特許第6112910号(P6112910)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6112910
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】容器搬送システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/30 20060101AFI20170403BHJP
   B65G 21/20 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   B65G47/30 G
   B65G21/20 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-39119(P2013-39119)
(22)【出願日】2013年2月28日
(65)【公開番号】特開2014-166906(P2014-166906A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2015年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000253019
【氏名又は名称】澁谷工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100086852
【弁理士】
【氏名又は名称】相川 守
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】藪内 利彰
(72)【発明者】
【氏名】畠 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】高嶺 央裕
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−286858(JP,A)
【文献】 実開昭50−123664(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/30
B65G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を供給する供給コンベヤと、この供給コンベヤの下流側に配置され、供給コンベヤから受け渡された容器を下流へ搬送する搬送コンベヤと、前記供給コンベヤと前記搬送コンベヤの搬送速度を制御する制御手段と、前記搬送コンベヤ上に一端が固定されるとともに、他端が張力付与手段に連結され、供給コンベヤから供給された容器を下流に向かって拡開するように案内する変形可能なベルトガイドを備え、
搬送コンベヤの搬送速度を供給コンベヤよりも遅くすることにより、供給コンベヤから供給される容器を搬送コンベヤ上に所定量貯留して密集した状態で搬送する容器搬送システムにおいて、
前記張力付与手段の張力を調整する張力調整手段と、前記ベルトガイドの変形量を検出する変形量検出手段と、この変形量検出手段からの信号を受けて前記張力調整手段を制御する張力制御手段とを設け、
前記張力制御手段は、前記ベルトガイドの変形量が所定量以下のときには、前記張力付与手段の張力が小さくなるように前記張力調整手段を制御するとともに、前記ベルトガイドの変形量が所定量以上のときには、前記張力付与手段の張力が大きくなるように前記張力調整手段を制御することを特徴とする容器搬送システム。
【請求項2】
運転開始時にはベルトガイドの張力を低圧に設定し、前記搬送コンベヤ上に容器が貯留されるに伴ってベルトガイドが変形し、変形量検出手段が変形量が所定量に達したことを検出すると、ベルトガイドの圧力を前記低圧よりも高い圧力に設定するとともに、容器の貯留量が適量であると判断して搬送コンベヤの運転を開始させることを特徴とする請求項1に記載の容器搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流側から供給された容器を密集した状態にして下流側の処理装置に受け渡す容器搬送システムに係り、特に、容器を密集した状態に集積する際に容器を案内するガイドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、アンプルやバイアルなどの容器を洗浄装置で洗浄した後、乾燥滅菌装置へ送って乾燥滅菌を行う場合に、洗浄装置から一列で供給されてきた容器を多数列に集積させて密集した状態にしてから乾燥滅菌装置へ搬入するようにしている。このように一列で搬送されてきた容器を多数列に集積させて搬送する場合には、供給コンベヤの搬送速度よりも搬送コンベヤの搬送速度を遅くして、搬送コンベヤ上で容器を集積して密集させた状態にする。
【0003】
このように一列または少ない列数で供給されてきた容器を多列に集積する場合に、従来は、図5に示すようなコンベヤによる搬送を行っていた。つまり、供給コンベヤ108によって一列で連続的に搬送されてきた容器104を、インフィードスクリュー114によって一定の間隔に切り離すとともに、一定の搬送速度に制御し、下流側に配置されている搬送コンベヤ110に引き渡す。搬送コンベヤ110は、容器104を多列で密集した状態にして搬送できるように、広い幅を有するとともに、供給コンベヤ108よりも遅い速度で運転されている。この搬送コンベヤ110の搬送面上に、容器104を多列に拡げるために下流側に向かって次第に間隔を開いた両側一対の固定傾斜ガイド150と、これら傾斜ガイド150の下流端に連続して配置された一対の固定側方ガイド152が設けられている。
【0004】
図5に示すような従来の固定ガイド150、152を有する容器搬送システムでは、搬送コンベヤ110の下流側に配置されている乾燥滅菌機(図示せず)がトラブルにより停止すると、容器104にかかる負荷が大きくなり、破びんなどのトラブルが発生する危険性がある。
【0005】
前記従来技術によるトラブルを防止するために、容器に無理な力がかかるおそれのない容器搬送システムがすでに提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された発明は、コンベヤ(本発明の供給コンベヤに相当する)の、容器が押し込まれる入口よりも下流側に一端が固定され、他端が前記コンベヤの入口よりも上流側に繰り出し自在に配置された壜押し込みベルトと、この壜押し込みベルトに張力を与える錘と、壜押し込みベルトの他端側を前記入口側に移動させるベルト移動機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−286858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1に記載された発明の構成では、錘によって張力を付与されたベルトをガイドに使用しており、このベルトが撓むことができるので、容器に大きい負荷がかかる前に負荷を逃がすことが可能であり、破びんなどのトラブルは防止することができる。しかしながら、特許文献1の構成では、錘によって一定の張力を付与するようにしているので、重量が近似している容器にしか対応することができず、汎用性が低いという問題があった。また、ベルトがどれだけ撓んでいるかを検出する手段がないので、容器の状態を正確に把握することができないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、容器を供給する供給コンベヤと、この供給コンベヤの下流側に配置され、供給コンベヤから受け渡された容器を下流へ搬送する搬送コンベヤと、前記供給コンベヤと前記搬送コンベヤの搬送速度を制御する制御手段と、前記搬送コンベヤ上に一端が固定されるとともに、他端が張力付与手段に連結され、供給コンベヤから供給された容器を下流に向かって拡開するように案内する変形可能なベルトガイドを備え、搬送コンベヤの搬送速度を供給コンベヤよりも遅くすることにより、供給コンベヤから供給される容器を搬送コンベヤ上に所定量貯留して密集した状態で搬送する容器搬送システムにおいて、前記張力付与手段の張力を調整する張力調整手段と、前記ベルトガイドの変形量を検出する変形量検出手段と、この変形量検出手段からの信号を受けて前記張力調整手段を制御する張力制御手段とを設け、前記張力制御手段は、前記ベルトガイドの変形量が所定量以下のときには、前記張力付与手段の張力が小さくなるように前記張力調整手段を制御するとともに、前記ベルトガイドの変形量が所定量以上のときには、前記張力付与手段の張力が大きくなるように前記張力調整手段を制御することを特徴とするものである。
【0009】
また、第2の発明は、前記第1の発明において、運転開始時にはベルトガイドの張力を低圧に設定し、前記搬送コンベヤ上に容器が貯留されるに伴ってベルトガイドが変形し、変形量検出手段が変形量が所定量に達したことを検出すると、ベルトガイドの圧力を前記低圧よりも高い圧力に設定するとともに、容器の貯留量が適量であると判断して搬送コンベヤの運転を開始させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の容器搬送システムは、ベルトガイドに張力を付与する張力付与手段の張力を調整する張力調整手段と、ベルトガイドの変形量を検出する変形量検出手段を設け、ベルトガイドの変形量に応じて前記張力付与手段の張力を調整するようにしたので、各種の容器に兼用することが可能となり、また、容器の貯留状態に応じてベルトガイドに適切な張力を付与することができ、容器を常に密集した状態で下流へ搬送することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は容器搬送システムの全体の構成を示す平面図である。(実施例1)
図2図2はベルトガイドに張力を付与し、この張力を調整する機構を示す構成図である。
図3図3は張力付与手段の圧力を中圧にして、ベルトガイドの撓み量を中程度にした状態を示す平面図である。
図4図4は張力付与手段の圧力を高圧にして、ベルトガイドの撓み量を最大にした状態を示す平面図である。
図5図5は従来の容器搬送システムの構成を示す平面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
洗浄装置用供給コンベヤによって一列で搬送されてきた容器が洗浄装置に供給され、洗浄処理が行われる。洗浄が終了した容器は、乾燥滅菌装置用供給コンベヤ(以下、供給コンベヤと呼ぶ)によって一列で搬送され下流側に配置された搬送コンベヤに供給される。搬送コンベヤは大量の容器を密集させて搬送するように大きい幅を有しており、その入口には、一列で容器を受け入れる入口ガイドが設けられている。供給コンベヤの下流端の側部に、インフィードスクリューが配置され、供給コンベヤによって一列で連続的に搬送されてきた容器を一定のピッチに切り離し、一定の速度で搬送コンベヤに供給する。搬送コンベヤ上には、前記入口ガイドよりも下流側の、搬送方向の両端部にベルト固定用部材が設けられ、両側のベルトガイドの先端部が固定されている。
【0013】
これら両側のベルトガイドは、前記入口ガイドの先端部付近に配置された第1プーリおよび搬送コンベヤの両端部寄りに配置された第2プーリ等を巻き回されて、後端部側が留め具によってワイヤに接続されている。このワイヤの末端部が、リニアスケールの検出部材を介してエアシリンダのピストンロッドに連結されている。このエアシリンダの圧力室は、電空レギュレータを介してエア源に接続されており、無段階で圧力を調整できるようになっている。前記リニアスケールによって検出部材の移動量を検出することによりワイヤの移動量、つまり、ベルトガイドの撓み量を検出できるようになっている。リニアスケールによってベルトガイドの撓み量を検出し、この検出値を制御装置に入力すると、制御装置は検出値に応じて電空レギュレータを制御し、エアシリンダの圧力を変更して前記ベルトガイドの張力を調整する。
【実施例1】
【0014】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この実施例に係る容器搬送システムは、洗浄装置2で洗浄した容器4を乾燥滅菌装置6内に搬入して乾燥滅菌を行う装置に設けられており、特に、洗浄装置2で洗浄された容器4を一列で供給する供給コンベヤ8と、この供給コンベヤ8から受け渡された多数の容器4を、多数列で密集した状態に集積して乾燥滅菌装置6に送り込む幅の広い搬送コンベヤ10とを備えた容器搬送システムである。
【0015】
洗浄装置2には、洗浄装置用供給コンベヤ12によって一列で搬送されてきた容器4が供給される。洗浄装置2内で洗浄処理された容器4は、乾燥滅菌装置用供給コンベヤ(以下供給コンベヤ8と呼ぶ)によって一列で連続的に搬送される。供給コンベヤ8の下流端の、搬送コンベヤ10への接続部の側方にインフィードスクリュー14が配置されており、供給コンベヤ8によって一列で搬送されてきた容器4を、一定の間隔に切り離し、一定の搬送速度で搬送する。なお、この実施例では、供給コンベヤ8により搬送しつつ、インフィードスクリュー14によって容器4を切り離して、搬送コンベヤ10に一定速度で供給するようにしているので、請求項1に記載した供給コンベヤは、供給コンベヤ8とインフィードスクリュー14によって構成される。また、この実施例では、供給コンベヤ8により容器4を搬送していたが、供給コンベヤ8を渡り板として使用し、インフィードスクリュー14によって渡り板上を容器4を滑らせながら移動させつつ搬送コンベヤ10へ供給するようにしてもよい。
【0016】
幅の広い搬送コンベヤ10の入口部には、容器4を一列で受け入れる固定の入口ガイド16が設けられている。この入口ガイド16の先端面16aは、一列で供給されてきた容器4を搬送コンベヤ10の幅全体に拡げるように、下流側に向かって拡開する傾斜面が形成されている。この搬送コンベヤ10は、前記インフィードスクリュー14によって供給される容器4の搬送速度よりも大幅に遅い速度で運転されており、一列で供給されてきた容器4を搬送面全体に拡げて密集した状態で搬送する。
【0017】
前記入口ガイド16の下流側の、搬送コンベヤ10の幅方向の両端部に、ベルト固定用部材18が取り付けられており、これら各ベルト固定用部材18にベルトガイド20の先端がそれぞれ固定されている。各ベルトガイド20は、前記入口ガイド16の先端部の外側に配置されたプーリ22(以下、第1プーリと呼ぶ)および搬送コンベヤ10の両端部寄りに配置されたプーリ24(以下、第2プーリと呼ぶ)に順次掛け回されている。
【0018】
一端が固定用部材18に固定され、第1プーリ22および第2プーリ24に掛け回されているベルトガイド20の他端部に、留め具26を介してワイヤ28が接続されている。このワイヤ28は、水平に配置されたローラ(搬送コンベヤ10の中央部寄りの第1ローラ30および搬送コンベヤ10の両端部寄りの第2ローラ32)に掛け回された後、搬送コンベヤ10の上流端の外側に配置された垂直面内で回転する縦型ローラ34を介して下方へ導かれている。
【0019】
搬送コンベヤ10の上流側の縦方向の機枠36(図2参照)に、張力付与手段であるエアシリンダ38がピストンロッド38aを上方へ向けて垂直に取り付けられている。また、同じ機枠36のエアシリンダ38よりも上方に、ベルトガイドの変形量を検出する変形量検出手段としてのリニアスケール40が垂直に取り付けられている。前記エアシリンダ38のピストンロッド38aの先端にリニアスケール40の検出部材42が固定され、この検出部材42に、前記ワイヤ28の末端が連結されている。
【0020】
前記エアシリンダ38の圧力室は、張力調整手段としての電空レギュレータ44を介してエア源46に接続されており、無段階でエア圧力を調整できるようになっている。このエアシリンダ38の圧力を調整することによりベルトガイド20の張力を調整できる。搬送コンベヤ10上に大量に集積された容器4によってベルトガイド20が変形すると、前記リニアスケール40の検出部材42が移動する。このリニアスケール40の検出値が制御装置48に送られ、この制御装置48からの指令により電空レギュレータ44が制御される。
【0021】
前記搬送コンベヤ10上に容器4が一列で供給され、後続の容器4に押されながら集積された状態になると、容器4全体が密集した状態で下流へと進んでいく。前記ベルトガイド20の固定用部材18よりも下流側に、直線ガイド部材50が配置されており、集積された容器4群がこれら両側の直線ガイド部材50に案内されて乾燥滅菌装置6内に送り込まれる。
【0022】
以上の構成に係る容器搬送システムの作動について説明する。洗浄装置用供給コンベヤ12によって一列で搬送されてきた容器4が洗浄装置2内に導入されて洗浄処理される。洗浄処理された容器4は、乾燥滅菌装置用供給コンベヤ8によって搬送され、下流側に配置された搬送コンベヤ10に供給される。供給コンベヤ8の下流側の側部にインフィードスクリュー14が配置されており、一列で連続して搬送されてきた容器4は所定のピッチに切り離され、所定の速度で搬送コンベヤ10に供給される。
【0023】
運転の開始時に搬送コンベヤ10上に容器4を貯留している段階では、搬送コンベヤ10は停止しており、搬送コンベヤ10上に乗り移った容器4は後続の容器4に押されながら密集状態で下流へ進んでいく(図1の状態)。また、この運転の開始時には、電空レギュレータ44を介してエアシリンダ38に送り込むエアを低圧に設定してあり、ベルトガイド20の張力を小さくしている。搬送コンベヤ10上に容器4を蓄積している時点では、ベルトガイド20に負荷がほとんどかからず、図1に示すように、ベルト固定用部材18と第1プーリ22との間がほぼ直線状になっている。
【0024】
搬送コンベヤ10上に容器4が次第に貯留されてくると、ベルトガイド20の、ベルト固定用部材18と第1プーリ22との間の部分に負荷がかかりベルトガイド20の撓み量が大きくなる。ベルトガイド20が撓むことによりワイヤ28の末端が固定されているリニアスケール40の検出部材42が引き上げられる。この撓み量が所定値になったことをリニアスケール40が検出すると、この検出信号が入力された制御装置48が電空レギュレータ44に指令を送り、エアシリンダ38の圧力を中圧(運転開始時の低圧よりも高い圧力)に変更する。エアシリンダ38の圧力を中圧にして、ベルトガイド20の張力を前記低圧時よりも大きくするとともに、搬送コンベヤ10の駆動を開始する。
【0025】
搬送コンベヤ10による搬送速度はインフィードスクリュー14による搬送速度よりも低速に設定されている。この搬送コンベヤ10の搬送速度は、駆動して搬送を開始しても容器4が搬送コンベヤ10上で常に密集状態を保つような速度になっている。ベルトガイド20の張力を決定するエアシリンダ38の圧力を中圧に設定してるので、搬送コンベヤ10の搬送面上を容器4が密集した状態で搬送され、ベルトガイド20が図3に示すように中程度の撓み量を維持している。搬送コンベヤ10から容器4が搬入される乾燥滅菌装置6や、その下流側に配置されている充填装置(図示せず)等が正常に運転されている間は、ベルトガイド20が所定の撓み量を維持した状態で運転が継続する。なお、前記図3と、後に説明する図4は、ベルトガイド20の状態を見やすくするため容器4の記載を省略している。
【0026】
運転中にベルトガイド20の撓み量が所定量以下になったときには、搬送コンベヤ10上の容器4の集積量が少なくなっているので、搬送コンベヤ10を一旦停止するとともに、エアシリンダ38の圧力を中圧から低圧に変更してベルトガイド20の張力を小さくする。運転開始時や、ベルトガイド20の撓み量が所定量以下になったときには、エアシリンダ38の圧力を低圧にしてベルトガイド20の張力を小さくするが、これは、ベルトガイド20が撓みやすい状態にして容器4が貯留していることを検出しやすくするためである。
【0027】
また、ベルトガイド20の撓み量が所定値以上の最大の状態(図4に示す状態)になり、搬送コンベヤ10上に貯留された容器4が満杯状態になったときには、洗浄装置2および乾燥滅菌装置用供給コンベヤ8の運転を停止するとともに、エアシリンダ38の圧力を中圧から高圧に変更して、ベルトガイド20の張力を大きくする。このように満杯の検出時に圧力を高圧に変更して張力を大きくする理由は、満杯時には洗浄装置2を停止して下流側の装置(乾燥滅菌装置6や充填装置)が容器4を処理するのを待っている状態であり、ベルトガイド20の張力を大きくすることで搬送コンベヤ10上の容器4を押圧して下流へ移動させることを促進する。
【0028】
なお、前記実施例では、ベルトガイド20に張力を付与する張力付与手段としてエアシリンダ38を用いたが、エアシリンダ38に限るものではなく、例えばサーボモータ等を用いることもできる。この場合には、サーボモータによって回転するボールねじにナットを螺合させ、このナットに、リニアスケールの検出手段を取り付ける。サーボモータのトルクコントロールによって張力を設定し、前記リニアスケールの検出値に応じて張力を調節する。また、変形量検出手段もリニアスケール40に限るものではなく、例えば、エアシリンダのピストンの位置を近接センサで検出することも可能である。さらに、前記実施例では、ベルトガイド20の撓み量を段階的に検出して、張力を低圧、中圧、高圧と段階的に調整するようにしたが、撓み量と張力の関係式を求めておき、無段階に制御することも可能である。
【符号の説明】
【0029】
4 容器
8 供給コンベヤ(乾燥滅菌装置用供給コンベヤ)
10 搬送コンベヤ
20 ベルトガイド
38 張力付与手段(エアシリンダ)
40 変形量検出手段(リニアスケール)
44 張力調整手段(電空レギュレータ)
48 制御手段
図1
図2
図3
図4
図5