【文献】
Sugimoto, Hachiro et.al.,Synthesis and structure-activity relationships of acetylcholinesterase inhibitors,Journal of Medicinal Chemistry,米国,1992年,(1992), 35(24), 4542-8
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アセチルコリンエステラーゼの阻害剤と関連する疾患の処置または予防のための、又は、アルツハイマー病の処置または予防のための医薬の調製における、請求項1から22のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【実施例】
【0041】
(例1)
tert−ブチル4−[2−(5,7−ジオキソ−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−6−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物XI)の調製
【化11】
1Lの反応槽に、52g(0.27mol)の[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−5,7−ジオン(化合物V−1、参考文献:J. Am. Chem. Soc., 1951, 73, 1371およびJ. Am. Chem. Soc., 1963, 85, 473における方法によって合成)ならびに320mlのジメチルスルホキシドを加え、混合物を撹拌し、60℃に加熱し、固体が完全に溶解した後、23.4g(0.42mol)の水酸化カリウムのエタノール溶液(110ml)を加え、このように得られた混合物を15分間撹拌し、次いで、117g(0.31mol)のtert−ブチル4−[2−(トシルオキシ)エチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物VI−1、PTC出願WO2007082731に開示されている方法によって合成)のジメチルスルホキシド溶液(160ml)を加え、添加の後、反応が完了するまで反応物を60℃で5時間保持し、500mlの酢酸エチルおよび300mlの水を加え、抽出を行い、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を濃縮乾燥し、102.2gの粗生成物を得て、これをカラムクロマトグラフィーによって分離し、72gの化合物XIを65.8%の収率で得た。
1H NMR (DMSO-d
6):δ0.90-1.00 (m, 2 H), 1.36 (s, 10 H), 1.46 (q, 2 H, J = 7.0 Hz), 1.66 (d, 2 H, J = 11.9 Hz), 2.62 (br s, 2 H), 3.51 (t, 2 H, J = 7.0 Hz), 3.88 (d, 2 H, J = 11.5 Hz), 6.24 (s, 2 H), 7.32 (s, 2 H); MS (ESI): m/z 425 [M+Na]
+.
【0042】
(例2)
6−[2−(4−ピペリジル)エチル]−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−5,7−ジオンヒドロクロリド(化合物II−1)の調製
【化12】
500mlの反応槽に、20g(0.05mol)の化合物XI、および塩化水素の酢酸エチル中10%溶液(400ml)を加え、反応物を室温で2時間保持し、濾過し、洗浄し、オーブン乾燥させ、15.5gの化合物II−1を92.3%の収率で得た。
1H NMR (D
2O):δ1.40-1.64 (m, 5 H), 2.02 (d, 2 H, J = 13.4 Hz), 2.96-3.03 (m, 2 H), 3.45-3.50 (m, 4 H), 6.12 (s, 2 H), 6.79 (s, 2 H); MS (ESI): m/z 303 [M-Cl]
+.
【0043】
(例3)
6−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−5,7−ジオン(化合物I−1)の調製
【化13】
反応槽に、5g(0.015mol)の化合物II−1、1.4g(0.01mol)の炭酸カリウム、100mlのアセトニトリル、および2.3ml(0.02mol)の塩化ベンジルを加え、反応物を50℃に加熱し、3〜4時間保持し、200mlの酢酸エチルおよび100mlの水を加え、抽出を行い、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を濃縮乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって分離し、3.5gの化合物I−1を60.4%の収率で得た。
1H NMR (DMSO-d
6):δ1.08-1.17 (m, 3 H), 1.48 (q, 2 H, J = 6.6 Hz), 1.67 (d, 2 H, J = 10.0 Hz), 1.85 (t, 2 H, J = 10.8 Hz), 2.75 (d, 2 H, J = 11.4 Hz), 3.41 (s, 2 H), 3.53 (t, 2 H, J = 7.1 Hz), 6.27 (s, 2 H), 7.22-7.32 (m, 5 H), 7.37 (s, 2 H); MS (ESI): m/z 393 [M+H]
+.
【0044】
下記の化合物を、化合物II−1を原料として使用し、適切な試薬を使用することによって、例3における方法によって調製した。
【0045】
【化14】
【0046】
(例7)
tert−ブチル4−[2−(5−ヒドロキシ−7−オキソ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−6−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物VII−1)の調製
【化15】
反応槽に、92g(0.23mol)の化合物XI、250mlのメタノールおよび250mlのテトラヒドロフランを撹拌しながら加え、混合物を0〜10℃に冷却し、10g(0.26mol)の水酸化ホウ素ナトリウムを加え、反応物を0〜10℃で20〜30分間保持し、100mlの水を加え、反応混合物を減圧下で(45℃で)濃縮乾燥し、残渣を500mlの酢酸エチルおよび300mlの水に加え、抽出し、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、少量に濃縮し、300mlの石油エーテルを加え、固体を沈殿させ、濾過し、フィルターケーキを石油エーテルで洗浄し、乾燥させ、64.7gの化合物VII−1を70%の収率で得た。
1H NMR (DMSO-d
6):δ0.95-1.04 (m, 2 H), 1.39 (s, 10 H), 1.51 (m, 2 H), 1.70 (dd, 2 H, J = 25.0, 12.4 Hz), 2.65 (br s, 2 H), 3.23-3.30 (m, 1 H), 3.54-3.61 (m, 1 H), 3.90 (d, 2 H, J = 10.0 Hz), 5.67 (d, 1 H, J = 8.9 Hz), 6.12 (s, 1 H), 6.13 (s, 1 H), 6.50 (d, 1 H, J = 9.0 Hz), 7.08 (s, 1 H), 7.09 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 427 [M+Na]
+.
【0047】
(例8)
tert−ブチル4−[2−(5−アセトキシ−7−オキソ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−6−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物VIII−1)の調製
【0048】
【化16】
500mlの反応槽に、55g(0.136mol)の化合物VII−1、385mlの二塩化メチレン、43ml(0.31mol)のトリエチルアミン、および1.8g(0.015mol)の4−ジメチルアミノピリジンを撹拌しながら加え、31ml(0.33mol)の無水酢酸を加え、反応物を室温で1時間保持し、200mlの水を加え、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を濃縮乾燥し、約79gの化合物VIII−1を得て、これを次のステップにおいてそれ以上精製することなく直接使用した。
1H NMR (DMSO-d
6):δ0.94-1.02 (m, 2 H), 1.39 (s, 10 H), 1.43-1.54 (m, 2 H), 1.67 (t, 2 H, J = 9.9 Hz), 2.14 (s, 3 H), 2.65 (br s, 2 H), 3.17-3.24 (m, 1 H), 3.56-3.64 (m, 1 H), 3.90 (d, 2 H, J = 10.6 Hz), 6.16 (d, 1 H, J = 0.8 Hz), 6.18 (d, 1 H, J = 0.6 Hz), 6.90 (s, 1 H), 7.14 (s, 1 H), 7.16 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 469 [M+Na]
+.
【0049】
(例9)
tert−ブチル4−[2−(7−オキソ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−6−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物XII)の調製
【化17】
反応槽に、79gの化合物VIII−1、400mlの酢酸エチル、および50%水を含む17gの5%パラジウム−炭素を加え、反応が完了するまで60℃にて正常圧下で7〜8時間水素化を行い、濾過し、濾液を少量まで減圧下で濃縮し、石油エーテルを滴下で添加し、これを冷却し、固体を沈殿させ、濾過し、33gの化合物XIIを約62.5%の収率で得た(化合物VII−1によって計算)。
1H NMR (DMSO-d
6):δ0.94-1.04 (m, 2 H), 1.39 (s, 10 H), 1.47-1.54 (m, 2 H), 1.69 (d, 2 H, J = 11.6 Hz), 2.64 (br s, 2 H), 3.50 (t, 2 H, J = 7.0 Hz), 3.90 (d, 2 H, J = 11.3 Hz), 4.32 (s, 2 H), 6.12 (s, 2 H), 7.08 (s, 1 H), 7.11 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 411 [M+Na]
+.
【0050】
(例10)
6−[2−(4−ピペリジル)エチル]−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7−オンヒドロクロリド(化合物II−2)の調製
【化18】
反応槽に、15g(0.039mol)の化合物XII、および塩化水素の酢酸エチル中10%溶液(300ml)を加え、反応が完了するまで反応混合物を室温で30分間保持し、減圧下で濃縮乾燥し、エタノールおよび酢酸エチルの混合溶液と共に再結晶化させ、10.5gの化合物II−2を84.3%の収率で得た。
1H NMR (D
2O):δ1.38-1.49 (m, 2 H), 1.59-1.61 (m, 3 H), 1.98 (d, 2 H, J = 13.5 Hz), 2.91-2.98 (m, 2 H), 3.42 (d, 2 H, J = 12.8 Hz), 3.49 (t, 2 H, J = 7.0 Hz), 4.13 (s, 2 H), 5.97 (s, 2 H), 6.72 (s, 1 H), 6.76 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 289 [M-Cl]
+.
【0051】
(例11)
6−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7−オン(化合物I−5)の調製
【化19】
反応槽に、5g(0.015mol)の化合物II−2、1.4g(0.01mol)の炭酸カリウム、100mlのアセトニトリルおよび2.3ml(0.02mol)の塩化ベンジルを加え、これを50℃に加熱し、反応が完了するまで反応物を3〜4時間保持し、200mlの酢酸エチルおよび100mlの水を加え、抽出し、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を濃縮乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって分離し、3.1gの化合物I−5を53.4%の収率で得た。
1H NMR (CDCl
3):δ1.26-1.36 (m, 3 H), 1.57 (q, 2 H, J = 7.5 Hz), 1.73 (d, 2 H, J = 9.2 Hz), 1.93 (t, 2 H, J = 10.6 Hz), 2.87 (d, 2 H, J = 11.2 Hz), 3.48 (s, 2 H), 3.60 (t, 2 H, J = 7.5 Hz), 4.23 (s, 2 H), 6.04 (s, 2 H), 6.83 (s, 1 H), 7.21 (s, 1 H), 7.22-7.26 (m, 1 H), 7.29-7.30 (m, 4 H); MS (ESI): m/z 379 [M+H]
+.
【0052】
下記の化合物を、化合物II−2を原料として使用し、適切な試薬を使用することによって、例11における方法によって調製した。
【0053】
【化20】
【0054】
(例15)
tert−ブチル4−[2−(5−メチル−7−オキソ−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−6−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物XIII)の調製
【化21】
反応槽に、30g(0.077mol)の化合物XIIおよび300mlのテトラヒドロフランを窒素下で加え、混合物を−10〜−15℃に冷却し、リチウムジイソプロピルアミドのn−ヘプタン溶液(78ml(0.16mol、2mol/L))を約30分間滴下で添加し、添加が完了した後、反応物をこの温度で30分間保持し、4.8ml(0.077mol)のヨードメタンを滴下で添加し、添加が完了した後、混合物を室温に温め、2時間撹拌し、600mlの酢酸エチルおよび300mlの水を加え、抽出し、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって分離し、14.5gの化合物XIIIを46.7%の収率で得た。
1H NMR (CDCl
3):δ1.07-1.21 (m, 2 H), 1.41 (d, 3 H, J = 6.7 Hz), 1.45 (s, 10 H), 1.55 (q, 2 H, J = 7.4 Hz), 1.66-1.69 (m, 1 H), 1.80-1.83 (m, 1 H), 2.64-2.71 (m, 2 H), 3.17-3.24 (m, 1 H), 3.92-4.00 (m, 1 H), 4.06-4.09 (m, 2 H), 4.41 (q, 1 H, J = 6.7 Hz), 6.05 (s, 2 H), 6.82 (s, 1 H), 7.20 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 403 [M+H]
+.
【0055】
(例16)
5−メチル−6−[2−(4−ピペリジル)エチル]−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7−オンヒドロクロリド(化合物II−3)の調製
【化22】
反応槽に、5g(0.012mol)の化合物XIII、30mlのエタノール、および塩化水素の酢酸エチル中10%溶液(100ml)を加え、反応物を室温で1〜1.5時間保持し、濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄し、乾燥させ、3.4gの化合物II−3を81%の収率で得た。
1H NMR (D
2O):δ1.24 (d, 3 H, J = 7.0 Hz), 1.44-1.58 (m, 5 H), 1.98 (m, 2 H), 2.96 (m, 2 H), 3.21-3.25 (m, 1 H), 3.44 (d, 2 H, J = 12.4 Hz), 3.64-3.72 (m, 1 H), 4.34 (q, 1 H, J = 6.6 Hz), 5.94 (s, 2 H), 6.72 (s, 1 H), 6.79 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 303 [M+H]
+.
【0056】
(例17)
6−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−5−メチル−5H−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7−オン(化合物I−9)の調製
【化23】
反応槽に、2g(0.006mol)の化合物II−3および40mlのアセトニトリルを加え、撹拌し、2.4g(0.017mol)の炭酸カリウム、1.2ml(0.0087mol)のトリエチルアミン、および1.5ml(0.013mol)の塩化ベンジルを加えた。混合物を50℃に加熱し、反応物を1.5時間保持し、200mlの酢酸エチルおよび100mlの水を加え、抽出し、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を濃縮乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって分離し、1.1gの化合物I−9を47.4%の収率で得た。
1H NMR (CDCl
3):δ1.34-1.42 (m, 3 H), 1.46 (d, 3 H, J = 6.7 Hz), 1.59-1.64 (m, 2 H), 1.72-1.75 (m, 1 H), 1.86-1.89 (m, 1 H), 1.97-2.04 (m, 2 H), 2.94 (t, 2 H, J = 9.1 Hz), 3.21-3.28 (m, 1 H), 3.55 (s, 2 H), 3.97-4.05 (m, 1 H), 4.46 (q, 1 H, J = 6.7 Hz), 6.09 (s, 2 H), 6.87 (s, 1 H), 7.26 (s, 1 H), 7.29-7.32 (m, 1 H), 7.34-7.37 (m, 4 H); MS (ESI): m/z 393 [M+H]
+.
【0057】
下記の化合物を、化合物II−3を原料として使用して、適切な試薬を使用することによって、例17における方法によって調製した。
【0058】
【化24】
【0059】
(例21)
tert−ブチル4−[2−(7,7−ジメチル−5−オキソ−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−6−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物XIV)の調製
【化25】
反応槽に、10g(0.025mol)の化合物XIIIおよび100mlのテトラヒドロフランを加え、窒素下で撹拌し、混合物を−10〜−15℃に冷却し、リチウムジイソプロピルアミドのn−ヘプタン溶液(48ml(0.096mol、2mol/L))を約30分間滴下で添加し、添加が完了した後、反応物を30分間保持し、次いで、1.6ml(0.026mol)のヨードメタンを滴下で添加し、添加が完了した後、混合物を室温に温め、次いで、1時間撹拌し、反応が完了した後、300mlの酢酸エチルおよび150mlの水を加え、抽出し、洗浄し、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって分離し、5.6gの化合物XIVを54.2%の収率で得た。MS(ESI):m/z417[M+H]
+。
【0060】
(例22)
7,7−ジメチル−6−[2−(4−ピペリジル)エチル]−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−5−オンヒドロクロリド(化合物II−4)の調製
【化26】
反応槽に、2g(0.0048mol)の化合物XIV、10mlのエタノール、および塩化水素の酢酸エチル中10%溶液(50ml)を加え、反応物を室温で1〜1.5時間保持し、濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄し、乾燥させ、1.2gの化合物II−4を71%の収率で得た。
1H NMR (D
2O):δ1.27 (s, 6 H), 1.45 (m, 2 H), 1.56 (q, 2 H, J = 6.9 Hz), 1.69 (br s, 1 H), 2.00 (d, 2 H, J = 13.9 Hz), 3.00 (t, 2 H, J = 12.6 Hz), 3.37 (t, 2 H, J = 7.6 Hz), 3.45 (d, 2 H, J = 12.3 Hz), 5.96 (s, 2 H), 6.79 (s, 1 H), 6.86 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 317 [M-Cl]
+.
【0061】
(例23)
6−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]−7,7−ジメチル−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−5−オン(化合物I−13)の調製
【0062】
【化27】
反応槽に、2.3g(0.0065mol)の化合物II−4および46mlのアセトニトリルを撹拌しながら加えた。6g(0.043mol)の炭酸カリウム、1.3ml(0.0094mol)のトリエチルアミン、および1.7ml(0.015mol)の塩化ベンジルを加え、混合物を50℃に加熱し、反応物を2〜3時間保持し、200mlの酢酸エチルおよび100mlの水を加え、抽出し、洗浄し、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を濃縮乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって分離し、1.8gの化合物I−13を67.7%の収率で得た。
1H NMR (DMSO-d
6):δ1.18-1.23 (m, 2 H), 1.26-1.33 (m, 1 H), 1.40 (s, 6 H), 1.50-1.56 (m, 2 H), 1.70 (d, 2 H, J = 11.2 Hz), 1.89 (t, 2 H, J = 10.4 Hz), 2.77 (d, 2 H, J = 11.2 Hz), 3.35 (t, 2 H, J = 7.8 Hz), 3.42 (s, 2 H), 6.12 (s, 2 H), 7.05 (s, 1 H), 7.21-7.25 (m, 2 H), 7.27-7.33 (m, 4 H); MS (ESI): m/z 407 [M+H]
+.
【0063】
下記の化合物を、化合物II−4を原料として使用し、適切な試薬を使用することによって、例23における方法によって調製した。
【0064】
【化28】
【0065】
(例27)
tert−ブチル4−[2−(5−メチレン−7−オキソ−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−6−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物IX−1)の調製
【化29】
反応槽に、窒素下で撹拌しながら75g(0.19mol)の化合物XIおよび500mlのテトラヒドロフランを加え、混合物を0〜10℃に冷却し、400mlのヨウ化メチルマグネシウム/エチルエーテル溶液(1.2N)を反応槽中にゆっくりと加え、反応物を1時間保持し、泡が形成されなくなるまで少量の水を加え、濃塩酸を加えてpHを酸性に調節し、反応物を15分間保持し、500mlの酢酸エチルおよび300mlの水を加え、抽出し、洗浄し、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を少量に濃縮し、石油エーテルを加え、固体を沈殿させ、濾過し、乾燥させ、47.6gの化合物IX−1を63.8%の収率で得た。
1H NMR (DMSO-d
6):δ0.95-1.05 (m, 2 H), 1.38 (s, 10 H), 1.48 (q, 2 H, J = 7.0 Hz), 1.71 (d, 2 H, J = 12.2 Hz), 2.65 (br s, 2 H), 3.70 (t, 2 H, J = 7.2Hz), 3.90 (d, 2 H, J = 11.6 Hz), 4.95 (s, 1 H), 5.34 (s, 1 H), 6.17 (s, 2 H), 7.15 (s, 1 H), 7.53 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 423 [M+Na]
+.
【0066】
(例28)
tert−ブチル4−[2−(5−オキソスピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−6−イル)エチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(化合物XV)の調製
【0067】
【化30】
反応槽に、窒素下で300mlの二塩化メチレン、およびジエチル亜鉛のヘキサン溶液(300ml(1N))を加え、混合物を0〜10℃に冷却し、23.1ml(0.31mol)のトリフルオロ酢酸を含有する二塩化メチレン溶液(200ml)を約20分間滴下で添加し、添加が完了した後、反応物を20分間保持し、24ml(0.3mol)の二ヨウ化メチレンを含有する二塩化メチレン溶液(200ml)を滴下で添加し、添加が完了した後、反応物を20分間保持し、次いで、60g(0.15mol)の化合物IX−1の二塩化メチレン溶液(300ml)を滴下で添加し、添加が完了した後、混合物を30℃に加熱し、反応物を3〜4時間保持し、500mlの水を加え、pHを1Nの塩化水素で中性に調節し、層を分離し、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を減圧下で濃縮乾燥し、化合物XVを得て、これを次の反応に直接供した。
1H NMR (CDCl
3):δ1.08-1.19 (m, 2 H), 1.28 (dd, 2 H, J = 6.2, 7.4 Hz), 1.45 (s, 9 H), 1.48-1.57 (m, 5 H), 1.72 (d, 2 H, J = 12.7 Hz), 2.69 (t, 2 H, J = 11.6 Hz), 3.20 (t, 2 H, J = 7.6 Hz), 4.07 (d, 2 H, J = 13.1 Hz), 6.03 (s, 2 H), 6.43 (s, 1 H), 7.23 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 437 [M+Na]
+.
【0068】
(例29)
6−[2−(4−ピペリジル)エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オンヒドロクロリド(化合物II−5)の調製
【化31】
反応槽に、上記のステップにおいて得た全ての化合物XVおよび750mlのエタノールを加えた。混合物を完全に溶解するまで加熱し、36mlの濃塩酸を加え、反応物を約50〜55℃で5時間保持し、約200mlに減圧下で濃縮し、900mlの酢酸エチルを滴下で添加し、冷却し、濾過し、フィルターケーキを洗浄し、乾燥させ、24.3gの化合物II−5を46.2%の収率で得た(化合物IX−1によって計算した)。
1H NMR (D
2O):δ1.06 (t, 2 H, J = 6.7 Hz), 1.32-1.46 (m, 6 H), 1.60 (m, 1 H), 1.91 (d, 2 H, J = 13.5 Hz), 2.91-3.03 (m, 4 H), 3.39 (d, 2 H, J = 12.8 Hz), 5.90 (s, 2 H), 6.18 (s, 1 H), 6.68 (s, 1 H); MS (ESI): m/z 315 [M-Cl]
+.
【0069】
(例30)
6−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オン(化合物I−17)の調製
【化32】
反応槽に、2g(0.006mol)の化合物II−5および40mlのアセトニトリルを撹拌しながら加え、1.2g(0.008mol)の炭酸カリウム、1ml(0.007mol)のトリエチルアミン、および2ml(0.017mol)の塩化ベンジルを加えた。混合物を60℃に加熱し、反応物を2.5時間保持し、200mlの酢酸エチルおよび100mlの水を加え、抽出し、洗浄し、有機層を集め、硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を濃縮乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって分離し、1.5gの化合物I−17を65.2%の収率で得た。
1H NMR (CDCl
3):δ1.24-1.33 (m, 5 H), 1.49-1.57 (m, 4 H), 1.72 (d, 2 H, J = 9.6 Hz), 1.96 (t, 2 H, J = 10.8 Hz), 2.87 (d, 2 H, J = 11.4 Hz), 3.19 (t, 2 H, J = 7.8 Hz), 3.49 (s, 2 H), 6.03 (s, 2 H), 6.42 (s, 1 H), 7.22-7.25 (m, 2 H), 7.28-7.32 (m, 4 H); MS (ESI): m/z 405 [M+H]
+.
【0070】
下記の化合物を、化合物II−5を原料として使用し、適切な試薬を使用することによって、例30における方法によって調製した。
【化33】
【0071】
(例42)
6−[2−[1−(2−ピリジルメチル)−4−ピペリジル]エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オン(化合物I−29)の調製
【化34】
反応槽に、24.3g(0.069mol)の化合物II−5、36.5g(0.26mol)の炭酸カリウム、243mlのエタノール、6.1ml(0.044mol)のトリエチルアミンを加えた。混合物を約50℃に加熱し、31.5g(0.049mol)の2−クロロメチルピリジンヒドロクロリドを加え、反応物を50℃で5時間保持し、750mlの水を加え、固体を沈殿させ、濾過し、フィルターケーキを水で洗浄し、乾燥させ、17.8gの化合物I−29を63.4%の収率で得た。
1H NMR (CDCl
3):δ1.26 (dd, 2 H, J = 6.1, 7.6 Hz), 1.35 (br s, 3 H), 1.49-1.57 (m, 4 H), 1.72 (d, 2 H, J = 8.6 Hz), 2.08 (t, 2 H, J = 10.4 Hz), 2.89 (d, 2 H, J = 10.7 Hz), 3.19 (t, 2 H, J = 7.9 Hz), 3.64 (s, 2 H), 6.03 (s, 2 H), 6.42 (s, 1 H), 7.15 (dd, 1 H, J= 5.2, 6.7 Hz), 7.24 (s, 1 H), 7.41 (d, 1 H, J = 7.7 Hz), 7.64 (td, 1 H, J = 7.6, 1.8 Hz), 8.55 (d, 1 H, J = 4.2 Hz); MS (ESI): m/z 406 [M+H]
+.
【0072】
下記の化合物を、化合物II−5を原料として使用し、適切な試薬を使用することによって、例42における方法によって調製した。
【0073】
【化35】
【0074】
(例46)
6−[2−[1−(2−ピリジルメチル)−4−ピペリジル]エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オンヒドロクロリド(化合物I−33)の調製
【化36】
反応槽に、5g(0.012mol)の化合物I−29および25mlのエタノールを加え、完全に溶解するまで50℃で撹拌しながら加熱し、1ml(0.012mol)の濃塩酸を加え、1gの活性炭素を加え、20分間脱色し、濾過し、濾液を室温に冷却し、50mlのイソプロピルエーテルを滴下で添加し、固体を沈殿させ、1時間撹拌し、濾過し、フィルターケーキを少量のイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥させ、5gの化合物I−33を91.7%の収率で得た。これは、約90%の収率で、エタノール/イソプロピルエーテルでさらに精製することができる。
1H NMR (D
2O):δ1.14 (t, 2 H, J = 7.0 Hz), 1.38-1.70 (m, 7 H), 1.96 (d, 2 H, J = 13.3 Hz), 2.99-3.14 (m, 4 H), 3.50 (d, 2 H, J = 11.0 Hz), 4.37 (s, 2 H), 5.93 (s, 2 H), 6.28 (s, 1 H), 6.75 (s, 1 H), 7.47 (dd, 1 H, J = 5.6, 7.5 Hz), 7.55 (d, 1 H, J = 7.8 Hz), 7.91 (td, 1 H, J = 7.8, 1.7Hz), 8.58 (d, 1 H, J = 4.4 Hz); MS (ESI): m/z 406 [M-Cl]
+.
【0075】
(例47)
6−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オンヒドロクロリド(化合物I−34)の調製
【0076】
【化37】
化合物I−34は、6−[2−(1−ベンジル−4−ピペリジル)エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オン(化合物I−17)を原料として使用して、例46における方法によって調製した。
1H NMR (CDCl
3):
1H NMR (CDCl
3):δ1.27 (dd, 2 H, J = 6.2, 7.5 Hz), 1.48-1.66 (m, 5 H), 1.95-2.10 (m, 4 H), 2.62 (ddd, 2 H, J = 4.6, 12.4, 22.2 Hz), 3.25 (t, 2 H, J = 6.7 Hz), 3.43 (d, 2 H, J = 11.3 Hz), 4.11 (d, 2 H, J = 5.0 Hz), 6.04 (s, 2 H), 6.43 (s, 1 H), 7.21 (s, 1 H), 7.41-7.46 (m, 3 H), 7.62 (dd, 2 H, J = 2.3, 5.9 Hz), 12.31 (br s, 1 H); MS (ESI): m/z 405 [M-Cl]
+.
【0077】
(例48)
6−[2−[1−(2−ピリジルメチル)−4−ピペリジル]エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オンホスフェート(化合物I−35)の調製
【0078】
【化38】
反応槽に、2g(0.0049mol)の化合物I−29および40mlのエタノールを加え、完全に溶解するまで60℃で撹拌しながら加熱し、0.57g(0.0049mol)の85%リン酸を加え、撹拌し、固体を沈殿させ、40mlの酢酸エチルを滴下で添加し、室温に冷却し、1時間撹拌し、濾過し、フィルターケーキを少量の酢酸エチルで洗浄し、乾燥させ、2.1gの化合物I−35を84.7%の収率で得た。
1H NMR (D
2O):δ1.10 (t, 2 H, J = 7.2 Hz), 1.33-1.64 (m, 7 H), 1.92 (d, 2 H, J = 13.4 Hz), 2.95-3.09 (m, 4 H), 3.46 (d, 2 H, J = 10.7 Hz), 4.34 (s, 2 H), 5.89 (s, 2 H), 6.20 (s, 1 H), 6.69 (s, 1 H), 7.45 (dd, 1 H, J = 5.2, 7.4 Hz), 7.53 (d, 1 H, J = 7.8 Hz), 7.88 (td, 1 H, J = 7.7, 1.2 Hz), 8.54 (d, 1 H, J = 4.6 Hz).
【0079】
(例49)
6−[2−[1−(2−ピリジルメチル)−4−ピペリジル]エチル]−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−5,7−ジオン(化合物I−36)の調製
【化39】
化合物I−36は、6−[2−(4−ピペリジル)エチル]−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−5,7−ジオンヒドロクロリド(化合物II−1)および2−クロロメチルピリジンヒドロクロリドを原料として使用して、例3における方法によって調製した。
1H NMR (DMSO-d
6):δ1.12-1.19(m, 3 H), 1.48(q, 2 H, J = 6.1 Hz), 1.67(d, 2 H, J = 9.4 Hz), 1.94(t, 2 H, J = 10.3 Hz), 2.76(d, 2 H, J = 11.2 Hz), 3.54(m, 4 H), 6.27(s, 2 H), 7.24(dd, 1 H, J = 6.8, 5.4 Hz), 7.38(s, 2 H), 7.42(d, 1 H, J = 7.8 Hz), 7.74(td, 1 H, J = 7.7, 1.4 Hz), 8.64(d, 1 H, J = 4.2 Hz): m/z 394 [M+H]
+.
【0080】
(例50)
6−[2−[1−(ピリダジン−3−イルメチル)−4−ピペリジル]エチル]−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−5,7−ジオン(化合物I−37)の調製
【化40】
化合物I−37は、6−[2−(4−ピペリジル)エチル]−[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−5,7−ジオンヒドロクロリド(化合物II−1)および3−ブロモメチルピリダジンヒドロブロミドを原料として使用して、例3における方法によって調製した。
1H NMR(CDCl
3):δ1.26-1.32(m, 3 H), 1.58(q, 2 H, J = 5.0 Hz), 1.75(d, 2 H, J = 8.9 Hz), 2.12(t, 2 H, J = 10.6 Hz), 2.81(d, 2 H, J = 11.1 Hz), 3.65(t, 2 H, J = 7.2 Hz), 3.84(s, 2 H), 6.15(s, 2 H), 7.19(s, 2 H), 7.45(dd, 1 H, J = 8.4, 4.9 Hz), 7.66(dd, 1 H, J = 8.4, 1.2 Hz), 9.07(dd, 1 H, J = 4.8, 1.6 Hz): m/z 395 [M+H]
+.
【0081】
(例51)
6−[2−[1−(ピリダジン−3−イルメチル)−4−ピペリジル]エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オン(化合物I−38)の調製
【化41】
化合物I−38は、6−[2−(4−ピペリジル)エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オンヒドロクロリド(化合物II−5)および3−ブロモメチルピリダジンヒドロブロミドを原料として使用して、例42における方法によって調製した。
1H NMR(CDCl
3):δ1.25-1.37(m, 5 H), 1.49-1.58(m, 4 H), 1.73(d, 2 H, J = 11.2 Hz), 2.14(t, 2 H, J = 10.7 Hz), 2.82(d, 2 H, J = 11.6 Hz), 3.19(t, 2 H, J = 7.8 Hz), 3.85(s, 2 H), 6.03(s, 2 H), 6.43(s, 1 H), 7.23(s, 1 H), 7.46(dd, 1 H, J = 8.4, 4.9 Hz), 7.67(d, 1 H, J = 8.0 Hz), 9.08(dd, 1 H, J = 4.8, 1.4 Hz): m/z 407 [M+H]
+.
【0082】
(例52)
6−[2−[1−(1H−ピロール−2−イルメチル)−4−ピペリジル]エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オン(化合物I−39)の調製
【化42】
反応槽に、100mlの無水エタノールおよび1.4g(0.061mol)のナトリウムを加えた。反応が完了した後、4.2g(0.043mol)の1H−ピロール−2−イルメタノールおよび2.5g(0.0071mol)の化合物II−5を加えた。反応が完了するまで混合物を3時間加熱還流させ、酢酸エチルおよび水を加え、抽出し、洗浄し、有機層を集め、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を濃縮乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって分離し、1.5gの化合物I−39を得た。
1H NMR (DMSO-d
6):δ1.10-1.19(m, 3 H), 1.33-1.40(m, 4 H), 1.57(t, 2 H, J = 6.6 Hz), 1.64(d, 2 H, J = 11.7 Hz), 1.81(t, 2 H, J = 11.1 Hz), 2.74(d, 2 H, J = 10.9 Hz), 3.13(t, 2 H, J = 7.6 Hz), 3.34(s, 2 H), 5.83(s, 1 H), 5.90(s, 1 H), 6.10(s, 2 H), 6.61(s, 1 H), 6.88(s, 1 H), 7.10(s, 1 H), 10.60(s, 1 H): m/z 394 [M+H]
+.
注:1H−ピロール−2−イルメタノールは、水酸化ホウ素ナトリウムによる還元によって1H−ピロール−2−カルボキサルデヒドから調製することができる。
【0083】
(例53)
6−[2−[1−[(5−メチル−1H−ピロール−2−イル)メチル]−4−ピペリジル]エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オン(化合物I−40)の調製
【化43】
反応槽に、300mlの無水エタノール、10g(0.029mol)の化合物II−5、および20g(0.13mol)のエチル5−メチル−1H−ピロール−2−カルボキシレートを加えた。混合物を室温で撹拌し、30g(1.30mol)のナトリウムをバッチで加え、添加が完了した後、混合物を60〜70℃に加熱し、反応物を5〜6時間保持し、反応が完了した後、酢酸エチルおよび水を加え、抽出し、洗浄し、有機層を集め、無水硫酸ナトリウム上で脱水し、濾過し、濾液を濃縮乾燥し、カラムクロマトグラフィーによって分離し、2gの化合物I−40を得た。
1H NMR (DMSO-d
6):δ1.08-1.22(m, 3 H), 1.32-1.42(m, 4H), 1.57(t, 2 H, J = 7.0 Hz), 1.65(d, 2 H, J = 11.5 Hz), 1.84(t, 2 H, J = 9.1 Hz), 2.13(s, 3 H), 2.78(d, 2 H, J = 10.2 Hz), 3.13(t, 2 H, J = 7.5 Hz), 3.31(s, 2 H), 5.57(s, 1 H), 5.69(s, 1 H), 6.10(s, 2 H), 6.88(s, 1 H), 7.10(s, 1 H), 10.35(s, 1 H): m/z 408 [M+H]
+.
【0084】
(例54)
6−[2−[1−(1H−ピラゾール−5−イルメチル)−4−ピペリジル]エチル]スピロ[[1,3]ジオキソロ[4,5−f]イソインドール−7,1’−シクロプロパン]−5−オン(化合物I−41)の調製
【0085】
【化44】
反応槽に、10g(0.029mol)の化合物II−5、3.4g(0.035mol)の1H−ピラゾール−5−カルバルデヒド、および150mlの無水メタノールを撹拌しながら加え、3.6ml(0.063mol)の酢酸を加え、30分間撹拌し、2.5g(0.040mol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムを加え、反応物を50〜60℃で6時間保持し、室温に冷却し、150mlの水を加え、反応混合物のpHを水酸化ナトリウムで8〜9に調節し、次いで、300mlの水を滴下で添加し、白色の固体を沈殿させ、濾過し、8.1gの化合物I−41を得た。
1H NMR (DMSO-d
6):δ1.09-1.21(m, 3 H), 1.33(t, 2 H, J = 7.1 Hz), 1.40(q, 2 H, J = 7.8 Hz), 1.57(t, 2 H, J = 7.5 Hz), 1.65(d, 2 H, J = 11.4 Hz), 1.89(t, 2 H, J = 10.8 Hz), 2.77(d, 2 H, J = 10.4 Hz), 3.12(t, 2 H, J = 7.6 Hz), 3.45(s, 2 H), 6.10(s, 3 H), 6.88(s, 1 H), 7.11(s, 1 H), 7.56(br s, 1 H), 12.58(br s, 1 H): m/z 395 [M+H]
+.
【0086】
本発明による化合物の薬力学的スクリーニングを、下記の手順によって行った。
【0087】
I.インビトロの薬力学的スクリーニング
アセチルコリンエステラーゼに対する一連の式(I)の化合物の阻害効果を試験するための、修正エルマン法(Alvin V. et al. JWS-USC-75-IX Improves Information Processing and Cognitive Function in Animal Models [J]. Journal of Pharmacology and experimental therapeutics, 2010, 336( 3):751)を試験に用いて活性AchEIをスクリーニングし、これらの活性を酵素に対する一連の式(I)の化合物の阻害のIC
50値によって評価した。試験結果を表1に示した。
【0088】
【表1】
【0089】
ドネペジルヒドロクロリド(DPH)をインビトロの薬力学的スクリーニング試験において陽性対照薬物として使用した、化合物I−1およびI−2は、酵素学レベルにおいて陽性対照薬物より僅かにより高い効力を有し、I−3、I−4、I−10、I−17、I−18、I−25、I−34、およびI−36は、陽性対照薬物より僅かにより低い効力を有し、I−5、I−6、I−7、I−8、I−9、I−11、I−19、I−20、I−21、I−23、I−29、I−33、I−35、I−37、およびI−41は、さらにより低く、I−12、I−13、I−14、I−15、I−16、I−22、I−24、I−26、I−27、I−28、I−30、I−31、I−32、I−38、I−39、およびI−40は、相対的低活性を有することを結果は示した。
【0090】
II.インビボの薬力学的スクリーニング
A.スコポラミンによって誘発されるマウスの学習および記憶障害に対する一連の式(I)の化合物の改善。
スコポラミンは、中枢性Mアセチルコリン受容体の競合的アンタゴニストであり、M1受容体およびM2受容体を遮断することができ、記憶障害をもたらし、老人性認知症のモデルとなる。ドネペジルヒドロクロリド(DPH)を陽性対照薬物として使用することによって、一連の式(I)の化合物の薬力学的スクリーニングを行った。モリス水迷路試験を、3〜5日間の投与の後動物に対して行った。
【0091】
試験材料:
1.試験動物:
雄のC57マウス、22±2g。動物を清浄レベルの動物室において適宜に明:暗サイクル(10時間/14時間)に供した。試験は1週間の順化の後に行なった。
2.試験機器:
モリス水迷路。
3.試験薬:
スコポラミン、ドネペジルヒドロクロリド(DPH)、一連の式(I)の化合物。
【0092】
試験方法:
1.動物の群分けおよび投与レジメン:
正常群、スコポラミン基、ドネペジルヒドロクロリド(DPH)群、および一連の式(I)の化合物の群を含めて、動物を群(1群毎に15匹の動物)に体重によって無作為に分けた。動物に胃内投与した(10ml/kg)。正常群およびモデル群に、等しい容量の溶媒を投与した。
【0093】
2.モリス水迷路試験:
2.1 試験方法および手順:
モリス水迷路は、円形プールならびに自動画像キャプチャおよび処理システムからなる。モニタリング装置は動物が水に入ったときに開始し、動作の経路を記録し、実験が完了した後、関連するパラメーターを分析し、自動的に報告した。
モリス水迷路における円形プールの内側の空間を、サイズが等しい4つの象限に分割した。プラットフォームを象限Iの中央に置き、プラットフォームの位置は挙動試験を通して変化させない。プラットフォームが水面1cm下に沈むように、適切な量の水を実験の1日前に加えた。プール中の水が乳白色となるように、食用の白色の着色剤(2g/L)を実験の前に加えた(プール中の水は、実験の間、毎日補給した)。実験の訓練段階は、毎日2回、5日間続いた。訓練の間、スコポラミン(1mg/kg)を訓練の30分前に腹腔内に注射した。マウスをプールに入れ、象限IIIにおいて壁に対面させ、マウスが水に入れられた後に隠れたプラットフォームを見つけ、その上に立つのに必要とされる時間を秒(S)として表す潜期として記録した。プラットフォームを見つけた後、マウスをプラットフォーム上に10秒間立たせた。マウスが水に入れられた60秒後にプラットフォームを見つけなかった場合、潜期は60秒として記録し、マウスをプラットフォーム上へと穏やかに引っ張り、10秒間立たせた。
【0094】
2.2 実験プロジェクト
1.空間定位試験:
これは、マウスが水迷路の学習および記憶を取得する能力の試験のために適用された。試験において、マウスがプラットフォームを見つけ、それに登るのに必要とする期間、およびロードマップを記録した、すなわち、潜期を記録した。
2.空間探索試験:
これは、マウスがどのようにプラットフォームを見出すかを学習した後で、マウスがプラットフォームの空間位置の記憶を保持する能力の試験のために適用された。空間探索試験が完了した後、プラットフォームを除去した。マウスを水中の同じ位置に入れ、マウスがプラットフォームの当初の位置に最初に達するのに必要とする期間、および当初のプラットフォームを横断する時間を記録した。
【0095】
2.3 脳組織の生化学的指標の決定:
挙動試験が完了した後、マウスを屠殺し、脳組織を集め(氷のプレート上で手術)、予め冷却した生理食塩水で10%の組織ホモジネートに調製し、遠心分離し(3000rpm、10分)、キットに従って、上清をマロンアルデヒド(MDA)アッセイに供した。
【0096】
試験結果:
(1)スコポラミンによって誘発される老人性認知症マウスモデルに対するI−17、I−18およびI−19の治療効果
試験を、正常群、スコポラミン(1mg/kg)群、ドネペジルヒドロクロリド(DPH)(5mg/kg)群、I−17(5mg/kg)群、I−18(5mg/kg)群、およびI−19(5mg/kg)群に分けた。モリス水迷路試験の試験結果を、表2において示した。
【0097】
【表2】
【0098】
モデル群と比較して、I−17は、動物がプラットフォーム上に登るための潜期を有意に短縮し、一方、動物がプラットフォームを横断する時間を増加させることを結果は示した。I−17は、スコポラミンによって誘発される動物の学習および記憶障害を改善させることができ、ドネペジルヒドロクロリド群より優れている。I−18およびI−19は、動物がプラットフォーム上へと登る潜期を短縮することができ、一方、動物がプラットフォームを横断する時間を増加させる。I−18およびI−19は、スコポラミンによって誘発される動物の学習および記憶障害を改善させることができる。
【0099】
(2)スコポラミンによって誘発される老人性認知症マウスモデルに対するI−3およびI−18の治療効果
試験を、正常群、スコポラミン(1mg/kg)群、ドネペジルヒドロクロリド(DPH)(5mg/kg)群、I−3(10mg/kg)群、I−3(5mg/kg)群、I−18(10mg/kg)群、およびI−18(5mg/kg)群に分けた。モリス水迷路試験の試験結果を、表3において示した。
【0100】
【表3】
モリス水迷路試験において、各群の潜期は、時間的に減少する傾向を有し、一方、モデル群と比較して、I−3群の潜期は有意に減少し、ドネペジルヒドロクロリド群に近く、またはドネペジルヒドロクロリド群より優れていたことを結果は示した。化合物I−3は、スコポラミンによって誘発されるマウスの学習および記憶障害を改善させる効力を有し得る。
【0101】
(3)スコポラミンによって誘発される老人性認知症マウスモデルに対するI−14、I−15、I−23およびI−29の治療効果
試験を、正常群、スコポラミン(1mg/kg)群、ドネペジルヒドロクロリド(DPH)(5mg/kg)群、I−14(5mg/kg)群、I−15(5mg/kg)群、I−23(5mg/kg)群、およびI−29(5mg/kg)群に分けた。モリス水迷路試験の試験結果を表4において示し、生化学的試験の結果を表5において示した。
【0102】
【表4】
【0103】
【表5】
【0104】
モデル群と比較して、モリス水迷路試験において、各群がプラットフォームへと登る潜期は時間的に短くなり、特にI−29群についてのプラットフォームを横断する時間は、ドネペジルヒドロクロリド群より非常に長く、またはドネペジルヒドロクロリド群に近いことが多かったことを結果は示した。一方で、各群は、動物の脳におけるMDAの含量を低減させることができる。とりわけ、化合物I−29は有意な抗酸化効果を有し、スコポラミンによって誘発されるマウスの学習および記憶障害を改善させることに対して影響を有し得る。
【0105】
(4)スコポラミンによって誘発される老人性認知症マウスモデルに対するI−9およびI−17の治療効果
試験を、正常群、スコポラミン(1mg/kg)群、ドネペジルヒドロクロリド(DPH)(5mg/kg)群、I−9(10mg/kg)群、I−9(5mg/kg)群、I−17(10mg/kg)群、およびI−17(5mg/kg)群に分けた。モリス水迷路試験の試験結果を、表6において示した。
【0106】
【表6】
【0107】
モデル群と比較して、モリス水迷路の空間定位試験において、各群がプラットフォームへと登る潜期は、時間的に減少する傾向を有したことを結果は示した。I−17群(10mg/kg)の潜期は、ドネペジルヒドロクロリド群より優れており、有意な効果を有した。モリス水迷路空間探索試験において、I−9(10mg/kg)群、I−17(10mg/kg)群、およびI−17(5mg/kg)群の、プラットフォームを横断する時間は、ドネペジルヒドロクロリド群より長かった。モリス水迷路試験において、I−17(10mg/kg)群の動物がプラットフォーム上に登る潜期およびプラットフォームを横断する時間は、ドネペジルヒドロクロリド群よりも優れていた。化合物I−17は、スコポラミンによって誘発されるマウスの学習および記憶障害を改善させる効果を有した。
【0108】
B.Aβ1−42の側脳室内注射によって誘発されるマウスの学習および記憶障害に対する化合物I−29のヒドロクロリド(I−33)の改善。
Aβ1−42の側脳室内注射の後に誘発される学習および記憶障害のモデルは、化合物が学習および記憶を改善する効果を有するかどうかを評価するための最も一般の動物モデルである。この動物モデルは動物の学習能力および記憶機能を有意に破壊し、記憶に影響を与えるものであり、その機序は公知である、その結果は再現性があり、また別個の非特異的な影響を有さない。モリス水迷路試験、ならびにAβ1−42の側脳室内注射によって誘発される学習および記憶障害のモデルを本研究において用い、様々な濃度(0.7mg/Kg、3.5mg/Kg、および7mg/Kg)でのラットの学習および記憶に対するI−33の改善効果を評価した。
【0109】
試験材料および群分け:
1.試験動物:
SD、雄(220±20g)の動物を、清浄レベルの動物室において適宜に明:暗サイクル(12時間/12時間)に供した。試験は動物室における3日の順化の後に行なった。Aβ1−42は、明細の指示によって2μg/μlに配合した。
2.群分け
(1)正常群:生理食塩水の側脳室内注射
(2)Aβ1−42の側脳室内注射を伴うモデル群:Aβ1−42の側脳室内注射
(3)ドネペジルヒドロクロリド対照群:ドネペジルヒドロクロリド(DPH)(3mg/Kg)+Aβ1−42の側脳室内注射
(4)I−33(低濃度群):I−33(0.7mg/Kg)+Aβ1−42の側脳室内注射
(5)I−33(中程度濃度群):I−33(3.5mg/Kg)+Aβ1−42の側脳室内注射
(6)I−33(高濃度群):I−33(7mg/Kg)+Aβ1−42の側脳室内注射
3.試験機器:ラットモリス水迷路機器、および脳定位固定装置。
4.試験試薬:Aβ1−42、ドネペジルヒドロクロリド(DPH)、およびI−33。
【0110】
試験方法:
SDラットを、正常対照群、Aβ1−42の側脳室内注射を伴うモデル群、陽性対照群(ドネペジルヒドロクロリド、3mg/Kg)、ならびに試験薬I−33群(0.7mg/kg、3.5mg/Kgおよび7mg/kgの群)に無作為に分けた。正常対照群における各ラットは、5μlの生理食塩水の側脳室内注射を受け、他の群における各ラットは、5μlのAβ1−42の側脳室内注射を受けた。手術の後、ラットは、1週間の回復期間の後、下記の試験を受けた。対応する溶媒を、定時に正常対照群、およびAβ1−42の側脳室内注射を伴うモデル群におけるラットに、毎日朝、胃内投与によって投与し、I−33群およびドネペジルヒドロクロリド対照群におけるラットに、体重によって対応する量の薬物を投与した。薬物を8日間投与し、水迷路試験のための訓練を5日目に開始し、水迷路試験を9日目に正式に開始した。
【0111】
試験結果:表7において示す通り。
(1)各群においてラットの遊泳速度の有意な統計的差異は存在せず、これはラットが同じ状態を有することを示す。
(2)ラットへのAβ1−42の側脳室内注射(10μg/ラット)の後、初めてプラットフォームに達するのに必要とされる期間(潜期)は有意に延長した。ドネペジルヒドロクロリド(DPH)(3mg/Kg)は、Aβ1−42の効果と争うことができ、初めてプラットフォームに達するのに必要とされる期間を有意に短縮する。試験したI−33の様々な投与量の全ては、初めてプラットフォームに達するのに必要とされる期間(潜期)を有意に短縮することができる。
(3)ラットへのAβ1−42の側脳室内注射(10μg/ラット)の後、プラットフォームを横断する時間は有意に減少した。ドネペジルヒドロクロリド(DPH)(3mg/Kg)は、Aβ1−42の効果と争うことができ、プラットフォームを横断する時間を有意に増加させる。試験したI−33の様々な投与量の全ては、プラットフォームを横断する時間を有意に増加させることができる。
【0112】
【表7】
モリス水迷路において、試験したI−33の様々な投与量の全ては、Aβ1−42の側脳室内注射によって誘発されるラットの学習および記憶障害を有意に改善させることができ、投与量依存的であることを結果は示した。
【0113】
急性毒性試験
予備急性毒性試験を、Guiding Principles on Acute Toxicity Test Technic of Chemical Drugsを参照して、本発明による代表的な化合物(すなわち、化合物I−29)のヒドロクロリド(I−33)、および本発明による代表的な化合物(すなわち、化合物I−17)のヒドロクロリド(I−34)を試験するために白マウスに対して行った。
【0114】
試験方法:
第一に、正式な試験を開始する前に、各化合物の濃度を決定するために、ちょうど0%の死亡率またはちょうど100%の死亡率を伴う予備試験を行った。動物を体重によって群に分け、0%〜100%の間で様々な投与量の薬物を投与した。投与容量:10ml/kg。投与の様式:静脈内注射または胃内投与。
【0115】
A.ドネペジルヒドロクロリドの急性毒性試験
1.静脈内注射:
動物を、群毎に5匹の動物で6群に分けた。6群についての投与量は、それぞれ、4.00mg/kg、3.60mg/kg、3.24mg/kg、2.92mg/kg、2.62mg/kgおよび2.36mg/kgであった。各動物の尾静脈に1回注射し、1週間観察した。
2.胃内投与:
動物を、群毎に5匹の動物で6群に分けた。6群についての投与量は、それぞれ、64.80mg/kg、58.32mg/kg、42.51mg/kg、38.27mg/kg、34.44mg/kgおよび30.99mg/kgであった。各動物は投与の前12時間絶食させた。各動物に1回胃内投与をし、1週間観察した。
B.I−33の急性毒性試験
1.静脈内注射:
動物を、群毎に5匹の動物で6群に分けた。6群についての投与量は、それぞれ、50.00mg/kg、40.00mg/kg、32.00mg/kg、25.60mg/kg、20.48mg/kgおよび16.18mg/kgであった。各動物の尾静脈に1回注射し、1週間観察した。
2.胃内投与:
動物を、群毎に5匹の動物で6群に分けた。6群についての投与量は、それぞれ、500.00mg/kg、450.00mg/kg、295.25mg/kg、265.72mg/kg、239.15mg/kgおよび215.23mg/kgであった。各動物は投与の前12時間絶食させた。各動物に1回胃内投与をし、1週間観察した。
【0116】
C.I−34の急性毒性試験
1.静脈内注射:
動物を、群毎に5匹の動物で5群に分けた。5群についての投与量は、それぞれ、25.60mg/kg、23.04mg/kg、20.25mg/kg、18.23mg/kgおよび16.40mg/kgであった。各動物の尾静脈に1回注射し、1週間観察した。
【0117】
2.胃内投与:
動物を、群毎に5匹の動物で5群に分けた。5群についての投与量は、それぞれ、300.00mg/kg、240.00mg/kg、192.00mg/kg、153.60mg/kgおよび122.88mg/kgであった。各動物は投与の前12時間絶食させた。各動物に1回胃内投与をし、1週間観察した。
【0118】
観察される指標:
投与後の毒性反応および動物の死亡を観察し、死亡率を計数した。結果をLD50データ処理ソフトウェアで分析した。
【0119】
試験結果:表8において示す通り。
【表8】
【0120】
経口投与および静脈内投与によるI−33の半致死量は、それぞれ、ドネペジルヒドロクロリドの半致死量の8〜10倍であり、経口投与および静脈内投与によるI−34の半致死量は、それぞれ、ドネペジルヒドロクロリドの半致死量の4〜7倍であったことを予備試験の結果は示した。I−33およびI−34の両方はドネペジルヒドロクロリドより低い毒性を示し、より良好な安全性を有した。
【0121】
薬物動態についての研究
本発明による代表的な化合物(すなわち、化合物I−29)のヒドロクロリド(I−33)、およびそのホスフェート(phosephate)(I−35)の経口血漿薬物動態についての研究は、Guiding Principles on Preclinical Researches on Pharmacokineticsを参照して、ラットで行った。
【0122】
試験方法および結果:
それぞれ、ドネペジルヒドロクロリド投与群、I−35投与群、およびI−33投与群を含めて、様々な薬物をラットに経口的に投与した、投与量は5mg/kgであり、投与容量は10mL/kgであった。投与の0.083時間、0.167時間、0.333時間、0.666時間、1.0時間、2.0時間、3.0時間、4.0時間、6.0時間、8.0時間、12時間、24時間、36時間、48時間、72時間および96時間後に、静脈血をラットの眼後方の静脈叢から集め、6匹のラットを各時点で使用した。対応する時点において0.3mlの全血を集め、ヘパリンで抗凝固剤処置し、4000rpmで10分間遠心分離し、血漿を分離し、ラットの50μLの血漿試料を集め、100μLのアセトニトリル(0.1%ギ酸を含有)を加え、ボルテックスしながら1分間混合し、10分間遠心分離し(12000rpm)、上清を集め、液体クロマトグラフィー−質量分析計で分析し、ピークの面積を記録して、血液薬物濃度の計算のために使用し、薬物−時間曲線をプロットした。一方で、これをChinese Pharmacological SocietyからのDAS2.0薬物動態ソフトウェアで自動的にフィットさせ、対応する薬物動態パラメーターを表9および
図1において示した。
【0123】
【表9】
【0124】
同じ投与量で、ドネペジルヒドロクロリドと比較して、I−33およびI−35の吸収程度(AUC)およびピーク濃度(Cmax)は、ドネペジルヒドロクロリドの吸収程度(AUC)およびピーク濃度(Cmax)より有意に高かったことを結果は示した。
【0125】
結論として、本発明において提供した化合物の中で、I−1、I−2、I−4およびI−17またはそのヒドロクロリド(I−34)は、アセチルコリンエステラーゼに対してドネペジルヒドロクロリドと匹敵する阻害活性を有する。ドネペジルヒドロクロリドと比較して、モリス水迷路において、I−17およびI−29またはそのヒドロクロリド(I−33)は、学習および記憶を改善させるより強い効果を示し、より良好な効率性をインビボで示した。I−29またはそのヒドロクロリド(I−33)は、特に注目すべきであり、この化合物のアセチルコリンエステラーゼに対する阻害活性はインビトロで相対的に弱いのであるが(すなわち、ドネペジルヒドロクロリドの約10%)、ドネペジルヒドロクロリドより非常に高いインビボの効率性を有し、ドネペジルヒドロクロリドと比較してより強力な抗酸化効果を有することから、I−29の学習および記憶を改善させる効果はアセチルコリンエステラーゼに対するその効果に加えて、他の経路によって誘発し得ることを示す。別の刺激的な試験結果は以下である。白ラットに対する予備急性毒性試験において、I−29のヒドロクロリド(I−33)は、ドネペジルヒドロクロリドの毒性の10分の1までの非常により低い毒性示し、このようにこの化合物は大きい潜在力を有し、現行の薬物によってもらされる毒性および有害効果によってもたらされる疼痛を有意に低減させることができ、化合物I−29の有望な可能性を示す。
【0126】
本発明において記述した参考文献の全ては、それぞれの参考文献が別々に参照されることによって引用されるかのように、参照により引用される。本発明の上記の内容を読んだ後、当業者は本発明に様々な変更または修正を行うことができ、このような同等物はまた、添付の特許請求の範囲において定義されているような本発明の範囲内にあることを認識されたい。