特許第6112825号(P6112825)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6112825シャッター装置のシャッターケース及びその施工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6112825
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】シャッター装置のシャッターケース及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20170403BHJP
【FI】
   E06B9/17 W
【請求項の数】11
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-244967(P2012-244967)
(22)【出願日】2012年11月7日
(65)【公開番号】特開2014-92013(P2014-92013A)
(43)【公開日】2014年5月19日
【審査請求日】2015年9月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095212
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 武
(72)【発明者】
【氏名】重村 正和
(72)【発明者】
【氏名】小林 正典
(72)【発明者】
【氏名】村上 勝彦
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−019159(JP,A)
【文献】 特開2008−082033(JP,A)
【文献】 特開平10−140948(JP,A)
【文献】 特開2005−155200(JP,A)
【文献】 実開昭54−054151(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 − 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッターカーテンを開閉移動自在に巻き取り、繰り出すための巻取軸の端部を支持する左右のブラケットと、これらのブラケットに架け渡された架け渡し部材と、を含んで構成されたシャッター装置のシャッターケースにおいて、
前記架け渡し部材は、前記シャッター装置が設置されている構築物の躯体に結合されており、前記左右のブラケットは、前記架け渡し部材がこれらのブラケットの左右間隔の基準部材となってこの架け渡し部材の両端に配設され
前記左右のブラケットと前記架け渡し部材とのうち、前記左右のブラケットには、前記架け渡し部材に対して前記左右のブラケットを前後方向に位置決めするための位置決め部が設けられ、この位置決め部は、前記架け渡し部材の長さ方向の端部を挿入するための挿入部によって形成されていることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース。
【請求項2】
請求項1に記載のシャッター装置のシャッターケースにおいて、前記左右のブラケットは前記架け渡し部材の長さ方向の両端面に突き当てられており、この突き当てにより、前記左右のブラケットが、前記架け渡し部材がこれらのブラケットの左右間隔の基準部材となってこの架け渡し部材の両端に配設されていることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のシャッター装置のシャッターケースにおいて、前記挿入部は、前記躯体と、この躯体と前後方向に対面して前記ブラケットに形成された押え部との間に形成された隙間となっていることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース。
【請求項4】
請求項3に記載のシャッター装置のシャッターケースにおいて、前記ブラケットは、前記巻取軸の端部を支持するブラケット本体部と、このブラケット本体部の端部から前記巻取軸の軸方向へ延出するフランジ部とを有し、このフランジ部の一部の折り曲げにより前記押え部が前記ブラケットに形成されていることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のシャッター装置のシャッターケースにおいて、前記挿入部は下面側に開口部を有しているものとなっており、この開口部から前記架け渡し部材の長さ方向の端部が挿入されていることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のシャッター装置のシャッターケースにおいて、前記架け渡し部材は、左右方向の長さを有していて前記シャッターカーテンを挿通させるためのスリットを形成するまぐさ部材であることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース。
【請求項7】
請求項6に記載のシャッター装置のシャッターケースにおいて、前記スリットは、前後方向に間隔を開けて配置された2個のまぐさ部材の間に形成され、これらのまぐさ部材のうち、前記架け渡し部材となっている前記まぐさ部材は、前記躯体側に配置されているまぐさ部材であり、他方のまぐさ部材は、前記左右のブラケットに結合されているまぐさ補助部材に架け渡されていることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース。
【請求項8】
シャッターカーテンを開閉移動自在に巻き取り、繰り出すための巻取軸の端部を支持する左右のブラケットと、これらのブラケットに架け渡された架け渡し部材と、を含んで構成されるシャッター装置のシャッターケース施工方法であって、
前記架け渡し部材を、前記シャッター装置が設置される構築物の躯体に結合するための工程と、
前記架け渡し部材の長さ方向の両端部を、前記左右のブラケットを前記架け渡し部材に対して前後方向に位置決めするための位置決め部として前記左右のブラケットに設けられた挿入部に挿入するための工程と、
前記架け渡し部材を前記左右のブラケットの左右間隔の基準部材として、前記左右のブラケットを前記架け渡し部材の両端に配設するための工程と、
前記左右のブラケットを前記躯体に取り付けるための工程と、
を含んでいることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース施工方法。
【請求項9】
請求項8に記載のシャッター装置のシャッターケース施工方法において、前記架け渡し部材の長さ方向の両端部を前記左右のブラケットに設けられた前記挿入部に挿入するための前記工程は、前記左右のブラケットを上から下へ落とし込むことにより実施される工程になっていることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース施工方法。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のシャッター装置のシャッターケース施工方法において、前記架け渡し部材を前記左右のブラケットの左右間隔の基準部材として、前記左右のブラケットを前記架け渡し部材の両端に配設するための前記工程は、前記左右のブラケットを前記架け渡し部材の長さ方向の両端面に突き当てることにより実施される工程になっていることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース施工方法。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載のシャッター装置のシャッターケース施工方法において、前記架け渡し部材は、前記シャッターケースの下面に配置される部材であって、前記シャッターカーテンを挿通させるスリットを形成するために前後方向の間隔を開けて配置される外まぐさ部材と内まぐさ部材とのうち、前記躯体側に配置される前記外まぐさ部材であり、前記左右のブラケットを前記躯体に取り付けるための前記工程を実施した後に、前記内まぐさ部材を前記左右のブラケットに架け渡すための工程が実施されることを特徴とするシャッター装置のシャッターケース施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャッターカーテンを開閉移動させるために巻き取り、繰り出す巻取軸が内部に収納されているシャッター装置のシャッターケース及びその施工方法に係り、例えば、車庫用シャッター装置や、店舗等の出入口用シャッター装置などの各種のシャッター装置に用いることができるものである。
【背景技術】
【0002】
シャッターカーテンの開閉移動を、巻取軸によるシャッターカーテンの巻き取り、繰り出しで行うようになっている、例えば、車庫用シャッター装置や、店舗等の出入口用シャッター装置には、下記の特許文献1に示されているように、巻取軸を内部に収納するためのシャッターケースが設けられる。このシャッターケースは、シャッターカーテンを開閉移動自在に巻き取り、繰り出すための巻取軸の端部を支持する左右のブラケットと、これらのブラケットに架け渡された架け渡し部材と、を含んで構成されている。
【0003】
シャッターケースをシャッター装置の施工現場で配設する作業は、従来、シャッター装置が設置される構築物の躯体に、シャッターカーテンで開閉される出入口等の開口部の上部左右において、左右のブラケットを取り付ける作業を行い、この後に、これらのブラケットに前記架け渡し部材を架け渡すことにより行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−68755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この従来のシャッターケース施工作業によると、左右のブラケットを構築物の躯体に取り付けるためには、これらのブラケットの左右の間隔を巻取軸の長さ等に対応した間隔とするために、左右のブラケットの取付位置を正確に設定し、この設定された位置にこれらのブラケットを正確に取り付けなければならないため、左右のブラケットを構築物の躯体に取り付けるために多くの手間と時間がかかっている。
【0006】
本発明の目的は、左右のブラケットを構築物の躯体に取り付けるための作業を簡単かつ短時間で行え、作業効率を向上させることができるシャッター装置のシャッターケース及びその施工方法を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るシャッター装置のシャッターケースは、シャッターカーテンを開閉移動自在に巻き取り、繰り出すための巻取軸の端部を支持する左右のブラケットと、これらのブラケットに架け渡された架け渡し部材と、を含んで構成されたシャッター装置のシャッターケースにおいて、前記架け渡し部材は、前記シャッター装置が設置されている構築物の躯体に結合されており、前記左右のブラケットは、前記架け渡し部材がこれらのブラケットの左右間隔の基準部材となってこの架け渡し部材の両端に配設されていることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係るシャッター装置のシャッターケース施工方法は、シャッターカーテンを開閉移動自在に巻き取り、繰り出すための巻取軸の端部を支持する左右のブラケットと、これらのブラケットに架け渡された架け渡し部材と、を含んで構成されるシャッター装置のシャッターケース施工方法であって、前記架け渡し部材を、前記シャッター装置が設置される構築物の躯体に結合するための工程と、前記架け渡し部材を前記左右のブラケットの左右間隔の基準部材として、前記左右のブラケットを前記架け渡し部材の両端に配設するための工程と、前記左右のブラケットを前記躯体に取り付けるための工程と、を含んでいることを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、左右のブラケットと、これらのブラケットに架け渡される架け渡し部材とのうち、先に架け渡し部材を構築物の躯体に結合することが行われ、この架け渡し部材を左右のブラケットの左右間隔の基準部材として、左右のブラケットが架け渡し部材の両端に配設されるため、左右のブラケットを、これらのブラケットの間隔を巻取軸の長さ等に対応した間隔にして構築物の躯体に正確に取り付けるための作業を簡単かつ短時間で行えることになり、これにより、作業効率を向上させることができるようになる。
【0010】
本発明において、左右のブラケットを、架け渡し部材がこれらのブラケットの左右間隔の基準部材となってこの架け渡し部材の両端に配設するためには、種々の方法が可能である。
【0011】
その一例は、左右のブラケットを架け渡し部材の長さ方向の両端面に突き当て、この突き当てにより、左右のブラケットを、架け渡し部材がこれらのブラケットの左右間隔の基準部材となってこの架け渡し部材の両端に配設することである。また、他の方法は、架け渡し部材に切り欠け部や色塗り等によるマークを設け、このマークにしたがって左右のブラケットを架け渡し部材の両端に配設することである。
【0012】
前者によると、架け渡し部材の長さを、左右のブラケットの間隔と対応する巻取軸の長さ等に予め設定しておき、架け渡し部材を構築物の躯体に結合した後に、左右のブラケットを架け渡し部材の長さ方向の両端面に突き当てるだけにより、これらのブラケットを自ずと巻取軸の長さ等に対応した間隔で構築物の躯体に取り付けることができる。
【0013】
また、本発明において、左右のブラケットと架け渡し部材とのうち、少なくとも一方に、架け渡し部材に対してブラケットを前後方向に位置決めするための位置決め部を設けてもよい。
【0014】
これによると、左右のブラケットが架け渡し部材の両端に配設されると、これらのブラケットは、位置決め部により前後方向に位置決めされるため、左右のブラケットを構築物の躯体に取り付ける作業を行う際に、ブラケットの前後方向の位置決め作業を特別に行うことなく、この取り付け作業を行うことが可能となる。
【0015】
なお、この位置決め部は、任意な形状、構造のものでよく、その一例は、位置決め部を左右のブラケットに設ける場合には、この位置決め部を、架け渡し部材の長さ方向の端部を挿入するための挿入部によって形成することである。
【0016】
そして、この挿入部は、構築物の躯体と、この躯体と前後方向に対面してブラケットに形成された押え部との間に形成された隙間としてもよく、あるいは、ブラケットに形成された切り込み部によるものとしてもよい。
【0017】
また、挿入部を、構築物の躯体と、構築物の躯体と前後方向に対面してブラケットに形成された押え部との間に形成された隙間とする場合には、ブラケットを、巻取軸の端部を支持するブラケット本体部と、このブラケット本体部の端部から巻取軸の軸方向へ延出するフランジ部とを有するものとし、このフランジ部の一部の折り曲げにより前記押え部をブラケットに形成してもよい。
【0018】
さらに、前記位置決め部を、架け渡し部材の長さ方向の端部を挿入するためにブラケットの前記挿入部によって形成する場合には、この挿入部は、下面側に開口部を有しているものとしてよく、あるいは、前後方向のうち、後ろ側に開口部を有してものとしてもよい。
【0019】
しかし、挿入部を、下面側に開口部を有しているものとした場合には、架け渡し部材の長さ方向の端部をブラケットの挿入部に挿入するための作業を、構築物の躯体に結合されている架け渡し部材に対し、ブラケットを上から下に落とし込むという簡単な作業により容易に行えるようになる。
【0020】
また、本発明において、左右のブラケットに架け渡される架け渡し部材は、これらのブラケットに架け渡されるものであれば、任意の部材でよい。その一例は、左右方向の長さを有していてシャッターカーテンを挿通させるためのスリットを形成するまぐさ部材である。他の例は、シャッターケースの骨組みを形成したり、シャッターケースの強度を確保したりするために、左右のブラケットに架け渡される横部材である。
【0021】
架け渡し部材を、左右方向の長さを有していてシャッターカーテンを挿通させるためのスリットを形成するまぐさ部材とする場合には、スリットは、前後方向に間隔を開けて配置される2個のまぐさ部材の間に形成されるため、これらのまぐさ部材のうち、架け渡し部材となっている前記まぐさ部材を、構築物の躯体側に配置されているまぐさ部材とする。
【0022】
そして、他方のまぐさ部材は、左右のブラケットに予め結合されたまぐさ補助部材に架け渡すことが好ましい。
【0023】
これによると、左右のブラケットを、構築物の躯体に結合されたまぐさ部材の両端に配設した後に、前記他方のまぐさ部材を左右のブラケットに架け渡すための作業を、予めそれぞれのブラケットに結合されているまぐさ補助部材に架け渡すことにより行えるため、前記他方のまぐさ部材の架け渡し作業を容易に行えることになる。
【0024】
以上の本発明において、シャッター装置が設置される構築物は、車庫でもよく、住宅やビル等の建築物でもよい。また、シャッター装置は、車庫用シャッター装置でもよく、店舗等の出入口用シャッター装置でもよく、任意の用途のシャッター装置でよい。
【0025】
また、まぐさ部材等の前記架け渡し部材が結合される構築物の躯体は、壁でもよく、柱や梁等の構造材でもよく、任意の材料による躯体でよい。
【0026】
さらに、シャッターカーテンは任意の部材で形成されたものでよく、この部材は、スラットやパネルでもよく、また、シートや、リンク部材で連結されたパイプ等の棒状の部材でもよく、また、ネット部材等でもよく、あるいは、複数の種類の部材を組み合わせたものでもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、左右のブラケットを構築物の躯体に取り付けるための作業を簡単かつ短時間で行え、作業効率を向上させることができるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るシャッター装置となっている車庫用シャッター装置の全体を示す正面図である。
図2図2は、図1で示されているシャッターケースの全体を示す斜視図である。
図3図3は、シャッターケースの骨組みだけを示す斜視図である。
図4図4は、図3のシャッターケースの骨組みを一部を省略して示す底面図である。
図5図5は、シャッターケースの骨組みが車庫の躯体である壁に設置されたときを示す側断面図である。
図6図6は、シャッターケースの左右のブラケットのうち、一方のブラケットと、このブラケットに結合されているまぐさ補助部材と、左右のブラケットのまぐさ補助部材に架け渡される内まぐさ部材とを示す斜視図である。
図7図7は、架け渡し部材である外まぐさ部材を一部を省略して示す斜視図である。
図8図8は、車庫の壁に結合された外まぐさ部材の端部にブラケットを配設するための作業を示す側断面図である。
図9図9は、図8の配設作業が行われ、ブラケットを車庫の壁に取り付ける作業が行われたときを示す側断面図である。
図10図10は、図8の作業後に、外まぐさ部材の両端に左右のブラケットが配設されたときを示す斜視図である。
図11図11は、図5のS11−S11線断面図である。
図12図12は、図1で示されているシャッターカーテンの吊り元部材及びその周辺を一部を省略して示す正面図である。
図13図13は、図12の吊り元部材の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係るシャッター装置は、シャッターカーテンで開閉される開口部が車両出入口となっている車庫用シャッター装置であり、図1には、この車庫用シャッター装置の全体の正面図が示されている。
【0030】
車庫用シャッター装置のシャッターカーテン1は、多数のスラット2が上下に連設されることにより形成されているとともに、シャッターカーテン1の左右両端部は、構築物である車庫の躯体となっている壁3に取り付けられた左右のガイドレール4の内部に上下スライド自在に挿入され、これらのガイドレール4に案内されてシャッターカーテン1が上下に移動することにより、壁3に形成された開口部となっている車両出入口5が開閉される。
【0031】
壁3には、車両出入口5の上部において、シャッターケース6が設置されており、このシャッターケース6の内部に巻取軸7が回転自在に収納され、シャッターケース6の下面に配置されている外まぐさ部材と内まぐさ部材との間のスリットからシャッターカーテン1がシャッターケース6の内部に挿入されていて、シャッターカーテン1の上端部が巻取軸7に結合されているため、巻取軸7がシャッターケース6の内部に配置されている開閉機で回転することにより、あるいは、シャッターカーテン1の下端部を形成している座板8等に人為的な引き上げ力や引き下げ力を作用させて巻取軸7が回転することにより、シャッターカーテン1は、巻取軸7の巻き取り、繰り出しによって車両出入口5を開閉する上下の開閉移動を行う。
【0032】
なお、巻取軸7に、シャッターカーテン1が下方へ閉じ移動するときの巻取軸7の正回転によりばね力が蓄圧されるリターンばねを配置し、シャッターカーテン1が上方へ開き移動するための巻取軸7の逆回転を、このリターンばねの蓄圧されたばね力によって補助するようにしてもよい。
【0033】
図2は、図1で示されているシャッターケース6を示しており、また、図3は、このシャッターケース6の骨組みを示しており、図4は、この骨組みの底面図である。図2に示されているように、シャッターケース6の表面は、シャッターケース6の骨組みに取り付けられている化粧パネル9で覆われており、この化粧パネル9には、シャッターケース6の左右の側面を覆う第1化粧部材9Aと、シャッターケース6の上面を覆う第2化粧部材9Bと、シャッターケース6の正面と下面の一部とを覆う第3化粧部材9Cとを有するものなっている。本実施形態では、第2及び第3化粧部材9B,9Cはそれぞれ左右2個あり、第2化粧部材9B同士の接続部及び第3化粧部材9C同士の接続部が、帯状の化粧部材9D,9Eで隠されている。
【0034】
図3に示されているように、シャッターケース6の骨組みは、左右2個のブラケット10と、これらのブラケット10に架け渡された架け渡し部材となっていて、左右方向(横方向)の長さを有している横部材11,12と、これらの横部材11,12と同じく架け渡し部材となっていて、左右方向の長さを有している前述の外まぐさ部材13、内まぐさ部材14と、シャッターケース6の長さ方向(左右方向)の途中箇所において、横部材11と横部材12に架け渡された帯状の補強部材15と、この補強部材15と同じシャッターケース6の長さ方向の途中箇所において、横部材12と内まぐさ部材14に架け渡された帯状の補強部材16とを含んで構成されている。これらの横部材11,12と、外まぐさ部材13と、内まぐさ部材14と、補強部材15,16は、車庫の壁3にシャッターケース6の骨組みを取り付けたときの状態を示している図5に示されている。
【0035】
なお、この図5に示されているように、ブラケット10における壁3側である後端部の上部に配設されている横部材11は、リップ付きのチャンネル材によって形成され、ブラケット10における壁3側とは反対側である前端部の上部に配設されている横部材12も、リップ付きのチャンネル材によって形成されている。
【0036】
図3及び図4で示されている左右のブラケット10は、図2で説明した左右の第1化粧部材9Aで隠され、これらのブラケット10におけるシャッターケース6の内側の面には、図1で示した巻取軸7の端部7Aを支持するための軸受け部材17が結合されている。本実施形態に係る巻取軸7は、シャッターカーテン1の上端部が結合されている回転部材と、この回転部材の内部に不回転の状態で配置され、回転部材の回転中心軸となってる中心軸とを含んで構成されており、図1で示した巻取軸7の端部7Aは、中心軸の端部であるため、軸受け部材17は、端部7Aを回転不能に支持するものとなっている。
【0037】
左右2個のブラケット10は、左右対称の形状及び構造を有するものとなっており、図6は、これらのブラケット10の代表として、図1における右側のブラケット10の斜視図を示している。板金の折り曲げ品であるブラケット10は、軸受け部材17が結合されていることによって巻取軸7を支持する部分となっているブラケット本体部20と、このブラケット本体部20の周端部から巻取軸7の軸方向へ折り曲げられることにより、ブラケット本体部20から巻取軸7の軸方向へ延出しているフランジ部21とを有する。このフランジ部21は、ブラケット本体部20における壁3側の後端部に形成された後端フランジ部21Aと、ブラケット本体部20の上端部に形成された上端フランジ部21Bと、壁3側とは反対側である前端部に、上端フランジ部21Bと前後の間隔をあけて形成された前端フランジ部21Cと、ブラケット本体部20における外まぐさ部材13及び内まぐさ部材14の配設箇所を除く下端部に形成された下端フランジ部21Dとを有するものとなっており、本実施形態に係るブラケット10は、前端部と下端部との間が斜めに傾斜した傾斜部となっているため、この傾斜部には、前端フランジ部21C及び下端フランジ部21Dと連続している傾斜フランジ部21Eが形成されている。
【0038】
ブラケット本体部20における内まぐさ部材14の配設箇所と対応する下端部には、板金の折り曲げ品となっているまぐさ補助部材22が溶接で結合されている。ブラケット本体部20から巻取軸7の軸方向へ延出しているこのまぐさ補助部材22は、前後2箇所で立ち上がっている立上り部22A,22Bと、これらの立上り部22Aと22Bの下端同士を連結している底面部22Cとを有し、まぐさ補助部材22のブラケット10側の端部には、舌片部22Dが折り曲げで形成されており、この舌片部22Dと立上り部22A,22Bの端部とがブラケット本体部20に工場で溶接によって結合されることにより、ブラケット10には、予め工場でまぐさ補助部材22が取り付けられている。
【0039】
そして、まぐさ補助部材22の立上り部22Aと22Bのうち、壁3側の立上り部22Aの上端には、ブラケット本体部20から間隔をあけた箇所において、壁3側へ水平又は略水平に延出する延出部22Eが折り曲げで形成され、この延出部22Eの先端は鉛直又は略鉛直に上方へ起立した起立部22Fとなっており、この起立部22Fには、シャッターカーテン1が内まぐさ部材14に直接接触することを防止するための緩衝部材23が上から挿入されて固定保持されている。そして、立上り部22Aのうち、延出部22E及び起立部22Fが形成されていないブラケット本体部20側の箇所は、起立部22Fよりも大きく立ち上がった状態で残されている残存部22Gとなっている。
【0040】
図3及び図4で示されている内まぐさ部材14は、図6に示されているように、前後2箇所で立ち上がっている立上り部14A,14Bと、これらの立上り部14Aと14Bの下端同士を連結している底面部14Cとを有し、2個の立上り部14A,14Bのうち、壁3側とは反対側の立上り部14Bの上端には、壁3側とは反対側へ水平又は略水平に延出する延出部14Dが折り曲げで形成されている。2個の立上り部14A,14Bの間隔は、まぐさ補助部材22の2個の立上り部22A,22Bの間隔よりも小さいため、内まぐさ部材14の底面部14Cをまぐさ補助部材22の底面部22Cの上に載せて、内まぐさ部材14の長さ方向の端部をまぐさ補助部材22に内側嵌合させることができる。そして、内まぐさ部材14の長さは、巻取軸7の全長と同じ又は略同じとなっているため、内まぐさ部材14の全長は、左右に配設されるブラケット10の間隔と対応する長さとなっている。
【0041】
このため、左右のブラケット10が巻取軸7の長さ寸法と対応する間隔で配設されたときに、内まぐさ部材14を、これらのブラケット10に結合されているまぐさ補助部材22に架け渡すことができるようになっている。
【0042】
図6に示されているように、ブラケット10のフランジ部21のうち、後端フランジ部21Aは、ブラケット10のブラケット本体部20の下端部まで延びておらず、ブラケット本体部20の上端から下へ延びているこの後端フランジ部21Aの下端部には、ブラケット本体部20の上下方向の途中において、壁3側とは反対側へ水平又は略水平へ折り曲げられた第1折り曲げ部24が形成され、水平方向又は略水平方向への長さが短くなっているこの第1折り曲げ部24の先端には、下方へ鉛直又は略鉛直に折り曲げられた第2折り曲げ部25が形成されており、この第2折り曲げ部25の下端は、ブラケット本体部20の下端まで達していない。
【0043】
図7には、図3及び図4で示した外まぐさ部材13が示されている。この外まぐさ部材13も、前後2箇所で立ち上がっている立上り部13A,13Bと、これらの立上り部13Aと13Bの下端同士を連結している底面部13Cとを有し、2個の立上り部13A,13Bのうち、壁3側の立上り部13Aの立ち上がり寸法は、壁3側とは反対側の立上り部13Bの立ち上がり寸法よりも長いため、外まぐさ部材13は、J字形又は略J字形の断面形状を有するものとなっている。そして、この外まぐさ部材13の長さは、巻取軸7の全長と同じ又は略同じとなっており、このため、この外まぐさ部材13の全長も、左右に配設されるブラケット10の間隔と対応する長さとなっている。
【0044】
また、外まぐさ部材13には、この外まぐさ部材13の長さ方向の両端から間隔を開けた箇所において、左右方向の寸法が外まぐさ部材13よりも短くなっている緩衝部材用保持部材26が取り付けられている。立上り部26A,26Bと、これらの立上り部26Aと26Bの下端同士を連結している底面部26Cとを有しているこの緩衝部材用保持部材26は、壁3側の立上り部26Aが、外まぐさ部材13の立上り部13Aにおける壁3側とは反対側の面に工場で溶接によって結合されることにより、外まぐさ部材13に工場で取り付けられており、立上り部26Bには、シャッターカーテン1が外まぐさ部材13に直接接触することを防止するための緩衝部材27が上から挿入されて固定保持されている。
【0045】
この緩衝部材27と図6で説明した緩衝部材23は、例えば、摩擦力に対する耐久性を備えた軟質の合成樹脂で形成されている。
【0046】
次に、本実施形態に係る車庫用シャッター装置を設置するための現場となっている車庫でのシャッターケース6の配設施工作業について説明する。
【0047】
工場で生産された車庫用シャッター装置の各種の構成部材は上記現場に搬入され、これらの構成部材には、シャッターケース6の前述した骨組みを構成する部材や、図1で示したガイドレール4、巻取軸7及びシャッターカーテン1が含まれる。現場では、最初に、シャッターケース6の骨組みを図3の横部材11,12と共に構成する部材となっている外まぐさ部材13と内まぐさ部材14とのうち、車庫の躯体である壁3側に配置されるまぐさ部材となっている外まぐさ部材13を壁3における図1の車両出入口5の上部に取り付ける作業が行われる。図8には、この外まぐさ部材13の取り付け作業が終了した状態が示されており、外まぐさ部材13の立上り部13Aには釘等の結合具30を挿入するための下孔が形成されており、この立上り部13Aおける緩衝部材用保持部材26が結合されている面とは反対側の面を壁3に押し当てて外まぐさ部材13を水平姿勢とした後に、外まぐさ部材13は、下孔に挿入した結合具30により壁3に結合される。結合具30は外まぐさ部材13の長さ方向に複数本あり、緩衝部材用保持部材26の配置箇所と一致している部分では、この緩衝部材用保持部材26の立上り部26Aにも結合具30を挿入するための下孔が形成されているため、結合具30はこの立上り部26Aにも挿入されて壁3に打ち込まれる。
【0048】
なお、以上のように外まぐさ部材13を壁3に取り付ける作業は、外まぐさ部材13を取付基準に対して位置決め配置した後に行われる。すなわち、予め設けられている車両出入口5や車庫の梁等の建物躯体等を取付基準とし、この取付基準から上方の所定箇所や、取付基準から右側又は左側の所定箇所に外まぐさ部材13を配置し、この後に、外まぐさ部材13を結合具30により壁3の所定箇所に結合する。このため、本実施形態では、左右のブラケット10に架け渡される架け渡し部材となっている外まぐさ部材13は、車両出入口5や車庫の梁等の建物躯体等により決定される所定基準に基づいて所定箇所に位置決め配置された後に、壁3に結合される。
【0049】
このように壁3の所定箇所に外まぐさ部材13を結合した後に、図8に示されているように、左右のブラケット10のうち、一方のブラケット10を、外まぐさ部材13の長さ方向の端部よりも少し外側の位置において、壁3に沿って上から下へ落とし込む作業を行う。これにより、図7で示す外まぐさ部材13の立上り部13Aにおける長さ方向の端部Aが、言い換えると、緩衝部材用保持部材26が配置されていない立上り部13Aの端部Aが、図8で示されている壁3の表面と、ブラケット10の後端フランジ部21Aの第2折り曲げ部25との間に形成されている隙間31に挿入されることになる。すなわち、この隙間31は、外まぐさ部材13の立上り部13Aの端部Aを挿入するためにブラケット10に設けられた挿入部となり、また、第2折り曲げ部25は、壁3と前後方向に対面して端部Aを押えるためのブラケット10の押え部となる。このため、ブラケット10の後端フランジ部21Aの水平方向又は略水平方向へ折り曲げられている第1折り曲げ部24の折り曲げ長さ寸法は、端部Aの厚さ寸法と同じ又はこの寸法より若干大きい寸法となっている。
【0050】
これにより、ブラケット10は、壁3と、押え部となっている第2折り曲げ部25とにより、前後方向に位置決めされることになり、この位置決めを行うための位置決め部が、壁3と、第2折り曲げ部25による押え部との間に形成された隙間31による上記挿入部によって形成されていることになる。
【0051】
また、本実施形態では、上記挿入部となっている隙間31は下面側に開口部を有するものとなっているため、外まぐさ部材13の立上り部13Aの端部Aを隙間31に挿入する作業を、壁3に結合された外まぐさ部材13に対し、ブラケット10を壁3に沿って上から下に落とし込むという簡単な作業により容易に行える。
【0052】
以上の作業後に、左右のブラケット10のうち、他方のブラケット10についても、以上と同様の作業を、図7で示す外まぐさ部材13の立上り部13Aの端部Aとは反対側の端部Bに対して行う。
【0053】
この作業を行ったときには、左右のブラケット10が、外まぐさ部材13の長さ方向の両端部よりも少し外側の位置に配置されているため、これらのブラケット10を内側へ移動させ、これにより、図7で示す外まぐさ部材13の立上り部13Aの長さ方向の両方の端面13D,13Eに左右のブラケット10のブラケット本体部20を突き当てる。これにより、前述したとおり、外まぐさ部材13の長さは巻取軸7の長さと対応する寸法に予め設定されていて、この寸法は、左右に配設されるブラケット10の本来の間隔と同じ又は略同じになっているため、左右のブラケット10は、外まぐさ部材13が基準部材となって壁3に正しい間隔を開けて配設されたことになる。
【0054】
この後に、図9に示されているように、それぞれのブラケット10の後端フランジ部21Aを釘等の結合具32によって壁3に取り付ける作業を行い、これにより、左右のブラケット10を壁3に固定する。
【0055】
図10には、左右のブラケット10が外まぐさ部材13の長さ寸法で規定される間隔でこの外まぐさ部材13の両端に配設された状態が、壁3が省略されて示されている。
【0056】
次いで、左右のブラケット10に結合されているまぐさ補助部材22に図6で説明した内まぐさ部材14を架け渡す作業を行うとともに、図4に示されているように、内まぐさ部材14の両端部をそれぞれのまぐさ補助部材22にビス等の結合具33により結合する。
【0057】
次いで、図5で示した横部材11を壁3に釘等の結合具33により結合して、この横部材11の両端部を左右のブラケット10に溶接等で連結する作業や、図5で示した横部材12の両端部を左右のブラケット10に溶接等で連結する作業を行い、また、図1で示した左右のガイドレール4の上端部を、ブラケット10に隣接した位置であって、外まぐさ部材13と内まぐさ部材14との間の箇所、すなわち、図4で示されているまぐさ補助部材22と外まぐさ部材13と2個の緩衝部材23,27とブラケット10とで囲まれる空間部であって、図6で説明したまぐさ補助部材22の残存部22Gによって形成されている箇所に下から挿入して、これらのガイドレール4を壁3に取り付ける作業を行い、さらに、シャッターカーテン1が予め巻き取られている巻取軸7の両端部を、左右のブラケット10のブラケット本体部20に設けられている軸受け部材17に架け渡してこれらの軸受け部材17によって支持させる作業を行い、この作業後に、シャッターカーテン1を巻取軸7から繰り出して、このシャッターカーテン1を、図4で示されている外まぐさ部材13と内まぐさ部材14との間に形成されているスリットSに上から下へ挿通させ、シャッターカーテン1の左右の両端部をこれらのガイドレール4の内部に上下にスライド自在に挿入させる。
【0058】
なお、図5に示されているように、本実施形態に係るガイドレール4の上端部には、シャッターカーテン1の左右の両端部をガイドレール4の内部へ案内するために、前後方向であるシャッターカーテン1の厚さ方向に拡開した拡開部が設けられており、この拡開部を設けることは、ガイドレール4の上端部を上述した箇所に挿入した後に実施してもよい。
【0059】
この後に、図3で説明した帯状の補強部材15を横部材11と横部材12に架け渡してビス等の結合具でこれらの横部材11と12に結合する作業や、帯状の補強部材16を横部材12と内まぐさ部材14に架け渡してビス等の結合具でこれらの横部材12と内まぐさ部材14に結合する作業を行い、さらに、図2で説明したそれぞれの化粧部材9A〜9Eを、シャッターケース6の骨組みを形成している左右のブラケット10や、内まぐさ部材14、横部材11,12、さらには、補強部材15,16にビス等の結合具で取り付けるための作業を行う。
【0060】
以上説明した本実施形態によると、左右のブラケット10と、これらのブラケット10に架け渡される架け渡し部材となっている外まぐさ部材13とのうち、最初に外まぐさ部材13を壁3に結合することが行われ、この外まぐさ部材13を左右のブラケット10の左右間隔の基準部材として、左右のブラケット10を外まぐさ部材13の両端に配設するため、左右のブラケット10を、これらのブラケット10の間隔を巻取軸7の長さに対応した間隔にして壁3に正確に取り付けるための作業を簡単かつ短時間で行えることになり、これにより、作業効率を向上させることができるようになる。
【0061】
また、外まぐさ部材13の長さは、左右に配設されるブラケット10の間隔と対応していて、巻取軸7の全長に対応している長さに予め設定されているため、外まぐさ部材13を壁3に結合した後に、左右のブラケット10を外まぐさ部材13の立上り部13Aの長さ方向の両端面13D,13Eに突き当てるだけにより、これらのブラケット10を自ずと本来の間隔で壁3に取り付けることができる。
【0062】
また、左右のブラケット10には、外まぐさ部材13に対してブラケット10を前後方向に位置決めするための位置決め部となっている挿入部が、隙間31として形成されているため、左右のブラケット10が外まぐさ部材13の両端に配設されると、これらのブラケット10は、隙間31による位置決め作用により自ずと前後方向に位置決めされることになる。このため、ブラケット10を壁3に取り付ける作業を行う際に、ブラケット10の前後方向の位置決め作業を特別に行うことなく、この取り付け作業を行うことが可能となる。
【0063】
また、上記挿入部である隙間31は、壁3と、この壁3と前後方向に対面してブラケット10の後端フランジ部21Aに形成された第2折り曲げ部25との間に形成されていて、第2折り曲げ部25は、外まぐさ部材13を押えるための押え部となっており、そして、この押え部は、ブラケット10の後端フランジ部21Aの一部の折り曲げにより形成されているため、この押え部をブラケット10に簡単に形成することができる。
【0064】
さらに、本実施形態では、左右のブラケット10に架け渡される内まぐさ部材14が、左右のブラケット10に予め結合されたまぐさ補助部材22に架け渡されるため、左右のブラケット10を壁3に結合された外まぐさ部材13の両端に配設した後に、内まぐさ部材14を左右のブラケット10に架け渡すための作業を、予めそれぞれのブラケット10に結合されているまぐさ補助部材22に内まぐさ部材14を架け渡すことによって行えるため、内まぐさ部材14を左右のブラケット10に架け渡すための作業を容易に行えることになる。
【0065】
図5に示されているように、本実施形態に係る左右のブラケット10のブラケット本体部20には、ガイドレール4の上方において、シャッターケース6の内側へ突出した突出部40が前後方向の長さをもって形成されている。図11は、図5のS11−S11線断面図である。この図11から分かるように、突出部40は、板金製であるブラケット10のブラケット本体部20をシャッターケース6の内側へ絞り加工(押し出し加工)することにより形成されている。図11に示されているように、ガイドレール4は、シャッターカーテン1の左右の端部1Aが挿入される挿入方向の奥側に閉塞されて形成された奥端部4Aを有している。そして、左右方向の厚さを有しているこの奥端部4Aがブラケット本体部20の内面に重ねられた状態で、ガイドレール4はブラケット10に対して配設される。
【0066】
このため、巻取軸7による巻き取り、繰り出しによりシャッターカーテン1が上下に開閉移動する際に、シャッターカーテン1が左右方向に大きく横ずれしたときには、シャッターカーテン1の左右の端部1A(この端部1Aには、端部1Aがガイドレール4の内部から抜け出すことを防止するための複数の抜け出し防止爪部材が上下の間隔を開けて配置されることがある。)がガイドレール4の奥端部4Aの上端に当接してしまうおそれがあるが、本実施形態では、シャッターカーテン1の左右の端部1Aが大きく横ずれすることがブラケット10に設けられた突出部40によって防止されるため、上記当接が生ずることを解消できる。
【0067】
図12には、吊り元部材51が設けられているシャッターカーテン1の上端部及びその周辺部が示されている。本実施形態では、上下に連設されることよりシャッターカーテン1を構成しているスラット2の左右の端部に、上述した抜け出し防止爪部材50が取り付けられている。また、それぞれのスラット2のうち、最上部のスラット2Aには、左右方向の間隔を開けて複数の吊り元部材51が取り付けられている。吊り元部材51の側面図を示している図13のとおり、それぞれの吊り元部材51の下端部51Aは、最上部のスラット2Aに加締め結合される加締め結合部となっており、この加締め結合部により、吊り元部材51は最上部のスラット2Aに取り付けられている。
【0068】
そして、図12に示されているように、それぞれの吊り元部材51には、シャッターカーテン1の上端部を、巻取軸7の前述した回転部材に結合するためのボルト等の結合具を挿入する孔52が形成されている。この孔52は、それぞれの吊り元部材51について、上下方向の位置がずれて左右方向に複数個設けられ、これにより、結合具を挿入する孔52を選択することにより、シャッターカーテン1の上端部を、シャッターカーテン1が左右に傾くことをなくして巻取軸7の回転部材に結合できるようになっている。
【0069】
また、それぞれの吊り元部材51には、シャッターカーテン1が巻取軸7に巻き取られたときに、吊り元部材51の外側に巻かれるスラット2が吊り元部材51と直接接触して損傷することを防止するための緩衝部材53が、1個の吊り元部材51について2個配置されている。吊り元部材51と同じ左右方向の長さ寸法を有しているこれらの緩衝部材53は、図13に示されているように、吊り元部材51に形成された溝51Bに緩衝部材53の基部53Aが左右方向から挿入されることにより、吊り元部材51に配置される。
【0070】
緩衝部材53は、例えば、軟質の合成樹脂製であるため、吊り元部材51が最上部のスラット2Aに取り付けられた後であっても、吊り元部材51の基部53Aを弾性変形させることにより、図12で示すシャッターカーテン1の正面側からこの基部53Aを溝51Bに挿入することができ、これにより、予め接着剤が内面に塗布されている溝51Bに基部53Aを固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、シャッターケースを有している、例えば、車庫用シャッター装置や、店舗等の出入口用シャッター装置などの各種のシャッター装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 シャッターカーテン
3 構築物である車庫の躯体となっている壁
6 シャッターケース
7 巻取軸
10 ブラケット
13 架け渡し部材であって、壁側に配置されている外まぐさ部材
14 内まぐさ部材
17 巻取軸の端部を支持する軸受け部材
20 ブラケット本体部
21 フランジ部
21A 後端フランジ部
22 まぐさ補助部材
24 後端フランジ部の第1折り曲げ部
25 後端フランジ部の押え部である第2折り曲げ部
31 位置決め部であって挿入部でもある隙間
S シャッターカーテンが挿通するスリット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13