【文献】
「製造業向けソリューション」,富士通ジャーナル,富士通株式会社,2010年2月5日受入,Vol36,No2,第2−5ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理者ポータルは、さらに、複数の治験医をリストアップし、かつ、管理者が、治験医に治験への参加を招待する招待状を送ることを可能とする、請求項1記載の方法。
前記管理者ポータルは、さらに、前記管理者が、テンプレートに基づいて、カスタム化のために関連する治験ウェブサイトに関して、治験マスタファイルを作成することを可能とする、請求項1記載の方法。
前記医師ポータルは、さらに、前記管理者により管理されている複数の治験をリストアップし、前記治験医が前記管理者に特定の治験への参加についての関心について連絡することを可能にする、請求項1記載の方法。
前記医師ポータルは、さらに、前記治験医が、治験において試験されている治験薬の特性に関連する治験薬ファイルへアクセスすることを可能とする、請求項1記載の方法。
前記管理者ポータルは複数の治験医をリストアップし、かつ、前記管理者が前記治験医を治験への参加に招待する招待状を送ることを可能にする、請求項12記載のシステム。
前記管理者ポータルは、前記管理者が、テンプレートに基づいて、カスタム化のために関連する治験ウェブサイトについて、治験マスタファイルを作成することを可能とする、請求項12記載のシステム。
前記医師ポータルは、前記管理者により管理される複数の治験をリストアップし、前記治験医が特定の治験への参加についての関心について前記管理者に連絡することを可能にする、請求項12記載のシステム。
前記医師ポータルは、前記治験医が、治験において試験されている治験薬の特性に関連する治験薬ファイルへアクセスすることを可能とする、請求項12記載のシステム。
前記医師ポータルは、前記治験医が、同一性および関連する治験および治験実施機関の情報に基づくメタデータを識別してアップロードされたドキュメントを索引付けすることを可能にする、請求項12記載のシステム。
前記医師ポータルは、さらに、前記治験医がリアルタイムで治験の実施に影響する必須ドキュメントの最新版へアクセスすることを可能とする、請求項12記載のシステム。
前記プロセッサは、テンプレートにより動かされる予め定められたワークフローの順序および順番に従って前記生成ステップを実現させるワークフロー管理ソフトウェアの命令をさらに実行する、請求項12記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の種々の実施形態の完全な理解のため、
図1〜54に関連して以下の詳細な説明においていくつかの特定の詳細が記載されている。しかし、本発明の種々の実施形態を無用に不明確なものとしないよう、いくつかの周知の詳細は以下の詳細な説明には記載されない。関連分野の当業者は、以下に記載の詳細事項を必要とせずに、本発明の他の実施形態を実施可能であることは理解するであろう。また、以下の詳細な説明では種々の方法がステップとシーケンスを参照して記載されているが、詳細な説明は本発明の実施形態の明確な実施を提供するためのものであり、これらのステップおよびステップのシーケンスは本発明の実施に必要であると見なされるべきではない。
【0012】
図1は本発明のコラボレーティブ治験システムの構成を示す。図示のように、治験ドキュメント交換(Clinical Document Exchange、CDE)または管理者ポータルと呼ばれるウェブサイト101は、アクセスに応じて治験ウェブサイト102、103、104へのアクセスを提供する。ウェブサイト101には、治験依頼者または管理者が治験ウェブサイト102、103、104を自動的に作成するよう選択することができるボタンが含まれている。各治験ウェブサイトは特定の医薬品の治験を管理するために用いられる。治験はそれぞれいくつかの治験実施機関(clinical trial Site)たとえば病院、診療所および学術機関で行われる。各実施機関のために、治験依頼者は治験をサポートするためにファイルの個別のフォルダを設定しておく。ファイルフォルダ110〜112は治験マスタファイル(Trial Master File)と呼ばれる。治験依頼者は治験ウェブサイト上のボタンを選択して、これらのファイルを生成する。医師ポータル(Investigator Portal)120は治験責任医師が実施機関において用いるウェブサイトを提供し、当該ウェブサイトにより、治験責任医師治験の実施に影響する必須ドキュメントの最新版にアクセスして、治験に関する重要な情報にリアルタイムに接することができる。後述するように、治験責任医師はこの医師ポータル120を用いて、治験に関連するドキュメントをアップロードする。
【0013】
本発明の例示的実施形態では、サーバ上および/またはサーバ群上のソフトウェアでコラボレーティブ治験システムが実現され、Microsoft(登録商標) SharePoint(登録商標)コンテンツ管理ソフトウェアシステムを用いてコラボレーションポータルが実現される。ワークフローはNintex(商標) Workflowソフトウェアモジュールを用いて実現可能であり、このモジュールにより、本明細書中に記載のような治験マスタファイルから管理者ポータルおよび医師ポータルならびに治験ウェブサイトを生成するために、テンプレート表示の順番および順序が決定される。例示的実施形態では、コラボレーティブ治験システムソフトウェア、コラボレーションポータルソフトウェアおよびワークフローソフトウェアは
図2に示されるタイプのシステムにおいて実現される。
【0014】
図2は本発明のコラボレーティブ治験システムを実現するためのハードウェア構成を示す。図示のように、試験管理者(study manager)、治験担当者(clinical research associate)および治験を管理するその他の者は、Microsoft(登録商標) SQLサーバ131と、ドキュメント処理サーバ132と、Active Directoryを含むドメインコントローラ133とを含む内部ネットワーク130を介して(すべてLAN140を介して)通信する。一方、LAN140はDMZ LAN160を含むDMZファイアウォール150を介して通信する。DMZ LAN160は、Active Directory Lightweight Directory Service(AD LDS)を含むドメインコントローラ171と、デジタル署名アプライアンス172と、SharePoint(登録商標)フロントエンドウェブファーム173とを提供し、SharePoint(登録商標)フロントエンドウェブファーム173は本発明のコラボレーティブ治験ソフトウェアを処理して、治験の集中管理および図示のネットワークにおいて所望の情報を検索するための検索ソフトウェアを提供する。インターネットファイアウォール180はインターネットからDMZ LAN160を分離する。図示のように、外部の治験医はインターネット190からインターネットファイアウォール180を介してエクストラネットアクセスを通じて通信する。
【0015】
図2に記載のサーバ131〜133および171〜173は、本明細書中に記載のコラボレーティブ治験システムソフトウェア、コラボレーションポータルソフトウェア、ワークフローソフトウェアおよびエクストラネットアクセスコントロールソフトウェアを保存し、実行するように適合されていることは、当業者には理解されるであろう。概略的に言えば、各サーバはメモリおよびプロセッサを有し、プロセッサは、メモリに保存されたソフトウェアを実行して、本明細書に記載の機能を実行する。サーバにはパーソナルコンピュータ、メインフレームなどにより実現されるコンピューティング環境が含まれることは当業者には理解されるところである。図示の実施形態では、コンピューティング環境にはハードウェア要素および/またはソフトウェア要素が含まれ、これにより、実現されるコンピューティング環境はコラボレーティブ治験システムソフトウェア、コラボレーションポータルソフトウェア、ワークフローソフトウェアなどのアプリケーションを実行するために用いられる。たとえば、各サーバ上のコンピューティング環境を、
図1〜54に関して本明細書中に記載される方法を実行するために、コラボレーティブ治験システムソフトウェア、コラボレーションポータルソフトウェアおよびワークフローソフトウェアを実行するために用いることができる。
【0016】
例示的実施形態では、各サーバのプロセッサは、オペレーティングシステムを実現する命令および本発明の技術を実現するためのアプリケーションプログラムを実現するためのアプリケーションプログラムを含む命令メモリと作動的に通信している。プロセッサには標準的なプロセッサ、専用プロセッサ、マイクロプロセッサなどが含まれる。プロセッサは、たとえば
図1〜54に関連して記載された処理を実現するための命令を含む命令を実行する。
【0017】
命令メモリは、関連サーバのプロセッサにより実行可能な命令を保存している。命令メモリとしては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、キャッシュ、フラッシュメモリ、ハードディスクまたは任意の適切な保存コンポーネントなどの、揮発性および/または不揮発性メモリの形態のコンピュータ読み取り可能な保存媒体が挙げられる。一実施形態では、命令メモリは、プロセッサと通信可能な独立の要素であってよく、他の実施形態では、命令メモリは関連サーバのプロセッサと一体化されていてもよい。
【0018】
図3は、治験ドキュメント交換(Clinical Document Exchange、CDE)ポータル101を示す。このポータルウェブサイトは、治験マスタファイル構造201を示し、これは、治験のために治験依頼者によって用いられるデフォルトのファイル構造である。リンク220は新規の治験ウェブサイトを作成するために用いられる。例示的実施形態では、このCDEポータルはMicrosoft(登録商標) SharePoint(登録商標)コンテンツ管理ソフトウェアシステムにおいて実現され、治験依頼者または管理者がSharePoint(登録商標)のファイル編集能力を用いて治験マスタファイル構造201およびファイルを修正できるようにする。SharePoint(登録商標)の編集能力はまた、予め定められた順序および順番にテンプレートを表示して、治験マスタファイルに保存されたデータから自動的にコラボウェブサイトを作成するために、Nintex(商標) Workflowソフトウェアモジュールによって補完可能である。
【0019】
図4aは、新規の治験ウェブサイトを設定するために用いられるメニューを示す。治験依頼者がリンク301をクリックすると、
図4bに示されるタイプのウインドウ310において治験依頼者は治験に関する関連情報を入力するよう促される。治験依頼者がウインドウ310において必要な情報を入力した後、新規の治験ウェブサイトが一般的なソフトウェアウイザードにより自動的に作成される。
【0020】
図5は治験ポータルの例を示す。図示のように、各治験ウェブサイトには、ユニークな識別子401が付与される。新規の治験ウェブサイトには、治験マスタファイル構造411が含まれ、治験マスタファイル構造201からのファイルのコピーが含まれる。メニュー405は、治験依頼者が新規の治験実施機関ウェブサイトを作成するために用いられる。
【0021】
図6は、治験マスタファイルからのドキュメントを、治験個別のものとするためのカスタム化の処理を示す。図示のように、オリジナルのドキュメント501は治験プロトコル(Clinical Research Protocol)のためのメインテンプレートを含み、これらのテンプレートはワークフロー管理ソフトウェアにより指示される順序および順番で表示される。治験依頼者はドキュメント501内の許可されたフィールドを編集し、これを特定された治験103094に関する治験個別のドキュメント502に変える。
【0022】
図7は、治験個別のドキュメントがどのように編集され、承認されるかを示す。ドキュメント601のドラフトは治験依頼者の審査員により審査される。審査員はドキュメント602中のドラフトにコメントを加える。コメントはその後たとえばドキュメント603内の承認および署名のためのドラフト内に含まれる。ドキュメント603が承認されると、治験ウェブサイトに標準ドキュメントとして含まれる。例示的実施形態では、審査処理はMicrosoft(登録商標) OfficeおよびAdobe(登録商標) Acrobat(登録商標)の編集機能により管理される。承認の署名はAlgorithmic Research製のCo-signシステムなどのデジタル署名システム(
図2の要素172参照)によりまとめられる。治験マスタファイルに保存されたデータからこの処理のワークフローを調整するためにNintex(商標) Workflowモジュールが用いられる。
【0023】
図8aは、治験実施機関ライブラリに新規の治験実施機関フォルダを作成するために用いられるメニューを示す。治験依頼者が「Request a New Trial Site(新規の治験実施機関をリクエスト)」リンク701をクリックすると、治験依頼者は
図8bのウインドウ702内の質問に回答するよう求められる。治験依頼者は、以下の情報を記入するよう求められる:被検薬(Investigational Products)、試験番号(Study Number)、実施機関の番号(Site Number)、実施機関の名称(Site Name)、実施機関の国(Site Country)、実施機関の所在地(Site Address)、実施機関の市町(Site Town)、実施機関の州(Site State)、実施機関の郵便番号(Site Postal Code)、実施機関の電話番号(Site Phone)、実施機関のFAX番号(Site Fax)、治験責任医師(Principal Investigator)、電子メールアドレス(Email address)、実施機関のステータス(Site status)および安全性報告の頒布方法(method of Safety Report Distribution)。質問への回答後、新規の治験実施機関フォルダが治験実施機関ライブラリ内に作成される。治験実施機関フォルダは治験の管理のために治験実施機関に必要とされるすべてのファイルを含んでいる。
【0024】
治験実施機関ライブラリは、治験依頼者だけでなく治験責任医師や治験実施機関の他のスタッフによっても閲覧および修正可能である。
図9および10は治験実施機関ライブラリへのフロントエンドとして用いられるSharePoint(登録商標)ページを示す。特に、
図9は、治験依頼者の視点での治験実施機関ライブラリの表示を示す。フォルダ810は治験フォルダの設定の際に用いられる実施機関レベルのドキュメントを示す。一方、
図10aは治験マスタファイルの医師ポータルの表示を示す。医師による行為を必要とする項目が、To-Doウェブパート901に表示されている。医師は、カレンダーおよび通知ウェブパート902により、今後のイベントおよび試験アラートについての情報についていく。治験マスタファイルドキュメントはドキュメントリスト903を通じてアクセスされる。
図10bは、有害事象ドキュメントフォルダの公開された階層構造950を含む医師ポータルを示す。新規の有害事象ドキュメントがリストに加えられると、治験責任医師は関連ドキュメントへのリンクを含む電子メールにより通知される。例示的実施形態では、医師ポータルは同様にSharePoint(登録商標)で実現され、治験マスタファイルドキュメントはSharePoint(登録商標)の編集機能を用いて修正される。
【0025】
図11〜16は、治験依頼者のスタッフがどのように治験ドキュメント交換ポータルのウイザードによってドキュメントをアップロードするかを示す。このウイザードがない場合、治験依頼者のスタッフは治験マスタファイルに用いられているディレクトリ構造についてトレーニングされる必要がある。ウイザードにより、治験依頼者のスタッフが治験マスタファイルのディレクトリ構造について知る必要なく、治験ドキュメントを容易にアップロードすることができる。
【0026】
スマートドキュメントウイザード(Smart Document Wizard、SDW)は、商業上の制約に合わせるために必要とされるサイトコンテンツのタイプの数を減少させることにより、システムアプリケーションの構成および管理を大きく簡略化するユーティリティである。SDWはMicrosoft(登録商標) ASP.NET frameworkを用いるActiveX(登録商標)スクリプティングに基づいてサーバが生成するウェブページである。コードは最初ウェブサーバ173(
図2)上で処理され、生じたHTMLコードがユーザのウェブブラウザに送られる。ウェブページは、後述する一連のSharePoint(登録商標)リストに保存される構成メタデータに基づいて生成される。SDWウェブページは新規ドキュメントがSharePoint(登録商標)ライブラリに作成またはアップロードされたときに、以下の機能を実行する:
1.メタデータを取得してドキュメントを分類し、正しいコンテンツタイプとしてドキュメントを作成する;
2.メタデータを取得してドキュメントを正しく索引付けする;
3.ライブラリ内に正しいフォルダ構造を作成し、ドキュメントを保存する(フォルダ構造がすでに存在していない場合);
4.ドキュメント作成時に適切なオーサリング(承認)テンプレートをドキュメントに添付する(アップロードされたドキュメントには適用されない)。
【0027】
以下のリストの例は、SharePoint(登録商標)サイト内に作成されうるアーチファクトの目録を定める。
【0029】
以下は上記リストに基づくリストの入力サンプルである。
【0032】
このリストはドキュメントについて定められるプロパティを定める。リスト内で定められているプロパティは、ユーザによって集められるか、または、ユーザにより与えられるキー値に基づいてSDWにより別のSharePoint(登録商標)において検索される。以下のリストは、プロパティコントロールタイプおよび表示順を特定する。
【0034】
以下は上記リストに基づいたリスト入力のサンプルである。
【0036】
図11は、治験依頼者のスタッフが新規ドキュメントの作成またはアップロードのために用いることができるドロップダウンメニューを示す。治験依頼者のスタッフは、「Create a new Document.(新規ドキュメントを作成)」オプションをメニューから選択する。
図12は、新たなスマートドキュメントウイザード(SDW)の最初の画面を示す。最初のステップで、治験依頼者のスタッフは、自分がテンプレートからドキュメントを作成したいのか、あるいは、ファイルからドキュメントをアップロードしたいのかを選択することができる。ユーザが「Upload from File(ファイルからアップロード)」を選択した場合、ユーザは
図13に示される画面中にファイル名を入力するよう促される。「Next(次へ)」ボタンをクリックすると、
図14のウインドウが表示される。パレントコンテンツタイプ、オーサリングテンプレートおよびフォルダパスが選択されたアーチファクトに関してドキュメント目録リスト内で検索される。パレントコンテンツタイプに関するプロパティ情報がドキュメントプロパティリスト中で検索される。メタデータに基づいて、SDWが
図15の必要フィールドを表示する。
【0037】
図15中、治験依頼者のスタッフは実施機関の国(site country)、実施機関の州/県(site state/province)および実施機関の名称(site name)を選択するよう促される。他のフィールドは従前のステップからのメタデータに基づいて必要となる。治験依頼者のスタッフが必要なプロパティをまとめると、SDWは、オートフィルプロパティに関する値を決定し、これらを設定する。
図16は、ドキュメントに関する確認画面を示す。治験責任医師が
図16中のfinish(終了)ボタンをクリックすると、システムはフォルダ構造が特定のライブラリに存在するかどうかを判別する。存在しない場合、フォルダ構造が作成される。適切なコンテンツタイプのドキュメントが、特定のフォルダおよび集められたプロパティに作成される。最後に、適切なオーサリングテンプレートがドキュメントに添付され、Microsoft(登録商標) Wordが開く。
【0038】
治験モジュールの設計
治験モジュールには、本明細書に記載の多くの機能を制御するために用いられる多数のカスタムSharePoint(登録商標)リストが含まれる。いくつかのリスト項目の作成およびその後の承認により、治験ウェブサイト、治験実施機関ライブラリおよび管理者と医師との間の安全性報告頒布を作成する自動化された処理が開始される。これらのリストおよびリスト項目の多くは相互に関連し、この情報の効率的な管理がシステムの運用にとって重要である。
図17の図は、治験モジュールの例示的実施形態に含まれる、キーリストに関する論理データモデルを示す。この論理データモデルは、治験コラボレーションポータルのドメインで管理される情報の概略構造を表す。論理データモデルは、構成要素および関連性に関して組織化され、任意の特定の管理技術から独立している。それは、SharePoint(登録商標)リストの集約として明らかな物理データモデルの基礎となる。
【0039】
本発明では、構成要素は独立に存在しうるとして認識されるものとして定義することができ、ユニークに識別できる。構成要素は
図17中で長方形として表される。たとえば、
図17中、Clinical Trial(治験)、Investigational Sites(治験実施機関)およびSite Personnel(実施機関スタッフ)がすべての考慮される構成要素である。各構成要素は、それを記載し、識別するプロパティを有する。プロパティは
図17の各構成要素の長方形内にリストアップされている。構成要素のインスタンスをユニークに識別するプロパティ(またはプロパティの組み合わせ)は、プライマリキー(Primary Key)と呼ばれ、構成要素の長方形内で「PK」で表記されている。構成要素を別の構成要素のプライマリキーにリンクするプロパティはフォーリンキー(Foreign Key)と呼ばれ、構成要素の長方形中で「FK」で表記される。たとえば、Clinical Trialの構成要素は、構成要素のインスタンスを記載するために用いられる2つのプロパティすなわちProtocol Number(プロトコルナンバ)およびProtocol Title(プロトコルタイトル)を有する。さらに、構成要素のインスタンスをユニークに識別するプライマリキーであるClinical Trial ID(治験ID)と呼ばれるプロパティを有する。それはさらにフォーリンキープロパティである指示ID(Indication ID)、フェーズID(Phase ID)、試験タイプID(Study Type ID)、それを指示(Indication)にリンクする治験薬ID(Product ID)および試験ステータスID (Study Status ID)、試験ステータス(Study Phases)、被検薬(Investigational Product)および試験ステータス構成(Study Status)の要素を有する。
【0040】
関連性は複数の構成要素の間のリンクとして考えることができ、
図17中の各構成要素を接続する矢印により表される。構成要素の間の関連性には、濃度規則(たとえば、一対一または一対多)が適用される。たとえば、Clinical Trialの構成要素は1つの、そしてただ1つのIndicationの構成要素へのリンクを有する。
【0041】
以下の表は物理データモデルをSharePoint(登録商標)リストとして表している。
【0047】
図18〜24はSharePoint(登録商標)リストに保存された治験データを管理するために用いられるフォームの例示的実施形態を示す。
図18〜20のフォームは標準SharePoint(登録商標)リスト処理を用いる。
図18で新規の治験リスト項目を作成するため、ユーザは「All Item(全ての項目)」表示の「New(新規)」ボタンをクリックする。既存のリスト項目を編集するためには、ユーザは「All Item」表示のリスト項目にリンクされた「Edit(編集)」アイコンをクリックする。
図19で新規の治験実施機関(Investigational Site)のリスト項目を作成するためには、ユーザは「All Item」表示の「New」ボタンをクリックする。既存のリスト項目を編集するためには、ユーザは「All Item」表示のリスト項目にリンクされた「Edit」アイコンをクリックする。
図20で新規の実施機関スタッフ(Site Personnel)のリスト項目を作成するためには、ユーザは「All Items」表示のリスト項目にリンクされた「Edit」アイコンをクリックする。既存のリスト項目を編集するためには、ユーザは「All Items」表示の「Edit」アイコンをクリックする。一方、
図21のフォームは、Microsoft(登録商標) ASP.NET frameworkを用いるActiveX(登録商標)スクリプティングに基づいてカスタムサーバが生成したウェブページとして実現される。
図21のフォームは、治験サブサイトにおいてのみ利用可能であり、サブサイトにおいて治験実施機関リストを構築するために用いられる。フォームには治験実施機関リストのコンテンツが最初にロードされる。リストは、フォーム上に表示された項目の数を制限するために、国のドロップダウンを用いてフィルタされる。ユーザが個々の実施機関の名称(Site Name)をクリックすると、そのリスト項目に対する「Edit Form(フォームを編集)」が開く。ユーザが「Create new site(新規実施機関を作成)」リンクをクリックすると、そのリストに関する「New Item(新規項目)」フォームが開く。ユーザが「Add from existing sites(既存の実施機関から追加)」リンクを選択すると、「Add from Existing Sites(既存の実施機関から追加)」サブフォームが開く。
【0048】
図22〜24のフォームはMicrosoft(登録商標) ASP.NET frameworkを用いるActiveX(登録商標)スクリプティングに基づいてカスタムサーバが生成するウェブページとして実現される。
図22のフォームは、治験サブサイトにおいてのみ使用可能であり、そのサブサイトにおいて治験実施機関リストを構築するために用いられる。ユーザは有効な治験実施機関をフィルタするためにまず国を選択しなければならない。「Available(有効)」リストボックス内に表示される項目は、ルートサイトにある治験実施機関リストのうちの実施機関であって、選択された国内にあり、ステータス「Active(アクティブ)」にあり、治験サブサイトにある治験実施機関リストには存在しない実施機関である。「Selected(選択済)」リストボックス内に表示される項目は、治験サブサイトにある治療実施機関リストのうちの実施機関であり、選択された国内にあり、ステータス「Active(アクティブ)」にある実施機関である。ユーザはたとえば1つ以上の項目を「Available」リストボックスから選択し、「Add(追加)」ボタンをクリックしてそれらを「Selected」リストボックスに移動させる。同様に、ユーザは「Selected」リストボックスから1つ以上の項目を選択して、「Remove(削除)」ボタンをクリックしてそれらを「Available」リストボックスに移動させる。1つの項目が「Selected」リストから削除されたとき、そのステータスは治験サブサイトにあるリスト上で「Active」から「Inactive(非アクティブ)」に変わる。1つの項目が「Selected」リストボックスに追加されたとき、項目のコピーがルートサイトにある治験実施機関リストから作成され、治験サブサイトにある治験実施機関リストにステータス「Active」で挿入される。「OK」ボタンをクリックすると、変更が確定し、「Cancel(キャンセル)」ボタンをクリックすると動作は破棄される。
【0049】
図23のフォームは、治験サブサイトにおいてのみ利用可能であり、当該サブサイトにおけるSite Personnel(実施機関スタッフ)リストを構成するために用いられる。フォームにはまず実施機関スタッフリストのコンテンツがロードされる。リストは、フォーム上に表示される数を制限するために、たとえば、countryおよびinvestigational siteのドロップダウンを用いてフィルタされる。ユーザ個人のLast Name(名前)をクリックしたとき、「Edit Form」がそのリスト項目について開かれる。ユーザが「Create new site personnel(新規実施機関スタッフを作成)」リンクをクリックすると、そのリストに関する「New Item(新規項目)」が開く。ユーザが「Add from existing site personnel(既存の実施機関スタッフから追加)」リンクを選択すると、「Add from Existing Site Personnel」サブフォームが開く。
【0050】
図24のフォームは治験サブサイトでのみ利用可能であり、そのサブサイトにおいて実施機関スタッフリストを構成するために用いられる。ユーザはまず利用可能な治験実施機関をフィルタして国を選択しなければならない。ユーザは次に利用可能な実施機関スタッフをフィルタするために、治験実施機関を選択しなければならない。「Available」リストボックスに表示された項目はルートサイトにある実施機関スタッフリストのうちの実施機関スタッフであって、ステータス「Active」を有し、治験サブサイトにあるSite Personnelリストには存在しない実施機関スタッフである。「Selected」リストボックスに表示された項目は、治験サブサイトにある実施機関スタッフリストのうちの実施機関スタッフであって、選択された治験実施機関におり、ステータス「Active」を有する実施機関スタッフである。たとえば、ユーザは「Available」リストボックスから1つ以上の項目を選択し、それを「Selected」リストボックスに移動させるために「Add」ボタンをクリックする。同様に、ユーザは「Selected」リストボックスから1つ以上の項目を選択し、「Remove」ボタンをクリックして「Available」リストボックスに入れる。1つの項目が「Selected」リストから削除されると、そのステータスは治験サブサイトにある実施機関スタッフリスト上で「Active」から「Inactive」に変わる。1つの項目が「Selected」リストボックスに追加されると、その項目のコピーがルートサイトにある実施機関スタッフリストから作成され、治験サブサイトにある実施機関スタッフリストにステータス「Active」で挿入される。「OK」ボタンをクリックすると、変更が確定し、「Cancel」をクリックするとアクションが破棄される。
【0051】
図25〜27には、
図1および2に記載のシステムに関するセキュアエクストラネットアクセス(Secure Extranet Access)の例示的実施形態が記載されている。セキュアエクストラネットアクセスはSharePoint(登録商標)サイトへのFBA(form based authentication)エクストラネットアクセスを強化する要素を提供するサイト集約機能である。SharePoint(登録商標)サイトがFBAエクストラネットアクセスのために構成されると、この機能により以下の機能が提供される:
1.ユーザ自己登録:外部ユーザはログインアカウントを登録することができる。登録情報は集約され、サイト集約管理者により審査可能である;
2.パスワードリマインダー:登録された外部ユーザはログインアカウント情報を含む電子メールをリクエストすることができる;
3.アカウント作成ワークフローアクティビティ:テンプレートの順番および順序を記述するカスタムNintex(商標) Workflowアクティビティが提供され、これはたとえば外部ユーザの登録リクエストを承認または拒絶するワークフローに組み込まれる。カスタムアクティビティはドメインコントローラ171(
図2)のActive Directory(AD)における、作成されたユーザアカウントに用いられる。
【0052】
セキュアエクストラネットアクセスはたとえば以下のように使用される。登録されていない外部ユーザがエクストラネットアクセス用に構成されたSharePoint(登録商標)サイトのURLをブラウザで入力したとする。ユーザには、自己登録ページへのリンクを含むログインページが表示される。ユーザは登録ページへのリンクに従い、必要な登録情報を入力し、登録リクエストを出す。登録情報はサイト集約ルートサイトのSharePoint(登録商標)リスト(
図55)に保存される。エクストラネット構成においてマニュアルで作成される承認ワークフローが開始され、登録リクエストは承認または拒否される。承認された場合、FBAエクストラネットアクセスをサポートするアクティブディレクトリストアにユーザアカウントが作成され、ログインアカウント情報を含む電子メールが外部ユーザに送信される。
【0053】
以下は、エクストラネット(Extranet user)ユーザリストの例である。セキュアエクストラネットアクセス機能がアクティブとされ、「Prospective Investigators(候補医師)」という名のリストがサイト集約ルートサイトに作成される。このリストには、必須のユーザ登録情報が含まれている。さらに、項目(登録リクエスト)がこのリストに加えられたとき、承認ワークフローが開始するよう構成可能である。
【0055】
図25は、外部ユーザが見るログインページを示す。このページ中に、ユーザはUser ID(ユーザID)とPassword(パスワード)について要求される。
【0056】
図26は、外部ユーザに示されるユーザ登録ページを示す。ユーザは、自分の名前、姓、電子メールアドレス、社名、電話番号、所在地、市町、国、州および郵便番号を要求される。
【0057】
図27は、セキュアエクストラネットアクセス機能を構成するためのCentral Administration site(中心管理サイト)を示す。このページは、機能要素により必要とされるActive Directory情報およびSMTP情報を集約するために用いられる。
【0058】
図28は、例示的実施形態においてコラボレーションポータルにより用いられるSharePoint(登録商標)ウェブアプリケーション構造を示す。この実施形態では、デフォルトのウェブアプリケーションは、ウェブアプリケーション内の同一のコンテンツを、異なるタイプのユーザたとえば内部の協力者(治験依頼者)および外部の協力者(治験医)に公開する「エクストラネットゾーン」を含むよう拡張される。ウェブアプリケーションが新たなゾーンに拡張されるとき、別個のInternet Information Services(IIS)ウェブサイトが同一のコンテンツを提供するために作成されるが、ユーザの同一性を検証するためのユニークなUniform Resource Locator(URL)および承認タイプが付される。
図28に示されるように、エクストラネットゾーンはMicrosoft(登録商標) Active Directory Lightweight Directory Service(AD LDS)を用いて外部ユーザを承認する。ユーザの同一性が検証された後、承認処理により、いずれの治験ウェブサイト、コンテンツおよび他の機能にユーザがアクセス可能であるのかが決定される。
【0059】
図28中、医師および他の外部協力者がコラボレーションポータルに、外部URL(たとえばhttp://collaborativetrials.sponsor.com)によりアクセスする。このURLはウェブアプリケーションのエクストラネットゾーンに外部ユーザを誘導する。エクストラネットゾーンには、治験依頼者のウェルカムメッセージを表示し、
図29に示されているような治験ページ上で治験依頼者の治験を閲覧させ、
図30に示されるような治験への参加の関心を登録するための、カスタムASP NETウェブページが含まれる。このようなウェブページは保護されておらず、アクセスのための承認を必要としない。
【0060】
エクスターナルビュー(外観)
図31〜37はエクスターナルビューを示し、これは、基本的なドキュメント交換(すなわち、アップロードおよびダウンロード)、ドキュメントの審査、ドキュメントの署名およびフォーム記入作業を完了している者(たとえば治験医)による、SharePoint(登録商標)ポータルへの外部からの参加をサポートするために必要な要素だけを公開するSharePoint(登録商標)ポータルの表示である。外部の参加者はSharePoint(登録商標)ベースのシステムにおいて一定のトレーニングを受けた者および/または一定の技術経験を有する者として定義される。役割の観点から、これには、治験責任医師、治験分担医師、研究所、内部審査機関(IRB)および他の同様の役割を果たす者が含まれる。
【0061】
エクスターナルビューには、ポータルの以下の重要な要素が含まれる:
1.待ち受けページ:SharePoint(登録商標)ポータル「landing page(待ち受けページ)」。ここに外部参加者はログイン時に誘導される;
2.To-Doリスト:SharePoint(登録商標)作業リスト。これには参加者が完了すべき作業のリストが含まれている.作業のチェックリストには、たとえば、以下の「タイプ」のアクションの1つが含まれている;
a.新規ドキュメントの(スマートドキュメントウイザードを介した)アップロード
b.ドキュメントの審査。これには以下が含まれる:
1.ドキュメントのダウンロード
2.ローカルコンピュータ上の編集
3.ドキュメントの新たな版のアップロード
4.作業の完了
c.ドキュメントの署名
d.既存ドキュメントおよび/またはInfoPath(登録商標)フォームが記入可能である場合の、フォームの記入
3.ドキュメント:ポータル訪問に関連するドキュメントのためのSharePoint(登録商標)ドキュメントライブラリ。換言すれば、完了すべき、ドキュメント交換、ドキュメントの審査/承認およびドキュメント署名作業のサポートに関連するすべてのドキュメント;
4.連絡先リスト(任意):サポート連絡先情報を示すSharePoint(登録商標)リスト。この情報はページプロパティにおいて管理可能である。このリストは「Edit Page」パートで管理可能である;
5.リンクリスト(任意):トレーニングウェブキャスト、何らかの資料等への有用なリンク、または、他のアプリケーションへのリンクを含むSharePoint(登録商標)リスト;
6.告知(任意):サイトへの訪問者と共有されるべき重要な告知を含むSharePoint(登録商標)リスト;
7.報告(任意):外部ユーザにとってこれまでに完了した仕事および現在未処理の仕事の詳細な要約を示す画像または他の種類のありうる報告;
8.My Clinical Trials(私の治験):ユーザがアクセスを有する全ての治験ウェブサイトへのリンクを含むリスト。デフォルトでは現在の治験が選択される。ユーザがリスト中の別の治験を選択したとき、ユーザはその治験の治験ポータルに自動的に誘導される。ドロップダウンリストはマスタページの一部であり、それが常に有効であることを意味する。
【0062】
エクスターナルビューのためのユーザインタフェースは、誰にとっても、そして特にSharePoint(登録商標)ベースのシステムに一定のトレーニングおよび/または経験しか有しない人にも、馴染みやすく使いやすいように設計されている。様々な技術経験をもつ様々な人々がこのページを訪れる。したがって、できるだけ簡単なものにすることが確実に採用を成功させ、使用を容易にするために重要である。
【0063】
図31は、エクスターナルビューウェブサイトの全体を示す。このウェブサイトは以下の要素からなっている:
To-Doリスト(To-do List)のサンプル(
図32);
ドキュメントリスト(Document list)のサンプル(
図33);
試験告知(Study Announcement)のサンプル(
図34);
試験連絡先(Study Contacts)のサンプル(
図35);
試験リンク(Study Link)のサンプル(
図36);
試験報告(Study Report)のサンプル(
図37)。
【0064】
エクスターナルビューに関する典型的な使用例のシナリオが以下の実施例に示されている。
【0065】
実施例1:待ち受けページの承認
ユーザが待ち受けページを承認する処理は以下である:
1.ユーザが、エクスターナルビューの待ち受けページに行くために、ブラウザ上でURLをタイプする;
2.ユーザに承認フォームが表示され、これにユーザがユーザ名およびパスワードをタイプする;
3.承認後、ユーザはエクスターナルビューの待ち受けページに至る。待ち受けページ上で、ユーザは自分が完了すべき作業を含むTo-Doリストおよびユーザの訪問に関連するドキュメントのリストを見る;
4.ユーザは情報の他のオプション要素も見ることができる。
【0066】
実施例2:ドキュメントのアップロード
ユーザがドキュメントをアップロードする処理は以下である:
1.[待ち受けページの流れを完了];
2.「Upload CV」というタイトルのTo-Doリストの作業をクリック;
3.Site Document Uploadウェブフォームが開き、CVを添付するように、メタデータ情報がフィールドに自動入力される;
4.ユーザが「Browse(閲覧)」ボタンをクリックし、ローカルコンピュータのハードドライブに導くドキュメント選択手段が表示され、アップロードする適切なドキュメントを選択する;
5.ユーザが「OK」ボタンをクリックする;
6.ドキュメントが正しい保存場所/フォルダにアップロードされ、メタデータが適切に付与され、作業が完了する;
7.ユーザはここで「Documents」リストに表れたドキュメントを見る。
【0067】
実施例3:ドキュメントの審査
ユーザがドキュメントを審査する処理は以下である:
1.[待ち受けページの流れを完了];
2.To-Doリストの「Review Clinical Trial Agreement(治験契約を審査)」をクリックする;
3.作業画面にフィードバックのためテキストボックスと、適切なドキュメントへのリンクが示される;
4.ユーザは適切なドキュメントを開くリンクをクリックする;
5.ユーザのクライアントドキュメントプログラム(Adobe(登録商標)、MS Word等)でドキュメントが開かれる;
6.ユーザはドキュメントを審査し、適切に編集することができる;終了後、ユーザはドキュメントを閉じる。
7.ユーザは任意に作業テキストボックスに自分の最終コメントをテキスト入力することができる。
8.ユーザはOKをクリックし、作業が完了し、To-Doリストから除かれる。
【0068】
実施例4:ドキュメントの署名
ユーザがドキュメントに署名する処理は以下である:
1.[待ち受けページの流れを完了];
2.To-Doリストの「Sign Protocol(プロトコルに署名)」をクリックする;
3.作業画面にプロトコルの「Approve(承認)」または「Reject(拒否)」のオプションがユーザに表示される。署名の前の審査のために、プロトコルドキュメントへのリンクも表示される;
4.ユーザは適切なドキュメントを開くためのリンクをクリックする;
5.ドキュメントがユーザのクライアントドキュメントプログラム(Adobe(登録商標)、MS Word等)で開かれる;
6.ユーザはドキュメントを編集することができない。終了後、ユーザはドキュメントを閉じる;
7.作業画面上で「Approve」または「Reject」オプションをクリックする;
8.ユーザが「Approve」をクリックすると、電子署名情報(ドキュメントに電子署名するためのパスワードの集約)が表示される;
9.ユーザが「Reject」をクリックすると、電子署名情報は表示されない;
10.「Approve」または「Reject」の選択後、ユーザは「OK」ボタンを押す;
11.作業は完了し、To-Doリストから除かれる。ユーザがドキュメントの「Approve」を選択した場合、そのドキュメントはユーザにより電子署名される。これによりドキュメントの監査証跡および版履歴における署名情報が記録される。署名情報はドキュメント中にも現れる。
【0069】
実施例5:フォームの記入
フォーム記入のためのユーザに対する処理は以下である:
1.[待ち受けページの流れを完了];
2.ユーザはTo-Doリストの作業の「Fill out 1572(1572を記入)」をクリックする;
3.ユーザが編集/記入すべきフォーム(InfoPath(登録商標)、Adobe(登録商標) PDF、Wordフォーム)がユーザに示される。ユーザは、フォーム内の所定のフィールド(テキストボックス、チェックボックス、ラジオボタン等)のみを編集することができ、フォーム内の他の部分を編集することはできない;
4.完了後、ユーザは「保存(Save)」または「提出(Submit)」ボタン(フォームの設計仕様による)をクリックする。ユーザによる変更は、現行のシステムにセーブされる;
5.フォームが閉じ、作業は完了と記され、To-Doリストから除かれる;
【0070】
外部ユーザである医師がRegister Interest(関心登録)ページ(
図30)に入力した連絡先情報は、Prospective Investigators(候補医師)との名でSharePoint(登録商標)リストに保存される。関心登録ページと候補医師リストとの間のデータアクセスは、ASP .NET Business Objectにより制御される。Nintex(商標) Workflowは、同一性および承認情報の検証のために、自動的に各新たなリスト項目を中心管理グループへとルーティングする。リスト項目が誤っているとわかった場合、それは候補医師リストから除かれる。項目が承認されると、候補医師は治験への参加を有するものとなる。
【0071】
また、エクストラネットゾーンはカスタムASP.NETウェブフォームを含み、これにより、ASP.NET Forms-Based Authentication(FBA)を用いて、登録外部ユーザはコラボレーションポータルにサインインすることができる。外部ユーザが承認された後、ユーザはコラボレーションポータルに対するフルアクセスを得る前に、以下の行為、すなわち、自身の一時パスワードを変更し、標準データプライバシー契約に同意し、個人連絡先情報を確認する必要がある。Change Password(パスワード変更)ページは、外部ユーザに、ユーザの現在のパスワードと新たなパスワード(AD LDSで定められたパスワードの複雑性規則に従う)を入力するよう要求するカスタムASP.NETウェブフォームとして提供される。ユーザは正確性を担保するため、新たなパスワードを再度タイプするよう要求される。外部ユーザがパスワード変更ページ上で提出ボタンをクリックしたとき、パスワードはAD LDS Application Programming Interface(API)を用いて再設定される。
【0072】
パスワードの再設定後、外部ユーザはカスタムASP.NETウェブページに再誘導され、これは標準データプライバシー契約への同意を促す。Privacy Agreement(プライバシー契約)ページはデータプライバシー契約に関する標準メッセージテキストを読み出し、表示する。外部ユーザは「I Accepted this Agreement(この契約に同意)」と表記されたボタンをクリックすることにより、契約条項に同意することができ、その後、同一性を検証するために、ユーザ名とパスワードを再入力するよう促される。契約の同意に関する日時はASP.NET Business Objectを介してFacility Personnel(施設スタッフ)リストに記録される。外部ユーザが「I Reject this Agreement(この契約に同意しない)」と記載されたボタンをクリックして契約条項を拒絶した場合、このユーザに対して人的に対応する指示を含む電子メールが中心管理グループに送られる。外部ユーザが一度データプライバシー契約に同意すれば、このユーザは、以降の訪問においてこのページを飛ばしてコラボレーションポータルに誘導される。コラボレーションポータルへのアクセスを得る前の、外部ユーザに要求される最後の行為は、その連絡先情報(これは個人プロフィールと呼ばれる)の検証と確認である。Confirm Personal Profile(個人プロフォールの確認)ページは、Clinical Personnel(治験スタッフ)のSharePoint(登録商標)リストに保存される情報を管理するために用いられるカスタムASP.NETウェブフォームである。
【0073】
外部ユーザは自分のプロフィール情報を修正し、「Submit」と表記されたボタンをクリックすることにより変更を提出する。Confirm Personal ProfileページとClinical Personnelリストとの間のデータアクセスは、ASP.NET Business Objectにより制御される。この動作の完了はClinical Personnelリストに記録される。外部ユーザは、この作業が完了するまでコラボレーションポータルへのアクセスが妨げられ、外部ユーザがそうするまでウェブページに連続的に誘導される。外部ユーザが個人プロフィールを確認すると、外部ユーザはその後の訪問においてこのページを飛ばしてコラボレーションポータルに誘導される。
【0074】
必要な行為の完了後、外部ユーザは
図38に示されるようなコラボレーションポータルの待ち受けページに誘導される。このページから、外部ユーザには「To-Do List」が表示され、これは、自分が参加している全ての治験について完了しなければならない作業項目の一覧である。外部ユーザには「Alerts and Notifications(アラートと通知)」のリストが表示され、これは外部ユーザが参加している全ての治験に関するこれまでのまたは今後の重要なイベントについて外部ユーザに知らせるものである。外部ユーザには、自分の個人プロフィールの編集についてのオプションも表示される。
【0075】
Edit My Profile(私のプロフィールを編集)リンク(
図38)をクリックすると、外部ユーザはEdit Personal Profile(個人プロフィールを編集)ページに誘導され、これは、SharePoint(登録商標)でClinical Personnelリスト内の情報を管理するために用いられるカスタムASP.NETウェブフォームである。外部ユーザは自身の個人プロフィール情報を編集し、「Submit」と表記されたボタンをクリックして変更を提出することができる。Edit Personnel ProfileページとClinical Personnelリストとの間のデータアクセスは、ASP.NET Business Objectにより制御される。外部ユーザは、「Cancel」と表記されたボタンをクリックして、作業をキャンセルして、コラボレーションポータルの待ち受けページに戻ることができる。
【0076】
外部ユーザには、自分が参加を招待された治験ウェブサイトURL(ワークスペース(Workspace)と呼ばれる)のリストが表示される。これらのURLは「My Clinical Trials(私の治験)」というヘッダの下に現れる(
図38)。ワークスペースのURLをクリックすると、外部ユーザは特定の治験の待ち受けページに誘導される(
図39)。治験ワークスペース待ち受けページは、外部ユーザに、特定の治験に関してその者が完了すべき自身の作業項目の「To-Do List」を表示する。ユーザには、ユーザに特定の治験に関するこれまでのまたは今後の重要なイベントについて知らせる「Alerts and Notifications」のリストも表示される。
【0077】
外部ユーザは、さらに、「My Trial Profile」URLをクリックすることにより、自身の治験に特定的なプロフィールを定め、保持することができ、このURLは外部ユーザを「My Trial Profile」ページ(
図40)に誘導し、このページはClinical Facility(治験施設)、Clinical Personnel(治験スタッフ)、Clinical Facility Locations(治験施設の場所)、Clinical Trial Site(治験実施機関)、Clinical Trial Site Personnel(治験実施機関スタッフ)およびClinical Trial Site Location(治験実施機関の場所)のSharePoint(登録商標)リストに保存される情報の管理に用いられるカスタムASP.NETウェブフォームである。
図40の「My Trial Profile」ページにより、外部ユーザは自身の施設に関する治験特定的な所在地(場所)を保持することができる。外部ユーザは「Add Location(場所を追加)」と表記されたボタンをクリックして新たな場所を追加することができ、または、表示された場所のリストから項目を選択して「Edit Location(場所を編集)」と表記されたボタンをクリックして既存場所を編集することができる。いずれの場合でも、Add/Edit Location(場所の追加/編集)サブフォームが表示される。Add/Edit Locationサブフォームは、ASP.NET Business Objectsを用いてClinical Facility LocationおよびClinical Trial Site LocationのSharePoint(登録商標)リストに保存された情報を更新する。
【0078】
外部ユーザは「My Trial Profile」ページの「Personnel(スタッフ)」タブをクリックして、治験スタッフを管理することができる。ユーザは「Add Personnel(スタッフを追加)」と表記されたボタンをクリックすることにより新しいスタッフを追加し、または、表示されたスタッフのリストから項目を選択して、「Edit Personnel(スタッフを編集)」と表記されたボタンをクリックすることにより既存のスタッフを修正することができる。いずれの場合においても、Add/Edit Personnel(スタッフの追加/編集)サブフォームが表示される。Add/Edit PersonnelサブフォームはASP.NET Business Objectsを用いてClinical Personnel(治験スタッフ)およびClinical Trial Site Personnel(治験実施機関スタッフ)のSharePoint(登録商標)リストに保存された更新情報を更新する。
【0079】
外部ユーザはContact List(連絡先リスト)URLをクリックすることにより自分の「Contact List」を見ることもできる。このアクションは、ユーザをContact List(連絡先リスト)ウェブページ(
図41)に誘導し、ここには、ユーザが治験の実施の間にやりとりしなければならない治験依頼者組織のスタッフについての情報が表示される。ページに表示される治験依頼者のスタッフの情報は、外部ユーザが関係している施設に直接に関係する治験依頼者のスタッフのみに限られている。このフィルタリングは適切な連絡先情報を検索するために、ASP.NET Business Objectと相互作用するカスタム開発されたSharePoint(登録商標)Webpartを用いて実現されている。
【0080】
外部ユーザは治験マスタファイル(Trial Master File)のURLをクリックすることにより、電子化治験マスタファイルを見ることができる。治験マスタファイルには、4つの異なるSharePoint(登録商標)ドキュメントライブラリが含まれている:
i.治験薬ファイル−被検薬に使用されうるドキュメント;
ii.試験ファイル−治験全体に使用されうるドキュメント;
iii.国ファイル−治験が行われている特定の国において使用されうるドキュメント;
iv.実施機関ファイル−治験が行われている特定の治験実施機関に使用されうるドキュメント。
【0081】
外部ユーザは、適切なURLをクリックすることにより各ドキュメントライブラリに直接誘導される。外部ユーザは以下の基準を満たすドキュメントにのみアクセスすることができる:
i.治験薬ファイル−公開ドキュメントに分類されるドキュメント;
ii.試験ファイル−公開ドキュメントに分類されるドキュメント;
iii.国ファイル−外部ユーザの施設が位置する国において使用されうる公開ドキュメントに分類されるドキュメント;
iv.実施機関ファイル−外部ユーザが関係している施設に使用可能な公開ドキュメントに分類されるドキュメント。
【0082】
外部ユーザのドキュメントへのアクセスは、ユーザ承認情報を各ドキュメントに関連するメタデータと比較して、ユーザがドキュメントにアクセス可能であるか否かを決定するカスタムHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)モジュールにより制御される。アクセス可能ではないドキュメントは、ドキュメントライブラリでは外部ユーザから見えない。これは、適切なドキュメントを検索するために、ASP.NET Business Objectsと相互作用するカスタムSharePoint(登録商標) Webpartを用いて実現される。このようなモジュールの設計は、当業者にはよく知られており、本明細書中には記載しない。
【0083】
治験マスタファイルの例が
図42〜45に示されている。
図42は治験薬ファイル(Product File)の例を示し、
図43は試験ファイル(Study File)の例を示し、
図44は国ファイル(Country File)の例を示し、
図45は実施機関ファイル(Site File)の例を示す。
【0084】
外部ユーザはActions(アクション)URLをクリックして、実施機関ファイルにドキュメントをアップロードすることができる。ユーザには、予め定められたアップロードされるドキュメントのリストが表示されるか、または、ユーザにはリスト上にないドキュメントをアップロードするオプションが与えられる(
図46)。外部ユーザが予め定められたドキュメントの1つ(たとえば「Upload CV」)をクリックすると、ユーザはUpload Site Document(実施機関ドキュメントのアップロード)ページ(
図47)に誘導される。Upload Site Documentページは、外部ユーザがアップロードしようとするファイルを閲覧し選択することをユーザに許可するカスタムASP.NETウェブフォームである。外部ユーザが「OK」と表記されたボタンをクリックすると、ユーザはその後Upload Site Documentウェブフォーム(
図48)に誘導され、ここでユーザはドキュメントの名称およびタイトルを入力し、「Check-In(チェックイン)」と表記されたボタンをクリックすることによりドキュメントを識別する必要がある。外部ユーザが予め定められたドキュメントを選択した場合、「artifact(アーチファクト)」フィールドが自動入力され、編集することはできない。外部ユーザが汎用のドキュメントを選択した場合、ユーザはドロップダウンリストからartifactフィールドに関する値を選択する。artifactフィールドに基づいて、ドキュメントは実施機関ファイル内の適切なフォルダ構造内に自動的にファイルされる。フォルダ構造が存在しない場合、ドキュメントがアップロードされる前にフォルダ構造が自動的に作成される。Upload Site DocumentページとSharePoint(登録商標)ドキュメントライブラリとの間の相互作用はSharePoint(登録商標) API呼び出しにより管理される。
【0085】
外部ユーザはApplication(アプリケーション)URLをクリックすることにより、他のウェブベースの治験アプリケーションにアクセスすることができる。ユーザにはユーザをこれらのシステムに誘導するapplication URLのリストが表示される。このページは
図49に例示されている。同様に、外部ユーザはTraining(トレーニング)URLをクリックすることにより、training artifact(トレーニングアーチファクト)のライブラリにアクセスすることができる。ユーザには、トレーニング項目のリスト、たとえばユーザガイド、よくある質問(FAQ)およびユーザが必要に応じて参照することができるガイド動画が表示される。
【0086】
治験依頼者のスタッフは、自身のウェブブラウザにより、コラボレーションポータルのイントラネットゾーンにアクセスする。治験依頼者組織内の特定のスタッフ(試験マネージャと呼ばれる)は治験に参加するよう、治験医を募集する責任を有する。試験マネージャは、Invite investigatorページにより治験への参加に一人または複数の医師を招待することができる。invite InvestigatorページはカスタムASP.NETウェブフォームとして実現される。invite Investigatorページにより、試験マネージャは、たとえば、候補医師リスト(
図50)または同様の既知の医師リストを閲覧して、特定の治験にとって必要な属性を有する治験医を識別する。これらの属性には場所および医療上の専門性が含まれる(がこれらに限られない)。試験マネージャは、候補医師リストにも既知の医師リストにも載っていない医師を、ウェブフォームにおいてその名前、姓および電子メールアドレスを入力して招待することもできる、試験マネージャは医師を選択して、「Add to Selected List(選択されたリストに追加)」と表記されたボタンをクリックすることにより、医師を招待者リストに追加することができる。招待者リストは残るため、試験マネージャは長期にわたってそれを構築することができる。試験マネージャは「Remove Selected Investigators(選択された医師を削除)」(
図51)と表記されたボタンをクリックすることにより、招待者リストから従前に選択した医師を削除することができる。試験マネージャは招待者リストのフィルタを選択して、関連するラジオボタンを選択することにより、全ての招待された医師またはその者が責任を持つ国内の招待された医師のみを表示することができる。試験マネージャが招待者リストに満足すれば、試験マネージャは、「Finalize and Send Invitations(招待状の確定および送信)」をクリックすることにより招待処理を開始することができ、または、「Cancel invitations(招待をキャンセル)」をクリックすることにより全ての継続中の招待を削除することができる(
図51)。医師が招待されたとき、その医師はプロビジョニングキューに追加される。招待された医師が従前に治験に参加していなかったとき(すなわち、候補医師リストから選択されたとき)、ユーザアカウントが自動的に作成され、その者のユーザ名および一時パスワードを含む電子メールがその者に送られる。この機能は、新たな入力に対してプロビジョニングキューをポーリングし、処理されていなかった入力に対して応答する、SharePoint(登録商標)タイマジョブにより実現される。さらに、候補医師の情報は、既知の医師リストにコピーされ、候補医師リストから削除される、コラボレーティブ治験ウェブサイトへのリンクを含むウェルカムメッセージが全ての招待された医師に送られる。この処理は
図52に示されている。
【0087】
図53は、上述の治験ポータルホームページのソフトウェア構成を示し、
図54は上述の治験ワークスペースホームページのソフトウェア構成を示す。他の形態もコンテンツ管理ソフトウェアの機能を用いてこの構造に加えることができることは当業者に理解されるであろう。
図55は、
図53および54に例示された実施形態に関するキーリストに対する論理データモデルの表現を示す。
【0088】
多くの追加的な改訂およびシナリオが、本発明の新規の教示および利点から内容的に逸脱することなく例示的実施形態において可能であることは、当業者には容易に理解されるであろう。たとえば、システムはSharePoint(登録商標)コンテンツ管理ソフトウェアシステムを用いるアプリケーション用に記載されている。しかし、他のコンテンツ管理ソフトウェアも本明細書中に記載の機能を実現するために用いることができることは当業者に理解されるところである。したがって、任意のかかる改訂も、以下の特許請求の範囲に定められる本発明の範囲に含まれることが意図される。