特許第6113481号(P6113481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6113481車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113481
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/06 20060101AFI20170403BHJP
【FI】
   B60J5/06 H
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-270198(P2012-270198)
(22)【出願日】2012年12月11日
(65)【公開番号】特開2014-84093(P2014-84093A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年10月20日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0116458
(32)【優先日】2012年10月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100176094
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 満
(72)【発明者】
【氏名】權寧眞
(72)【発明者】
【氏名】尹炯仁
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭50−014260(JP,Y1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0031003(US,A1)
【文献】 実開昭52−023013(JP,U)
【文献】 実開昭52−046421(JP,U)
【文献】 実開昭51−099324(JP,U)
【文献】 特開2008−231747(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライディングドアに対応し、車体の側面に取り付けられる直線状のセンターレールと、
前記センターレールに沿って移動可能に備えられるベースと、
一端が前記ベースに回動可能に挿入されるリンクアームと、
前記リンクアームの他端に回動可能に連結され、外側面が車体からスライディングされるスライディングドアに結合されるスライダーと、
前記ベースに備えられ前記リンクアームの回動を制限するラッチ部と
を含み、
前記ラッチ部は、前記リンクアームの回転に応じて前記ベースの前記センターレールに対する移動を規制する、ことを特徴とする車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造。
【請求項2】
スライディングドアに対応し、車体の側面に取り付けられる直線状のセンターレールと、
前記センターレールに沿って移動可能に備えられるベースと、
一端が前記ベースに回動可能に挿入されるリンクアームと、
前記リンクアームの他端に回動可能且つ直動可能に連結され、外側面が車体からスライディングされるスライディングドアに結合されるスライダーと、
前記ベースに備えられ前記リンクアームの回動を制限するラッチ部と
を含むことを特徴とする車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造。
【請求項3】
前記ベースの外側には、ベアリングをさらに含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造。
【請求項4】
前記ベースとセンターレールには係止孔が形成され、
前記ラッチ部は、前記ベースに回動可能に備えられ、終端が前記係止孔に選択的に出入りするレバーと、
前記リンクアームの回動により、一端は前記レバーに選択的に咬合又は咬合解除となり、他端は前記リンクアームに拘束又は拘束解除されるポールと
を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造。
【請求項5】
前記レバーは、スプリングを含んで回動後復元されるようにすることを特徴とする請求項に記載の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造。
【請求項6】
前記リンクアームとスライダーの間には第1ピボット軸が形成されて前記スライダーの回動を可能にし、前記ベースとリンクアームには第2ピボット軸が形成されて前記リンクアームの回動を可能にすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造に係り、特に、スライディングドアのセンターレール曲線部の室内侵入量を低減させ、ドア開閉の作動性を向上させるための車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、小型の乗合自動車は乗客が乗、下車することができるよう、車体の側面にスライディング方式で開閉可能なスライディングドアが設けられる。
【0003】
そして、スライディングドアはドアの中間及び下部の地点にセンターローラーと下部ローラーがそれぞれ設けられており、このようなセンターローラーと下部ローラーなどは車体に設けられたレールにそれぞれ挿入され、レールに沿って転び運動することにより車体に対してスライディングされる。
【0004】
一方、近来のスライディングドアは、スイッチ操作によって自動に開閉作動されるパワースライディングドアが適用されている実情である。
【0005】
そして、前記パワースライディングドアはモーターやシリンダーなどの駆動装置と、ケーブルやベルト、プーリー、ギヤなどの幾多の動力伝達手段を利用してドアを自動に開閉させる構造を有し、前記駆動装置の動作をドアスイッチと連動して制御するECU(Electrical Control Unit)を備える。
【0006】
さらに、図1に示す通り、パワースライディングドアの駆動装置6は、車体に備えられるセンターレール2の前、後側端部に備えられるフロントプーリー3とリアプーリー4とで連結されたケーブル5を移動させ、このケーブル5に取付固定されたセンターローラー1を移動させる構造で構成される。
【0007】
なお、前記センターローラー1は、スライディングドアのドアパネルに取付固定される支持ブラケット10と、前記支持ブラケット10に取り付けられ、車体のセンターレール2に結合されて転び運動するローラー21が備えられたローラーブラケット20と、前記ローラーブラケット20に固定され、駆動装置6により移動するケーブル5が貫通して固定されるバレル30と、前記バレル30をローラーブラケット20に固定させる固定ブラケット40とで構成される。
【0008】
即ち、フロントプーリー3とリアプーリー4を経て駆動装置6に連結されたケーブル5が駆動装置6の作動によって移動し、センターローラー1がケーブル5の移動とともにセンターレール2に沿って移動しながらスライディングドアを開閉するのである。
【0009】
一方、前記固定ブラケット40は、図2に示す通り、中央部にベアリング22でローラーブラケット20に結合されて固定され、両端はホック状に撓んだホック部40aが形成され、このホック部40aがバレル30を、ケーブル5が移動する両方向に取り囲み固定している。
【0010】
しかし、従来はスライディングドアのセンターレールが曲線状でなり、室内侵入量が過多に発生して室内空間が縮小するようになるデメリットが生じており、ドアハンドルの作動力が分散されて開閉時に操作力が低下するとの問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前記の問題点を解消するための車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造に関し、特に、スライディングドアのセンターレール曲線部の室内侵入量を低減させ、ドア開閉の作動性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
このような本発明は、車体の側面に取り付けられる直線状のセンターレールと、前記センターレールに沿って移動可能に備えられるベースと、一端が前記ベースに回動可能に挿入されるリンクアームと、前記リンクアームの他端に回動可能に連結され、外側面が車体からスライディングされるスライディングドアに結合されるスライダーと、前記ベースに備えられ前記リンクアームの回動を制限するラッチ部とを含むことにより達成される。
【0013】
前記ベースの外側には、ベアリングをさらに含むようにするのが好ましい。
【0014】
前記ベースとセンターレールには係止孔が形成され、前記ラッチ部は前記ベースに回動可能に備えられ、終端が前記係止孔に選択的に出入りするレバーと、前記リンクアームの回動により、一端は前記レバーに選択的に咬合又は咬合解除となり、他端は前記リンクアームに拘束又は拘束解除されるポールとを含むようにするのが好ましい。
【0015】
このとき、前記レバーは、スプリングを含んで回動後復元されるようにするのが好ましい。
【0016】
さらに、前記リンクアームとスライダーの間には第1ピボット軸が形成されて前記スライダーの回動を可能にし、前記ベースとリンクアームには第2ピボット軸が形成されて前記リンクアームの回動を可能にするのが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
以上のような本発明は、センターレールの室内侵入量を最小化して室内空間の確保を可能にし、センターレールが直線形に適用して車両のデザインを向上させるとともに、リンク構造でなるので作動性を高めるのに効果のある発明である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】従来のスライディングドアの構造を示す図である。
図2】従来のスライディングドアの構造を示す図である。
図3】本発明の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造を示す図である。
図4】本発明の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造を示す分解斜視図である。
図5】本発明の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造の開放状態を示す図である。
図6】本発明の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造の開放状態を示す図である。
図7】本発明の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造の開放状態を示す図である。
図8】本発明の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造のラッチ部を示す図である。
図9】本発明の車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造でドア開放時のラッチ部の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を、図を参照しつつ詳しく説明する。
【0020】
本発明に係る車両用スライディングドアの直線形センターレールのリンク構造は、図3乃至図9に示す通り、車体に取り付けられるセンターレール100と、センターレール100に備えられるベース200と、ベース200に挿入されるリンクアーム300と、リンクアーム300と車体のスライディングドアとを連結するスライダー400と、リンクアーム300の回動を制限するラッチ部210とを含む。
【0021】
図3乃至図7に示す通り、センターレール100は直線状でなり車体の側面に取り付けられる。
【0022】
このとき、センターレール100は上下部に外壁が形成されたガイドレール形状でなり、後述するベース200の移動を可能にする。
【0023】
ベース200は、センターレール100に挿入されて移動可能に備えられるもので、「匚」状でなりセンターレール100に沿って移動することになる。
【0024】
このとき、ベース200の外側にはベアリング220が備えられるようにし、ベース200がセンターレール100に沿って移動することを容易にする。
【0025】
リンクアーム300は、パイプ状でなり、一端がベース200に回動可能に挿入して取り付けられる。
【0026】
ここで、リンクアーム300は、図4に示す通り、一側面が開口された形状でなり、回動時にベース200と干渉が発生しないようにするのが好ましい。
【0027】
スライダー400は、ベース200と連結されたリンクアーム300の他端に回動可能に連結されるもので、車体からスライディングされるスライディングドアにスライダー400の外側面が結合される。
【0028】
その結果、車両のスライディングドアのオープン時にスライダー400が回動及び移動することになり、スライダー400と連結されたリンクアーム300が回動及び移動することになり、リンクアーム300と連結されたベース200がセンターレール100に沿って移動することになるにつれてスライディングドアのオープンが可能になる。
【0029】
このとき、図5乃至図7に示す通り、リンクアーム300とスライダー400の間には第1ピボット軸(P1)が形成されてスライダー400の回動を可能にし、ベース200とリンクアーム300には第2ピボット軸(P2)が形成されてリンクアーム300の回動を可能にするのが好ましい。
【0030】
ラッチ部210は、ベース200の内側に備えられリンクアーム300の回動を制限する。
【0031】
一方、図4及び図8に示す通り、ベース200とセンターレール100には係止孔(H)が形成されるようにする。
【0032】
図8及び図9に示す通り、ラッチ部210はベース200に回動可能に備えられ、その終端が係止孔(H)に選択的に出入りするレバー211と、リンクアーム300の回動により、一端はレバー211に選択的に咬合又は咬合解除となり、他端はリンクアーム300に拘束又は拘束解除されるポール212をさらに含むようにするのが好ましい。
【0033】
このとき、レバー211はスプリングを含むようにして、回動後復元を可能にするのが良い。
【0034】
以下、本発明の作用及び効果を説明する。
【0035】
ドアが閉じた状態では、図5に示す通り、ベース200はセンターレール100の一端に位置し、スライダー400はスライディングドアに固定され、リンクアーム300がベース200とスライダー400を連結した状態を維持することになる。
【0036】
ドアが開放される初期状態(POP-UP)では、図6に示す通り、ドアがポップアップされると、スライダー400が回動及び移動しながら開放を用意することになる。
【0037】
このとき、ラッチ部210は、図9の(a)に示す通り、閉じ状態ではレバー211が係止孔(H)に係止された状態を維持するようにするが、開放が始まればリンクアーム300が回転を開始することになるので、ポール212を回転させ、ポール212が回転することになればポール212とリンクされたレバー211も回転することになる。
【0038】
ドアが開放される状態(TILTING & SLIDING)では、図7に示す通り、ドアの開放に伴い、レバー211の回転によってラッチングが解除されながらリンクアーム300が回動することになり、リンクアーム300が回動してベース200と垂直状態になれば、ドア開放力によりベース200がセンターレール100に沿って移動することになってドアのオープンが完了する。
【0039】
このとき、ラッチ部210は、図9の(b)及び(c)に示す通り、リンクアーム300が回転することになれば、ポール212とレバー211の咬合が解除され、レバー211が弾性力によって回転することになるに伴い係止孔(H)から離脱し、レバー211とセンターレール100の間の拘束が解除され、その結果、センターレール100に沿ってベース200が移動することが可能になる。
【0040】
一方、ドア閉鎖は開放の逆順に作動するので、これに対する詳細な説明は略する。
【0041】
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施形態と図により説明されたが、本発明はこれにより限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と特許請求の範囲内で多様な修正及び変形が可能であるのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、車両用スライディングドアの技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0043】
100 センターレール
200 ベース
210 ラッチ部
300 リンクアーム
400 スライダー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9