することで当該引出管部内に第二燃焼部を構成するバーナーと、前記引出管部に連結して煙を排出するための管部とを備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る焼却炉は、上記発明において、更に、前記引出管部に、当該引出管部に前記バーナーにより直接加熱可能に調理プレートを設けたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に係る焼却炉を示す構成図である。
図2図1に示した焼却炉を示す一部斜視図である。
図3】この発明の実施の形態2に係る焼却炉を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態に係る焼却炉を示す構成図である。図2は、図1に示した焼却炉を示す一部斜視図である。この焼却炉100は、燃焼室を構成すると共にステンレス板や鉄板で構成した円筒中空体の本体1からなり、その上部には天板、下部には底板が設けられる。底板の上部には、灰取出口21が設けられ、灰取出口21の近傍上側には金網22が設けられる。また、金網22の上側にはポンプ23からエアを供給する送風口24が設けられる。更に、送風口24の上側には焼却物の投入口25が設けられている。
【0009】
本体1の上部には第二燃焼部3が設けられている。第二燃焼部3は、本体1の上部から斜め側方かつ上方に延出する引出管部4と、引出管部4から垂直方向に延出する管部と、引出管部4と管部との境付近で且つ下方に設けたガスバーナー8と、引出管部4と管部との境付近で且つ上方に設けた調理プレート5とから構成される。
【0010】
引出管部4は、本体1に溶接されており直径は本体1の半分以下程度である。この引出管部4は本体1と同じ素材により構成される。前記調理プレート5は、蓄熱性を伝熱性を高めるために鋳鉄の塊で構成した支持部6と、支持部6の上に設けた上面が平らなプレート部7とからなる。支持部6は、前記引出管部4と管部との上方に面接触した状態で取り付けられている。また、支持部6は、引出管部4及び管部のうちガスバーナー8の熱が最も加わる場所に設置される。換言すれば、調理プレート5はガスバーナー8により直接加熱されるように引出管部4に配置される。
【0011】
ガスバーナー8は、ガス管に対して市販のバーナーの火口9を装着して構成される。ガス式としてガスタンク10からホースで火口9に連結している。火口9は、先端が前記支持部6に向いており、且つ、管部11の略軸方向に向く。同図の例では、略軸方向で且つ前記支持部6に向いて若干傾いて設けられる。また、支持部6を設けた管部11からは内部に複数の伝熱フィン12が軸方向に設けられる。この伝熱フィン12は、ガスバーナー8の熱を支持部6を介してプレート部7に導く。当該伝熱フィン12の間をガスバーナー8の火炎や高温の気体が通過することで熱が伝熱フィン12に伝わる。
【0012】
プレート部7の上面は平面となる。平面視で扇形状となるがこれに限定されない。プレート部7には、ヤカン等の調理器具を置くことができる。また、支持部6が加熱されることで周囲に遠赤外線を放出する。これにより、ガスバーナー8の熱を効率的に調理と暖房に用いることができる。
【0013】
また、管部11は、生ごみ処理機50に接続することができる。接続は煙突の前段階で接続しても良いし、分岐させた状態で接続しても良い(図示省略)。生ごみ処理機50は、金属製の箱状体であって管部と連結すると共に、排気口を備える。これにより、燃焼時の熱により生ごみを強力に乾燥させることができる。後述するが、この焼却炉100は二次燃焼によりクリーンな煙を排出することから、大量の生ごみ処理に適する。更に、木材の乾燥室に接続することも可能である(図示省略)。
【0014】
更に、前記管部11には、オイルヒーター51のパイプ52を通し、内部のオイルを加熱することもできる。これにより、冬場において暖房用の燃料を削減できる。
【0015】
この焼却炉100を使用する場合、まず、投入口25を開いて内部に廃材木等の焼却物を投入する。そして、焼却物に火をつけると共にポンプ23を動かして送風口24から空気を内部に送る。これにより焼却物が燃焼を開始する。更に、ガスバーナー8を着火させて二次燃焼を可能な状態とする。
【0016】
例えば、木材を燃焼させるとクレオソートをはじめとする様々な物質が煙の中に含まれる。この煙内に存在する物質をさらに燃やしていくことで煙をクリーンにする。この焼却炉100では、引出管部4にガスバーナー8が設けられていることから、当該引出管部4が二次燃焼室となる。この二次燃焼を効率的なものとするには送風口24から十分な空気を送り、酸素が良く混ざった状態に保つことが必要である。そしてガスバーナー8による加熱の温度は、少なくとも550℃以上とする。
【0017】
二次燃焼した煙は、管部11を通って煙突から排出される。一方、前記ガスバーナー8の熱は引出管部4の壁面を介して支持部6に伝わりプレート部7を加熱する。このとき、プレート部7にケトルや鍋を置くことで湯沸しや調理が可能となる。この焼却炉100では、ガスバーナー8の火炎が管部11内に放出されるように、当該ガスバーナー8を管部11に対して垂直に設置して火炎が管部11の軸方向に放出されるようにしている。このため、燃焼効率を高く維持できる。
【0018】
また、この管部11に突出した伝熱フィン12がガスバーナー8の熱を支持部6に伝えるので、調理プレート5に十分な熱が伝わる。従来からテーブルトップで調理が可能な薪ストーブ等が存在するが、これらは本体の熱を使用することから焼却物の量がある程度必要であり、十分に燃焼しなければ調理には不十分であった。これに対し、本発明の焼却炉100は、二次燃焼に用いるガスバーナー8の熱を直接使用することから、本体1の焼却物の量が少なくても調理プレート5を十分な熱量を持って使用可能となる。
【0019】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2に係る焼却炉を示す構成図である。この焼却炉200は、前記引出管部204を本体1から水平に延出し、この引出管部204の下部に前記ガスバーナー8の火口9を設置すると共に、引出管部204の上部であって且つ火口9の上方に前記調理プレート205を設けた構成である。調理プレート205は、上記同様に鋳鉄製であり支持部206と当該支持部206の上に設けたプレート部207からなる。
【0020】
ガスバーナー8の火口9から噴出する火炎は調理プレート205の支持部206に直接当たり、支持部206を加熱する。また、火口9からの熱により引出管部204内が二次燃焼室となる。二次燃焼の作用効果は上記実施の形態1と同様である。この実施の形態2に係る焼却炉200では、ガスバーナー8の火炎を直接に前記支持部206に当たるようにしているので、ガスバーナー8を用いることで調理プレート205が直ぐに加熱されて使用可能となる。
【符号の説明】
【0021】
100 焼却炉
1 本体
3 第二燃焼部
4 引出管部
5 調理プレート
6 支持部
7 プレート部
8 ガスバーナー
9 火口
11 管部
12 伝熱フィン
図1
図2
図3