(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
扱胴(22)で脱穀処理された処理物を揺動選別する揺動選別体(29)を備え、該揺動選別体(29)の枠体(36)に、前後に並列配置された複数のフィン(42a)からなるチャフシーブ(42)が取付支持され、
揺動選別体(29)の下方側に、選別された一番物を回収する一番ラセン(33)と、該一番ラセン(33)の後方に配置されて還元搬送される二番物を回収する二番ラセン(34)と、チャフシーブ(42)の下方に配置されて前方斜め下方の一番ラセン(33)に向けて延出された一番物ガイド(46)とが配置された脱穀装置において、
前記揺動選別体(29)は、チャフシーブ(42)の直後方で、且つ一番物ガイド(46)より後方で二番ラセン(34)上方に臨んだ位置に種類の異なる複数の選別ユニット(48A,48B,48C,48E)を取換え可能に構成するにあたり、前記選別ユニット(48A,48B,48C,48E)として、チャフシーブを有さないでラック板(76)、及び取付部材(77)をユニット化したラックユニット(48C)と、前後方向に並べられた複数のフィンをユニット化し、且つ前記ラックユニット(48C)よりも後方に長い延長フィンユニット(48A,48B,48E)が取換え可能に構成され、前記ラックユニット(48C)を取付けることにより、処理物を積極的に二番ラセン(34)で回収して還元搬送させ、前記延長フィンユニット(48A,48B,48E)を取付けることにより二番ラセン(34)で還元搬送される処理物の量を減らす構成としたことを特徴とする脱穀装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した脱穀装置を備えた汎用コンバインの全体側面図であり、
図2は、脱穀装置の内部構造を示す側面図である。本汎用コンバインは、走行部である左右一対のクローラ式走行装置1,1に支持された走行機体2と、該走行機体2の前部に昇降可能に連結されて圃場の穀稈の刈取作業等を行う刈取部3とを備え、走行機体2は、該刈取部3の後方にオペレータが乗込んで操向操作を行う操縦部4と、該操縦部4の後方左側であって前記刈取部3で刈取られた穀稈の脱穀作業を行う脱穀装置6と、走行機体2の後端側から藁屑等を排出する排出部7とを有している。
【0015】
前記刈取部3は、刈取った穀稈を脱穀装置6側に搬送する搬送コンベア8と、該搬送コンベア8の前端側に連結されて前方側に延びる刈取フレーム9と、該刈取フレーム9の前端側に設けたデバイダ11と、該刈取フレーム9の基端部となる後端側から前方に向って延出している左右一対の支持アーム12と、該左右の支持アーム12の延出端間に回転自在に架設支持された掻込リール13とを備えている。
【0016】
該構成の刈取部3により刈取られた穀稈は、刈取フレーム9側の搬送オーガ14によりフィーダ16の前端側へ送られ、該フィーダ16に搬送された穀稈がフィーダ16の内部に備えた搬送コンベア8によって後方側に搬送される。フィーダ16の後端側へ搬送された刈取穀稈は前記脱穀装置6の上部前端側へと送られる。
【0017】
前記脱穀装置6は、該脱穀装置6の上部側であって前記搬送コンベア8から搬送される刈取穀稈の脱穀作業を行う脱穀部17と、該脱穀装置6の下部側であって前記脱穀部17により脱穀された脱穀物を一番物である穀粒と二番物と藁屑等の排塵物とに選別する選別部18とから構成されている。
【0018】
前記脱穀部17は、前記搬送コンベア8の後端側から刈取穀稈が全稈投入される扱室19と、該扱室19の前後方向全体に亘って形成され且つ前後方向の扱胴回転軸21回りに回転駆動自在に設けられた円筒状の扱胴22と、該扱胴22の下方側に位置し且つ扱胴22の外周下面側に沿って正面視円弧状に形成された受網23と、前記扱室19の天井側に前後複数配置された送塵弁24とを備えている。ちなみに、扱胴22の前部は、前方に向かって次第に径が小さくなる円錐台状に成形されている。
【0019】
前記扱室19の前方側に投入された刈取穀稈は、回転駆動する扱胴22の外周面に沿って螺旋状に延びる板状の扱ぎ歯26によって、後方に搬送されながら脱穀処理されるとともに、扱室19の天井面側に位置し下端側が扱胴22の外周上面側に沿って正面視円弧状に切欠かれた前記送塵弁24によって、後方搬送される刈取穀稈を案内するとともに、刈取穀稈の後方側への送り速度を変化させることができる。
【0020】
さらに詳しく説明すると、扱室19に導入された刈取穀稈は、前記扱ぎ歯26に所定の間隔で複数取付けた突起部28と、前記受網23とによって扱降ろされて脱穀処理された処理物は、受網23を漏下して選別部18に落下する。
【0021】
前記選別部18は、前記受網23の下方側の前後揺動可能に支持された揺動選別体29と、該揺動選別体29の前部下方に設けられて後方斜め上方の選別風を起風する唐箕ファン31と、該唐箕ファン31の後方に配置されて同様に選別風を起風する二番選別ファン32と、唐箕ファン31及び二番選別ファン32の間に配置され、選別された一番物を搬送する一番ラセン33と、二番選別ファン32の後方側に配置されて選別された二番物を搬送する二番ラセン34とを備えている。揺動選別体29の具体的な構成については後述する。
【0022】
これにより、脱穀部17の扱胴22により脱穀処理されて受網23から落下してきた処理物は、選別部18の揺動選別体29によって揺動選別されるとともに、上記選別風によって一番物又は二番物に選別(風選)される。具体的には、唐箕ファン31による選別風の影響を受けずに前側の一番ラセン33に落下する一番物と、唐箕ファン31及び二番選別ファン32の選別風の影響を若干受けて後側の二番ラセン34に落下する二番物と、各選別ファン31,32の影響を強く受けて後方斜め上方に吹上げられる藁屑等の排出物とに選別される。
【0023】
一番物は、一番ラセン33によりグレンタンク10内に搬送され、二番物は、二番ラセン34及び図示しない還元搬送装置によって、脱穀部17の扱胴22側又は選別部18の揺動選別体29側に再度投入され、排出物は、選別部18の後端側から前記排出部7を介して機外へと排出される。
【0024】
次に、
図2乃至
図5に基づき、選別揺動体の構成について説明する。
【0025】
図3,
図4は、大豆等の豆類用の選別ユニットを取付けた揺動選別体の構成を示す内面側側面図及び外面側側面図であり、
図5は、稲・麦用の選別ユニットを取付けた揺動選別体の構成を示す内面側側面図である。選別部18内に配置された前記揺動選別体29は、互いに平行に対応する左右一対のサイドフレーム(枠体)36,36と、左右のサイドフレーム36,36間の前端側に配置されたグレンパン41と、左右のサイドフレーム36,36間において前記グレンパン41から後方に連続的に延設されたチャフシーブ42と、左右のサイドフレーム36,36間におけるチャフシーブ42真下側に配置された選別網44と、左右のサイドフレーム36,36間において選別網44の後端側から前方斜め下方に延出された一番物ガイド46と、左右のサイドフレーム36,36間の後端側から前方斜め下方に向って延出された二番物ガイド47とを備えている。
【0026】
また、左右のサイドフレーム36,36の間には、一又は複数(図示する例では2つ)の選別ユニットが着脱自在に取付けられる。具体的には、左右のサイドフレーム36,36側には、選別ユニット48A,48B,48C,48Dを取付ける複数の取付部49,51,52がそれぞれ形成されている。これを言換えると、左右のサイドフレーム36,36は、上記取付部49,51,52によって、種類の異なる複数の選別ユニット48A,48B,48C,48Dを、組替えて取付けることができるように構成されている。
【0027】
取付部について説明すると、チャフシーブ42の後端部に設けられた後述の固定板(枠体)49と、各サイドフレーム36における固定板49の真後ろ側に位置する前後一対の取付孔(後側取付孔)51と、各サイドフレーム36における固定板49の真下側に位置する前後一対の取付孔(下側取付孔)52とが、それぞれ取付部を構成している。
【0028】
一方、図示する例では、この揺動選別体29に装着される選別ユニットとして、固定板49に着脱自在に取付けられる第2選別ユニット48Bと、後側取付孔51,51に着脱自在にボルト固定される第1選別ユニット48Aと、固定板49に着脱自在に取付固定される第3選別ユニット48Cと、下側取付孔52に着脱自在にボルト固定される第4選別ユニット48Dの4種類が用意されている。
【0029】
すなわち、選別ユニット48A,48B,48C,48Dは、着脱自在に、揺動選別体29に取付けられるが、同一の固定板49に異なる種類の選別ユニット48B,48Cを択一的に取付けることも可能である。なお、選別ユニット48A,48B,48C,48Dの構成については後述する。
【0030】
まず、選別ユニット48A,48B,48C,48D以外の構成を説明する。
前記グレンパン41は、側面視で後方側が切立った山と谷に相互に連続する波状に形成されている。前記選別風が起風され且つ揺動選別体29が前後動している最中、このグレンパン41は、扱室19から受網23を介して落下してくる処理物を受止めるとともに、この処理物を前後揺動作用によって後方に流動させる。この後方への流動過程で、処理物が比重差により、上下に層分けされ、比重の重い下層側の処理物は、下方に落下する一方で、比重が軽い上層側の処理物は、チャフシーブ42に引継がれる。
【0031】
前記チャフシーブ42は、左右方向に延びる板状のフィン42aを前後に複数並列配置することにより構成されている。フィン42aは、前後揺動可能な可動フィン42aで形成され、最後端に位置する可動フィンの後方に前記固定板49が配置されている。
【0032】
固定板49は、側面視で、前方斜め下方に傾斜した状態で、サイドフレーム36,36側に固着され、これによって、固定板49は、サイドフレーム36と共に揺動選別体29の枠体の一部を構成している。
【0033】
前後に並べられた複数の可動フィン42aは、その上端側が、サイドフレーム36,36間に軸回りに回動可能に架設された左右方向の支持軸42bに取付固定され、これによって、各フィン42aは、自身の上端側の支持軸42bと一体で、前後揺動自在にサイドフレーム36,36間に取付支持されている。そして、この可動フィン42aの前後揺動によって、前後に隣接するフィン42a,42a間の開度が変更され、これによってチャフシーブ42の開度が調整される。
【0034】
この複数の可動フィン42aは、複数のフィン群53A,53B,53C,53Dにグループ分けされ、各フィン群53A,53B,53C,53Dは、隣接する複数(図示する例では4又は5つ)のフィン42aによって構成されている。具体的には、最前端側のフィン42aのグループと、最後端側のフィン42aのグループと、この2つのフィン42aのグループに挟まれた前後2つのフィン42aグループとによって、4つのフィン群53A,53B,53C,53Dが構成されている。
【0035】
各フィン群53A,53B,53C,53Dには、自身を構成するフィン42a同士を全て連結する前後方向の連結板42cと、自身を構成するフィン42aの前後揺動操作を行う開閉アーム54とが設けられている。
【0036】
連結板42cは、複数のフィン42aの下端部同士を前後回動自在に連結して、該連結されたフィン42a同士の前後揺動姿勢を同一に保持し、この連結板42cがフィン群53A,53B,53C,53D毎に設けられているため、フィン42aの前後揺動姿勢がフィン群53A,53B,53C,53D単位で制御される。
【0037】
開閉アーム54は、その上端部が、フィン群53A,53B,53C,53Dを構成する一のフィン42aの支持軸42bに固定されている。このため、該開閉アーム54は、支持軸42bから下方に延出された状態で、支持軸42b(フィン42a)と一体で、前後揺動作動し、この前後揺動によって、フィン群53A,53B,53C,53Dを構成するフィン42aがまとめて前後揺動操作される。
【0038】
この開閉アーム54の下端部には、遊転自在に当接ローラ56が設けられ、この当接ローラ56の下方側には、この複数の開閉アーム54の各当接ローラ56に接当する単一の前後方向に延びるカムプレート57と、このカムプレート57を前後移動させるギヤ機構58と、ギヤ機構58を介してカムプレート57を前後移動駆動させるモータ(アクチュエータ)59と、カムプレート57の前後位置を検出する位置検出手段であるポテンショメータ61とが設けられている。
【0039】
カムプレート57の前後位置によって、各接当ローラ56のカムプレート57との当接箇所が変更され、この当接箇所の変更によって、開閉アーム54が前後に揺動し、各フィン群53A,53B,53C,53Dを形成するフィンの姿勢が変化し、チャフシーブ42の開度が最適に制御される。
【0040】
カムプレート57の上端面には、前後に配置された複数の開閉アーム54の当接ローラ56が接当するカム部57a,57b,57c,57dが、前後に複数配置形成されている。具体的には、最も前側のフィン群である第1フィン群用の開閉アーム54の当接ローラ56に接当するカム部(第1カム部)57aと、前から2番目のフィン群である第2フィン群用の開閉アーム54の当接ローラ56に接当するカム部(第2カム部)57bと、前から3番目のフィン群である第3フィン群用の開閉アーム54の当接ローラ56に接当するカム部(第3カム部)57cと、最も後前のフィン群である第4フィン群用の開閉アーム54の当接ローラ56に接当するカム部(第4カム部)57dとが、この順序で前側から順次配置形成されている。
【0041】
すなわち、この各カム部57a,57b,57c,57dの形状によって、各フィン群53A,53B,53C,53Dの開度が調整されており、各カム部57a,57b,57c,57dは、水平な下段面及び上段面と、下段面と上段面を連接するように後方に向って上方傾斜した傾斜面とから構成される。
【0042】
そして、カム部の下段面に当接ローラ56が前後回転自在に当接している場合は、可動フィン42aが最下方位置に揺動され、可動フィン42a間の開度が最大になり、カム部の上段面に当接ローラ56が前後回転自在に当接している場合は、可動フィン42aが最上方位置に揺動され、可動フィン42a間の開度が最小になり、カム部の傾斜面に当接ローラ56が前後回転自在に当接している場合は、可動フィン42aがカムプレート57の前後動によって前後揺動作動して、可動フィン42a間の開度が増減する状態になる。
【0043】
このため、各カム部57a,57b,57c,57dにおいて、上段面、下段面及び傾斜面の位置及び傾斜面の傾斜度合を予め設定することにより、カムプレート57の各前後位置に対して、チャフシーブ42の最適な開度を得ることが可能になる。ちなみに、各開閉アーム54は、弾性部材としてねじりコイルばね55を設けることにより、対応するカム部側に常時付勢され、両者の接当状態は常時良好に保持される。
【0044】
以上のような、複数の可動フィン42aの前後動によってチャフシーブ42の開度を容易に変更できるとともに、このチャフシーブ42の開度変更によって、上記選別風が揺動選別体29の上方側へ吹き抜ける風量と、処理物の漏下量が調整される。具体的には、連結板42cを前方揺動操作することにより、チャフシーブ42の開度が狭まって処理物が下方に落下し難くなり、連結板42cを後方揺動操作することにより、チャフシーブ42の開度が広くなって処理物を落下し易くすることができる。
【0045】
そして、選別風が起風され且つ揺動選別体29が前後動している最中、グレンパン41から引継がれたチャフシーブ42上の処理物は、揺動作用及び選別風の風選作用によって、落下するものと、詳しくは後述する選別ユニット48Cで形成されたストローラックに引継がれるものとに分けられる。
【0046】
続いて、選別ユニット48A,48B,48C,48Dの構成を説明する。
前記第1選別ユニット48Aは、
図3及び
図4に示すように、2つの固定フィン62,71と、前後に並列配置された複数の可動フィン63と、左右に並列配置された複数のストローラック64とをユニット化することによって、構成されている。
【0047】
具体的には、左右のサイドフレーム36,36の後側取付孔51にそれぞれ固定されて前後方向に延びる左右一対の連結体66,66と、前記複数の可動フィン63を該左右の連結体66,66の間に揺動可能に支持する可動フィン63と同数の支持軸67とを設け、該支持軸67は上述の支持軸42bと略同一に構成されている。また、可動フィン63の前方側には、1つの固定フィン62が斜めに傾けた状態でボルト固定されている。
【0048】
この複数の可動フィン63はフィン群53Eを構成しており、このフィン群53Eには、上述の連結板42cと略同一構成に構成されて可動フィン63同士を連結する前後方向の連結板68と共に、上述の開閉アーム54と略同一に構成され且つ可動フィン63の前後揺動操作を行う当接ローラ56付きの開閉アーム54とが取付けられている。
【0049】
第1選別ユニットの当接ローラ56は、サイドフレーム36のカムプレート57側面において、前後方向に延びる板状の延長カムプレート(連動機構)69に上側から当接している。該延長カムプレート69は、前端側に前後方向に複数(図示する例では3つ)の連結孔70が穿設され、前記カムプレート57の後端側とボルトで着脱自在に連結固定されることにより、カムプレート57と一体的に前後動するように構成されている。
【0050】
また、延長カムプレート69の後部上端には、カムプレート57と同様の形状のカム部69aが形成されている。なお、カムプレート57と延長カムプレート69とは、ピン固定により連結しても良く、この場合には、連結に使用した連結孔70に緩衝材を設けることにより、連結箇所の磨耗、騒音等を軽減できる。
【0051】
これにより、延長カムプレート69の前後位置により、開閉アーム54の当接ローラ56と、カム部69aの当接箇所が変更され、この当接箇所の変更によって、開閉アーム54が前後に揺動し、フィン群53Eを構成する可動フィン63の開度が制御される。なお、延長カムプレート69においては、何れの連結孔70によりカムプレート57と連結するか選択することによっても、当接ローラ56とカム部69aの当接箇所を変更し、フィン群53Eが回動するタイミングを調整できる。
【0052】
また、第1選別ユニット48Aは、連結体66のフィン群53Eの後方側に斜めに傾いた取付板72が固定されており、該取付板72にストローラック64が取付けられるように構成されている。具体的には、前後方向に延びて左右に並ぶ複数の各ラック板64aの前端側を、左右方向に長い固定フィン71に溶着等により固着することにより、ストローラック64が形成されており、該ストローラック64は、第1選別ユニット48Aの取付板72から後方下側へ向けて突設されて外周にネジが形成された取付ピン(Pボタン)50を、取付板72と固定フィン71とに穿設した挿通孔に挿通させ、ナットで締付固定することで取付けられている。
【0053】
上記構成の第1選別ユニット48Aは、前記連結体66を、サイドフレーム36側の後側取付孔51にボルト固定等することによって、サイドフレーム36側に着脱自在に取付けることができる。
【0054】
前記第2選別ユニット48Bは、
図3に示すように、サイドフレーム36に設けた前記固定板49に固定される左右に延びる前フィン73aと、該前フィン73aの後側に筒状のスペーサ74を介してボルト固定される後フィン73bとから構成されている。上記構成の第2選別ユニット48Bは、上述の取付ピン50を用いて、前フィン73aを固定板49に取付けることにより、サイドフレーム36側に着脱自在に取付けられている。
【0055】
以上、
図3及び
図4に示す揺動選別体によれば、ストローラック64と比較して処理物が落下し難いチャフシーブ42を
一番物ガイド46よりも後方側まで延長することができるため、二番ラセン34に落下して還元搬送される処理物の量を少なくすることができる。言い換えると、なるべく一度目の選別作業で一番物を選別するとともに、二番ラセン34で還元搬送される処理物の量を減らし、多少穀粒が残っていても機外へ排出するように構成されるため、大豆等の比較的粒の大きい処理物を選別する場合に、還元搬送して再び脱穀部17及び選別部18を経由すると、穀粒が汚れ易くなるという問題を回避できる。また、二番物が多く、還元経路が詰り易い処理物であっても、二番ラセン34等を詰らせることなくスムーズに選別できる。
【0056】
なお、前記取付板72には、ストローラック64に代えて、複数のフィンからなる延長用のチャフシーブ(図示しない)を取付けた構成としても良い。これによれば、チャフシーブ42が揺動選別体29の後端側まで延長される構成となる。
【0057】
前記第3選別ユニット48Cは、
図5に示すように、前後方向に延びて左右に並ぶ複数の各ラック板76の前端側を、左右方向に長い固定フィン77に溶着等により固着することによりユニット化されたストローラックである。上記構成の第3選別ユニット48Cは、上述の取付ピン50を用いて、固定フィン77を前記固定板49に取付けることにより、サイドフレーム36側に着脱自在に取付けられている。
【0058】
前記第4選別ユニット48Dは、
図5に示すように、補助チャフ部78と、補助ラック部79とが一体的にユニット化された構成となっている。具体的に、補助チャフ部78は、左右方向に延びて前後に並ぶ複数の補助フィン78aと、該補助フィン78aの左右端を固着することで複数の補助フィン78aを連結する前後方向に長い一対の連結体78bにより形成されている。補助ラック部79は、後端に配置された補助フィン78aである固定フィン81に、前記ラック板76より長く形成されて左右に複数並べた補助ラック板79aの前端を固着することにより形成されている。
【0059】
上記構成の第4選別ユニットは、前記連結板78bを、サイドフレーム36側の前記下側取付孔52にボルト固定等することによって、サイドフレーム36側に着脱自在に取付けることができる。
【0060】
以上、
図5に示す揺動選別体によれば、チャフシーブ42から落下した処理物を一番ラセン33で回収することができるとともに、チャフシーブ42で落下しなかった処理物は、フィン42aと比較してより処理物を落下させ易い、第3選別ユニット48Cのラック板76や、第4選別ユニット48Dの補助ラック板79等を介して、桔梗等の付いた処理物を積極的に二番ラセン34で回収して還元搬送させることができるため、主に稲や麦等の選別に適している。
【0061】
次に、
図6に基づき、第1選別ユニットの他例について上述した例と異なる点を説明する。
【0062】
図6は、第1選別ユニットの他例の構成を示す揺動選別体の要部側面図である。第1選別ユニット48Eは、左右方向に延びて前後に並ぶ複数の延長フィン81aと、前後方向に長い一対の連結体81bとを備え、一対の連結体81bの間に配置された延長フィン81aの両端を連結体81b側に溶着等で固着することにより、ユニット化している。
【0063】
すなわち、第1選別ユニット48Eは、延長フィン81aの開度調整ができない構成としても良い。該構成によれば、第1選別ユニットの強度が向上するとともに、部品点数が削減されて低コスト化することができる。