【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明に係るガレージ換気システムは、
建物又は住宅に装備された電気機器への分電を可能とする蓄電部を有する車両が駐車可能とされるガレージに設けられ、ガレージのガレージ内部を換気する換気装置と、ガレージに設けられ、ガレージ内部の音を検知する音検知部と、音検知部からの検知結果に基づき、音がガレージ内部での車両のエンジン動作により発生した特定の周波数範囲の音であると判
定し、かつ、特定の音圧レベルの音であると判
定した場合に、換気装置を駆動制御してガレージ内部を換気
し、換気装置の駆動開始から一定時間経過後に、蓄電部から電気機器へ給電されているか否か、及び車両のエンジンが停止されているか否かを判定し、給電がされていると判定した場合、又はエンジンが停止されていないと判定した場合に、換気装置を引き続き駆動制御してガレージ内部を換気する制御装置と、を備えている。
【0007】
請求項1に係るガレージ換気システムでは、ガレージに換気装置が設けられており、換気装置によりガレージ内部が換気される。例えば、換気装置により、エンジン動作に伴う車両からの排気ガスがガレージ内部から排気される。
【0008】
ここで、ガレージには音検知部が設けられると共に、制御装置が設けられている。音検知部では、ガレージ内部の音が検知される。制御装置では、音検知部の検知結果に基づき、ガレージ内部での音が車両のエンジン動作により発生した特定
の周波数範囲の音であると判定され、かつ、特定の音圧レベルの音であると判定された場合に、換気装置が駆動制御される。換気装置の駆動制御により、ガレージ内部が換気される。
更に、制御装置では、換気装置の駆動開始から一定時間経過後に、蓄電部から電気機器へ給電されているか否か、及び車両のエンジンが停止されているか否かが判定され、給電がされていると判定された場合、又エンジンが停止されていないと判定された場合に、換気装置を引き続き駆動制御してガレージ内部が換気される。このため、換気装置と、音検知部と、制御装置とを備えた簡易な構成により、車両のエンジン動作に対応してガレージ内部が換気される。
【0009】
請求項2に記載された発明に係るガレージ換気システムでは、請求項1において、
車両はエンジン及びモータの少なくとも一方の駆動で走行するハイブリッド車両
であり、車両の蓄電部に接続可能とされると共に、電源管理システムにより制御され電気機器への分電を可能とする分電盤に接続された車両連結部を更に備え、制御装置は、蓄電部から車両連結部及び分電盤を介して電気機器へ給電されたか否かを判定し、給電されたと判
定した場合に、換気装置を駆動制御してガレージ内部を換気
する。
【0010】
請求項2に係るガレージ換気システムは、ハイブリッド車両の蓄電部に接続可能な車両連結部を備えている。この車両連結部は、電源管理システムにより制御される分電盤に接続されている。例えば、建物や住宅で使用される電気機器への電力供給が不足した場合、建物や住宅への商用電源の供給が途絶えた場合等では、ハイブリッド車両の蓄電部が非常時給電設備として使用される。これにより、蓄電部から分電盤を介して電気機器へ電力が供給可能とされる。
【0011】
ここで、制御装置では、蓄電部から車両連結部及び分電盤を介して電気機器へ給電されたか否かが判定され、給電されたと判定された場合に、換気装置が駆動制御される。仮に、電気機器へ電力が供給されて蓄電部の充電量が減少した場合、ハイブリッド車両では蓄電部に充電するためにエンジンを始動して発電機による発電が開始される。このため、蓄電部から電気機器へ電力が供給された場合には、音検知部の音の検知に関係無く、換気装置が駆動制御されるので、ガレージ内部が換気される。
【0012】
請求項3に記載された発明に係るガレージ換気システムでは、請求項1又は請求項2において、制御装置で判定される特定
の周波数範囲の音及び特定の音圧レベルの音は、エンジン動作により発生したエンジン音及び排気マフラから発せられる排気音の少なくとも一方である。
【0013】
請求項3に係るガレージ換気システムによれば、特定
の周波数範囲の音及び特定の音圧レベルの音がエンジン音及び排気音の少なくとも一方とされているので、特定
の周波数範囲の音及び特定の音圧レベルの音以外の音が雑音として排除される。例えば、ハイブリッド車両がガレージ内部に駐車されている場合、ガレージ内部で発生した音が、エンジン動作により発生した音か、モータ動作により発生した音かが判定可能となる。エンジン動作により発生した音の場合には、車両から排気ガスが排出されるので、換気装置が駆動制御されてガレージ内部が換気される。モータ動作により発生した音の場合には、車両から排気ガスが排出されないので、換気装置が駆動制御されない。このため、車両がエンジンを動作させているか否か、排気ガスが排出されているか否かが容易に判定可能とされ、無駄な電力を消費せずに、効率良く換気が可能とされる。
【0014】
請求項4に記載された発明に係るガレージ換気システムでは、請求項3において、特定
の周波数範囲の音は、10Hz
〜50Hzの周波数
範囲の音である。
【0015】
請求項4に係るガレージ換気システムによれば、10Hz
〜50Hzの周波数
範囲の音は特定
の周波数範囲の音としてのエンジン音及び排気音とされ、特定
の周波数範囲の音以外の音は雑音として排除される。このため、車両がエンジンを動作させているか否か、排気ガスが排出されているか否かが容易に判定可能とされ、無駄な電力を消費せずに、効率良く換気が可能とされる。
【0016】
請求項5に記載された発明に係るガレージ換気システムでは、請求項3において、特定
の音圧レベルの音は、50dB以上の音圧レベルの音で
あり、制御装置は、50dB未満の音圧レベルの音が検知された場合に、換気装置を駆動制御しない設定とされている。
【0017】
請求項5に係るガレージ換気システムによれば、50dB以上の音圧レベルの音は特定
の音圧レベルの音としてのエンジン音及び排気音とされ、特定
の音圧レベルの音以外の音は雑音として排除される。特に、ハイブリット車両では、50dB以上の音圧レベルの音はエンジン音とされ、50dB未満の音圧レベルの音はモータ音とされている。このため、車両がエンジンを動作させているか否か、排気ガスが排出されているか否かが容易に判定可能とされ、無駄な電力を消費せずに、効率良く換気が可能とされる。
【0018】
請求項6に記載された発明に係るガレージ換気システムでは、請求項1〜請求項5のいずれか1項において、制御装置は、特定
の周波数範囲の音及び特定の音圧レベルの音であると判定された後、一定時間経過後に換気装置を駆動制御してガレージ内部を換気している。
【0019】
請求項6に係るガレージ換気システムによれば、制御装置では、特定
の周波数範囲の音及び特定の音圧レベルの音であると判定された後、一定時間経過後に換気装置が駆動制御されているので、一定時間継続されない特定の音は雑音として排除される。例えば、特定
の周波数範囲の音及び特定の音圧レベルの音と見なされる音であっても、突発的で短時間だけ発生した音の場合にはエンジン動作で発生した音の確立が極めて低く、このような場合には換気装置が駆動制御されない。このため、車両がエンジンを動作させているか否か、排気ガスが排出されているか否かが容易に判定可能とされ、無駄な電力を消費せずに、効率良く換気が可能とされる。
【0020】
請求項7に記載された発明に係るガレージ換気システムでは、請求項1〜請求項6のいずれか1項において、音検知部は、ガレージ内部の床下に敷設されている。
【0021】
請求項7に係るガレージ換気システムによれば、音検知部が床下に敷設された簡易な構成とされている。
【0022】
請求項8に記載された発明に係るガレージ換気システムでは、
請求項1又は請求項2において、制御装置は、蓄電部から電気機器へ給電されたと判定された後、一定時間経過後に、特定の周波数範囲の音及び特定の音圧レベルの音が検知されない場合、又は蓄電部から電気機器への給電が無い場合、換気装置の駆動制御を停止する。
【0023】
請求項8に係るガレージ換気システムでは、制御装置により、給電されたと判定後、一定時間経過後に、特定
の周波数範囲の音及び前記特定の音圧レベルの音が検知されない場合に、又は蓄電部から電気機器への給電が無い場合に、換気装置の駆動制御が停止される。このため、無駄な電力を消費せずに、効率良く換気が可能とされる。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に記載された発明に係るガレージ換気システムは、簡易な構成により、ガレージ内部を効率良く換気することができるという優れた効果を有する。
【0025】
請求項2に記載された発明に係るガレージ換気システムは、ハイブリッド車両の蓄電部から分電盤に電力が供給された場合でも、ガレージ内部を効率良く換気することができるという優れた効果を有する。
【0026】
請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載された発明に係るガレージ換気システムは、無駄な電力を消費せずに、ガレージ内部を効率良く換気することができるという優れた効果を有する。
【0027】
請求項7に記載された発明に係るガレージ換気システムは、音検知部が床下に敷設された簡易な構成により、ガレージ内部を効率良く換気することができるという優れた効果を有する。
【0028】
請求項8に記載された発明に係るガレージ換気システムは、ハイブリッド車両の蓄電部から分電盤に電力が供給された場合でも、無駄な電力を消費せずに、効率良くガレージ内部を換気することができるという優れた効果を有する。