特許第6112964号(P6112964)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6112964
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】ラベル型抜装置
(51)【国際特許分類】
   B26F 1/38 20060101AFI20170403BHJP
   B26F 1/00 20060101ALI20170403BHJP
   B26F 1/44 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   B26F1/38 A
   B26F1/00 H
   B26F1/44 H
   B26F1/44 Z
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-100740(P2013-100740)
(22)【出願日】2013年5月10日
(65)【公開番号】特開2014-217940(P2014-217940A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年4月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】591186888
【氏名又は名称】株式会社トッパンTDKレーベル
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】小島 雅広
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−268650(JP,A)
【文献】 特開平3−270930(JP,A)
【文献】 特開2002−200595(JP,A)
【文献】 特開2013−74105(JP,A)
【文献】 実開平6−66998(JP,U)
【文献】 特開平11−77594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26F 1/38
B26F 1/00
B26F 1/44
B26D 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転するロータリシリンダと、
前記ロータリシリンダに巻き付けられたロータリ刃部と、
前記ロータリシリンダに対向配置されて上下駆動し前記ロータリシリンダに接した状態では前記ロータリシリンダと反対方向に回転して前記ロータリ刃部に加圧されるアンビルロールと、
前記ロータリ刃部により型抜される対象となるラベルを、前記ロータリシリンダと前記アンビルロールとの間を通る所定の一直線方向へ搬送するラベル搬送駆動系と、
を備え、
前記ロータリ刃部は、前記ラベルに対して型抜をするために所定の形状を有する型抜刃を有し、
前記アンビルロールは、前記一直線方向と直交し且つ前記ラベルの面方向に沿う基準線に対して所定角度だけ傾斜して前記ラベルの面に平行な面内に延びる中心線を有する円柱面を有し前記中心線を回転中心として自由回転可能であり前記円柱面が前記ラベルに接触可能であり、
前記ロータリシリンダは、前記基準線に対して前記所定角度と絶対値が等しく逆方向に傾斜し且つ前記ラベルの面方向に沿って延びて前記中心線に対してねじれの位置にある回転中心回りに回転可能であり、
前記ロータリ刃部が前記ロータリシリンダに巻きつけられた状態において、前記所定角度は、前記型抜刃において前記ラベルを直線状に切断する部分のうち最も切断長が長い直線部分の方向が、前記アンビルロールの回転中心に対してねじれの位置となるように設定され、前記型抜刃が前記直線部分により前記ラベルを切断する
ラベル型抜装置。
【請求項2】
請求項1に記載のラベル型抜装置であって、
前記ロータリシリンダの回転を制御するロータリシリンダ駆動系と、
前記アンビルロールの上下駆動を制御するアンビルロール上下駆動系と、
前記ロータリシリンダ駆動系、前記アンビルロール上下駆動系、及び前記ラベル搬送駆動系を制御する主制御部と、
をさらに備えたラベル型抜装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のラベル型抜装置であって、
前記所定角度の絶対値は1.5°以下であるラベル型抜装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品に貼り付けるラベルを得るためにラベル部材からラベルを所望の形状に型抜きするラベル型抜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベル型抜装置及びラベル型抜方法の一例が特許文献1に記載されている。
特許文献1のラベル型抜装置は、表面に切断刃が設けられたダイカットローラと、これに相対配置されたダイ受けローラと、を備え、ダイカットローラを回転駆動させる。
特許文献1のラベル型抜装置は、ダイカットローラが1回転することにより、切断刃によって原反に閉ループ状の切り込みを形成する。
【0003】
ラベル型抜装置及びラベル型抜方法の他例が特許文献2に記載されている。
特許文献2のラベル型抜装置は、切断刃が設けられたダイカットロールと、これに相対配置されたダイ受けロールと、を備える。
特許文献2のラベル型抜装置は、ダイカットロールとダイ受けロールとにベアラが両側にそれぞれ配置されており、これらにより、ダイカットロールとダイ受けロールの中心軸間距離が一定に維持される。
そして、特許文献2のラベル型抜装置は、切断刃によるテープ基材の切断を高精度に行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−300760号公報
【特許文献2】特開2006−73920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
切断刃が設けられたダイカットローラを用いてラベルを所望の形状に型抜するためには、ラベルに対して切断刃が押し付けられることが必要である。このとき、ラベルに対する単位長さもしくは単位面積あたりの切断刃の圧力は、ラベルの種類その他の条件に応じて最適な大きさがある。このため、切断刃がラベルに対して線接触すると仮定したときにおける接触部分の長さ、あるいは、切断刃がラベルに対して面接触すると仮定したときにおける切断刃とラベルとの接触面積が大きくなるにしたがって、切断刃がラベルにかける圧力の総和が大きくなる傾向がある。
しかしながら、切断刃がラベルにかける圧力を高めると、加圧力に耐える強度を得るために装置が大型になりがちであり、また、切断刃の耐久性が極端に落ちる可能性がある。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、小型で耐久性に優れたラベル型抜装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、回転するロータリシリンダと、前記ロータリシリンダに巻き付けられたロータリ刃部と、前記ロータリシリンダに対向配置されて上下駆動し前記ロータリシリンダに接した状態では前記ロータリシリンダと反対方向に回転して前記ロータリ刃部に加圧されるアンビルロールと、前記ロータリ刃部により型抜される対象となるラベルを、前記ロータリシリンダと前記アンビルロールとの間を通る所定の一直線方向へ搬送するラベル搬送駆動系と、を備え、前記ロータリ刃部は、前記ラベルに対して型抜をするために所定の形状を有する型抜刃を有し、前記アンビルロールは、前記一直線方向と直交し且つ前記ラベルの面方向に沿う基準線に対して所定角度だけ傾斜して延びる中心線を有する円柱面を有し前記中心線を回転中心として自由回転可能であり前記円柱面が前記ラベルに接触可能であり、前記ロータリシリンダは、前記基準線に対して前記所定角度と絶対値が等しく逆方向に傾斜し且つ前記ラベルの面方向に沿って延びて前記中心線に対してねじれの位置にある回転中心回りに回転可能であり、前記ロータリ刃部が前記ロータリシリンダに巻きつけられた状態において、前記所定角度は、前記切断刃において前記ラベルを直線状に切断する部分のうち最も切断長が長い直線部分の方向が、前記アンビルロールの回転中心に対してねじれの位置となるように設定され、前記切断刃が前記直線部分により前記ラベルを切断するラベル型抜装置である。
【0008】
また、上記態様のラベル型抜装置は、前記ロータリシリンダの回転を制御するロータリシリンダ駆動系と、前記アンビルロールの上下駆動を制御するアンビルロール上下駆動系と、前記ロータリシリンダ駆動系、前記アンビルロール上下駆動系、及び前記ラベル搬送駆動を制御する主制御部と、をさらに備えてもよい。
【0009】
また、前記所定角度の絶対値は1.5°以下であってよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明のラベル型抜装置は、小型で耐久性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置の概略外観斜視図である。
図2】本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置におけるアンビルユニットの外観斜視図である。
図3】本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置における補助加圧ユニットの外観斜視図である。
図4図3に示した補助加圧ユニットの動作説明図であり、(a)は上昇側へ加圧する状態図、(b)は下降側へ加圧する状態図である。
図5】同ラベル型抜装置におけるロータリシリンダとアンビルロールとの位置関係を示す模式図である。
図6】同ラベル型抜装置におけるロータリシリンダとアンビルロールとの位置関係を示す模式図である。
図7】同ラベル型抜装置におけるアンビルロールと型抜刃との位置関係を示す模式図である。
図8】同ラベル型抜装置におけるアンビルロールと型抜刃との位置関係の変化を示す模式図である。
図9】同ラベル型抜装置における型抜刃による切断長を示す概念図である。
図10】同ラベル型抜装置においてロータリシリンダとアンビルロールとの位置関係を調整するための機構の一例を示す斜視図である。
図11】同ラベル型抜装置においてロータリシリンダとアンビルロールとの位置関係を調整するための機構の一例を示す斜視図である。
図12】同ラベル型抜装置においてロータリシリンダとアンビルロールとの位置関係を調整するための機構の一例を示す斜視図である。
図13】本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置の主制御部のブロック構成図である。
図14】(a)は本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置のアンビルユニットのエンコード信号のタイミングチャートである。(b)はアンビルテーブル位置検出エンコード板の模式図である。(c)は(a)にt〜tとして示すタイミングにおけるエンコードセンサの状態を示す表である。
図15】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法を説明するアンビルユニットの制御流れを説明するフローチャートである。
図16】本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法を説明する主制御処理部の制御流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る一実施形態のラベル型抜装置及びラベル型抜方法について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態のラベル型抜装置においてロールラベルからラベルが型抜きされる状態を示す概略図である。
図1に示すように、ラベル型抜装置10は、ロールラベル11を適用する。ロールラベル11は、型抜きするラベルSと、型抜きするラベルSの開始位置を知らせるための黒色等のアイマーク12が印刷された剥離紙の無いラベル部材Rとを有する。そして、ラベル型抜装置10は、ラベル部材RのラベルS部分を型抜きし、型抜きされたラベルSは、不図示の張り付け機構等により商品に張り付けられる。また、型抜きにより残ったラベル部材Rの残存部Tは、同じく不図示の残存ラベル巻取り機構により順次巻き取られる。アイマーク12は、光学反射式のアイマークセンサ13によりラベル部材R上のラベルSの先端が検出される。
【0013】
次に、ラベル型抜装置10の構造について説明する。
ラベル型抜装置10は、ロールラベル11を送り出すラベル搬送ユニット14と、ロータリ刃部16を巻き付けたロータリシリンダ17を装備するロータリユニット15と、を備える。また、ラベル型抜装置10は、アンビルロール19を装備するアンビルユニット18と、アンビルロール19のロータリ刃部16への加圧による加圧反力を吸収するための補助加圧機構20(図4参照)と、を備える。
ここで、ロータリ刃部16は、複数の異なる形状に形成された型抜刃21を有し、これら型抜刃21で指標される複数の異形の指標マーク22を側部に有する。複数の異形の指標マーク22は、光学反射式のインデックスセンサ23により検出されることにより、型抜きにいずれの型抜刃21を使用するかが選択的に設定される。
【0014】
ラベル型抜装置10は、ロールラベル11より繰り出されたラベル部材Rを、アンビルユニット18のアンビルロール19とロータリユニット15のロータリシリンダ17とに挟み込む。そして、装填されたロールラベル11は、ロータリ刃部16とアンビルロール19とにより加圧され、型抜きされたラベルSと型抜き後の残存部Tとが送り出される。型抜きされたラベルS及び型抜き後の残存部Tの処理に関しては、下流側に配置されている不図示のラベル排出部とラベル巻取部とにより処理される。
【0015】
ラベル搬送ユニット14は、ステップモータであるロールラベル搬送駆動用モータ24と、このロールラベル搬送駆動用モータ24に連結された歯車減速機構25と、を備える。また、ラベル搬送ユニット14は、歯車減速機構25に連結された複数のラベル搬送用ローラ26を備える。
ラベル搬送ユニット14は、複数のラベル搬送用ローラ26によって、ラベル部材Rを、所定の一直線方向へと搬送する。
【0016】
ロータリシリンダ17は、略円柱状を有し、ロータリ刃部16を固定するための磁石が内部に設けられた回転体である。略円柱状をなすロータリシリンダ17の中心線O1は、ロータリシリンダ17の回転中心となっている。
ロータリシリンダ17の中心線O1は、ラベル搬送ユニット14がラベル部材Rを搬送する上記一直線方向に対して直交し且つラベル部材Rの面方向の沿う基準線に対して所定角度だけ傾斜して配置されている。より詳細に説明すると、
ロータリユニット15は、ロータリシリンダ17を回転させるためのステップモータであるロータリシリンダ駆動用モータ27を備える。また、ロータリユニット15は、ロータリシリンダ駆動用モータ27に連結された歯車減速機構28を備える。
【0017】
次に、アンビルユニット18の詳細について説明する。図2は、本実施形態のラベル型抜装置におけるアンビルユニットの外観斜視図である。図3は、本実施形態のラベル型抜装置における補助加圧機構の外観斜視図である。
図2図3に示すように、アンビルユニット18は、支持板であるアンビルユニットベース29と、アンビルテーブル上下駆動用モータ30とを備える。
アンビルユニット18は、アンビルテーブル上下駆動用モータ30に歯車連結されたアンビルテーブル上下駆動用歯車減速機構31を備える。アンビルユニット18は、アンビルユニットベース29に水平方向に回転自在に支持されたアンビルテーブル上下駆動用第1軸32を備える。
【0018】
アンビルユニット18は、アンビルテーブル上下駆動用第1軸32に結合された一対のはす歯のアンビルテーブル上下駆動用第1歯車33を備える。アンビルユニット18は、アンビルユニットベース29に垂直方向に回転自在に支持されたアンビルテーブル上下駆動用第2軸34を備える。
【0019】
アンビルユニット18は、アンビルテーブル上下駆動用第2軸34に結合された一対のはす歯のアンビルテーブル上下駆動用第2歯車35を備える。アンビルユニット18は、アンビルテーブル上下駆動用第2軸34を回転自在に挿通した下アンビルテーブル36を備える。アンビルユニット18は、補助加圧機構20を介して上アンビルテーブル37を備える。アンビルユニット18は、アンビルテーブル上下駆動用第2軸34の先端部に雄ねじ38(図4参照)を有する。雄ねじ38は、下アンビルテーブル36に形成されている雌ねじ39(図4参照)に歯車結合している。
そして、アンビルユニット18は、上アンビルテーブル37上の角度調整テーブル40に形成された一対の側板40a、40bによりアンビルロール19を回転自在に支持している。アンビルロール19は、金属製の中心軸41と、高硬度であって且つ弾性を有する樹脂部材42とを有している。
樹脂部材42は、中心軸41の外周面に蒸着されている。樹脂部材42は、例えば硬度90以上である。樹脂部材42の材料としては、たとえばABSを採用することができる。
【0020】
アンビルテーブル上下駆動用第1軸32には、アンビルテーブル位置検出エンコード板43が取り付けられている。アンビルテーブル位置検出エンコード板43は、アンビルテーブル上下駆動用第1軸32の回転に同期して下アンビルテーブル36の上下移動変位量を検出する。また、アンビルユニットベース29には、アンビルテーブル上下位置センサ44が取り付けられている。アンビルテーブル上下位置センサ44は、上下移動ピッチ(h1)単位で下アンビルテーブル36の上下移動変位量を検出する。アンビルテーブル上下位置センサ44は、光学式遮光センサである。アンビルテーブル上下位置センサ44は、アンビルテーブル位置検出エンコード板43に設けられたスリット45の有無と回転方向をパルス信号として検出してカウントする。
【0021】
下アンビルテーブル36には、アンビルテーブル原点用遮光板46が取り付けられている。アンビルユニットベース29には、光学遮光式のアンビルテーブル原点検出センサ47が取り付けられている。
アンビルテーブル原点用遮光板46とアンビルテーブル原点検出センサ47とは、アンビルロール19の高さ位置がラベル部材Rの高さと同じ位置に成るように調整する。アンビルテーブル原点検出センサ47は、光学式遮光センサである。アンビルテーブル原点検出センサ47は、アンビルテーブル原点用遮光板46の先端が遮光するタイミングを下アンビルテーブル36の上下駆動により検出する。アンビルテーブル原点検出センサ47は、アンビルロール19の高さがラベル部材Rの高さと同じになるように調整した原点位置を得る。
【0022】
アンビルテーブル上下駆動用モータ30は、回転動力を発する動力源である。アンビルテーブル上下駆動用モータ30が発する回転動力は、アンビルテーブル上下駆動用歯車減速機構31に伝達される。アンビルテーブル上下駆動用歯車減速機構31は、アンビルテーブル上下駆動用モータ30から伝達された回転動力により、アンビルテーブル上下駆動用第1軸32を回転させる。アンビルテーブル上下駆動用第1軸32は、アンビルテーブル上下駆動用第1歯車33とともに回転する。
【0023】
アンビルテーブル上下駆動用第1歯車33が回転することにより、アンビルテーブル上下駆動用第1歯車33の回転動力がアンビルテーブル上下駆動用第2歯車35に伝達する。アンビルテーブル上下駆動用第2歯車35は、アンビルテーブル上下駆動用第2軸34とともに回転する。そして、アンビルテーブル上下駆動用第2軸34が回転することにより、雄ねじ38と雌ねじ39との噛み合いにより下アンビルテーブル36が上昇駆動する。
これにより、補助加圧機構20を介してアンビルロール19がロータリシリンダ17に対して上昇し、アンビルロール19がロータリシリンダ17を加圧する。
【0024】
次に、補助加圧機構20の構造について説明する。図4は、図3に示した補助加圧機構の動作説明図であり、(a)は上昇側へ加圧する状態図、(b)は下降側へ減圧する状態図である。
図4(a)、図4(b)に示すように、補助加圧機構20は、補助加圧ばね48と、第1加圧調整部材49と、一対の第2加圧調整部材50とを備える。
補助加圧ばね48は、ねじりコイルばねであり、その下端部が下アンビルテーブル36に固定されている。
【0025】
第1加圧調整部材49は、等脚台形形状に形成されており、一対の傾斜面51を有している。第1加圧調整部材49は、補助加圧ばね48の上端部に固定されている。一対の第2加圧調整部材50は、第1加圧調整部材49の傾斜面51の一つに摺接する傾斜面52をそれぞれ有している。一対の第2加圧調整部材50は、第1加圧調整部材49の中央部に配置されている加圧調整ねじ53に噛み合っている。一対の第2加圧調整部材50は、上アンビルテーブル37の下面に半固定で支持されている。そのため、一対の第2加圧調整部材50は、加圧調整ねじ53が回されることにより、それぞれが近づく方向、または、それぞれが離れる方向にスライド移動する。
これにより、第1加圧調整部材49に対する一対の第2加圧調整部材50の間隔寸法を調整できる。
【0026】
なお、補助加圧機構20の構造は、下アンビルテーブル36と上アンビルテーブル37との間のギャップ寸法を調整するものではない。そして、この構造は、下アンビルテーブル36上のアンビルロール19に対する加圧反力をばねのヤング率で押し戻す構造である。そのため、補助加圧機構20の構造は、型抜きに必要とされる加圧力の低下を抑える補助加圧の役目を有する。そして、これらのアンビル駆動制御及びテーブル高さ制御並びに関連する原点信号検出とエンコード信号検出の処理に関しては、後述する主制御部60により処理する。
【0027】
次に、ロータリシリンダ17とアンビルロール19との位置関係の詳細及びロータリシリンダ17とアンビルロール19とを所定の位置関係で保持する機構の構成について図5ないし図12を参照して説明する。図5及び図6は、ラベル型抜装置10におけるロータリシリンダ17とアンビルロール19との位置関係を示す模式図である。図7は、ラベル型抜装置10におけるアンビルロール19と型抜刃21との位置関係を示す模式図である。図8は、ラベル型抜装置10におけるアンビルロール19と型抜刃21との位置関係の変化を示す模式図である。図9は、ラベル型抜装置10における型抜刃21による切断長を示す概念図である。図10ないし図12は、ラベル型抜装置10においてロータリシリンダ17とアンビルロール19との位置関係を調整するための機構の一例を示す斜視図である。
【0028】
図1に示すロータリシリンダ17は、略円柱状であってロータリシリンダ17の中心線O1が回転中心となる。
図3に示すアンビルロール19は、略円柱状であってアンビルロール19の中心線O2が回転中心となる。
【0029】
図5及び図6に示すように、本実施形態では、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とは互いにねじれの位置となる関係にある。
具体的には、ロータリシリンダ17の中心線O1は、ラベル部材Rの搬送方向D1となる直線に対して直交し且つラベル部材Rの面方向に沿う基準線に対して所定角度θ1だけ傾斜し、さらに、ラベル部材Rの面と平行な面内に延びる。
また、アンビルロール19の中心線O2はラベル部材Rの搬送方向D1となる直線に対して直交し且つラベル部材Rの面方向に延びる基準線L2に対して所定角度θ2だけ傾斜し、さらにラベル部材Rの面と平行な面内に延びる。
ロータリシリンダ17の中心線O1に関する基準線L1と、アンビルロール19の中心線O2に関する基準線L2とは、ラベル部材Rの面に垂直な方向に互いに離間する平行線である。
【0030】
ロータリシリンダ17の中心線O1が傾斜する上記所定角度θ1と、アンビルロール19の中心線O2が傾斜する上記所定角度θ2とは、各々の基準線L1,L2に対する角度の絶対値は等しく、また基準線L1,L2に対する傾斜方向は逆である。これにより、ロータリシリンダ17とアンビルロール19との間を通過するラベル部材Rにアンビルロール19の外周面と型抜刃21とがともに接しても、ラベル部材Rをラベル部材Rの搬送方向D1以外の方向へずらそうとする力は相殺され、結果的に、ロータリシリンダ17とアンビルロール19との間へ送り込まれロータリシリンダ17とアンビルロール19との間から引き出されるラベル部材Rは一直線(搬送方向D1)に搬送される。
【0031】
図6に示すようにラベル部材Rの面に垂直な方向から見たときに、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルローラ19の中心線とのなす角は3°以下に設定される。そして、ラベル部材Rの面に垂直な方向から見たときに、ロータリシリンダ17の中心線O1と基準線とのなす角の絶対値は1.5°以下であり、アンビルロール19の中心線O2と基準線とのなす角の絶対値は1.5°以下である。
【0032】
ラベル部材Rの面に垂直な方向から見たときにおけるロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とのなす角の大きさは、図7図8、及び図9に示すように、ロータリ刃部16に設けられた型抜刃21の形状を考慮して設定される。
すなわち、ラベル部材Rの面に垂直な方向から見たときにおけるロータリシリンダ17の中心線O1(図6参照)とアンビルローラ19の中心線O2(図6参照)とのなす角の大きさは、型抜刃21がラベル部材Rに接触するときに、図9に示す瞬間当たりの切断長W(1)が最小となるように設定される。
【0033】
本明細書において、「瞬間当たりの切断長W(1)」とは、ロータリ刃部16がロータリシリンダ17に取り付けられた状態において、静止状態にあるロータリシリンダ17に対してアンビルロール19を近づけるようにアンビルロール19を移動させ、型抜刃19がラベル部材Rに食い込んでラベル部材Rに切れ込みを形成した部分の総延長のことをいう。
たとえば、ラベル部材Rの搬送方向に垂直であって且つラベル部材Rの面に沿う方向へと長い直線状の切れ込み(本実施形態では、ラベル部材Rの短手方向(以下、「幅方向」という。)に延びる切れ込みである。)を形成するための型抜刃の形状は、全長が切断長W(max)であり、ロータリシリンダ17にロータリ刃部16が取り付けられた状態においてロータリシリンダ17の中心線O1と平行な直線状である。
【0034】
ここで、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とが互いに平行である場合には、型抜刃においてラベル部材Rの幅方向の切れ込みを形成する直線状部分は、直線状部分のすべてが同時にアンビルロール19の外面に接する。
【0035】
その一方で、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とが平行でない場合には、図7図8、及び図9に模式的に示すように、型抜刃21においてラベル部材Rの幅方向の切れ込みを形成する直線状部分は、ロータリシリンダ17の回転に伴って順次部分的にアンビルロール19の外面に接する。
【0036】
このように、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とが平行でないようにすることにより、ラベル部材Rの幅方向に長い直線状の切れ込みをラベル部材Rに形成する場合に、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とが互いに平行である場合における切断長W(max)よりも、瞬間当たりの切断長W(1)を短くすることができる。
【0037】
一般的に、ラベル部材RからラベルSを打ち抜く場合、ラベルSが矩形形状であることが多い。この場合に、打ち抜かれるラベルSが、ラベル部材Rの長手方向に沿う辺と、ラベル部材Rの幅方向に沿う辺とを有する矩形であると、ラベル部材R内に高密度にラベルSを配置することができ、ラベルSの製造効率がよい。
【0038】
ここで、ラベル部材Rの幅方向に長い切れ込みを形成する必要がある場合、ラベル部材Rが幅広で切断長が長い場合には特に、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とが互いに平行であると、アンビルロール19をロータリシリンダ17側へと押し付ける加圧力の総和を高める必要が生じる。
【0039】
本実施形態では、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とが平行でないように設定されることで、型抜刃においてラベル部材Rの幅方向の切れ込みを形成する直線状部分が長くても、この直線状部分が順次部分的にアンビルロール19の外面に接する。すなわち、本実施形態では、ラベル部材Rの幅方向に長い切れ込みが、ロータリシリンダ17の回転に伴って、切れ込みの一端から他端へ向かって順次形成される。そして、切れ込みを形成するための加圧力は、ラベル部材Rの幅方向に長い切れ込みのうち、アンビルロール19の外面に型抜刃21が実際に接触している一部の領域に限局されてかかるようになっている。
【0040】
なお、本実施形態のラベル型抜装置10は、ラベル部材Rの幅方向に対して傾斜する方向に長い切れ込みを形成するための刃が型抜刃21に形成されている場合であってこの傾斜した刃の向きに着目してロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とのなす角を設定することもできる。
【0041】
ロータリシリンダ17の中心線O1の向きと、アンビルロール19の中心線O2の向きとは、互いに独立して設定可能であってもよい。
図10図11、及び図12に示すように、たとえば、本実施形態では、ロータリユニット15全体が、所定の回動中心回りに、ラベル部材Rの面と平行な面内において移動可能である。また、本実施形態では、ラベル部材Rの面に垂直な方向から見たときにおけるロータリシリンダ17の中心線O1(図6参照)とアンビルローラ19の中心線O2(図6参照)との交点の位置合わせができるようになっている。
【0042】
また、図3に示すように、アンビルロール19は、上アンビルテーブル37に対して所定の回動中心回りに角度調整テーブル40が回動可能となるように上アンビルテーブル37と角度調整テーブル40とが連結されており、所望の角度において上アンビルテーブル37と角度調整テーブル40とを固定することができるようになっている。
【0043】
また、別の例として、ロータリシリンダ17の中心線O1の向きを設定するための機構及びアンビルロール19の中心線O2の向きを設定するための機構は、自動調芯ベアリングを有していてもよい。自動調芯ベアリングは、ロータリシリンダ17の中心線O1及びアンビルロール19の中心線O2を所望の角度に維持しつつ、ロータリシリンダ17及びアンビルロール19を回転可能に保持することができる。
【0044】
次に、主制御部60の構成について説明する。図13は、本実施形態のラベル型抜装置の主制御部のブロック構成図である。
図13に示すように、主制御部60は、ラベル型抜装置10全体の制御を司り、動作制御に必要とする情報を共通メモリ65に設定する。そして、主制御部60は、各処理部に指令を出し監視するとともに全体の処理の流れを制御する。主制御部60は、主として、ロータリシリンダ駆動処理部61、ロールラベル搬送駆動処理部62、アンビルロール上下駆動処理部63、主制御処理部64、共通メモリ65から構成されている。
【0045】
ロータリシリンダ駆動処理部61は、ロータシリンダモータ駆動回路66を通じてロータリシリンダ駆動用モータ27に電気的に接続している。ロータリシリンダ駆動処理部61は、インデックスセンサ検出回路67を通じてインデックスセンサ23からセンサ信号が与えられる。ロータリシリンダ駆動処理部61は、ロータリシリンダ17の駆動とロータリ刃部16上のインデックス検出を行う。そして、ロータリシリンダ駆動処理部61は、ロータリシリンダ17の現在位置情報を管理するとともにインデックス検出結果を共通メモリ65に設定する。
【0046】
ロールラベル搬送駆動処理部62は、ロールラベル搬送モータ駆動回路68を通じてロールラベル搬送駆動用モータ24に電気的に接続している。ロールラベル搬送駆動処理部62は、アイマークセンサ検出回路69を通じてアイマークセンサ13からセンサ信号が与えられる。ロールラベル搬送駆動処理部62は、ロールラベル11を搬送するロールラベル搬送駆動と、ロールラベル11上のアイマーク12の検出とを行う。ロールラベル搬送駆動処理部62は、ロールラベル11の型抜き開始位置情報を管理するとともに共通メモリ65に設定する。
【0047】
アンビルロール上下駆動処理部63は、アンビルテーブル上下モータ駆動回路70を通じてアンビルテーブル上下駆動用モータ30に電気的に接続している。アンビルロール上下駆動処理部63は、アンビルセンサ検出デコード回路71を通じてアンビルテーブル上下位置センサ44(位置検出エンコーダセンサ)からセンサ信号が与えられる。アンビルロール上下駆動処理部63は、アンビルセンサ検出デコード回路71を通じてアンビルテーブル原点検出センサ47(原点検出センサ)からセンサ信号が与えられる。アンビルロール上下駆動処理部63は、アンビルロール19の上下駆動を管理するとともに、状態情報を共通メモリ65に設定する。
【0048】
なお、ロータリシリンダ駆動用モータ27、アンビルテーブル上下駆動用モータ30、ロールラベル搬送駆動用モータ24には、ステッピングモータが採用されている。そして、あらかじめラベル部材Rの型抜きに必要とされる最少ステップ送り量(S1)が得られるように、各モータ24、27の各部ギア比率等を構成している。また、アンビルテーブル上下駆動用モータ30も同様に、型抜刃21の高さとラベル部材R等の厚みを加算した十分な上下駆動量を持つ機構を有し、駆動ストローク(H)並びにステップ送り量(h1)で構成している。
【0049】
次に、ラベル型抜装置10のアンビルユニット18のエンコード信号について説明する。図14(a)は、本実施形態のラベル型抜装置のアンビルユニットのエンコード信号のタイミングチャートである。図14(b)は、アンビルテーブル位置検出エンコード板の模式図である。図14(c)は、図14(a)においてt〜tで示すタイミングにおけるエンコードセンサの状態を示す表である。
【0050】
図14(a)に示すように、アンビルユニット18では、アンビルロール19の上下駆動及び高さ(加圧位置)を2つのセンサにより検出し、制御に利用している。一つ目のセンサは、アンビルテーブル原点検出センサ47であり、二つ目のセンサは、アンビルテーブル上下位置センサ44である。具体的には、アンビルテーブル位置検出エンコード板43のスリット45(黒色部分)を光学透過式のアンビルテーブル上下位置センサ44で検出する。つまり、アンビルテーブル上下位置センサ44が位相の異なる一対のセンサを有する。そして、一対のセンサが、アンビルテーブル上下駆動用第1軸32の回転に対応したセンサ信号を発生することにより回転方向と回転移動量を検出する。このとき、下アンビルテーブル36の駆動と同時に、アンビルテーブル原点用遮光板46が移動する。そして、あらかじめ機械的に設定されたアンビルロール19の原点高さ位置(アンビルロール19の退避位置)にテーブル高さが到達する。
【0051】
これにより、光学遮光式のアンビルテーブル原点検出センサ47がオンとなって原点位置を通過したことを示す。そして、アンビルテーブル上下駆動用モータ30を制御して、この信号がオンになった位置に戻せば、アンビルロール19を正しい原点位置(退避高さ位置)に停止できる。
【0052】
次に、ラベル型抜装置10のアンビルユニット18が検出した回転方向(テーブル上下方向)と移動パルスカウント及び原点信号の処理流れについて説明する。図15は、本実施形態のラベル型抜方法を説明するアンビルユニットの制御流れを説明するフローチャートである。
図15に示すように、『開始1』指令によりアンビルロール上下駆動処理部63では、ステップアドレスとして管理するh1単位ステップ毎の加減算処理を行う。同時に、アンビルロール上下駆動処理部63では、アンビルテーブル上下位置センサ44の各センサ信号の変動をアンビルセンサ検出デコード回路71より得る。そして、アンビルセンサ検出デコード回路71の図14に示した時点t1〜時点t8の情報を得てステップアドレスに加減算する。なお、この処理は、不図示のモータ加減速処理と割込み処理で処理される。この割込み処理部で得られたステップアドレスは、アンビルロール19の高さ位置を示す情報となる。そして、アンビルテーブル上下位置センサ44の各センサ信号の状態により絶対位置として管理され共通メモリ65に格納される(S101〜S109)。
これにより、以降の高さ制御を高さ位置の指令で行うことができる。
【0053】
『開始2』では、アンビルロール19の高さ原点位置を求めた後、アンビルロール19が下降する。そして、アンビルロール19の高さがラベル搬送用ローラ26と同じ高さ(ラベル部材Rの面が、型抜刃21に接触せず若干の空隙が存在する高さ)位置:HLまで上昇(又は下降)させて置く(S107〜S109)。
【0054】
『開始3』では、アンビルロール19の高さをロータリ刃部16の型抜刃21の高さに接触する程度の高さ位置:HHまで加圧上昇させる。アンビルロール19の高さは原点位置を基準とし、アンビルテーブル上下駆動用モータ30をHL高さ位置で停止状態からV速度まで加速回転させる。そして、アンビルテーブル上下駆動用モータ30をアンビルロール19がHH高さ位置に成るまで上昇回転する(S111〜S113)。
上昇下降は、アンビルテーブル上下駆動用モータ30をCW(時計回り:上昇)又はCCW(反時計回り:下降)方向に回転方向を切り替えて制御する。
【0055】
主制御処理部64では、ロータリ刃部16上の目的のインデックス位置へロータリシリンダ17を回転させる制御を行う。そのため、アンビルロール上下駆動処理部63に対して『開始1』〜『開始3』の指令を適宜出す。同時に、ロールラベル11上のアイマーク12の開始位置を抜き原点まで搬送するために、アンビルロール上下駆動処理部63に対して『開始1』〜『開始3』の指令を適宜出す。ロータリ刃部16を加圧中の状態(HH高さ位置)では、『開始2』によりアンビルロール19が上昇停止している状態である。『開始3』では、指定された速度Vでアンビルロール19をHL高さ位置まで下降させ、型抜刃21がラベル部材Rに接触しない位置まで退避させて停止する。
【0056】
次に、上述した処理を全て統括処理する主制御処理部64の制御流れについて説明する。図16は、本発明に係る一実施形態のラベル型抜方法を説明する主制御処理部の制御流れを説明するフローチャートである。
図16に示すように、『開始1』では各部の初期化処理を行うために、アンビルロール19を下降させ原点位置を求めて、退避位置まで送り停止させる。同時に、ロータリシリンダ17上のインデックス検出処理やロールラベル11上のアイマーク12の検出処理を行う(S201〜S203)。
【0057】
『開始2』では、『開始1』で準備した状態からアンビルロール19を上昇させ(加圧状態)、ロールラベル11を搬送する。そして、ロータリシリンダ17を目的の型抜刃21の位置から抜き長さ量回転させながらラベル部材Rの型抜きを行う。ラベルSの1枚の型抜きが終了すると、アンビルロール19を下降させた後、次の型抜きの準備のためにロールラベル11を搬送する。そして、アイマーク12の検出位置から抜き原点まで搬送し、同時にロータリシリンダ17を回転させて同じ目的の型抜刃21の位置の選択を進める(S211〜S220)。
これらを順次繰り返すことで、目的の型抜刃21の位置を選択してラベル部材Rの型抜きを行うことができる。
【0058】
以上に説明したように、本実施形態のラベル型抜装置によれば、型抜刃21の一部分に加圧力を集中させることができるので、型抜刃21にかかる加圧力の総和を小さくしても好適にラベル部材RからラベルSを切り抜くことができる。その結果、本実施形態のラベル型抜装置は、小型で耐久性に優れる。
また、ラベル部材Rの搬送方向に対して直交し且つラベルの面方向に沿う基準線に対するアンビルロール19の中心線O2とロータリシリンダ17の中心線O1とのなす各々の角度が、絶対値が等しく互いに逆方向であるので、ラベル部材Rの搬送中にラベル部材Rを歪める力が相殺され、ラベル部材Rはラベル部材Rの搬送方向として設定された一直線方向に好適に搬送される。
また、上記角度の絶対値が1.5°以下であると、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とが上述の基準線と平行である場合と比較して約1/3まで加圧力を減少させることができる。さらに、この場合には、型抜刃21の形状には、ロータリシリンダ17の中心線O1とアンビルロール19の中心線O2とが互いに平行でないことを考慮した補正が不要であり、型抜刃の設計が容易であり実用的には十分な精度が得られる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
なお、上記具体的な構成に対する設計変更等は上記事項には限定されない。
【符号の説明】
【0060】
10 ラベル型抜装置
16 ロータリ刃部
17 ロータリシリンダ
19 アンビルロール
20 補助加圧機構
21 型抜刃
41 中心軸
42 樹脂部材
60 主制御部
R ラベル部材
S ラベル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16