(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6113335
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/684 20110101AFI20170403BHJP
H01H 37/76 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
H01R13/684
H01H37/76 B
H01H37/76 K
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-111926(P2016-111926)
(22)【出願日】2016年6月3日
【審査請求日】2016年6月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】516058414
【氏名又は名称】グリーン アイデア テック インク.
【氏名又は名称原語表記】Green Idea Tech Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】易 湘雲
【審査官】
前田 仁
(56)【参考文献】
【文献】
実開平3−13685(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0212646(US,A1)
【文献】
登録実用新案第3193976(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3199650(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/684
H01H 37/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリであって、第1導電部材と、第2導電部材と、熱破壊固定部材を含み、
前記第1導電部材が前端、後端、複数の導電差込口、連接部、接触部を含み、前記導電差込口が前記前端及び前記後端の間に配置され、そのうち、前記前端に最も近い導電差込口が前端導電差込口と定義され、前記後端に最も近い導電差込口が後端導電差込口と定義され、前記前端導電差込口と前記後端導電差込口の間に制御ブロックが形成され、前記連接部が前記制御ブロック上に位置し、前記接触部が前記連接部に連接され、
前記第2導電部材が前記第1導電部材から離れる弾性力を備え、
前記熱破壊固定部材が、前記弾性力に抗して前記第2導電部材と前記接触部を常態的に相互に接触させ、
前記熱破壊固定部材があらかじめ設定された温度下で破壊されることにより、前記第1導電部材と前記第2導電部材を前記弾性力により相互に開かせ、これにより前記複数の導電差込口で前記熱破壊固定部材を共用し、いずれかの導電差込口がそれぞれの限界動作温度に達した時、前記熱破壊固定部材が前記あらかじめ設定された温度に達し、破壊されることを特徴とする、複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項2】
前記熱破壊固定部材の材質がプラスチックであることを特徴とする、請求項1に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項3】
前記熱破壊固定部材の材質が金属とプラスチックの組み合わせであることを特徴とする、請求項1に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1導電部材が一体成型の片体であり、かつ複数の保持部を含み、各保持部がいずれも保持片及び保持リブを備え、前記保持リブが前記保持片からプレスで突出され、前記保持片と前記保持リブの間に前記導電差込口が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項5】
前記第1導電部材が長辺を含み、前記長辺が前記前端及び前記後端に連接され、前記連接部が前記長辺に直角に連結され、前記接触部が前記連接部に直角に連結されて、前記接触部が前記制御ブロックに相隣されることを特徴とする、請求項1に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項6】
前記第1導電部材の接触部及び前記第2導電部材がいずれも溝部を備え、前記溝部がその属する第1導電部材の辺縁及び前記第2導電部材の辺縁から凹陥され、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の溝部が相互に相対し、前記熱破壊固定部材が前記第1導電部材の溝部及び前記第2導電部材の溝部に挿入され、かつ前記第1導電部材及び前記第2導電部材に結合されることを特徴とする、請求項5に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項7】
座体を含み、前記座体が収容溝、2つの第1固定部及び1つの第2固定部を含み、前記収容溝に前記第1導電部材が設置され、前記第1固定部に前記第1導電部材が固定され、前記第2固定部に前記第2導電部材が固定されることを特徴とする、請求項1に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項8】
前記座体が一側に細溝部を備え、前記細溝部が前記収容溝に連通され、かつ前記2つの第1固定部の間に位置し、また前記第1導電部材の接触部が2つの固定ピンを備え、前記第1導電部材を前記収容溝に設置したとき、前記第1導電部材の連接部及び前記接触部が前記細溝部に対応し、かつ前記第1導電部材の2つの固定ピンがそれぞれ前記2つの第1固定部に設置されることを特徴とする、請求項7に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項9】
前記第2固定部は固定孔及び固定凸部を備え、前記第2導電部材が対応する位置決めピン及び位置決め孔を備えており、前記固定孔と位置決めピン、及び、前記固定凸部と位置決め孔が相互に係合されて、前記第2固定部と前記第2導電部材が位置決めされることを特徴とする、請求項7に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項10】
前記限界動作温度が80〜300℃の間であり、前記あらかじめ設定された温度が79〜299℃の間であることを特徴とする、請求項1に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項11】
ハウジングを含み、前記ハウジングに前記第1導電部材、前記第2導電部材、前記熱破壊固定部材が収容されて固定され、前記ハウジング上に複数の挿入孔が設置され、かつ前記挿入孔の位置が前記第1導電部材上の複数の導電差込口の位置に対応することを特徴とする、請求項1に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項12】
複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリであって、第1導電部材と、第2導電部材と、熱破壊固定部材を含み、
前記第1導電部材が前端、後端、複数の導電差込口、接触部を含み、前記導電差込口が前記前端及び前記後端の間に配置され、そのうち、前記前端に最も近い導電差込口が前端導電差込口と定義され、前記後端に最も近い導電差込口が後端導電差込口と定義され、前記前端導電差込口と前記後端導電差込口の間に制御ブロックが形成され、前記接触部が前記制御ブロック上に位置し、
前記第2導電部材が前記第1導電部材から離れる弾性力を備え、
前記熱破壊固定部材が、前記弾性力に抗して前記第2導電部材と前記接触部を常態的に相互に接触させ、
前記熱破壊固定部材があらかじめ設定された温度下で破壊されることにより、前記第1導電部材と前記第2導電部材を前記弾性力により相互に開かせ、これにより前記複数の導電差込口で前記熱破壊固定部材を共用し、いずれかの導電差込口がそれぞれの限界動作温度に達した時、前記熱破壊固定部材が前記あらかじめ設定された温度に達し、破壊されることを特徴とする、複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項13】
ハウジングを含み、前記ハウジングに複数の第1導電部材、複数の第2導電部材、複数の熱破壊固定部材が収容されて固定され、ハウジング上に複数の挿入孔が設置され、かつ前記挿入孔の位置が前記第1導電部材上の複数の導電差込口の位置に対応することを特徴とする、請求項12に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【請求項14】
前記限界動作温度が80〜300℃の間であり、前記あらかじめ設定された温度が79〜299℃の間であることを特徴とする、請求項12に記載の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の導電差込口で共用し、いずれかの導電差込口がそれぞれの限界動作温度に達すると、破壊される複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
電路に電流過負荷、短絡、過熱等が発生することを防ぐため、通常は、電路上にヒューズやブレーカーが設置され、電路の温度が高すぎる、または電流が大きすぎるとき、ヒューズが高温の影響を受けて溶断される、あるいはブレーカーの金属弾性片がトリップし、電路を開成して電流を切断し、電力使用時の安全を保障している。
【0003】
ヒューズの構造に関する先行技術として、例えば、特許文献1に記載の「温度ヒューズ連接構造」がある。
これは、2つの端子を相互に接続して電流通路を形成し、熱溶融金属が前記2つの端子に結合されたものである。電流の過負荷、電路の過熱または使用する環境温度が高過ぎるとき、前記熱溶融金属が熱を受けて温度が上昇し、溶断されて2つの端子が相互に連接されなくなり、電路の切断状態が形成される。
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載のものは、少なくとも次の欠点を有する。
1、ビスマス、錫、インジウム、アルカリ金属など少数の金属元素を除き、大部分の金属融点は300℃以上である。例えば、銅の融点は1084.6℃、鉄の融点は1535℃であるが、融点が300℃以下の金属を熱溶融金属に選択した場合、結合強度が不足する問題が生じ、2つの端子をしっかりと結合することができず、また結合強度が使用に耐えるとしても、価格が高すぎるという問題がある。
2、熱溶融金属は導電材質であり、熱溶融金属が溶断されるとき、熱溶融金属部分が2つの端子に粘着して残留すると、残留した熱溶融金属が2つの端子間の誤接触を引き起こしやすく、完全に切断できないことがある。あるいは、溶断した熱溶融金属が、開かれた2つの端子を弾き、他の部分にぶつかって誤接触を形成し、短絡を引き起こす可能性もあるため、使用の危険性が存在する。
【0005】
また、特許文献2に開示された「過熱破壊式規制部材を備えたコンセント(SOCKET HAVING OVERHEATING DESTRUCTIVE LIMITING ELEMENT)」があるが、これは各コンセントに絶縁の規制部材を利用して電路を形成できるものであり、いずれかのコンセントが過熱したとき、それに属する規制部材が破壊されて断裂し、過熱したコンセントの導電部材が相互に開き、切断状態が形成されるものである。
しかしながら、このものは、各コンセントのすべてに規制部材を組み合わせる必要があるため、各コンセントに前記規制部材を取り付けるための構造が必要となり、コンセント全体を小型化することが困難になるだけでなく、コンセントの構造がより複雑になり、製造コストを抑えることが容易でなくなる。
【0006】
また、特許文献3に記載された「内側から外側へ向かって過負荷保護スイッチを設置した延長線コンセントの組立構造」は、シーソー式の過負荷保護スイッチを備えている(詳細な構造は台湾実用新案登録公告第540811、367091、320335、262168、208384号明細書等に開示)。前記過負荷保護スイッチは複数の電極片と電気的に接続され、前記電極片にはいずれも複数の差込口が設けられ、シーソー式の過負荷保護スイッチが電流の過負荷で温度が高くなりすぎたときに電路の切断を形成する。
【0007】
しかしながら、各差込口と前記過負荷保護スイッチの距離にばらつきがあるため、実際の使用時は、熱伝導距離の影響を受けて各差込口と前記過負荷保護スイッチのすべてに一定の温度差があり、前記過負荷保護スイッチから遠い差込口ほど前記過負荷保護スイッチとの温度差が大きくなり、前記過負荷保護スイッチは遠くの差込口の温度が高くなりすぎたとき、即時に作動して電路を切断することが容易でなく、使用上やはり安全性が不足する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】台湾特許公告第I371053号明細書
【特許文献2】米国特許第US9257798号明細書
【特許文献3】台湾実用新案登録第M433670号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、複数の導電差込口で熱破壊固定部材を共用し、かつ使用上のより一層の安全性を確約する、熱破壊固定部材のアセンブリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリに関し、第1導電部材と、第2導電部材と、熱破壊固定部材を含み、前記第1導電部材が前端、後端、複数の導電差込口、連接部、接触部を含み、前記導電差込口が前記前端及び前記後端の間に配置され、そのうち、前記前端に最も近い導電差込口が前端導電差込口と定義され、前記後端に最も近い導電差込口が後端導電差込口と定義され、前記前端導電差込口と前記後端導電差込口の間に制御ブロックが形成され、前記連接部が前記制御ブロック上に位置し、前記接触部が前記連接部に連接され、前記第2導電部材が前記第1導電部材から離れる弾性力を備え、前記熱破壊固定部材が前記弾性力に抗して前記第2導電部材と前記接触部を常態的に相互に接触させ、前記熱破壊固定部材があらかじめ設定された温度下で破壊されることにより、前記第1導電部材と前記第2導電部材を前記弾性力により相互に開かせ、これにより前記複数の導電差込口で前記熱破壊固定部材を共用し、いずれかの導電差込口がそれぞれの限界動作温度に達した時、前記熱破壊固定部材が前記あらかじめ設定された温度に達し、破壊される。
【0011】
前記熱破壊固定部材の材質は、プラスチック、または、金属とプラスチックの組み合わせとすることができる。
前記第1導電部材が一体成型の片体であり、かつ複数の保持部を含み、各保持部がいずれも保持片及び保持リブを備え、前記保持リブが前記保持片からプレスで突出され、前記保持片と前記保持リブの間に前記導電差込口が形成されてもよい。
前記第1導電部材が長辺を含み、前記長辺が前記前端及び前記後端に連接され、前記連接部が前記長辺に直角に連結され、前記接触部が前記連接部に直角に連結されて、前記接触部が前記制御ブロックに相隣されることがある。
この場合、前記第1導電部材の接触部及び前記第2導電部材がいずれも溝部を備え、前記溝部がその属する第1導電部材の辺縁及び前記第2導電部材の辺縁から凹陥され、前記第1導電部材及び前記第2導電部材の溝部が相互に相対し、前記熱破壊固定部材が前記第1導電部材の溝部及び前記第2導電部材の溝部に挿入され、かつ前記第1導電部材及び前記第2導電部材に結合されてもよい。
【0012】
座体を含み、前記座体が収容溝、2つの第1固定部及び1つの第2固定部を含み、前記収容溝に前記第1導電部材が設置され、前記第1固定部に前記第1導電部材が固定され、前記第2固定部に前記第2導電部材が固定されることがある。
この場合、前記座体が一側に細溝部を備え、前記細溝部が前記収容溝に連通され、かつ前記2つの第1固定部の間に位置し、また前記第1導電部材の接触部が2つの固定ピンを備え、前記第1導電部材を前記収容溝に設置したとき、前記第1導電部材の連接部及び前記接触部が前記細溝部に対応し、かつ前記第1導電部材の2つの固定ピンがそれぞれ前記2つの第1固定部に設置されてもよい。
また、前記第2固定部は固定孔及び固定凸部を備え、前記第2導電部材が対応する位置決めピン及び位置決め孔を備えており、前記固定孔と位置決めピン、及び、前記固定凸部と位置決め孔が相互に係合されて、前記第2固定部と前記第2導電部材が位置決めされてもよい。
【0013】
前記限界動作温度が80〜300℃の間であり、前記あらかじめ設定された温度が79〜299℃の間であることが望ましい。
ハウジングを含み、前記ハウジングに前記第1導電部材、前記第2導電部材、前記熱破壊固定部材が収容されて固定され、前記ハウジング上に複数の挿入孔が設置され、かつ前記挿入孔の位置が前記第1導電部材上の複数の導電差込口の位置に対応することがある。
【0014】
あるいは、本発明の複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリは、第1導電部材と、第2導電部材と、熱破壊固定部材を含み、前記第1導電部材が前端、後端、複数の導電差込口、接触部を含み、前記導電差込口が前記前端及び前記後端の間に配置され、そのうち、前記前端に最も近い導電差込口が前端導電差込口と定義され、前記後端に最も近い導電差込口が後端導電差込口と定義され、前記前端導電差込口と前記後端導電差込口の間に制御ブロックが形成され、前記接触部が前記制御ブロック上に位置し、前記第2導電部材が前記第1導電部材から離れる弾性力を備え、前記熱破壊固定部材が、前記弾性力に抗して前記第2導電部材と前記前記接触部を常態的に相互に接触させ、前記熱破壊固定部材があらかじめ設定された温度で破壊されることにより、前記第1導電部材と前記第2導電部材を前記弾性力により相互に開かせ、これにより前記複数の導電差込口で前記熱破壊固定部材を共用し、いずれかの導電差込口がそれぞれの限界動作温度に達した時、前記熱破壊固定部材が前記あらかじめ設定された温度に達し、破壊される。
【0015】
この場合、ハウジングを含み、前記ハウジングに複数の第1導電部材、複数の第2導電部材、複数の熱破壊固定部材が収容されて固定され、ハウジング上に複数の挿入孔が設置され、かつ前記挿入孔の位置が前記第1導電部材上の複数の導電差込口の位置に対応することがある。
前記限界動作温度が80〜300℃の間であり、前記あらかじめ設定された温度が79〜299℃の間であることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は次の効果を達成することができる。
1.熱伝導箇所を前端導電差込口と後端導電差込口の間に設置しているため、複数の導電差込口で熱破壊固定部材を共用する効果を達成することができる。熱破壊固定部材に伝導される熱は、前端導電差込口と前記後端導電差込口の間に位置する熱伝導箇所を介して伝導されるため、各導電差込口から熱破壊固定部材までの伝導距離の差が大きすぎることなく熱を伝導させることができ、どの導電差込口でもそれぞれの限界動作温度に達すると、前記熱破壊固定部材を前記あらかじめ設定された温度に到達させて破壊させることができ、製品の使用上の安全性を増進できる。
【0017】
2.限界動作温度を80〜300℃の間に設定すれば、複数の導電差込口中のいずれかの導電差込口が変形したり燃焼したりする前に、前記熱破壊固定部材が事前に破壊されて電路の切断が形成され、温度の上昇がすぐに中断されるため、使用上の安全を確約することができる。
3.熱破壊固定部材の材質をプラスチック、または、金属とプラスチックの組み合わせとすれば、熱破壊固定部材に十分な結合強度を確実に具備させるだけでなく、プラスチック材質の選択により熱破壊固定部材が破壊される温度を79〜299℃の間に制御することができる。
【0018】
4.熱破壊固定部材を第1導電部材の溝部及び第2導電部材の溝部に設置し、かつ前記第1導電部材及び前記第2導電部材上に結合すれば、前記第1導電部材及び前記第2導電部材をより良好に挟持できるだけでなく、前記熱破壊固定部材の両側が均一に弾性力の作用を受けて開き、前記第1導電部材及び前記第2導電部材が確実に開いて電路が切断されるようにすることができる。
5.第1導電部材及び第2導電部材をいずれも同一の座体に取り付けて固定すれば、製品組立ての利便性を増進することができる。
6.座体に第1導電部材の接触部を延出させれば、熱破壊固定部材を取り付けて固定しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施例1を示す熱破壊固定部材のアセンブリの斜視図である。
【
図2】本発明の実施例1を示す熱破壊固定部材のアセンブリの分解斜視図である。
【
図3】本発明の実施例1に係る第1導電部材、第2導電部材、熱破壊固定部材の分解斜視図である。
【
図4】本発明の実施例1に係る第1導電部材、第2導電部材、熱破壊固定部材の斜視図である。
【
図4A】本発明の実施例1に係るプラスチック材質の熱破壊固定部材の断面図である。
【
図4B】本発明の実施例1に係る金属とプラスチックの組み合わせ材質より成る熱破壊固定部材の断面図である。
【
図5A】本発明の実施例1に係る第1導電部材の平面図である。
【
図5B】本発明の実施例1に係る第1導電部材の側面図である。
【
図6】本発明の実施例1に係る第1導電部材及び座体の分解斜視図である。
【
図7】本発明の実施例1に係る第2導電部材及び座体の分解斜視図である。
【
図8】本発明の実施例1を示す熱破壊固定部材のアセンブリの別の角度から見た斜視図である。
【
図9】本発明の実施例1を示す熱破壊固定部材が破壊された状態の斜視図である。
【
図10】本発明の実施例2を示す熱破壊固定部材のアセンブリの平面図である。
【
図10A】本発明の実施例2を示す熱破壊固定部材のアセンブリの要部分解斜視図である。
【
図10B】本発明の実施例2を示す熱破壊固定部材のアセンブリの組み立てた状態における要部斜視図である。
【
図11】本発明の実施例3を示す熱破壊固定部材のアセンブリの組み立てた状態における斜視図である。
【
図12】本発明の実施例3を示す熱破壊固定部材のアセンブリの分解斜視図である。
【
図13A】本発明の実施例3に係る第1導電部材の側面図である。
【
図13B】本発明の実施例3に係る第1導電部材の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
図1〜
図9は本発明の実施例1を示す。
図1及び
図2に示すように、実施例1において、複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリは延長コンセントの形態であるが、これに限らず、例えばアダプタコンセント、拡張コンセント等としてもよい。
前記アセンブリは、2つの第1導電部材1A、1B、2つの第2導電部材2A、2B、2つの熱破壊固定部材3A、3B、固定座体4、ハウジング5を含む。
2つの第1導電部材1A、1B、2つの第2導電部材2A、2B及び2つの熱破壊固定部材3A、3Bはいずれもそれぞれ対を成しているため、第1導電部材1A、第2導電部材2A、熱破壊固定部材3Aのみを代表として詳細に説明するが、2つの第1導電部材1A、1B、2つの第2導電部材2A、2B、及び2つの熱破壊固定部材3A、3Bの形態が必ずしも同じでなければならないことを意味しない。
【0022】
図3及び
図5Aに示すように、第1導電部材1Aは、前端11、後端12、複数の導電差込口13、連接部14、接触部15を含む。
第1導電部材1Aの導電差込口13はいずれも前端11と後端12の間に位置し、そのうち、前端11に最も近い導電差込口13を前端導電差込口131と定義し、後端12に最も近い導電差込口13を後端導電差込口132と定義し、前端導電差込口131と後端導電差込口132の間に位置する導電差込口13を中間導電差込口133と定義する。中間導電差込口133は1つまたは複数とすることができるが、本実施例では1つである。 前端導電差込口131と後端導電差込口132の間に制御ブロック130が形成され、連接部14が制御ブロック130上に位置し、接触部15が連接部14に連接される。
具体的には、第1導電部材1Aが長辺16を含み、長辺16が前端11及び後端12に連接され、連接部14が実質上長辺16に直角に連接され、接触部15が実質上連接部14に垂直に連接される。
【0023】
図3と
図5Bに示すように、最も好ましくは、第1導電部材1Aは一体成型の片体であり、第1導電部材1Aは複数の保持部17を含み、各保持部17がいずれも保持片171及び保持リブ172を備える。保持リブ172は保持片171からプレスで突出され、保持片171と保持リブ172の間に導電差込口13が形成される。
また、連接部14及び接触部15も前記片体から一体として折り曲げて成型することができ、これにより迅速な製造と成型の目的を達することができる。
【0024】
図3と
図4に示すように、第2導電部材2AはワイヤA(例:活線または中性線)を電気的に接続するために用いられ、かつ第2導電部材2Aは熱破壊固定部材3Aを介して第1導電部材1Aの接触部15と相互に接触される。
第2導電部材2Aは第1導電部材1Aから離れる弾性力を備える。前記弾性力は弾性片の形態に成型するか、第2導電部材2Aを片体に形成し、ばねでこの片体を牽引または付勢して達成される。
本実施例において、第2導電部材2Aは弾性片に成型され、第2導電部材2Aと第1導電部材1Aの接触部15の間にはあらかじめ設けられた一定の距離があり、第2導電部材2Aが熱破壊固定部材3Aにより強制的に接触部15と相互に接触されたとき、第2導電部材2Aが湾曲されて前記弾性力が蓄積される。
【0025】
図3と
図4に示すように、最も好ましくは、第1導電部材1Aの接触部15及び第2導電部材2Aはいずれも溝部151、21を備える。溝部151、21はその属する第1導電部材1Aの接触部15の辺縁及び第2導電部材2Aの辺縁から凹陥される。また、第1導電部材1A及び第2導電部材2Aの溝部151、21が相互に相対し、熱破壊固定部材3Aが第1導電部材1Aの溝部151及び第2導電部材2Aの溝部21に挿入され、かつ第1導電部材1A及び第2導電部材2A上に結合される。
【0026】
図4Aに示すように、熱破壊固定部材3Aの材質は一体成型のプラスチック部材とすることができ、熱破壊固定部材3Aはあらかじめ設定された温度(例えば79℃〜299℃)で破壊される。
図4Bに示すように、熱破壊固定部材3A0の材質は金属とプラスチックの組み合わせとしてもよく、例えば金属部材31にプラスチック部材32を組み合わせ、金属が熱伝導効果に優れ、熱膨張する影響により、熱破壊固定部材3A0が前記あらかじめ設定された温度に達したとき確実に破壊されるようにすることができる。
【0027】
図2に示すように、固定座体4は座体41と蓋体42を含む。
座体41は、2つの収容溝411、複数の第1固定部412、複数の第2固定部413、複数の第3固定部414を含む。
2つの収容溝411は2つの第1導電部材1A、1Bをそれぞれ設置するために用いられ、第1固定部412は第1導電部材1A、1Bを固定するために用いられ、第2固定部413は第2導電部材2A、2Bを固定するために用いられ、第3固定部414は蓋体42を固定するために用いられる。
蓋体42は遮蔽部421と複数の嵌入部422を含む。遮蔽部421は複数の穿孔423を備え、第1導電部材1Aを遮蔽する。複数の嵌入部422は座体41の第3固定部414に対応して嵌入される。
【0028】
詳細に説明すると、
図6に示すように、座体41は両側にいずれも2つの第1固定部412と細溝部415を備える。第1固定部412は結合孔を備えた柱体であり、細溝部415は収容溝411に連通され、かつ2つの第1固定部412の間に位置する。
また、第1導電部材1Aの接触部15は2つの固定ピン152を備え、第1導電部材1Aが収容溝411に組み込まれたとき、第1導電部材1Aの連接部14及び接触部15が細溝部415に対応し、かつ第1導電部材1Aの2つの固定ピン152が2つの第1固定部412にそれぞれ挿入され、第1導電部材1Aが座体41にしっかりと固定される。
図7に示すように、第2固定部413は固定孔4131と固定凸部4132を備え、第2導電部材2Aは対応する位置決めピン22と位置決め孔23を備えており、相互に嵌合させて位置決めすることができる。
【0029】
図1と
図2に示すように、ハウジング5は相互に閉じ合わせる第1殼体51と第2殼体52を含む。第1殼体51と第2殼体52の間には収容空間53が形成されて、第1導電部材1A、1B、第2導電部材2A、2B、熱破壊固定部材3A、3B及び固定座体4が収容される。
第1殼体51は蓋体42の穿孔423に対応する1対の第1挿入孔511を含み、第1挿入孔511は中間導電差込口133に対応する。第2殼体52は2対の第2挿入孔521及び複数のインストール部522を含み、2対の第2挿入孔521は前端導電差込口131及び後端導電差込口132にそれぞれ対応し、インストール部522は座体4を取り付けて固定するために用いられる。
図1と
図2に示す例のほか、その他同等効果を持つハウジングに1対の第1導電部材、1対の第2導電部材、1対の破壊固定部材を収容して固定し、かつハウジング上に複数の挿入孔を設置して、前記挿入孔の位置を第1導電部材上の複数の導電差込口がある位置に対応させることも可能である。
【0030】
熱破壊固定部材のアセンブリを使用しているとき、
図8と
図9に示すように、第1導電部材1Aが前端導電差込口131、後端導電差込口132または中間導電差込口133の箇所で、負荷が過大、接触不良等の要因により温度が上昇した場合、上昇した温度の熱が第1導電部材1Aの制御ブロック130に位置する連接部14から熱破壊固定部材3Aに伝導され、温度の上昇が継続して前端導電差込口131、後端導電差込口132または中間導電差込口133の限界動作温度に達したとき、熱破壊固定部材3Aが前記あらかじめ設定された温度に達して破壊される。
【0031】
前端導電差込口131、後端導電差込口132及び中間導電差込口133の温度上昇の熱が、第1導電部材1Aの制御ブロック130に位置する連接部14から熱破壊固定部材3Aに伝導されるため、前端導電差込口131、後端導電差込口132及び中間導電差込口133から熱破壊固定部材3Aまでの熱伝導距離の違いが大きすぎることがなく、熱破壊固定部材3Aが即時に反応し、製品の使用上の安全性が増進される。
本実施例において、連接部14は前端導電差込口131、後端導電差込口132及び中間導電差込口133のいずれか1つの限界動作温度を熱破壊固定部材3Aがある箇所へ伝導するために用いられる。即ち、連接部14がある箇所が、限界動作温度を導引して伝導する『熱伝導箇所』である。
【実施例2】
【0032】
図10〜
図10Bは、本発明の実施例2を示す。
複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリは、本実施例においてもテーブルタップの形態であり、実施例1と似ているが構造が若干異なり、実施例1と同様に、複数対の第1導電部材10A、10B、複数対の第2導電部材20A、20B、複数対の熱破壊固定部材30A、30B、固定座体40Aを含む。
以下では、第1導電部材10A、第2導電部材20A、及び熱破壊固定部材30Aを代表としてより詳細に実施例1との主な違いを説明する。
【0033】
図10に示すように、第1導電部材10Aは、前端導電差込口131A、後端導電差込口132A、制御ブロック130A及び接触部15Aを備え、前端導電差込口131Aと後端導電差込口132Aにより制御ブロック130Aが構成され、接触部15Aが制御ブロック130A上に位置しており、実施例1の連接部14及び中間導電差込口133を備えていない。
第2導電部材20Aは熱破壊固定部材30Aを介して直接第1導電部材10Aの制御ブロック130A上に位置する接触部15Aと相互に接触され、これにより、第1導電部材10Aの構造がより簡単になり、成型が容易になるが、やはり導電差込口の熱伝導距離を短縮するという目的を達することができる。
本実施例において、接触部15Aは直接前端導電差込口131Aと後端導電差込口132Aのいずれか1つの限界動作温度を前記熱破壊固定部材30Aがある箇所へ伝導する。本実施例の接触部15Aがある箇所が、限界動作温度を導引して伝導する『熱伝導箇所』である。
【0034】
図10Aと
図10Bに示すように、実施例2では、さらにハウジング50Aに、第1導電部材10A、10B、第2導電部材20A、20B、熱破壊固定部材30A、30B及び固定座体40Aが収容されて固定され、かつハウジング50Aに複数の挿入孔511Aが設けられる。
挿入孔511Aの位置は第1導電部材10A、10Bの各導電差込口13A〔前端導電差込口131Aと後端導電差込口132A〕がある位置に対応し、第1導電部材10A、10Bがそれぞれ2つのワイヤA0(即ち活線と中性線)に接続されて、1つのテーブルタップが形成される。
【0035】
具体的には、固定座体40Aは座体41Aと蓋体42Aを含み、座体41Aに第1導電部材10A、10B及び第2導電部材20A、20Bが取り付けられ、さらに蓋体42Aを閉じ合わせて固定状態が形成される。
ハウジング50Aは相互に閉じ合わせる第1殼体51Aと第2殼体52Aを含み、第1殼体51Aと第2殼体52Aの間に収容空間53Aが形成され、第1導電部材10A、10B、第2導電部材20A、20B、熱破壊固定部材30A、30B及び固定座体40Aが収容空間53Aに収容される。そのうち、第1殼体51Aは挿入孔511Aと複数のインストール部522Aを含み、インストール部522Aは固定座体40Aの座体41Aを取り付けて固定するために用いられる。
但し、特に説明すべきは、ハウジング50Aの具体的な形態は単なる例示であり、これに限定されない点である。
【実施例3】
【0036】
図11〜
図13Bは本発明の実施例3を示す。
図11と
図12に示すように、実施例3において、複数の導電差込口で共用する熱破壊固定部材のアセンブリは、拡張コンセントの形態であり、その構成部材は実施例1と機能が類似しているが、構造が若干異なり、2つの第1導電部材100A、100B、2つの第2導電部材200A、200B、2つの熱破壊固定部材300A、300B、固定座体400A、ハウジング500Aを含む。
固定座体400Aは対を成す座体410Aと蓋体420Aを含み、第1導電部材100A、100B及び第2導電部材200A、200Bが固定される。ハウジング500Aは相互に閉じ合わせる第1殼体510Aと第2殼体520Aを含む。
【0037】
以下では第1導電部材100A、第2導電部材200A、及び熱破壊固定部材300Aを代表としてより詳細に実施例1との主な違いを説明する。
図13Aと
図13Bに示すように、第1導電部材100Aは片体を折り曲げて成型され、一対の挟持片18A、18B、連接部140A、及び連接部140Aを折り曲げて挟持片18A、18Bに対面するように設けられた接触部150Aを備える。1対の挟持片18A、18Bの間には挟持空間181Aが形成され、かつ挟持片18A、18Bの両端及び近くにいずれも挿入口182A、183A、184Aが形成され、挟持空間181Aに連通された3つの導電差込口が形成される。そのうち、挟持片18A、18Bの両端に最も近い導電差込口がそれぞれ前端導電差込口1310A及び後端導電差込口1320Aとして定義され、挟持片18A、18Bの近くの導電差込口が中間導電差込口1330Aとして定義される。
前端導電差込口1310Aと後端導電差込口1320Aの間に制御ブロック1300Aが形成され、連接部140Aが制御ブロック1300Aから折り曲げて延伸され、接触部150Aが連接部140Aから折り曲げて挟持片18A、18Bに対面するように設けられる。本実施例では、連接部140がある箇所が、限界動作温度を導引して伝導する『熱伝導箇所』である。
【0038】
図12に示すように、第2導電部材200Aには刃部201Aが連接され、ハウジング500Aの第1殼体510Aが刃部201Aに対応する1組の貫通孔501Aを備える。また、ハウジング500Aの第2殼体520Aはそれぞれ前記3つの導電差込口に対応する3組の挿入孔502A、503A、504Aを備えている。
これにより拡張コンセントに応用することができ、やはり導電差込口の熱伝導距離を短縮する目的を達することができる。
【0039】
図14は試験サンプルの平面図である。
前記試験サンプルは2つの銅片E1、E2を含み、銅片E1、E2の一端がそれぞれ活線F1及び中性線F2に溶接される。銅片E1、E2は長さ100mm、幅5mm、厚さ0.6mmであり、銅片E1、E2の長手方向に沿って10mmごとに10個の試験位置が順に設けられ、それぞれを位置1から位置10とする。
試験条件は、負荷Gとして厚さが0.8mmの2つの刃部を2つの銅片E1、E2の10個目の試験位置上に接続した後、電流を導入し、位置10の温度が100℃、200℃、300℃近くに達するまで徐々に電流を大きくする。その後前記電流条件を維持する。通電後の異なる時間で各試験位置の温度を測定し、測定結果をそれぞれ以下の表1、表2、表3に示す。
表1、表2、表3の結果は、
図10に示す実施例2を組み合わせて説明する。
【0040】
【表1】
【0041】
表1から分かるように、実施例2における『熱伝導箇所』は位置7に設置され、位置10は1つのコンセントを表し、同時に負荷に接続され、位置10の限界動作温度が99.6〜102.3℃の間に設定されているとき、位置7の熱破壊固定部材のあらかじめ設定された温度は75.3〜79.3℃の間となる。
表1からわかるように、『熱伝導箇所』を位置1と位置10の間に設置することで、位置1から位置10までのいずれの位置にも効果的に対応でき、位置1から位置10のうちのいずれか1つの位置の限界動作温度も、熱破壊固定部材のあらかじめ設定された温度との差異が大きすぎることがなく、これが本発明の主な特徴の1つである。
【0042】
【表2】
【0043】
表2から分かるように、位置10の動作温度が200℃近くに達するとき、実施例2の説明で述べた『熱伝導箇所』を位置5に設置した場合、位置10の動作温度が202.1〜203.4℃の間のとき、位置10と位置5の温度差は動作時間の違いに伴い48.8〜51.1℃の間となり、位置1と位置5の温度差は動作時間の違いに伴い40.5〜41.2℃の間となる。表2から分かるように、位置10の動作温度が200℃近くのとき、『熱伝導箇所』を位置5と位置6の間に設置した場合、位置1から位置10のどの位置の限界動作温度でも効果的に対応でき、あらかじめ設定された温度といずれの限界動作温度の間の差異も55℃を超えることがない。
【0044】
【表3】
【0045】
同様に、表3から分かるように、位置10の動作温度が300℃近くのとき、実施例2の説明で述べた『熱伝導箇所』を位置5と位置6の間に設置した場合、位置1から位置10のどの位置の限界動作温度でも効果的に対応でき、あらかじめ設定された温度といずれの限界動作温度の間の差異も60℃を超えることがない。
【0046】
表1、表2、表3から分かるように、限界動作温度の所在箇所を『限界動作温度箇所』と定義した場合、『熱伝導箇所』と『限界動作温度箇所』の間の距離が遠いほど、二者の温度差が大きくなる。このため、『熱伝導箇所』を位置1と位置10の間に設置することで、位置1から位置10までのいずれの位置にも効果的に対応でき、位置1から位置10のうちのいずれか1つの位置の限界動作温度も、熱破壊固定部材のあらかじめ設定された温度との差異を一定の範囲内に維持することができ、これが本発明の主な特徴の1つである。
【0047】
本発明は2つ以上の導電差込口を備えたアセンブリに適用し、複数の導電差込口で1つの熱破壊固定部材を共用し、どの導電差込口が過熱しても、熱破壊固定部材が破壊されて電流を切断させることができる。
延長コンセントを例とすると、300℃を超える動作温度は延長コンセントのプラスチックハウジングまたはプラスチック部材を熱溶融させて変形を生じるため、安全上の懸念がある。このため、本発明では、前述の限界動作温度が80〜300℃の間であり、熱破壊固定部材の被破壊温度、即ち上述のあらかじめ設定された温度が79〜299℃の間となっている。
【0048】
表1において、相隣する位置の差異が最小のものはゼロであり、例えば位置1と位置2の25分間の温度が該当する。即ち、長さが30mmの銅片の場合、位置1と位置3がそれぞれ導電差込口を代表し、熱破壊固定部材のあらかじめ設定された温度の測定点または熱伝導位置は位置2に設置される。
熱破壊固定部材の破壊温度、即ちあらかじめ設定された温度を51.8℃に設定した場合、位置1の限界動作温度は51.8℃であり、位置3の限界動作温度は52.5℃である。これは、銅片が短いほど、『熱伝導箇所』を2つの導電差込口位置の間に設置することで、2つの導電差込口位置の限界動作温度とあらかじめ設定された温度の間に最小の差異を維持することができることを表す。
【0049】
以上は、本発明の実施例の説明であり、これらを以って本発明の権利範囲を限定することはできず、特許請求の範囲を逸脱しない簡単な変更や修飾はすべて本発明の権利範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1A、1B、10A、10B、100A、100B 第1導電部材
11 前端
12 後端
13、13A 導電差込口
131、131A、1310A 前端導電差込口
132、132A、1320A 後端導電差込口
133、1330A 中間導電差込口
130、130A、1300A 制御ブロック
14、140A 連接部
15、15A、150A 接触部
151、21 溝部
152 固定ピン
16 長辺
17 保持部
171 保持片
172 保持リブ
18A、18B 挟持片
181A 挟持空間
182A、183A、184A 挿入口
2A、2B、20A、20B、200A、200B 第2導電部材
201A 刃部
22 位置決めピン
23 位置決め孔
3A、3B、3A0、30A、30B、300A、300B 熱破壊固定部材
31 金属部材
32 プラスチック部材
4、40A、400A 固定座体
41、41A、410A 座体
411 収容溝
412 第1固定部
413 第2固定部
4131 固定孔
4132 固定凸部
414 第3固定部
415 細溝部
42、42A、420A 蓋体
421 遮蔽部
422 嵌入部
423 穿孔
5、50A、500A ハウジング
51、51A、510A 第1殼体
501A 貫通孔
502A、503A、504A、511A 挿入孔
511 第1挿入孔
52、52A、520A 第2殼体
521 第2挿入孔
522、522A インストール部
53、53A 収容空間
A、A0 ワイヤ
E1、E2 銅片
F1 活線
F2 中性線
G 負荷
【要約】
【課題】複数の導電差込口で熱破壊固定部材を共用し、かつ使用上のより一層の安全性を確約する、熱破壊固定部材のアセンブリを提供すること。
【解決手段】第1導電部材1Aに複数の導電差込口13が設けられ、前端11に最も近い前端導電差込口131と後端12に最も近い後端導電差込口132の間に制御ブロック130が形成され、制御ブロック130上に位置する連接部14に接触部15が連接され、第2導電部材2Aは第1導電部材1Aから離れる弾性力を備え、熱破壊固定部材3Aが第2導電部材2Aを弾性力に抗して接触部15と接触させ、熱破壊固定部材3Aが設定温度下で破壊されることにより、第1導電部材1Aと第2導電部材2Aを弾性力により開かせ、複数の導電差込口13で熱破壊固定部材3Aを共用し、いずれかの導電差込口13が限界動作温度に達した時、熱破壊固定部材3Aが設定温度に達して破壊される。
【選択図】
図3