(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は監視システムの全体構成を示すブロック図である。本実施の形態に係る監視システムでは、害虫、鼠、微生物など監視対象区域から排除すべき生物を捕獲するための捕獲器(トラップ)を監視対象区域内に複数設置しておき、各トラップにおける捕獲数を一定期間(例えば一ヶ月)毎に集計することにより、害虫、鼠、微生物等の出現状況を監視する。ここで、監視対象区域は、防虫・防鼠管理、微生物対策、及び衛生管理を要望する顧客によって指定される任意の区域であり、例えば、食品の加工、製造、保管、梱包、販売などを行う工場内、倉庫内、店舗内等が含まれる。
なお、本実施の形態に係る監視システムにより監視対象となる害虫、鼠、微生物などの生物を、以下では監視対象生物と称する。
【0010】
監視システムは、インターネット、専用回線などの通信ネットワークNにより通信可能に接続されたサーバ装置10及びクライアント装置20を備える。
【0011】
サーバ装置10は、顧客により指定された監視対象区域内での監視対象生物の出現状況を監視するための監視装置であり、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、及び通信部15を備える。
【0012】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)などを備える。制御部11内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラム、及び記憶部12に予め記憶された監視プログラムを実行することにより、装置全体を本願の監視装置として機能させる。また、制御部11は、日時情報を出力する時計手段、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
【0013】
記憶部12は、例えばハードディスクドライブにより構成されており、前述の監視プログラムを記憶すると共に、各種データベース(DB)を備える。記憶部12が備えるデータベースには、後述する図面管理データベース12A、捕獲数データベース12B、事案データベース12Cが含まれる。記憶部12は、制御部11からの指示により、これらのデータベースに対するデータの書き込み、及びデータの読み出しを行う。
【0014】
なお、本実施の形態では、便宜的に図面管理データベース12A、捕獲数データベース12B、事案データベース12Cの3つのデータベースに分割して記載したが、データベースの構成は適宜設計し得るものであり、上記3つのデータベースを1つのデータベースに纏めてもよい。
【0015】
操作部13は、キーボード、マウス等の入力デバイスを含み、システム管理者等による操作及びデータ入力を受付ける。制御部11は、操作部13にて受付けた操作を基に各種制御を行い、必要に応じて受付けたデータを記憶部12内のデータベース12A〜12Cに記憶させる。また、表示部14は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを含み、システム管理者等に報知すべき情報を表示する。
【0016】
なお、本実施の形態では、サーバ装置10が操作部13及び表示部14を備える構成としたが、通信ネットワークNを介して接続される端末装置(不図示)を通じて、各種操作及びデータの入力を受付け、システム管理者等に報知すべき情報を当該端末装置に表示する構成であってもよい。
【0017】
通信部15は、通信ネットワークNに接続されており、クライアント装置20から送信される各種要求を受信すると共に、受信した要求に応じて生成したデータをクライアント装置20へ送信する。
【0018】
クライアント装置20は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末等の顧客が使用する端末であり、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を備える。
【0019】
制御部21は、例えばCPU、ROMなどを備える。制御部21内のCPUは、ROMに予め格納された制御プログラムを実行することにより、上述したハードウェア各部の動作を制御する。
【0020】
記憶部22は、例えばハードディスクドライブにより構成されており、サーバ装置10にアクセスするためのユーザインタフェースを提供するソフトウェアプログラム、サーバ装置10より受信したデータ等を記憶する。
【0021】
通信部23は、通信ネットワークNに接続されており、サーバ装置10に対して各種要求を送信すると共に、要求に応じてサーバ装置10から返信される各種データを受信する。
【0022】
操作部24は、キーボード、マウス等の入力デバイスを含み、顧客による操作及びデータ入力を受付ける。制御部21は、操作部24より受付けた操作を基に各種制御を行い、必要に応じて受付けたデータを記憶部22に記憶させる。また、表示部25は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスを含み、顧客に報知すべき情報を表示する。
【0023】
本実施の形態に係る監視システムでは、各トラップにおける監視対象生物の種別毎の捕獲数を集計する準備段階として、監視対象区域内に設置したトラップの情報をサーバ装置10にて受付け、図面管理データベース12Aに登録する。
【0024】
図2はトラップの設定画面100を示す模式図である。上述した監視プログラムがサーバ装置10にて起動した状態において、トラップの設定画面100を呼び出すために予め定められた操作を操作部13を通じて受付けた場合、制御部11は、
図2に示すような設定画面100を表示部14に表示させる。
【0025】
設定画面100は、図面取込ボタン101、図面表示欄102、図面名登録ボタン103、図面選択欄104、捕獲方法選択欄105、登録済トラップ表示欄106等のGUI(Graphical User Interface)を備える。
【0026】
サーバ装置10に監視対象区域の新たな図面を登録する場合、図面取込ボタン101が押下操作される。図面取込ボタン101の押下操作を受付けた場合、制御部11は、取得すべき図面データを選択するための選択画面(不図示)を表示部14に表示し、選択画面より選択された図面データを取得する。なお、選択すべき図面データは、サーバ装置10の記憶部12に予め記憶されていてもよく、通信によりクライアント装置20から受信する構成であってもよい。制御部11は、取得した図面データに基づく監視対象区域の図面を図面表示欄102に表示させる。
【0027】
図面表示欄102に表示した監視対象領域の図面に対して図面名を付与するために、図面名登録ボタン103が押下操作される。図面名登録ボタン103の押下操作を受付けた場合、制御部11は、図面名入力画面(不図示)を表示部14に表示して、表示中の図面に付与すべき名称を受付ける。制御部11は、図面名入力画面を通じて受付けた名称を当該図面のデータに関連付けて図面管理データベース12Aに登録する。
【0028】
また、図面管理データベース12Aに登録済みの既存の図面を呼び出すために、図面選択欄104を通じて図面の選択を受付ける。制御部11は、図面選択欄104により選択された図面のデータを図面管理データベース12Aから読み込み、当該図面のデータに基づいて監視対象区域の図面を図面表示欄102に表示させる。
図2は、「A棟1階」という図面名が付与された図面を呼び出し、図面表示欄102に該当する図面を表示した例を示している。
【0029】
図面表示欄102の表示領域内(すなわち、監視対象区域の図面上)において、予め定められた操作(例えばマウスによるクリック操作)を受付けた場合、制御部11は、監視対象区域に実際に設置したトラップの情報を登録するための画面として、
図3に示すようなトラップ詳細入力画面110を表示部14に表示させる。
【0030】
図3はトラップ詳細入力画面110の一例を示す模式図である。トラップ詳細入力画面110は、トラップの識別子であるトラップ番号(No.)、トラップが設置されている室名、ゾーンの種別、管轄名、捕獲資材の種類、捕獲資材の枚数の入力を受付けるための入力欄111を備える。
【0031】
ここで、ゾーンは、トラップが設置されている場所の区分を示している。本実施の形態では、生息する昆虫等の異物が製品に直接的にダメージを及ぼすと考えられる区域(清潔区(A))、昆虫類が「一般区」から「清潔区」に分散することを防ぐために、その中間地点として設定された区域(準清潔区(B))、及び建屋内で外部に近い区域の中でも、生産設備及び製品の保管状態を考慮した上で、ここに生息する昆虫類が製品自体に直接危害を与えにくい区域(一般区(C))の3種類に区分される。
【0032】
また、捕獲資材は、監視対象生物を捕獲するためにトラップで使用される材料を示す。本実施の形態では、監視対象区域に設置されるトラップとして、粘着剤を塗布したシートを床面に配置して偶然接近した昆虫を捕獲する粘着トラップ、昆虫が好む近紫外線を発する光源を用いて誘引及び捕獲するライトトラップ、徐放性フェロモンを用いて特定の昆虫を誘引及び捕獲するフェロモントラップ、鼠が侵入すると入口が閉まる金属箱を主に壁際に配置し、鼠を捕獲する捕獲箱等が用いられる。
【0033】
トラップ詳細入力画面110の入力欄111を通じてトラップの情報が入力され、終了ボタン112が押下操作された場合、制御部11は、入力されたトラップの情報を図面管理データベース12Aに登録する。このとき、制御部11は、トラップの設置場所に係る情報を併せて図面管理データベース12Aに登録する。例えば、トラップ詳細入力画面110を呼び出すために図面上で受付けたクリック操作の操作点の座標値がトラップの設置場所に係る情報として図面管理データベース12Aに登録される。
【0034】
制御部11は、図面管理データベース12Aに登録したトラップの情報を登録済トラップ表示欄106に表示すると共に、各トラップの識別子を図面表示欄121の図面に重畳して表示する。
図2に示す例は、「1」〜「12」の識別子を有するトラップの情報が登録済トラップ表示欄106に表示され、「1」〜「12」の識別子が図面表示欄102の図面上に重畳された状態を示している。なお、
図2に示す例では、捕獲方法選択欄105にて粘着トラップが選択されているので、各種トラップのうち、粘着トラップの情報のみが示されている。
【0035】
設定画面100の図面表示欄102において識別子に対するドラッグ操作を受付けた場合、制御部11は、変更後のトラップの位置に基づき、トラップの設置場所に係る情報を更新する。また、図面表示欄102において識別子に対する選択操作(例えばダブルクリック操作)を受付けた場合、当該識別子に対応するトラップのトラップ詳細入力画面110を表示し、トラップ情報の変更及び削除を受付ける。トラップ情報を削除する場合には、トラップ詳細入力画面110にて削除ボタン113が押下操作される。トラップ詳細入力画面110を通じて、トラップ情報の変更及び削除を受付けた場合、制御部11は、図面管理データベース12Aの該当する項目を更新する。
【0036】
各トラップの設置後、予め定めた集計期間(例えば一ヶ月)が経過した場合、各トラップにて捕獲した監視対象生物の種別毎の捕獲数を集計する。捕獲数の集計は、監視システムのサービスを提供するサービス提供側が行っても良く、顧客側が行っても良い。捕獲数の集計後、各トラップにおける捕獲資材は新たなものに取り替えられ、次の集計期間が開始される。
【0037】
サーバ装置10は、操作部13を通じて捕獲数の入力を受付ける。
図4は捕獲数の入力画面120を示す模式図である。上述した監視プログラムがサーバ装置10にて起動した状態において、捕獲数の入力画面120を呼び出すために定められた操作を操作部13を通じて受付けた場合、制御部11は、
図4に示すような入力画面120を表示部14に表示させる。
【0038】
入力画面120が備える捕獲数入力欄121は、例えば行方向及び列方向に複数のセルを有するスプレッドシートからなり、「チョウバエ」、「ノミバエ・ニセケバエ」、「フンコバエ」、「ショウジョウバエ」、「チャタテムシ」等の種別毎の捕獲数の入力を操作部13を通じて受付ける。なお、入力画面120を表示部14に表示させる際、制御部11は、図面管理データベース12Aから各トラップの情報を読み出し、スプレッドシートに各トラップの情報を書き込むことにより、
図4に示すような捕獲数入力欄121を作成する。
なお、捕獲した監視対象生物を同定し易くするために、サーバ装置10又はクライアント装置20から、虫の写真、学名、形態特徴、活動時期、育成速度、食物、発生源例、分布、同定ポイント等の情報を関連付けて記憶したデータベース(不図示)にアクセスできるようにしてもよい。
【0039】
制御部11は、入力された種別毎の捕獲数に基づき、各トラップにおける捕獲数の総合計を算出し、算出結果を総合計の欄に書き込む。また、監視対象生物について設定した分類(グループ)が存在する場合、制御部11は、各トラップにおける捕獲数の分類毎の合計を算出し、該当する分類合計の欄に書き込む。なお、
図4に示した例では、分類1(例えば、主に飛翔により移動を行う飛翔性グループ)及び分類2(例えば、主に歩行により移動を行う歩行性グループ)の2つの分類が設定されていることを示している。監視対象生物の分類は適宜設定することができ、上述した行動パターンによる分類のほか、生態(発生源)による分類が可能である。生態による分類は、排水発生種、食菌性種、貯穀発生種、水系発生種、緑地発生種、残渣発生種、内部発生種などを含む。
【0040】
捕獲数入力欄121より各トラップにおける種別毎の捕獲数の入力を受付け、終了ボタン122が押下操作された場合、制御部11は、入力された捕獲数の情報を捕獲数データベース12Bに登録する。捕獲数データベース12Bは、各トラップにおける監視対象生物の種別毎の捕獲数、並びに、各トラップにおける捕獲数の総合計及び分類毎の合計を含む捕獲数の情報を、各トラップの種別、各トラップの識別子、各トラップの設置場所に係る情報、集計期間、ゾーンの種別、捕獲対象生物のグループ、捕獲数に対する基準値(許容できる捕獲数の上限値)、監視対象区域の管轄名等の属性に関連付けて記憶する。
【0041】
サーバ装置10の制御部11は、クライアント装置20からの表示要求を通信部15にて受信した場合、各トラップにおける捕獲数の多少を示す指標を監視対象区域の図面上に重畳して、監視対象生物の出現状況を表した画像(以下、捕獲数分布図と称する)を生成する。サーバ装置10は、生成した捕獲数分布図に係るデータを通信部15を通じて要求元のクライアント装置20へ送信する。
なお、サーバ装置10は、データの送信先が正当な顧客のクライアント装置20であることを判別するために、通信接続に係る要求をクライアント装置20から受付けた場合、クライアント装置20から表示要求を受信した場合等において、顧客を認証する認証処理を実行することが好ましい。
【0042】
クライアント装置20は、表示要求に応じてサーバ装置10から送信されるデータを通信部23にて受信した場合、受信したデータに基づいて捕獲数分布図を表示部25に表示させる。なお、本実施の形態では、捕獲数分布図をクライアント装置20の表示部に表示させる構成としたが、必要に応じてサーバ装置10の表示部14に表示させてもよい。
【0043】
図5は実施の形態1に係る捕獲数分布図の一例を示す模式図である。
図5に示す例は、監視対象区域の図面上に示す各トラップの位置に対応させて、各トラップにおける捕獲数(捕獲数の総合計)の多少を示す指標を重畳した捕獲数分布図を示している。捕獲数の多少を示す指標として、例えば、捕獲数に比例した直径を有する球状(円状)の図形を用いることができる。また、捕獲数の多少を示す指標は、捕獲数に比例した面積を有する球状(円状)又は多角形の図形であってもよく、捕獲数に比例した高さを有する柱状の図形であってもよい。更に、各トラップ位置における捕獲数に基づいて作成した等高線図等を用いてもよい。
【0044】
図5に示した例は、製造室に設置された識別子「1」〜「3」のトラップでは監視対象生物を捕獲していないことを示している。また、充填室に設置された識別子「4」のトラップでは監視対象生物を1匹だけ捕獲し、識別子「5」のトラップでは監視対象生物を捕獲していないことを示している。識別子「6」〜「12」のトラップについても同様であり、
図5に示した捕獲数分布図からは、倉庫、機械室、及び原料・資材庫に監視対象生物が比較的多く出現していることが分かる。
【0045】
図6は実施の形態1に係る監視システムの動作を説明するフローチャートである。サーバ装置10の制御部11は、表示部14に表示される設定画面100を通じて、監視対象区域の図面及び監視対象区域に設置された各トラップの情報を受付けた場合(ステップS11)、各トラップの設置場所の情報等を図面管理データベース12Aに登録する(ステップS12)。
【0046】
また、サーバ装置10の制御部11は、表示部14に表示される入力画面120を通じて、各トラップにおける捕獲数の入力を受付けた場合(ステップS13)、受付けた捕獲数の情報を捕獲数データベース12Bに登録する(ステップS14)。
【0047】
一方、クライアント装置20の制御部21は、捕獲数分布図を表示部25に表示させるために予め定められた操作を操作部24にて受付けた場合、通信部23を通じてサーバ装置10へ表示要求を送信する(ステップS21)。
【0048】
サーバ装置10の制御部11は、クライアント装置20から送信される表示要求を通信部15にて受信したか否かを判断する(ステップS15)。表示要求を受信していない場合(S15:NO)、制御部11は、クライアント装置20からの表示要求を受信するまで待機する。
【0049】
表示要求を受信した場合(S15:YES)、制御部11は、図面管理データベース12A及び捕獲数データベース12Bを参照し、各トラップにおける捕獲数の多少を示す指標を監視対象区域の図面上に重畳した捕獲数分布図を生成する(ステップS16)。なお、クライアント装置20からの表示要求を受信した際、制御部11は、正当な顧客による表示要求を判別するために、認証処理を実行してもよい。
【0050】
サーバ装置10の制御部11は、生成した捕獲数分布図に係るデータを通信部15よりクライアント装置20へ送信する(ステップS17)。
【0051】
クライアント装置20の制御部21は、ステップS21で表示要求を送信した後、表示要求に対する応答としてサーバ装置10から送信される捕獲数分布図に係るデータを通信部23にて受信したか否かを判断する(ステップS22)。受信していないと判断した場合(S22:NO)、制御部21は、捕獲数分布図に係るデータを受信するまで待機する。
【0052】
捕獲数分布図に係るデータを受信したと判断した場合(S22:YES)、制御部21は、受信したデータに基づき、捕獲数分布図を表示部25に表示させる(ステップS23)。
【0053】
以上のように、実施の形態1に係る監視システムでは、監視対象区域に設置したトラップの位置に対応させて、監視対象区域を示す図面上に各トラップの識別子を表示すると共に、各トラップにおいて一定期間内に捕獲した監視対象生物の捕獲数を、捕獲数の多少を示す指標を用いて重畳表示するので、監視対象生物が監視対象区域内のどの場所にどの程度出現したのかが一目瞭然となる。
【0054】
なお、本実施の形態では、サーバ装置10により捕獲数の入力を受付け、捕獲数の多少を示す指標を監視対象区域の図面上に重畳することにより、捕獲数分布図を生成する構成としたが、各データベース12A〜12Cに記憶されているデータの一部を可搬型の端末装置にダウンロードし、可搬型の端末装置を用いて、捕獲数の更新、捕獲数分布図の生成及び表示を行ってもよい。
【0055】
このとき、サーバ装置10は、正当な端末装置からのアクセスであることを判別するために、端末装置との接続時に認証処理を実行することが好ましい。また、サーバ装置10からダウンロードしたデータを端末装置にて保持する期間を制限し、期間が超過した場合には、端末装置にダウンロードしたデータを使用できないように暗号化又は消去してもよい。
【0056】
また、サーバ装置10の表示部14又はクライアント装置20の表示部25に捕獲数分布図に表示させるだけでなく、捕獲数分布図を印刷した印刷物を顧客に提供する構成としてもよい。
なお、捕獲数分布図を作成する際に各データベース12A〜12Cに対するアクセスを受付ける場合、パスワード等による認証、管理権限を有する管理者による承認等を経て、各データベース12A〜12Cへのアクセスを許可することが好ましい。また、サービス提供側の担当者の権限、顧客側の担当者の権限等に応じて、データベース内のデータにアクセスできる範囲を予め定めるようにしてもよい。
【0057】
実施の形態2.
実施の形態2では、トラップの種別毎に表示態様を異ならせて捕獲数の指標を表示する構成について説明する。
【0058】
図7は実施の形態2に係る捕獲数分布図の一例を示す模式図である。捕獲数データベース12Bでは、トラップの種別に関連付けて監視対象生物の捕獲数を記憶しているので、トラップの種別毎に表示態様を異ならせて指標を表示することが可能である。実施の形態2では、トラップの種別毎に指標の表示態様を異ならせるために、サーバ装置10の制御部11は、トラップの種別に応じて異なる指標を監視対象区域の図面に重畳し、捕獲数分布図を生成する。
【0059】
例えば、粘着トラップについての指標を監視対象区域の図面に重畳する場合、制御部11は、設置場所に対応した図面上の位置にイタリック体の数字により表した識別子を配置すると共に、グラデーション付きの円形状により表した指標を図面上に重畳する。また、ライトトラップについての指標を重畳する場合、制御部11は、設置場所に対応した図面上の位置に下線付きの数字により表した識別子を配置すると共に、ベタ塗りの円形状により表した指標を図面上に重畳する。更に、フェロモントラップについての指標を重畳する場合、制御部11は、設置場所に対応した図面上の位置にゴシック体の数字により表した識別子を配置すると共に、ハッチング付きの円形状により表した指標を図面上に重畳する。
なお、本実施の形態では、トラップの識別子を種別毎に字体を異ならせて表示する構成としたが、トラップの種別毎に表示色を異ならせた識別子を用いてもよい。
【0060】
上述した捕獲数分布図は、例えばクライアント装置20から送信される表示要求を受信した際に、サーバ装置10の制御部11によって生成される。サーバ装置10は、生成した捕獲数分布図に係るデータを表示要求元のクライアント装置20へ送信する。クライアント装置20は、受信したデータに基づき表示部25への描画を行うことにより、
図7に示すような捕獲数分布図を表示部25に表示する。
【0061】
本実施の形態では、指標の表示態様を異ならせるために、円形状内部の塗りをトラップの種別に応じて異ならせる構成としたが、指標の表示色をトラップの種別に応じて異ならせてもよく、指標を示す図形の形状をトラップの種別に応じて異ならせてもよい。
【0062】
また、捕獲数データベース12Bには、捕獲数に関連付けて、捕獲数に対する基準値を関連付けて記憶しているので、基準値を超過した捕獲数を指標により表示する際、指標の表示色、形状等を変更することにより、強調表示を行ってもよい。
【0063】
以上のように、実施の形態2では、トラップの種別に応じて指標の表示態様を異ならせることができるので、近紫外線により誘引される性質を有する昆虫類の出現状況、徐放性フェロモンにより誘引される性質を有する昆虫類の出現状況を区別して表示することができる。
【0064】
実施の形態3.
実施の形態3では、監視対象生物の出現により対策が必要な事案をサーバ装置10に登録する構成について説明する。
【0065】
本実施の形態に係るサーバ装置10は、監視対象生物の出現により何らかの対策が必要となった場合、対策に係る情報を事案として受付ける。
図8は事案表示画面130の一例を示す模式図である。サーバ装置10にて監視プログラムが起動した状態にて、事案表示画面130を呼び出すために予め定められた操作を操作部13を通じて受付けた場合、制御部11は、
図8に示すような事案表示画面130を表示部14に表示させる。
【0066】
事案表示画面130は、期間指定欄131、事案場所表示ボタン132、事案追加変更ボタン133、事案概要表示ボタン134、事案表示条件設定欄135、図面表示欄136等のGUIを備える。
【0067】
新たな事案の登録を受付ける際、期間指定欄131により指定された対象期間の捕獲数分布図を図面表示欄136に表示させる。図面表示欄136に捕獲数分布図が表示された状態にて、予め定められた操作を受付けた場合(例えば、事案追加変更ボタン133が押下操作された後に、図面上で右クリック操作を受付けた場合)、制御部11は、事案の情報を登録するための画面として事案情報入力画面140(
図9を参照)を表示部14に表示させる。事案情報入力画面140の構成については後に詳述することとする。
【0068】
事案情報入力画面140により事案情報の入力が完了した場合、制御部11は、入力された事案情報を事案データベース12Cに登録する。また、制御部11は、事案情報入力画面140を呼び出すために受付けた右クリック操作の操作点に、事案の存在を示す情報として事案番号付きマークを図面上に重畳表示する。
図8では、捕獲数が比較的多い識別子「9」のトラップ付近に事案番号付きマークを重畳表示した例を示している。すなわち、当該事案番号付きマークは、識別子「9」のトラップが設定された場所において対策が必要な事案の存在を示している。
【0069】
事案表示画面130にて事案場所表示ボタン132の押下操作を受付けた場合、制御部11は、表示中の事案番号付きマークを非表示(非表示中の事案番号マークを表示)に切り替える。また、事案表示画面130にて事案概要表示ボタン134の押下操作を受付けた場合、制御部11は、事案番号付きマークの近傍に事案の概要を文字により表示する。
【0070】
事案表示条件設定欄135にて事案の表示条件を受付けた場合、制御部11は、受付けた表示条件に適合する事案のみを抽出し、抽出した事案についての事案番号付きマークを図面上に重畳表示する。
図8に示した例では、事案のカテゴリ(虫、鼠、微生物など)、重要度(緊急、注意喚起、報告など)、改善進捗(未着手、経過観察、改善済など)、管轄(部署名など)、及び検索キーワードを事案の抽出条件として受付けるように構成されている。ここで、検索キーワードは、事案(事案名、原因、場所)に含まれる語句を検索するためのキーワード(フリーワード)であり、スペースで区切ることにより、2つ以上の語句をAND検索できるようにしている。
【0071】
図9は事案情報入力画面140の一例を示す模式図である。事案情報入力画面140では、事案名、事案の確認日、カテゴリ、事案の種別(重要度)、管轄名、事案の発生場所、事案の原因、事案についてのコメント、実施した対策、改善進捗の度合い、改善確認日、改善詳細等の文字情報を受付けると共に、取り込んだ写真(サムネイル)を表示できるようにしている。なお、事案番号については事案を識別する一意の番号が制御部11によって自動的に付与される。
【0072】
図9の事案情報入力画面140では、洗場の配水管付近にある排水キャップが外れていたためショウジョウバエ等が多数発生したこと、その対策として、排水キャップが外れないように固定したこと、対策の進行状況(改善進捗)が「経過観察」であること等の情報が事案情報として入力され、排水キャップが外れている様子を撮像した写真が取り込まれた状態を示している。
【0073】
なお、事案情報入力画面140を通じて取り込むべき写真は任意であり、事案の原因を表す写真、捕獲対象生物の発生状況を撮像した写真、実施した対策の様子を表す写真、対策前及び対策後の状況を示す写真等を取込むことができる。
【0074】
制御部11は、終了ボタン141に対する押下操作を受付けた場合、事案情報入力画面140を通じて入力された各種情報、及び取り込まれた写真のデータを関連付けて事案データベース12Cに登録する。
【0075】
事案データベース12Cに登録された事案情報は、事案表示画面130を通じて適宜変更され得る。事案表示画面130の図面表示欄136に表示した事案番号付きマークに対し、予め定めた操作を受付けた場合(例えば、事案追加変更ボタン133が押下操作された後に、図面上で左クリック操作を受付けた場合)、制御部11は、登録済みの事案情報、及び関連付けて記憶されている写真のデータを事案データベース12Cから読み出し、事案情報入力画面140を表示部14に再表示させる。制御部11は、表示部14に再表示した事案情報入力画面140を通じて、事案情報の追加及び変更を受付ける。
【0076】
図10は事案情報の追加変更方法を説明する説明図である。監視対象生物の発生に対して対策を施した結果、次の集計期間で捕獲数の減少が認められた場合等において、事案情報の追加及び変更を受付ける。
図10の事案情報入力画面140では、改善進捗が「経過観察」から「確認済み」に変更され、排水キャップが外れないように固定することで、ショウジョウバエの発生を抑制することができた旨の詳細情報が新たに追加されたことを示している。また、排水キャップを固定した様子を撮像した写真が新たに追加されたことを示している。
【0077】
制御部11は、終了ボタン141に対する押下操作を受付けた場合、事案情報入力画面140を通じて新たに追加された情報、変更された情報、新たに取り込まれた写真のデータ等に基づき、事案データベース12Cへの登録内容を適宜更新する。
【0078】
図11は対策後の事案表示例を説明する説明図である。捕獲数データベース12B及び事案データベース12Cが更新された場合、制御部11は、事案表示画面130を表示部14に表示する際に、更新後の捕獲数データベース12Bに基づいて生成した捕獲数分布図を図面表示欄136に表示すると共に、更新後の事案データベース12Cに基づいて表示態様を異ならせた事案番号付きマークを捕獲数分布図に重畳して表示する。
【0079】
例えば、事案番号付きマークの表示色を改善進捗が「経過観察」の場合には赤色、改善進捗が「確認済み」の場合は灰色で表示することにより、事案番号付きマークの表示態様を異ならせることができる。
【0080】
また、制御部11は、所定の操作(例えば、事案表示画面130の下部に配置されている「事案リスト表示」ボタンの押下操作)を操作部13を通じて受付けた場合、事案データベース12Cの登録内容を基に事案リストを作成し、作成した事案リストを表示部14に表示させる。
【0081】
図12は事案リストの一例を示す模式図である。制御部11が作成する事案リストは、例えば、事案番号(No.)、事案の種別、事案名、事案の原因、事案の発生場所、改善進捗、事案の確認日、カテゴリ等を含む。なお、
図12に示す例では、簡略化のためにリスト部分のみを抽出して記載したが、リストを操作するためのGUIを含む画面を表示してもよい。また、事案リストに表示する項目を選択できるようにしてもよく、事案表示画面130における事案表示条件設定欄135と同様の設定欄を設け、抽出条件に適合する事案のみを事案リストに表示する構成としてもよい。
【0082】
事案リストにおいて事案が選択された場合、制御部11は、対応する事案の事案情報入力画面140を表示部14に表示させる。制御部11は、表示部14に表示させた事案情報入力画面140を通じて、事案情報の追加変更を受付けた場合、事案データベース12C内の該当項目を更新する。
【0083】
なお、事案リストに表示する項目は、上記の項目に限定されるものではなく、例えば、管轄、コメント、対策1、対策2、グループ、改善担当者、改善詳細等の項目を含んでいてもよい。
【0084】
事案表示画面130では、抽出条件に適合する過去の履歴のみを図面単位で表示する構成であるが、事案リストでは、別ウィンドウにしなくても、全表示が可能となる。
【0085】
以上のように、実施の形態3では、監視対象生物の発生に対する事案の情報を捕獲数分布図に重畳して表示することができ、必要に応じて、実施中の対策の情報、進捗度合いを確認することができる。また、過去に対策を行った各事案の内容は履歴として事案リストに登録されているので、新たに事案が発生した場合、事案リストに登録されている過去の対策を参照することにより、より適切な対策を講じることが可能となる。
【0086】
実施の形態4.
実施の形態4では、選択された表示条件によって各指標の表示/非表示を切り替える構成について説明する。
【0087】
捕獲数データベース12Bには、トラップの種別、トラップの設置場所の情報、集計期間、ゾーンの種別、捕獲対象生物のグループ、捕獲数に対する基準値、監視対象区域の管轄名等の属性の情報と共に、各トラップにおける捕獲数の情報が記憶されている。したがって、捕獲数分布図を表示する際に、表示条件として属性の選択を受付け、選択された属性に応じて捕獲数の多少を示す各指標の表示/非表示を切り替える構成としてもよい。
【0088】
図13は表示条件設定画面150の一例を示す模式図である。
図13に示す表示条件設定画面150は、サーバ装置10の表示部14、又はクライアント装置20の表示部25に表示させることが可能である。
【0089】
サーバ装置10の表示部14に表示させる場合、表示条件設定画面150を呼び出すために予め定められた操作を操作部13にて受付ける。サーバ装置10の操作部13にて前記操作を受付けた場合、制御部11は、図面管理データベース12A及び捕獲数データベース12Bを参照し、
図13に示すような表示条件設定画面150を表示部14に表示させる。
【0090】
また、クライアント装置20の表示部25に表示させる場合、表示条件設定画面150を呼び出すために予め定められた操作を操作部24にて受付ける。クライアント装置20の操作部24にて前記操作を受付けた場合、制御部21は、通信部23を通じて表示条件設定画面150の表示要求をサーバ装置10へ送信する。正当なクライアント装置20からの表示要求を受信した場合、サーバ装置10の制御部11は、図面管理データベース12A及び捕獲数データベース12Bを参照して表示条件設定画面150を生成し、クライアント装置20へ送信する。クライアント装置20の制御部21は、表示要求に対する応答としてサーバ装置10から送信される表示条件設定画面150を受信した場合、当該表示条件設定画面150を表示部25に表示させる。
【0091】
表示条件設定画面150は、期間指定欄151、図面指定欄152、分布図表示条件設定欄153、図面表示欄154等のGUIを備える。
【0092】
期間指定欄151では、表示対象とする捕獲数の集計期間を受付ける。図面指定欄152では、監視対象区域を示す図面の指定を受付ける。また、表示条件設定欄153では、図面表示欄154に表示すべき捕獲数分布図に対する各種表示条件を受付ける。
【0093】
表示条件設定欄153にて受付ける表示条件には、表示対象の捕獲対象生物(昆虫類(虫)、鼠族、又はその両方)、表示内容、基準値分類(基準値が予め設定されている虫のグループ)、捕獲対象生物のグループ、及びオプションが含まれる。オプションでは、例えば、表示倍率、管轄、ゾーンを変更できると共に、表示すべきトラップの種別及び捕獲対象生物を個別に指定できるようにしている。なお、昆虫類(虫)、鼠族だけでなく、微生物類を選択できるようにしてもよい。
【0094】
例えば、表示条件設定欄153にて、表示対象の捕獲対象生物として「虫」が選択された場合、サーバ装置10の制御部11は、捕獲数データベース12Bに登録されている捕獲数のうち、昆虫類の捕獲数を合計し、合計数を反映させた指標を監視対象区域の図面に重畳することにより、捕獲数分布図を生成する。サーバ装置10の制御部11(又はクライアント装置20の制御部21)は、新たに生成された捕獲数分布図に基づき、図面表示欄154における表示内容を更新する。この結果、更新後の図面表示欄154には、昆虫類の捕獲数を示す指標のみが表示され、鼠族の捕獲数を示す指標は非表示となる。
【0095】
表示条件設定欄153にて他の表示条件が選択された場合も同様であり、選択された表示条件に応じて、各トラップにおける指標の表示/非表示を切り替えた捕獲数分布図が生成され、図面表示欄154における表示内容が更新される。
【0096】
図13の例では、グループが「歩行性グループ」に設定されているので、捕獲対象区域である「A棟1階」において「2014年10月1日〜2014年10月31日」の対象期間内に捕獲された全捕獲対象生物のうち、「歩行性グループ」に該当する捕獲対象生物の指標のみを重畳した捕獲数分布図が図面表示欄154に表示される。
【0097】
なお、サーバ装置10の制御部11(クライアント装置20の制御部21)は、表示条件設定欄153にて表示条件の設定を受ける都度、捕獲数分布図の更新を行ってもよく、操作部13(操作部24)にて指示されるタイミングにて、捕獲数分布図の更新を行ってもよい。
【0098】
以上のように、実施の形態4では、選択した表示条件(属性)に該当する指標のみを図面上に重畳して表示することができるので、同じグループに属する捕獲対象生物のみを表示させたり、一定数以上の捕獲対象生物を捕獲したトラップのみを表示させたりすることにより、発生要因の分析に役立てることができる。
【0099】
実施の形態5.
実施の形態5では、表示条件が異なる2つの捕獲数分布図を対比表示する構成について説明する。
【0100】
図14は対比表示の一例を示す模式図である。
図14に示す対比分布図表示画面160は、表示条件(属性)が異なる2つの捕獲数分布図を並べて表示した例を示している。対比分布図表示画面160は、サーバ装置10の表示部14、又はクライアント装置20の表示部25に表示させることが可能である。
【0101】
サーバ装置10の表示部14に表示させる場合、対比分布図表示画面160を呼び出すために予め定められた操作を操作部13にて受付ける。サーバ装置10の操作部13にて前記操作を受付けた場合、制御部11は、図面管理データベース12A及び捕獲数データベース12Bを参照し、
図14に示すような対比分布図表示画面160を表示部14に表示させる。
【0102】
また、クライアント装置20の表示部25に表示させる場合、対比分布図表示画面160を呼び出すために予め定められた操作を操作部24にて受付ける。クライアント装置20の操作部24にて前記操作を受付けた場合、制御部21は、通信部23を通じて対比分布図表示画面160の表示要求をサーバ装置10へ送信する。正当なクライアント装置20からの表示要求を受信した場合、サーバ装置10の制御部11は、図面管理データベース12A及び捕獲数データベース12Bを参照して対比分布図表示画面160を生成し、クライアント装置20へ送信する。クライアント装置20の制御部21は、表示要求に対する応答としてサーバ装置10から送信される対比分布図表示画面160を受信した場合、当該対比分布図表示画面160を表示部25に表示させる。
【0103】
対比分布図表示画面160は、第1条件設定欄161、第1表示欄162、第2条件設定欄163、第2表示欄164等のGUIを備える。
【0104】
第1及び第2条件設定欄161,163では、対象期間、図面指定、グループ、表示内容、ゾーン等の設定を受付ける。第1及び第2条件設定欄161,163にて、表示条件の設定を受付けた場合、サーバ装置10の制御部11は、図面管理データベース12A及び捕獲数データベース12Bを参照して、それぞれの表示条件に適合する捕獲数分布図を生成し、第1及び第2表示欄162,164にそれぞれ生成した捕獲数分布図を表示させる。
【0105】
図14に示す対比分布図表示画面160では、対象期間が「2014年12月」に設定された捕獲数分布図を第1表示欄162に表示し、対象期間が「2013年12月」に設定された捕獲数分布図を第2表示欄164に表示した状態を示している。なお、対比分布図表示画面160には、事案データベース12Cの登録内容に基づき、事案を表す事案番号付きマークを表示してもよい。
【0106】
以上のように、実施の形態5では、対象期間、グループ、ゾーン等が異なる2つの捕獲数分布図を対比表示できるので、過去の発生状況を考慮して、監視対象生物の発生を抑制するための対策を講じることができる。
【0107】
実施の形態6.
実施の形態6では、捕獲数の経時変化を示すグラフを表示する構成について説明する。
【0108】
図15は推移グラフの表示例を示す模式図である。
図15に示す推移グラフ表示画面170では、単位日数あたり、1トラップあたりで指標化した捕獲数の変化を示すグラフを表示している。推移グラフ画面170は、実施の形態5で説明した操作方法と同様の操作方法により、サーバ装置10の表示部14、又はクライアント装置20の表示部25に表示させることが可能である。
【0109】
推移グラフ表示画面170は、期間指定欄171、抽出条件設定欄172、グラフ表示欄173等のGUIを備える。
【0110】
期間指定欄171では、対象年度、始まり月等を指定する。なお、
図15に示す例では、ライトトラップの過去3年分の推移グラフを表示した例を示しているが、単年表示も可能である。また、基準値も合わせて表示可能であるが、一部の条件抽出を行った場合には基準が適用できなくなるため、その場合には基準値を非表示にする。
【0111】
抽出条件設定欄172では、捕獲方法、ゾーン、グループ、指定虫、基準値分類、室名、トラップ番号(No.)等を設定できるようにしてあり、抽出条件に適合する捕獲数の推移をグラフ表示欄173に表示する。抽出条件設定欄172にて抽出条件を設定することにより、特定の虫の消長を確認したり、特定の部署の消長を確認したりすることが可能となる。
【0112】
また、推移グラフの対比表示を行っても良い。
図16は推移グラフの対比表示例を示す模式図である。
図16に示す対比グラフ表示画面180では、表示条件(属性)が異なる2つのグラフを並べて表示した例を示している。対比グラフ表示画面180は、実施の形態5で説明した操作方法と同様の操作方法により、サーバ装置10の表示部14、又はクライアント装置20の表示部25に表示させることが可能である。
【0113】
対比グラフ表示画面180は、第1条件設定欄181、第1表示欄182、第2条件設定欄183、第2表示欄184等のGUIを備える。
【0114】
第1及び第2条件設定欄181,183では、捕獲方法、図面指定、グループ、指定虫、ゾーン、基準値の有無等の設定を受付ける。第1及び第2条件設定欄181,183にて表示条件の設定を受付けた場合、サーバ装置10の制御部11は、図面管理データベース12A及び捕獲数データベース12Bを参照して、それぞれの表示条件に適合する推移グラフを生成し、第1及び第2表示欄182,184にそれぞれ生成した推移グラフを表示させる。
【0115】
図16に示す対比グラフ表示画面180では、本年度及び昨年度の捕獲数(総合計)の経時変化を示す推移グラフを第1表示欄182に表示し、本年度及び昨年度の捕獲数(排水発生種)の経時変化を示す推移グラフを第2表示欄184に表示した状態を示している。
【0116】
なお、実施の形態6では、表示条件が異なる2つの推移グラフを対比表示する構成としたが、表示条件によって指定される1つの推移グラフのみを表示する構成としてもよい。
【0117】
以上のように、実施の形態6では、対象期間、グループ、指定虫、ゾーン等が異なる2つの推移グラフを対比表示できるので、捕獲数の経時変化を考慮して、監視対象生物の発生を抑制するための対策を講じることができる。
【0118】
今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【解決手段】監視対象区域内に設置した捕獲器により捕獲した生物の種別毎の捕獲数を受付ける受付部と、受付部にて受付けた種別毎の捕獲数を、捕獲器を識別する識別子、及び捕獲器の設置場所に係る情報に関連付けて記憶する記憶部とを備えるサーバ装置と、記憶部が記憶している捕獲器毎の捕獲数の多少を示す指標を、各捕獲器の設置場所に対応させて監視対象区域を示す図面上に表示する表示部クライアント装置とを含む。