特許第6113392号(P6113392)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6113392施設検索装置、施設検索方法、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6113392
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】施設検索装置、施設検索方法、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/30 20060101AFI20170403BHJP
【FI】
   G06F17/30 310Z
   G06F17/30 330Z
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-507890(P2017-507890)
(86)(22)【出願日】2016年10月26日
(86)【国際出願番号】JP2016081775
【審査請求日】2017年2月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(72)【発明者】
【氏名】太田 洋介
(72)【発明者】
【氏名】田川 達司
【審査官】 樋口 龍弥
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−34465(JP,A)
【文献】 特開2016−181018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に関する情報を格納する施設データベースと、音声クエリの入力を受け付ける入力受付部と、前記入力を受け付けた音声クエリを構成する音声データを所定形式のデータに変換する形式変換部と、前記変換されたデータに基づいて、後記施設検索部での検索が実行可能な実行クエリを生成する第1の生成部と、前記施設データベースを参照して該生成された実行クエリに対応する施設の検索を実行する施設検索部と、該施設検索部が予め設定された検索実行タイミングで検索を実行するよう制御する検索実行制御部と、前記検索された施設を出力する検索結果出力部と、を備える施設検索装置であって、
前記検索された実行クエリをその検索実行時刻と関連付けて格納する検索クエリ履歴データベースと、
前記検索クエリ履歴データベースを参照して、前記生成された実行クエリとしての第1の実行クエリより前に検索された第0の実行クエリを特定する特定部と、
前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するか否か判定する判定部と、を備え、
前記検索実行制御部は、前記判定の結果、前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するとき、前記施設検索部の検索を実行待ちとし、前記入力受付部が新たな音声クエリの入力を受け付けたとき前記実行待ちを解除する、
施設検索装置。
【請求項2】
前記所定形式はテキスト形式である、請求項1に記載の施設検索装置。
【請求項3】
前記第1の生成部は、前記変換されたデータに基づいて音声認識揺れを考慮して複数の前記実行クエリを生成する、請求項1又は2に記載の施設検索装置。
【請求項4】
前記判定部は、音節単位又は単語単位で前記第1の実行クエリが前記第0の実行クエリと一致するか否か判定する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の施設検索装置。
【請求項5】
施設に関する情報を格納する施設データベースに格納する第1の格納ステップと、音声クエリの入力を受け付ける入力受付ステップと、前記入力を受け付けた音声クエリを構成する音声データを所定形式のデータに変換する形式変換ステップと、前記変換されたデータに基づいて、後記施設検索ステップでの検索が実行可能な実行クエリを生成する第1の生成ステップと、前記施設データベースを参照して該生成された実行クエリに対応する施設の検索を実行する施設検索ステップと、該施設検索ステップにおいて予め設定された検索実行タイミングで検索を実行するよう制御する検索実行制御ステップと、前記検索された施設を出力する検索結果出力ステップと、を備える施設検索方法であって、
前記検索された実行クエリをその検索実行時刻と関連付けて検索クエリ履歴データベースに格納する第2の格納ステップと、
特定部が、前記検索クエリ履歴データベースを参照して、前記生成された実行クエリとしての第1の実行クエリより前に検索された第0の実行クエリを特定する特定ステップと、
判定部が、前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するか否か判定する判定ステップと、を備え、
前記検索実行制御ステップは、前記判定の結果、前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するとき、前記施設検索ステップの検索を実行待ちとし、前記入力受付ステップで新たな音声クエリの入力を受け付けたとき前記実行待ちを解除する、
施設検索方法。
【請求項6】
前記所定形式はテキスト形式である、請求項5に記載の施設検索方法。
【請求項7】
前記第1の生成ステップでは、前記変換されたデータに基づいて音声認識揺れを考慮して複数の前記実行クエリを生成する、請求項5又は6に記載の施設検索方法。
【請求項8】
前記判定ステップでは、音節単位又は単語単位で前記第1の実行クエリが前記第0の実行クエリと一致するか否か判定する、請求項5〜7のいずれか一項に記載の施設検索方法。
【請求項9】
コンピュータを、施設に関する情報を施設データベースに格納する第1の格納手段と、音声クエリの入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力を受け付けた音声クエリを構成する音声データを所定形式のデータに変換する形式変換手段と、前記変換されたデータに基づいて、後記施設検索手段での検索が実行可能な実行クエリを生成する第1の生成手段と、前記施設データベースを参照して該生成された実行クエリに対応する施設の検索を実行する施設検索手段と、該施設検索手段が予め設定された検索実行タイミングで検索を実行するよう制御する検索実行制御手段と、前記検索された施設を出力する検索結果出力手段、として機能させるコンピュータプログラムであって、コンピュータを、更に、
前記検索された実行クエリをその検索実行時刻と関連付けて検索クエリ履歴データベースに格納する第2の格納手段と、
前記検索クエリ履歴データベースを参照して、前記生成された実行クエリとしての第1の実行クエリより前に検索された第0の実行クエリを特定する特定手段と、
前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するか否か判定する判定手段、として機能させ、
前記検索実行制御手段は、前記判定の結果、前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するとき、前記施設検索手段の検索を実行待ちとし、前記入力受付手段が新たな音声クエリの入力を受け付けたとき前記実行待ちを解除する、
コンピュータプログラム。
【請求項10】
前記所定形式はテキスト形式である、請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
前記第1の生成手段は、前記変換されたデータに基づいて音声認識揺れを考慮して複数の前記実行クエリを生成する、請求項9又は10に記載のコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記判定手段は、音節単位又は単語単位で前記第1の実行クエリが前記第0の実行クエリと一致するか否か判定する、請求項9〜11のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
請求項9〜12のいずれか一項に記載のコンピュータプログラムを記録する記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設検索装置、施設検索方法、コンピュータプログラム及びコンピュータプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット及び移動体端末装置の普及と相まって、カーナビゲーション装置やスマートフォン等の移動体端末装置を利用した目的地検索が日常的に行われている。そして、この目的地検索は、一般に、目的地の地名や施設名を入力して行われている。そして、カーナビゲーション装置における一般的な検索システムでは、目的地、例えば、施設を検索するために入力された検索クエリについて、該検索クエリを構成する一連一体の文字列と施設データベース等の検索データベース中に格納されている施設名称等のキーワードを構成する文字列とを比較し、完全一致、前方一致、部分一致等しているか否かで、検索クエリに対応する施設検索が行われている。
一方、検索装置に検索クエリを入力する際に、マイクロフォン等を用いて音声で入力可能な装置も一般的になりつつある。
本発明に関連する従来技術を開示する特許文献1〜3も参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2008/023470号
【特許文献2】特開2009−080579号公報
【特許文献3】特開2001−134278号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、カーナビゲーション装置による施設検索に音声入力を応用した際に、検索ユーザがより便利に利用可能とすべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、次のことに気が付いた。
「博多ラーメン」について検索する際、まず、はじめに検索クエリ「ハカタラーメン」と音声入力し施設検索を行った後、例えば、特定の地域「中洲」に位置する「博多ラーメン」のように更に検索結果を絞りたい場合がある。このような場合、新たに、「ハカタラーメン」と入力し、区切りを示す無音区間をおいて「ナカス」と入力することになるものの、この無音区間を検索クエリの入力完了と認識され、再度「博多ラーメン」の検索が行われてしまう場合がある。しかしながら、再度入力された検索クエリが、元の検索クエリと合致する場合には、検索ユーザは検索クエリの入力を完了しておらず、追加の検索クエリを入力する意図を持っていることが多い。
このような状況に鑑み、本発明者らは、施設検索を音声入力により行う場合に、入力進行中の検索クエリと、該入力進行中の検索クエリより前に検索実行された検索クエリとが合致する場合、所定の無音区間経過後に検索実行する従来の制御に代えて、続きの音声入力を受け付けるまで検索実行を待ち状態とし、続きの音声入力を受け付けたとき、その待ち状態を解除するよう制御することに想到した。このように検索実行タイミングを制御すれば、実行済み検索結果を絞り込むために検索クエリを追加したい検索ユーザの意図を反映させることが可能となり、検索ユーザの利便性を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の局面は次のように規定される。即ち、
施設に関する情報を格納する施設データベースと、音声クエリの入力を受け付ける入力受付部と、前記入力を受け付けた音声クエリを構成する音声データを所定形式のデータに変換する形式変換部と、前記変換されたデータに基づいて、前記施設検索部での検索が実行可能な前記実行クエリを生成する第1の生成部と、前記施設データベースを参照して該生成された実行クエリに対応する施設の検索を実行する施設検索部と、該施設検索部が予め設定された検索実行タイミングで検索を実行するよう制御する検索実行制御部と、前記検索された施設を出力する検索結果出力部と、を備える施設検索装置であって、
前記検索された実行クエリをその検索実行時刻と関連付けて格納する検索クエリ履歴データベースと、
前記検索クエリ履歴データベースを参照して、前記生成された実行クエリとしての第1の実行クエリより前に検索された第0の実行クエリを特定する特定部と、
前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するか否か判定する判定部と、を備え、
前記検索実行制御部は、前記判定の結果、前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するとき、前記施設検索部の検索を実行待ちとし、前記入力受付部が新たな音声クエリの入力を受け付けたとき前記実行待ちを解除する、
施設検索装置。
【0006】
このように規定される第1の局面の施設検索装置によれば、入力された音声クエリを所定形式のデータに変換後、施設検索を実行可能な実行クエリを生成し、該生成された実行クエリに基づき、予め設定された検索実行タイミングで施設検索を実行する施設検索装置において、該生成された第1の実行クエリと該第1の実行クエリより前に検索された第0の実行クエリとを比較し、両者が一致する場合には、上記予め設定された検索実行タイミングをキャンセルして施設検索を実行待ちとし、新たな音声クエリの入力を受け付けたとき、該実行待ちを解除する。該実行待ちが解除されると、上記予め設定された検索実行タイミングで施設検索が実行されることになる。このように入力中の実行クエリが該実行クエリより前に検索実行された実行クエリと一致する場合には、次の音声クエリの入力を受け付けるまで施設検索を実行待ちとすることで、従来のように、既に検索実行された実行クエリと同一の実行クエリで検索が実行されることなく、検索ユーザが続く音声クエリを入力するまで検索実行を待機してくれるため、検索ユーザの便宜に資する。
【0007】
前記所定形式はテキスト形式とすることができる(第2の局面)。施設データベース及び検索クエリ履歴データベースに格納される各データはテキスト形式で格納されていることが大半であるため、それらのデータと照合し比較するために、音声クエリもテキスト形式に変換することが好ましい。
【0008】
前記第1の生成部は、前記変換されたデータに基づいて音声認識揺れを考慮して複数の前記実行クエリを生成することとしてもよい(第3の局面)。当該音声認識揺れを考慮した実行クエリは、例えば、濁音、半濁音、長音の有無、母音が同一であることによる音の類似、などを考慮して生成される。また、実行クエリが英語である場合には、上記の他、例えば、「r」と「l」、「m」と「n」、「s」と「th」と「sh」、「u」と「ar」、「ea」と「ee」等のように発音の類似に基づいて音声認識揺れ文字列を作成することができる。音声認識揺れを考慮して実行クエリを生成することにより、より実態に即した施設検索が可能となる。
【0009】
前記判定部は、音節単位又は単語単位で前記第1の実行クエリが前記第0の実行クエリと一致するか否か判定することとしてもよい(第4の局面)。
ここで、音節単位とは、母音を中心に区切られる単位であり、母音のみ、子音+母音、等の単位で区切られる。単語単位とは、例えば、単語ごとに収録された辞書データベースを参照して認識される単語の単位を意味する。
【0010】
また、この発明の第5の局面は次のように規定される。即ち、
施設に関する情報を格納する施設データベースに格納する第1の格納ステップと、音声クエリの入力を受け付ける入力受付ステップと、前記入力を受け付けた音声クエリを構成する音声データを所定形式のデータに変換する形式変換ステップと、前記変換されたデータに基づいて、後記施設検索ステップでの検索が実行可能な実行クエリを生成する第1の生成ステップと、前記施設データベースを参照して該生成された実行クエリに対応する施設の検索を実行する施設検索ステップと、該施設検索ステップにおいて予め設定された検索実行タイミングで検索を実行するよう制御する検索実行制御ステップと、前記検索された施設を出力する検索結果出力ステップと、を備える施設検索方法であって、
前記検索された実行クエリをその検索実行時刻と関連付けて検索クエリ履歴データベースに格納する第2の格納ステップと、
特定部が、前記検索クエリ履歴データベースを参照して、前記生成された実行クエリとしての第1の実行クエリより前に検索された第0の実行クエリを特定する特定ステップと、
判定部が、前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するか否か判定する判定ステップと、を備え、
前記検索実行制御ステップは、前記判定の結果、前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するとき、前記施設検索ステップの検索を実行待ちとし、前記入力受付ステップで新たな音声クエリの入力を受け付けたとき前記実行待ちを解除する、
施設検索方法。
このように規定される第5の局面の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0011】
この発明の第6の局面は次のように規定される。即ち、
第5の局面に規定の方法において、前記所定形式はテキスト形式である。
このように規定される第6の局面の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0012】
この発明の第7の局面は次のように規定される。即ち、
第5又は第6の局面に規定の方法において、前記第1の生成ステップでは、前記変換されたデータに基づいて音声認識揺れを考慮して複数の前記実行クエリを生成する。
このように規定される第7の局面の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0013】
この発明の第8の局面は次のように規定される。即ち、
第5〜第7の局面に規定の方法において、前記判定ステップでは、音節単位又は単語単位で前記第1の実行クエリが前記第0の実行クエリと一致するか否か判定する。
このように規定される第8の局面の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0014】
更に、この発明の第9の局面は次のように規定される。即ち、
コンピュータを、施設に関する情報を施設データベースに格納する第1の格納手段と、音声クエリの入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力を受け付けた音声クエリを構成する音声データを所定形式のデータに変換する形式変換手段と、前記変換されたデータに基づいて、後記施設検索手段での検索が実行可能な実行クエリを生成する第1の生成手段と、前記施設データベースを参照して該生成された実行クエリに対応する施設の検索を実行する施設検索手段と、該施設検索手段が予め設定された検索実行タイミングで検索を実行するよう制御する検索実行制御手段と、前記検索された施設を出力する検索結果出力手段、として機能させるコンピュータプログラムであって、コンピュータを、更に、
前記検索された実行クエリをその検索実行時刻と関連付けて検索クエリ履歴データベースに格納する第2の格納手段と、
前記検索クエリ履歴データベースを参照して、前記生成された実行クエリとしての第1の実行クエリより前に検索された第0の実行クエリを特定する特定手段と、
前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するか否か判定する判定手段、として機能させ、
前記検索実行制御手段は、前記判定の結果、前記第1の実行クエリと前記第0の実行クエリとが一致するとき、前記施設検索手段の検索を実行待ちとし、前記入力受付手段が新たな音声クエリの入力を受け付けたとき前記実行待ちを解除する、
コンピュータプログラム。
このように規定される第9の局面の発明によれば、第1の局面と同等の効果を奏する。
【0015】
この発明の第10の局面は次のように規定される。即ち、
第9の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記所定形式はテキスト形式である。
このように規定される第10の局面の発明によれば、第2の局面と同等の効果を奏する。
【0016】
この発明の第11の局面は次のように規定される。即ち、
第9又は第10の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記第1の生成手段は、前記変換されたデータに基づいて音声認識揺れを考慮して複数の前記実行クエリを生成する。
このように規定される第11の局面の発明によれば、第3の局面と同等の効果を奏する。
【0017】
この発明の第12の局面は次のように規定される。即ち、
第9〜第11の局面に規定のコンピュータプログラムにおいて、前記判定手段は、音節単位又は単語単位で前記第1の実行クエリが前記第0の実行クエリと一致するか否か判定する。
このように規定される第12の局面の発明によれば、第4の局面と同等の効果を奏する。
【0018】
第9〜第12のいずれかの局面に規定されるコンピュータプログラムを記録する記録媒体が第13の局面として規定される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の実施の形態の施設検索装置1の構成を示すブロック図である。
図2図2は、(A)検索クエリ履歴データベース3に格納される検索クエリ履歴テーブルの一例を示す説明図、(B)施設データベース5に格納される検索テーブルの一例を示す説明図、である。
図3図3は、本発明の実施の形態の施設検索装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、本発明の他の実施の形態の施設検索装置21の構成を示すブロック図である。
図5図5は、本発明の実施例のナビゲーション装置51の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施形態の施設検索装置を説明する。
図1に、施設検索装置1の概略構成を示す。適宜、図2に示すテーブルを用いて、以下に説明する。
図1に示すように、この施設検索装置1は、検索クエリ履歴データベース3、施設データベース5、入力受付部7、形式変換部9、第1の生成部11、特定部13、判定部15、検索実行制御部17、施設検索部19及び検索結果出力部20を備えている。
以下の例において、検索ユーザは、博多ラーメン店について実行クエリ「ハカタラーメン」で施設検索を実行し(第0の検索)、続いて、得られた検索結果をさらに中洲に位置する博多ラーメン店に絞るべく検索(第1の検索)を行おうとしている。
【0021】
検索クエリ履歴データベース3には、後述の施設検索部19で検索された実行クエリがその検索実行日時と関連付けて格納されている。検索クエリ履歴データベース3には、例えば、検索クエリ履歴テーブルが格納される。検索クエリ履歴テーブルのデータ構造の一例を図2(A)に示す。図2(A)に示すように、検索クエリ履歴テーブルは、検索実行日時欄、実行クエリ欄等を有している。検索実行日時欄には、その検索が実行された日時が記憶されている。実行クエリ欄には、検索実行の対象となった実行クエリが記憶されている。この例において、すでに実行された第0の検索について、実行クエリ「ハカタラーメン」がその検索実行日時「2016/10/05/10:00」と関連付けられて記憶されている。また、第0の検索の結果、図2(B)に示す施設テーブル中の施設「博多ラーメン那古野」、「博多ラーメン鳳太」、「麺どころ激中洲店」が検索されている。
【0022】
施設データベース5には、施設に関する情報が格納されている。施設データベース5には、例えば、施設テーブルが格納される。施設テーブルのデータ構造の一例を図2(B)に示す。図2(B)に示すように、施設テーブルは、施設ID欄、施設名称欄、施設住所欄、施設ジャンル欄等を有している。施設ID欄には、施設を一意に識別するための識別情報が記憶されている。施設名称欄には、遊園地やテーマパーク、飲食店、病院、駅、景勝地等の施設の名称が記憶されている。施設住所欄には、施設の住所が記憶されている。施設ジャンル欄には、遊園地やテーマパーク、飲食店、病院、駅、景勝地等施設が属するジャンルが記憶されている。施設ジャンルは、飲食店等の上位ジャンルだけでなく中位又は下位ジャンルであってもよい。例えば、上位ジャンル「飲食店」に対して、牛丼屋、ラーメン屋、カフェ等の中位ジャンルが挙げられ、中位ジャンル「ラーメン屋」に対して、「博多ラーメン」、「台湾ラーメン」、「つけ麺」等の下位ジャンルが挙げられる。該施設テーブルに格納される他の情報としては、後述の第1の生成部11で生成された実行クエリと比較が容易なように、各情報をカタカナやアルファベットで表した情報が関連付けられていることが好ましい。
【0023】
入力受付部7は、ユーザによる音声クエリの入力を受け付ける。当該音声クエリは、ユーザが検索時に音声により入力する単語やフレーズ等を構成する音声データであり、検索条件等検索データベースに対する要求や問い合わせを構成するための音声データである。当該音声データは、例えば、この施設検索装置1を備えるナビゲーション装置に備えられたマイクロフォン等の入力部を用いることによってその入力を受け付けることができる。例えば、音声クエリとして「ハ」、「カ」、「タ」、「ラー」、「メ」、「ン」等の音声の入力を順に受け付ける。
【0024】
形式変換部9は、入力受付部7で入力を受け付けた音声クエリを構成する音声データを所定形式のデータに変換する。所定形式のデータとしては、テキストデータ等のデジタルデータが挙げられる。該テキストデータとしては、ひらがな、カタカナ、アルファベット、数字、記号等が挙げられ、これらのうちの1つ、あるいは2つ以上を組み合わせたものが挙げられる。形式変換部9は、例えば、A/D変換(Analog/Digital Conversion)等の音声処理によって、音声データをテキストデータに変換する。この例において、例えば、音声クエリ「ハ」はテキストデータ「ハ」に変換される。入力受付部7で、音声クエリ「ハ」に続いて入力を受け付けた「カ」、「タ」、「ラー」、「メ」、「ン」についても、テキストデータ「カ」、「タ」、「ラー」、「メ」、「ン」等のテキストデータに変換される。
【0025】
第1の生成部11は、形式変換部9で変換されたデータに基づいて、施設検索部19での検索が実行可能な実行クエリを生成する。第1の生成部11は、例えば、形式変換部9で変換されたテキストデータ「ハ」、「カ」、「タ」、「ラー」、「メ」、「ン」を単に連結して、実行クエリ「ハカタラーメン」を生成することができる。他の例として、上記連結されたテキストデータを必要に応じて漢字、ひらがなに変換し、例えば、実行クエリとして「博多ラーメン」を生成することもできる。また、上記連結されたテキストデータを形態素解析等の手法により分解し、分解された形態素としての構成単語と、該構成単語同士の区切りを表すスペース、文字又は記号とを組み合わせて、実行クエリを生成してもよい。例えば、「ハカタラーメン」、「博多ラーメン」を形態素解析等の手法により分解し、分解された形態素としての構成単語「ハカタ」と「ラーメン」との間にスペースを追加して、「ハカタ(スペース)ラーメン」で表される実行クエリを生成することができる。上記区切りを表す記号としては、カンマ、ハイフン、アンダーバー、スラッシュ、セミコロン、プラス等が挙げられる。ここで、形態素解析とは、文を意味を持つ最小単位である形態素に分割し、品詞情報等が付与された形態素辞書を用いて各形態素の品詞等を判別する手法をいう。また、入力受付部7が無音区間の入力を受け付けた場合には、該無音区間に対応する部分に上記と同様区切りを表すスペース等を加えてもよい。例えば、「ハカタラーメン」と「ナカス」の間に無音区間が含まれる場合に、実行クエリ「ハカタラーメン(スペース)ナカス」を生成することができる。
【0026】
特定部13は、検索クエリ履歴データベース3を参照して、第1の生成部11で生成された実行クエリとしての第1の実行クエリより前に検索された第0の実行クエリを特定する。第0の実行クエリは、第1の実行クエリより前に検索された第0の検索の実行クエリであれば特に限定されないが、例えば、第1の実行クエリの直前に検索された実行クエリ「ハカタラーメン」と特定することができる。他の例として、第1の実行クエリと同一の検索セッション内の実行クエリのいずれかを第0の実行クエリと特定することができる。第1の実行クエリと同一の検索セッションである第0の実行クエリの例として、第1の実行クエリの検索時刻前所定時間内に検索された実行クエリのいずれかの実行クエリが挙げられる。また、車両のイグニションがオンされてからオフされるまでの間に行われる検索を同一の検索セッションとしてもよい。この例において、特定部13は、第1の生成部11で生成された第1の実行クエリ「ハカタラーメン」の直前に検索された検索時刻「2016/10/05/10:00」の実行クエリ「ハカタラーメン」を第0の実行クエリと特定することができる。
【0027】
判定部15は、第1の生成部11で生成された第1の実行クエリと、特定部13で特定された第0の実行クエリとが一致するか否か判定する。当該判定部15は、例えば、第1の実行クエリのテキストデータと第0の実行クエリのテキストデータとを比較し両者が完全一致したとき、両者は「一致」すると判定することができる。他の例として、第0の実行クエリに対して、音声認識の揺れを考慮した音声認識揺れ用語を作成し、当該作成された音声認識揺れ用語のテキストデータのうちの一と完全一致したとき、第1の実行クエリと第0の実行クエリとが「一致」すると判定してもよい。この例において、第1の実行クエリ「ハカタラーメン」と第0の実行クエリ「ハカタラーメン」は完全一致するため、「一致」である旨の判定結果が後述の検索実行制御部17へ送られる。
【0028】
検索実行制御部17は、判定部15の判定の結果に基づき、後述の施設検索部19の検索実行タイミングを制御する。すなわち、検索実行制御部17は、従来の第1の検索実行タイミングをキャンセルし、この発明の第2の検索実行タイミングに切り替える制御を行う。具体的には、検索実行制御部17は、判定部15が、第1の実行クエリと第0の実行クエリとが一致しない旨の判定を行ったときには、従来の制御に従い、第1の検索実行タイミングとしての、予め定められた検索実行タイミングで施設検索部19の検索が実行されるよう制御される。従来の制御として、例えば、入力受付部7が最後の音声データ(上記の例において「ン」)の入力を受け付けた後所定の無音区間(1秒等)を受け付けたとき検索が実行される検索実行タイミングが挙げられる。一方、判定部15が、第1の実行クエリと第0の実行クエリとが一致する旨の判定を行ったとき、検索実行制御部17は、施設検索部19の検索を実行待ちとし、入力受付部7が新たな音声クエリの入力を受け付けたとき該実行待ちを解除するよう検索実行タイミング(第2の検索実行タイミング)を制御する。すなわち、検索実行制御部17は、入力受付部7が最後の音声データの入力(例えば、「ハカタラーメン」の「ン」)を受け付けた後上記所定の無音区間のカウントを行うことなく検索の実行を待ち状態とし、入力受付部7が新たな音声クエリ(例えば、「ナカス」の「ナ」)の入力を受け付けたとき該実行待ちを解除し、該新たな音声クエリの最後の音声入力(例えば、「ナカス」の「ス」)から上記所定の無音区間を経過したとき、検索が実行されるよう制御される。
【0029】
この例において、入力受付部7が新たな音声クエリ「ナカス」の入力を受け付けた場合、形式変換部9でテキストデータ「ナカス」に変換され、第1の生成部11は、第1の実行クエリとして、テキストデータ「ナカス」を加えた「ハカタラーメン(スペース)ナカス」を生成する。そして、検索クエリ履歴データベースに3には、第1の実行クエリ「ハカタラーメン(スペース)ナカス」と一致する第0の実行クエリは存在しないため、検索実行制御部17は、施設検索部19が第1の検索実行タイミングで検索を実行するように、すなわち、入力受付部7が所定の無音区間の入力を受け付けた後、施設検索部19が検索を実行するように制御する。具体的には、新たな音声クエリの最後の「ス」の入力を受付けた後上記無音区間が経過したとき検索が実行されるよう制御する。
【0030】
施設検索部19は、施設データベース5を参照して第1の生成部11で生成された第1の実行クエリに対応する施設の検索を実行する。当該検索の方法としては、特に限定されず、定法により施設を検索することができる。例えば、実行クエリを構成する文字列と施設データベース中に格納されている施設名称や施設住所、施設ジャンル等のキーワードを構成する文字列とを比較し、完全一致、前方一致、部分一致等しているか否かで、実行クエリに対応する施設を検索することができる。この例において、施設検索部19は、第1の生成部11で最終的に生成された第1の実行クエリ、例えば、「ハカタラーメン(スペース)ナカス」に基づいて施設検索を実行することができる。この例において、図2(B)に示す施設テーブル中、施設名称、施設住所、施設ジャンルのいずれかに、「ハカタラーメン」、「ナカス」を含む施設が検索される。具体的には、施設名称に「博多ラーメン(ハカタラーメン)」、施設住所に「中洲(ナカス)」を含む施設「博多ラーメン鳳太」、施設名称及び施設住所に「中洲(ナカス)」、施設ジャンルに「博多ラーメン(ハカタラーメン)」を含む施設「麺どころ激中洲店」が検索結果として挙げられる。また、検索結果としての施設には定法による出力順位を決定するための一般スコアが関連付けられていてもよい。当該一般スコアは、例えば、完全一致、前方一致、部分一致等の一致の程度や、該一致している文字列の長短に応じて、より一致の程度が高い施設に高い一般スコアを付与することができる。
検索結果出力部20は、施設検索部19で検索された施設を出力する。
【0031】
図3を用いて、図1に示す装置1の動作の一例を説明する。
まず、ステップ1では、入力受付部7は、ユーザによる音声クエリ「ハ」の入力を受け付ける。続けて、「カ」、「タ」、「ラー」、「メ」、「ン」の音声クエリの入力を受け付ける。
ステップ3では、形式変換部9は、ステップ1で入力を受け付けた音声クエリとしての音声データ「ハ」をテキストデータ「ハ」に変換する。続けて、音声データ「カ」、「タ」、「ラー」、「メ」、「ン」をテキストデータ「カ」、「タ」、「ラー」、「メ」、「ン」に変換する。
ステップ5では、第1の生成部11は、ステップ3で変換されたテキストデータ「ハ」、「カ」、「タ」、「ラー」、「メ」、「ン」を連結して、第1の実行クエリ「ハカタラーメン」を生成する。
【0032】
ステップ7では、特定部13は、検索クエリ履歴データベース3を参照して、ステップ5で生成された第1の実行クエリ「ハカタラーメン」の直前に検索された第0の実行クエリ「ハカタラーメン」を特定する。
ステップ9では、判定部15は、ステップ5で生成された第1の実行クエリ「ハカタラーメン」とステップ7で特定された第0の実行クエリ「ハカタラーメン」とが一致するか否か判定する。両者が一致するとき(ステップ11:No)、ステップ13へ進む。
ステップ13では、検索実行制御部17は、通常の検索実行タイミングをキャンセルし、施設検索部19の検索を実行待ち状態に制御する。そして、該実行待ち状態の間に新たな音声クエリ「ナカス」の入力を受け付けたとき(ステップ15:Yes)、第1の生成部11は、ステップ15の音声クエリに基づき、新たな第1の実行クエリ「ハカタラーメン(スペース)ナカス」を生成し(ステップ17)、検索実行制御部17は、ステップ13の実行待ち状態を解除する(ステップ19)。
【0033】
ステップ21では、施設検索部19は、入力受付部7が所定の無音区間の入力を経過した後、第1の実行クエリに基づき、施設検索を実行する。ステップ21で用いられる第1の実行クエリとしては、ステップ19で新たな第1の実行クエリが生成された場合にはステップ19で生成された第1の実行クエリが用いられ、ステップ19で新たな第1の実行クエリが生成されなかった場合(ステップ11:No又はステップ15:Noの場合)にはステップ5で生成された第1の実行クエリが用いられる。
ステップ23では、検索結果出力部20は、ステップ21で検索された施設を出力する。
【0034】
図4に、他の実施形態の施設検索装置21を示す。図4において、図1と同一の要素には同一の符号を付して、その説明を部分的に省略する。
図4に示すのは、検索クエリ履歴データベース3に格納される第0の実行クエリについてその音声認識揺れを考慮可能な施設検索装置21である。すなわち、当該装置21は、図1に示す装置1において、作成部25を更に備え、検索クエリ履歴データベース3及び判定部15に代えて検索クエリ履歴データベース23及び判定部27を備えている。
【0035】
検索クエリ履歴データベース23は、検索クエリ履歴データベース3と同様に施設検索部19で検索実行された実行クエリを格納し、これに加えて、該実行クエリに関連付けて後述の作成部25で作成された音声認識揺れ文字列を格納している。
作成部25は、検索クエリ履歴データベース23を参照し、検索クエリ履歴データベース23に格納された第0の実行クエリの音声認識揺れを考慮した音声認識揺れ文字列を作成する。当該作成の方法は、特に限定されないが、濁音、半濁音、長音の有無、母音が同一であることによる音の類似、などに基づいて作成することができる。例えば、第0の実行クエリ「ハカタラーメン」について、「ハガタラーメン」、「ハカタラメン」、「ハカタラアメン」等を音声認識揺れ文字列として作成することができる。当該作成された音声認識揺れ文字列は、第0の実行クエリと関連付けて検索クエリ履歴データベース23に格納される。
【0036】
判定部27は、第1の生成部11で生成された第1の実行クエリと、特定部13で特定された第0の実行クエリ又は第0の実行クエリに関連付けられた音声認識揺れ文字列のいずれかが一致するか否か判定する。当該判定の方法は、判定部15と同様の方法により行うことができる。すなわち、第1の実行クエリのテキストデータに、完全一致する第0の実行クエリ又は音声認識揺れ文字列が存在するとき、第1の実行クエリと第0の実行クエリは「一致」すると判定することができる。具体的に、第0の実行クエリ「ハカタラーメン」に対して、第1の実行クエリ「ハカタラアメン」であるとき、第0の実行クエリ「ハカタラーメン」とは完全一致しないが、音声認識揺れ文字列「ハカタラアメン」と完全一致するため、判定部27は、両者を「一致」すると判定する。
【0037】
この例において、入力受付部7が、続けて「ナカス」の入力を受け付けた場合、第1の生成部11は第1の実行クエリ「ハカタラアメン(スペース)ナカス」を生成することができる。
上述のように、音声認識揺れ文字列のデータを有する場合、施設検索部19は、施設データベース5を参照して施設検索する際、実行クエリに関連付けられた音声認識揺れ文字列を考慮して検索を実行することとしてもよい。この場合、第1の実行クエリ「ハカタラアメン(スペース)ナカス」中の「ハカタラアメン」を施設名称等に含む施設に加えて、「ハカタラアメン」の音声認識揺れ文字列である「ハカタラーメン」を施設名称等に含む施設についても検索される。
【0038】
図5に、実施例のナビゲーション装置51を示す。図5において、図1と同一の要素には同一の符号を付して、その説明を部分的に省略する。
ナビゲーション装置51は、図1に示す施設検索装置1が備える各構成、すなわち、検索クエリ履歴データベース3、施設データベース5、入力受付部7、形式変換部9、第1の生成部11、特定部13、判定部15、検索実行制御部17、施設検索部19及び検索結果出力部20に加えて、制御部510、メモリ部511、入力部512、出力部513、インターフェース部514及び現在位置特定部515を備えている。
【0039】
制御部510はCPU、バッファメモリその他の装置を備えたコンピュータ装置であり、ナビゲーション装置51を構成する他の要素を制御する。
メモリ部511にはコンピュータプログラムが保存され、このコンピュータプログラムはコンピュータ装置である制御部510に読み込まれて、これを機能させる。このコンピュータプログラムは、ナビゲーション装置の記憶装置としての内蔵ハードディスク又は内蔵メモリ、ナビゲーション装置に差し替え可能な記憶媒体としてのSD(登録商標)メモリカード、メモリスティック、スマートメディア、コンパクトフラッシュ(登録商標)、DVD等の汎用的な媒体へ保存できる。
【0040】
入力部512は、例えば、ユーザの指令の入力に用いられる。具体的には、実行クエリの音声による入力を可能とするマイクロフォン等の音声入力装置が用いられる。また、検索結果の選択等に用いることが可能な入力部512として、マウス、ライトペン又はディスプレイの表示内容と協働するタッチパネル等のポインティングデバイスやキーボードを備えることができる。
出力部513はディスプレイを含み、入力画面、検索結果、施設の詳細情報を表示する際に機能する。他にも、出力部513によって出力される情報の他、一般的なナビゲーション装置において出力される目的地検索のための検索画面、地図、現在位置特定部で特定された車両の位置、案内経路、その他の情報を表示する。この出力部513は、検索結果出力部20を備えている。検索結果出力部20の機能については、上述の通りである。
【0041】
インターフェース部514はナビゲーション装置51を無線ネットワーク等へ連結させる。
現在位置特定部515は、GPS装置やジャイロ装置によりナビゲーション装置51の現在の位置情報を特定する。併せて、現在時刻を特定することもできる。
【0042】
別の例として、図1の施設検索装置1において、入力受付部7が英語による音声入力を受け付けた場合について説明する。この例において、検索ユーザは、ピザ店「California Pizza Kitchen」について施設検索を実行し(第0の検索)、続いて、得られた検索結果をさらにSan Diegoに位置する「California Pizza Kitchen」に絞るべく検索(第1の検索)を行おうとしている。すなわち、検索クエリ履歴データベース3には、すでに実行された第0の検索として実行クエリ「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」がその検索実行日時と関連付けられて記録されている。
入力受付部7は、ユーザによる音声クエリとして、「CaliforniaPizzaKitchen」の音声クエリの入力を受け付ける。
形式変換部9は、入力受付部7で受け付けた音声クエリ「CaliforniaPizzaKitchen」をテキストデータに変換する。すなわち、上記音声クエリを「CaliforniaPizzaKitchen」で表されるテキストデータに変換する。
【0043】
第1の生成部11は、形式変換部9で変換されたテキストデータ「CaliforniaPizzaKitchen」に基づいて、施設検索部19での検索が実行可能な第1の実行クエリを生成する。この場合、テキストデータ「CaliforniaPizzaKitchen」を単語辞書等を参照して各構成単語「California」、「Pizza」、「Kitchen」に分解し、該構成単語間にスペースを挿入して繋げることにより「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」が第1の実行クエリとして生成される。
特定部13は、検索クエリ履歴データベース3を参照して、第1の生成部11で生成された第1の実行クエリ「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」の直前に検索された「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」を第0の実行クエリとして特定する。
【0044】
判定部15は、第1の生成部11で生成された第1の実行クエリ「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」と、特定部13で特定された第0の実行クエリ「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」とが一致するか否か判定する。この例において、第1の実行クエリ「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」は第0の実行クエリ「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」と語順通り一致するため、両者は一致すると判定することができる。
【0045】
検索実行制御部17は、判定部15による第1の実行クエリと第0の実行クエリが一致する旨の判定結果に基づいて、従来の第1の検索実行タイミングをキャンセルし、第2の検索実行タイミングに切り替える。すなわち、検索実行制御部17は、施設検索部19の検索を実行待ちとし、入力受付部7が新たな音声クエリの入力を受け付けたとき該実行待ちを解除する第2の検索実行タイミングに切り替える。具体的には、音声クエリ「CaliforniaPizzaKitchen」の最後の音の入力を受け付けた後所定の無音区間のカウントを行うことなく検索実行を待機する。その後、入力受付部7が、新たな音声クエリ「SanDiego」の最初の音の入力を受け付けたとき、第2の検索実行タイミングの実行待ちを解除する。すなわち、新たな音声クエリ「SanDiego」の入力を受け付けると、該新たな音声クエリの入力受付後所定の無音区間を経過したとき、検索が実行される第1の検索実行タイミングに切り替わる。
【0046】
この例において、新たな音声クエリ「SanDiego」の入力を受け付けると、形式変換部9でテキストデータ「SanDiego」に形式変換され、第1の生成部11はすでに生成された「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」に「SanDiego」を加え、「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen(スペース)SanDiego」を第1の実行クエリとして生成する。続いて、判定部15は、特定部13ですでに特定された第0の検索実行クエリ「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen」と、第1の生成部11で新たに生成された第1の実行クエリ「California(スペース)Pizza(スペース)Kitchen(スペース)SanDiego」とを比較し、両者が一致するか否か判定する。両者は、単語「California」、「Pizza」、「Kitchen」の部分で語順通り一致し、単語「SanDiego」の部分で異なるため、不一致と判定される。判定部15が不一致と判定した場合には、検索実行制御部17は、検索実行タイミングを第2の検索実行タイミングに切り替えることなく、施設検索部19は、第1の検索実行タイミングで施設検索を実行する。すなわち、施設検索部19は、新たな音声クエリ「SanDiego」の最後の音の入力を受け付けた後所定の無音区間経過後に施設検索を実行する。
【0047】
また、上記のように第0の実行クエリが英語である場合には、図4に示す施設検索装置21の作成部25は、上述の通り、濁音、半濁音、長音の有無、母音が同一であることによる音の類似、などに基づいて音声認識揺れ文字列を作成する他、「r」と「l」、「m」と「n」、「s」と「th」と「sh」、「u」と「ar」、「ea」と「ee」等のように発音の類似に基づいて音声認識揺れ文字列を作成することができる。例えば、「dessert」に対して「desert」、「dining」に対して「dinning」、「sight」に対して「site」や「cite」等の音声認識揺れ文字列が挙げられる。
【0048】
以上、本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、これらのうち、2つ以上の実施の形態(実施例)を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態(実施例)を部分的に実施しても構わない。さらには、これらのうち、2つ以上の実施の形態(実施例)を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【0049】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
1 21 施設検索装置
3 23 検索クエリ履歴データベース(検索クエリ履歴DB)
5 施設データベース(施設DB)
7 入力受付部
9 形式変換部
11 第1の生成部
13 特定部
15 27 判定部
17 検索実行制御部
19 施設検索部
20 検索結果出力部
25 作成部
【要約】
施設情報を格納する施設DBを備え、入力を受け付けた音声クエリを構成する音声データを所定形式のデータに変換し、該変換されたデータに基づいて施設検索が実行可能なクエリを生成し、該施設DBを参照して該生成されたクエリに対応する施設検索を実行し、該施設検索において予め設定された検索実行タイミングで検索を実行するよう制御され、該検索された施設を出力する施設検索方法であって、該検索されたクエリをその検索実行時刻と関連付けて格納する検索クエリ履歴DBを備え、該検索クエリ履歴DBを参照して、該生成されたクエリ(第1クエリ)より前に検索された第0クエリを特定し、該第1クエリと該第0クエリとが一致するか否か判定し、該検索実行タイミングは、該判定の結果に基づき、該第1クエリと該第0クエリとが一致するとき、該施設検索を実行待ちとし、新たな音声クエリの入力を受け付けたとき該実行待ちを解除するよう制御される。
図1
図2
図3
図4
図5