(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113494
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】車両用ディスクブレーキ
(51)【国際特許分類】
F16D 65/092 20060101AFI20170403BHJP
F16D 55/226 20060101ALI20170403BHJP
F16D 125/06 20120101ALN20170403BHJP
F16D 125/02 20120101ALN20170403BHJP
【FI】
F16D65/092 D
F16D55/226 104Z
F16D125:06 Z
F16D125:02
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-281207(P2012-281207)
(22)【出願日】2012年12月25日
(65)【公開番号】特開2014-126065(P2014-126065A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年11月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226677
【氏名又は名称】日信工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086210
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 一彦
(74)【代理人】
【識別番号】100128358
【弁理士】
【氏名又は名称】木戸 良彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 寛将
(72)【発明者】
【氏名】寺崎 勝一
【審査官】
長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭64−032940(JP,U)
【文献】
特開平03−051527(JP,A)
【文献】
特開2007−321869(JP,A)
【文献】
特開昭57−073239(JP,A)
【文献】
実開昭63−049032(JP,U)
【文献】
特開2002−295547(JP,A)
【文献】
実開平01−131037(JP,U)
【文献】
実開平01−124433(JP,U)
【文献】
実開平01−154340(JP,U)
【文献】
実開昭56−007132(JP,U)
【文献】
実開昭59−070943(JP,U)
【文献】
特表平06−504604(JP,A)
【文献】
実開平02−025737(JP,U)
【文献】
実開昭55−126030(JP,U)
【文献】
実開昭61−161438(JP,U)
【文献】
実開昭62−122931(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16D 65/092
F16D 55/226
F16D 125/02
F16D 125/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクロータの両側部に配置され、ライニングと裏板とを備えた一対の摩擦パッドと、キャリパボディに形成されたシリンダ孔に内挿され、前記摩擦パッドを押圧する樹脂製のピストンとを備えた車両用ディスクブレーキにおいて、
前記ピストンに押圧される前記摩擦パッドは、ディスク半径方向の長さが、前記ピストンの直径よりも短く形成され、
前記裏板は、前記ピストンと当接する面のディスク半径方向外端部に、直線状に形成した直線部を設けると共に、該直線部のディスク回転方向両側の前記ピストンが当接する面の角部に、面取り部を設けたことを特徴とする車両用ディスクブレーキ。
【請求項2】
前記直線部は、前記ディスクロータの中心と前記ピストンの中心とを通る仮想線に直交することを特徴とする請求項1記載の車両用ディスクブレーキ。
【請求項3】
前記ピストンは有底円筒状に形成され、開口部を前記摩擦パッド側に向けて前記シリンダ孔に内挿されると共に、前記ピストンの開口端面内に、前記直線部の中心部が配置されることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ディスクブレーキ。
【請求項4】
前記裏板は、前記ディスク半径方向外端部に平面部が形成され、該平面部のピストン側に面取り部が形成され、該面取り部のピストン側端部に前記直線部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の車両用ディスクブレーキ。
【請求項5】
作用部側の前記摩擦パッドは、前記裏板のピストン側面に、前記裏板の形状に沿った本体部と、前記裏板のディスク半径方向外端面よりディスク半径方向外側に突出するピストンの形状に沿った突出部とを備えたシム板を設けていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の車両用ディスクブレーキ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ディスクブレーキに係り、詳しくは、ディスクロータの両側部に配置される一対の摩擦パッドと、キャリパボディに形成されたシリンダ孔に内挿される樹脂製のピストンとを備えた車両用ディスクブレーキに関する。
【背景技術】
【0002】
キャリパボディのシリンダ孔に挿入されるピストンと、ディスクロータの両側部に配置される一対の摩擦パッドとを備えた車両用ディスクブレーキでは、車両の軽量化と、車両の操作性や燃費の向上とを図るために、樹脂製のピストンが用いられる傾向にあるが、樹脂製のピストンは摩擦パッドを押圧する押圧面(開口端面)にクラックなどの欠損が発生する可能性がある。
【0003】
また、使用する摩擦パッドを小型にして軽量化を図ろうとすると、摩擦パッドのディスク半径方向外端面よりも、ディスク半径方向外側に前記ピストンの一部が配置されることがあり、制動反力によりキャリパボディが変形すると、ピストンが傾いた状態で摩擦パッドを押動することから、ピストンに局部的に力が掛かり、ピストンが摩耗する虞があった。
【0004】
このため、シリンダ孔底部側に、ピストンに当接してピストンの傾動を抑制するようにしたもの(例えば、特許文献1参照。)や、摩擦パッドの裏板に、ディスク半径方向外周側に突出する延出部を形成し、裏板にピストンの開口端面全面が当接するようにし、ピストンの先端部に掛かる面圧の低下を図ったものがあった(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−25737号公報
【特許文献2】特開2002−295547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述の特許文献1のものでは、制動反力によりシリンダ孔を備えたキャリパボディが、ディスクロータを跨ぐブリッジ部を中心に、作用部と反作用部とが、ディスクロータから互いに離れる方向にハ字状に変形した際には、ピストンと摩擦パッドとが傾いた状態で当接し、摩擦パッドの裏板のディスク半径方向外端面が、ディスクロータの外周に略沿って湾曲して形成されていることから、ピストンと裏板とが2点又は1点で強く当たりピストンが摩耗する虞があった。
【0007】
また、特許文献2のものでは、裏板に延出部を設けることから、摩擦パッドの重量が嵩んでいた。
【0008】
そこで本発明は、制動反力によるキャリパボディの変形により、ピストンが傾いた状態で摩擦パッドに当接することがあっても、ピストンの摩耗を防止できると共に、摩擦パッドの軽量化を図ることができる樹脂製ピストンを備えた車両用ディスクブレーキを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の車両用ディスクブレーキは、ディスクロータの両側部に配置され、ライニングと裏板とを備えた一対の摩擦パッドと、キャリパボディに形成されたシリンダ孔に内挿され、前記摩擦パッドを押圧する樹脂製のピストンとを備えた車両用ディスクブレーキにおいて、前記ピストンに押圧される前記摩擦パッドは、ディスク半径方向の長さが、前記ピストンの直径よりも短く形成され、前記裏板は、前記ピストンと当接する面のディスク半径方向外端部に、直線状に形成した直線部を設ける
と共に、該直線部のディスク回転方向両側の前記ピストンが当接する面の角部に、面取り部を設けたことを特徴としている。
【0010】
また、前記直線部は、前記ディスクロータの中心と前記ピストンの中心とを通る仮想線に直交すると好ましい。さらに、前記ピストンは有底円筒状に形成され、開口部を前記摩擦パッド側に向けて前記シリンダ孔に内挿されると共に、前記ピストンの開口端面内に、前記直線部の中心部が配置されると好適である。また、
前記裏板は、前記ディスク半径方向外端部に平面部が形成され、該平面部のピストン側に面取り部が
形成され、該面取り部のピストン側端部に前記直線部が形成されていると好ましい。さらに、作用部側の前記摩擦パッドは、前記裏板のピストン側面に、前記裏板の形状に沿った本体部と、前記裏板のディスク半径方向外端面よりディスク半径方向外側に突出するピストンの形状に沿った突出部とを備えたシム板を設けていると好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の車両用ディスクブレーキによれば、摩擦パッドのディスク半径方向の長さがピストンの直径よりも短く形成されることから、摩擦パッドの軽量化を図ることができる。また、裏板がピストンと当接する面のディスク半径方向外端部に、直線状に形成した直線部を設けたことにより、制動反力によりキャリパボディが、ディスクロータを跨ぐブリッジ部を中心にハ字状に変形した際に、ピストンは、直線部に強く当たることから、ピストンと裏板とが2点又は1点で強く当たっていた従来に比べて、ピストンの摩耗を抑制することができる。
【0012】
また、直線部をディスクロータの中心と前記ピストンの中心とを通る仮想線に直交するように形成することにより、制動反力によりキャリパボディが変形した際に、ピストンを直線部に良好な状態で当接させることができる。
【0013】
さらに、ピストンを有底円筒状に形成し、開口部を摩擦パッド側に向けてシリンダ孔に内挿すると共に、ピストンの開口端面内に、直線部の中心部を配置させることにより、制動反力によりキャリパボディが変形した際に、ピストンを直線部に確実に当接させることができる。
【0014】
また、裏板の直線部のディスク回転方向両側の角部に、面取り部を設けたことにより、摩擦パッドがキャリパボディに干渉することを防止できると共に、摩擦パッドの軽量化を図ることができる。
【0015】
さらに、作用部側の摩擦パッドは、裏板のピストン側面に、裏板の形状に沿った本体部と、裏板のディスク半径方向外端面よりディスク半径方向外側に突出するピストンの形状に沿った突出部とを備えたシム板を設けたことにより、ピストンが摩擦パッドを押圧する押圧面を広げることができ、局部的に高い面圧が掛かることを抑制することができ、ピストンの摩耗を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図2】本発明の第1形態例を示す摩擦パッドとシム板とピストンの一部断面分解斜視図である。
【
図4】本発明の第1形態例を示す車両用ディスクブレーキの平面図である。
【
図5】本発明の第2形態例を示す摩擦パッドとシム板とピストンの一部断面分解斜視図である。
【
図6】同じく車両用ディスクブレーキの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1乃至
図4は、本発明の車両用ディスクブレーキの第1形態例を示す図で、矢印Aは車両前進時に車輪と一体に回転するディスクロータの回転方向である。
【0018】
この車両用ディスクブレーキ1は、車輪と一体に回転するディスクロータ2と、該ディスクロータ2の一側部で車体に固設されるキャリパブラケット3と、該キャリパブラケット3のキャリパ支持腕3a,3aに、一対のスライドピン4,4を介してディスク軸方向へ移動可能に支持されるキャリパボディ5と、該キャリパボディ5の作用部5aと反作用部5bとの内側で、ディスクロータ2を挟んで対向配置される一対の摩擦パッド6,7とを備え、摩擦パッド6,7には、シム板8,9が装着されている。
【0019】
キャリパボディ5は、ディスクロータ2の両側に配設される前記作用部5a及び反作用部5bと、これらをディスクロータ2の外周を跨いで連結するブリッジ部5cとを備え、作用部5aには、ディスクロータ2側が開口したシリンダ孔5dが設けられている。シリンダ孔5dには、有底円筒状のピストン10が、開口部を摩擦パッド側に向けてシリンダ孔5dに内挿され、ピストン10は、シリンダ孔底部の液圧室11に供給される液圧によって、シリンダ孔5dをディスクロータ方向へ移動するようになっている。また、作用部5aの両側部には、スライドピン取付腕5e,5eが突設されており、各スライドピン取付腕5eの先端には、それぞれ前記スライドピン4が、取付ボルト12にて取り付けられている。
【0020】
シリンダ孔5dの内周面には、軸方向中間部にピストンシール装着溝5fが、シリンダ孔開口側にダストシール装着溝5gがそれぞれ周設され、ピストンシール装着溝5fには、ピストン10をロールバックさせるピストンシール13が、ダストシール装着溝5gには、シリンダ孔内への塵埃の侵入を防止するダストシール14がそれぞれ嵌着されている。
【0021】
キャリパ支持腕3a,3aは、キャリパブラケット3の両側部から、ブリッジ部5cの両側を挟みながらディスクロータ2の外周をディスク軸方向に跨いでいる。各キャリパ支持腕3aには、前記スライドピン4を収容するガイド孔3bが穿設され、また、双方のキャリパ支持腕3aには、ディスクロータ2の側面で互いに向き合う一対のパッドガイド部3cがそれぞれ設けられ、各パッドガイド部3cには、互いに対向するトルク受け面3dが設けられている。さらに、パッドガイド部3cのディスク半径方向外側には、パッドリテーナ15を取り付けるパッドリテーナ取付部3eが設けられている。
【0022】
各摩擦パッド6,7は、裏板6a,7aと、該裏板6a,7aのディスクロータ側面に貼着されるライニング6b,7bとで形成され、ディスク半径方向の長さL1が、ピストン10の直径L2よりも短く形成されている。ピストン10に押圧される作用部側の摩擦パッド6の裏板6aは、ディスク半径方向外端面6cに平面部6dが形成され、該平面部6dのピストン側端部に、ピストン10と当接する直線部6eが形成され、直線部6eは、ディスクロータ2の中心P1とピストン10の中心P2とを通る仮想線CL1に直交するように形成される。さらに、裏板6aの直線部6eのディスク回転方向両側の角部には、面取り部6f,6fが形成されている。また、裏板6aのディスク回転方向両側部には耳片6g,6gが突設され、中央部にはライニング6bの結着孔6hが穿設されている。さらに、裏板6aのピストン側面には、ディスク半径方向内側両側部に、シム板8を取り付ける突部6i,6iが設けられている。
【0023】
反作用部側の摩擦パッド7の裏板7aは、ディスク半径方向外端面7cが、ディスクロータの外周に略沿って湾曲して形成され、ディスク半径方向外端面7cの中央部に、シム板9の装着溝7dが形成されている。また、作用部側の裏板6aと同様に、中央部にはライニング7bの結着孔7eが穿設され、ディスク回転方向両側部には耳片(図示せず)が突設されている。さらに、裏板7aの反ディスクロータ側面のディスクロータ半径方向外側には、面取り部7fが形成されている。
【0024】
作用部側のシム板8は、金属製の薄板で形成され、裏板6aの形状に沿った本体部8aと、裏板6aのディスク半径方向外側の外端面よりディスク半径方向外側に突出するピストン10の形状に沿った突出部8bとを備え、本体部8aには、前記裏板6aの突部6i,6iが挿通される挿通孔8c,8cが形成されている。反作用部側のシム板9は、裏板7aの形状に沿った本体部9aと、装着溝7dに挿入される爪片9bとを備えている。
【0025】
双方の摩擦パッド6,7は、シム板8,9をそれぞれ組み付けた状態で、各耳片がディスク回入側と回出側のパッドガイド部3c,3cに、それぞれパッドリテーナ15を介して支承される。作用部側では、摩擦パッド6のディスク半径方向外端面よりもディスク半径方向外側にピストン10の一部が配置されると共に、直線部6eは、
ピストン10の開口端面10a内に、直線部6eの中心部P3が配置され、シム板8は、突出部8bが裏板6bから突出するピストン10のディスク半径方向外側に対応する位置に配置される。
【0026】
上述のように形成された車両用ディスクブレーキ1は、運転者の制動操作によって、昇圧した作動液が液圧室11に供給されると、ピストン10がシリンダ孔5dを前進して、シム板8を介して作用部5a側の摩擦パッド6をディスクロータ2側に押圧する。作用部側の摩擦パッド6は、各耳片6g,6gがパッドリテーナ15,15を介して、パッドガイド部3c,3cをディスクロータ2側に移動し、ライニング6bをディスクロータ2の一側面に摺接させる。次に、この反力によって、キャリパボディ5がスライドピン4,4を介して、作用部5a方向へ移動し、反作用部5b側に設けられた反力爪5hがシム板9を介して反作用部5b側の摩擦パッド7をディスクロータ2の他側面側に押圧する。反作用部側の摩擦パッド7は、各耳片がパッドリテーナ15,15を介して、パッドガイド部3c,3cをディスクロータ2側に移動し、ライニング7bをディスクロータ2の他側面に摺接させる。
【0027】
上述のような制動時に、キャリパボディ5は制動反力により、ブリッジ部5cを中心に、作用部5aと反作用部5bとがハ字状に開く方向に変形した場合、ピストン10が、傾いた状態で摩擦パッド6に当接する。これにより、ピストン10のディスク半径方向外側が摩擦パッド6の裏板6aに形成した直線部6eに強く当接するものの、直線部6eで押圧力を受けることができることから、ピストンと裏板とが2点又は1点で強く当たっていた従来に比べて、ピストン10の摩耗を抑制することができる。また、直線部6eは、ピストン10の開口端面10a内に、直線部6eの中心部P3が配置されていることにより、ピストン10が摩擦パッド6を確実に押圧することができると共に、シム板8の突出部8bが、裏板6aから突出するピストン10のディスク半径方向外側に当接していることから、ピストン10が摩擦パッド6を押圧する押圧面を広げることができ、局部的に高い面圧が掛かることを抑制することができる。
【0028】
また、摩擦パッド6,7は、ディスク半径方向の長さL1が、ピストン10の直径L2よりも短く形成されていると共に、面取り部6f,7fが形成されていることから、摩擦パッド6,7の軽量化を図ることができ、また、面取り部6f,7fによって、摩擦パッド6,7がキャリパボディ5に干渉することを防止できる。
【0029】
図5及び
図6は、本発明の第2形態例を示すもので、第1形態例と同様の構成要素を示すものには、同一の符号をそれぞれ付して、その詳細な説明は省略する。
【0030】
本形態例では、作用部側の摩擦パッド6の裏板6aは、平面部6dのピストン側に面取り部6jが形成され、該面取り部6jのピストン側端部に、直線部6kが形成されている。
【0031】
本形態例では、第1形態例と同様に、制動時に、ピストン10が、傾いた状態で摩擦パッド6に当接すると、ピストン10のディスク半径方向外側が摩擦パッド6の裏板6aに形成した直線部6kで押圧力を受けることができると共に、面取り部6jでも押圧力を受けることができ、ピストン10の摩耗を抑制することができる。
【0032】
尚、本発明は上述の各形態例に限るものではなく、摩擦パッドにシム板を備えていないものでもよい。また、裏板に設けた直線部は、仮想線CL1に直交していなくても良く、また、直線部がピストンの開口端面の外周側に突出していても差し支えない。さらに、直線部の中心部がピストンの開口端面内になくても良い。また、ピストン対向型のディスクブレーキに適用することもできる。
【符号の説明】
【0033】
1…車両用ディスクブレーキ、2…ディスクロータ、3…キャリパブラケット、3a…キャリパ支持腕、3b…ガイド孔、3c…パッドガイド部、3d…トルク受け面、3e…パッドリテーナ取付部、4…スライドピン、5…キャリパボディ、5a…作用部、5b…反作用部、5c…ブリッジ部、5d…シリンダ孔、5e…スライドピン取付腕、5f…ピストンシール装着溝、5g…ダストシール装着溝、5h…反力爪、6…摩擦パッド、6a…裏板、6b…ライニング、6c…ディスク半径方向外端面、6d…平面部、6e…直線部、6f…面取り部、6g…耳片、6h…結着孔、6i…突部、6j…面取り部、6k…直線部、7…摩擦パッド、7a…裏板、7b…ライニング、7c…ディスク半径方向外端面、7d…装着溝、7e…結着孔、7f…面取り部、8…シム板、8a…本体部、8b…突出部、8c…挿通孔、9…シム板、9a…本体部、9b…爪片、10…ピストン、11…液圧室、12…取付ボルト、13…ピストンシール、14…ダストシール、15…パッドリテーナ