(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
A.第1実施形態
図1は、本実施形態に係る広告提供システム1000の概略構成を示す図である。広告提供システム1000は、銀行などの店舗に設けられ、利用者の順番待ちを管理する順番管理端末100と、順番管理端末100に接続されたプリンタ200と、通信ネットワークNを介して順番管理端末100を統括管理する管理サーバ300と、順番待ちの利用者らに広告を提供する広告提供サーバ400とを備えている。
【0013】
図1では、順番管理端末100が設けられる店舗の一例として、銀行Aを例示しているが、これに限る趣旨ではなく、飲食店やショップ、複合アミューズメントシステム、ショッピングモール、デパート、病院や公共施設など、順番待ちが発生するあらゆる施設に適用可能である。なお、以下では説明の理解を容易にするため、順番管理端末100が設けられる施設を「店舗」と総称する。
【0014】
順番管理端末100は、店舗の入り口付近などに設置され、各種サービスの提供を受ける際の順番待ちを管理するための端末装置である。順番管理端末100としては、タブレット端末のほか、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)など、通信ネットワークNを介して管理サーバ300とデータの授受が可能なあらゆる端末装置を利用することができる。
【0015】
プリンタ200は、有線ケーブルまたは無線によって順番管理端末100と接続され、順番待ちの数などをあらわす順番券や様々な特典を付与するクーポンなどを発行する。
【0016】
大型ディスプレイ(表示装置)250は、有線ケーブルまたは無線によって順番管理端末100と接続され、当該時点での順番待ちの状況(待ち組数や、待ち時間など)を表示するとともに、順番待ちをする利用者全体の属性を考慮した広告を表示する。
図2は、大型ディスプレイ250の表示画面を例示した図である。
図2に示すように、大型ディスプレイ250には、利用者の現時点での順番待ち状況をあらわす待ち状況情報Ieと、利用者全体の属性を考慮した広告情報Iaが表示される。ここで、「利用者全体の属性」とは、順番待ちをする各利用者(または各利用者グループ)の属性(例えば性別、年齢層など)を集計してから決定される広告提供のための属性条件をいう。例えば、順番待ちの利用者の7割が「女性」、「30代」が8割を占めるような場合であれば、「メイン属性」として「30代女性」が選択(決定)され、「30代女性」が最も関心がありそうなジャンルの広告(例えば、美容や健康などの関連グッズ)が、大型ディスプレイ250に表示されることとなる(
図2参照)。詳細は後述するが、大型ディスプレイ250に表示される広告は、広告提供サーバ400から提供される。
【0017】
管理サーバ300は、例えば、演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。ここで、管理サーバ300を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、通信ネットワークN上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。管理サーバ300は、店舗ごとに順番管理端末100を管理するための管理データベース310と、プロセッサ320と、を備えている。管理データベース310は、クライアント管理テーブルTA1、ステータス管理テーブルTA2、待ち項目管理テーブルTA3を備えている。
【0018】
クライアント管理テーブルTA1には、店舗ごとに固有のIDとパスコード(アカウント)が対応づけて登録されている。ここでは、「銀行A」で利用される順番管理端末100に対して「ID:A1・・・」、「パスコード:AA2・・・」(すなわち、店舗識別情報)が設定されている。これら店舗ごとのID及びパスコードは、例えば、システム導入の際に各店舗で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、店長など)によって設定される。なお、本実施形態では、1店舗で1台の順番管理端末100を利用する場合を想定するが、1店舗で複数の順番管理端末100を利用しても良い(後述)。1店舗で複数の順番管理端末100を利用する場合には、同一のIDとパスコードを利用しても良いが、例えば所定の条件に従い、複数のIDとパスコードを使い分けるようにしても良い。
【0019】
ステータス管理テーブルTA2には、各店舗での順番待ちリストが登録されている。この順番待ちリストは、順番待ちをしている者の一覧と、各々の順番待ち状況(ステータス)をあらわす情報(ステータス情報)が含まれる。例えば、銀行Aについては、順番待ちをしているグループが「5組」おり、第1グループは、「30代男性が1人、20代女性が1人」、受付時間は「AM 11:11」、第2グループは、「20代女性が1人」、受付時間は「AM11:15」・・・といった具合である。ステータス管理テーブルTA2の登録内容は、順番管理端末100から送信される順番待ちリストへの新規登録情報、またはステータスの更新情報(詳細は後述)に基づいて変更される。なお、どのような情報をステータス情報とするかは、各店舗の管理者等が適宜設定・変更可能となっている。
【0020】
待ち項目管理テーブルTA3には、店舗ごとに設定されている、予約時に選択が可能な待ち項目と、各待ち項目の基準待ち時間が登録されている。例えば、「銀行A」で利用される順番管理端末100に対して設定されている待ち項目は相談内容の種類であり、ここでは「各種ローン」、「口座開設」、「金融商品仲介」などが設定されている。基準待ち時間は、順番待ちをしている1の順番待ち組が案内されるまでの平均的な待ち時間であり、1組目と2組目以降で変えるようにしてもよい。例えば、ここでは「各種ローン」に対して1組目待ち時間(15分)、2組目以降待ち時間(10分)、「口座開設」に対して1組目待ち時間(5分)、2組目以降待ち時間(3分)、「金融商品仲介」に対して1組目待ち時間(10分)、2組目以降待ち時間(15分)が設定されている。これら店舗ごとの待ち項目及び基準待ち時間は、例えば、システム導入の際に各施設で順番待ちの管理を行う管理者(例えば、店長など)によって設定される。また、待ち項目及び基準待ち時間は、必要に応じて随時変更することもできる。
【0021】
プロセッサ320は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、ROM等の記憶手段に格納されている各種プログラムを実行することで管理サーバ300の各部を中枢的に制御する。また、プロセッサ320は、順番管理端末100と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラムも実行する。
【0022】
広告提供サーバ400は、サーバコンピュータなどから構成され、管理サーバ300からの広告提供のリクエストに応じて、選択された広告を配信する。広告提供サーバ400から配信された広告は、通信ネットワークNを介して、広告情報として店舗(ここでは、銀行A)の順番管理端末100に送られる。順番管理端末100に送信された広告情報は、大型ディスプレイ250に表示される(詳細は後述)。
【0023】
通信ネットワークNは、広告提供サーバ400、管理サーバ300、順番管理端末100の間で相互に情報を送受信可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0024】
<順番管理端末100>
図3は、順番管理端末100の主要構成を示すブロック図である。順番管理端末100は、プロセッサ110と、入力装置115と、表示装置116と、通信インタフェース120と、記憶資源130とを備える。順番管理端末100は、利用者が直接タッチパネルなどの入力装置115を操作することで、順番待ちリストへの受付や消込み等の入力を受け付ける。ここで、利用者としては、店舗の利用者や従業員等が想定される。例えば、利用者は順番待ちリストに新たに順番待ちの登録をするための入力を行い、従業員等は順番待ちリストに登録されている情報のステータスを更新するための入力を行う。なお、ここでは、店舗の管理者や従業員などを従業員等と総称する。
【0025】
プロセッサ110は、算術演算、論理演算、ビット演算等を処理する算術論理演算ユニット(CPUなど)および各種レジスタから構成され、記憶資源130に格納されている各種プログラムを実行することで順番管理端末100の各部を中枢的に制御する。各種レジスタは、例えば、プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等である。
【0026】
入力装置115は、順番待ちリストへの受付や順番待ちリストからの消込み等の入力を受け付けるための各種操作ボタンやタッチパネル115aを備えている。
【0027】
表示装置116は、順番待ちリストや受付ボタン等を含む受付画面や待受画面を表示するための装置であり、例えば液晶ディスプレイにより構成される。
【0028】
通信インタフェース120は、通信ネットワークNに接続し、通信ネットワークN上の他の端末と通信をするためのハードウェアモジュールである。通信インタフェース120は、例えば、ISDNモデム、ADSLモデム、ケーブルモデム、光モデム、ソフトモデム等の変調復調装置である。
【0029】
記憶資源130は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ(ROM、RAMなど)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源130は、複数の物理デバイスを1つの論理デバイスにマッピングして構築してもよいし、1つの物理デバイスを複数の論理デバイスにマッピングして構築してもよい。
【0030】
記憶資源130には、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、通信インタフェース120を制御するための通信インタフェースドライバプログラム等がある。また、記憶資源130には、これら各種プログラムや各種データのほか、プロセッサ110が実行することにより、管理サーバ300と連携して順番待ちを管理するためのコンピュータプログラム(順番管理アプリケーション)AP1が記憶されている。
【0031】
<広告提供サーバ400>
図4は、広告提供サーバ400の機能構成を示すブロック図である。広告提供サーバ400は、メイン属性決定部410、広告選択部420、広告DB430、店舗DB440、広告配信部450などを備えている。
【0032】
メイン属性決定部410は、管理サーバ300からの広告提供のリクエスト(以下、広告リクエスト)に応じて、広告を提供すべき店舗において順番待ちをしている利用者のメイン属性を決定する。詳述すると、管理サーバ300からの広告リクエストには、広告を提供すべき店舗の店舗識別情報のほか、当該店舗(ここでは銀行A)で順番待ちをする利用者の新規登録情報やステータス情報が含まれている。メイン属性決定部410は、銀行Aにおいて順番待ちをする全利用者の新規登録情報やステータス情報を収集し、解析することで、メイン属性を決定する。本実施形態では、「メイン属性」として「30代女性」や、「50代男性」といった最も利用者の多い性別と年齢層を組み合わせた属性を想定するが、本発明は、これに限る趣旨ではなく、性別または年齢層のいずれか一方のみ(例えば「女性」や「20代」など)、さらには、これらのパラメータに代えて(あるいは加えて)、他のパラメータ(居住地域や嗜好など)を利用してメイン属性を決定しても良い。メイン属性決定部410は、決定したメイン属性を広告選択部420に通知する。
【0033】
広告選択部420は、メイン属性決定部410から通知されるメイン属性を考慮のうえ、予め設定された広告選択アルゴリズムに従い、利用者(利用者のグループを含む)に適した広告を選択する。例えば、メイン属性が「30代女性」の場合には、30代女性が最も関心ありそうなジャンルの広告(例えば、美容や健康などの関連グッズ)を選択する。同一ジャンルに属する広告が複数ある場合には、ランダムに1つまたは複数選択しても良いが、注目度(人気)の高い広告から順に1つまたは複数選択しても良い(
図2参照)。
【0034】
広告データベースDB430には、各広告を識別するための識別ID、広告名、広告内容(広告情報)などが登録されている。
店舗DB440には、利用者が待ち受けを行う店舗の識別ID、位置情報(緯度、経度等)、店舗の名前、店舗のコンタクト情報(住所、電話番号、メールアドレスなど)、リアルタイムな待ち状況をあらわすステータス情報などが店舗ごとに対応づけて登録されている。
【0035】
広告配信部450は、広告選択部420によって選択された1つまたは複数の広告を、広告情報として対応する店舗の順番管理端末100宛てに送信する。前述したように、広告提供サーバ400には、各店舗のコンタクト情報が格納されている。よって、広告提供サーバ400は、この店舗のコンタクト情報を利用することで、順番管理端末100宛てに確実に広告情報を送信することができる。
【0036】
順番管理端末100に送信された広告情報は、当該時点での待ち状況をあらわすステータス情報とともに、大型ディスプレイ250に表示される。上述したように、大型ディスプレイ250に表示される広告は、メイン属性(例えば「30代女性」)を考慮して選択された広告、すなわち、順番待ちをする多くの利用者が関心ありそうなジャンルの広告(例えば、美容や健康などの関連グッズ)であることから、利用者らは大型ディスプレイ250に表示される広告を注視するなどして待ち時間を有効に活用することができる。次に、本実施形態における広告提供システム1000の動作について説明する。
【0037】
<順番待ちの新規登録処理>
図5は、順番待ちの新規登録処理を示すフローチャートである。
まず、人気メニューを注文するために、店舗(
図1では銀行Aなど)に出向いた利用者は、店舗に設置された順番管理端末(入力部)100を操作して、順番待ちリストに順番待ちを新規に登録するための受付を行う。具体的には、表示装置116に表示されるメッセージに従ってタッチパネル115aを適宜操作して、予約者の性別、年齢(または年齢層)などの属性情報のほか、予約人数や所望の待ち項目(例えば、各種ローン)等を入力する。受付の際にいかなる項目を入力対象とするかは、各店舗の管理者等の意向に応じて決定すればよい。
【0038】
なお、利用者が直接タッチパネル115aを操作する代わりに、従業員等が、順番待ちを受け付けるための入力を行ってもよい。このとき、従業員等は、店舗の入り口付近に設置された順番管理端末100を操作してもよいし、従業員等が個別に使用する順番管理端末100を操作してもよい。
【0039】
その後、順番管理端末100は通信インタフェース120を介して、管理サーバ300からステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストに含まれる情報を受信する(ステップS11)。さらに、順番管理端末100は、管理サーバ300から、待ち項目管理テーブルTA3に登録されている待ち項目と、各待ち項目の現在の待ち時間の情報を受信する(ステップS12)。各待ち項目の現在の待ち時間(目安待ち時間)は、待ち項目管理テーブルTA3に登録されている各待ち項目の基準待ち時間に基づいて、管理サーバ300が算出する。例えば、「銀行A」で利用される順番管理端末100の場合、「各種ローン」に2組の予約が入っている場合には、「各種ローン」の目安待ち時間は、15(1組目待ち時間)+10(2組目待ち時間)+10(3組目待ち時間)=35分となる。
【0040】
次に、順番管理端末100は、順番待ちの受付をするための受付画面を表示装置116に表示させる(ステップS13)。受付画面では、管理サーバ300のステータス管理テーブルTA2に登録されている順番待ちリストの少なくとも一部、例えば、順番待ちをしている者の受付番号、必要に応じてその人数、相談内容(待ち項目)等を含む行が、受付をした順番に時系列に並べられた一覧が表示される。また、現在順番待ちをしている総順番待ち組数(全ての順番待ち組数の合計)や、目安待ち時間、受付時間(図示略)、順番待ちリストへの受け付け操作を促すメッセージや受付ボタン等も表示装置116に表示される。
【0041】
なお、目安待ち時間は、管理サーバのプロセッサ320において計算し、順番管理端末100に送信しても良いが、順番管理端末100において直接算出するようにしてもよい。この場合には、順番管理端末100は、管理サーバ300から各待ち項目の基準待ち時間と、各待ち項目の現在の順番待ち組数を取得し、目安待ち時間を計算することができる。もっとも、以下の説明では、「最短待ち時間」、「最長待ち時間」、「合計待ち時間」のいずれに設定されるか、特に限定する必要がない場合には、これらを総称して「目安待ち時間」という。
【0042】
順番管理端末100は、表示された受付画面に対して、利用者や従業員等によるタッチパネル115aなどの入力装置115を介した操作入力が行われたか否かを検知する(ステップS14)。例えば、タッチパネル115aへの操作が検知され、入力が受け付けられると(ステップS14:YES)、順番待ちをする人数を指定するための人数指定画面を表示装置116に表示させる(ステップS15)。人数指定画面には、人数の入力操作を促すメッセージや、人数指定ボタン等が表示される。
【0043】
順番管理端末100は、表示された人数指定画面に対して、利用者や従業員等の入力装置115を介した操作入力が行われたか否かを検知する(ステップS16)。タッチパネル115aへの操作が検知され、人数の入力が受け付けられると(ステップS16:YES)、相談内容を指定するための指定画面を表示装置116に表示させる(ステップS17)。
【0044】
順番管理端末100は、表示された相談内容(各種ローンなど)の指定画面に対して、利用者や従業員等の入力装置115を介した操作入力が行われたか否かを検知する(ステップS18)。タッチパネル115aへの操作が検知され、相談内容の指定入力が受け付けられると(ステップS18:YES)、予約内容確認画面を表示装置116に表示させる(ステップS19)。予約内容確認画面には、受け付けられた人数や相談内容が表示され、予約内容の確認を促すメッセージや、予約確定操作を促すメッセージ、および予約確定ボタン等が表示される。
【0045】
順番管理端末100は、予約完了操作が行われたか否かを検知する(ステップS20)。予約完了操作が受け付けられると(ステップS20:YES)、受付完了画面を表示させる(ステップS21)。受付完了画面には、受付番号(待ち番号)や、目安待ち時間等が表示される。また、受付完了画面には、順番券とともに、利用者に適した広告の受け取りを促すメッセージが表示される。利用者は、順番管理端末100に接続されたプリンタ200から印刷される順番券を受け取ることができる。なお、大型ディスプレイ250への広告表示については後述する。
【0046】
順番管理端末100は、上記のようにして予約が確定すると、予約内容に基づき、人数と相談内容、目安待ち時間などを含む新規登録情報を生成する。そして、順番管理端末100は、生成した新規登録情報を管理サーバ300に送信する(ステップS22)。
【0047】
管理サーバ300は、ある店舗(ここでは、銀行A)から新規登録情報を受信すると、受信した新規登録情報に基づいて、順番待ちリストに順番待ちを1組新たに追加する処理を行い、ステータス管理テーブルTA2を更新する(ステップS23)。
【0048】
なお、各施設の順番待ちリストの更新は、新規登録受付以外に、従業員等によって登録済みの順番待ちに対し、「取消」、「変更」、「呼出」、「案内」のいずれかの操作が行われた際にも発生する。「取消」は、順番待ちをキャンセルすることを意味し、「変更」は、いったん入力された順番待ちの詳細(予約者の人数など)を変更することを意味する。また、「呼出」は、予約者に対して予約の順番が来たことを口頭で呼び出した状態、あるいは電話やメールなどで知らせた状態であることを意味し、「案内」は、順番が来た者を実際に案内したときに、順番待ちの行を消し込むことを意味する。
【0049】
例えば、順番待ちしていた者ないしそのグループを案内すると、従業員等は、「案内」の操作を行う。「案内」操作が行われると、順番待ちリストから、対応する第1順位の者が消去され、後続の者が順番待ちリストの第1順位であるとして順番管理端末100に表示される。なお、「取消」、「変更」、「呼出」の操作が行われた場合も同様に、それぞれの更新操作に応じた処理が行われる。
【0050】
<広告提供処理>
図6は、広告提供サーバ400によって実行される広告提供処理を示すフローチャートである。
広告提供サーバ400のメイン属性決定部410は、管理サーバ300から広告リクエストを受信したか否かを検知する(ステップS110)。メイン属性決定部(決定部)410は、広告リクエストの受信を検知すると(ステップS110:YES)、広告リクエストに含まれる順番待ちの利用者の新規登録情報(属性情報)やステータス情報(属性情報)を集計し、解析等することで、順番待ちをしている利用者全体の属性(すなわちメイン属性)を決定する(ステップS120)。メイン属性決定部410は、決定したメイン属性を広告選択部420に通知する。なお、広告リクエストは、管理サーバ300が利用者の新規登録をトリガとして送信しても良く、一定の周期(T1時間ごと)で送信しても良い。いずれのタイミングで広告リクエストを送信するかは、システム設計等に応じて適宜設定・変更可能である。
【0051】
広告選択部(選択部)420は、通知されるメイン属性を考慮のうえ、利用者(利用者のグループを含む)に適した1つまたは複数の広告を選択し(ステップS130)、広告配信部450に送る。なお、選択される広告は、広告データベースDB430に格納されている。
【0052】
広告配信部(配信部)450は、広告選択部420によって選択された1つまたは複数の広告を、広告情報として対応する店舗の順番管理端末100宛てに送信し(ステップS140)、処理を終了する。前述したように、広告提供サーバ400の店舗DB440には、各店舗のコンタクト情報が格納されている。よって、広告提供サーバ400は、この店舗のコンタクト情報を利用することで、順番管理端末100宛てに確実に広告情報を送信することができる。
【0053】
順番管理端末(表示制御部)100は、広告提供サーバ400から広告情報を受信すると、広告情報を大型ディスプレイ250に転送する。これにより、順番待ちをする利用者のメイン属性を考慮して選択された広告が、大型ディスプレイ250に表示される。例えば、メイン属性が「30代女性」であれば、「30代女性」の興味を引くようなジャンルの広告(例えば、美容や健康などの関連グッズ)が、大型ディスプレイ250に表示されることとなる。この結果、利用者らは大型ディスプレイ250に表示される広告を注視するなどして待ち時間を有効に活用することが可能となる。なお、順番管理端末(表示制御部)100は、広告情報のみならず、当該時点での待ち状況をあらわすステータス情報もあわせて大型ディスプレイ250に表示する(
図2参照)。
【0054】
B.第2実施形態
上述した第1実施形態では、1店舗で1台の順番管理端末100を利用する場合について説明したが、第2実施形態では、1店舗で複数台の順番管理端末100を利用する場合について説明する。
【0055】
1店舗で複数台の順番管理端末100を利用する場合には、各順番管理端末100の間でデータが共有される点において、1台の順番管理端末100のみを利用する場合と異なる。
【0056】
図7は、3台の順番管理端末100A〜100Cを利用して順番管理を行う場合のシーケンス図である。たとえば、銀行Aにおいて特定の順番管理端末100(
図7に示す順番管理端末100A)が操作されると(C1)、その操作内容(ここでは、ステータスの更新情報を想定)は管理サーバ300にアップロードされる(C2)。管理サーバ300は、受信したステータスの更新情報に基づき、ステータス管理テーブルTA2に登録されている銀行Aのステータス情報を更新する(C3)。そして、管理サーバ300は、クライアント管理テーブルTA1を参照し、銀行Aで利用される順番管理端末100を特定する(C4)。ここでは、銀行Aに対して3台の順番管理端末100A〜Cがクライアント管理テーブルTA1に登録されていることから、管理サーバ300は、順番管理端末100A以外の端末、すなわち順番管理端末100B及び100Cに対してアップデートされた最新のステータス情報を送信し(C5)、処理を終了する。
【0057】
この結果、最新の情報が、常に同期した状態で各順番管理端末100に反映され、これにより、1店舗で複数台の順番管理端末100を利用する場合であっても、順番待ちの更新情報が一部の順番管理端末100において反映されない等の不具合を生ずることなく、最適な順番待ち管理を行うことが可能となる。
【0058】
C.その他
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【0059】
上述の実施形態では、利用者らのメイン属性を決定する機能(メイン属性決定部410)を広告提供サーバ400に設けた場合を例示したが、これに限る趣旨ではなく、管理サーバ300に利用者らのメイン属性を決定する機能を設けても良い。詳述すると、管理サーバ(検知部)300は、店舗ごとに利用者らのメイン属性が変化したか否かを逐次検知し、メイン属性に変化が認められた場合に(例えば「30代女性」→「10代男性」)、変化後のメイン属性を含む広告リクエストを、広告提供サーバ400に送る。広告提供サーバ(配信部)400は、管理サーバ300からの広告リクエストに応じて、変化後のメイン属性に応じた広告を選択し、利用者らに提供する。かかる構成によれば、利用者らのメイン属性の変化に応じて、大型ディスプレイ250に表示される広告を即座に切り換えることができ、利用者らに有用な情報を提供することが可能となる。
【0060】
また、大型ディスプレイ250に表示される、待ち状況をあらわすステータス情報Ieと広告情報Iaの表示領域の比率は、待ち組数などに応じて切り換えても良い(
図2参照)。例えば、待ち組数が少ない場合には、ステータス情報Ieの表示領域を狭くする一方、広告情報Iaの表示領域を広く設定する。また、ステータス情報Ieの表示と広告情報Iaの表示を、待ち組数に応じたタイミングで切り換えても良い。例えば、ステータス情報Ieと広告情報Iaとの間の表示切り換え周期として、待ち組数がN1以下の場合にはS1秒に設定する一方、待ち組数がN1を超えている場合にはS2秒(>S1秒)に設定しても良い。さらに、待ち組数が「0」の場合には、大型ディスプレイ250の画面全体に広告を表示するようにしても良い。この場合に表示する広告としては、予め決められた(例えば、大型ディスプレイ250が設置されている店舗など)の広告でも良いが、広告提供サーバ400がランダムに表示すべき広告を選択しても良い。さらには、これまでの広告の表示履歴に基づき、最も表示回数が多い広告から順番に表示するようにしても良い。
【0061】
また、広告提供サーバ400によって発行される広告の種類について、各店舗で条件を定めても良い。例えば、発行される広告が複数ある場合には、広告対象施設として同じ業種の施設(例えば、カフェ)が重ならないようにする等の条件を設定しても良い。また、業種に限らず、広告対象施設の地域等についても同様に適用可能である。例えば、広告対象施設が1つのエリアに集中するように設定する、あるいは広告対象施設が様々なエリアに分散するように設定しても良い。いかなる条件にするかは、各店舗の管理者等が設定・変更すればよい。
【0062】
また、上述の実施形態では、広告提供サーバ400と管理サーバ300とを別体構成としたが、例えば、管理サーバ300が有する機能の全て(または一部)を広告提供サーバ400に搭載する構成であっても良い。
【解決手段】メイン属性決定部410は、管理サーバ300からの広告リクエストに応じて、広告を提供すべき店舗において順番待ちをしている利用者のメイン属性を決定する。広告選択部420は、メイン属性を考慮のうえ、利用者に適した1つまたは複数の広告を、広告データベースDB430に登録されている複数の広告の中から選択する。広告配信部450は、選択された1つまたは複数の広告を、広告情報として対応する店舗の順番管理端末100宛てに送信する。