特許第6113206号(P6113206)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113206
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】エレベータ釣合重り搬出入装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20170403BHJP
   B66B 11/00 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   B66B7/00 H
   B66B11/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-6616(P2015-6616)
(22)【出願日】2015年1月16日
(65)【公開番号】特開2016-132516(P2016-132516A)
(43)【公開日】2016年7月25日
【審査請求日】2016年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルテクノサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117776
【弁理士】
【氏名又は名称】武井 義一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(74)【代理人】
【識別番号】100090011
【弁理士】
【氏名又は名称】茂泉 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100194939
【弁理士】
【氏名又は名称】別所 公博
(72)【発明者】
【氏名】田中 麦平
(72)【発明者】
【氏名】橋本 聡
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−344445(JP,A)
【文献】 特開平6−1568(JP,A)
【文献】 特開平7−291550(JP,A)
【文献】 特開2004−10175(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 7/00− 7/12
B66B 11/00−11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣合重りを昇降路に対して搬出入する際に用いられるエレベータ釣合重り搬出入装置であって、
前記釣合重りが釣合重り用ガイドレールに案内されて前記昇降路を昇降する場合における前記釣合重りの上端部である第1端部に取り付けられる回動ガイドシュー支持部と、
前記回動ガイドシュー支持部から幅方向外側に延びる回動軸と、
前記回動軸を中心に回動するように前記回動軸に設けられ、前記釣合重り用ガイドレールに案内される回動ガイドシューと
を備え、
前記釣合重りを支持する揚重装置の駆動によって前記釣合重りが昇降し、前記釣合重りが前記釣合重り用ガイドレールに案内されて前記昇降路を昇降する場合における前記釣合重りの下端部である第2端部が、前記乗場に隣り合うように前記昇降路に仮設された搬出入用支持部材に沿って移動する場合に、前記回動ガイドシューが前記回動軸を中心に回動しながら、前記釣合重り用ガイドレールに案内されることを特徴とするエレベータ釣合重り搬出入装置。
【請求項2】
前記釣合重りは、釣合重り枠と、前記釣合重り枠に設けられ、前記釣合重り用ガイドレールに案内される既設ガイドシューとを有しており、
前記釣合重り枠には、前記既設ガイドシューを前記釣合重り枠に固定するためのガイドシュー取付ボルトが挿入される既設ガイドシュー取付ボルト孔が形成されており、
前記回動ガイドシュー支持部には、前記既設ガイドシュー取付ボルト孔と重なる回動ガイドシュー取付ボルト孔が形成されており、
前記回動ガイドシュー支持部は、前記釣合重り枠から前記既設ガイドシューが取り外され、前記ガイドシュー取付ボルトが前記回動ガイドシュー取付ボルト孔および前記既設ガイドシュー取付ボルト孔に挿入されることによって、前記釣合重り枠に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ釣合重り搬出入装置。
【請求項3】
前記第1端部が前記搬出入用支持部材に沿って移動する場合に前記搬出入用支持部材を転動するローラと、前記ローラを回転可能に支持し、前記第1端部に取り付けられる第1ローラ支持部とを有する第1端部用ローラ装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエレベータ釣合重り搬出入装置。
【請求項4】
前記第1ローラ支持部は、前記回動ガイドシュー支持部とともに前記釣合重りに着脱されることを特徴とする請求項3に記載のエレベータ釣合重り搬出入装置。
【請求項5】
前記揚重装置の駆動によって前記釣合重りが昇降する場合であって前記第2端部が前記搬出入用支持部材に沿って移動する場合に前記搬出入用支持部材を転動する変位用ローラと、前記第2端部が前記第1端部とともに前記搬出入用支持部材に沿って移動する場合に前記搬出入用支持部材を転動する移動用ローラと、前記変位用ローラおよび前記移動用ローラを回転可能に支持し、第2端部に取り付けられる第2ローラ支持部とを有する第2端部用ローラ装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか一項に記載のエレベータ釣合重り搬出入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、釣合重りを昇降路に対して搬出入する際に用いられるエレベータ釣合重り搬出入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、昇降路に支持された揚重装置を備え、揚重装置を用いて既設の釣合重りを昇降路のピットまで吊り降ろすエレベータ釣合重り搬出入装置が知られている。ピットに吊り降ろされた釣合重りは、ピット内で解体され、解体された釣合重りはピットから乗場に搬出される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−349255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
釣合重りをピットまで吊り降ろすことなく、釣合重りを昇降路から乗場に搬出する方法として、昇降路の奥行方向について乗場に隣り合うように足場を昇降路に仮設し、釣合重りを足場まで吊り降ろした後、足場において、釣合重りの位置を高さ方向に延びる起立位置から乗場出入口の高さ方向の寸法よりも釣合重りの高さ方向の寸法が小さくなるように釣合重りの長手方向が高さ方向に対して交差する傾倒位置に変位させて、釣合重りを足場から乗場に搬出する方法が考えられる。
【0005】
しかしながら、足場において釣合重りの位置を起立位置から傾倒位置に変位させる場合に、釣合重りの釣合重り枠からガイドシューを取り外すので、釣合重りを釣合重り用ガイドレールに沿って移動させることができないという問題点があった。
【0006】
この発明は、釣合重りの位置を起立位置と傾倒位置との間で変位させる場合に、釣合重りを釣合重り用ガイドレールに沿って移動させることができるエレベータ釣合重り搬出入装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るエレベータ釣合重り搬出入装置は、釣合重りを昇降路に対して搬出入する際に用いられるエレベータ釣合重り搬出入装置であって、釣合重りが釣合重り用ガイドレールに案内されて昇降路を昇降する場合における釣合重りの上端部である第1端部に取り付けられる回動ガイドシュー支持部と、回動ガイドシュー支持部から幅方向外側に延びる回動軸と、回動軸を中心に回動するように回動軸に設けられ、釣合重り用ガイドレールに案内される回動ガイドシューとを備え、釣合重りを支持する揚重装置の駆動によって釣合重りが昇降し、釣合重りが釣合重り用ガイドレールに案内されて昇降路を昇降する場合における釣合重りの下端部である第2端部が、乗場に隣り合うように昇降路に仮設された搬出入用支持部材に沿って移動する場合に、回動ガイドシューが回動軸を中心に回動しながら、釣合重り用ガイドレールに案内される。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るエレベータ釣合重り搬出入装置によれば、釣合重りの第1端部に取り付けられる回動ガイドシュー支持部と、回動ガイドシュー支持部から幅方向外側に延びる回動軸と、回動軸を中心に回動するように回動軸に設けられ、釣合重り用ガイドレールに案内される回動ガイドシューとを備え、釣合重りを支持する揚重装置の駆動によって釣合重りが昇降し、釣合重りの第2端部が搬出入用支持部材に沿って移動する場合に、回動ガイドシューが回動軸を中心に回動しながら、釣合重り用ガイドレールに案内されるので、釣合重りの位置を起立位置と傾倒位置との間で変位させる場合に、釣合重りを釣合重り用ガイドレールに沿って移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施の形態1に係るエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。
図2図1のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す側面図である。
図3図1のガイド装置を示す平面図である。
図4図1のガイド装置を示す拡大図である。
図5図4のガイド装置を示す側面図である。
図6図1の台車ユニットを用いて釣合重りを昇降路から乗場に搬出する状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す側面図である。
図7図2のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す拡大図である。
図8図7の釣合重りの長手方向を高さ方向に対して傾斜させた状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。
図9図8の釣合重りの長手方向を高さ方向に対してさらに傾斜させた状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。
図10図7の釣合重りが傾倒位置にある状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。
図11図10のガイド装置を釣合重りの第1端部から取り外した状態を示すエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。
図12】この発明の実施の形態2に係るエレベータ釣合重り搬出入装置を示す側面図である。
図13図12の第1端部用ローラ装置を示す平面図である。
図14図12の第1端部用ローラ装置を示す正面図である。
図15図12の第1端部用ローラ装置を示す拡大図である。
図16図12の第2端部用ローラ装置を示す拡大図である。
図17図12の第2端部用ローラ装置を示す底面図である。
図18図12の第2端部用ローラ装置を示す背面図である。
図19図12の釣合重りの長手方向を高さ方向に対して傾斜させた状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。
図20図19の釣合重りの長手方向を高さ方向に対してさらに傾斜させた状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。
図21図12の釣合重りの位置が傾倒位置である状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。
図22図21の回動ガイドシューを回動軸から取り外した状態を示すエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係るエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図、図2図1のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す側面図である。図において、エレベータ釣合重り搬出入装置は、昇降路100のピット101内に設置される足場装置1と、昇降路100に対して固定される釣合重り用ガイドレール装置102に支持され、釣合重り103が吊り下げられる吊下装置2と、釣合重り103が載せられる台車ユニット3と、釣合重り103に設けられるガイド装置4とを備えている。
【0011】
足場装置1は、高さ方向に伸縮可能な複数のサポート11と、サポート11に支持され、奥行方向について乗場104に隣り合う足場(搬出入用支持部材)12と、隣り合うサポート11に渡って掛けられた補強部材13とを有している。補強部材13は、サポート11が倒れることを抑制している。この例では、高さ方向とは、昇降路100についての高さ方向であり、図1に示す矢印Aの方向である。また、奥行方向とは、昇降路100についての奥行方向であり、図2に示す矢印Bの方向である。
【0012】
釣合重り用ガイドレール装置102は、高さ方向に延びる一対の釣合重り用ガイドレール105と、それぞれの釣合重り用ガイドレール105に設けられ、昇降路100に対して固定される複数のレールブラケット106とを有している。それぞれのレールブラケット106は、高さ方向に離れて配置されている。
【0013】
釣合重り103は、高さ方向に延びた釣合重り枠107と、釣合重り枠107に支持される複数の重り板108と、釣合重り枠107に固定される既設ガイドシュー(図示せず)とを有している。釣合重り103が釣合重り用ガイドレール105に案内されて昇降路100を昇降する場合における釣合重り枠107の上端部である第1端部109には、既設ガイドシューを釣合重り枠107に固定するためのガイドシュー取付ボルト110(図4)が挿入される既設ガイドシュー取付ボルト孔111(図4)が形成されている。また、釣合重り103が釣合重り用ガイドレール105に案内されて昇降路100を昇降する場合における釣合重り枠107の下端部である第2端部112にも、既設ガイドシューを釣合重り枠107に固定するためのガイドシュー取付ボルト(図示せず)が挿入される既設ガイドシュー取付ボルト孔(図示せず)が形成されている。
【0014】
吊下装置2は、一対の釣合重り用ガイドレール105の間に渡って掛けられるワイヤ21と、ワイヤ21に支持されるチェーンブロック(揚重装置)22と、チェーンブロック22と釣合重り枠107とを繋ぐワイヤ23とを有している。図2では、ワイヤ21、チェーンブロック22およびワイヤ23を省略している。
【0015】
チェーンブロック22は、ワイヤ21に掛けられるフック部221と、ワイヤ23が掛けられるフック部222とを有している。フック部221がワイヤ21に掛けられることによって、チェーンブロック22がワイヤ21に支持される。ワイヤ23がフック部222に掛けられることによって、ワイヤ23がチェーンブロック22に支持される。フック部222は、チェーンブロック22が駆動することによって、上下方向に移動する。フック部222が上下方向に移動することによって、ワイヤ23が上下方向に移動する。
【0016】
図3図1のガイド装置4を示す平面図、図4図1のガイド装置4を示す拡大図、図5図4のガイド装置4を示す側面図である。ガイド装置4は、釣合重り103の第1端部109に取り付けられる一対の回動ガイドシュー支持部41と、それぞれの回動ガイドシュー支持部41に設けられた一対の軸受42と、それぞれの軸受42に設けられ、回動ガイドシュー支持部41から幅方向外側に延びる一対の回動軸43と、回動軸43を中心に回動するようにそれぞれの回動軸43に設けられ、釣合重り用ガイドレール105に案内される回動ガイドシュー44とを備えている。
【0017】
回動ガイドシュー支持部41には、既設ガイドシュー取付ボルト孔111に重なる回動ガイドシュー取付ボルト孔411が形成されている。回動ガイドシュー支持部41は、ガイドシュー取付ボルト110が回動ガイドシュー取付ボルト孔411および既設ガイドシュー取付ボルト孔111に挿入されることによって、釣合重り枠107に取り付けられる。
【0018】
回動ガイドシュー44は、チェーンブロック22の駆動によって釣合重り103が昇降し、釣合重り103の第2端部112が足場12に沿って奥行方向に移動する場合に、回動軸43を中心に回動しながら、釣合重り用ガイドレール105に案内される。
【0019】
図6図1の台車ユニット3を用いて釣合重り103を昇降路100から乗場104に搬出する状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す側面図である。台車ユニット3は、釣合重り103の第2端部112を支持する第1台車31と、釣合重り103の第1端部109を支持する第2台車32とを有している。
【0020】
次に、エレベータ釣合重り搬出入装置を用いたエレベータ釣合重り搬出入方法について説明する。まず、図1に示すように、釣合重り103が最下階の乗場104よりも所定距離だけ高い位置に配置されるように、かご(図示せず)を昇降路100の上部に配置させ、固定装置(図示せず)を用いてかごをかご用ガイドレール装置(図示せず)に対して固定する。かご用ガイドレール装置は、高さ方向に延びる一対のかご用ガイドレールと、それぞれのかご用ガイドレールに設けられ、昇降路100に固定される複数のレールブラケットを有している。
【0021】
その後、昇降路100のピット101内に、奥行方向について乗場104に隣り合うように足場12を設置する(搬出入用支持部材設置工程)。
【0022】
その後、釣合重り用ガイドレール105にチェーンブロック22を支持させ、このチェーンブロック22に釣合重り103を支持させ(釣合重り支持工程)、チェーンブロック22を駆動させて釣合重り103を少しだけ持ち上げる。このとき、釣合重り枠107から重り板108を取り外してもよい。
【0023】
その後、かごと釣合重り103とに接続されたロープ(図示せず)をかご及び釣合重り103から取り外し、釣合重り103における第1端部109および第2端部112に取り付けられている既設ガイドシューを取り外し、釣合重り103の第1端部109にガイド装置4を取り付ける(ガイド装置取付工程)。
【0024】
図7図2のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す拡大図、図8図7の釣合重り103の長手方向を高さ方向に対して傾斜させた状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図、図9図8の釣合重り103の長手方向を高さ方向に対してさらに傾斜させた状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図、図10図7の釣合重り103が傾倒位置にある状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。その後、第1台車31を足場12に載せ、チェーンブロック22を駆動させて、釣合重り103の第2端部112が第1台車31に載せられるように釣合重り103を降下させる。
【0025】
その後、第1台車31を乗場104に向かって移動させながら、チェーンブロック22を駆動させて、釣合重り103を降下させる。これにより、釣合重り103の位置は、釣合重り103が高さ方向に延びる起立位置から、乗場出入口の高さ方向の寸法よりも釣合重り103の高さ方向の寸法が小さくなるように釣合重り103の長手方向が高さ方向に対して交差する方向に延びる傾倒位置に変位する。この例では、釣合重り103の傾倒位置とは、釣合重り103が水平方向に延びる位置であり、釣合重り103の高さ方向の寸法が、乗場出入口の高さ方向の寸法よりも小さくなる場合の釣合重り103の位置である。
【0026】
釣合重り103の位置が起立位置から傾倒位置に変位する場合に、回動ガイドシュー44は、回動軸43を中心に回動しながら、釣合重り用ガイドレール105に案内される。
【0027】
釣合重り103の位置が傾倒位置になった後、第2台車32を足場12に載せて、釣合重り103の第1端部109を第2台車32に載せる。
【0028】
図11図10のガイド装置4を釣合重り103の第1端部109から取り外した状態を示すエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。釣合重り103の第1端部109を第2台車32に載せた後、ガイド装置4を釣合重り103の第1端部109から取り外す。その後、第1台車31および第2台車32を足場12から乗場104に移動させることによって、釣合重り103を昇降路100から乗場104に搬出する(釣合重り搬出工程)。以上により、昇降路100から乗場104への既設の釣合重り103の搬出が終了する。乗場104から昇降路100への新規の釣合重り103の搬入は、既設の釣合重り103の搬出の逆の手順となる。
【0029】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るエレベータ釣合重り搬出入装置によれば、釣合重り103の第1端部109に取り付けられる回動ガイドシュー支持部41と、回動ガイドシュー支持部41から幅方向外側に延びる回動軸43と、回動軸43を中心に回動するように回動軸43に設けられ、釣合重り用ガイドレール105に案内される回動ガイドシュー44とを備え、釣合重り103を支持するチェーンブロック22の駆動によって釣合重り103が昇降し、釣合重り103の第2端部112が足場12に沿って移動する場合に、回動ガイドシュー44が回動軸43を中心に回動しながら釣合重り用ガイドレール105に案内されるので、釣合重り103の位置を起立位置と傾倒位置との間で変位させる場合に、釣合重り103を釣合重り用ガイドレール105に沿って移動させることができる。その結果、釣合重り103の位置を起立位置と傾倒位置との間で変位させる場合に、釣合重り103の第1端部109が奥行方向に移動することを防止することができる。
【0030】
また、回動ガイドシュー支持部41には、既設ガイドシュー取付ボルト孔111と重なる回動ガイドシュー取付ボルト孔411が形成されており、回動ガイドシュー支持部41は、釣合重り枠107から既設ガイドシューが取り外され、ガイドシュー取付ボルト110が回動ガイドシュー取付ボルト孔411および既設ガイドシュー取付ボルト孔111に挿入されることによって、釣合重り枠107に取り付けられるので、既設ガイドシュー取付ボルト孔111およびガイドシュー取付ボルト110を流用して、回動ガイドシュー支持部41を釣合重り枠107に取り付けることができる。
【0031】
なお、上記実施の形態1では、ガイド装置4を釣合重り103の第1端部109から取り外して、釣合重り搬出工程を行う手順について説明したが、回動ガイドシュー44を回動軸43から取り外して、釣合重り搬出工程を行ってもよい。
【0032】
また、上記実施の形態1では、搬出入用支持部材として、足場12を例に説明したが、足場12に限らず、第1台車31および第2台車32が載せられる引出レールであってもよい。この引出レールは、釣合重り用ガイドレール105と乗場104との間に配置される。
【0033】
実施の形態2.
図12はこの発明の実施の形態2に係るエレベータ釣合重り搬出入装置を示す側面図である。図において、エレベータ釣合重り搬出入装置は、釣合重り103の第1端部109に設けられた第1端部用ローラ装置5と、釣合重り103の第2端部112に設けられた第2端部用ローラ装置6と、釣合重り用ガイドレール105と乗場104との間に設けられた一対の引出レール(搬出入用支持部材)7とをさらに備えている。この発明の実施の形態2に係るエレベータ釣合重り搬出入装置は、実施の形態1に記載の足場装置1および台車ユニット3を備えていない。
【0034】
引出レール7は、奥行方向に延びて配置されている。また、引出レール7は、釣合重り用ガイドレール105と乗場104とに渡って配置されている。
【0035】
図13図12の第1端部用ローラ装置5を示す平面図、図14図12の第1端部用ローラ装置5を示す正面図、図15図12の第1端部用ローラ装置5を示す拡大図である。第1端部用ローラ装置5は、釣合重り103の第1端部109が引出レール7に沿って移動する場合に引出レール7を転動する一対のローラ51と、それぞれのローラ51を回転可能に支持し、第1端部109に取り付けられる一対の第1ローラ支持部52とを有している。一対のローラ51の間の寸法は、一対の引出レール7の間の寸法に対応している。
【0036】
回動ガイドシュー支持部41は、第1ローラ支持部52に取り付けられている。ガイド装置4は、回動ガイドシュー支持部41を第1ローラ支持部52に取り付けるためのボルト45を有している。なお、回動ガイドシュー支持部41は、第1ローラ支持部52に一体に形成されてもよい。この場合、ガイド装置4は、ボルト45を有さない。
【0037】
第1ローラ支持部52には、既設ガイドシュー取付ボルト孔111に重なる第1ローラ支持部取付ボルト孔521が形成されている。第1ローラ支持部52は、ガイドシュー取付ボルト110が第1ローラ支持部取付ボルト孔521および既設ガイドシュー取付ボルト孔111に挿入されることによって、釣合重り枠107の第1端部109に取り付けられる。第1ローラ支持部52は、回動ガイドシュー支持部41とともに釣合重り103の釣合重り枠107に着脱される。
【0038】
図16図12の第2端部用ローラ装置6を示す拡大図、図17図12の第2端部用ローラ装置6を示す底面図、図18図12の第2端部用ローラ装置6を示す背面図である。図において、第2端部用ローラ装置6は、チェーンブロック22の駆動によって釣合重り103が昇降する場合であって第2端部112が引出レール7に沿って移動する場合に引出レール7を転動する一対の変位用ローラ61と、第2端部112が第1端部109とともに引出レール7に沿って移動する場合に引出レール7を転動する一対の移動用ローラ62と、変位用ローラ61および移動用ローラ62を回転可能に支持し、第2端部112に取り付けられる第2ローラ支持部63とを有している。一対の変位用ローラ61の間の寸法および一対の移動用ローラ62の間の寸法は、一対の引出レール7の間の寸法に対応している。
【0039】
第2ローラ支持部63には、既設ガイドシュー取付ボルト孔111に重なる第2ローラ支持部取付ボルト孔631が形成されている。第2ローラ支持部63は、ガイドシュー取付ボルト110が第2ローラ支持部取付ボルト孔631および既設ガイドシュー取付ボルト孔111に挿入されることによって、釣合重り枠107の第2端部112に取り付けられる。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0040】
次に、エレベータ釣合重り搬出入装置を用いたエレベータ釣合重り搬出入方法について説明する。まず、釣合重り103が最下階の乗場104よりも所定距離だけ高い位置に配置されるように、かごを昇降路100の上部に配置させ、固定装置を用いてかごをかご用ガイドレール装置に対して固定する。その後、昇降路100に引出レール7を設置する(搬出入用支持部材設置工程)。釣合重り支持工程については、実施の形態1と同様である。
【0041】
その後、かごと釣合重り103とに接続されたロープをかご及び釣合重り103から取り外し、釣合重り103における第1端部109および第2端部112に取り付けられている既設ガイドシューを取り外し、釣合重り103の第1端部109にガイド装置4および第1端部用ローラ装置5を取り付け、釣合重り103の第2端部112に第2端部用ローラ装置6を取り付ける(ガイド装置ローラ装置取付工程)。
【0042】
図19図12の釣合重り103の長手方向を高さ方向に対して傾斜させた状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図、図20図19の釣合重り103の長手方向を高さ方向に対してさらに傾斜させた状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図、図21図12の釣合重り103の位置が傾倒位置である状態のエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。その後、チェーンブロック22を駆動させて、釣合重り103の第2端部112に取り付けられた第2端部用ローラ装置6の変位用ローラ61が引出レール7に載せられるように釣合重り103を降下させる。
【0043】
その後、第2端部用ローラ装置6を乗場104に向かって移動させながら、チェーンブロック22を駆動させて、釣合重り103を降下させる。これにより、これにより、釣合重り103の位置は、起立位置から傾倒位置に変位する。釣合重り103の位置が起立位置から傾倒位置に変位する場合に、回動ガイドシュー44は、回動軸43を中心に回動しながら、釣合重り用ガイドレール105に案内される。
【0044】
図22図21の回動ガイドシュー44を回動軸43から取り外した状態を示すエレベータ釣合重り搬出入装置を示す正面図である。釣合重り103の位置が傾倒位置になると、第2端部用ローラ装置6の移動用ローラ62と、第1端部用ローラ装置5のローラ51とが、引出レール7に載せられる。その後、回動ガイドシュー44を回動軸43から取り外し、第2端部用ローラ装置6および第1端部用ローラ装置5を引出レール7から乗場104に移動させることによって、釣合重り103を昇降路100から乗場104に搬出する(釣合重り搬出工程)。以上により、昇降路100から乗場104への既設の釣合重り103の搬出が終了する。乗場104から昇降路100への新規の釣合重り103の搬入は、既設の釣合重り103の搬出の逆の手順となる。
【0045】
以上説明したように、この発明の実施の形態2に係るエレベータ釣合重り搬出入装置によれば、第1端部109が引出レール7に沿って移動する場合に引出レール7を転動するローラ51と、ローラ51を回転可能に支持し、第1端部109に取り付けられる第1ローラ支持部52とを有する第1端部用ローラ装置5を備えているので、実施の形態1に係るエレベータ釣合重り搬出入装置と比較して、釣合重り103の第1端部109が載せられる第2台車32を引出レール7に設置することなく、釣合重り103の第1端部109を引出レール7に沿って移動させることができる。これにより、エレベータ釣合重り搬出入装置の構成を簡略化することができる。
【0046】
第1ローラ支持部52は、回動ガイドシュー支持部41とともに釣合重り103に着脱されるので、釣合重り103への第1端部用ローラ装置5の着脱を容易に行うことができる。
【0047】
また、このエレベータ釣合重り搬出入装置は、チェーンブロック22の駆動によって釣合重り103が昇降する場合であって第2端部112が引出レール7に沿って移動する場合に引出レール7を転動する変位用ローラ61と、第2端部112が第1端部109とともに引出レール7に沿って移動する場合に引出レール7を転動する移動用ローラ62と、変位用ローラ61および移動用ローラ62を回転可能に支持し、第2端部112に取り付けられる第2ローラ支持部63とを有する第2端部用ローラ装置6を備えているので、実施の形態1に係るエレベータ釣合重り搬出入装置と比較して、釣合重り103が載せられる第1台車31を引出レール7に設置することなく、釣合重り103の第2端部112を引出レール7に沿って移動させることができる。これにより、エレベータ釣合重り搬出入装置の構成を簡略化することができる。
【0048】
なお、上記実施の形態2では、回動ガイドシュー44を回動軸43から取り外して、釣合重り搬出工程を行う手順について説明したが、ガイド装置4を釣合重り103の第1端部109から取り外して、釣合重り搬出工程を行ってもよい。
【0049】
また、上記実施の形態2では、搬出入用支持部材として、引出レール7を例に説明したが、足場装置1に限らず、第1端部用ローラ装置5および第2端部用ローラ装置6が載せられる足場であってもよい。
【0050】
また、各上記実施の形態では、揚重装置として、チェーンブロック22を例に説明したが、チェーンブロック22に限らず、例えば、ホイストであってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 足場装置、2 吊下装置、3 台車ユニット、4 ガイド装置、5 第1端部用ローラ装置、6 第2端部用ローラ装置、7 引出レール(搬出入用支持部材)、11 サポート、12 足場(搬出入用支持部材)、13 補強部材、21 ワイヤ、22 チェーンブロック(揚重装置)、23 ワイヤ、31 第1台車、32 第2台車、41 回動ガイドシュー支持部、42 軸受、43 回動軸、44 回動ガイドシュー、45 ボルト、51 ローラ、52 第1ローラ支持部、61 変位用ローラ、62 移動用ローラ、63 第2ローラ支持部、100 昇降路、101 ピット、102 釣合重り用ガイドレール装置、103 釣合重り、104 乗場、105 釣合重り用ガイドレール、106 レールブラケット、107 釣合重り枠、108 重り板、109 第1端部、110 ガイドシュー取付ボルト、111 既設ガイドシュー取付ボルト孔、112 第2端部、221 フック部、222 フック部、411 回動ガイドシュー取付ボルト孔、521 ローラ支持部取付ボルト孔、631 ローラ支持部取付ボルト孔。
図1
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