特許第6113350号(P6113350)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6113350
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】マーキングガラスへのマーキング方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 23/00 20060101AFI20170403BHJP
   C03C 17/32 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   C03C23/00 D
   C03C17/32 B
【請求項の数】1
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-212441(P2016-212441)
(22)【出願日】2016年10月31日
【審査請求日】2016年10月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】392003731
【氏名又は名称】有限会社品川通信計装サービス
(74)【代理人】
【識別番号】110001922
【氏名又は名称】特許業務法人 日峯国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松崎 辰夫
【審査官】 宮崎 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 欧州特許出願公開第2226671(EP,A1)
【文献】 特開2010−095396(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−0665039(KR,B1)
【文献】 特開2011−126142(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0074865(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0314625(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C15/00−23/00
B23K26/00−26/70
B41M5/035,5/26,
5/36−5/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体が、レーザー光の光源、装置本体の上部階層が、箱体内に固定されたレーザー光照射手段を内蔵し、下部階層が、上方に開放された空間部を備え、その空間部に、マーキングスライドガラスを載置するスライドガラス印字ステージ手段を有するスライドガラスマーキング装置を収納したマーキング装置が用いられ
マーキングスライドガラスが、矩形状のガラスの面上に任意形状の識別コード、模様あるいは文字を書き込む印字面と印字面以外の透明面とを有して形成され
印字面に、レーザー光照射手段からのレーザー光を走査照射してマーキングガラスの印字面にマーキングするマーキングガラスへのマーキング方法であって、
含有量(重量%)で、三酸化ビスマス98〜99%、三酸化ネオジム0.3〜1.0%からなる酸化金属顔料粒子と、基礎ポリマーとしての樹脂とを有してなり、酸化金属顔料粒子の当該塗料に占める添加量が、含有量で、30%以上(30%含まず)、40%以内の塗料をマーキングガラス上に、8〜20μm塗布して印字面を形成し、
マーキングガラスの印字面をレーザー光照射手段からのレーザー光が直角に受光するように配置し、
マーキングガラス上に塗布した印字面にレーザー光照射を行って、酸化金属顔料粒子を黒化させ、マーキングガラス上で酸化金属顔料粒子周辺の樹脂が炭化変色するほどに酸化金属顔料粒子を十分に発熱させて、前記印字面に、酸化金属顔料粒子の黒色化した任意形状の識別コード、模様あるいは文字と、当該任意形状の識別コード、模様あるいは文字の周囲で前記樹脂を炭化変色させたことからなるマーキングを形成すること
を特徴とするマーキングガラスにマーキングするマーキングガラスへのマーキング方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーキングガラスへのマーキング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
病理検査にスライドガラスマーキング装置及び包埋カセットマーキング装置が用いられる。マーキングスライドガラス及びマーキング包埋カセットに直接印字することで、検体の取り違え防止が図られ、また病理検査のリスクマネジメントの強化が図られてきた。
【0003】
スライドガラスマーキング装置にあっては、表面にサーマルヘッドを当接する熱転写方式の採用によってマーキングスライドガラスのフロスト部に無機粒子を転写することで任意形状の識別コード、模様あるいは文字をマーキングする。
【0004】
包埋カセットマーキング装置にあっては、マーキング包埋カセットの印字面にレーザー光線を照射し、レーザー光線の影響下に樹脂を炭化させ、色を変化させることで、印字面に識別コード、模様あるいは文字をマーキングする。
【0005】
特許文献1には、アンチモンと錫の混合物を共沈で生じた後に焼成させて生じた粉末を添加剤として用い、包埋カセットを構成する樹脂にレーザー光線を照射し、レーザー光線を照射し、エネルギーを吸収させて熱を発生させ、取り巻いている材料に炭化を生じさせることで、取り巻き残りの領域と対照的な黒色あるいは暗色のマーキングを生じさせることが記載されている。
【0006】
特許文献2には、制御用コンピュータに表示データを取り込み、制御用コンピュータからレーザー走査ユニットに制御信号を出力して、熱可塑性樹脂の成形品であるターゲットに表示を刻印することが記載されている。
【0007】
特許文献3には、プラスチックスやゴムの成形固体表面に、樹脂に混在させた無機粒子を表面に塗布し、該表面に高エネルギーパルスレーザーの照射を行うマーキング方法が記載されている。
【0008】
特許文献4には、基礎ポリマー及びレーザー照射時に色彩の変化を示す輻射線感受性添加剤からなるレーザー感受性被膜が形成されることが記載されている。
【0009】
特許文献5には、三酸化ビスマス198.6gと三酸化ネオジム0.7gを、直径15mmのアルミナボール2kgの入った内容積2リットルの転動ボールミルに入れ、12時間粉砕混合を行い、るつぼに詰め、電気炉に入れて800℃で3時間焼成し、得られた焼成物を転動ボールミルで平均粒子形が2〜3μmになるまで湿式粉砕し、乾燥して淡黄色のレーザーマーキング用添加物を得たことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特許第4493071号公報
【特許文献2】特開2005−177858号公報
【特許文献3】特開平8−174263号公報
【特許文献4】特開2000−44293号公報
【特許文献5】特許第5227733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来、上述したようにスライドガラスマーキング装置及び包埋カセットマーキング装置は、レーザーカセットプリンターとして別個の装置として製造され、販売されてきた。スライドガラスマーキング装置には、熱転写方式が採用され、熱転写に適した無機粒子がサーマルヘッドによって暖められ、フロスト部に転写されることで印字される方式が採用されてきた。
【0012】
包埋カセットマーキング装置では、マーキング包埋カセットを構成する樹脂にレーザー光線で当て、樹脂を炭化して色を変化させることで印字する方式が用いられてきた。
【0013】
このように双方のマーキング方法には大きな違いあり、スライドガラスマーキング装置及び包埋カセットマーキング装置は、別個独立の装置として製造されてきた。
【0014】
マーキング包埋カセットを構成する樹脂には十分な熱抵抗があるので、レーザー光を照射したときに樹脂は十分に熱せされ、炭化して変色する。一方、マーキングスライドガラスに、マーキング包埋カセット印字方法を応用することを想定すると、その性質上マーキングスライドガラス上に塗布される樹脂は、極めて薄いされるために照射されたレーザー光のエネルギーはガラス材に逃げ、樹脂は炭化されるまで熱せられない。このため、マーキング包埋カセット印字方法をマーキングスライドガラス印字方法に応用することができなかった。
【0015】
樹脂に顔料粒子を混在させ、顔料粒子がレーザー光を吸収し、顔料周辺の樹脂が炭化すると同時に顔料自体が黒色に発色するレーザーマーキング用顔料が販売されるようになった。
【0016】
本願発明者らは、このマーキング用顔料をマーキングスライドガラス印字方法に応用することで、包埋カセットマーキング方法及びスライドガラスマーキング方法の双方に統一された同質のレーザー光線を採用することのできる技術の開発に努めた。その結果、炭化用樹脂の基礎ポリマーに添加するレーザーマーキング用顔料の添加量を工夫することで、スライドガラスマーキング装置及び包埋カセットマーキング装置の双方に、統一したレーザー光線を当て吸収させることで、マーキングスライドガラス及びマーキング包埋カセットの双方に印字できることを見出した。
【0017】
本発明は、添加剤による黒度を向上させるだけでなく、塗料を一部として形成する樹脂に加えられる加熱を利用して変色させることで双方の機能を統合させ、マーキングによる黒度をより一層向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、装置本体が、レーザー光の光源、装置本体の上部階層が、箱体内に固定されたレーザー光照射手段を内蔵し、下部階層が、上方に開放された空間部を備え、その空間部に、マーキングスライドガラスを載置するスライドガラス印字ステージ手段を有するスライドガラスマーキング装置を収納したマーキング装置が用いられ
マーキングスライドガラスが、矩形状のガラスの面上に任意形状の識別コード、模様あるいは文字を書き込む印字面と印字面以外の透明面とを有して形成され
印字面に、レーザー光照射手段からのレーザー光を走査照射してマーキングガラスの印字面にマーキングするマーキングガラスへのマーキング方法であって、
含有量(重量%)で、三酸化ビスマス98〜99%、三酸化ネオジム0.3〜1.0%からなる酸化金属顔料粒子と、基礎ポリマーとしての樹脂とを有してなり、酸化金属顔料粒子の当該塗料に占める添加量が、含有量で、30%以上(30%含まず)、40%以内の塗料をマーキングガラス上に、8〜20μm塗布して印字面を形成し、
マーキングガラスの印字面をレーザー光照射手段からのレーザー光が直角に受光するように配置し、
マーキングガラス上に塗布した印字面にレーザー光照射を行って、酸化金属顔料粒子を黒化させ、マーキングガラス上で酸化金属顔料粒子周辺の樹脂が炭化変色するほどに酸化金属顔料粒子を十分に発熱させて、前記印字面に、酸化金属顔料粒子の黒色化した任意形状の識別コード、模様あるいは文字と、当該任意形状の識別コード、模様あるいは文字の周囲で前記樹脂を炭化変色させたことからなるマーキングを形成すること
を特徴とするマーキングガラスにマーキングするマーキングガラスへのマーキング方法を提供する。
【0019】
本発明は、上述されたスライドガラスマーキング装置に使用されるマーキングスライドガラスにおいて、酸化金属顔料粒子の添加量が、含有量で、25〜35%とされたことを特徴とするスライドガラスマーキング装置に使用されるマーキングスライドガラスを提供する。
【0020】
本発明は、上述されたスライドガラスマーキング装置に使用されるマーキングスライドガラスにおいて、1wのレーザー光が照射されたときに、該マーキングスライドガラス上で、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色し、酸化金属顔料粒子が黒化することを特徴とするスライドガラスマーキング装置に使用されるマーキングスライドガラスを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、矩形状のガラスの面上で、当該塗料が塗付されることで形成された印字面に、酸化金属顔料粒子の黒色化した任意形状の識別コード、模様あるいは文字と、当該任意形状の識別コード、模様あるいは文字の周囲で前記樹脂が炭化変色したことからなるマーキングを有するマーキングスライドガラスが提供される。
また、本発明によれば、マーキングガラス上に塗布した印字面にレーザー光照射を行って、酸化金属顔料粒子を黒化させると共に、マーキングガラス上で酸化金属顔料粒子周辺の樹脂が炭化変色するほどに酸化金属顔料粒子を十分に発熱させ、前記印字面に、酸化金属顔料粒子の黒色化した任意形状の識別コード、模様あるいは文字と、当該任意形状の識別コード、模様あるいは文字の周囲で前記樹脂の炭化変色した部分とからなるマーキングを形成するマーキングガラスへのマーキング方法が提供される。これによって、添加剤による黒度を向上させるだけでなく、塗料を一部として形成する樹脂に炭化変色させることで双方の機能を統合させ、マーキングによる黒度をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例に採用されるマーキングガラス及び包埋カセットにマーキングするマーキング装置100の構成を示す図。
図2】スライドガラスの構成及び包埋カセットの構成を示す図。
図3】スライドガラスの印字面及び包埋カセットの印字面の面一状態を示す図。
図4】スライドガラスマーキング装置2の機器構成を示す図。
図5】包埋カセットマーキング装置3の機器構成を示す図。
図6】スライドガラスの切出し動作を説明する図。
図7】スライドガラスの印字ステージへの滑り動作を説明する図。
図8】スライドガラスの印字・排出動作を説明する図。
図9】包埋カセットの切出し動作を説明する図。
図10】包埋カセットの印字ステージへの滑り動作を説明する図。
図11】包埋カセットの印字・排出動作を説明する図。
図12】本発明の実施例であるスライドガラスマーキング装置に採用可能なマーキングスライドガラスの構造を示す図。
図13】酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色するかどうかを調べた結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1図11は、本発明の実施例であるマーキングスライドガラス101(以下、マーキングガラス101という)が採用されるスライドガラスマーキング装置及び包埋カセットマーキング装置併用のマーキング装置100の構成を示す図である。
【0025】
図12は、本発明の実施例であるマーキングガラス101の構成を示す平面図である。
【0026】
図13は、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色するかどうかを調べた結果を示す図である。
【0027】
図12において、マーキングガラス101は、任意形状の識別コード、模様あるいは文字(標本名)を書き込むフロスト部102とフロスト部102を載置する透明部103とからなる。また、マーキングガラス1には、例えばシラン化剤処理を施したシランコーテイングスライドガラスが用いられる。
【0028】
顔料粒子がレーザー光を吸収し、顔料周辺の樹脂が炭化すると同時に顔料自体が黒色に発色するレーザーマーキング用顔料を応用採用し、統一された同質のレーザー光線を照射することで、スライドガラスマーキング装置と包埋カセットマーキング装置とを、双方の機能を持つ1台のレーザー光プリンターとして統合されたときに、あるいはスライドガラスマーキング装置単独で使用されたときに、レーザー光線を照射することで、マーキングが可能なマーキングスライドガラスを提供する
また、本実施例の1例であるマーキングガラス101は、装置本体が、レーザー光の光源、レーザー発振手段及び制御手段を含むレーザー光照射手段を備え、上部階層が、箱体内に固定されたレーザー光照射手段を内蔵し、下部階層が、上方に開放された空間部を備え、その空間部にスライドガラスマーキング装置及び包埋カセットマーキング装置を個別に収納可能で、マーキング時いずれかを収納するマーキング装置の専用スライドガラスとして使用される。
【0029】
マーキング装置については、その詳細を後述するが、基本的に、装置本体が、レーザー光の光源、装置本体の上部階層が、箱体内に固定されたレーザー光照射手段を内蔵し、下部階層が、上方に開放された空間部を備え、その空間部にスライドガラスマーキング装置及び包埋カセットマーキング装置を個別に収納可能で、マーキング時いずれかを収納し、
収納状態で、
スライドガラスマーキング装置が、マーキングスライドガラスを載置するスライドガラス印字ステージ手段を有し、マーキングスライドガラスが平面状の印字面を有し、印字面がレーザー光照射手段からのレーザー光を直角に受光するように配置され、
包埋カセットマーキング装置が、マーキング包埋カセットが平面に対して傾斜方向、もしくは傾斜方向及び直角方向に角度を持った印字面を有し、印字面がレーザー光照射手段からのレーザー光を直角に受光するように配置され、双方の印字面に、同質のレーザー光照射手段からのレーザー光が走査照射されマーキングがなされるようにした構成とされる。
【0030】
本実施例のマーキングガラス1は、塗料が、含有量で、三酸化ビスマス98〜99%、三酸化ネオジム0.3〜1.0%からなる酸化金属顔料粒子と、基礎ポリマーとしての樹脂とからなり、酸化金属顔料粒子の塗料に占める添加量が、含有量で、20〜40%混合されたことを特徴としてスライドガラスマーキング装置及び包埋カセットマーキング装置併用のマーキング装置のスライドガラスマーキング装置に使用される。
【0031】
また、酸化金属顔料粒子の添加量が、含有量で、25〜35%混合されたことを特徴としてスライドガラスマーキング装置に使用される。
【0032】
1wのレーザー光が照射されたときに、該マーキングスライドガラス上で、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色し、酸化金属顔料粒子が黒化することを特徴としたマーキングスライドガラスが構成される。
【0033】
本実施例のマーキングガラス101mの透明部103上に形成されるフロスト部102は、例えば8〜20μm、望ましくは8〜14μmにされ、通常10μmとされる。
【0034】
基礎ポリマーは、ポリエステル、エポキシ、ポリエステル及びウレタンアクリレートが採用可能であり、好ましくはポリウレタンアクリレートからなる群から選択される。その他の樹脂であってもよい。
【0035】
基礎ポリマーには、着色用顔料、光線安定剤、熱安定剤又は加工補助材が混合されてよい。
【0036】
図1図11によって、マーキングガラス及びマーキング包埋カセット(以下、包埋カセットという)にマーキングするマーキング装置100について説明する。
【0037】
図1は、本発明の実施例であるマーキングガラス及び包埋カセットにマーキングするマーキング装置100の構成を示す図である。このマーキング装置100は、制御用コンピュータに表示データを取り込み、制御用コンピュータからレーザー走査ユニットに制御信号を出力して、スライドガラス及び熱可塑性樹脂の成形品であるターゲットに表示を刻印することができる。以下、説明する。
【0038】
図1において、マーキングガラス及び包埋カセットにマーキングするマーキング装置100(マーキング装置100という)は、装置本体1、スライドガラスマーキング装置2及び包埋カセットマーキング装置3から構成される。マーキング装置100は、レーザー光の光源及びレーザー光照射手段を備えて、レーザー光照射手段からのレーザー光でマーキングガラス及び包埋カセットにマーキングする装置である。
【0039】
装置本体1は、2段の箱体形態の上下階層1A,1Bからなり、レーザー光の光源、レーザー発振手段及び制御手段を含むレーザー光照射手段2を備える。上部階層1Aが、箱体内に固定されたレーザー光照射手段2を内蔵し、下部階層1Bが、上方に開放された空間部3及び底部4を備える。
【0040】
装置本体1は、その空間部3にスライドガラスマーキング装置2及び包埋カセットマーキング装置3を個別に収納可能で、マーキング時、それらのいずれかの装置を収納可能である。各装置のサイズを例示すれば、図に示したような数値となる。
【0041】
装置本体1が、スライドガラスマーキング装置2を収納したときに、マーキング装置100は、スライドガラスレーザーマーカー101となり、包埋カセットマーキング装置3を収納したときに、マーキング装置100は、包埋カセットレーザーマーカー102となる。
【0042】
スライドガラスマーキング装置2は、スライドガラスを収納する100枚収納ケース及び印字後にストックするスライドガラスストッカーを備える。
【0043】
包埋カセットマーキング装置3は、包埋カセットを収納する収納ケース及び印字後にストックする包埋カセット整列ユニットを備える。
【0044】
図2は、スライドガラスを収納する100枚収納ケースに収納されるスライドガラス20及び包埋カセット整列ユニットに収納される包埋カセット30を示す。スライドガラス20は、その水平上面の一部に印字用の塗装面20Aを有する。
【0045】
包埋カセット30には、2つのタイプがある。その一つは、45度タイプと呼ばれるもので、印字面30Aが包埋カセット本体に対して45度方向とされた印字面30Aを有し、他の一つは、スクエアタイプと呼ばれるもので、包埋カセット本体に対して直角をなす印字面30Bを有する。45°タイプのもので、印字面30Aに加えて、側面の直角面30Cにも印字する場合がある。マーキング包埋カセットが傾斜方向、もしくは傾斜方向及び水平方向から直角に角度を持った印字面を有する。
【0046】
図3は、スライドガラスの印字面及び包埋カセットの印字面の面一状態を示す図である。
【0047】
装置本体2が、その空間部3にスライドガラスマーキング装置2及び包埋カセットマーキング装置3を個別に収納したときに、いずれの印字面についても印字高さが基準面から一致されることを示す。基準面しては、底面がその一つに挙げられる。
【0048】
図4は、スライドガラスマーキング装置2の機器構成を示す図である。
【0049】
図4において、スライドガラスマーキング装置2は、スライドガラスを収納する100枚収納ケースA(17)、スライドガラスを収納する100枚収納ケースB(18)を収納可能とされ、スライドガラスマーキング装置本体21、印字ステージ22、マーキングスライドガラス用スロープ部を形成する切り出しスロープ23、スライドガラス印字ステージ手段から排出する排出手段を形成する排出スロープ24、及び二つのモーターA,B(25,26)から構成され、スライドガラスマーキング装置本体21は、上方端部にスライドガラス20の配置方向に向いた切出しツメA,B(27,28)を持つ。モーターA(25)は、切出しスロープ23を傾動動作させることができ、モーターB(26)は、印字ステージ22を回転動作させることができる。
【0050】
このように、スライドガラスマーキング装置は、多数のマーキングスライドガラスを収納するスライドガラス収納手段、マーキングスライドガラスを一枚ごろに切り出す切り出し手段、マーキングスライドガラスを載置するスライドガラス印字ステージ手段、及び傾斜されたマーキングスライドガラス用スロープ部を有してマーキングスライドガラスをスライドガラス印字ステージ手段に滑らせ、セットするスライドガラスセット手段、及び他のマーキングスライドガラス用スロープ部を有して印字されたスライドガラスをスライドガラス印字ステージ手段から排出する排出手段を有し、マーキングスライドガラスが水平方向に形成された印字面を有し、スライドガラス印字ステージ手段が、少なくともスライドガラス用スロープ部の傾斜角度から水平角度の範囲で回転可能とされて形成され、装置本体の空間部に収納可能とされ、スライドガラス印字ステージ手段に載置されたスライドガラスに形成された印字面が基準面から同一高さでレーザー光照射手段からのレーザー光を直角に受光するように配置される。スライドガラス印字ステージ手段が、マーキングスライドガラスを上述した回転方向に対して直角方向にも回転させるようにすることができる。これによって、図2における印刷面30cにおけるマーキングが可能とされる。
【0051】
また、スライドガラスマーキング装置2は、収納状態で、マーキングスライドガラスを載置するスライドガラス印字ステージ手段を有し、マーキングスライドガラスが水平方向に形成された印字面を有し、スライドガラス印字ステージ手段が水平角度まで回転可能とされ、装置本体の空間部に収納可能とされ、スライドガラス印字ステージ手段に載置されたスライドガラスに形成された印字面がレーザー光照射手段からのレーザー光を直角に受光するように配置される。
【0052】
図5は、包埋カセットマーキング装置3の機器構成を示す図である。
【0053】
図5において、包埋カセットマーキング装置3は、包埋カセットを収納する包埋カセット収納ケース19が収納可能とされ、包埋カセットマーキング装置本体31、印字ステージ32、包埋カセット用スロープ部を形成する切り出しスロープ33、包埋カセット印字ステージ手段から排出する排出手段を形成するプシュソレノイド34A及び排出穴34B、及び二つモーターA,B(35、36)から構成される。
【0054】
スライドガラスマーキング装置本体31は、上方端部に包埋カセット30の配置方向に向いた切出しツメ37を持つ。印字ステージ32は、外端にストッパー38を備える。モーターA(35)は、切出しスロープ33を動作させることができ、モーターB(36)は、印字ステージ32を回転動作させることができる。
【0055】
包埋カセットマーキング装置3は、多数のマーキング包埋カセットを収納するマーキング包埋カセット収納手段、マーキング包埋カセットを一枚ごとに切り出す切り出し手段、マーキング包埋カセットを載置するカセット印字ステージ手段、及び傾斜されたマーキング包埋カセット用スロープ部を有してマーキング包埋カセットをマーキング包埋カセット印字ステージ部に滑らせ、セットするマーキング包埋カセット手段、及び他のマーキング包埋カセット用スロープ部を有して印字されたマーキング包埋カセットをマーキング包埋カセット手段から排出する排出手段を有し、マーキング包埋カセットが傾斜方向、もしくは傾斜方向および水平方向に角度を持った印字面を有し、マーキング包埋カセット印字ステージ手段がカセット用切り出しスロープ部の傾斜角度から水平角度、更にマーキング包埋カセットのマーキング面形成角度の範囲で回転可能とされて形成されて、レーザー本体の空間部に収納可能とされ、マーキング包埋カセットス印字ステージ部に載置されたマーキング包埋カセットに形成された印字面がレーザー光発振手段からのレーザー光を直角に受光するように配置される。
【0056】
このように、包埋カセットマーキング装置3は、収納状態で、マーキング包埋カセットを載置するカセット印字ステージ手段を有し、マーキング包埋カセットが傾斜方向、もしくは傾斜方向および水平方向から直角方向に角度を持った印字面を有し、マーキング包埋カセット印字ステージ手段が水平角度、更にマーキング包埋カセットのマーキング面形成角度まで回転可能とされて形成されて、装置本体の空間部に収納可能とされ、マーキング包埋カセットス印字ステージ部に載置されたマーキング包埋カセットに形成された印字面がレーザー光照射手段からのレーザー光を受光するように配置される。
【0057】
同質の低エネルギー、例えば1Wのレーザー光線で色を変化させる方法を採用し、スライドガラスマーキング装置と包埋カセットマーキング装置とを、レーザーカセットプリンターとして一体の装置として機能させる。
【0058】
図6図8は、スライドガラスマーキング装置2の動作を説明する図である。
【0059】
図6は、スライドガラスの切出し動作を説明する図である。
【0060】
図6において、 ・スライドガラス20が一枚だけ引っ掛かる高さの切出しツメA,B(25,26)で、一番下のスライドガラス一枚のみを切り出す。
【0061】
・切出しツメA(28)は、モーターA(25)によりラックピニオンで動かす。切出しツメB(26)についても同様に動かす。
・スライドガラス100枚収納ケースA(17)及びスライドガラス100枚収納ケースB(18)は、左右対称の構成、配置とされる。
スライドガラス20は、2カ所(スライドガラス100枚収納ケースA、Bの位置)にセットし、中央の切出しスロープへ切り出す。これによって、スライドガラス100枚収納ケースA(17)及びスライドガラス100枚収納ケースB(18)からの切り出し29がなされる。なお、スライドガラス100枚収納ケースは、一方のみの設置であってもよい。
【0062】
図7は、スライドガラスの印字ステージへの滑り動作を説明する図である。なお、モーターB(36)の位置を作図の都合で変更してある。
【0063】
図5において、(1)上述したように切り出されたスライドガラス20が、切出しスロープ23上で重力により傾き、滑り出す。
【0064】
(2)滑りによりスライドガラス20は、印字ステージ22の所定の位置にセットされる。
【0065】
図8は、スライドガラスの印字・排出動作を説明する図である。
【0066】
図8において、・(1)ガラス受け位置でスライドガラスを受け、印字ステージ22へスライドガラス20がセットされた後、モーターB(26)で印字ステージ22を水平に傾けて、(2)印字位置に固定し、スライドガラスの所定の印字箇所へレーザー光を照射して印字29を行う。
【0067】
印字後、さらにモーターB(26)で印字ステージ22を回転、傾け、(2)排出位置で、排出スロープ24からスライドガラス20の排出を行う。
【0068】
図9図11は、包埋カセットマーキング装置2の動作を説明する図である。
【0069】
図9は、包埋カセットの切出し動作を説明する図である。
【0070】
図9おいて、 ・包埋カセット30が一枚だけ引っ掛かる高さの切出しツメA、B(37、38)で、一番下の包埋カセット一枚のみを切り出す。
【0071】
・切出しツメB(38)は、モーターA(35)によりラックピニオンで動かす。切出しツメA(37)についても同様に動かす。
・包埋カセット収納ケースA(19A)及びスライドガラス100枚収納ケースB(19B)は、左右対称の構成、配置とされる。
包埋カセット30は、2カ所(包埋カセット収納ケースA、Bの位置)にセットし、中央の切出しスロープ33へ切り出す。これによって、包埋カセット収納ケースA(19A)及び包埋カセット収納ケースB(19B)からの切り出し39がなされる。なお、包埋カセット収納ケースは、一方のみの設置であってもよい。ここで、切り出しとは、一つ一つが分離可能包埋カセットで形成された、一体に集合された包埋カセット集合体から包埋カセットを一つずつ強制的に分離させることをいう。
【0072】
図9は、包埋カセット30の印字ステージ32への滑り動作を説明する図である。
【0073】
図9において、 ・切り出された包埋カセット30が重力により傾き、切出しスロープ33の上を滑り、印字ステージ32に載る。
【0074】
・包埋カセット30が印字ステージ32に乗った後、モーターB(36)を駆動させ、印字ステージ32を回動させ、傾ける。これによって、包埋カセット30の位置合わせを行う。位置合わせは、包埋カセット30の印字面39が水平になるようになされる。包埋カセット30の印字面39が包埋カセットの傾斜面に設けられている場合には、その傾斜面が水平な位置になる位置に、そして包埋カセット30の印字面39が包埋カセットの直角面に設けられている場合には、その直角面が水平な位置になる位置に合わせられる。
【0075】
図11は、包埋カセット30上への印字・排出動作を説明する図である。
【0076】
図11において、 ・包埋カセット30の印字面角度の違いにより、モーターB(36)の傾け度合いを調整し、印字を行う。包埋カセット30には、傾斜面が45度タイプのものと、直角のもののスクエアタイプの2種類がある。いずれのタイプにあっても、図に示されるように、印字面40が水平面となうように調整し、また印字高さが基準面から同一になるように設定して、印字する。基準面から印字高さが同一とは、典型的には、底部92(図1)からの高さであり、これはレーザー照射装置の照射口からの距離が同一であることを示す。基準面から印字高さが同一とすることで、レーザー光線の焦点合わせがなされて、同質のレーザー光線を印字面に照射することができる。
【0077】
・印字ステージ32が90度傾いた状態でプッシュソレノイド34Aを駆動させ、ストッパー38を解除し、排出穴34Aから排出する。
【0078】
スライドガラス印字ステージ手段に載置されたスライドガラスに形成された印字面が包埋カセット30の印字面と同一高さでレーザー光照射手段からのレーザー光を直角に受光するように配置される。
【0079】
また、スライドガラスマーキング装置2は、収納状態で、マーキングスライドガラスを載置するスライドガラス印字ステージ手段を有し、マーキングスライドガラスが水平方向に形成された印字面を有し、スライドガラス印字ステージ手段が水平角度まで回転可能とされて形成されて、装置本体の空間部に収納可能とされ、スライドガラス印字ステージ手段に載置されたスライドガラスに形成された印字面がレーザー光照射手段からのレーザー光を受光するように配置される。 包埋カセットマーキング装置が、マーキング包埋カセットを載置するカセット印字ステージ手段を有し、マーキング包埋カセットが傾斜方向、もしくは傾斜方向及び水平方向から直角方向に角度を持った印字面を有し、マーキング包埋カセット印字ステージ手段が水平角度、更にマーキング包埋カセットのマーキング面形成角度まで回転可能とされて形成されて、レーザー本体の空間部に収納可能とされ、マーキング包埋カセット印字ステージ部に載置されたマーキング包埋カセットに形成された印字面がレーザー光照射手段からのレーザー光を直角に受光するように配置される。
【0080】
マーキング装置100が、スライドガラスマーキング装置2及びスライドガラスマーキング装置3のいずれかの収納状態で、
スライドガラスマーキング装置が、マーキングスライドガラスを載置するスライドガラス印字ステージ手段を有し、マーキングスライドガラスが水平方向に形成された印字面を有し、スライドガラス印字ステージ手段が、回転可能で、印字面が水平角度で設置され、スライドガラス印字ステージ手段に載置されたスライドガラスに形成された印字面がレーザー光照射手段からのレーザー光を直角に受光するように配置されること、
包埋カセットマーキング装置が、マーキング包埋カセットを載置するカセット印字ステージ手段を有し、マーキング包埋カセットが傾斜方向、もしくは傾斜方向及び水平方向から直角方向に、もしくは双方向の角度をそれぞれ持った印字面を有し、マーキング包埋カセット印字ステージ手段が、回転可能で、印字面が水平角度で設置され、マーキング包埋カセットス印字ステージ部に載置されたマーキング包埋カセットに形成された印字面がレーザー光照射手段からのレーザー光を直角に受光するように配置されること、
マーキングスライドガラスの印字面及び包埋カセット印地面が底部から同一の高さに設定され、双方の印字面に、レーザー光照射手段からのレーザー光が走査照射されマーキングが印字されることの特徴を持った構成とされる。
【0081】
本例で採用可能なスライドガラスに言及すれば、次のようであることを記述した。
【0082】
含有量(重量%)で、三酸化ビスマス98〜99%、三酸化ネオジム0.3〜1.0%からなる酸化金属顔料粒子と、基礎ポリマーとしてのウレタンアクリレート樹脂とからなるウレタン塗料が、含有量で、酸化金属顔料粒子の添加量を、20%以上、望ましくは25〜35%として塗布され、1wのレーザー光が照射されたときに、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色することを特徴とするスライドガラスマーキング装置に使用されるマーキングスライドガラス。
【0083】
図13は、含有量で、三酸化ビスマス98〜99%、三酸化ネオジム0.3〜1.0%からなる酸化金属顔料粒子と、基礎ポリマーとしてのウレタンアクリレート樹脂とからなるウレタン塗料について、1wのレーザー光が照射されたときに、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色するかどうかを調べた結果を示す図である。
【0084】
図13(a)は、含有量で、酸化金属顔料粒子の添加量を、20%で、基礎ポリマーとしてのウレタンアクリレート樹脂に色彩を施さずに単色とした場合の結果を示し、図13(b)は、含有量で、酸化金属顔料粒子の添加量を、20%で、基礎ポリマーとしてのウレタンアクリレート樹脂に着色顔料を加えてシエルピンクの色彩を施した場合の結果を示す。図13(c)は、含有量で、酸化金属顔料粒子の添加量を、30%で、基礎ポリマーとしてのウレタンアクリレート樹脂に色彩を施さずに単色とした場合の結果を示す。
【0085】
これらの結果によれば、含有量で、酸化金属顔料粒子の添加量20%で、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色し、データが印字されることが分かった。ただ、この例の場合、炭化変色がやや少ないことが読み取られ、酸化金属顔料粒子の添加量25%以上にすることで、図13(c)の結果と併せると、十分に読み取れるデータが印字されることが推測できた。
【0086】
図13(c)の結果によれば、含有量で、酸化金属顔料粒子の添加量30%で、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色すると同時にマーキング顔料自体が黒色に発色し、データが読み取り可能に十分に印字されることが分かった。樹脂の種類やガラス基材の形状にかかわらず、添加剤の添加で黒度が高く、精細鮮明な印字が可能である。
【0087】
マーキング包埋カセットを構成する樹脂には十分な熱抵抗があるので、レーザー光を照射したときに樹脂は十分に熱せされ、炭化して変色する。一方、マーキングスライドガラスに、マーキング包埋カセット印字方法を応用すると、その性質上マーキングスライドガラス上に塗布される樹脂は、極めて薄いされるために照射されたレーザー光のエネルギーはガラス材に逃げ、樹脂は炭化されるまで熱せられない。このため、従来、マーキング包埋カセット印字方法をマーキングスライドガラス印字方法に応用することができなかった。
【0088】
本実施例によれば、例えばマーキングガラス101の上に塗料が塗られてフォレスト部102が形成されることでーキングガラス101の上で、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色すると同時にマーキング顔料自体が黒色に発色し、データが読み取り可能に十分に印字されることになり、レーザー光のエネルギーが少なくても上述した2つの作用によって印字が十分になされる。
【0089】
また、図13(c)の結果によれば、本実施例の添加剤によれば、含有量で、酸化金属顔料粒子の添加量30%とすることで、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色し、同時にマーキング顔料自体が黒色に発色し、データが読み取り可能に十分に印字されることが分かった。添加量を、30%以上に増加していくことは、解明度に変化がないもののコストが高くなる。60%以上添加していくと、フロス部102の白色あるいはピンク色が濁った状態を示すので、これ以上の添加は望ましくない。このため、実用性の観点から含有量で、酸化金属顔料粒子の添加量40%以内とすることが望ましく、35%以下にすること、すなわち25〜35%の添加量とすることが推奨される。
【0090】
以上のように、含有量で、三酸化ビスマス98〜99%、三酸化ネオジム0.3〜1.0%からなる酸化金属顔料粒子と、基礎ポリマーとしてのウレタンアクリレート樹脂とからなるウレタン塗料が、含有量で、酸化金属顔料粒子の添加量を、20%以上、40%以内で、望ましくは25〜35%として塗布され、1wのレーザー光が照射されたときに、酸化金属顔料粒子がレーザー光を吸収し発熱し粒子周辺の樹脂がその熱により炭化変色することを特徴とするスライドガラスマーキング装置に使用されるマーキングスライドガラスが提供される。
【0091】
本例の場合、1wのレーザー光が照射された。照射されるレーザー光の強さは、1w以上であってもよい。その強さは、包埋カセットマーキング装置に採用されるレーザー光に好んで用いられる強さに依存して決めればよい。例えば、レーザー光に強さは、5w以内とされ、1〜5wが好んで採用される。
【符号の説明】
【0092】
1…装置本体1、1A,1B…上下部階層、2…スライドガラスマーキング装置、3…包埋カセットマーキング装置、17,18スライドガラスを収納する100枚収納ケースA及びスライドガラスを収納する100枚収納ケースB、19…包埋カセット収納ケース、21…スライドガラスマーキング装置本体、22…印字ステージ、23…切出しスロープ、24…排出スロープ、25,26…モーターA、B、27,28…切出しツメA,B、31…包埋カセットマーキング装置本体、32…印字ステージ、33…切出しスロープ、34…プシュソレノイド34A,34B…排出穴、35,36モーターA,B、37…切出しツメ、90…レーザー光照射手段、91…空間部、92…底部、100…マーキングガラス及び包埋カセットにマーキングするマーキング装置(マーキング装置)、101…スライドガラスレーザーマーカー、102…包埋カセットレーザーマーカー。
【要約】
【課題】顔料粒子がレーザー光を吸収し、顔料周辺の樹脂が炭化すると同時に顔料自体が黒色に発色するレーザーマーキング用顔料を応用採用し、統一された同質のレーザー光線を照射することで、スライドガラスマーキング装置と包埋カセットマーキング装置とを、双方の機能を持つ1台のレーザー光プリンターとして統合する。
【解決手段】スライドガラスマーキング装置及び包埋カセットマーキング装置併用のマーキング装置に使用されるマーキングスライドガラスは、塗料が、含有量で、三酸化ビスマス98〜99%、三酸化ネオジム0.3〜1.0%からなる酸化金属顔料粒子と、基礎ポリマーとしての樹脂とからなり、酸化金属顔料粒子の塗料に占める添加量が、含有量で、20〜40%で構成される。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13