特許第6113339号(P6113339)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6113339
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】テープ及び袋体
(51)【国際特許分類】
   B65D 33/00 20060101AFI20170403BHJP
   B65D 33/25 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   B65D33/00 C
   B65D33/25 A
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-151469(P2016-151469)
(22)【出願日】2016年8月1日
【審査請求日】2016年8月3日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500163366
【氏名又は名称】出光ユニテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 俊一
(72)【発明者】
【氏名】南波 芳典
【審査官】 家城 雅美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2016/114303(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/062136(WO,A1)
【文献】 特開2008−221486(JP,A)
【文献】 特開2006−077085(JP,A)
【文献】 特表2003−522077(JP,A)
【文献】 特開2015−123987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D30/00−33/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムから構成された袋本体の少なくとも1の内面に接合され得るテープであって、
少なくとも1以上の長尺状の基部と、
前記基部の長手方向に沿って前記基部に接合され前記基部及び前記フィルムを引裂き得る引裂き誘導片と、
前記基部の前記引裂き誘導片と接合していない部分で前記引裂き誘導片が接合する面から前記基部に対して垂直方向のうち前記引裂き誘導片がある方向に突出する突出部を少なくとも1以上備え
前記基部に対して前記引裂き誘導片を挟んで配置され前記引裂き誘導片に接合され得る少なくとも1以上の長尺状のブロック部を備え、
前記基部と前記ブロック部とは、前記引裂き誘導片を挟み前記引裂き誘導片の長手方向に沿って配置される
ことを特徴とするテープ。
【請求項2】
請求項1に記載されたテープにおいて、
前記ブロック部の前記引裂き誘導片と接合されていない部分で前記引裂き誘導片が接合する面には前記ブロック部に対して垂直方向のうち前記引裂き誘導片がある方向に突出する凸部が少なくとも1以上設けられている
ことを特徴とするテープ。
【請求項3】
請求項2に記載されたテープにおいて、
前記凸部と前記突出部とは前記引裂き誘導片を挟んで配置され、前記凸部の突出方向の先端は前記基部が接合される前記袋本体のフィルムに接合され得る
ことを特徴とするテープ。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載されたテープにおいて、
前記ブロック部と前記引裂き誘導片とは接合界面で界面剥離する
ことを特徴とするテープ。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載されたテープにおいて、
前記突出部と前記引裂き誘導片とは接触していない
ことを特徴とするテープ。
【請求項6】
請求項5に記載されたテープにおいて、
前記基部の前記突出部と前記引裂き誘導片との間に対応する部分が前記基部の前記引裂き誘導片と接する部分に対して薄肉とされている
ことを特徴とするテープ。
【請求項7】
フィルムにより構成された袋本体と、前記袋本体の少なくとも1の内面に接合されたテープとを備え、
前記テープは、少なくとも1以上の長尺状の基部と、
前記基部の長手方向に沿って前記基部に接合され前記基部及び前記フィルムを引き裂く引裂き誘導片と、
前記基部の前記引裂き誘導片と接合していない部分で前記引裂き誘導片が接合する面から前記基部に対して垂直方向のうち前記引裂き誘導片がある方向に突出する突出部を少なくとも1以上備え、
前記テープは、少なくとも1つの前記基部を介して前記袋本体の1の内面に接合され
前記基部に対して前記引裂き誘導片を挟んで配置され前記引裂き誘導片に接合される少なくとも1以上の長尺状のブロック部を備え、
前記基部と前記ブロック部とは、前記引裂き誘導片を挟み前記引裂き誘導片の長手方向に沿って配置されている
ことを特徴とする袋体。
【請求項8】
請求項7に記載された袋体において、
前記ブロック部の前記引裂き誘導片と接合されていない部分で前記引裂き誘導片が接合する面には前記ブロック部に対して垂直方向のうち前記引裂き誘導片がある方向に突出する凸部が少なくとも1以上設けられている
ことを特徴とする袋体。
【請求項9】
請求項8に記載された袋体において、
前記凸部と前記突出部とは前記引裂き誘導片を挟んで配置され、前記凸部の突出方向の先端は前記基部が接合される前記袋本体のフィルムに接合されている
ことを特徴とする袋体。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載された袋体において、
前記ブロック部と前記引裂き誘導片とは接合界面で界面剥離する
ことを特徴とする袋体。
【請求項11】
請求項7ないし請求項10のいずれか1項に記載された袋体において、
前記突出部と前記引裂き誘導片とは接触していない
ことを特徴とする袋体。
【請求項12】
請求項11に記載された袋体において、
前記基部の前記突出部と前記引裂き誘導片との間に対応する部分が前記基部の前記引裂き誘導片と接する部分に対して薄肉とされている
ことを特徴とする袋体。
【請求項13】
請求項7ないし請求項12のいずれか1項に記載された袋体において、
前記袋本体の互いに対向する壁部のうち一方は、前記引裂き誘導片で引き裂かれて開口が形成され、
前記袋本体の互いに対向する壁部のうち他方は、前記引裂き誘導片の一部が穴明部分又は弱め線を介して外部に露出している
ことを特徴とする袋体。
【請求項14】
請求項7ないし請求項13のいずれか1項に記載された袋体において、
前記袋本体は内容物が収納され得る収納部が形成され、前記袋本体の前記テープより前記収納部が形成された部分とは反対側に位置する端縁に内容物収納口が形成されている
ことを特徴とする袋体。
【請求項15】
請求項7ないし請求項14のいずれか1項に記載された袋体において、
前記袋本体は内容物が収納された収納部が形成され、前記袋本体の前記テープより前記収納部が形成された部分とは反対側に位置する端縁が接合されている
ことを特徴とする袋体。
【請求項16】
請求項7ないし請求項15のいずれか1項に記載の袋体において、
前記袋本体の端部には把持部が設けられている
ことを特徴とする袋体。
【請求項17】
請求項7ないし請求項16のいずれか1項に記載の袋体において、
前記袋本体は、対向する一対の平面部と、前記平面部の両側縁において前記平面部に介在する一対の側面部及び底面部とを備え、前記側面部及び前記底面部がそれぞれ折り線により内方に織り込まれる
ことを特徴とする袋体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープとテープを備えた袋体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品、薬品、医療品、雑貨等の各種物品を包装するための袋体は上部がシールされることによって密封されており、開封するときは、袋体の両側に形成された切欠き等を開始位置として、袋本体のフィルムを引き裂くようにして開封することができる。
袋本体のフィルムを直線的に引き裂くために、切断糸を用いる技術があるが、この技術では、一般の製袋機での加工が難しく、引き裂いた後の包装袋の切り口では袋本体の2枚のフィルムが一直線になってしまい、フィルムの間に指が入らず、包装袋の開口が掴みにくい。
【0003】
そのため、従来例として、袋本体の内面に融着される誘導部と誘導部の一部が露出する基部とを有するカットテープが袋本体に設けられた技術がある(特許文献1)。
また、カットテープを有する袋体の従来例として、袋本体の一面に接着する第一帯状基部に雄部材を設け、袋本体の一面に凸部が接着される第二帯状基部に雄部材と咬み合う雌部材を設け、第一帯状部材の雄部材より凸部が配置される側の端部にカットテープを設けた技術がある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5032945号公報
【特許文献2】特許第5651850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の従来例では、基部の一部は誘導部が露出しているので、露出した部分が包装袋の開口となる。指が基部に引っ掛かりやすいため、容易に開口することができ、易開封性に優れる。しかも、開口に指が入りやすいので、開口を容易に広げることができるから、内容物を包装袋から取り出しやすい。
特許文献2の従来例は、基部と、基部にそれぞれ設けられた雄部材及び雌部材とを有するチャックテープである。そのため、カットテープを引っ張って開口した後に内容物を取り出すにあたり、カットテープで形成された袋の開口で、雄部材及び雌部材の咬合部分と長い方の基部が、手や内容物の通過の障害となり得る。
【0006】
本発明の目的は、開封が容易であり、開封後の内容物の取出しを容易になし得るテープ及び袋体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のテープは、フィルムから構成された袋本体の少なくとも1の内面に接合され得るテープであって、少なくとも1以上の長尺状の基部と、前記基部の長手方向に沿って前記基部に接合され前記基部及び前記フィルムを引裂き得る引裂き誘導片と、前記基部の前記引裂き誘導片と接合していない部分で前記引裂き誘導片が接合する面から前記基部に対して垂直方向のうち前記引裂き誘導片がある方向に突出する突出部を少なくとも1以上備え、前記基部に対して前記引裂き誘導片を挟んで配置され前記引裂き誘導片に接合され得る少なくとも1以上の長尺状のブロック部を備え、前記基部と前記ブロック部とは、前記引裂き誘導片を挟み前記引裂き誘導片の長手方向に沿って配置されることを特徴とする。
【0008】
本発明のテープを袋本体の少なくとも1の内面に取り付けた場合、袋本体の開封のために、引裂き誘導片を基部がある方向に引っ張ると、引裂き誘導片が基部を引き裂きつつ、袋本体のフィルムを引裂き、開口を形成する。つまり、基部が引裂き誘導片に引き裂かれた後には、引裂き誘導片に沿った開口が袋本体に形成されることになる。そのため、開封時にハサミ等の切断具が不要となることが期待できる。
基部の引裂き誘導片と接合していない部分では、引裂き誘導片が当該引裂き誘導片の幅に沿った開口を形成しているため、開口の部分には手の差し込みを邪魔する障害物がない。その結果、袋体の内容物の取出しのために開口に手を差し込むことが容易となる。
本発明では、突出部を基部に設けたことにより、袋本体のフィルムが引き裂かれる方向を特定の方向に修正することが期待できる。
【0009】
本発明において、突出部の形状は内容物の取出し時に開口での手や内容物の通過の障害とならない形状であれば、特に限定されず、例えば、基部の引裂き誘導片と接合していない部分で引裂き誘導片が接合する面から基部に対し、垂直方向に突出する形状とすることで開口での手や内容物の通過の障害とならないことが期待できる。
ここで、引裂き誘導片とは、袋本体を構成するフィルムの少なくとも1の内面に接合され、袋本体のフィルムの引裂き誘導片が接合した位置に沿って、袋本体のフィルムの引き裂きを誘導するものであり、袋本体の開封を誘導する部材である。
引裂き誘導片の材料は基部の材料に対し、剛性が高い方が好ましい。ここでいう剛性は、原料の引張弾性率で測定することができる。この引張弾性率は、引裂き誘導片及び基部をテープから切り出したものを試験片として、JIS B7721及びISO9513並びに5.1.2〜5.1.6に適合する試験機を用いて測定することができる。
【0010】
引裂き誘導片の材料と基部の材料とは強固に接合している方が、引裂き誘導片の袋本体のフィルムに接合する位置が固定されるので、引裂き誘導片の袋本体の開口が形成される位置がばらつかないことになり、好ましい。引裂き誘導片の材料と基部の材料との接合強度を向上させる方法として、例えば、引裂き誘導片の材料及び基部の材料に相溶性の良い樹脂の組合せを用いる方法や、引裂き誘導片の材料と開封時に引裂かれる方の基部の材料の間には両者と相溶性が良い材料からなる層(接着層)を設ける方法がある。
本発明のテープは内容物を収納し得る袋であれば特に限定されず、好適に適用し得る。例えば、袋体の底辺にマチが設けられている袋、マチが設けられいわゆるスタンディング型の底部となっている袋、袋体側面にマチのない袋や、袋体側面にマチのあるいわゆるガセット袋等、種々の袋に対し、好適に適用し得る。
さらに、本発明の基部は、袋本体の少なくとも1の内面に接合され得るものであれば、1つの部材から構成されているものでもよく、複数の部材に分割して構成されているものでもよい。複数の部材から基部が構成される場合では、基部を構成する複数の部材の間に隙間を設けるものであってもよい。
また、本発明のテープは、テープの部材を構成する樹脂を押出成形することで、一体的に形成することができる。
【0011】
しかも、本発明のテープでは、前記基部に対して前記引裂き誘導片を挟んで配置され前記引裂き誘導片に接合され得る少なくとも1以上の長尺状のブロック部を備え、前記基部と前記ブロック部とは、前記引裂き誘導片を挟み前記引裂き誘導片の長手方向に沿って配置されている。
これによれば、引裂き誘導片の樹脂として、袋本体を構成するフィルムの表面の樹脂と相溶性の悪い樹脂を用いるとしても、引裂き誘導片を挟んで基部とブロック部とが位置するので、袋本体の側縁部分と引裂き誘導片の端部が重なる部分において、袋本体の1の内面を構成するフィルムと引裂き誘導片との間に基部があり、当該内面と対向する内面を構成するフィルムと引裂き誘導片との間にブロック部があるため、テープを袋本体に接合するに際して、フィルムと引裂き誘導片との間にピンホールが生じることを回避し、開封前の袋体の密封性の向上を図ることが期待できる。
ブロック部は、引裂き誘導片に接合され得るものであれば、1つの部材から構成されているものでもよく、複数の部材から構成されているものでもよい。さらに、ブロック部は基部と同様の形状としてもよい。
また、ブロック部は、基部と一体の部材として形成してもよく、基部と別体の部材として形成してもよい。
なお、ブロック部は、引裂き誘導片の長手方向に沿って、引裂き誘導片の幅方向の全面にわたって接合することで、フィルムと引裂き誘導片との間でのピンホールの発生をより効果的に回避できる。
また、ブロック部と引裂き誘導片とは、ブロック部及び引裂き誘導片を構成する樹脂を押出成形することで一体的に形成することができる。ブロック部と引裂き誘導片とを一体的に形成するために、押出成形を用いることで、ブロック部と引裂き誘導片との間でのピンホールの発生も効果的に抑制することができる。
【0012】
本発明のテープでは、前記ブロック部の前記引裂き誘導片と接合されていない部分で前記引裂き誘導片が接合する面には前記ブロック部に対して垂直方向のうち前記引裂き誘導片がある方向に突出する凸部が少なくとも1以上設けられているものとしてもよい。
これによれば、引裂き誘導片で基部や袋本体のフィルムを引き裂く方向がずれることがあっても、凸部により引裂き誘導片の位置が規制されるので、基部と袋本体のフィルムとが引き裂かれる方向を修正することが期待できる。
ここで、凸部は、袋本体のフィルムの引き裂き方向を正常な方向に修正できるものであれば、その具体的形状は特に限定されない。
【0013】
本発明のテープでは、前記凸部と前記突出部とは前記引裂き誘導片を挟んで配置され、前記凸部の突出方向の先端は前記基部が接合される前記袋本体のフィルムに接合され得るものとしてもよい。この場合、ブロック部は凸部を介して、袋本体の少なくとも1の内面に接合され得る形状となる。
これによれば、引裂き誘導片を挟んで基部とブロック部とが配置され、これらの配置方向と交差する方向において引裂き誘導片を挟んで凸部と突出部とが配置されるから、テープをコンパクトな構造とすることができる。
【0014】
本発明のテープでは、前記基部と前記引裂き誘導片との接合強度は、前記ブロック部と前記引裂き誘導片との接合強度より大きいものとすることができる。
これによれば、引裂き誘導片と基部との接合強度が大きく、引裂き誘導片とブロック部との接合強度が小さいので、引裂き誘導片を基部がある方に引っ張ると、引裂き誘導片は基部にしっかり接合されるので、接合強度の強い基部を袋本体のフィルムの内面に接合させることで、引裂き誘導片により袋本体を引き裂く際にテープの位置がばらつくことがない。一方で、基部と引裂き誘導片との接合強度を両者が容易に分離できる程度の強度とすることで、引裂き誘導片による袋本体及び基部の引裂きを容易かつ確実に行うことが期待される。
なお、引裂き誘導片の材料と基部の材料との接合強度を調整させる方法は特に限定されないが、例えば、相溶性の異なる樹脂を組合せて調整する方法や、基部と引裂き誘導片の間に接合強度を大きくするための層(接着層)を設けて両者の接合強度を調整する方法等がある。相溶性の異なる樹脂を組合わせる方法としては、ブロック部と引裂き誘導片とを互いに相溶性の悪い樹脂で形成し、基部と引裂き誘導片とを互いに相溶性の良い樹脂で形成する方法を例示できる。また、基部とブロック部とを同じ樹脂を用いる方法として、ブロック部の樹脂と引裂き誘導片の樹脂として相溶性の悪い樹脂を用い、かつ、相溶性の悪い基部と引裂き誘導片の間に接着層を介するものを例示できる。基部とブロック部との樹脂が同じであっても、これらを押出成形にて容易に製造することが可能となる。
例えば、接着層として、ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)どちらにも接着強度が高いメタロセン系LLが好ましい。
【0015】
本発明のテープでは、前記ブロック部と前記引裂き誘導片とは接合界面で界面剥離するものにしてもよい。
ロック部と引裂き誘導片と互いに相溶性の悪い樹脂で形成すると、これらの間の接合強度が小さい。引裂き誘導片で引き裂かれる基部と引裂き誘導片とは互いに相溶性の良い樹脂で形成されているので、これらの間の接合強度が大きい。
引裂き誘導片を基部がある方に引っ張ると、引裂き誘導片は基部にしっかり接合されるので、接合強度の強い基部を袋体の内面に接合させることで、引裂き誘導片により袋本体を引き裂く際に、ブロック部と引裂き誘導片との接合界面で界面剥離が生じ、テープの位置がばらつくことがない。基部と引裂き誘導片との接合強度を両者が容易に分離できる程度の強度とすることで、引裂き誘導片による袋本体及び基部の引裂きを容易かつ確実に行うことが期待される。
【0016】
本発明のテープでは、前記突出部と前記引裂き誘導片とは接触していないものとしてもよい。
これによれば、突出部と引裂き誘導片とが接触していないので、両者の間に空隙部が生じることになり、テープを押出成形法等で製造する際に、引裂き誘導片と突出部とが一体化することを防止できる。さらに、テープを袋本体のフィルムの内面に接合させるときに、溶融樹脂が側方に広がっても、空隙部があるので、引裂き誘導片の樹脂と基部の樹脂とが融合することが防止でき、引裂き誘導片が基部を引裂く際の引裂き方向が安定することが期待できる。
【0017】
本発明のテープでは、前記基部の前記突出部と前記引裂き誘導片との間に対応する部分が前記基部の前記引裂き誘導片と接する部分に対して薄肉とされているものでもよい。
これによれば、引裂き誘導片を引っ張ると、基部のうち薄肉とされる部分が引き裂かれることになる。そのため、薄肉となっていることで、基部を引裂く際に要する力が少なくて済むことが期待できる。
【0018】
本発明の袋体は、フィルムにより構成された袋本体と、前記袋本体の少なくとも1の内面に接合されたテープとを備え、前記テープは、少なくとも1以上の長尺状の基部と、前記基部の長手方向に沿って前記基部に接合され前記基部及び前記フィルムを引き裂く引裂き誘導片と、前記基部の前記引裂き誘導片と接合していない部分で前記引裂き誘導片が接合する面から前記基部に対して垂直方向のうち前記引裂き誘導片がある方向に突出する突出部を少なくとも1以上備え、前記テープは、少なくとも1つの前記基部を介して前記袋本体の1の内面に接合され、前記基部に対して前記引裂き誘導片を挟んで配置され前記引裂き誘導片に接合される少なくとも1以上の長尺状のブロック部を備え、前記基部と前記ブロック部とは、前記引裂き誘導片を挟み前記引裂き誘導片の長手方向に沿って配置されていることを特徴とする。
本発明の袋体では、開封のために、引裂き誘導片を基部がある方向に引っ張ると、引裂き誘導片が基部とともにフィルムを引裂く。基部とフィルムとが引裂き誘導片で引き裂かれた後には、引裂き誘導片に沿った開口が基部とフィルムとに形成されることになる。この開口の部分には、手を差し込むことを邪魔する障害物がないため、開口から袋本体の内部の奥まで手を差し込むことが容易となり、袋本体から内容物を容易に取り出せることが期待できる。しかも、突出部が基部に設けられているので、袋体のフィルムが引き裂かれる方向が特定の方向に修正されることになり、袋体間で開口の大きさにバラつきが生じることの防止が期待できる。
【0019】
しかも、本発明の袋体では、前記基部に対して前記引裂き誘導片を挟んで配置され前記引裂き誘導片に接合される少なくとも1以上の長尺状のブロック部を備え、前記基部と前記ブロック部とは、前記引裂き誘導片を挟み前記引裂き誘導片の長手方向に沿って配置される。
これによれば、引裂き誘導片を挟んで基部とブロック部とが位置するので、袋本体のフィルムが引裂き誘導片に直接接合することがない。そのため、引裂き誘導片とフィルムとが相溶性の悪い材料から形成されても、製袋時に袋本体にピンホールが生じることを防止できる。
【0020】
本発明の袋体では、前記ブロック部の前記引裂き誘導片と接合されていない部分で前記引裂き誘導片が接合する面には前記ブロック部に対して垂直方向のうち前記引裂き誘導片がある方向に突出する凸部が少なくとも1以上設けられているものとしてもよい。
これによれば、引裂き誘導片で基部と袋本体のフィルムとを引き裂く際に、凸部によって引裂き方向を修正することが期待できる。
【0021】
本発明の袋体では、前記凸部と前記突出部とは前記引裂き誘導片を挟んで配置され、前記凸部の突出方向の先端は前記基部が接合される前記袋本体のフィルムに接合されているものとしてもよい。
これによれば、引裂き誘導片を挟んで基部とブロック部とが配置され、これらの配置方向と交差する方向に凸部と突出部とが配置されているから、袋体のうちテープが設けられた部分の構造をコンパクトにすることができる。しかも、ブロック部に設けられている凸部が袋本体のフィルムに接合されているから、開封後、ブロック部及び凸部は、袋本体の基部が接合されたフィルムから離れない。そのため、袋体の内容物の取出しのために開口に手を差し込む際に、ブロック部及び凸部が邪魔になることが少ない。
【0022】
本発明の袋体では、前記基部と前記引裂き誘導片との接合強度は、前記ブロック部と前記引裂き誘導片との接合強度より大きいものとすることができる。
これによれば、引裂き誘導片を基部がある方に引っ張ると、引裂き誘導片が基部にしっかり接合されるので、引裂き誘導片で基部及びフィルムが引き裂かれる位置がばらつくことがなく、かつ、引裂き誘導片がブロック部から容易に剥がれることになり、引裂き誘導片による基部及びフィルムの引裂きを確実に行うことが期待される。
【0023】
本発明の袋体では、前記ブロック部と前記引裂き誘導片とは接合界面で界面剥離するものにしてもよい。
これにより、裂き誘導片を基部がある方向に引っ張ることで、引裂き誘導片は、ブロック部との間で界面剥離が生じて容易に剥がれることになり、袋本体のフィルムを引き裂く際に、引裂き誘導片が材料破壊によって破断することを回避できる。また、引裂き誘導片とブロック部との剥離面には切りかすが生じることも回避できる。
さらに、本発明のテープを押出成形により製造したときは、引裂き誘導片とブロック部とが一体に設けられているため、袋本体のフィルムを引き裂く際の抵抗感が一定となり、袋体の開口の形状を再現性よく形成させることが期待できる。
【0024】
本発明の袋体では、前記突出部と前記引裂き誘導片とは接触していないものとしてもよい。
これによれば、突出部と引裂き誘導片とが接触していないので、引裂き誘導片が基部とフィルムとを引裂く際の引裂き方向が安定することが期待できる。そのため、袋本体に開口がきれいに形成されることが期待できる。
【0025】
本発明の袋体では、前記基部の前記突出部と前記引裂き誘導片との間に対応する部分が前記基部の前記引裂き誘導片と接する部分に対して薄肉とされているものとしてもよい。
これによれば、引裂き誘導片を引っ張ると、基部のうち薄肉とされる部分と、袋本体のフィルムのうち当該部分に対応する箇所とが引き裂かれることになる。そのため、薄肉となっていることで引裂く際に要する力が少なくて済むことが期待できる。
【0026】
本発明の袋体では、前記袋本体の互いに対向する壁部のうち一方は、前記引裂き誘導片で引き裂かれて開口が形成され、前記袋本体の互いに対向する壁部のうち他方は、前記引裂き誘導片の一部が穴明部分又は弱め線を介して外部に露出しているものとしてもよい。
これによれば、引裂き誘導片の端部を基部に向けて引っ張ると、基部とともに袋本体の互いに対向する壁部のうち一方が引裂き誘導片で引き裂かれて開口が形成される。この際、袋本体の互いに対向する壁部のうち他方では、引裂き誘導片の端部に対応する部分が引裂き誘導片とともに引き裂かれることに伴う抵抗が生じるが、穴明部分又は弱め線があることで、当該壁部のうち他方が破断されることになる。そのため、引裂き誘導片によって基部及びフィルムを引き裂く際に、当該壁部のうち他方を引きちぎる必要がないので、小さな力で開封を実施することができる。
ここで、弱め線とは、例えば、他の部分に比べて薄肉、欠落、破線状の孔である目打ちなどの他、他の部分より柔らかく切断しやすい部材にて形成したりしたもの等、その部分でフィルムを引き裂き可能に剛性が弱められた部分である。
穴明部分は、円形に限定されるものではなく、楕円形、矩形、三角形、その他の形状であってもよい。
【0027】
本発明の袋体では、前記袋本体は内容物が収納され得る収納部が形成され、前記袋本体の前記テープより前記収納部が形成された部分とは反対側に位置する端縁に内容物収納口が形成されているものとしてもよい。
これによれば、本発明の袋体は、前記袋本体の少なくとも1の内面にのみテープが接合されているため、内容物の袋体への収納時にテープを分離等して、袋体を開封する必要がなく、袋本体の端縁に形成された内容物収納口から容易に内容物を収納できる。内容物を収納した後では、当該内容物収納口を接合する。
【0028】
本発明の袋体では、前記袋本体は内容物が収納された収納部が形成され、前記袋本体の前記テープより前記収納部が形成された部分とは反対側に位置する端縁が接合されているものとしてもよい。
これによれば、袋体の端縁から内容物が漏出することの防止が期待できる。
【0029】
本発明の袋体では、前記袋本体の端部には把持部が設けられているものとしてもよい。
これによれば、把持部を用いて袋体を把持することで、袋体の把持が容易となる。
把持部は、手で持つことができれば、形態は特に限定されるものではなく、例えば、1以上の孔状の持ち手を上端に設けることや、袋本体の上端部分に紐を通して持ち手とすること、袋上端部に樹脂又は金属等でできた持ち手部材を接合させること等で好適に持ち手を作ることができる。
【0030】
本発明の袋体では、前記袋本体は、対向する一対の平面部と、前記平面部の両側縁において前記平面部に介在する一対の側面部及び底面部とを備え、前記側面部及び前記底面部がそれぞれ折り線により内方に織り込まれるものとしてもよい。
これにより、織り込まれた側面部及び底面部をそれぞれ広げることで、大きな収納部を形成することができ、大量の内容物を袋体に収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1実施形態にかかる袋体を示す正面図。
図2図1のII-II線に沿う矢視断面図。
図3】(A)は、袋体の一部を示す斜視図、(B)は、開封用タブの要部を示す斜視図。
図4】内容物が収納される前の袋体を示す正面図。
図5】(A)から(C)は袋体の開封手順を説明する図。
図6】本発明の第2実施形態にかかる袋体の要部を示す断面図。
図7】本発明の第3実施形態にかかる袋体の要部を示す断面図。
図8】本発明の第4実施形態にかかる袋体の要部を示す断面図。
図9】本発明の第5実施形態にかかる袋体の要部を示す断面図。
図10】本発明の第6実施形態にかかる袋体の要部を示す断面図。
図11】本発明の第7実施形態にかかる袋体を示す正面図。
図12】第7実施形態の袋体の要部を示す分解斜視図。
図13】本発明の第8実施形態にかかる袋体を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。ここで、各実施形態の説明において、同一の構成は同一符号を付して説明を省略する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1から図5に基づいて説明する。
(袋体の全体構成)
図1には、第1実施形態にかかるテープを備えた袋体の全体構成が示されている。
図1において、袋体1Aは、フィルム11A,11B(図1ではフィルム11Aのみ示す)を重ね合わせて、その周縁にサイドシール部12、トップシール部13及びボトムシール部14が形成される袋本体10を備えている。
フィルム11Aの内面には、このフィルム11Aの壁部を引き裂くテープ2Aがトップシール部13から所定寸法離れて取り付けられている。
袋本体10のテープ2Aを挟んでトップシール部13とは反対側の空間が内容物Oを収納する収納部100とされている。
【0033】
(テープ2Aの構成)
図1及び図2において、テープ2Aは、引裂き誘導片21と、フィルム11Aに接合される基部22と、基部22に一体形成される突出部23とを有する。
基部22は、トップシール部13に沿って延びる長尺状の部材であり、その長手方向と直交する平面内での断面形状は長方形である。ここで、基部22の長手方向と直交する平面内であってフィルム11Aと接合される面に沿った方向(図2中上下方向)を幅方向とする。
引裂き誘導片21は、基部22及びフィルム11Aが引き裂かれて開封されるときに、基部22及びフィルム11Aの引き裂き位置を誘導する部材である。引裂き誘導片21の長手方向と直交する平面内での断面形状は、図2では長方形であるが、本実施形態では、断面長方形に限定されるものではなく、例えば、断面三角形や断面半円系でもよく、さらには、紐状に形成されるものでもよい。
引裂き誘導片21は、基部22のフィルム11Aと接合する面とは反対側の面であって基部22の幅方向の中央部に接合されている。
【0034】
突出部23は、基部22の引裂き誘導片21と接合していない部分で引裂き誘導片21が接合する面20Aから基部22に対して垂直方向に突出するように形成されている。
突出部23は、引裂き誘導片21を挟んで基部22の幅方向の両側(図2では上下両側)に配置されている。
突出部23の基部22の長手方向と直交する平面内での断面形状は、図2では、長方形とされている。本実施形態では、突出部23の断面形状は、図2で示される長方形に限定されるものではなく、三角形、半円、その他の形状であってもよい。
引裂き誘導片21と突出部23との基部22が位置する部分とは反対側の面は、それぞれ面20Aと平行とされ、かつ、接合部120以外の領域では、フィルム11Bの内面とは接合されていない。
基部22と突出部23とのトップシール部13に対向する側面(図2中の上面)は同一面であり、基部22と突出部23とのトップシール部13に対向する側面とは反対側の面(図2中の下面)は同一面である。
引裂き誘導片21と突出部23との互いに対向する面21A,23Aは接触していない。つまり、引裂き誘導片21の突出部23に対向する面21Aと、突出部23の引裂き誘導片21に対向する面23Aとには空隙部Sがある。
【0035】
基部22及び突出部23は、同じ材料から一体に形成されている。
引裂き誘導片21の材料は基部22の材料に対して剛性が高い方が好ましい。ここでいう剛性は、原料の引張弾性率で測定することができる。この引張弾性率は、引裂き誘導片21及び基部22をテープから切り出したものを試験片として、JIS B7721及びISO9513並びに5.1.2〜5.1.6に適合する試験機を用いて測定することができる。
袋体1Aの後述する開口10Sの形成される位置が製造される複数の袋体1Aの間で、ばらつかないため、引裂き誘導片21の材料と基部22の材料とは強固に接合している方が好ましい。引裂き誘導片21の材料と基部22の材料との接合強度を向上させる方法として、例えば、相溶性が良い樹脂の組合せを用いることや、引裂き誘導片21と基部22との間に相溶性が良い材料からなる層(図示せず)、例えば、接着層を設けることを例示できる。
【0036】
相溶性の良い樹脂の組み合わせとしては、特に限定されるものではないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)から選ばれる2以上の樹脂を主成分とする樹脂組成物を好適に組み合わせることができる。他には、ランダムPP、ブロックPP、ホモPP、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンから選ばれる2以上の樹脂を主成分とする樹脂組成物を好適に組み合わせることができる。
また、基部22及び突出部23をポリエチレン系樹脂から形成し、引裂き誘導片21をポリプロピレン系樹脂から形成する場合、基部22と引裂き誘導片21との間に接着層、例えば、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン、PEとPPのブレンド物等を設けるものでもよい。
【0037】
図1に戻り、トップシール部13には把持部として孔状の持ち手15が2つ設けられている。
持ち手15は、フィルム11A,11Bに形成された平面長円状の孔部である。なお、孔部の形状は平面長円状に限定されるものではなく、平面円形、平面矩形状、平面三角形状等であってもよく、孔の数も1以上で好適に把持することができる。
サイドシール部12のうちテープ2Aの長手方向の両側は接合部120とされている。これらの接合部120のうち一方(図1では左側)には、開封用タブ16と、開封用タブ16から袋本体10を引き裂き開封する方向に隣接した易開封構造としての弱め線17とが設けられている。
【0038】
(フィルムの構成)
図2に示すように、フィルム11A,11Bは、それぞれ袋本体10の内面を形成するシーラント層111と、袋本体10の外面を形成する基材層112と、からなる。
フィルム11A,11Bとしては、基材層112にシーラント層111を積層した構成の積層フィルムを使用することが好ましいが、要求される性能に応じて、基材層112とシーラント層111との間に、中間層として図示しないガスバリアー層、遮光層、強度向上層などを積層した構成の積層フィルム層を使用してもよい。
基材層112には、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルムのほか、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(OPET)フィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレート(OPEN)フィルムなどの二軸延伸ポリエステルフィルムや、ナイロン6、ナイロン66、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)などの二軸延伸ポリアミドフィルムなどを好適に使用することができるが、必要に応じて各種エンジニアリングプラスチックフィルムを使用することもできる。また、これらは単独で使用してもよく、また、複数を組み合わせて積層して使用することもできる。
中間層をガスバリアー層とする場合、中間層には、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリアクリロニトリル(PAN)などのフィルムのほか、アルミニウム箔、或いは、シリカ、アルミナ、アルミニウムなどの蒸着層やPVDCの塗膜層を使用することができる。
最内層のシーラント層111には、低密度ポリエチレンや、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(CPP)などを使用することができる。
【0039】
(開封用タブ16の構成)
図3(A)には、袋体1Aの一部が示され、図3(B)には、開封用タブ16の要部が示されている。
図3(A)及び図3(B)において、開封用タブ16は、引裂き誘導片21の一部と、基部22、突出部23及びフィルム11A,11Bにおいてそれぞれ切込部分16Aで切り取られた部分とを有する。
切込部分16Aの形状は、開封用タブ16の外周形状を区画すれものであれば、特に制限はなく、図1図3(A)及び図3(C)で示されるC形形状でもよく、C形形状に加えて、半円形状の任意の形状とすることができる。
【0040】
接合部120において、開封用タブ16が形成されるように互いに重ね合わされるフィルム11A,11Bを貫通したカット処理を施して切込部分16Aを形成すると同時に、フィルム11Bの壁部のみをカットする処理が施されている。このフィルム11Bのみにカット処理された部分が前述の弱め線17である。引裂き誘導片21の一部は弱め線17を介して外部に露出している。
開封用タブ16を摘んで引裂き誘導片21の端部を基部22に向けて引っ張ることにより、引裂き誘導片21によってフィルム11Aが直線状に引き裂かれる。
フィルム11Bには弱め線17が形成されているため、引裂き誘導片21で基部22及びフィルム11Aが引き裂かれる際に、フィルム11Bにおいて弱め線17が破断され、その破断されたフィルム11Bの残り11Cが開封用タブ16に付着する。
【0041】
(袋体1Aの製造方法)
まず、前述の構成のテープ2Aを押出成形法で製造する。つまり、テープ2Aは、基部22及び突出部23と引裂き誘導片21とを、共押出成形法により一体化して得ることができる。
そして、フィルム11A,11Bとテープ2Aとから、一般的に用いられている図示しない三方シール製袋機等を用いて袋体1Aを製造する。
三方シール製袋機は、包材送出部から送り出された一対のフィルム11A,11Bの間に、テープ送出部から送り出されたテープ2Aを位置させて、テープ2Aをフィルム11Aに接合させる。そして、フィルム11A,11Bを搬送し、この搬送方向に対して所定間隔でフィルム11A,11Bを融着してサイドシール部12及びボトムシール部14を形成する。さらに、接合部120に開封用タブ16を形成する。
この状態の袋体1Aが図4に示される。
【0042】
図4において、袋体1Aは、袋本体10にトップシール部13及び持ち手15が形成されておらず、袋本体10のテープ2Aより収納部100が形成された部分とは反対側に位置する端縁に内容物収納口10Aが形成されている。テープ2Aのうち接合部120の間の領域は、フィルム11Bに接合していない(図5(A)参照)。そのため、フィルム11Aとフィルム11Bとの間を広げることで、テープ2Aとフィルム11Bとの間に大きなスペースを形成することができる。
この内容物収納口10Aからテープ2Aとフィルム11Bとの間のスペースを介して収納部100に内容物Oを収納した後、袋本体10の内容物収納口10Aをシールしてトップシール部13を形成し、さらに、持ち手15を形成する。これにより、内容物Oが収納された袋体1Aが製造されることになる(図1参照)。
【0043】
(袋体1Aの開封方法)
次に、図5を用いて本実施形態の袋体1Aを開封する方法を説明する。
まず、開封前が図5(A)に示されている。この状態では、テープ2Aの基部22が袋本体10を構成するフィルム11A,11Bのうち一方のフィルム11Aに接合されている。
開封にあたり、図1図3(A)及び図3(B)に示す開封用タブ16を引っ張る。すると、図5(B)に示すように、引裂き誘導片21が基部22及びフィルム11Aを引き裂くことになる。この際、フィルム11Bでは、引裂き誘導片21の端部に対応する部分が引裂き誘導片21とともに引き裂かれることに伴う抵抗が生じるが、弱め線17があることで、フィルム11Bが破断される。
引裂き誘導片21で引き裂かれた後の基部22及びフィルム11Aには、引裂き誘導片21に沿った開口10Sが袋体1Aに形成されることになる。
この開口10Sは、テープ2Aの長手方向に沿って形成されており、基部22の中央部付近に形成された部分に指(図示せず)を引っ掛けると、開口10Sが大きくなる(図5(C)参照)。この状態の開口10Sに手を差し込むと、図1で示される内容物Oを取り出す際の障害物が開口10Sの周囲にないので、内容物Oがある収納部100の奥まで手を伸ばすことができる。
【0044】
(第1実施形態の効果)
(1)袋体1Aを構成するフィルム11Aに接合される基部22と、基部22に接合され基部22及びフィルム11Aを引裂き得る引裂き誘導片21と、基部22の引裂き誘導片21と接合していない部分で引裂き誘導片21が接合する面から突出する突出部23とを備えてテープ2Aを構成した。基部22及びフィルム11Aが引裂き誘導片21に引き裂かれた後には、引裂き誘導片21に沿った開口10Sが基部22及びフィルム11Aに形成されることになり、内容物Oを容易に開口10Sから取り出せることが期待できる。しかも、突出部23が引裂き誘導片21に沿って基部22に設けられているので、フィルム11Aが引き裂かれる方向を特定の方向に修正することが可能となり、複数の袋体1Aの間で開口10Sの大きさにバラつきが生じることの防止が期待できる。さらに、テープ2Aを構成する樹脂を押出成形することで、引裂き誘導片21、基部22及び突出部23を一体的に形成することができる。
【0045】
(2)突出部23と引裂き誘導片21とは接触していないから、これらの間に空隙部Sがある。そのため、テープ2Aを製造するときや、テープ2Aを袋本体10のフィルム11Aの内面に接合させるときに、引裂き誘導片21の樹脂と基部22の樹脂とが融合することが防止でき、引裂き誘導片21が基部22を引裂く際の引裂き方向が安定することが期待できる。
(3)フィルム11A,11Bから構成された袋本体10と、フィルム11Aに取り付けられたテープ2Aとを備えて袋体1Aを構成したから、開封が容易であり、開封後の内容物Oの取出しを容易になし得る袋体1Aを提供できる。
【0046】
(4)フィルム11Aには引裂き誘導片21で引き裂かれて開口10Sが形成され、フィルム11Bでは引裂き誘導片21の一部が弱め線17を介して外部に露出しているから、引裂き誘導片21でフィルム11Aを引き裂き開封する場合、フィルム11Bには引裂き誘導片21とともに引き裂かれることに伴う抵抗が生じても、弱め線17があることで、フィルム112Bが破断されることになる。そのため、フィルム11Bを引きちぎる必要がないから、小さな力で開封を実施することができる。
【0047】
(5)袋本体10は内容物Oが収納され得る収納部100が形成され、袋本体10のテープ2Aより収納部100が形成された部分とは反対側に位置する端縁に内容物収納口10Aが形成されていので、内容物収納口10Aから内容物Oを容易に収納することができる。
【0048】
(6)袋本体10のテープ2Aより収納部100が形成された部分とは反対側に位置する端縁がトップシール部13で接合されているので、袋体1Aの端縁から内容物Oが漏出することを防止が期待できる。
【0049】
(7)袋本体10の端部には持ち手15が設けられているので、袋本体10の把持が容易となる。
【0050】
(8)突出部23は、引裂き誘導片21を挟んで基部22の幅方向の両側に配置されているので、引裂き誘導片21が基部22及びフィルム11Aを引き裂く際に、両側にある突出部23で引裂き方向がより正確に修正される。
【0051】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図6に基づいて説明する。図6図2の断面図を拡大したものである。図6において、上方がトップシール部13側であり、下方がボトムシール部14側である(図1及び図2参照)。
第2実施形態は、基部22とは別部材としてブロック部25を設けたことに特徴がある。つまり、第2実施形態はテープ2Bの構成が第1実施形態のテープ2Aと異なるものであり、他の構成は第1実施形態と同じである。
なお、図6では、フィルム11A,11Bの厚さが図2に比べて薄く図示されている。
図6において、第2実施形態の袋体1Bは、袋本体10を構成するフィルム11A,11Bと、テープ2Bと、を備えている。
【0052】
(テープ2Bの構成)
テープ2Bは、第1実施形態の引裂き誘導片21、基部22及び突出部23と、基部22とは別部材として形成される長尺状のブロック部25と、ブロック部25に一体形成された凸部26とを有する。
基部22とブロック部25とは引裂き誘導片21を挟み引裂き誘導片21の長手方向に沿って配置されている。
基部22は、引裂き誘導片21で袋本体10が引き裂かれる側のフィルム11Aに配置され、ブロック部25は、引裂き誘導片21で袋本体10が引き裂かれない側のフィルム11Bに配置されている。
図6では、ブロック部25及び凸部26の断面形状は、基部22及び突出部23の断面形状と同じであり、引裂き誘導片21の断面中心を中心とした点対称となるように配置されている。
【0053】
基部22のうち引裂き誘導片21が接合される面とは反対側の面がフィルム11Aに接合されている。突出部23の先端面はフィルム11Bと対向している。
ブロック部25のうち引裂き誘導片21が接合される面とは反対側の面がフィルム11Bに対向している。
凸部26は、ブロック部25の引裂き誘導片21と接合していない部分で引裂き誘導片21が接合する面20Aからブロック部25に対して垂直方向に突出するように形成されている。
凸部26は、突出部23と同様に断面長方形であり、その先端面はフィルム11Aと接合されている。なお、凸部26の断面形状は、突出部23と同様に、長方形に限定されるものではなく、三角形、半円、その他の形状であってもよい。
【0054】
基部22及び引裂き誘導片21と凸部26とには、空隙部Sがある。同様に、ブロック部25及び引裂き誘導片21と突出部23とには、空隙部Sがある。そのため、引裂き誘導片21は収納部100(図1参照)に露出することになる。
なお、フィルム11Bは、図1の接合部120に位置する状態が想像線で示され、接合部120の間に位置する状態が実線で示されている。接合部120の位置では、ブロック部25と突出部23はフィルム11Bに当接しているが、接合部120を離れた位置では、ブロック部25と突出部23はフィルム11Bから離れている。
【0055】
第2実施形態において、基部22と引裂き誘導片21との接合強度は、ブロック部25と引裂き誘導片21との接合強度より大きい。具体的には、ブロック部25と引裂き誘導片21とは互いに相溶性の悪い樹脂で形成され、基部22と引裂き誘導片21とは互いに相溶性の良い樹脂で形成されものでもよく、あるいは、ブロック部25及び凸部26と引裂き誘導片21とは互いに相溶性の悪い樹脂で形成され、基部22及び突出部23と引裂き誘導片21とは互いに相溶性の悪い樹脂で形成され、基部22と引裂き誘導片21との間に基部22と引裂き誘導片21との接合強度を大きくするための接着層(図示せず)を設けるものでもよい。
ここで、相溶性の悪い樹脂としては、低密度ポリエチレン系とランダムポリプロピレン系の組み合わせが好ましい。具体的には、低密度ポリエチレン(LDPE)/ランダムポリプロピレン(RPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)/RPP(一部、m−LLも含む)、LDPE/ホモポリプロピレン(HPP)、LLDPE/HPP(一部、m−LLも含む)、LDPE/ポリスチレン(PS)、LLDPE/PS(m−LLも含む)、RPP/PS、HPP/PS、LDPE/ポリエチレンテレフタレート(PET)、LLDPE/PET、RPP/PET、HPP/PET、PS/PET、LDPE/ナイロン(Ny)、LLDPE/Ny、RPP/Ny、HPP/Ny、PS/Ny等が挙げられる。
例えば、基部22及び突出部23がメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンから形成され、引裂き誘導片21がランダムポリプロピレン系樹脂から形成され、ブロック部25及び凸部26が低密度ポリエチレン(LDPE)から形成される。なお、基部22及び突出部23とブロック部25及び凸部26とを同一の材料から形成した場合、引裂き誘導片21と基部22との接合強度を引裂き誘導片21とブロック部25との接合強度より大きくするために、引裂き誘導片21と基部22との間に接着層を設ける構成としてもよい。
接合強度の弱い側の基部22と引裂き誘導片21との接合強度は、両者が容易に分離できる程度の強度である。これにより、引裂き誘導片21による基部22及びフィルム11Aの引裂きを容易かつ確実に行うことが期待される。なお、第2実施形態における接着層の材料は、第1実施形態における接着層の材料と同じでもよい。
【0056】
(袋体1Bの製造方法)
第2実施形態の袋体1Bの製造方法は第1実施形態と同じである。
まず、テープ2Bを製造する。テープ2Bは、基部22及び突出部23と、ブロック部25及び凸部26と、引裂き誘導片21とを、押出成形法により一体化して得ることができる。押出成形により、引裂き誘導片21の一方の平面と基部22の平面とが接合され、引裂き誘導片21の他方の平面とブロック部25の平面とが接合された状態となる。なお、基部22及び突出部23と、ブロック部25及び凸部26とが同じ相溶性の樹脂から押出成形される場合では、引裂き誘導片21と基部22との間に接着層を設ける。
そして、一対のフィルム11A,11Bの間にテープ2Bを位置させて、テープ2Bをフィルム11Aに接合させる。そして、フィルム11A,11Bを融着してサイドシール部12及びボトムシール部14を形成し、さらに、開封用タブ16を形成する。ここで、サイドシール部12を形成するにあたり、フィルム11Aとフィルム11Bとでテープ2Bの端部を挟み、これらを熱で接合する。
(袋体1Bの開封方法)
開封にあたり、引裂き誘導片21で基部22及びフィルム11Aを引き裂く(図6想像線参照)。引裂き誘導片21で引き裂かれた後の基部22及びフィルム11Aには、引裂き誘導片21に沿った開口10Sが袋体1Aに形成され、ブロック部25及び凸部26がフィルム11Aに接合されたまま残される。
【0057】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、第1実施形態の(1)から(7)と同じ効果を奏することができる他、次の効果を奏することができる。
(9)基部22とブロック部25とは、引裂き誘導片21を挟み引裂き誘導片21の長手方向に沿って配置されるから、引裂き誘導片21の樹脂として、フィルム11A,11Bの樹脂、特に、引裂き誘導片21で引き裂かれないフィルム11Bと相溶性の悪い樹脂を用いるとしても、引裂き誘導片21がブロック部25を介してフィルム11Bと接合しているため、サイドシール部12を形成する際に、フィルム11A,11Bと引裂き誘導片21の間にピンホールが生じることが回避され、開封前の袋体1Bの密封性の向上が期待できる。さらに、テープ2Bの部材を構成する樹脂を押出してテープ2Bを成形することで、ブロック部25と引裂き誘導片21との間でのピンホールの発生も効果的に抑制することができる。また、ブロック部25が引裂き誘導片21の長手方向に沿って、引裂き誘導片21の幅方向の全面にわたって接合することで、フィルム11Bと引裂き誘導片21との間でのピンホールの発生をより効果的に回避できる。
【0058】
(10)ブロック部25に凸部26が設けられているので、引裂き誘導片21で基部22や袋本体10のフィルム11Aを引き裂く方向がずれることがあっても、凸部26により引裂き誘導片21の位置が規制されることになり、基部22とフィルム11Aとが引き裂かれる方向を修正することが期待できる。さらに、引裂き誘導片21を挟んで基部22とブロック部25とが配置され、これらの配置方向と直交する方向において引裂き誘導片21を挟んで凸部26と突出部23とが配置されるから、テープ2Bをコンパクトな構造とすることができる。
(11)凸部26が接合部120の間でフィルム11Aに長手方向に沿って接合されているので、開封した後でも、基部22及び突出部23とは別体として形成されたブロック部25及び凸部26がフィルム11Aに接合されたままとなり、袋体1Bの内容物の取出しのために開口10Sに手を差し込む際に、ブロック部25及び凸部26が邪魔になることが少ない。これに対して、凸部26がテープ2Bの両側に位置する接合部120の間でフィルム11Aに接合されていないとすると、ブロック部25及び凸部26からなる帯状部材は、フィルム11Aから離れることになり、手を開口10Sから差し込む際に邪魔となる。
【0059】
(12)基部22と引裂き誘導片21との接合強度がブロック部25と引裂き誘導片21との接合強度に比べて大きいので、引裂き誘導片21が基部22にしっかり接合されるので、位置がばらつくことがなく、引裂き誘導片21がブロック部25から容易に剥がれることが期待できる。そのため、引裂き誘導片21によって基部22及びフィルム11Aを容易に引き裂くことができる。
【0060】
(13)ブロック部25と引裂き誘導片21とを互いに相溶性の悪い樹脂で形成すれば、これらの間で界面剥離を生じることになり、引裂き誘導片21がブロック部25から容易に剥がれることになる。また、袋本体10のフィルム11Aを引き裂く際に、引裂き誘導片21が材料破壊によって破断することを回避でき、さらに、引裂き誘導片21とブロック部25との剥離面には切りかすが生じることも回避できる。しかも、基部22と引裂き誘導片21とを互いに相溶性の良い樹脂で形成すれば、これらの間での接合が確実に行われ、複数の袋体1Bでの間での開口10Sの位置のばらつきが少なくなることを期待できる。
(14)ブロック部25と引裂き誘導片21とを互いに相溶性の悪い樹脂で形成し、基部22と引裂き誘導片21とを互いに相溶性の悪い樹脂で形成し、基部22と引裂き誘導片21との間に両者の接合強度を大きくする接着層を設ければ、基部22とブロック部25との材料を同じにすることができるから、樹脂の管理が容易となり、テープ2Bの製造コストが低くなることを期待できる。
【0061】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態を図7に基づいて説明する。図7図6に対応した図である。
第3実施形態は、基部22とブロック部25とが一体となっている点が第2実施形態と異なる。つまり、第3実施形態はテープ2Cの構成が第2実施形態のテープ2Bと異なるものであり、他の構成は第2実施形態と同じである。
図7において、第3実施形態の袋体1Cは、袋本体10を構成するフィルム11A,11Bと、テープ2Cと、を備えている。
【0062】
(テープ2Cの構成)
テープ2Cは、基部22と、突出部23と、引裂き誘導片21と、ブロック部25と、ブロック部25に一体に形成された凸部271とを有する。凸部271は、第2実施形態の凸部26がフィルム11Aに接合されているのとは異なり、基部22の幅方向の端部に一体に形成されている。
凸部271は引裂き誘導片21を挟んで突出部23とは反対側に位置している。基部22と、凸部271と、ブロック部25とから断面逆U字形に形成されている。
ブロック部25及び凸部271は、基部22及び突出部23と同じ材質である。
【0063】
ブロック部25及び引裂き誘導片21と突出部23との間には空隙部Sがある。
基部22は、引裂き誘導片21で袋本体10が引き裂かれる側のフィルム11Aに配置され、ブロック部25は、引裂き誘導片21で袋本体10が引き裂かれない側のフィルム11Bに配置されている。開封にあたり、引裂き誘導片21で基部22及びフィルム11Aを引き裂くと(図7想像線参照)、引裂き誘導片21で引き裂かれた後の基部22及びフィルム11Aには、引裂き誘導片21に沿った開口10Sが形成される。
なお、図7では、接合部120に位置するフィルム11Bが想像線で示されており、この状態では、ブロック部25と突出部23はフィルム11Bに接合しているが、サイドシール部12を離れた位置では、ブロック部25と突出部23はフィルム11Bから離れている(実線参照)。
【0064】
袋体1Cの製造方法は第2実施形態と同じである。
第3実施形態では、第2実施形態の(1)から(7)(9)(10)と同様の効果を奏することができる。
【0065】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態を図8に基づいて説明する。図8図6に対応した図である。
第4実施形態は、第1実施形態の基部22に切り込み280を形成した点に特徴がある。つまり、第4実施形態はテープ2Dの構成が第1実施形態のテープ2Aと異なるものであり、他の構成は第1実施形態と同じである。
図8において、第4実施形態の袋体1Dは、袋本体10を構成するフィルム11A,11Bと、テープ2Dと、を備えている。
【0066】
(テープ2Dの構成)
テープ2Dは、基部28と、基部28に接合された引裂き誘導片21と、基部28に一体に設けられた突出部23とを備えている。基部28は第1実施形態の基部22とは形状が異なる。
基部28は、突出部23と引裂き誘導片21との間に対応する部分が薄肉とされている。つまり、突出部23と引裂き誘導片21との間に空隙部Sがあり、基部28には空隙部Sに連続した切り込み280が形成されている。切り込み280の先端部と基部28のフィルム11Aが接合される面との間の部分が引裂き誘導片21が接合される部分より薄く形成されている。開封にあたり、引裂き誘導片21で基部28を引き裂くと(図8想像線参照)、引裂き誘導片21で引き裂かれた後の基部28及びフィルム11Aには、引裂き誘導片21に沿った開口10Sが形成される。
【0067】
袋体1Dの製造方法は第1実施形態と同じである。
第4実施形態では、第1実施形態の(1)から(8)と同様の効果を奏することができる他、次の効果を奏することができる。
(15)基部28は突出部23と引裂き誘導片21との間に対応する部分が薄肉とされているから、基部28のうち薄肉とされる部分が引裂き誘導片21で引き裂かれることになり、引裂く際に要する力が少なくて済む。
【0068】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態を図9に基づいて説明する。図9図6に対応した図である。
第5実施形態は、第3実施形態の基部22に切り込み280を形成した点に特徴がある。つまり、第5実施形態はテープ2Eの構成が第3実施形態のテープ2Cと異なるものであり、他の構成は第3実施形態と同じである。
図9において、第5実施形態の袋体1Eは、袋本体10を構成するフィルム11A,11Bと、テープ2Eと、を備えている。
【0069】
(テープ2Eの構成)
テープ2Eは、基部29と、基部29に接合された引裂き誘導片21と、基部29に一体に設けられた凸部271と、凸部271が形成されたブロック部25とを有する。
基部29は、空隙部Sに対応する部分と、凸部271と引裂き誘導片21との間の空間に対応する部分とにそれぞれ切り込み280が形成されていることが第3実施形態の基部22とは異なり、他の構成は第3実施形態の基部22と同じである。
開封にあたり、引裂き誘導片21で基部29を引き裂くと(図9想像線参照)、引裂き誘導片21で引き裂かれた後の基部29及びフィルム11Aには、引裂き誘導片21に沿った開口10Sが形成される。
袋体1Eの製造方法は第3実施形態と同じである。
第5実施形態では、第3実施形態の(1)から(7)(9)(10)と第4実施形態の(15)と同じ効果を奏することができる。
【0070】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態を図10に基づいて説明する。図10図6に対応した図である。
第6実施形態は、第2実施形態の基部22に切り込み280を形成した点に特徴がある。つまり、第6実施形態はテープ2Fの構成が第2実施形態のテープ2Bと異なるものであり、他の構成は第2実施形態と同じである。
図10において、第6実施形態の袋体1Fは、袋本体10を構成するフィルム11A,11Bと、テープ2Fと、を備えている。
【0071】
(テープ2Fの構成)
テープ2Fは、基部30と、基部30に接合された引裂き誘導片21と、引裂き誘導片21を挟んで基部30とは反対側に配置されたブロック部25及び凸部26とを有する。
基部30とブロック部25とは引裂き誘導片21を挟み引裂き誘導片21の長手方向に沿って配置されている。
基部30は、引裂き誘導片21で引き裂かれる側に配置されている。
基部30は、空隙部Sに対応する部分に切り込み280が形成されて薄肉部とされており、それ以外の構成は基部22と同じである。開封にあたり、引裂き誘導片21で基部30を引き裂くと(図10想像線参照)、引裂き誘導片21で引き裂かれた後の基部30及びフィルム11Aには、引裂き誘導片21に沿った開口10Sが形成される。
袋体1Fの製造方法は第2実施形態と同じである。
第6実施形態では、第2実施形態の(1)から(7)(9)〜(14)と第4実施形態の(15)と同じ効果を奏することができる。
【0072】
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態を図11及び図12に基づいて説明する。
第7実施形態は、第2実施形態とは易開封構造が相違するものであり、他の構成は第2実施形態と同じである。
全体構成を示す図11において、第7実施形態の袋体1Gは、袋本体10を構成するフィルム11A,11B(図11ではフィルム11Aのみ示す)と、テープ2Aと、を備えている。
【0073】
図11における左右両側の接合部120のうち一方(図11では左側)には、開封用タブ16と、開封用タブ16から袋本体10を引き裂き開封する方向(図11では右側)に隣接した易開封構造としての弱め線37とが設けられている。
弱め線37の具体的な構成が図12に示されている。
図12において、弱め線37は、フィルム11Bの平面視において、引裂き誘導片21を横切るように形成されている。弱め線37は、図12では、切込部分16Aから離れて配置されているが、切込部分16Aと連続して配置されたものでもよい。
切込部分16Aは、フィルム11A、基部22、突出部23、引裂き誘導片21、ブロック部25、凸部26及びフィルム11Bに貫通して形成されている。弱め線37は、引裂き誘導片21で引き裂かれる側ではない部材、つまり、ブロック部25及びフィルム11Bに形成されている。
また、本実施形態では、弱め線37に代えて円形の穴明部分を用いてもよい。穴明部分は、切込部分16Aを連続して形成されるものであり、その形状は円形に限定されるものではなく、楕円形、矩形、三角形、その他の形状であってもよい。
袋体1Gの製造方法は第1実施形態と同じである。
第7実施形態では、第2実施形態の(1)から(7)(9)から(14)と同じ効果を奏することができる。
【0074】
[第8実施形態]
本発明の第8実施形態を図13に基づいて説明する。
第8実施形態は袋本体31の構成とテープ2Aの開封構造が第1実施形態と異なるもので、他の構成は第1実施形態と同じである。
図13において、袋体1Hは、袋本体31とテープ2Aとを備える。
袋本体31は、対向する一対の平面部31Aと、平面部31Aの両側縁において平面部31Aに介在する一対の側面部31Bと、トップシール部13とは反対側に位置する底面部31Cとを備え、側面部31B及び底面部31Cがそれぞれ折り線により内方に織り込まれるガゼットタイプである。
【0075】
一対の平面部31Aはフィルム11A,11B(図13ではフィルム11Aのみ示す)から形成され、側面部31B及び底面部31Cは、それぞれフィルム11A,11Bと同じ材質のフィルム11から形成されている。これらのフィルム11,11A,11Bは、その周辺部がそれぞれシールされている。
テープ2Aは、その両側端部が位置するサイドシール部12において、一対の平面部31Aのうち一方の内面と内方に織り込まれた側面部31Bの内面とにそれぞれ接合されている。テープ2Aは、サイドシール部12の間の中央部分が平面部31Aの内面に接合されている。
平面部31Aの接合部120において、引裂き誘導片21を挟むように開封構造としての切込部115がそれぞれ2本ずつ形成されている。
開封するときは、これらの切込部115によって把持可能となった引裂き誘導片21の端部と、引裂き誘導片21に重なっているフィルム11A(11B)とを同時に把持し、そのまま引裂き誘導片21が袋体1Hから離れる方向に引くことで、袋体1Hのフィルム11Aが切断され、開封する。
【0076】
第8実施形態では、第1実施形態の(1)から(3)(5)から(8)と同様の効果を奏することができる他、次の効果を奏することができる。
(16)袋本体31は、平面部31A、側面部31B及び底面部31Cを備えたガゼットタイプであるため、内側に織り込まれた側面部31B及び底面部をそれぞれ広げることで、大きな収納部100を形成し、大量の内容物を袋体に収納することができる。
(17)接合部120において、引裂き誘導片21を挟むように開封構造として切込部115を形成したから、開封構造自体を簡易な構成にすることができる。
【0077】
なお、本発明は前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、基部22,28,29,30やブロック部25は、1つの部材から構成されているが、本発明では、基部22,28,29,30やブロック部25をテープ2A,2B,2C,2D,2E,2Fの幅方向に沿って分割するものでもよい。
さらに、本発明では、袋本体10の内面に、ジッパーテープを設ける構成としてもよい。ジッパーテープは、例えば、袋本体10の一方の内面に接合される雄側帯状基部と雄側帯状基部に連続する雄部とを有する雄部材と、袋本体10の他方の内面に接合される雌側帯状基部と雌側帯状基部に連続し雄部に係合可能な雌部とを有する雌部材とを備えた構成としてもよい。
また、第3実施形態において、凸部271を基部22に一体に形成するものではなく、別体に形成するものでもよい。この場合、凸部271と基部22とを接着剤等により固定するものとしてもよい。
さらに、第8実施形態において、袋本体をガゼットタイプとしたが、本発明では、第1実施形態から第7実施形態における袋本体をガゼットタイプとしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10,31…袋本体、100…収納部、10A…内容物収納口、10S…開口、11,11A,11B…フィルム、12…サイドシール部、120…接合部、13…トップシール部、15…持ち手(把持部)、16…開封用タブ、16A…切込部分、17,37…弱め線、1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H…袋体、21…誘導片、22,28,29,30…基部、23…突出部、25…ブロック部、26,271…凸部、2A,2B,2C,2D,2E,2F…テープ、O…内容物
【要約】
【課題】開封が容易であり、開封後の内容物の取出しを容易になし得るテープを提供すること。
【解決手段】袋体1Aの内面のうち1の内面を構成するフィルム11Aに接合される長尺状の基部22と、基部22の長手方向に沿って基部22に接合され基部22及びフィルム11Aを引裂き得る引裂き誘導片21と、基部22の引裂き誘導片21と接合していない部分で引裂き誘導片21が接合する面から突出する突出部23を備えた。基部22及びフィルム11Aが引裂き誘導片21に引き裂かれた後には、引裂き誘導片21に沿った開口が基部22及びフィルム11Aに形成されることになり、内容物を容易に開口から取り出せることが期待できる。突出部23が引裂き誘導片21に沿って基部22に設けられているので、フィルム11Aが引き裂かれる方向を特定の方向に修正することが可能となり、複数の袋体間で開口の大きさにバラつきが生じることの防止が期待できる。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13