(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113367
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】外洋において浮かんでいて控え手段を介してアンカに結合された、風力タービン、サービスステーション又はコンバータステーション用の支持機構
(51)【国際特許分類】
B63B 35/00 20060101AFI20170403BHJP
B63B 11/04 20060101ALI20170403BHJP
B63B 21/50 20060101ALI20170403BHJP
B63B 43/06 20060101ALI20170403BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20170403BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63B11/04 Z
B63B21/50 A
B63B43/06 A
F03D13/25
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-543559(P2016-543559)
(86)(22)【出願日】2014年10月30日
(65)【公表番号】特表2016-538477(P2016-538477A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】EP2014073342
(87)【国際公開番号】WO2015063215
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2016年6月28日
(31)【優先権主張番号】102013222081.2
(32)【優先日】2013年10月30日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516129242
【氏名又は名称】ギーコン ウィンドパワー アイピー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】GICON windpower IP GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヨヘン グロスマン
(72)【発明者】
【氏名】フランク ダールハウス
【審査官】
川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−298207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63B 21/50
B63B 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外洋において浮かんでいて控え手段を介してアンカに結合された、風力タービン(1)、サービスステーション又はコンバータステーション用の支持機構(2)であって、
海面下に配置された第1の構成部分(3)であって、
多角形の頂点に配置されていて、一平面に対して垂直方向に延在しかつ、海面の上下にわたって延びる第2の構成部分(4)の支持体として用いられる第1の浮力体(5)と、
前記第1の浮力体(5)を互いに結合し、一平面に配置され、かつ管状に形成されている第2の浮力体(6)と、
を有する第1の構成部分(3)を備え、
前記第1の浮力体(5)に、
少なくとも2つの前記第2の浮力体(6)を互いに結合し、かつ放射状に形成された底面を有する接合構造体(7)と、
該接合構造体(7)に結合されていて、U字形に形成されていて、かつ前記第1の浮力体(5)を鉛直方向において部分的に分割する少なくとも1つの接合プレート(8)と、
が配置されており、
前記接合構造体(7)は同時に、海面の上下にわたって延びる管状の支持エレメント(9)のための支持体であり、それにより、前記接合プレート(8)との繋がりにおいて、力を受け止めかつ誘導する、海面下支持機構(3)の接合部であり、
前記第2の構成部分(4)は、前記第1の浮力体(5)に配置された、海面の上下にわたって延びる管状の前記支持エレメント(9)をさらに有し、該支持エレメント(9)は、支持手段(10)を介して、風力タービン(1)、サービスステーション又はコンバータステーション用の支持構造体(11)に結合されている、
ことを特徴とする、風力タービン、サービスステーション又はコンバータステーション用の支持機構。
【請求項2】
前記接合構造体(7)は、互いに間隔をおいて配置された2つのプレート(12)から成っており、前記第2の浮力体(6)は、2つのビームもしくは放射状部に係合し、それにより前記第2の浮力体(6)の中空室は、前記接合構造体(7)を介して互いに接続されており、かつ前記プレート(12)は、鉛直に配置された板を介して互いに結合されている、請求項1記載の支持機構。
【請求項3】
前記プレート(12)は、鉛直方向外側に向かって前記第1の浮力体(5)の縁部へと突出する板を介して、互いに結合されており、かつ/又は前記プレート(12)は、外側に向かって前記第1の浮力体(5)の縁部を越えて突出する板を介して、互いに結合されている、請求項2記載の支持機構。
【請求項4】
前記接合構造体(7)は同時に、前記支持エレメント(9)のための支持体であり、又は前記支持エレメント(9)の端部領域を収容する管部分(9)である、請求項1記載の支持機構。
【請求項5】
前記支持エレメント(9)の前記端部領域、及び前記管部分(9)と前記接合構造体(7)の中央部分、のいずれか一方は、前記U字形に形成された接合プレート(8)の脚の間に位置している、請求項4記載の支持機構。
【請求項6】
前記第1の浮力体(5)は、多角形としての四角形の頂点に配置されており、前記接合構造体(7)の前記底面は、十字であり、該十字の脚は、それぞれ互いの間において、直角又は90°とは異なる角度を成している、請求項1記載の支持機構。
【請求項7】
前記浮力体(5,6)に、複数のリブ(13)及び/又は少なくとも1つの環状の安定化リング(14)が配置されている、請求項1から6までのいずれか1項記載の支持機構。
【請求項8】
アンカが、前記浮力体(5,6)に対応する領域に配置されており、前記アンカと、前記第1の浮力体(5)の前記接合構造体(7)、支持エレメント(9)又は前記第1の浮力体(5)の前記接合構造体(7)及び前記支持エレメント(9)とは、鉛直方向に方向付けられかつ/又は斜めに延びている少なくとも1つの控え手段(15)を介して、互いに結合されており、かつ/又は1つ又は複数のアンカが、鉛直方向に方向付けられかつ/又は斜めに延びている少なくとも1つの控え手段(15)を介して、第2の浮力体(6)に結合されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の支持機構。
【請求項9】
支持エレメント(9)が、氷を砕きかつ氷の付着を防止する少なくとも1つの縁部又は円錐部を有している、又は少なくとも部分的に円錐形に形成されている、請求項1記載の支持機構。
【請求項10】
前記支持エレメント(9)は、浮力機能のために中空に形成されている、請求項1記載の支持機構。
【請求項11】
前記浮力体(5,6)は、少なくとも1つの中空室を有しており、該中空室は、海面下支持機構(3)としての位置決めのために、浮力体(5,6)の、海水を注入可能でかつガス状媒体を充填可能な中空室である、請求項1記載の支持機構。
【請求項12】
前記支持構造体(11)は、前記風力タービン(1)のマストの端部領域を収容する管部分(11)、又はサービスステーション又はコンバータステーション用のプラットフォームである、請求項1記載の支持機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外洋において浮かんでいて控え手段を介してアンカに結合された、風力タービン、サービスステーション又はコンバータステーション用の支持機構に関する。
【0002】
外洋における風力タービン用の、アンカに結合されて浮かんでいる浮力体は、例えば英国特許出願公開第2378679号明細書に基づいて公知である。そのために実現された浮体式基礎は、半径方向に延びる鋼製控えを介して風力タービンのタワーに結合された複数の浮力体から成っている。鋼製控えは、平面図で見て十字形に配置されていて、相互には結合されていない。構造物の半径方向の鋼製控えにおいて曲げ力が発生すると、このような曲げ力によって、大きな曲げモーメントが生ぜしめられる。
【0003】
国際公開第2007/096680号に基づいて公知の四角形の浮体式基礎では、頂点に配置された浮力体が互いに引張り棒及び押圧棒によって結合されて、三次元的な支持機構を形成している。中央の大きな浮力体は、タワーを支持し、このタワーは、傾斜ロープを介して、外側に位置する浮力体に向かって控えをとられている。この解決策は、かなり高い構造コストを必要とする。
【0004】
米国特許第7156586号明細書に記載された浮体式支持機構は、半径方向でマストから離れる方向に控えをとるアームを有している。これらのアームは、その端部に浮力体を備えている。マスト位置を安定化させるために、浮力体とマストとの間には傾斜ロープが張られている。中央のマスト基部において、応力集中が発生し、このような応力集中は不都合を生ぜしめることがあり、少なくとも構造コストを高めることになる。
【0005】
欧州特許出願公開第1288122号明細書には、複数の室を有する中実の浮体式プラットフォームが開示されており、複数の室は、潜水鐘の形式で空気を満たされ、これにより浮力を形成するのに利用することができる。このような浮体式基礎である装置は、高い材料コストに結び付いている。
【0006】
欧州特許出願公開第1876093号サーチレポート及び独国特許出願公開第102008003647号明細書に開示された浮体式支持機構では、浮力体が、半径方向で中央構造物から離れる方向に延びる端部に設けられている。
【0007】
国際公開第2011/057940号に基づいて、洋上風力タービンが公知である。この洋上風力タービンは、結合エレメントを介して風力タービンのタワーに結合された浮力体を有している。さらに洋上風力タービンは、タワー端部にカウンタバランスを有している。この公知の構成では結合エレメントは、タワーの周りに均一に複数のグループにおいて配置されている。1つの下側のグループは主としてタワーを支持し、かつ2つの上側のグループは、タワーを支持しかつ位置決めしている。上側のグループは、タワーの、互いに上下に位置する箇所に係合している。結合エレメントの均一な分配によって、タワーは浮力体に対して回転することができる。これによって、浮力体に対するタワーの位置が変化する。同時に、結合エレメントにおいては、タワーに対する結合エレメントの異なった角度によって、種々異なった力が発生する。均一な力分布はもはや与えられていない。
【0008】
米国特許出願公開第2005/0206168号明細書に開示された、洋上風力タービン用の支持構造体では、風力タービンのタワーが、格子構造を介して浮力体に結合されている。主エレメントは、タワーの周囲に均一に分配配置されたステーである。支持構造体に対するタワーの回転運動は、回避されていない。
【0009】
国際公開第2004/055272号には、利用可能な海洋開発を得ることができる、洋上風力タービンが開示されている。該風力タービンのタワーは、タワーに均一に固定されていてタワーの周りに分配配置されたエレメントを介して、浮力体に保持されている。この公知の構成においても、浮力体に対するタワーの回転運動は、回避されていない。
【0010】
国際公開第2013/040871号には、横フレーム構造を介して互いに結合された少なくとも3つの浮遊するコンクリート製中空円筒体を有する、半潜水型の浮体式プラットフォームが開示されている。この公知の構成ではコンクリート製中空円筒体は、海面の上下にわたって延びる浮体式プラットフォームのための浮力体を形成している。
【0011】
米国特許出願公開第2010/0219645号明細書に基づいて、それぞれエネルギ発生装置を有する少なくとも3つの浮体ユニットを有する、エネルギ発生のための浮体式装置が公知である。該浮体ユニットはそれぞれ、浮力体とエネルギ発生装置とを有している。浮体ユニット、ひいてはエネルギ発生装置は、三角形又は四角形の頂点に配置されている。
【0012】
請求項1に記載した本発明の課題は、風力タービン、サービスステーション又はコンバータステーションとしての建造物を確実かつ安定的に固定する、外洋において浮かぶことができる支持機構を提供することである。
【0013】
この課題は、請求項1に記載された特徴的な構成によって解決される。
【0014】
外洋において浮かんでいて控え手段を介してアンカに結合された、風力タービン、サービスステーション又はコンバータステーション用の支持機構は、特にその確実かつ安定的な固定形態によって傑出している。
【0015】
そのために支持機構は、海面下に配置された第1の構成部分と、海面の上下にわたって延びる第2の構成部分とを有している。
【0016】
さらに第1の構成部分は、多角形の頂点に配置されていて一平面に対して垂直方向に延在しかつ第2の構成部分の支持体として働く第1の浮力体と、これら第1の浮力体を互いに結合し一平面に配置されかつ管状に形成された第2の浮力体とを有している。第1の浮力体に、少なくとも2つの第2の浮力体を互いに結合し、かつ放射状に形成された底面を有する接合構造体と、該接合構造体に結合されていてU字形に形成され、かつ第1の浮力体を鉛直方向において部分的に分割する少なくとも1つの接合プレートとが配置されている。接合構造体は同時に、海面の上下にわたって延びる管状の支持エレメントのための支持体であり、それにより、接合プレートとの繋がりにおいて、力を受け止めかつ誘導する、海面下支持機構の接合部である。第2の構成部分は、第1の浮力体に配置された、海面の上下にわたって延びる管状の支持エレメントを有しており、これらの支持エレメントは、支持手段を介して、風力タービン、サービスステーション又はコンバータステーション用の支持構造体に結合されている。
【0017】
本発明のように構成されていると、支持機構は、立体支持機構の形の三次元的な支持機構を形成する。第1の浮力体と第2の浮力体とは、第1の浮力体の接合構造体を用いて互いに結合されている。このことは特に、全体として支持機構の1つの中空室を成しているか又は分割されて複数の中空室を成している中空室に対して言えることである。部分的に海面下に位置していて第1の浮力体に結合された支持エレメントの中空室は、さらに好ましくは同様に浮力体であってよい。このことは同様に、第1の浮力体の構成部分としての接合構造体にも当て嵌まり、接合構造体は、第1の浮力体が1つの中空室を形成する複数の中空室を成している。これによって接合構造体は、単に、力を受け止めかつ誘導する接合構造体ではなく、浮力体でもある。また第2の浮力体は、同時に第1の浮力体のためのスペーサをも形成している。
【0018】
これによって、風力タービン、サービスステーション又はコンバータステーション用の支持機構であって、コンパクトで経済的に実現可能かつ使用可能な、外洋において浮かぶ支持機構が得られる。
【0019】
アンカは、控え手段と共働して、設置箇所における支持機構の確実かつ固定的な位置決めを保証する。
【0020】
本発明の好適な態様は、請求項2〜12に記載されている。
【0021】
請求項2記載の態様によれば、接合構造体は、互いに間隔をおいて配置された2つのプレートから成っており、第2の浮力体は、2つのビームもしくは放射状部に係合し、それにより第2の浮力体の中空室は、接合構造体を介して互いに接続されている。さらにプレートは、鉛直に配置された板を介して互いに結合されている。これによって接合構造体は、第1の浮力体の構成部分として、それ自体コンパクトな構造を形成する。これにより、浮力体の発生する力は、受け止められ、さらに誘導される。
【0022】
このような力の受け止め及び誘導は一方では、アンカへと行われ、風力タービン、サービスステーション又はコンバータステーションの力も、支持エレメントを介して接合構造体へと導かれ、接合構造体によって受け止められる。
【0023】
力の受け止め及び誘導は他方では、支持エレメントを介して行われ、支持エレメントは、控え手段を介してアンカに結合されている。
【0024】
もちろん、接合構造体と支持エレメントとは互いに結合されていても、控え手段を介してさらにアンカに結合されていてもよい。
【0025】
さらに請求項3記載の態様によれば、プレートは、鉛直方向外側に向かって第1の浮力体の縁部へと突出する板を介して、互いに結合され、かつ/又はプレートは、外側に向かって第1の浮力体の縁部を越えて突出する板を介して、互いに結合されていてよい。
【0026】
請求項4記載の態様によれば、接合構造体は同時に、支持エレメントのための支持体であり、又は支持エレメントの端部領域を収容する、支持エレメントのための管部分である。
【0027】
支持エレメントの端部領域又は管部分及び接合構造体の中央部分は、請求項5記載の態様によれば、U字形に形成された接合プレートの脚の間に位置している。これによって、コンパクトな構成を実現することができる。
【0028】
第1の浮力体は、請求項6記載の態様によれば、多角形としての四角形の頂点に配置されている。さらに接合構造体の底面は、十字であり、該十字の脚は、それぞれ互いの間において、直角又は90°とは異なる角度を成している。
【0029】
請求項7記載の態様によれば、浮力体に、複数のリブ及び/又は少なくとも1つの環状の安定化リングが配置されている。このようなリブ及び安定化リングは、浮力体の安定性を高める。
【0030】
請求項8記載の態様によれば、アンカが、浮力体に対応する領域に配置されている。さらにアンカと、第1の浮力体の接合構造体、支持エレメント又は第1の浮力体の接合構造体及び支持エレメントとは、鉛直方向に方向付けられかつ/又は斜めに延びている少なくとも1つの控え手段を介して、互いに結合されている。さらに、別のアンカ又は前記アンカが、鉛直方向に方向付けられかつ/又は斜めに延びている少なくとも1つの控え手段を介して、第2の浮力体に結合されていてもよい。特に斜めに延びている控え手段は、支持機構の回動を、それにより風力タービンの回動を阻止する。
【0031】
請求項9記載の対象によれば、支持エレメントは、氷を砕きかつ氷の付着を防止する少なくとも1つの縁部、又は少なくとも部分的に円錐形を有している。縁部は、1つのプレート状の部材によって、又は互いに角度を成して配置されたプレート状の部材によって、支持体に形成されていてよい。さらに、少なくとも部分的に放射状に配置されたプレート状の部材が、支持体に代わりに配置されていてもよい。しかしながらまた支持体は、支持体を取り囲む円錐形に形成された部材を有していてもよい。支持体自体が、少なくとも部分的に円錐形に形成されているような態様も可能である。
【0032】
請求項10記載の好適な態様によれば、支持エレメントは、浮力機能のために中空に形成されている。
【0033】
請求項11記載の態様によれば、浮力体は、少なくとも1つの中空室を有している。この中空室は、海面下支持機構としての位置決めのために、浮力体における、海水を注入可能でかつガス状媒体を充填可能な中空室である。海面下支持機構を降下させるためには、単に、浮力体の中空室に海水が注入され、これによって海面下支持機構は、海底に向かって沈む。海底の表面又は海底の内部に配置されたアンカに、海面下支持機構を結合した後で、ガス状媒体が中空室内に押し込まれ、同時に、中空室内にある海水は弁を介して外に流出する。これによって、海面下支持機構は浮上する。海面下支持機構は、アンカ及び控え手段を用いて水面下に保たれる。
【0034】
請求項12記載の好適な態様によれば、支持構造体は、風力タービンのマストの端部領域を収容する管部分、又はサービスステーション又はコンバータステーション用のプラットフォームである。
【0035】
次に図面を参照しながら、それぞれ原理的に示した本発明の1実施形態について、詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】外洋において浮かんでいて控え手段を介してアンカに結合された、風力タービンを有する支持機構を示す図である。
【
図2】第2の浮力体及び支持エレメントに結合された第1の浮力体を示す図である。
【0037】
外洋において浮かんでいて控え手段15を介してアンカに結合された、風力タービン1、サービスステーション又はコンバータステーション用の支持機構2は、主として、海面下に配置された第1の構成部分3と、海面の上下にわたって延びる第2の構成部分4とから成っている。
【0038】
図1には、外洋において浮かんでいて控え手段を介してアンカに結合された、風力タービン1を有する支持機構が、原理図で示されている。
【0039】
海面下に配置された第1の構成部分3は、多角形としての四角形の頂点に配置されていて一平面に対して垂直に延びている浮力体5を有している。この浮力体5はさらに、支持機構2の、海面の上下にわたって延びる第2の構成部分4の支持体として機能する。第1の浮力体5はさらに、管状に形成された浮力体6を介して互いに結合されており、これらの浮力体6は一平面に配置されている。第1の浮力体5はほぼ、閉鎖された中空の円筒部材の形状を有していて、この円筒部材は、壁としての管部材、ベースプレート及びカバープレートを備えている。壁は、第2の浮力体6のための切欠きもしくは開口を有していて、カバープレートは、支持エレメント9のための開口を有している。
【0040】
図2には、第2の浮力体6及び支持エレメント9に関連した第1の浮力体5の原理図が示されている。
【0041】
第1の浮力体5には、少なくとも2つの第2の浮力体6を互いに結合する接合構造体7が配置されていて、この接合構造体7は、放射状に形成された底面を有している。さらに、接合構造体7に結合されていて第1の浮力体5を鉛直方向において部分的に分割する、U字形に形成された接合プレート8が、浮力体5内に位置している。接合構造体7は同時に、海面の上下にわたって延びる管状の支持エレメント9のための支持体である。従って接合プレート8との繋がりにおいて、接合構造体7は、力を受け止めかつ誘導する、海面下支持機構3の接合部である。そのために接合構造体7自体は、互いに間隔をおいて配置された2つのプレート12から成っており、第2の浮力体6は、2つのビームもしくは放射状部(Strahl)に係合し、これによって第2の浮力体6の中空室は、接合構造体7を介して互いに接続されている。支持エレメント9の端部領域及び接合構造体7の中央部分は、U字形に形成された接合プレート8の脚の間に位置している。接合構造体7のプレート12は、鉛直に配置された板を介して互いに結合されている。接合構造体7の底面は、放射形状としての十字であり、十字の脚はそれぞれ互いの間において直角を成している。
【0042】
プレート12は1実施形態では、鉛直方向外側に向かって第1の浮力体5の縁部へと突出する板を介して、及び/又は外側に向かって第1の浮力体5の縁部を越えて突出する板を介して、互いに結合されている。浮力体5,6には、複数のリブ13及び/又は少なくとも1つの環状の安定化リング14が配置されている。
【0043】
浮力体5,6は、少なくとも1つの中空室を有している。この中空室は、海面下支持機構3としての位置決めのために、浮力体5,6の、海水を注入可能でかつガス状媒体を充填可能な中空室である。
【0044】
第2の構成部分4は、海面の上下にわたって延びる管状の支持エレメント9と、風力タービン1用の支持構造体11を有する支持手段10とを備えている。そのために支持構造体11は、風力タービン1のマストの端部領域を収容する管部分11である。
【0045】
アンカは、第1の浮力体5に対応して配置されている。1つのアンカが、1つの第1の浮力体5の接合構造体7及び/又は1つの支持エレメント9に結合されていてよい。もちろんこれらはまた、控え手段を介して一緒に1つのアンカに結合されていてもよい。そのために控え手段15は鉛直方向に方向付けられていて、かつ/又は斜めに延びている。さらに別のアンカ又は前記アンカは、鉛直方向に方向付けられかつ/又は斜めに延びている少なくとも1つの控え手段15を介して、第2の浮力体6に結合されていてよい。