特許第6113428号(P6113428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113428
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】電池収容装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/20 20060101AFI20170403BHJP
   H01M 2/10 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   H01M2/20 A
   H01M2/10 M
   H01M2/10 N
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-157135(P2012-157135)
(22)【出願日】2012年7月13日
(65)【公開番号】特開2014-22085(P2014-22085A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2015年6月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088306
【弁理士】
【氏名又は名称】小宮 良雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126343
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 浩之
(72)【発明者】
【氏名】瓶子 利夫
【審査官】 米田 健志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−100336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/20〜2/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池が一列あたり複数個並べて収容される収容部に、各電池間を仕切る仕切り部が設けられており、該仕切り部に該電池間を直列接続するための中間電極が配置されている電池収容装置であって、
該仕切り部が、二個の係止孔が形成された壁状の保持壁を該電池間にし、
該中間電極が、該保持壁を間に挟み込み可能に曲げられた断面コ字状の導電性の板部材と、該板部材の側部の一方の側に該電池の正極に接触する正極電極と、該板部材の側部の他方の側に該電池の負極に接触する負極電極とを有しており、
該板部材を該保持壁に挟み込むように挿入し、該中間電極を該保持壁に保持したとき、該保持壁の該係止孔の各々と係止する抜け防止爪が該板部材の両側部の各々に形成されていることを特徴とする電池収容装置。
【請求項2】
前記仕切り部が、前記板部材を挿入するための溝を有していることを特徴とする請求項1に記載の電池収容装置。
【請求項3】
前記板部材が、前記溝内に嵌るように隆起させた隆起部を有していることを特徴とする請求項2に記載の電池収容装置。
【請求項4】
前記板部材が非対称形状で形成されており、この非対称形状に対応する形状で前記保持壁が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電池収容装置。
【請求項5】
前記板部材は、その折り曲げ部分の一方の端部が切り欠かれて切欠き部に形成され、該切欠き部に対応する前記保持壁の位置に上方に突出する逆差し防止突起が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電池収容装置。
【請求項6】
前記正極電極が、前記板部材自体で形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電池収容装置。
【請求項7】
前記負極電極が、前記板部材に取り付けられたコイルばね、又は前記板部材自体で形成された板ばねであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の電池収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池が一列あたり複数個並べて収容される収容部に、各電池間を仕切る仕切り部及び中間電極が設けられている電池収容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
単1〜単6形等の円筒状の電池(乾電池又は充電式電池)で動作する電子機器として、例えば携帯型マルチメータ、携帯型電力計等の測定装置や、テレビのリモートコントロール送信機(リモコン送信機)、デジタルカメラ等がある。これら電子機器には、電池を交換し易いように、例えば装置の背面や底面に、蓋で開閉可能な電池の収容部が設けられている。
【0003】
このような電子機器を誤って落下させたり、ぶつけたりした場合、その衝撃で電池が収容部から飛び出してしまうという問題があった。特に電池が直列に並べられて収容されている場合、電極のばね性により複数の電池が列方向に付勢されているため、一層飛び出し易かった。
【0004】
例えば特許文献1には、一列に並んで収容される各電池間に仕切り部(突起部)を設け、そこに中間電極を配置して、電池を一つずつ電極のばねで付勢することで、電池を飛び出し難くした電池収容器が記載されている。この電池収容器の中間電極は、負極用の円錐渦巻状のコイル電極と正極用の平面渦巻状の平面部とによって形成されている。同文献中に詳細な記載はないが、この中間電極は、1本の線材をコイル電極及び平面渦巻状の平面部に巻いて形成しているか、又は、コイル電極と平面渦巻状の平面部とを別部材で形成して、半田付けや電線等で接続しているものと解される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−174628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
中間電極を1本の線材を巻いて形成する場合、形状が複雑になるので製造するために高度な技術が必要であり、中間電極のコストが高くなる。又、中間電極を2つの別部材で構成してそれらを半田付け等で接続する場合、形状が単純になるため中間電極のコストは安価になるが、接続のための人手が必要になり組み立てに時間が掛かる。
【0007】
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、一列に並んだ各電池間に配置する中間電極を低コストなものにすることができ、さらに組み立てを短時間で簡便に行うことができる電池収容装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するためになされた、特許請求の範囲の請求項1に記載された電池収容装置は、電池が一列あたり複数個並べて収容される収容部に、各電池間を仕切る仕切り部が設けられており、該仕切り部に該電池間を直列接続するための中間電極が配置されている電池収容装置であって、該仕切り部が、二個の係止孔が形成された壁状の保持壁を該電池間にし、該中間電極が、該保持壁を間に挟み込み可能に曲げられた断面コ字状の導電性の板部材と、該板部材の側部の一方の側に該電池の正極に接触する正極電極と、該板部材の側部の他方の側に該電池の負極に接触する負極電極とを有しており、該板部材を該保持壁に挟み込むように挿入し、該中間電極を該保持壁に保持したとき、該保持壁の該係止孔の各々と係止する抜け防止爪が該板部材の両側部の各々に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載された電池収容装置は、請求項1に記載されたものであり、前記仕切り部が、前記板部材を挿入するための溝を有していることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載された電池収容装置は、請求項1又は2に記載されたものであり、前記板部材が、前記溝内に嵌るように隆起させた隆起部を有していることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載された電池収容装置は、請求項1から3のいずれかに記載されたものであり、前記板部材が非対称形状で形成されており、この非対称形状に対応する形状で前記保持壁が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載された電池収容装置は、請求項4に記載されたものであり、前記板部材は、その折り曲げ部分の一方の端部が切り欠かれて切欠き部に形成され、該切欠き部に対応する前記保持壁の位置に上方に突出する逆差し防止突起が形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載された電池収容装置は、請求項1から5のいずれかに記載されたものであり、前記正極電極が、前記板部材自体で形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項7に記載された電池収容装置は、請求項1から6のいずれかに記載されたものであり、前記負極電極が、前記板部材に取り付けられたコイルばね、又は前記板部材自体で形成された板ばねであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電池収容装置によれば、中間電極が簡便な形状であるので、製造が容易になり安価なものになる。さらに、正極電極と負極電極とを例えば半田付けやコネクタ等で接続する必要がなく、仕切り部の保持壁を挟み込むように中間電極を挿入するだけで取り付けることができるので、短時間で簡便に組み立てることができる。しかも、板部材には、仕切り部の保持壁の係止孔に係止される抜け防止爪が設けられており、仕切り部に挿入した中間電極を構成する板部材は仕切り部から脱落せず、振動等の衝撃があっても仕切り部による保持を維持できる。
【0016】
仕切り部が中間電極の板部材を挿入する溝を有している場合、中間電極が仕切り部に一層確実に保持される。板部材が溝内に嵌るように隆起させた隆起部を有している場合、中間電極がより強固に保持される。
【0017】
板部材が非対称形状で形成されており、この非対称形状に対応する形状で保持壁が形成されている場合、中間電極を誤って逆向きで保持壁に取り付けようとしても、形状が合わず取り付けることができない。そのため、中間電極を正しい向きで保持壁に取り付けることができる。
【0018】
板部材の折り曲げ部分の一方の端部を切り欠いて切欠き部を形成し、この切欠き部に対応する保持壁の位置に上方に突出する逆差し防止突起を形成している場合、中間電極の逆差しを確実に防止できる。
【0019】
正極電極や負極電極が板部材自体で形成されている場合、中間電極を一層安価に製造できる。負極電極がコイルばねの場合、耐久性の優れたものになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明を適用する電池収容装置の一例である携帯型マルチメータの背面図である。
図2図1中の鎖線枠で囲んだ部分の拡大図である。
図3】中間電極6aの(a)正極電極側の斜視図、(b)負極電極側の斜視図である。
図4】中間電極6aの製造途中を示す(a)平面図、(b)側面図である。
図5図2中の仕切り部4のみを示す拡大図である。
図6図2中のA−A線断面図である。
図7図1中のB−B線断面図である。
図8】別の中間電極60を示す負極電極側の斜視図である。
図9】中間電極60の製造途中を示す(a)平面図、(b)側面図である。
図10】別の中間電極61及び仕切り部4を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
【0022】
本発明の電池収容装置の一例である携帯型マルチメータ1の背面図を図1に示す。このマルチメータ1は、一例として直方体の筐体2を有している。この筐体2の背面(図の観察面側)には、一例として単3形の4本の電池90a〜90d(以下、単に電池90ともいう)を収容するために略直方体の部屋状に窪ませた収容部3が、筐体2と一体的に樹脂で形成されている。収容部3は、一列あたり電池90を直列に2本並べて収容すると共に、その列を2列収容可能な形状に形成されている。同図では、電池90aと電池90bとが一列に並べられており、電池90cと電池90dとが一列に並べられている例を示している。
【0023】
収容部3は、図示しない取り外し式の蓋によって、開口部が開閉されるようになっている。収容部3の一端部(図の下方)の近くに形成された切欠き孔51は、蓋に形成された爪を掛止するための孔であり、収容部3の他端部(図の上方)の近くに形成された螺子孔52は蓋を螺子止めするための孔である。
【0024】
この収容部3は、正極電極11,13、負極電極12,14、仕切り部4、電池支持壁5、及び中間電極6a,6bを備えている。
【0025】
正極電極11は、電池90aの正極に接触し、正極電極13は電池90cの正極に接触する凸部付の導電性の板である。負極電極12は、電池90bの負極に接触し、負極電極14は電池90dの負極に接触するコイルばね付きの導電性の板である。正極電極11,13、及び負極電極12,14は従来の電池収容装置に使用されるものと同様のものであるので、詳細な説明は省略する。負極電極12と正極電極13とが、装置内部で電気的に接続されていて、電池90a〜90dが電気的に直列に接続されるようになっている。
【0026】
仕切り部4は、一列に並べられる2本(複数本の一例)の電池90間を仕切り、中間電極6a,6bを保持するためのものである。仕切り部4は、収容部3と一体的に樹脂で形成されている。中間電極6aは、電池90a,90b間を電気的に直列接続し、中間電極6bは、電池90c,90d間を電気的に直列接続する。
【0027】
電池支持壁5は、各電池90が列に対して横方向にずれないように電池90を支持するためのものである。電池支持壁5は、一例として電池90と接する部分が電池90の円筒径と略同径の円弧状に形成されている。この電池支持壁5は、収容部3と一体的に樹脂により形成されている。
【0028】
図1に鎖線枠で囲んだ部分の拡大図を、図2に示す。同図では、電池90を収容していない状態を示している。
【0029】
図2に示すように、仕切り部4には、中間電極6aと中間電極6bとが互いに逆向きに取り付けられている。中間電極6aと中間電極6bとは、同様の構造のものである。仕切り部4についても、中間電極6aが取り付けられる部分と中間電極6bが取り付けられる部分は、互いに逆向きに同様の構造になっている。そのため、以下では中間電極6aとそれを保持する仕切り部4の構造について説明し、中間電極6bに関する部分の説明は省略する。
【0030】
中間電極6aを図3に示す。図3(a)に、正極電極22側から観察した中間電極6aの斜視図を示し、図3(b)に、負極電極32側から観察した中間電極6aの斜視図を示す。
【0031】
同図に示すように、中間電極6aは、断面コの字状に折り曲げられた形状の導電性の板部材20を備えている。板部材20は、一例として、導電性及びばね性を有する黄銅板にニッケルメッキを施したものである。この板部材20の一方の側である側部21に、電池90(図1参照)の正極に接触する導電性の正極電極22が設けられており、他方の側である側部31に電池90の負極に接触する導電性の負極電極32が設けられている。側部21と側部31とは隙間を有して背中合わせに対向しており、正極電極22と負極電極32とが互いに逆方向を向いている。
【0032】
図3(a)に示すように、正極電極22は、電池90の正極に接触し易くするために、一例として、板部材20自体である側部21の中央部を、外側に凸状に隆起させて形成されたものである。
【0033】
側部21には、正極電極22の他に、固定用隆起部23、及び抜け防止爪24が形成されている。固定用隆起部23は、側部21の左右両側を、円弧状に外側に隆起させたものである。抜け防止爪24は、側部21の下側の一方の側端(図3(a)の右側端)に、上側が開くように背面側(側部31側)に切り起こしたものである。
【0034】
図3(b)に示すように、負極電極32は、一例として、ニッケルメッキ鋼線などを巻いて形成された導電性の円錐渦巻状のコイルばねである。この負極電極32は、側部31の中央部に、側部31の背面側(側部21側)が突出しないように取り付けられている。この負極電極32は、弾性体であり、電池90を付勢しつつ、電池90の負極に接触するためのものである(図1参照)。
【0035】
側部31には、固定用隆起部33、及び抜け防止爪34が形成されている。固定用隆起部33は、側部31の左右両側を、円弧状に外側に隆起させたものである。抜け防止爪34は、側部31の下側の他方の側端(図3(b)の右側端)に、上側が開くように背面側(側部21側)に切り起こしたものである。抜け防止爪24及び抜け防止爪34は、互いが当たらないように、位置をずらして形成されている。側部21と側部31との隙間が広く、抜け防止爪24抜け防止爪34とが当たらない場合には、位置をずらさず対向させて形成してもよい。
【0036】
この板部材20には、逆差し防止用の切欠き部28が形成されている。切欠き部28は、板部材20上部の折り曲げ部分の一方の端部を切り欠いて、板部材20を非対称形状に形成したものである。
【0037】
この中間電極6aの製造は、一例として、金属板を金型で打ち抜いたり曲げたり隆起させたりするプレス加工により、最初に板部材20を平らな状態で製造する。このプレス加工時に、板部材20の外形形状と共に、正極電極22、固定用隆起部23,32、抜け防止爪24,34、切欠き部28、及び負極電極32取付用のかしめ加工部分も同時に形成する。
【0038】
次に、図4に示すように、平らな状態の板部材20をかしめ加工して負極電極32を取り付ける。続いて、図3に示すように、板部材20を真ん中から断面コの字状に折り曲げて中間電極6aが完成する。なお、板部材20を折り曲げた後に、負極電極32を取り付けるようにしてもよい。
【0039】
次に、仕切り部4の構造について説明する。
【0040】
中間電極6a、6bを取り付ける前の仕切り部4を図5に示す。図5図2に対応している。
【0041】
仕切り部4には、電池90(図1参照)間に位置する壁状の保持壁41、溝42,43、切欠き部44,45、及び逆差し防止突起46が形成されている。
【0042】
図2に示すA−A線断面図を、図6に示す。中間電極6aは、側部21と側部31との間に保持壁41が位置するように挟み込んで仕切り部4に保持されている。側部21と側部31との間隔は、保持壁41の板厚と同程度の間隔で形成することが好ましい。
【0043】
仕切り部4の溝42には、側部21が挿入され、仕切り部4の溝43には、側部31が挿入されている。溝42は、側部21の固定用隆起部23を、ちょうど挟み込む溝幅、又は僅かに撓ませる程度の溝幅で形成されている。同様に、溝43は、側部31の固定用隆起部33を、ちょうど挟み込む溝幅、又は僅かに撓ませる程度の溝幅で形成されている。これにより、溝42に側部21がしっかりと嵌り、溝43に側部31がしっかりと嵌るため、中間電極6aが、がたつくことなく、仕切り部4に確実に保持される。
【0044】
保持壁41には、抜け防止爪34に対応する位置に、係止孔48が形成されている。中間電極6a(側部31)を抜こうとしたときに、切り起こした抜け防止爪34が係止孔48に係止されて、抜け止めされる。抜け防止爪24に対応する位置にも、係止孔49(図7参照)が形成されていて、側部21が抜け止めされている。
【0045】
図7に、図1のB−B線断面図を示す。同図では、電池90が収容されていない状態を図示している。図7(a)は、中間電極6a,6bを仕切り部4に取り付ける前の状態を図示しており、図7(b)は、中間電極6a,6bを取り付けた後の状態を図示している。
【0046】
図7(a)に示すように、保持壁41には、中間電極6a,6bの切欠き部28に対応する位置を上方に突出させた逆差し防止突起46が形成されている。そのため、図7(b)に示すように、中間電極6a,6bが正しい向きであれば、逆差し防止突起46に当たらず仕切り部4の奥まで中間電極6a,6bを挿入することができる。中間電極6a,6bを誤って逆向きで挿入しようとした場合、中間電極6a,6bが逆差し防止突起46に当たるため、奥まで挿入することができず、逆差しが防止される。
【0047】
仕切り部4には、正極電極22に対応する位置に切欠き部44が形成され、負極電極32に対応する位置に切欠き部45が形成されていて、中間電極6a,6bが電池90に接触できるようになっている。
【0048】
図7(a)に示すように、保持壁41の上から中間電極6a,6bを仕切り部4に挿入するだけで、仕切り部4に短時間で簡便に取り付けることができる。中間電極6a,6bは、各々、一体的であるので、半田付けなどの取り付け作業は不要である。また、中間電極6a,6bの構造も主に板部材20を曲げた簡便な構造であるので、安価に製造することができる。
【0049】
なお、負極電極32がコイルばねである例について説明したが、板部材20自体で負極電極を形成してもよい。
【0050】
図8に、負極電極32a側から観察した中間電極60の斜視図を示す。この中間電極60には、負極電極32aとして、側部31aを切り起こして曲げて形成した板ばねが設けられている。負極電極32a以外の構造は、中間電極6a,6bと同様である。
【0051】
この中間電極60の製造は、図9に示すように、一例として、金属板をプレス加工して、最初に板部材20aを平らな状態で製造する。このプレス加工時に、板部材20aの外形形状と共に、正極電極22、固定用隆起部23,33、抜け防止爪24,34、切欠き部28、及び負極電極32aも同時に形成する。次に、平らな状態の板部材20aを真ん中から断面コの字状に折り曲げて中間電極60が完成する。
【0052】
このように、中間電極60は、全て同一の金属板で形成されているので、一層安価に製造することができる。また、前述した中間電極6a,6bと同様に、仕切り部4に挿入するだけで、短時間に簡便に取り付けることができる。
【0053】
以上、本発明の電池収容装置の例として、マルチメータ1について説明したが、電池で動作する種々の電子機器に本発明を適用することができる。又、本発明は、単1〜単6形の乾電池を収容する装置に好ましく適用することができるが、例えばボタン型電池のように直列に配置される電池を収容する装置であれば適用可能である。
【0054】
又、負極電極32,32aが弾性体である例について説明したが、正極電極22としてコイルばねや板ばねなどの弾性体を設けてもよい。弾性体には、公知の種々のばね等を採用することができる。正極電極22及び負極電極32の少なくとも一方が弾性体であれば、電池90を付勢して、電池90の飛び出しを防止することができる。その場合、他の電極11〜14(図1参照)も中間電極6a,6bの弾性体に対応するように構成する。
【0055】
固定用隆起部23,33、逆差し防止爪24,34、切欠き部28の位置や形状、設ける数は適宜変更することができる。必要性に応じて、固定用隆起部23,33、逆差し防止爪24,34、切欠き部28は設けなくてもよい。又、固定用隆起部23,33を設けずに、仕切り部4の溝42,43の溝幅を、板部材20の板厚と同程度の幅に形成してもよい。仕切り部4に溝42,43を設けずに、保持壁41だけで中間電極6a,6bを保持させてもよい。
【0056】
又、図6図7等に示すように、板部材20の折り曲げ部分(側部21と側部31との接続部)が上方に位置するように、仕切り部4に中間電極6aを挿入すると、作業性が良いため好ましいが、板部材20の折り曲げ部分が横を向くように仕切り部4に挿入する構造にしてもよい。
【0057】
例えば、図10に示すように、側部21と側部31との接続部29が横方向を向くようにして、仕切り部4に取り付ける中間電極61を示す。この場合、仕切り部4の保持壁41aに、接続部29が通るスリット65を形成する。接続部29の下方側には切欠き部28を形成して、この切欠き部28に対応する位置の保持壁41aにはスリット65を形成せずに、逆差し防止用の壁67を形成しておくことが好ましい。なお、同図では、仕切り部4の溝42等の図示を省略している。
【0058】
スリット65に接続部29を通して、側部21と側部31との間に保持壁41を位置させることで、中間電極61が保持壁41に保持される。中間電極61を正しい向きでスリット65に差し込むと、切欠き部28があるため、接続部29が壁67に当たらず、中間電極61を奥まで挿入することができる。一方、中間電極61を逆向きで、つまり切欠き部28が上側になるようにして、スリット65に挿入すると、接続部29が壁67に当たるため、中間電極61を奥まで挿入することができず、逆差しが防止されるようになっている。同図に示すように、中間電極61の固定用隆起部23や抜け防止爪24は、中間電極61の挿入方向に沿う向きで側部21に形成する。この例では、中間電極61に1つだけ抜け防止爪24が設けられている例を示している。
【符号の説明】
【0059】
1は携帯型マルチメータ、2は筐体、3は収容部、4は仕切り部、5は電池支持壁、6a・6bは中間電極、11・13は正極電極、12・14は負極電極、20・20aは板部材、21は一方の側部、22は正極電極、23は固定用隆起部、24は抜け防止爪、28は切欠き部、29は接続部、31・31aは他方の側部、32・32aは負極電極、33は固定用隆起部、34は抜け防止爪、41・41aは保持壁、42・43は溝、44・45は切欠き部、46は逆差し防止突起、48・49は係止孔、51は切欠き孔、52は螺子孔、60・61は中間電極、65はスリット、67は壁、90a・90b・90c・90dは電池である。
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図10