(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る広告審査支援装置、広告審査支援方法および広告審査支援プログラムの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る広告審査支援装置、広告審査支援方法および広告審査支援プログラムが限定されるものではない。
【0011】
[1.広告審査支援処理]
まず、
図1を用いて、実施形態に係る広告審査支援処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る広告審査支援装置が実行する広告審査支援処理の一例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、実施形態に係る広告審査支援装置1は、記憶部12と、取得部21と、検出部22とを備える。記憶部12は、基準情報データベース(DB)31を有する。基準情報DB31には、画像コンテンツ2aを含む複数の基準情報2が記憶されている。
【0013】
基準情報DB31に記憶される基準情報2は、予め設定された審査条件を満たす広告情報であり、例えば、広告主から受け付けた広告情報のうち審査によって承認された広告情報である。
【0014】
取得部21は、広告主から受け付けた複数の広告情報をそれぞれ審査対象3として取得する。かかる広告情報には、画像コンテンツ2a,3a、キーワード2b,3b、ランディングページ2c,3cの情報などの情報が含まれる。広告情報に含まれる画像コンテンツ2a,3aは、広告コンテンツであり、例えば、バナー広告や動画広告などである。
【0015】
キーワード2b,3bは、広告コンテンツを配信する際の条件であり、例えば、かかるキーワード2b,3bを検索キーワードとして入力したユーザの端末装置へ広告コンテンツである画像コンテンツ3aが配信される。ランディングページ2c,3cは、例えば、広告コンテンツのリンク先となるウェブページである。
【0016】
検出部22は、基準情報DB31に記憶された複数の基準情報2を読み出し、かかる基準情報2と取得部21によって取得された審査対象3との類似度を判定する。かかる判定結果に基づき、検出部22は、基準情報2との類似度が所定条件を満たす審査対象3を検出する。
【0017】
例えば、検出部22は、基準情報2の画像コンテンツ2aと審査対象3の画像コンテンツ3aとの類似度(以下、画像類似度と記載する)を判定する。検出部22は、例えば、画像コンテンツ2a,3aに含まれるオブジェクト(特徴物)を検出し、かかるオブジェクトの種類が類似する度合いを画像類似度として判定することができる。
【0018】
また、検出部22は、基準情報2のうち画像コンテンツ2aを除く情報と審査対象3のうち画像コンテンツ3aを除く情報との類似度(以下、情報類似度と記載する)を判定する。検出部22は、例えば、画像コンテンツ2a,3aを除く情報として、キーワード2b,3bやランディングページ2c,3cに記述された情報を取得し、かかる情報を形態素解析やクラスタ分析などを行うことによって特徴語を抽出する。検出部22は、抽出した特徴語が類似する度合いを情報類似度として判定することができる。
【0019】
また、画像コンテンツ2a,3aを除く情報が、画像コンテンツ2a,3aに関連付けられた情報(キーワード2b,3b)やランディングページ2c,3cを含むことから、検出部22は、情報類似度を用いて基準情報2と審査対象3との類似度を容易に判定することができる。
【0020】
検出部22は、例えば、画像類似度と情報類似度とが所定条件を満たす審査対象3、すなわち基準情報2との類似度が比較的高い審査対象3を、審査条件を満たす広告情報として検出することができる。一方、検出部22は、例えば、画像類似度と情報類似度とのいずれかが所定条件を満たさない審査対象3、すなわち基準情報2との類似度が比較的低い審査対象3を、審査条件を満たさない広告情報として検出することができる。
【0021】
このように、実施形態に係る広告審査支援処理では、予め設定された審査条件を満たす広告情報を基準情報2として、審査対象3である広告情報と比較しその類似度を判定するため、広告コンテンツとして画像コンテンツ3aが含まれる広告情報の審査を適切に支援することができる。
【0022】
また、基準情報2を広告主から入稿された広告情報のうち審査によって承認された広告情報とすることによって、過去の審査履歴を用いることができるため、広告審査支援処理を容易に行うことができる。
【0023】
なお、上述した広告審査支援処理では、審査によって承認された広告情報を基準情報2としたが、審査によって拒否された広告情報を基準情報2とすることもできる。
【0024】
[2.広告審査支援装置]
次に、
図2を用いて、実施形態に係る広告審査支援装置1の構成について説明する。
図2は、実施形態に係る広告審査支援装置1の構成例を示す図である。
【0025】
図2に示すように、実施形態に係る広告審査支援装置1は、複数の広告主の端末装置40,40等にネットワークNを介して、有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
【0026】
端末装置40,40は、広告主による操作に従って、広告審査支援装置1に広告情報を入稿する。なお、
図2に示す例では、端末装置40,40を複数台示したが、1台であってもよい。
【0027】
また、広告主は、端末装置40,40を用いて、広告審査支援装置1に広告情報を入稿せずに、かかる入稿を代理店に依頼する場合もある。この場合、広告審査支援装置1に広告情報を入稿するのは代理店となる。したがって、以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけではなく代理店を含む概念であり、「端末装置」といった表記は、広告主の端末装置だけではなく代理店によって利用される代理店の端末装置を含む概念であるものとする。
【0028】
広告審査支援装置1は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備えたサーバである。なお、上述した広告審査支援装置1は、単体の処理装置である必要はなく、クラウドシステム等の複数の処理装置が協調して動作することで実現されてもよい。
【0029】
[2.1.通信部11の構成例]
通信部11は、ネットワークNを介して広告主の端末装置40,40などと通信するための通信インターフェイスであり、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。
【0030】
[2.2.記憶部12の構成例]
記憶部12は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部12は、基準情報DB31および広告情報DB32を記憶する。
【0031】
基準情報DB31には、審査条件を満たす広告情報である基準情報2が複数登録されている。
図3は、基準情報DB31に記憶された基準情報テーブルの一例を示す図である。なお、
図3に示す例では、基準情報DB31に基準情報2が複数登録されるが、これに限られず、基準情報2は1つであってもよい。
【0032】
図3に示すように、基準情報テーブルの一例は、「基準情報ID」、「画像コンテンツ」、「画像の特徴物」、「キーワード」、「LP」および「LP等の特徴語」などの情報を含み、これらの情報は互いに関連付けられている。なお、「LP」は、上述したランディングページ(Landing Page)2cである。
【0033】
「基準情報ID」は、基準情報2毎に割り当てられる識別情報である。「画像コンテンツ」は、例えば、ウェブページに掲載された場合に広告コンテンツに表示される画像を示す情報である。なお、ここでは、画像コンテンツ2aは、静止画に限定されるものではなく、例えば動画などであってもよい。
【0034】
「画像の特徴物」は、画像コンテンツ2aに含まれる特徴物を示す情報である。具体的には、画像コンテンツ2aが解析されて、線の交わりや角、濃淡、色調などに基づいて抽出されたオブジェクトが「画像の特徴物」として登録される。
【0035】
なお、かかる画像の特徴物は、必ずしも画像解析に基づいて登録されることを要せず、例えば基準情報2の登録者によって画像コンテンツ2aの特徴物が判断されて、人為的に登録されるようにしてもよい。
【0036】
なお、
図3に示す例では、基準情報ID「a001」の画像コンテンツ2aには「車」、「乗り物」の特徴物が含まれていることを示している。また、基準情報ID「a002」の画像コンテンツ2aには「山」、「雲」の特徴物が含まれ、基準情報ID「a003」の画像コンテンツ2aには「人の顔」の特徴物が含まれていることを示している。
【0037】
「キーワード」は、広告情報である基準情報2に含まれるキーワード2bを示す情報である。キーワード2bは、上述したように、ユーザによって検索キーワードとして入力されたときに、図示しない広告配信装置からユーザの端末装置に対して広告コンテンツが配信される。
【0038】
かかる例は、検索連動型広告と呼ばれる広告配信手法であるが、この例に限られない。例えば、キーワード2bが、ユーザによって選択されたウェブページと関連する場合に広告コンテンツを配信するコンテンツマッチングと呼ばれる広告配信手法であってもよい。さらには、例えば、キーワード2bが、ユーザの属性情報(サイコグラフィック属性など)とマッチする場合に広告コンテンツを配信するターゲティング配信などの手法であってもよい。なお、上述した広告コンテンツのマッチングは、キーワード2bに加え、または、キーワード2bに代えて画像コンテンツ2aやLP2cの情報に基づいて行われてもよい。
【0039】
また、キーワード2bは、必ずしも基準情報2や、後述する広告主から受け付けた広告情報に含まれていること要しない。
図3に示す例では、基準情報ID「a001」のキーワード2bに、「新車販売」、「ニューモデル」などが含まれているが、広告ID「a002」、「a003」には、キーワード2bが含まれていないことを示している。
【0040】
「LP」は、広告コンテンツのリンク先であるLP2cを示す情報である。なお、
図3に示す例においては、「LP」として、LP2cのデータが置かれたURL(Uniform Resource Locator)を示しているが、これに限られず、LP2cを構成するHTML(HyperText Markup Language)ファイル等であってもよい。
【0041】
「LP等の特徴語」は、LP2cやキーワード2bから抽出された特徴語を示す情報である。特徴語は、上述したように、LP2cなどの情報に基づいて抽出される。具体的には、例えば、LP2cであるウェブページ内のテキストデータと、キーワード2bのテキストデータとを形態素解析を用いて単語毎に分解し、分解された単語に対してクラスタ分析を行って互いに似たものを集めて分類する。そして、例えば互いに似ているとして多く分類されたテキストデータが上述した特徴語として登録される。
【0042】
なお、
図3に示す例では、基準情報ID「a001」の特徴語として「車販売」、基準情報ID「a002」の特徴語として「登山ツアー販売」、基準情報ID「a003」の特徴語に「化粧品販売」が含まれていることを示している。なお、上述した画像の特徴物やLP2c等の特徴語は、1つであっても複数であってもよい。
【0043】
ここで、審査条件について説明する。上述したように、基準情報2は、例えば、広告主から受け付けた広告情報のうち、審査条件を満たすとして審査によって承認された広告情報、すなわち、入稿承認済みの広告情報である。なお、かかる入稿承認済みの広告情報は、所定の広告情報の一例である。
【0044】
上述の審査条件は、例えば広告配信業者によって予め設定され、条件の内容も任意に設定可能である。広告情報が審査条件を満たすか否かの判定は、例えば、広告配信業者において人為的に行われてもよく、また、広告審査支援装置1が図示しない判定部を備え、かかる判定部によって行われてもよい。
【0045】
判定部で上述の判定が行われる場合、例えば、判定部は、広告情報の画像コンテンツ3aと画像コンテンツ3aを除く情報(例えばLP3cやキーワード3b)との関連性があるか否かを判定し、関連性がある場合、広告情報が審査条件を満たすと判定することができる。
【0046】
具体的には、例えば、判定部は、画像コンテンツ3aに基づいて上述した画像の特徴物を抽出し、抽出された画像の特徴物が、いずれのカテゴリ(例えば食品、車、旅行など)に属するかを分類する。また、判定部は、LP3cやキーワード3bに基づいて上述したLP3c等の特徴語を抽出し、抽出された特徴語が、いずれのカテゴリに属するかを分類する。
【0047】
そして、判定部は、例えば、特徴物と特徴語とが同じまたは類似のカテゴリに属する場合、画像コンテンツ3aと画像コンテンツ3aを除く情報との関連性がある、すなわち、広告情報が審査条件を満たすと判定する。一方、判定部は、例えば、特徴物と特徴語とが非類似で異なるカテゴリに属する場合、画像コンテンツ3aと画像コンテンツ3aを除く情報との関連性がないまたは比較的低いと判定し、広告情報が審査条件を満たさないと判定する。なお、上述した審査条件は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0048】
広告情報DB32には、広告主から受け付けた広告情報が登録されている。
図4は、広告情報DB32に記憶された広告情報テーブルの一例を示す図である。
図4に示すように、広告情報テーブルの一例は、「審査対象ID」、「画像コンテンツ」、「画像の特徴物」、「キーワード」、「LP」、「LP等の特徴語」、「審査対象検出」および「通知フラグ」などの情報を含み、これらの情報は互いに関連付けられている。
【0049】
「審査対象ID」は、広告主から受け付けた広告情報毎に割り当てられる識別情報である。なお、かかる審査対象IDには、例えば広告主を識別する識別情報を関連付けるようにしてもよい。
【0050】
「画像コンテンツ」、「画像の特徴物」、「キーワード」、「LP」および「LP等の特徴語」については、上述した基準情報DB31での説明が概ね妥当するため、説明を省略する。
【0051】
なお、
図4に示す例では、審査対象ID「b001」の広告情報については、画像コンテンツ3aには「車」、「乗り物」の特徴物が含まれており、キーワード3bは「中古車販売」、LP3c等の特徴語は「車販売」が含まれていることを示している。
【0052】
また、審査対象ID「b002」の広告情報については、画像コンテンツ3aには「山」、「雲」の特徴物が含まれており、LP等の特徴語は「宝石販売」が含まれ、キーワード3bは含まれていないことを示している。
【0053】
また、審査対象ID「b003」の広告情報については、画像コンテンツ3aには「携帯電話」の特徴物が含まれており、キーワード3bは「携帯電話」、「ニューモデル」、LP3c等の特徴語は「化粧品販売」が含まれていることを示している。
【0054】
また、審査対象ID「b004」の広告情報については、画像コンテンツ3aには「自転車」、「乗り物」の特徴物が含まれており、LP3c等の特徴語は「自転車レース参加申込」が含まれ、キーワード3bは含まれていないことを示している。
【0055】
続いて、「審査対象検出」は、後述する処理において、審査対象3が、対応する基準情報2との類似度において、検出される所定条件を満たしているか否かを示す情報である。
図4に示す例では、所定条件を満たすとされる審査対象には「OK」、所定条件を満たさない審査対象には「NG」と登録される。
【0056】
「通知フラグ」は、後述する処理の内容に応じ、かかる内容を広告配信業者や広告主に対して通知するか否かを示す情報である。なお、
図4に示す例では、広告審査支援装置1は、所定条件を満たして検出される審査対象の場合は、通知フラグに「1」を登録して通知を行う。また、広告審査支援装置1は、所定条件を満たさずに検出されない審査対象の場合は、通知フラグに「0」を登録して通知を行わない。なお、上記では、「通知フラグ」に「1」や「0」を登録する条件を示したが、これは例示であって、かかる条件は任意に設定可能である。
【0057】
[2.3.制御部13の構成例]
制御部13は、例えば、CPUやMPU等によって、制御部13内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0058】
図2に示すように、制御部13は、取得部21と、検出部22と、通知部23とを備える。また、検出部22は、第1判定部24aと、第2判定部24bとを備える。なお、制御部13の内部構成は、
図2に示した構成に限られず、後述する検出処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、
図2に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0059】
取得部21は、広告主から受け付けた複数の広告情報をそれぞれ審査対象3として取得する。なお、取得部21においては、広告情報を広告主の端末装置40,40から直接取得しても、他の装置を介して取得してもよい。そして、取得部21は、取得した広告情報を広告情報DB32に登録する。
【0060】
検出部22は、広告情報DB32から審査対象3たる広告情報を複数読み出すとともに、基準情報DB31から基準情報2を読み出して取得する。そして、検出部22は、基準情報2や審査対象3について、上述した特徴物や特徴語を検出し、検出した特徴物や特徴語をそれぞれ対応する基準情報2や審査対象3に関連付けする。
【0061】
なお、検出部22が基準情報2の特徴物等を検出して関連付けるタイミングは、上記したタイミングに限定されるものではない。すなわち、例えば、検出部22は、審査対象3を読み出すタイミングよりも前に、特徴物等を基準情報2に関連付けして基準情報DB31に予め登録しておいてもよい。これにより、例えば、後述する画像類似度の判定などの処理時間を、特徴物等の検出および関連付けに要する時間の分だけ短縮することができる。
【0062】
また、検出部22は、読み出した審査対象3および基準情報2に基づき、複数の審査対象3のうち基準情報2との類似度が所定条件を満たす審査対象3を検出する。かかる類似度は、上述した画像類似度や情報類似度を含み、これら画像類似度や情報類似度が所定条件を満たすか否かの判定は、第1判定部24aまたは第2判定部24bで行われる。
【0063】
第1判定部24aは、基準情報2の画像コンテンツ2aと審査対象3の画像コンテンツ3aとの類似度、すなわち画像類似度を判定する。例えば、第1判定部24aは、基準情報2の画像コンテンツ2aの特徴物と、審査対象3の画像コンテンツ3aの特徴物とに基づいて、画像類似度を判定する。
【0064】
すなわち、第1判定部24aは、基準情報2の画像コンテンツ2aの特徴物と、審査対象3の画像コンテンツ3aの特徴物とを、クラスタ分析などを用いて、例えば食品、車、旅行などのカテゴリに分類する。そして、第1判定部24aは、分類されたカテゴリが同じまたは類似である場合、画像類似度が所定条件を満たすと判定する。他方、第1判定部24aは、分類されたカテゴリが非類似で異なる場合、画像類似度が所定条件を満たさないと判定する。
【0065】
上述した画像類似度の判定について、
図3,4で示した具体例を用いて説明する。まず、第1判定部24aが、基準情報ID「a001」の基準情報2と審査対象ID「b001」の審査対象3とについて判定を行う場合、特徴物のカテゴリはともに「車」になることから、画像類似度が所定条件を満たすと判定する。他方、第1判定部24aが、基準情報ID「a002」の基準情報2と審査対象ID「b001」の審査対象3とについて判定を行う場合、特徴物のカテゴリは「山」と「車」とで異なることから、画像類似度が所定条件を満たさないと判定する。なお、「山」と「車」とは非類似であるものとする。
【0066】
なお、上述した第1判定部24aにおける画像類似度の判定手法は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、例えば、第1判定部24aは、基準情報2の画像コンテンツ2aと審査対象3の画像コンテンツ3aとをパターンマッチング処理等を行うことにより、画像間の画像類似度を判定してもよい。
【0067】
また、第1判定部24aは、基準情報2や審査対象3の画像コンテンツ2a,3aのファイル名や画像コンテンツ2a,3aにタグ付けされた情報(例えば画像内容に関する情報)などを比較し、画像類似度を判定してもよい。また、第1判定部24aは、画像類似度をスコア化し、スコアが所定値以上の場合に画像類似度が所定条件を満たすと判定してもよい。
【0068】
第2判定部24bは、基準情報2のうち画像コンテンツ2aを除く情報と審査対象3のうち画像コンテンツ3aを除く情報との類似度、すなわち情報類似度を判定する。例えば、第2判定部24bは、基準情報2のLP2c等の特徴語と、審査対象3のLP3c等の特徴語とに基づいて、情報類似度を判定する。
【0069】
すなわち、第2判定部24bは、基準情報2の特徴語と審査対象3の特徴語とを、クラスタ分析などを用いてカテゴリ分けする。そして、第2判定部24bは、分類されたカテゴリが同じまたは類似である場合、情報類似度が所定条件を満たすと判定する。他方、第2判定部24bは、分類されたカテゴリが非類似で異なる場合、情報類似度が所定条件を満たさないと判定する。
【0070】
上述した情報類似度の判定について、
図3,4で示した具体例を用いて説明する。まず、第2判定部24bが、基準情報ID「a001」の基準情報2と審査対象ID「b001」の審査対象3とについて判定を行う場合、特徴語のカテゴリはともに「車」(または車販売)になることから、情報類似度が所定条件を満たすと判定する。他方、第2判定部24bが、基準情報ID「a002」の基準情報2と審査対象ID「b001」の審査対象3とについて判定を行う場合、特徴語のカテゴリは「旅行」(または「登山ツアー販売」)と「車」(または「車両販売」)とで異なることから、情報類似度が所定条件を満たさないと判定する。なお、「旅行」と「車」とは非類似であるものとする。
【0071】
なお、上述した第2判定部24bにおける情報類似度の判定手法は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、例えば、第2判定部24bは、基準情報2のLP2cに含まれる画像情報と審査対象3のLP3cに含まれる画像情報とをパターンマッチング処理等を行うことにより、情報類似度を判定してもよい。
【0072】
また、第2判定部24bは、基準情報2や審査対象3のLP2c,3cのファイル名やLP2c,3cにタグ付けされた情報(例えばLP2c,3cの内容に関する情報)などを比較し、情報類似度を判定してもよい。また、第2判定部24bは、情報類似度をスコア化し、スコアが所定値以上の場合に情報類似度が所定条件を満たすと判定してもよい。
【0073】
上述した画像類似度や情報類似度の判定がなされると、検出部22は、画像類似度と情報類似度とが所定条件を満たす審査対象3を検出する。
図4に示す具体例では、検出部22は、例えば、審査対象ID「b001」の審査対象3を検出する。
【0074】
そして、検出部22は、基準情報DB31において、複数の審査対象3から検出した審査対象3に対応する通知フラグに「1」を、検出しない審査対象3に対応する通知フラグに「0」をセットする。
【0075】
通知部23は、基準情報DB31に登録された通知フラグが「1」の審査対象3について、広告配信業者や広告主に対して通知する。これにより、例えば、広告配信業者は、通知がなされた審査対象3を人為的な審査の対象から外すことが可能となり、広告情報の審査を適切に支援することができる。
【0076】
すなわち、通知がなされた審査対象3は、承認済みの基準情報2との類似度が比較的高く、よって人為的な審査でも承認される可能性が比較的高い。そこで、広告審査支援装置1にあっては、そのような審査対象3を複数の審査対象3のうちから検出することができるため、広告情報の審査を適切に支援することができる。
【0077】
[3.広告審査支援装置1の処理フロー]
次に、広告審査支援装置1による広告情報の検出処理の手順の一例について説明する。
図5は、広告審査支援装置1による検出処理手順を示すフローチャートである。
【0078】
なお、
図5に示す処理は、広告情報が入稿されたときのみならず、入稿されて広告情報の広告コンテンツがウェブページに掲示された後も、広告審査支援装置1の制御部13によって繰り返し実行されるようにしてもよい。
【0079】
図5に示すように、制御部13は、広告情報が端末装置40,40から入稿されたか否かを判定する(ステップS101)。制御部13は、広告情報の入稿がないと判定された場合(ステップS101,No)、以降の処理をスキップしてプログラムを終了する。一方、制御部13は、広告情報の入稿があったと判定された場合(ステップS101,Yes)、基準情報2を取得する(ステップS102)。
【0080】
続いて、制御部13は、画像類似度が所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS103)。そして、制御部13は、画像類似度が所定条件を満たすと判定された場合(ステップS103,Yes)、情報類似度が所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS104)。
【0081】
なお、例えば基準情報2が、
図3に示すように複数ある場合、ステップS104にあっては、複数の基準情報2のうち、ステップS103で画像類似度が所定条件を満たすと判定された基準情報2に対して情報類似度が所定条件を満たすか否かを判定することが好ましい。すなわち、逆に言えば、ステップS104では、ステップS103で画像類似度が所定条件を満たさないと判定された基準情報2については、情報類似度の判定を行わないようにすることが好ましい。
【0082】
これにより、広告審査支援装置1においては、例えば、複数ある基準情報2の全てに対して、情報類似度の判定を行う場合に比べて、検出処理を効率よく、短時間で行うことが可能となる。
【0083】
続いて、制御部13は、審査対象3と基準情報2とについて情報類似度が所定条件を満たすと判定された場合(ステップS104,Yes)、当該審査対象3を検出して広告配信業者へ通知する(ステップS105)。
【0084】
他方、制御部13は、審査対象3と基準情報2とについて画像類似度が所定条件を満たさないと判定された場合(ステップS103,No)、または、情報類似度が所定条件を満たさないと判定された場合(ステップS104,No)、当該審査対象3を検出しない(ステップS106)。
【0085】
なお、上記において、制御部13は、ステップS103,S104において、画像類似度、情報類似度の順番で判定を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、情報類似度、画像類似度の順番で判定を行うようにしてもよい。
【0086】
かかる場合、後段となる画像類似度の判定処理にあっては、複数の基準情報2のうち、前段で情報類似度が所定条件を満たすと判定された基準情報2に対して画像類似度の判定を行うことが好ましい。逆に言えば、画像類似度の判定処理では、情報類似度が所定条件を満たさないと判定された基準情報2については、画像類似度の判定を行わないようにすることが好ましい。
【0087】
これにより、広告審査支援装置1においては、例えば、複数ある基準情報2の全てに対して、画像類似度の判定を行う場合に比べて、検出処理を効率よく、短時間で行うことが可能となる。
【0088】
[4.変形例]
上述した実施形態に係る広告審査支援装置1は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、上記の広告審査支援装置1の変形例について説明する。
【0089】
図6は、変形例に係る広告審査支援装置1による検出処理手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、変形例に係る制御部13は、情報類似度が所定条件を満たさないと判定された場合(ステップS104,No)、画像コンテンツ3aとLP3c等との関連性が所定条件を満たすか否かを判定する(ステップS107)。
【0090】
具体的には、審査対象3のなかには、画像コンテンツ3aは基準情報2の画像コンテンツ2aと関連性があるものの、LP3c等が基準情報2のLP2c等と関連性がないものがある。ステップS107では、そのような審査対象3について、審査対象3の画像コンテンツ3aとLP3c等との関連性が所定条件を満たすか否かを判定する処理である。
【0091】
図4に示す具体例で詳説すると、該当する審査対象3は審査対象ID「b004」の広告情報である。この審査対象3は、基準情報ID「a001」の基準情報2に対し、画像類似度は所定条件を満たすが、情報類似度は所定条件を満たさない。なお、「自転車レース参加申込」と「車」(または車販売)とは非類似であるものとする。
【0092】
このような審査対象ID「b004」の審査対象3に対し、変形例では、画像コンテンツ3aとLP3c等との関連性が所定条件を満たすか否かを判定するようにした。そして、制御部13は、画像コンテンツ3aとLP3c等との関連性が所定条件を満たす、換言すれば、関連性があると判定された場合(ステップS107,Yes)、当該審査対象3を検出して広告配信業者へ通知する。なお。「自転車」と「自転車レース参加申込」とは関連性がある(類似である)ものとする。
【0093】
このように、制御部13の検出部22は、基準情報2の画像コンテンツ(基準画像コンテンツ)2aとの画像類似度が所定条件を満たす審査対象3において、画像コンテンツ(審査画像コンテンツ)3aと当該審査画像コンテンツ3aを除く情報(例えばLP3c)との関連性がある場合に、所定条件を満たす審査対象として検出する。
【0094】
これにより、広告審査支援装置1にあっては、広告情報の審査をより適切に支援することができる。すなわち、審査対象ID「b004」の審査対象3のように、基準情報2とは類似度が所定条件を満たさない場合であっても、画像コンテンツ3aとLP3c等との関連性を有していれば、後の人為的な審査において承認される可能性が高い。
【0095】
そこで、広告審査支援装置1にあっては、上述のように構成することで、審査対象ID「b004」の審査対象3も審査の対象から外すことが可能となり、よって広告情報の審査をより適切に支援することができる。
【0096】
なお、制御部13は、画像コンテンツ3aとLP3c等との関連性が所定条件を満たさない場合(ステップS107,No)、当該審査対象3を検出しない(ステップS106)。
【0097】
[5.効果]
実施形態に係る広告審査支援装置1は、記憶部12と、取得部21と、検出部22とを備える。記憶部12は、画像コンテンツ2aを含む所定の広告情報を基準情報2として記憶する。取得部21は、広告主から受け付け且つ画像コンテンツ3aを含む複数の広告情報をそれぞれ審査対象3として取得する。検出部22は、複数の審査対象3のうち基準情報2との類似度が所定条件を満たす審査対象3を検出する。これにより、広告コンテンツとして画像コンテンツ3aが含まれる広告情報の審査を適切に支援することができる。
【0098】
また、広告審査支援装置1においては、検出部22は、基準情報2の画像コンテンツ2aと審査対象3の画像コンテンツ3aとの画像類似度を判定する第1判定部24aと、基準情報2のうち画像コンテンツ2aを除く情報と審査対象3のうち画像コンテンツ3aを除く情報との情報類似度を判定する第2判定部24bとを備える。第1判定部24aによって判定された画像類似度と第2判定部24bによって判定された情報類似度とが所定条件を満たす審査対象3を検出する。これにより、広告情報の審査をより適切に支援することができる。
【0099】
また、広告審査支援装置1では、記憶部12は、基準情報2を複数記憶しており、第2判定部24bは、複数の基準情報2のうち第1判定部24aによって判定された審査対象3との画像類似度が所定条件を満たす基準情報2がある場合に、当該基準情報2のうち画像コンテンツ2aを除く情報と審査対象3のうち画像コンテンツ3aを除く情報との情報類似度を判定する。これにより、例えば、複数ある基準情報2の全てに対して、情報類似度の判定を行う場合に比べて、検出処理を効率よく、短時間で行うことが可能となる。
【0100】
また、広告審査支援装置1では、第1判定部24aは、複数の基準情報2のうち第2判定部24bによって判定された審査対象3との情報類似度が所定条件を満たす基準情報2がある場合に、当該基準情報2のうち画像コンテンツ2aと審査対象3の画像コンテンツ3aとの画像類似度を判定する。これにより、例えば、複数ある基準情報2の全てに対して、画像類似度の判定を行う場合に比べて、検出処理を効率よく、短時間で行うことが可能となる。
【0101】
また、広告審査支援装置1では、検出部22は、基準情報2の画像コンテンツ(基準画像コンテンツ)2aとの画像類似度が所定条件を満たす審査対象3aにおいて、画像コンテンツ(審査画像コンテンツ)3aと当該審査画像コンテンツ3aを除く情報との関連性が所定条件を満たす場合に、所定条件を満たす審査対象3として検出する。これにより、広告情報の審査をより適切に支援することができる。
【0102】
また、広告審査支援装置1では、画像コンテンツ2a,3aを除く情報には、画像コンテンツ2a,3aに関連付けられた情報(キーワード2b,3b)、および、画像コンテンツ2a,3aのリンク先のページ(LP2c,3c)の情報のうち少なくとも一つを含む。これにより、検出部22は、情報類似度を用いて基準情報2と審査対象3との類似度を容易に判定することができる。
【0103】
また、広告審査支援装置1では、所定の広告情報は、画像コンテンツ2aを含む入稿承認済みの広告情報である。これにより、過去の審査履歴を用いることができるため、広告審査支援処理を容易に行うことができる。
【0104】
[6.ハードウェア構成]
なお、上述した実施形態における広告審査支援装置1は、例えば、
図7に示すような構成のコンピュータ100がプログラムを実行することによって実現される。
図7は、プログラムを実行するコンピュータ100のハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ100は、CPU101、RAM102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、通信インターフェイス(I/F)105、入出力インターフェイス(I/F)106、およびメディアインターフェイス(I/F)107を備える。
【0105】
CPU101は、ROM103またはHDD104に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM103は、コンピュータ100の起動時にCPU101によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ100のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0106】
HDD104は、CPU101によって実行されるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス105は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信してCPU101へ送り、CPU101が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0107】
CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU101は、入出力インターフェイス106を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU101は、生成したデータを、入出力インターフェイス106を介して出力装置へ出力する。
【0108】
メディアインターフェイス107は、記録媒体108に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM102を介してCPU101に提供する。CPU101は、当該プログラムを、メディアインターフェイス107を介して記録媒体108からRAM102上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体108は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0109】
コンピュータ100が上述した実施形態に係る広告審査支援装置1として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより、例えば、制御部13の機能を実現する。また、HDD104には、記憶部12内のデータが記憶される。コンピュータ100のCPU101は、プログラムを、記録媒体108から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、ネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0110】
なお、上述した実施形態では、基準情報2と審査対象3との間においては、画像コンテンツ2a,3a同士、画像コンテンツ2a,3aを除く情報(LP2c,3c等)同士を比較して類似度を判定するようにしたが、類似度を判定するための比較対象は、これら2つの組み合わせに限定されるものではない。
【0111】
すなわち、例えば、基準情報2の画像コンテンツ2aと、審査対象3の画像コンテンツ3aを除く情報(LP3c等)とを比較対象として、類似度を判定するようにしてもよい。さらには、基準情報2の画像コンテンツ2aを除く情報(LP2c等)と、審査対象3の画像コンテンツ3aとを比較対象として、類似度を判定するようにしてもよい。
【0112】
広告審査支援装置1にあっては、上述した4つの比較対象の組み合わせの全てあるいは一部を用いるようにすれば、基準情報2と審査対象3との類似判定の精度を向上させることも可能となる。
【0113】
また、第1判定部24aの判定結果および第2判定部24bの判定結果のいずれか一方に対して、審査対象3と基準情報2との類似度の判定精度を向上させるような重み付けを設定するようにしてもよい。
【0114】
なお、上述した実施形態では、審査する対象として広告情報を例に挙げたが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、審査する対象としては、画像コンテンツなどを含むものであればどのような情報であってもよい。
【0115】
なお、審査対象3となる広告情報や基準情報2は、上述した画像コンテンツ2a,3aやLP2c,3c、キーワード2b,3bの情報に限定されるものではない。すなわち、たとえば、広告コンテンツに表示されるタイトルの情報や、広告コンテンツの説明として表示されるディスクリプションなどの情報を含んでいてもよい。
【0116】
[7.その他]
以上、本願の実施形態の一態様を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0117】
上述した広告審査支援装置10は、それぞれ複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0118】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、検出部は、検出手段や検出回路に読み替えることができる。