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特許6113365雲台パラメータの調整方法、装置及び雲台機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113365
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】雲台パラメータの調整方法、装置及び雲台機器
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/56 20060101AFI20170403BHJP
   F16M 13/00 20060101ALI20170403BHJP
   F16M 11/12 20060101ALI20170403BHJP
   F16M 11/04 20060101ALI20170403BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   G03B17/56 B
   F16M13/00 D
   F16M11/12 H
   F16M11/12
   F16M11/04 J
   H04N5/225 F
【請求項の数】12
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-531663(P2016-531663)
(86)(22)【出願日】2014年6月30日
(65)【公表番号】特表2017-504818(P2017-504818A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】CN2014081313
(87)【国際公開番号】WO2016000193
(87)【国際公開日】20160107
【審査請求日】2016年5月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ファザン
【審査官】 加藤 信秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−183356(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/085663(WO,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1078958(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/56
F16M 11/04
F16M 11/12
F16M 13/00
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する段階と、
各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定する段階と、
前記モータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するように、前記ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定する段階と、
を含み、
前記雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する段階は、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御する段階と、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給する段階と、
電力供給の過程において前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する段階と、
を含む、雲台パラメータの調整方法。
【請求項2】
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する段階と、
各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定する段階と、
前記モータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するように、前記ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定する段階と、
を含み、
前記雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する段階は、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御する段階と、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給し、電力供給の過程において前記モータが制御している雲台軸の各時点における初期回転角速度データを記録し、電力供給の時間が予め定められた第二時間閾値に達する時に再度モータへの電力供給電流をゼロに制御する処理を、記録の回数が予め定められた回数閾値に至るまで繰り返して実行する段階と、
毎回電力供給する過程で取得した各時点における初期回転角速度データに対して平均値を算出し、平均値を算出した結果を電力供給の過程において各時点における回転角速度データとする段階と、
を含む方法。
【請求項3】
記録された各時点における回転角速度データ及び記録の時間によって、回転角速度の変化速度値を算出する段階と、
予め定められた基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインを取得する段階と、
算出された前記回転角速度の変化速度値、基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインによって、現在前記モータが制御している雲台軸の制御ループの実際の比例ゲインを算出する段階と、
をさらに含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する段階の前に、
セッティング済みの雲台パラメータの調整ボタンがトリガされたかどうかを検知し、トリガされた場合、雲台パラメータの調整イベントの検出とする段階、
をさらに含む請求項に記載の方法。
【請求項5】
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録するための処理モジュールと、
各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定するための算出モジュールと、
前記モータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するように、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定するための設定モジュールと、
を含み、
前記処理モジュールは
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御するための第一制御ユニットと、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給するための第一処理ユニットと、
電力供給の過程において前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録するための第一記録ユニットと、
を含む、雲台パラメータの調整装置。
【請求項6】
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録するための処理モジュールと、
各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定するための算出モジュールと、
前記モータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するように、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定するための設定モジュールと、
を含み、
前記処理モジュールは、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御するための第二制御ユニットと、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給し、電力供給の過程において前記モータが制御している雲台軸の各時点における初期回転角速度データを記録し、電力供給の時間が予め定められた第二時間閾値に達する時に再度モータに対して電力供給電流をゼロに制御する処理を、予め定められた回数の記録を達成するまで繰り返すための第二処理ユニットと、
毎回電力供給の過程において取得した各時点における初期回転角速度データに対して平均値を算出し、平均値を算出した結果を電力供給の過程において各時点における回転角速度データとするための第二記録ユニットと、
を含む装置。
【請求項7】
記録された各時点における回転角速度データ及び記録の時間によって、回転角速度の変化速度値を算出するための変化算出モジュールと、
予め定められた基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインを取得するための取得モジュールと、
算出された前記回転角速度の変化速度値、基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインによって、現在前記モータが制御している雲台軸の制御ループの実際の比例ゲインを算出するためのゲイン算出モジュールと、
を更に含むことを特徴とする請求項5または6に記載の装置。
【請求項8】
セッティング済みの雲台パラメータの調整ボタンがトリガされたかどうかを検知し、トリガされた場合、雲台パラメータの調整イベントの検出とするための検出モジュール
を更に含む請求項に記載の装置。
【請求項9】
各雲台軸を含む雲台機器において、雲台軸の回転を制御するモータ及びコントローラを更に含み、
前記コントローラは、雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録し、各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定し、前記モータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するために、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定するように構成され
前記コントローラは、雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御し、電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給し、電力供給の過程において前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する、雲台機器。
【請求項10】
各雲台軸を含む雲台機器において、雲台軸の回転を制御するモータ及びコントローラを更に含み、
前記コントローラは、雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、前記モータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録し、各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定し、前記モータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するために、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定するように構成され、
前記コントローラは、雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御し、電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給し、電力供給の過程において前記モータが制御している雲台軸の各時点における初期回転角速度データを記録し、電力供給の時間が予め定められた第二時間閾値に達する時に再度モータへの電力供給電流をゼロに制御する処理を、記録の回数が予め定められた回数閾値に至るまで繰り返して実行し、毎回電力供給する過程で取得した各時点における初期回転角速度データに対して平均値を算出し、平均値を算出した結果を電力供給の過程において各時点における回転角速度データとする、雲台機器。
【請求項11】
前記コントローラは、記録された各時点における回転角速度データ及び記録の時間によって、回転角速度の変化速度値を算出し、予め定められた基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインを取得し、算出された前記回転角速度の変化速度値、基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインによって、現在前記モータが制御している雲台軸の制御ループの実際の比例ゲインを算出するように更に構成されている
請求項9または10に記載の雲台機器。
【請求項12】
パラメータ調整ボタンを更に含み、
前記コントローラは、セッティング済みの雲台パラメータの調整ボタンがトリガされたかどうかを検知し、トリガされた場合、雲台パラメータの調整イベントの検出とするように更に構成されている
請求項9から11のいずれか1つに記載の雲台機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雲台制御の技術分野に関し、特に雲台パラメータの調整方法、装置及び雲台機器に関する。
【背景技術】
【0002】
雲台機器は、カメラを配置及び固定する搭載機器であり、それは雲台アームとモータが連携することによって、それを搭載するカメラが一個又は複数の方向へ回転を完成させ、これによって広い範囲の画像を撮影できる。通常の状況では、雲台機器において固定部品を調節する方法によって、異なるデザイン、大きさのカメラに対して搭載を固定及び制御を実現できる。
【0003】
取り替え可能なカメラの雲台機器において、異なるカメラの慣性力が異なるため、カメラを取り替える時、雲台の制御パラメータを再調整する必要があってこそ雲台を正常に動作させる。例えば雲台において先に取り付けてあるのが慣性力の大きいカメラであれば、慣性力の小さいカメラに取り替える時、慣性力が小さくなり、起動した後に雲台が振動する可能性があり、ユーザーは自ら何度も調整及びテストをすることによって適切な雲台制御パラメータを取得して雲台を正常に動作させなければならず、雲台パラメータの調節が非常に繁雑だけでなく、非専門家が雲台パラメータの調整を完成できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る実施例は、雲台パラメータの調整方法、装置及び雲台機器を提供し、簡単、迅速に雲台機器のパラメータを調整できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る実施例は、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、このモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する段階と、
各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定する段階と、
このモータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するために、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定する段階と、
を含む雲台パラメータの調整方法を提供する。
【0006】
好ましくは、雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、このモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する前記段階は、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御する段階と、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給する段階と、
電力供給の過程においてこのモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する段階と、
を含む。
【0007】
好ましくは、雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、このモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する前記段階は、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御する段階と、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給し、そして電力供給の過程においてこのモータが制御している雲台軸の各時点における初期回転角速度データを記録し、電力供給の時間が予め定められた第二時間閾値に達する時に再度モータへの電力供給電流をゼロに制御する処理を、記録された回数が予め定められた回数閾値に至るまで繰り返して実行する段階と、
毎回電力供給する過程で取得する各時点における初期回転角速度データに対して平均値を算出し、平均値を算出した結果を電力供給の過程において各時点における回転角速度データとする段階と、
を含む。
【0008】
好ましくは、上記方法は、
記録された各時点における回転角速度データ及び記録された時間によって、回転角速度の変化速度値を算出する段階と、
予め定められた基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインを取得する段階と、
算出された前記回転角速度の変化速度値、基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインによって、現在このモータが制御している雲台軸の制御ループの実際の比例ゲインを算出する段階と、
を更に含む。
【0009】
好ましくは、雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、このモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する前記段階の前に、
セッティング済みの雲台パラメータの調整ボタンがトリガされたかどうかを検知し、トリガされた場合、雲台パラメータの調整イベントの検出とする段階
を更に含む。
【0010】
それに応じて、本発明に係る実施例は、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、このモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録するように構成されている処理モジュールと、
各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定するように構成されている算出モジュールと、
前記モータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するように、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定するように構成されている設定モジュールと、
を含む雲台パラメータの調整装置を更に提供する。
【0011】
好ましくは、前記処理モジュールは、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御するための第一制御ユニットと、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給するための第一処理ユニットと、
電力供給の過程においてこのモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録するための第一記録ユニットと、
を含む。
【0012】
好ましくは、前記処理モジュールは、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御するための第二制御ユニットと、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給し、電力供給の過程においてこのモータが制御している雲台軸の各時点における初期回転角速度データを記録し、電力供給の時間が予め定められた第二時間閾値に達する時に再度モータに対して電力供給電流をゼロに制御する処理を、予め定められた回数の記録を達成するまで繰り返すための第二処理ユニットと、
毎回電力供給の過程において取得した各時点における初期回転角速度データに対して平均値を算出し、平均値を算出した結果を電力供給の過程において各時点における回転角速度データとするための第二記録ユニットと、
を含む。
【0013】
好ましくは、上記装置は、
記録された各時点における回転角速度データ及び記録された時間によって、回転角速度の変化速度値を算出するための変化算出モジュールと、
予め定められた基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインを取得するための取得モジュールと、
算出された前記回転角速度の変化速度値、基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインによって、現在このモータが制御している雲台軸の制御ループの実際の比例ゲインを算出するためのゲイン算出モジュールと、
を更に含む。
【0014】
好ましくは、上記装置は、
セッティング済みの雲台パラメータの調整ボタンがトリガされたかどうかを検知し、トリガされた場合、雲台パラメータの調整イベントの検出とするための検出モジュール
を更に含む。
【0015】
それに応じて、本発明に係る実施例は、各雲台軸を含む雲台機器において、雲台軸の回転を制御するモータ及びコントローラを更に含み、
前記コントローラは、雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、このモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録し、各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定し、このモータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するために、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定するように構成されている雲台機器を更に提供する。
【0016】
好ましくは、前記コントローラは、記録された各時点における回転角速度データ及び記録された時間によって、回転角速度の変化速度値を算出し、予め定められた基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインを取得し、算出された前記回転角速度の変化速度値、基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインによって、現在このモータが制御している雲台軸の制御ループの実際の比例ゲインを算出するように更に構成されている。
【0017】
好ましくは、前記雲台機器は、パラメータ調整ボタンを更に含み、
前記コントローラは、セッティング済みの雲台パラメータの調整ボタンがトリガされたかどうかを検知し、トリガされた場合、雲台パラメータの調整イベントの検出とするように更に構成されている。
【0018】
本発明に係る実施例はユーザーが新たに加えた負荷にパラメータの調整を行う必要がある時、自動的にジャイロスコープ等の装置で検出した、電源投入後の雲台軸と関連する回転角速度の情況に基づいてノッチ周波数のパラメータを取得し、新たに取得されたノッチ周波数のパラメータに基づいて新たに負荷を加えた後の使用過程において、加えた負荷の姿勢をより安定に制御でき、パラメータ設定調整の実現方法が簡単であり、しかも設定過程にユーザーが参加する必要がなく、ユーザーの時間を節約でき、人件費を下げ、ユーザーのオートメーション化、インテリジェント化の需要を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施例に係る雲台パラメータの調整方法のフローチャートである。
図2図2は、本発明の実施例に係る電力供給及び角速度の応答曲線の概略図である。
図3図3は、本発明の実施例に係る他の雲台パラメータの調整方法のフローチャートである。
図4図4は、本発明の実施例において回転角速度データを取得する一つの方法概略図である。
図5図5は、本発明の実施例において回転角速度データを取得するもう一つの方法概略図である。
図6図6は、本発明の実施例に係る雲台パラメータの調整装置の構成概略図である。
図7図7は、本発明の実施例に係る他の雲台パラメータの調整装置の構成概略図である。
図8図8は、図7における処理モジュールの一つの構成概略図である。
図9図9は、本発明の実施例に係る雲台機器の構成概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明に係る実施例において添付図を参照して、本発明に係る実施例において技術的解決手段に対して明らかに記述し、完全な記述を行う。明らかに、記述する実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、全部の実施例ではない。本発明に係る実施例に基づいて、当業者が創造性の作業をしていない前提で取得するあらゆる他の実施例は、すべて本発明の保護範囲に属する。
【0021】
本発明に係る実施例は、ユーザーが新しく加えた負荷(新しいカメラ等の負荷)、雲台ノッチ器のノッチ周波数等の、雲台に関連するパラメータの調節を行う必要がある時、電力供給の過程において雲台軸の回転角速度の応答データを記録して、その後記録された角速度の応答データに対して処理して角加速度データを取得し、そして角加速度データに対してフーリエ変換等の周波数変換を行い、変換後のハイバンドのピーク周波数をノッチ周波数のパラメータとし、このパラメータの調節を完成する。同時に、また更に雲台制御ループの比例ゲインを調節できる。
【0022】
具体的に、図1を参照して、本発明の実施例に係る雲台パラメータの調整方法のフローチャートである。本発明の実施例に係る前記方法は、各種電気制御の雲台機器においてコントローラの中で実現できる。具体的に、前記方法は以下を含む:
【0023】
S101:雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、このモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する。
【0024】
ユーザーが雲台機器において新たに負荷を加えた後、雲台のノッチ周波数等のパラメータに対して調節を行う必要がある時、事前に雲台において配置された機械ボタン又はタッチボタンによって、あるいは音声制御命令によって、あるいはパラメータ調整端末により送信された制御命令等の方法によって、雲台のコントローラにパラメータの調整を行うことを通知する。この時雲台機器のコントローラは、対応するユーザーの操作又は命令を検出でき、雲台パラメータの調整を行うことを確認する。
【0025】
前記モータは、雲台機器のいずれか一軸の回転の制御モータであり、例えば、三軸の雲台機器について言うと、パラメータを調整するモータはそれぞれ、雲台のピッチ軸の回転を制御するモータ、雲台のロール軸の回転を制御するモータ及び雲台のヨー軸の回転を制御するモータである。
【0026】
前記S101において、まずこのモータの電流をゼロに制御し、一定時間待ってモータが回転しないことを確認した後、再度このモータに電力を供給し、このモータが電源駆動下でその対応する雲台軸の回転を駆動することができる。電力を予め定められた時間供給した後、再度電力供給を停止する。電力供給期間に、雲台軸の回転の角速度を記録することができ、記録された角速度データによって後続処理を行う。
【0027】
当然、前記S101において、複数の電力供給サイクルの電力供給も前後に実行し、そして平均値の算出の方法によって正確な回転角速度データを取得できる。
【0028】
具体的には、図2に示す概略図のように、T0時刻にユーザーがパラメータの調整ボタンを押す時、モータの電力供給電流をゼロに制御して、一定時間待った後、T1時間に、モータの電力供給電流を基準値に制御する。そうすると、関連雲台軸に配置されているジャイロスコープの角速度応答データの記録を開始する。T2時間に電力供給を停止する。その後、再度モータの電力供給電流をゼロに制御して、次のサイクルの回転角速度データを記録する。それによって、最終的に雲台軸に電源投入後の角速度を正確に反映できるデータを取得する。
【0029】
S102:各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定する。
【0030】
具体的には、S101において回転角速度データを時間上で直接微分することによって、角加速度の応答データを取得できる。前記S302の周波数変換は、高速フーリエ変換を用いることができ、前記角加速度の応答データに対して周波数変換を行った後にハイバンド(例えば30Hzより大きい部分)のピーク周波数を確定する。
【0031】
S103:このモータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するために、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定する。
【0032】
実際に、確定されたピーク周波数は、構成の共振点の周波数である。ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数のパラメータに設定すると、雲台機器におけるコントローラの出力信号に対して濾波を行うノッチ器は、このノッチ周波数に基づいてコントローラが出力した、このモータに送信された制御信号における周波数がこのノッチ周波数である信号を取り除く。これによって、パラメータの設定が完了した後、新たに加えた負荷への制御過程において、加えた負荷の姿勢を安定に制御できる。
【0033】
本発明に係る実施例は、ユーザーが新たに加えた負荷にパラメータの調整を行う必要がある時、自動的にジャイロスコープ等の装置で検出した、電源投入後の雲台軸と関連する回転角速度の情況に基づいてノッチ周波数のパラメータを取得し、新たに取得されたノッチ周波数のパラメータに基づいて新たに負荷を加えた後の使用過程において、加えた負荷の姿勢を安定に制御できる。パラメータ設定調整の実現方法は、簡単であり、しかも設定過程にユーザーが参加する必要がなく、ユーザーの時間を節約でき、人件費を下げ、ユーザーのオートメーション化、インテリジェント化の需要を満たす。
【0034】
再度図3を参照して、本発明の実施例に係る他の雲台パラメータの調整方法のフローチャートであり、本発明の実施例に係る前記方法は、各種電気制御の雲台機器においてコントローラの中で実現できる。具体的に、前記方法は以下を含む:
【0035】
S201:セッティング済みの雲台パラメータの調整ボタンがトリガされたかどうかを検知し、トリガされた場合、雲台パラメータの調整イベントの検出とする。
【0036】
雲台パラメータの調整ボタンは、事前に雲台機器において配置された機械ボタンでもよい。コントローラは、この機械ボタンが押されるトリガ信号を受信する場合、既に雲台パラメータの調整イベントが発生したことが確定できる。雲台ユーザーは、雲台機器に対してパラメータの調整を行う必要があり、これによって新たに加えた負荷を安定に制御できる。
【0037】
S202:雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、このモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する。
【0038】
S203:各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定する。
【0039】
S204:このモータに送信された周波数がノッチ周波数である信号を阻止するように、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定する。
【0040】
ノッチ周波数のパラメータの取得過程は、図1に対応する実施例における関連記述を参照できる。本発明に係る実施例において、各時点における回転角速度データを取得した後にノッチ周波数のパラメータの確定及び設定過程を実行するとともに、更に下記S205から207までを実行する。
【0041】
S205:記録された各時点における回転角速度データ及び記録された時間によって、回転角速度の変化速度値を算出する。
【0042】
回転角速度の変化速度値は、ある期間帯内の角速度の変化量と時間との比率でもよい。同様に、図2の概略図を例に挙げると、T時刻(角速度が存在する時刻)からT2時刻までの間に、回転角速度の変化速度値を算出する公式は以下でもよい:
【数1】
式中、νは回転角速度の変化速度値であり、ωT2はT2時刻の回転角速度であり、ωはT時刻の回転角速度であり、本発明の実施例において0であり、T2とTは、二個の異なる時点である。
【0043】
S206:予め定められた基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインを取得する。
【0044】
S207:算出された回転角速度の変化速度値、基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインによって、現在このモータが制御している雲台軸の制御ループの実際の比例ゲインを算出する。
【0045】
上記基準角速度の変化速度値は、同一の雲台モータ及びその制御している雲台軸に対して、生産する時に基準品質ブロックで校正する基準回転角速度の変化速度νを用いるが、上記基準制御ループの比例ゲインは、基準品質ブロックが用いる比例パラメータKp0である。
【0046】
本発明に係る実施例において、制御ループの実際の比例ゲインKを算出する一種の公式は、以下のとおりである:算出された回転角速度の変化速度値νと基準回転角速度の変化速度νの比率に、基準制御ループの比例ゲインKp0を乗算すると、実際の比例ゲインKが得られる。
【0047】
S207に基づいて算出した実際の比例ゲインは、コントローラからモータ(雲台軸)までの制御ループに対して制御を行い、新たに負荷を加えた雲台がより安定的に負荷の姿勢への制御を完成できる。
【0048】
具体的に再度図4を参照して、本発明に係る実施例において回転角速度データを取得するための方法の概略図である。本発明の実施例に係る前記方法は、上記のS101又はS202に対応し、具体的に、前記方法は以下を含む:
【0049】
S301:雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御する。
【0050】
S302:電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給する。
【0051】
例えば図2においてT0からT1時刻までは第一時間閾値であり、これによって、雲台軸の回転角速度は、モータの電力供給により回転後に確実に生じる。
【0052】
S303:電力供給の過程においてこのモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録する。
【0053】
電力供給の過程は、T1からT2までの時間範囲内にある。
【0054】
上記S301からS303までによって、後続処理に用いてノッチ周波数のパラメータ及び実際の制御ループの比例ゲインを取得するための回転角速度データを迅速に取得することができる。
【0055】
具体的に再度図5を参照して、本発明の実施例において回転角速度データを取得するための他の方法の概略図である。本発明の実施例に係る前記方法は、上記のS101又はS202に対応し、具体的に、前記方法は以下を含む:
【0056】
S401:雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御する。
【0057】
S402:電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給する。
【0058】
例えば図2においてT0からT1時刻までは第一時間閾値であり、これによって、雲台軸の回転角速度は、モータの電力供給により回転後に確実に生じる。
【0059】
S403:電力供給の過程においてこのモータが制御している雲台軸の各時点における初期回転角速度データを記録する。
【0060】
S404:電力供給の時間が予め定められた第二時間閾値に達する時に再度モータへの電力供給電流をゼロに制御する。初期回転角速度データの記録の回数が予め定められた回数閾値に達するまで、上記S402からS404までを繰り返して実行し、例えば、4個の時間帯(4回)の初期回転角速度データを記録する。
【0061】
S405:毎回電力供給の過程において取得した各時点における初期回転角速度データに対して平均値を算出し、平均値を算出した結果を電力供給の過程において各時点における回転角速度データとする。
【0062】
上記S401からS405までによって、後続処理に用いてノッチ周波数のパラメータ及び実際の制御ループの比例ゲインを取得するための回転角速度データを正確に取得できる。
【0063】
本発明に係る実施例はユーザーが新たに加えた負荷にパラメータの調整を行う必要がある時、自動的にジャイロスコープ等の装置で検出した雲台軸と関連する回転角速度の情況に基づいてノッチ周波数のパラメータ及び実際の制御ループの比例ゲインを取得し、これによって雲台に新たに負荷を加えた後の使用過程において、加えた負荷の姿勢を安定に制御できる。パラメータ設定調整の実現方法が簡単であり、しかも設定過程にユーザーが参加する必要がなく、ユーザーの時間を節約でき、人件費を下げ、ユーザーのオートメーション化、インテリジェント化の需要を満たす。
【0064】
次に本発明の実施例に係る雲台パラメータの調整装置及び雲台機器に対して詳しく記述する。
【0065】
具体的に図6を参照して、本発明の実施例に係る雲台パラメータの調整装置の構成概略図である。本発明の実施例に係る前記装置は、雲台機器中に配置されてもよい。具体的に、前記装置は、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、そしてこのモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録するための処理モジュール10と、
各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定するための算出モジュール20と、
このモータに送信された周波数がノッチ周波数である信号を阻止するように、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定するための設定モジュール30と、
を含む。
【0066】
ユーザーが雲台機器において新たに負荷を加えた後、雲台のノッチ周波数等のようなパラメータに対して調節を行う必要がある時、事前に雲台において配置された機械ボタン又はタッチボタンによって、あるいは音声制御命令によって、あるいはパラメータ調整端末から送信する制御命令等の方法によって、雲台のコントローラにパラメータの調整を行うことを通知し、この時前記処理モジュール10は、対応するユーザーの操作又は命令を検出し、雲台パラメータの調整を行うことを確定する。
【0067】
前記モータは、雲台機器のいずれか一軸のパラメータ設定を行う必要がある回転制御モータであり、例えば、三軸の雲台機器について言うと、パラメータを調整するモータはそれぞれ、雲台のピッチ軸の回転を制御するモータ、雲台のロール軸の回転を制御するモータ及び雲台のヨー軸の回転を制御するモータである。
【0068】
前記処理モジュール10は、まずこのモータの電流をゼロに制御し、一定時間待ってモータが回転していないことを確認した後、再度このモータに電力を供給し、このモータが電源駆動下でその対応する雲台軸の回転を駆動することができる。電力を予め定められた時間供給した後、再度電力供給を停止する。電力供給期間に、雲台軸の回転の角速度を記録することができ、記録する角速度データによって後続処理を行う。
【0069】
当然、前記処理モジュール10は、複数の電力供給サイクルの電力供給を前後に実行してもよく、平均値の算出の方法によって正確な回転角速度データを取得する。
【0070】
前記算出モジュール20は、具体的に直接前記処理モジュール10に対して回転角速度データを時間上で微分することによって、角加速度の応答曲線が取得できる。前記算出モジュール20において用いられる周波数変換は高速フーリエ変換を用いることができ、前記算出モジュール20は、前記角加速度の応答データに対して周波数変換を行った後にハイバンド(例えば30Hzより大きい部分)のピーク周波数を確定する。
【0071】
実際に、確定されたピーク周波数は、構成共振点の周波数であり、前記設定モジュール30は、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数パラメータに設定した後、雲台機器においてコントローラの出力信号に対して濾過を行うノッチ器は、このノッチ周波数に基づいて、コントローラが出力した、このモータに送信された制御信号における周波数がこのノッチ周波数である信号を取り除き、これによってパラメータの設定を完成した後に新たに加えた負荷を制御する過程において、加えた負荷の姿勢を安定に制御できる。
【0072】
本発明に係る実施例は、ユーザーが新たに加えた負荷にパラメータの調整を行う必要がある時、自動的にジャイロスコープ等の装置で検出した、電源投入後の雲台軸と関連する回転角速度の情況に基づいてノッチ周波数のパラメータを取得し、新たに取得されたノッチ周波数のパラメータに基づいて新たに負荷を加えた後の使用過程において、加えた負荷の姿勢を安定に制御できる。パラメータ設定調整の実現方法は、簡単であり、しかも設定過程にユーザーが参加する必要がなく、ユーザーの時間を節約でき、人件費を下げ、ユーザーのオートメーション化、インテリジェント化の需要を満たす。
【0073】
具体的に図7を参照して、本発明の実施例の他の雲台パラメータの調整装置の構成概略図であり、本発明の実施例に係る前記装置は、雲台機器中に配置されてもよい。具体的に、前記装置は、上記実施例における処理モジュール10、算出モジュール20及び設定モジュール30を含み、本発明の実施例において、前記装置は、
記録された各時点における回転角速度データ及び記録された時間によって、回転角速度の変化速度値を算出するための変化算出モジュール40と、
予め定められた基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインを取得するための取得モジュール50と、
算出された前記回転角速度の変化速度値、基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインによって、現在このモータが制御している雲台軸の制御ループの実際の比例ゲインを算出するためのゲイン算出モジュール60と、
を更に含む。
【0074】
前記変化算出モジュール40とゲイン算出モジュール60が前記処理モジュール10により取得された回転角速度の変化速度値を算出する具体的な方法は、上記方法項の実施例における算出方法及び公式を参照してもよい。
【0075】
更に好ましくは、セッティング済みの雲台パラメータの調整ボタンがトリガされたかどうかを検知し、トリガされた場合、雲台パラメータの調整イベントの検出とするための検出モジュールの70を更に含む。
【0076】
雲台パラメータの調整ボタンは、事前に雲台機器において配置された機械ボタンでもよい。前記検出モジュール70は、この機械ボタンが押されるトリガ信号を受信する場合、既に雲台パラメータの調整イベントが発生したことが確定できる。雲台ユーザーは、雲台機器に対してパラメータの調整を行う必要があり、これによって新たに加えた負荷を安定に制御できる。前記検出モジュール70は、トリガ信号を送信する方法によって前記処理モジュール10に対応する機能を実行させる。
【0077】
好ましくは、図8に示すように、前記処理モジュール10は具体的に、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御するための第一制御ユニット101と、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給するための第一処理ユニット102と、
電力供給の過程においてこのモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録するための第一記録ユニット103と、
を含むことができる。
【0078】
上記の第一制御ユニット101、第一処理ユニット102及び第一記録ユニット103に基づき、後続処理に用いてノッチ周波数のパラメータ及び実際の制御ループ比例ゲインを取得するための回転角速度データを迅速に取得できる。
【0079】
前記処理モジュールは、
雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給電流をゼロに制御するための第二制御ユニット104と、
電力供給電流をゼロに制御する時点から計時を開始し、計時時間が予め定められた第一時間閾値に達すると、予め定められた基準電流値を選択してモータに電力を供給し、そして電力供給の過程においてこのモータが制御している雲台軸の各時点における初期回転角速度データを記録し、電力供給の時間が予め定められた第二時間閾値に達する時に再度モータに対して電力供給電流をゼロに制御する処理を、予め定められた回数の記録を達成するまで繰り返すための第二処理ユニット105と、
毎回電力供給の過程において取得した各時点における初期回転角速度データに対して平均値を算出し、平均値を算出した結果を電力供給の過程において各時点における回転角速度データとするための第二記録ユニット106と、
を更に含む。
【0080】
上記第二制御ユニット104、第二処理ユニット105及び第二記録ユニット106に基づき、後続処理に用いてノッチ周波数のパラメータ及び実際の制御ループ比例ゲインを取得するための回転角速度データを正確に取得できる。
【0081】
具体的に実施する場合、上記処理モジュール10は更に上記第一制御ユニット101、第一処理ユニット102及び第一記録ユニット103の組合せ及び第二制御ユニット104、第二処理ユニット105及び第二記録ユニット106の組合せを含むことができる。これによってユーザーの実際の需要(迅速又は正確)に応じて異なる組合せを選択して回転角速度データの取得を完成する。
【0082】
本発明に係る実施例はユーザーが新たに加えた負荷にパラメータの調整を行う必要がある時、自動的にジャイロスコープ等の装置で検出した雲台軸と関連する回転角速度の情況に基づいてノッチ周波数のパラメータ及び実際の制御ループの比例ゲインを取得し、これによって雲台に新たに負荷を加えた後の使用過程において、加えた負荷の姿勢を安定に制御できる。実現方法は、簡単であり、しかも設定過程にユーザーが参加する必要がなく、ユーザーの時間を節約でき、人件費を下げ、ユーザーのオートメーション化、インテリジェント化の需要を満たす。
【0083】
再度図9を参照して、本発明の実施例に係る雲台機器の構成概略図である。本発明の実施例に係る前記雲台機器は各雲台軸を含み、本発明に係る実施例において、三軸雲台を例として本発明の実施例の雲台機器に対して説明を行い、雲台軸は、ヨー軸4001、ロール軸4002、及びピッチ軸4003を含む。雲台軸の回転を制御するモータ及びコントローラを更に含む。そのうち、モータは、ヨー軸4001と外部携帯機器等の部品との間に接続されるモータ3001、ロール軸4002とヨー軸4001との間に接続されるモータ3002、及びロール軸4002とピッチ軸4003との間に接続されるモータ3003を含む。
【0084】
前記コントローラは、雲台パラメータの調整イベントを検出した場合、モータへの電力供給を制御し、そしてこのモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データを記録し、各時点における回転角速度データによって各時点における角加速度データを算出し、角加速度データに対して周波数変換を行った後、予め定められた周波数帯域内のピーク周波数を確定し、このモータに送信された目標周波数がノッチ周波数である信号を阻止するように、ピーク周波数を前記モータのノッチ周波数として設定するように構成されている。
【0085】
このモータが制御している雲台軸の各時点における回転角速度データは、ジャイロスコープによって検出されて前記コントローラに送信される。ジャイロスコープはそれぞれヨー軸4001、ロール軸4002及びピッチ軸4003上に配置され、コントローラの制御に基づいて各軸の回転角速度データの検出に用いられる。雲台軸上の回転角速度データに対して同じ取得及び処理方法を行う。最終的に各軸においてノッチ周波数パラメータ及び制御ループの比例ゲインを取得する。
【0086】
更に好ましくは、前記コントローラは、記録された各時点における回転角速度データ及び記録された時間によって、回転角速度の変化速度値を算出し、予め定められた基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインを取得し、算出された前記回転角速度の変化速度値、基準角速度の変化速度値及び基準制御ループの比例ゲインによって、現在このモータが制御している雲台軸の制御ループの実際の比例ゲインを算出するように更に構成されている。
【0087】
更に好ましくは、前記雲台機器は、パラメータ調整ボタンを更に含み、このパラメータ調整ボタンは、機械ボタン的でもよい。前記コントローラは、セッティング済みの雲台パラメータの調整ボタンがトリガされたかどうかを検知し、トリガされた場合、雲台パラメータの調整イベントの検出とするように更に構成されている。
【0088】
前記コントローラの具体的な実現については、上記図1から図8までに対応する実施例において関連する記述を参照してもよい。
【0089】
本発明に係る実施例は、ユーザーが新たに加えた負荷にパラメータの調整を行う必要がある時、自動的にジャイロスコープ等の装置で検出した雲台軸と関連する回転角速度の情況に基づいてノッチ周波数のパラメータ及び実際の制御ループの比例ゲインを取得し、これによって雲台に新たに負荷を加えた後の使用過程において、加えた負荷の姿勢を安定に制御できる。実現方法は、簡単であり、しかも設定過程にユーザーが参加する必要がなく、ユーザーの時間を節約でき、人件費を下げ、ユーザーのオートメーション化、インテリジェント化の需要を満たす。
【0090】
本発明が提供するいくつの実施例において、当然理解されるように、開示した関連装置及び方法は、他の方法によっても実現できる。例えば、上記で記述する装置の実施例は概略的なものにすぎず、例えば、前記モジュール又はユニットの区分は、論理的な機能上の区分にすぎず、実際に実現する時に他の区分方法であってもよく、例えば複数のユニット又はモジュールが結合するか又は他のシステムに集積されてもよく、あるいはある特徴を省略し、あるいは実行しなくてもよい。他の点は、表示又は検討されている相互間のカップリング又は直接結合又は通信接続は、あるインターフェイス、装置又はユニットを介する間接的結合又は通信接続であり、電気的、機械的又は他の形式でもよい。
【0091】
分離部品として説明されている前記ユニットは、物理的に分離しても又は分離しなくてもよく、ユニットとして表示されている部品は物理的ユニットでもそうでなくてもよく、一個の場所に位置しても、又は複数のネットワークユニット上に分布されてもよい。実際の要求に応じてその内の一部又は全部のユニットを選択して本実施例の解決手段の目的を実現できる。
【0092】
なお、本発明の各実施例において各機能的ユニットは、一個の処理ユニット中に集積されてもよく、各ユニットが単独で物理的に存在してもよく、二個又は二個以上のユニットが一個のユニット中に集積されてもよい。上記集積されたユニットは、ハードウエアの形式を用いて実現してもよく、ソフトウェア機能的ユニットの形式を用いて実現してもよい。
【0093】
前記集積されたユニットは、例えばソフトウェア機能的ユニットの形式で実現して更に独立する製品を販売又は使用する場合、コンピュータで読取り可能な記憶媒体中に保存できる。このような理解に基づき、本発明の技術的解決方法は、本質上又は従来技術に対して寄与する一部又はこの技術的解決方法の全部又は一部に対してソフトウェア製品の形式で体現してもよい。このコンピュータのソフトウェア製品は、記憶媒体中に保存され、コンピュータプロセッサー(processor)に本発明の各実施例に記載の方法の全部又は一部の段階を実行させるための複数の命令を含む。前記記憶媒体は、USBメモリ、ポータブルハードディスク、読取り専用メモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、フロッピー(登録商標)デディスク又は光ディスク等各種のプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0094】
上記の開示は本発明に係る実施例にすぎず、本発明の特許範囲を限定するものでなく、本発明の明細書及び図面の内容を利用して作成されるすべての等価の構成又は等価の流れ変換、又は直接又は間接的に他の関連する技術分野に用いることであれば、すべて同様に本発明の特許保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9