(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
イベントは、前記メッセージを送信するノードによってサービングされる移動端末のハンドオーバ、又は移動端末と前記メッセージを送信するノードとの間のアップリンクパス利得の変更、又は前記メッセージを送信するノードによってサービングされる移動端末の信号対干渉プラス雑音比の変更、又は前記メッセージを送信するノードによってサービングされる移動端末のロケーションの変更、又は前記メッセージを送信するノードによってサービングされる移動端末のオン若しくはオフの切り替え、又は前記メッセージを送信するノードによってサービングされる移動端末の必要とされるスループットの変更であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
前記方法は、少なくとも1つのノードによって実行される、複数の移動端末グループを形成するステップを更に含むことを特徴とし、当該ノードは、少なくとも前記共通パラメータ値から、各移動端末グループについて、前記移動端末グループのうちの1つの移動端末グループによって転送される無線信号の電力補正を求め、
− 前記移動端末が属する前記移動端末グループについて求められた前記電力補正を、各移動端末グループの各移動端末に転送する
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
前記サーバが前記調整された共通パラメータ値から導出された情報を各ノードに転送する場合、各ノードについて求められた前記調整された共通パラメータ値から導出される1つの情報は、該情報が転送されるノードによってサービングされる1つの移動端末グループによって転送される無線信号の電力補正であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明が実施される無線セルラー通信ネットワークを表している。
【0038】
図1には、無線セルラー通信ネットワークの5つのノードNd1、Nd2、Nd3、Nd4、及びNd5が示されている。
【0039】
5つのノードNd1〜Nd5しか示されていないが、本発明はこれよりも多くの又は少ない数のノードNdが存在するときにも機能することを理解されたい。
【0040】
ノードNdは、バックボーンネットワークによってリンクされる。バックボーンネットワークは、例えば、DSL(ディジタル加入者線)ネットワーク又はISDN(統合サービスディジタルネットワーク)とすることができる。
【0041】
ノードNd1〜Nd5は、それぞれのセルCEBH1〜CEHB5に位置している移動端末MTをサービングする無線セルラー通信ネットワークのノードである。
【0042】
ノードNd1は移動端末MT
11をサービングし、ノードNd4は移動端末MT
41とMT
42をサービングし、ノードNd3は移動端末MT
31とMT
32をサービングする。
【0043】
明瞭にするために、
図1には5つの移動端末MT
11、MT
41、MT
42、MT
31、及びMT
32しか示されていないが、本発明はこれよりも多くの又は少ない数の移動端末が存在するときにも機能することを理解されたい。
【0044】
既に説明したように、ノードNd1〜Nd5は、基地局、フェムト基地局又はピコ基地局、又は中継器とも呼ばれる。
【0045】
例えば、中継器は、
図1には示されていない無線セルラー通信ネットワークの基地局と無線リンクを介して無線セルラー通信ネットワークに接続されているノードNdである。
【0046】
各ノードNd1〜Nd5は、そのノードがホーム基地局であるとき、住宅内に配置されることができ、そのノードNdに関連付けられる移動端末MTが無線セルラー通信ネットワークにアクセスすることを可能にすることができる。
【0047】
例えば、ノードNdと移動端末MTは、そのノードがホーム基地局であるときは、ノードNdが移動端末MTの所有者の所有物である場合、又はノードNdが移動端末MTの所有者の家族若しくは友人の所有物である場合、関連付けられる。
【0048】
移動端末MTがノードNdによってサービングされるとき、その移動端末MTはノードNdを通じて遠隔の通信デバイスとの通信を受信又は確立又は継続することができる。
【0049】
ノードNd1は、エリア、すなわちセルCEHB1に位置している移動端末MT
11によって転送された信号を受信することができる。ノードNd1は、セルCEHB1に位置している移動端末MT
11が受信して処理することができる信号を転送する。
【0050】
ノードNd3は、エリア、すなわちセルCEHB3に位置している移動端末MT
31とMT
32によって転送された信号を受信することができる。ノードNd3は、セルCEHB3に位置している移動端末MT
31とMT
32が受信して処理することができる信号を転送する。
【0051】
ノードNd4は、エリア、すなわちセルCEHB4に位置している移動端末MT
41とMT
42によって転送された信号を受信することができる。ノードNd4は、セルCEHB4に位置している移動端末MT
41とMT
42が受信して処理することができる信号を転送する。
【0052】
移動端末MT
41は、移動端末MT
31とMT
32によって転送された信号に対する移動端末MT
42によって転送された信号の干渉よりもはるかに大きく、移動端末MT
31とMT
32によって転送された信号に対して干渉する信号を転送する。
【0053】
移動端末MT
42は、移動端末MT
11によって転送された信号に対する移動端末MT
41によって転送された信号の干渉よりもはるかに大きく、移動端末MT
11によって転送された信号に対して干渉する信号を転送する。
【0054】
図1の例では、各ノードNd1〜Nd5は、1つのセルCEHB1〜CEHB5のみを有している。本発明は、少なくとも1つのノードNdが複数のセルを有する場合にも適用可能である。
【0055】
サーバServは、自身が担当するノードNd1〜Nd5によってサービングされる移動端末MTの無線送信電力を管理する。
【0056】
本発明によれば、サーバServは、
− メッセージがノードのうちの1つから受信されたか否かを確認する。このメッセージは、当該メッセージを転送したノードのセルにおけるイベントの発生を表す。
− 上記メッセージの受信の有無に応じて、ノード用の共通パラメータ値を調整する。
− 調整された共通パラメータ値、又は調整された共通パラメータ値から導出された情報を各ノードに転送する。
【0057】
図2は、本発明が実施されるノードのアーキテクチャを表す図である。
【0058】
ノードNdは、例えば、バス201によって互いに接続される構成要素と、
図5a、
図5b、及び
図7に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ200とに基づくアーキテクチャを有している。
【0059】
バス201は、プロセッサ200を、読み出し専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、無線インターフェース205にリンクする。バス201は、プロセッサ200をネットワークインターフェース206にリンクすることもできる。
【0060】
メモリ203は、近隣ノードの識別子とそれら近隣ノードから受信されたパラメータ値とをリンクするテーブルと共に、変数と、
図5a、
図5b、及び
図7に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令とを収容するように意図されたレジスタを含む。
【0061】
プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206の動作を制御し、無線インターフェース205の動作を制御することもできる。
【0062】
読み出し専用メモリ202は、
図5a、
図5b、及び
図7に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令を含む。これらの命令は、ノードNdに電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ203に転送される。
【0063】
ノードNdは、ネットワークインターフェース206を通じてバックボーンネットワークに接続することができる。例えば、ネットワークインターフェース206は、DSLモデム又はISDNインターフェース等である。ネットワークインターフェース206を通じて、ノードNdはメッセージを無線セルラー通信ネットワークのコアネットワークに転送することができ、又はパラメータ値を近隣ノードNdに転送若しくは受信する。
【0064】
無線インターフェース205は、本発明に従って設定された送信電力に応じてアップリンク信号を受信する手段を備えている。
【0065】
無線インターフェース205は、本発明によるパラメータ値を転送する手段を備えることもできる。
【0066】
ネットワークインターフェース206の機能は、例えば、ノードNdが中継器として動作するとき、無線インターフェース205によって実行することもできる。
【0067】
無線インターフェース205とネットワークインターフェース206は、移動端末MTが遠隔の通信デバイスとの通信を確立又は受信する際に、無線セルラー通信ネットワークにアクセスするために移動端末MTによって用いられるノードNdのリソースである。
【0068】
図3は、本発明が実施されるサーバのアーキテクチャを表す図である。
【0069】
サーバServは、例えば、バス301によって互いに接続される構成要素と、
図4及び
図6に開示するようなプログラムによって制御されるプロセッサ300とに基づくアーキテクチャを有している。
【0070】
バス301は、プロセッサ300を、読み出し専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、及びネットワークインターフェース306にリンクする。
【0071】
メモリ303は、変数と、
図4及び
図6に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令とを収納するように意図されたレジスタを含む。
【0072】
プロセッサ300は、ネットワークインターフェース306の動作を制御する。
【0073】
読み出し専用メモリ302は、
図4及び
図6に開示するようなアルゴリズムに関連したプログラムの命令を含む。これらの命令は、サーバServに電源が投入されると、ランダムアクセスメモリ403に転送される。
【0074】
サーバServは、ネットワークインターフェース306を通じて通信ネットワークに接続される。例えば、ネットワークインターフェース306は、DSL(ディジタル加入者線)モデム又はISDN(統合サービスディジタルネットワーク)インターフェース等である。ネットワークインターフェース306を通じて、サーバServは、メッセージを無線セルラー通信ネットワークのコアネットワーク及び/又はノードに転送することができる。
【0075】
サーバServは、基地局に含めることもできる。その場合、バス301は無線インターフェース305もリンクする。
【0076】
図5〜
図7に関して本明細書において後に説明されるアルゴリズムのありとあらゆるステップは、PC(パーソナルコンピュータ)、DSP(ディジタルシグナルプロセッサ)若しくはマイクロコントローラのようなプログラム可能な計算機によって1組の命令若しくはプログラムを実行することによってソフトウェアとして実装することもできるし、或るいはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)若しくはASIC(特定用途向け集積回路)のような、機械若しくは専用構成要素によってハードウェアとして実装することもできる。
【0077】
図4は、本発明の第1の実現態様によるアップリンク信号の送信電力調整のサーバによって実行される第1のアルゴリズムを開示している。
【0078】
より正確には、本アルゴリズムは、サーバServのプロセッサ300によって実行される。
【0079】
ステップS400において、プロセッサ300は、サーバServが担当するノードによってサービングされる移動端末によって転送される信号の送信電力を求めるのに用いられる共通パラメータtの初期値をROMメモリ内で読み取る。
【0080】
例えば、共通パラメータtの初期値は、低い値、例えば共通パラメータtが取ることができる最大値の20未満に設定される。
【0081】
次のステップS401において、プロセッサ300は、イベントを表すメッセージが、サーバServが担当する1つのノードNdから受信されたか否かを調べる。
【0082】
イベントは、例えば、後述するように、サーバServ担当するノードによってサービングされる1つの移動端末のステータスの変化、又は最大干渉電力β
j,u,iの変化である。
【0083】
ステータスは、移動端末MTのハンドオーバ、又は移動端末MTとそのサービングノードとの間のアップリンクパス利得の変更、又は移動端末MTの信号対干渉プラス雑音比の変更、又は移動端末MTのロケーションの変更、又は移動端末MTのオン若しくはオフの切り替え、又は移動端末MTの必要とされるスループットの変更とすることができる。
【0084】
イベントを表すメッセージが受信された場合、プロセッサ300はステップS402に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS403に進む。
【0085】
ステップS402において、プロセッサ300は、共通パラメータtの値を所定の値に設定する。例えば、共通パラメータtの値は、低い値、例えば、共通パラメータtの値が取ることができる最大値の20パーセント未満、又はヌル値、又は共通パラメータtの初期値に設定される。
【0086】
その後、プロセッサ300は、ステップS404に進む。
【0087】
ステップS403において、プロセッサ300は、共通パラメータtの値を、例えば、以前の共通パラメータtの値の10パーセントだけ増加させる。
【0088】
次のステップS404において、プロセッサ300は、ノードNdによってサービングされる移動端末MTによって転送される信号の送信電力を求めるのに用いられる調整された共通パラメータtの値を、サーバServが担当する各ノードNdに転送することを指示する。
【0089】
図5aは、本発明の第1の実現態様によるアップリンク信号の送信電力調整の各ノードによって実行される第1のアルゴリズムを開示している。
【0090】
より正確には、本アルゴリズムは、サーバServが担当する各ノードNdのプロセッサ200によって実行される。
【0091】
本アルゴリズムの最初に、各ノードNdのプロセッサ200は、各移動端末MT
i,lを基準送信電力に設定する。ここで、iはノードNdiのインデックスを示し、lはノードNdiによってサービングされる移動端末MT
i,lのインデックスを示す。
【0092】
ノードNdiは、近隣ノードNdjの第lの移動端末から電力β
j,l,iを受信する。
【0093】
ステップS500において、プロセッサ200は、イベントが、ノードNdiがサービングする1つの移動端末MT
i,lについて発生したか否かを調べる。
【0094】
イベントは、例えば、ノードNdiがサービングする1つの移動端末MT
i,lのステータスの変化である。
【0095】
ステータスは、移動端末MT
i,lのハンドオーバ、又は移動端末MT
i,lとノードNdiとの間のアップリンクパス利得の変更、又は移動端末MT
i,lの信号対干渉プラス雑音比の変更、又は移動端末MT
i,lのロケーションの変更、又は移動端末MT
i,lのオン若しくはオフの切り替え、又は移動端末MT
i,lの必要とされるスループットの変更とすることができる。
【0096】
イベントが発生した場合、プロセッサ200はステップS501に進む。そうでない場合、プロセッサ200はステップS502に進む。
【0097】
ステップS501において、プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206を通じてサーバServにメッセージを転送することを指示する。このメッセージは、イベントが発生したことをサーバServに通知する。
【0098】
その後、プロセッサ200は、ステップS502に進む。
【0099】
ステップS502において、プロセッサ200は、ノードNdiによってサービングされる移動端末MT
i,lによって転送される信号の送信電力を求めるのに用いられる共通パラメータtの値の受信を、ネットワークインターフェース206を通じて検出する。
【0100】
次のステップS503において、ノードNdiは、自身のセル又は近隣セルの移動端末MTの測定値に関連するアップリンクパラメータ及び/又はダウンリンクパラメータを取得する。
【0101】
受信されるパラメータは、例えば、電力補正b
jがノードNdjにおいて適用される際に、近隣ノードNdjによってサービングされる各移動端末Mt
j,lからのノードNdiにおけるアップリンク受信電力b
jβ
j,l,iである。ここで、lは、ノードNdjによってサービングされる第lの移動端末MT
j,lのインデックスを示す。
【0102】
受信されるパラメータは、例えば、電力補正を伴わない電力β
j,l,iである。等価的には、α
j,l,iによって、ノードNdiと近隣ノードNdjによってサービングされる移動端末Mt
j,lとの間で観測されるパス利得を示すことにする。このパス利得は、移動端末Mt
j,lによってダウンリンクにおいて測定されるか、又はノードNdiによってアップリンクにおいて測定される。
【0103】
さらに、プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206及び/又は無線インターフェース205を通じて、サーバServが担当するノードNdの少なくとも一部からの他のパラメータの受信を検出するか、又はノードNdiがサービングする移動端末MT
i,l用のアップリンクパラメータに関連するパラメータを取得する。
【0104】
例えば、プロセッサ200は、ノードNdiの近隣ノードNdjからのパラメータの受信を検出する。
【0105】
受信されるパラメータは、例えば、ノードNdiがそれ自体単独で測定を行うことができない場合には、アップリンク受信電力b
jβ
j,l,i又はβ
j,l,iである。その場合、これらのパラメータは、ノードNdiからノードNdjによってサービングされる第lの移動端末MT
j,lへのダウンリンクにおいて測定されるパス利得から、近隣ノードNdjにおいて評価することができる。これらの考慮されるパラメータは、本発明を長期にわたって適用するために、ノードに格納することもできる。
【0106】
パラメータb
jは、ノードNdjによってサービングされる移動端末MT
j,lのサブセットに適用される電力補正である。この移動端末MT
j,lのサブセットは、最も高い干渉移動端末MT
j,l、すなわち、近隣ノードNdiへの最も高い受信電力β
j,l,iを有する移動端末から選択される。
【0107】
プロセッサ200は、第jのノードNdjによってサービングされる第uの移動端末MT
j,uからの、ノードNdiによってアップリンクにおいて受信される電力である、電力b
jβ
j,u,iを求める。この電力は、ノードNdiにおいてアップリンク上に最大干渉を生成する。
【0108】
プロセッサ200は、ノードNdiによってサービングされる第vの移動端末MT
i,vからの、ノードNdiによってアップリンクにおいて受信される電力b
iβ
i,v,iを求める。この電力は、ノードNdiにおいてアップリンク上で最も低い電力で受信される。
【0109】
本発明の第1の実現態様の第1の実現例によれば、近隣ノードNdjから受信されるパラメータは、アップリンク電力補正b
jと、本明細書において後に開示するセル特有パラメータ
【数1】
である。
【0110】
本発明の第1の実現態様の第2の実現例によれば、近隣ノードNdjから受信されるパラメータは、アップリンク電力補正b
jと、本明細書において後に開示するノードNdiについて各近隣ノードNdjによって求められるパラメータφ
jiD(x
i)である。パラメータφ
jiD(x
i)は、より正確にはパラメータ関数である。
【0111】
ここで、β
j,u,iがノードNdjによってノードNdiに提供されるとき、β
j,u,iの受信は、
【数2】
とb
jの交換よりもはるかに低い頻度で行われることに留意されたい。
【0112】
次のステップS504において、プロセッサ200は、ノードNdiがサービングする移動端末MT
i,lによって転送される信号の送信電力を最適化する。
【0113】
ノードNdiがサービングする移動端末MT
i,lによって転送される信号の送信電力は、新たなアップリンク補正パラメータb
iを計算することによって変更される。
【0114】
第1の実現態様の第1の実現例によれば、アップリンク電力補正b
iは、例えば、その近隣ノードに基づくG
iDの最適化、すなわち以下の式を計算することによって求められる。
【数3】
【0115】
最小化は、ノードNdiによってサービングされる移動端末MT
i,vが受ける最悪のアップリンクSINRの最小許容値γ
iによって表される、アップリンクにおけるカバレッジの制約の下、すなわち、以下の式の下で行われる。
【数4】
【0116】
アップリンクチャネルの場合、最適化を処理するために、本発明は、好ましくは次のような対数バリア法を用いる。ノードNdiは、受信パラメータ
【数5】
と、以前に受信された共通パラメータtの関数として、パラメータλ
iDを計算する。
【数6】
及び
【数7】
【0117】
次に、ノードNdiは、以下の式のように、取得された電力アップリンク電力補正b
jとβ
j,u,iの関数として、自身の更新された電力補正を計算する。
【数8】
ただし、γ
iは、ノードNdiのセルにおいてアップリンクについて許容することができる最小信号干渉プラス雑音比(SINR)閾値であり、N
0は、ノードNdiによって測定される雑音レベルである。
【0118】
第1の実現態様の第2の実現例によれば、アップリンク電力補正b
iは
【数9】
に従って行われ、これはノードNdiによってサービングされる移動端末MT
i,lが閾値γ
iよりも低いSINRを受ける多変量確率関数である。すなわち、ノードNdの送信電力は、以下の制約の下で最適化される。
【数10】
ただし、確率関数
【数11】
は、ノードNdiによってアップリンクにおいて取得されるか若しくは移動端末MT
j,lのノードNdjによって提供される瞬時測定値β
j,l,iに従って、又は格納されている値に基づいて定義され、Q
iは目標サービス品質である。
【0119】
ノードNdiのプロセッサ200は、ノードNdjから関数
【数12】
を取得する。ただし、
【数13】
は、考慮される近隣ノードNdiを除いて、全てのエントリーが取得された値
【数14】
に固定されているとき、関数
【数15】
に等しい。
【0120】
ノードNdiのノードプロセッサ200は、
【数16】
の解であるアップリンク電力補正b
iを見つけることによって取得されるφ
jiD(x
i)関数に従って自身の電力補正を更新する。
【0121】
関数φ
ijD(x
j)は、数値計算によって取得することができ、更新されたアップリンク電力補正b
i値も同様である。関数φ
jiD(x
i)は、近隣ノードNdjに転送する前に量子化することもできる。
【0122】
一変形形態では、上述したパラメータは格納され、電力補正計算は、長期の判定基準を考慮するために、これらの格納されたパラメータに基づいて行われる。
【0123】
次のステップS505において、プロセッサ200は、計算されたパラメータを近隣ノードNdjに転送することを指示する。
【0124】
第1の実現態様の第1の例によれば、プロセッサ200は、計算されたパラメータb
iと
【数17】
を近隣ノードNdjに転送することを指示する。
【0125】
第1の実現態様の第2の例によれば、プロセッサ200は、b
jとφ
jiD(x
j)を近隣ノードNdjに転送することを指示する。
【0126】
次のステップS506において、プロセッサ200は、移動端末によって無線信号を転送するのに用いられる更新されたアップリンク電力補正b
i値を、ノードNdiによってサービングされる各移動端末MTに転送することを指示する。
【0127】
その後、プロセッサ200は、ステップS500に戻る。
【0128】
図5bは、本発明の第1の実現態様の一変形形態によるアップリンク信号の送信電力調整のサーバによって実行される第2のアルゴリズムを開示している。
【0129】
より正確には、本アルゴリズムは、サーバServが担当する各ノードNdのプロセッサ200によって実行される。
【0130】
本アルゴリズムの最初に、各ノードNdのプロセッサ200は、各移動端末MT
i,lを基準送信電力に設定する。ここで、iはノードNdiのインデックスを示し、lはノードNdiによってサービングされる移動端末MT
i,lのインデックスを示す。ノードNdiは、近隣ノードNdjの第lの移動端末から電力β
j,l,iを受信する。
【0131】
ステップS550において、プロセッサ200は、イベントが、ノードNdiがサービングする1つの移動端末MT
i,lについて発生したか否かを調べる。
【0132】
イベントは、例えば、ノードNdiがサービングする1つの移動端末MT
i,lのステータスの変化である。
【0133】
ステータスは、
図5aのアルゴリズムのステップS500に開示されたとおりである。
【0134】
イベントが発生した場合、プロセッサ200はステップS551に進む。そうでない場合、プロセッサ200はステップS552に進む。
【0135】
ステップS551において、プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206を通じてサーバServにメッセージを転送することを指示する。このメッセージは、イベントが発生したことをサーバServに通知する。
【0136】
その後、プロセッサ200は、ステップS552に進む。
【0137】
ステップS552において、プロセッサ200は、ノードNdiによってサービングされる移動端末MT
i,lによって転送される信号の送信電力を求めるのに用いられる共通パラメータtの値の受信を、ネットワークインターフェース206を通じて検出する。
【0138】
次のステップS553において、プロセッサ200は、ノードNdiがサービングする各移動端末MT
i,lについて、移動端末MT
i,lによって近隣ノードNdjから受信される信号のダウンリンク電力を識別する。
【0139】
移動端末MT
i,lによって近隣ノードNdjから受信される信号のダウンリンク電力は、移動端末と1つの近隣ノードNdjとの近接度を表し、したがって、ノードNdiによってサービングされる移動端末MT
i,lが、近隣ノードNdjによって受信される信号に対して生成する干渉のレベル、及び/又は、近隣ノードNdjによってサービングされる移動端末MT
j,lが、ノードNdiによって受信される信号に対して生成する干渉のレベルを表す。
【0140】
次のステップS554において、プロセッサ200は、ノードNdiがサービングする移動端末MT
i,lを移動端末のグループに分類する。各移動端末グループは、所与の近隣ノードNdjについての最大干渉移動端末である移動端末を含む。
【0141】
例えば、近隣ノードNdjごとに、プロセッサ200は、近隣ノードの中で近隣ノードNdjから最も高い電力でダウンリンク信号を受信する移動端末MT
i,lのグループを形成するか、又は所与の閾値よりも高い電力レベルでダウンリンク信号を受信する移動端末MT
i,lのグループを形成する。
【0142】
この実施形態の別の変形形態では、ノードNdjは、ノードiからの高干渉MTのセットを識別し、選択されたサブセットをノードNdjに提供する。
【0143】
プロセッサ200は、複数の移動端末グループを形成することができ、各移動端末グループは、複数の近隣ノードNdについての最大干渉移動端末である移動端末を含むことに留意されたい。
【0144】
次のステップS555において、ノードNdjの第kのグループの移動端末MT
i,lについて電力補正b
j,kが適用される際、プロセッサ200は、パラメータと、ノードNdiにおけるアップリンク受信電力b
j,kβ
j,l,i,kを、ノードNdiに対する干渉が高いノードNdjの移動端末MT
j,lの第kのグループに属する、近隣ノードNdjによってサービングされる各移動端末MT
j,l,kから取得する。ここで、lは、ノードNdjによってサービングされる第lの移動端末のインデックスを示す。
【0145】
プロセッサ200は、電力b
j,kβ
j,u,i,kを求める。この電力は、第jのノードNdjによってサービングされる第kのグループの第uの移動端末MTj,uからの、ノードNdiによってアップリンクにおいて受信される電力であり、ノードNdiにおいてアップリンク上に最大干渉を生成する。
【0146】
プロセッサ200は、ノードNdiによってサービングされる第vの移動端末MT
i,vからの、ノードNdiによってアップリンクにおいて受信される電力b
i,kβ
i,v,i,kを求める。この電力は、ノードNdiにおいてアップリンク上で最も低い電力で受信される。
【0147】
本発明の第2の実現態様の第1の実現例によれば、近隣ノードNdjから受信されるパラメータは、アップリンク電力補正b
j,kと、本明細書において後に開示するセル特有パラメータ
【数18】
である。
【0148】
本発明の第1の実現態様の第2の実現例によれば、近隣ノードNdjから受信されるパラメータは、アップリンク電力補正b
j,kと、本明細書において後に開示するノードNdiφ
jikD(x
i)について各近隣ノードNdjによって求められるパラメータφ
jikD(x
i)である。
【0149】
ここで、ノードNdjによってβ
j,u,i,kがノードNdiに提供されるとき、β
j,u,i,kの受信は、
【数19】
とb
j、kの交換よりもはるかに低い頻度で行われることに留意されたい。
【0150】
次のステップS556において、プロセッサ200は、ノードNdiがサービングする移動端末MT
i,lによって転送される信号の送信電力を最適化する。
【0151】
ステップS556において形成された移動端末のグループごとに、プロセッサ200は、新たなアップリンク補正パラメータb
i,kを計算する。
【0152】
例えば、アップリンク電力補正b
j,kは、例えば、その近隣ノードに基づくG
i,kDの最適化、すなわち以下の式を計算することによって求められる。
【数20】
【0153】
最小化は、ノードNdiによってサービングされる第kのグループの移動端末MT
i,vが受ける最悪のアップリンクSINRの最小許容値γ
i,kによって表される、アップリンクにおけるカバレッジの制約の下、すなわち以下の式の下で行われる。
【数21】
【0154】
アップリンクチャネルの場合、最適化を処理するために、本発明は好ましくは次のような対数バリア法を用いる。ノードNdiは、受信パラメータ
【数22】
と、以前に受信された共通パラメータtの関数としてパラメータλ
i,kDを計算する。
【数23】
及び
【数24】
【0155】
次に、ノードNdiは、ノードNdiがサービングする移動端末のグループごとに、以下の式のように、取得された電力測定値b
j,kとβ
j,u,i,kの関数として、自身の更新された電力補正を計算する。
【数25】
ただし、γ
i,kは、ノードNdiの第kのグループの移動端末にとってアップリンクについて許容することができる最小信号干渉プラス雑音比(SINR)閾値であり、N
0は、ノードNdiによって測定される雑音レベルである。
【0156】
ここで、ノードNdjによってサービングされる第kのグループの移動端末MTに適用される各アップリンク電力補正b
j,kの計算は、
図5aのステップS504において開示した第2の例の計算を用いて実行することもできることに留意されたい。
【0157】
次のステップS557において、プロセッサ200は、計算されたパラメータを近隣ノードNdjに転送することを指示する。
【0158】
プロセッサ200は、計算されたパラメータb
i,kと
【数26】
を近隣ノードNdjに転送することを指示する。ここで、kは、ノードNdjと最も大きく干渉するノードNdiによってサービングされる移動端末のグループのインデックスである。
【0159】
次のステップS558において、プロセッサ200は、移動端末によって無線信号を転送するのに用いられる、対応する更新されたアップリンク電力補正b
i,k値を、ノードNdiによってサービングされる各グループの移動端末MTに転送することを指示する。
【0160】
その後、プロセッサ200は、ステップS550に戻る。
【0161】
図6は、本発明の第2の実現態様によるアップリンク信号の送信電力調整のサーバによって実行される第2のアルゴリズムを開示している。
【0162】
より正確には、本アルゴリズムは、サーバServのプロセッサ300によって実行される。
【0163】
ステップS600において、プロセッサ300は、サーバServが担当するノードによってサービングされる移動端末によって転送される信号の送信電力を求めるのに用いられる、共通パラメータtの初期値をROMメモリ内で読み取る。
【0164】
例えば、共通パラメータtの初期値は、低い値、例えば共通パラメータtが取ることができる最大値の20未満に設定される。
【0165】
次のステップS601において、プロセッサ300は、イベントを表すメッセージが、サーバServが担当する1つのノードNdから受信されたか否かを調べる。
【0166】
イベントは、例えば、
図4のステップS401において開示したように、サーバServが担当するノードによってサービングされる1つの移動端末のステータスの変化である。
【0167】
イベントを表すメッセージが受信された場合、プロセッサ300はステップS602に進む。そうでない場合、プロセッサ300はステップS403に進む。
【0168】
ステップS602において、プロセッサ300は、共通パラメータtの値を所定の値に設定する。例えば、共通パラメータtの値は、低い値、例えば共通パラメータtの値が取ることができる最大値の20パーセント未満、又はヌル値、又は共通パラメータtの初期値に設定される。
【0169】
その後、プロセッサ300は、ステップS604に進む。
【0170】
ステップS603において、プロセッサ300は、共通パラメータtの値を、例えば以前の共通パラメータtの値の10パーセントだけ増加させる。
【0171】
次のステップS604において、プロセッサ300は、サーバServが担当するノードNdによってサービングされる移動端末MTによって転送される信号の送信電力を最適化する。
【0172】
プロセッサ300は、以下に開示するベクトルAiを、各ノードNdから取得する。
【0173】
プロセッサ300は、各ノードNdi用のアップリンク補正パラメータb
iを計算することによって、サーバServが担当するノードNdによってサービングされる移動端末MTによって転送される信号の送信電力を最適化する。
【0174】
一実現例によれば、ノードNdi用の電力補正パラメータb
iは、例えば、その近隣ノードNdjのアップリンク補正パラメータに基づいて
【数27】
関数の最適化、すなわち以下の式を計算することによって求められる。
【数28】
【0175】
ただし、NはサーバServが担当するノードの数であり、pは所定のパラメータであり、
【数29】
はアップリンク補正パラメータのベクトル、すなわち、
【数30】
である。
【0176】
例えば、プロセッサ300は、十分に大きなパラメータp、例えば4よりも大きなパラメータpを選ぶことによって、移動端末MT間での最大送信電力を最小化するpを有する一般化された平均効用関数(generalized mean utility function)を用いる。
【0177】
この最小化は、ノードNdiによってサービングされる移動端末MT
i,vが受ける最悪のアップリンクSINRの最小許容値γ
iによって表される、アップリンクにおけるカバレッジの制約の下、すなわち以下の式の下で行われる。
【数31】
【0178】
これに対して、プロセッサ300は、関数
【数32】
を最小化する。
【数33】
ただし、A
iは、ノードNdiの移動端末からの最も低い受信電力と、ノードNdiの近隣ノードの移動端末からの最も高い干渉電力とを記述するベクトルであり、このベクトルA
iの要素A
ijは、A
ii=1、及びj≠iの場合には
【数34】
として定義される。
【0179】
最適化は、以下の式の値を求めることによって行われる。
【数35】
ただし、
【数36】
の表記は、ベクトル
【数37】
の要素ごとの電力を意味し、(・)
Tは行列転置符号であり、
【数38】
は、関数
【数39】
の勾配ベクトルである。
【0180】
次に、プロセッサ300は、連立方程式
【数40】
の解を与える
【数41】
を見つける。
【0181】
この連立方程式を解くことは、種々の数値的技法を用いてオフラインで行うことができる。
【0182】
解かれる一組の方程式は冪数が非線形(non-linear in the powers)であるので、例えば、投影勾配降下(projected gradient descent)法、又はニュートン法を用いることができる。
【0183】
別の実現例によれば、電力補正パラメータb
iは、例えば、関数
【数42】
に従って計算される。ここで、
【数43】
であり、
【数44】
は、ノードNdiと通信する移動端末MTが閾値γ
iよりも低いSINRを受ける多変量確率関数である。すなわち、ノードNdの送信電力は、以下の制約の下で最適化される。
【数45】
ここで、この確率は、移動端末MT
i,lの瞬時測定値β
j,l,iに従って、又は格納された以前の値に基づいて定義され、Q
iは目標サービス品質である。
【0184】
プロセッサ300は、以下の式J(t)を最小化する。
【数46】
【0185】
最適化は、以下の関数の値を求めることによって行われる。
【数47】
【0186】
ただし、
【数48】
は、
【数49】
の勾配ベクトルである。
【0187】
次に、プロセッサ300は、
【数50】
を満たす
【数51】
を見つける。
【0188】
次のステップS605において、プロセッサ300は、計算された各電力補正パラメータb
iを、対応するノードNdiに転送することを指示する。
【0189】
その後、プロセッサ300は、ステップS601に戻る。
【0190】
ここで、
図6のアルゴリズムは、移動端末のグループが形成されない一例で開示されていることに留意されたい。
【0191】
本アルゴリズムは、サーバServが、ノードNdごとに移動端末のグループを形成するときにも適用可能である。
【0192】
図7は、本発明の第2の実現態様によるアップリンク信号の送信電力調整の各ノードによって実行される第3のアルゴリズムを開示している。
【0193】
より正確には、本アルゴリズムは、サーバServが担当する各ノードNdのプロセッサ200によって実行される。
【0194】
本アルゴリズムの最初に、各ノードNdのプロセッサ200は、各移動端末MT
i,lを基準送信電力に設定する。ここで、iはノードNdiのインデックスを示し、lはノードNdiによってサービングされる移動端末MT
i,lのインデックスを示す。ノードNdiは、近隣ノードNdjの第lの移動端末から電力β
j,l,iを受信する。
【0195】
ステップS700において、プロセッサ200は、イベントが、ノードNdiがサービングする1つの移動端末MTについて発生したか否かを調べる。
【0196】
イベントは、例えば、
図4のステップS401において開示したように、ノードNdiがサービングする1つの移動端末MT
i,lのステータスの変化、又は最大干渉電力β
j,u,iの変化である。
【0197】
イベントが発生した場合、プロセッサ200はステップS701に進む。そうでない場合、プロセッサ200はステップS702に進む。
【0198】
ステップS701において、プロセッサ200は、ネットワークインターフェース206を通じてサーバServにメッセージを転送することを指示する。このメッセージは、イベントが発生したことをサーバServに通知する。
【0199】
その後、プロセッサ200は、ステップS702に進む。
【0200】
ステップS702において、プロセッサ200は、サーバServがノードNdiの関数
【数52】
を求めることを可能にするパラメータをサーバServに転送することを指令するか、又はノードNdiの関数
【数53】
を求めて、それをサーバServに転送する。
【0201】
次のステップS703において、プロセッサ200は、計算された電力補正パラメータb
iの受信を検出する。
【0202】
次のステップS704において、プロセッサ200は、各移動端末MT
i,lによって無線信号を転送するのに用いられる更新されたアップリンク電力補正b
i値を、ノードNdiによってサービングされる各移動端末MT
i,lに転送することを指示する。
【0203】
その後、プロセッサ200は、ステップS700に戻る。
【0204】
当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に対して多くの変更を行うことができる。