特許第6113669号(P6113669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113669
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】照明器具及び照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20170403BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-4349(P2014-4349)
(22)【出願日】2014年1月14日
(65)【公開番号】特開2015-133249(P2015-133249A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年2月12日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年1月6日、大光電機株式会社がカタログ「新製品の先行ご案内」にて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591112027
【氏名又は名称】大光電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109911
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義仁
(74)【代理人】
【識別番号】100071168
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 久義
(72)【発明者】
【氏名】三木 崇史
(72)【発明者】
【氏名】山下 洋
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−069501(JP,A)
【文献】 実開昭62−139099(JP,U)
【文献】 特開2012−069308(JP,A)
【文献】 特開2013−012459(JP,A)
【文献】 特開2013−026219(JP,A)
【文献】 特開2007−005256(JP,A)
【文献】 特開2013−105729(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチを介して交流電源に接続される照明器具であって、
照明器具本体と、前記交流電源の位相を制御して前記照明器具本体の調光を行う位相制御型調光器とを備え、
前記照明器具本体は、
ユーザーにより、前記スイッチをオンからオフにした後、一定時間内に再度オンにする操作であるプルレス操作がなされたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、プルレス操作がなされたと判定された場合は調色を行う制御手段と、
前記交流電源からの入力電圧の変化を直接に監視して、前記入力電圧が一定値以下に低下したことを検出する検出手段と、
を備え
前記判定手段は、前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが検出された場合は、前記交流電源からの入力電圧の少なくとも半周期よりも長い値に予め設定された第1の一定時間の測定を開始し、前記第1の一定時間内に、前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが再度検出された場合は、前記第1の一定時間の測定開始をやり直し、前記第1の一定時間内に前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが検出されることがなく、かつ前記第1の一定時間の経過後であって、第1の一定時間の終了よりも遅く終了する予め設定された第2の一定時間の経過前に、前記入力電圧が上昇した場合はプルレス操作がなされたと判定することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
スイッチを介して交流電源に接続される照明器具であって、
照明器具本体と、前記交流電源の位相を制御して前記照明器具本体の調光を行う位相制御型調光器とを備え、
前記照明器具本体は、
ユーザーにより、前記スイッチをオンからオフにした後、一定時間内に再度オンにする操作であるプルレス操作がなされたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、プルレス操作がなされたと判定された場合は調色を行う制御手段と、
前記位相制御型調光器により前記交流電源からの入力が遮断される領域のみで動作し、前記位相制御型調光器からの漏れ電圧を吸収するためのインピーダンス低下回路と、
を備えたことを特徴とする照明器具。
【請求項3】
照明器具本体はダウンライトとして用いられる請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
スイッチを介して交流電源に接続される照明システムであって、
複数の照明器具本体と、前記交流電源の位相を制御して前記複数の照明器具本体の調光を行う位相制御型調光器とを備え、
前記各照明器具本体は、
ユーザーにより、前記スイッチをオンからオフにした後、一定時間内に再度オンにする操作であるプルレス操作がなされたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、プルレス操作がなされたと判定された場合は調色を行う制御手段と、
前記交流電源からの入力電圧の変化を直接に監視して、前記入力電圧が一定値以下に低下したことを検出する検出手段と、
を備え、
前記判定手段は、前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが検出された場合は、前記交流電源からの入力電圧の少なくとも半周期よりも長い値に予め設定された第1の一定時間の測定を開始し、前記第1の一定時間内に、前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが再度検出された場合は、前記第1の一定時間の測定開始をやり直し、前記第1の一定時間内に前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが検出されることがなく、かつ前記第1の一定時間の経過後であって、第1の一定時間の終了よりも遅く終了する予め設定された第2の一定時間の経過前に、前記入力電圧が上昇した場合はプルレス操作がなされたと判定することを特徴とする照明システム。
【請求項5】
スイッチを介して交流電源に接続される照明システムであって、
複数の照明器具本体と、前記交流電源の位相を制御して前記複数の照明器具本体の調光を行う位相制御型調光器とを備え、
前記各照明器具本体は、
ユーザーにより、前記スイッチをオンからオフにした後、一定時間内に再度オンにする操作であるプルレス操作がなされたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、プルレス操作がなされたと判定された場合は調色を行う制御手段と、
前記位相制御型調光器により前記交流電源からの入力が遮断される領域のみで動作し、前記調光器からの漏れ電圧を吸収するためのインピーダンス低下回路と、
を備えたことを特徴とする照明システム。
【請求項6】
照明器具本体はダウンライトとして用いられる請求項4または5に記載の照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、簡単な構成で照明器具本体の調光と調色が可能となる照明器具に関し、特に複数個のダウンライト等として商用交流電源に並列接続して使用される場合に好適な照明器具及び照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光源の明るさを調節する調光器を備えた照明器具は従来より公知である(例えば特許文献1)。
【0003】
このような調光器を備えた照明器具において、色温度を変化させる調色機能を実現しようとすると、従来では、調光器の他に専用の調色器が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−268092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、調光器の他に専用の調色器を備えた構成では、照明器具の全体構成が複雑化するとともに、調光器の調節用つまみの他に、調色のための専用の操作部材も必要となり、照明器具の点灯・消灯用のスイッチとともにこれらの調節用つまみや操作部材を設けるのは、設置スペースが必要以上に大きくなるという問題もあった。
【0006】
また、最近では照明器具の光源としてLEDが用いられるようになっていることもあって、調光器としてPWM信号制御調光器が専ら用いられている。
【0007】
しかし、PWM信号制御調光器では、施工時に調光器から各照明器具までPWM信号線の配線が必要であり、コストアップの要因となるとか、施工時に配線をし忘れるというような問題もある。
【0008】
特に、例えば1部屋に備えられた複数個のダウンライトの調光や調色を1つの調光器や調色器により同時に行うような場合は、配線が非常に複雑化し、コストアップの要因となるとか施工時に配線をし忘れるというような問題が、さらに顕著になっていた。
【0009】
この発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、調光機能と調色機能をより簡単な構成で実現することができるとともに、調光器から照明器具本体までの信号線の配線も不要な照明器具及び照明システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題は、以下の手段によって解決される。
(1)スイッチを介して交流電源に接続される照明器具であって、照明器具本体と、前記交流電源の位相を制御して前記照明器具本体の調光を行う位相制御型調光器とを備え、前記照明器具本体は、ユーザーにより、前記スイッチをオンからオフにした後、一定時間内に再度オンにする操作であるプルレス操作がなされたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、プルレス操作がなされたと判定された場合は調色を行う制御手段と、前記交流電源からの入力電圧の変化を直接に監視して、前記入力電圧が一定値以下に低下したことを検出する検出手段と、を備え、前記判定手段は、前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが検出された場合は、前記交流電源からの入力電圧の少なくとも半周期よりも長い値に予め設定された第1の一定時間の測定を開始し、前記第1の一定時間内に、前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが再度検出された場合は、前記第1の一定時間の測定開始をやり直し、前記第1の一定時間内に前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが検出されることがなく、かつ前記第1の一定時間の経過後であって、第1の一定時間の終了よりも遅く終了する予め設定された第2の一定時間の経過前に、前記入力電圧が上昇した場合はプルレス操作がなされたと判定することを特徴とする照明器具。
(2)スイッチを介して交流電源に接続される照明器具であって、照明器具本体と、前記交流電源の位相を制御して前記照明器具本体の調光を行う位相制御型調光器とを備え、前記照明器具本体は、ユーザーにより、前記スイッチをオンからオフにした後、一定時間内に再度オンにする操作であるプルレス操作がなされたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、プルレス操作がなされたと判定された場合は調色を行う制御手段と、前記位相制御型調光器により前記交流電源からの入力が遮断される領域のみで動作し、前記位相制御型調光器からの漏れ電圧を吸収するためのインピーダンス低下回路と、を備えたことを特徴とする照明器具。
(3)照明器具本体はダウンライトとして用いられる前項1または2に記載の照明器具。
(4)スイッチを介して交流電源に接続される照明システムであって、複数の照明器具本体と、前記交流電源の位相を制御して前記複数の照明器具本体の調光を行う位相制御型調光器とを備え、前記各照明器具本体は、ユーザーにより、前記スイッチをオンからオフにした後、一定時間内に再度オンにする操作であるプルレス操作がなされたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、プルレス操作がなされたと判定された場合は調色を行う制御手段と、前記交流電源からの入力電圧の変化を直接に監視して、前記入力電圧が一定値以下に低下したことを検出する検出手段と、を備え、前記判定手段は、前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが検出された場合は、前記交流電源からの入力電圧の少なくとも半周期よりも長い値に予め設定された第1の一定時間の測定を開始し、前記第1の一定時間内に、前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが再度検出された場合は、前記第1の一定時間の測定開始をやり直し、前記第1の一定時間内に前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが検出されることがなく、かつ前記第1の一定時間の経過後であって、第1の一定時間の終了よりも遅く終了する予め設定された第2の一定時間の経過前に、前記入力電圧が上昇した場合はプルレス操作がなされたと判定することを特徴とする照明システム。
(5)スイッチを介して交流電源に接続される照明システムであって、複数の照明器具本体と、前記交流電源の位相を制御して前記複数の照明器具本体の調光を行う位相制御型調光器とを備え、前記各照明器具本体は、ユーザーにより、前記スイッチをオンからオフにした後、一定時間内に再度オンにする操作であるプルレス操作がなされたか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、プルレス操作がなされたと判定された場合は調色を行う制御手段と、前記位相制御型調光器により前記交流電源からの入力が遮断される領域のみで動作し、前記調光器からの漏れ電圧を吸収するためのインピーダンス低下回路と、を備えたことを特徴とする照明システム。
(6)照明器具本体はダウンライトとして用いられる前項4または5に記載の照明システム。
【発明の効果】
【0011】
前項(1)に記載の発明によれば、照明器具本体の調光は位相制御型調光器により行われ、照明器具本体の調色はスイッチのプルレス操作により行われるから、調色のための専用の操作部材は不要となり、プルレス操作を行うという簡単な構成で調色機能を実現することができる。また、調色のための専用の操作部材も不要になるから、スイッチとともに調光器の操作つまみを設けるだけで良く、これらスイッチや操作つまみの設置スペースが小さくて済む。
【0012】
しかも、調光器は位相制御型のものを用いるから、PWM信号制御調光器のように、施工時に調光器から照明器具までPWM信号線の配線が必要となることはなく、その分コストアップを抑制でき、施工時に配線をし忘れるというような問題も解決できる。
【0013】
しかも、交流電源からの入力電圧の変化を直接に監視して、入力電圧が一定値以下に低下したこと検出された場合は、前記交流電源からの入力電圧の少なくとも半周期よりも長い値に予め設定された第1の一定時間の測定を開始し、前記第1の一定時間内に、前記検出手段により入力電圧が一定値以下に低下したことが再度検出された場合は、前記第1の一定時間の測定開始をやり直し、入力電圧が一定値以下に低下したことが検出されることがなく、かつ前記第1の一定時間の経過後であって、第1の一定時間の終了よりも遅く終了する予め設定された第2の一定時間の経過前に、前記入力電圧が上昇した場合はプルレス操作がなされたと判定するから、脈流入力電圧を平均化した値を基にスイッチのオフ期間を測定し、プルレス操作がなされたと判定する技術に比べて、入力電圧が一定値以下である時間、つまりスイッチがオフである時間をばらつきなく高精度に測定でき、ひいてはプルレス操作がなされたと判定するタイミングを照明器具間でばらつきなく高精度に合致させることができる。従って、例えば1部屋に備えられた複数個の照明器具本体の調光及び/または調色を1つのスイッチのプルレス操作で同時に行うような場合においても、明るさや色の変化するタイミングを照明器具本体間で精度良く揃えることができる。
【0014】
前項()に記載の発明によれば、位相制御型調光器により交流電源からの入力が遮断される領域において、インピーダンス低下回路により位相制御型調光器からの漏れ電圧を吸収できるから、入力電圧が一定値以下に低下したことの検出に対して、漏れ電圧の影響を抑制することができ、スイッチがオフである時間をばらつきなく高精度に測定でき、プルレス操作がなされたと判定するタイミングを照明器具間でばらつきなく高精度に合致させることができる。
【0015】
前項()に記載の発明によれば、ダウンライトの調光を位相制御型調光器で行いながら、調色を1つのスイッチのプルレス操作で行うことができる。
【0016】
前項()に記載の発明によれば、複数個の照明器具本体の調光を位相制御型調光器で行いながら、各照明器具本体の調色を1つのスイッチのプルレス操作で同時に行うことができる。
【0017】
しかも、脈流入力電圧を平均化した値を基にスイッチのオフ期間を測定し、プルレス操作がなされたと判定する技術に比べて、入力電圧が一定値以下である時間、つまりスイッチがオフである時間をばらつきなく高精度に測定でき、ひいてはプルレス操作がなされたと判定するタイミングを照明器具間でばらつきなく高精度に合致させることができる。
【0018】
前項()に記載の発明によれば、位相制御型調光器により交流電源からの入力が遮断される領域において、インピーダンス低下回路により位相制御型調光器からの漏れ電圧を吸収できるから、入力電圧が一定値以下に低下したことの検出に対して、漏れ電圧の影響を抑制することができ、スイッチがオフである時間をばらつきなく高精度に測定でき、プルレス操作がなされたと判定するタイミングを照明器具間でばらつきなく高精度に合致させることができる。
【0019】
前項()に記載の発明によれば、複数のダウンライトの調光を位相制御型調光器で同時に行いながら、各照明器具の調色を1つのスイッチのプルレス操作で同時に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の一実施形態に係る照明器具が用いられた照明システムの構成図である。
図2】スイッチと調光器の調光度合いを調整するための操作用のボリュームが一体に設けられたスイッチユニットが壁面等に取り付けられている状態の斜視図である。
図3】照明器具の構成を示す回路図である。
図4図3の照明器具の動作を示すフローチャートである。
図5】プルレス操作か否かの判定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
図1はこの発明の一実施形態に係る照明システム1の構成図である。この照明システム1は、複数個の照明器具本体10が、全ての照明器具本体10を同時に点灯または消灯させるスイッチ3と、全ての照明器具本体10の調光を同時に行う1台の位相制御型調光器4を介して商用交流電源2に並列に接続されている。
【0023】
位相制御型調光器4は、ユーザーによる調節つまみ(ボリューム)の操作に基づいて、交流電源2の位相を制御して交流電源2から各照明器具本体10への入力電力の供給と遮断を制御することにより、各照明器具1における光源16の明るさを調整するものである。なお、図2に示すように、前記スイッチ3と調光度合いを調整するための操作用のボリューム41がスイッチユニット5に一体に設けられると共に、スイッチユニット5は室内の壁面等に取り付けられている。
【0024】
照明器具本体10の構成を図3の回路図に示す。この照明器具本体10は、 この実施形態では、照明器具1としてダウンライトが用いられているが、ダウンライトに限定されることはない。
【0025】
図3は照明器具本体10の構成を示す回路図である。各照明器具本体10は同一の構成を有している。
【0026】
照明器具本体10は、整流回路11と、入力回路12と、AC−DC変換回路13と、制御部14と、駆動部15と、光源16等を備えている。また、この実施形態では、整流回路11の出力側にインピーダンス低下回路18が設けられている。
【0027】
整流回路11は、交流電源2からの交流入力を全波整流する回路であり、入力回路12は、整流回路11による整流後の入力電圧を分圧して電圧値を低下させるものである。この実施形態では、入力回路12は抵抗R1とR2により入力電圧を分圧する。
【0028】
AC−DC変換回路13は、整流回路11による全波整流後の入力電圧の脈流をなくして安定した直流電源を生成するものである。AC−DC変換回路13により生成された直流電源は光源16の駆動電源及び制御部14の電源等に用いられる。
【0029】
制御部14は、CPU141とROM142とRAM143を備え、照明器具本体10の全体動作を制御するものである。特にこの実施形態では、前記入力回路12で分圧され電圧値の小さくなった電圧(以下、監視電圧という)を監視することにより、ユーザーによってなされるスイッチ3のプルレス操作を検出する機能を有する。具体的な検出方法については後述する。
【0030】
前記ROM142には、CPU141の動作プログラムや、プルレス操作かどうかを判定するための各種設定値等が保存されており、CPU141はこれらの動作プログラムや設定値に従って所定の動作を行う。RAM143はCPU141が動作する際の作業領域を提供する。
【0031】
駆動部15は、光源16を駆動して点灯させると共に、制御部14によるプルレス操作の検出結果に基づいて光源16の色温度の調整、即ち調色を行う。
【0032】
光源16としては発光ダイオード(LED)製のものが好適に用いられるが、これに限定されることはない。また、この実施形態では光源16としてダウンライト用の光源が用いられているが、任意の光源を用いることが可能である。また、光源16の調色の一例として、この実施形態ではプルレス操作が行われる毎に昼白色と電球色の色温度に交互に切り替えるものとしているが、調色の仕方はこれに限定されることはなく、3種類以上の色温度に切り替える構成であっても良い。
【0033】
ところで、位相制御型調光器4が入力遮断領域にあると、調光器4のインピーダンスと調光器4の下流側のインピーダンスにより、下流側に漏れ電圧を供給してしまう。この漏れ電圧により、入力回路12の出力である監視電圧V0が影響を受け、監視電圧V0が一定電圧値V1以下になったかどうか等のタイミングの検出やスイッチ3のオフ時間の検出にばらつきを与えることになる。
【0034】
そこで、この実施形態では、位相制御型調光器4が入力遮断領域にあるときにのみ動作するインピーダンス低下回路18を整流回路11の出力側に設けている。位相制御型調光器4からの漏れ電圧をインピーダンス低下回路18で吸収することで、監視電圧V0に対する漏れ電圧の影響を抑制し、監視電圧V0が一定電圧V1以下になったタイミングやスイッチ3のオフ時間の検出をばらつき無く精度良く行えるように構成されている。
【0035】
その結果、位相制御型調光器4により調光される照明器具本体10であっても、プルレス操作がなされたと判定するタイミングを照明器具本体間でばらつきなく高精度に合致させることができ、複数個の照明器具本体10を並列に接続して各照明器具1の調色を1つのスイッチ3のプルレス操作で同時に行うような場合においても、色の変化するタイミングを照明器具間で精度良く揃えることができる。
【0036】
なお、インピーダンス低下回路18は該回路18の入力電圧が予め設定された閾値電圧V2以下になると動作を開始し、閾値電圧V2を超えて入力電圧が上昇すると動作が停止する構成となっており、これによりインピーダンス低下回路18を、位相制御型調光器4が入力遮断領域にあるときにのみ動作させ、入力遮断領域にあるときは動作を停止させることができる。
【0037】
次に、図3に示した照明器具本体10の動作を、図4のフローチャート及び図5の波形図を参照して説明する。
【0038】
図4において、ステップS11で、調光器4が入力遮断領域の時(ステップS11でYES)、ステップS12でインピーダンス低下回路18が動作する。調光器4が入力遮断領域でない時は(ステップS11でNO)、インピーダンス低下回路18は動作しない。ステップS13で、制御部14は入力回路12の出力である監視電圧V0を監視することにより、監視電圧が一定値V1以下になったかどうかを調べる。監視電圧V0が予め設定された一定値V1以下になったときは(ステップS13でYES)、ステップS14で、制御部14はそのタイミングT1を記憶する。
【0039】
次に、ステップS15で、制御部14はタイミングT1からの時間を測定し予め設定された一定時間t1以内に、再度、監視電圧V0が一定値V1以下になったかどうかを判断する。
【0040】
図5(A)に示すように、監視電圧V0は整流回路11による整流後の入力電圧の波形と同一の波形を有するから、制御部14は位相制御型調光器4により位相を制御された交流電源2による入力電圧の変動を、監視電圧V0を介して直接に監視していることになる。前記一定値V1はスイッチ3がオフ操作されたことを検出するための閾値であり、ゼロに近い値が設定される。
【0041】
図5(A)に示すように、監視電圧V0が一定値V1以下になったタイミングをT1とすると、タイミングT1から一定時間t1以内に、監視電圧V0が再度一定値V1以下になったかどうかが判断される。この一定時間t1は、入力電圧の脈流による電圧低下または位相制御型調光器4が入力供給領域から入力遮断領域に切り替わったときの電圧低下か、スイッチ3のオフ操作による電圧低下かを判別するための閾値であり、交流電源2の半周期よりも十分に長く、人によるスイッチ3のオフオンの連続操作に要する時間よりも短い例えば12msに設定されている。
【0042】
つまり、図5(A)に示すように、スイッチ3をオフ操作しなくても、監視電圧V0の脈流または位相制御型調光器4が入力遮断領域に切り替わったときの電圧低下により、タイミングT1とそこから半周期経過したタイミングT2で、監視電圧V0が一定値V1以下になったことが必ず検出される。しかし、これはスイッチ3のオフ操作による電圧低下ではなく、タイミングT1からタイミングT2までの経過時間は一定時間t1よりも短いから、この状態をプルレス操作の検出から排除する構成となっている。
【0043】
従って、図4のステップS15の判断の結果、タイミングT1から一定時間t1以内に、再度、監視電圧V0が一定値V1以下になった場合は(ステップS15でYES)、プルレス操作でないと判定し、ステップS16で、記憶したタイミングT1をクリアしてステップS11に戻る。
【0044】
一方、ステップS15で、監視電圧V0が一定値V1以下にならなかった場合は(ステップS15でNO)、ステップS17で、タイミングT1から予め設定された一定時間t2が経過するまでに、監視電圧V0が所定値まで上昇したかどうかを判定する。つまり、スイッチ3がオンされて監視電圧V0が回復したかどうかを判定する。上昇した場合は(ステップS17でYES)、ステップS18で、制御部14はプルレス操作と判定し、駆動部15を介して電源16の調色を行う。上昇しなかった場合は(ステップS17でNO)、何もしない。
【0045】
図5(B)に示すように、ユーザーがプルレス操作のためにスイッチ3をタイミングT1でオフし、タイミングT3でスイッチ3をオンしたとすると、監視電圧V0はタイミングT1で一定値V1以下となり、一定時間t1を超えるタイミングT3まで監視電圧V0は一定値V1を下回り、タイミングT3で電圧が回復して一定値V1を超えることとなる。
【0046】
制御部14は、監視電圧V0が一定値V1以下となったタイミングT1から一定時間t1が経過するまでに、監視電圧V0が再度一定値V1以下とならなかった場合、つまり監視電圧V0が継続して一定値V1を下回っている場合は、タイミングT1から一定時間t2が経過するまでに監視電圧V0が上昇したかどうか、換言すればスイッチ3がオンになったかどうかを判断し、オンになった場合(ステップS17でYESの場合)、プルレス操作が行われたと判定するものである。
【0047】
一方、ユーザーが照明器具1の消灯のためにスイッチ3をオフしたとすると、オフ状態が継続されるから、タイミングT1から時間t2が経過しても、監視電圧V0の電圧値は上昇しない。そこで、制御部14はタイミングT1から一定時間t2の経過までに監視電圧V0が上昇しなければ(ステップS17でNOの場合)、ユーザーは消灯のためにスイッチ3をオフしたものと判定し、そのまま何もせず処理を終了する。
【0048】
予め設定された一定時間t2は、人がスイッチ3をプルレス操作するのに要する時間よりもやや長く設定されており、一定時間t1よりも大きい値である。
【0049】
以上の説明から理解されるように、この実施形態では、一定時間t1の設定によりスイッチ3がオフされたことを確実に検出し、一定時間t2の設定により消灯のためのスイッチ3のオフ操作を排除する。そして、スイッチ3のオフ時間が一定時間t1を超えt2までの範囲のときに、プルレス操作がなされたものとして判定して調色を行うから、プルレス操作がなされたことを確実に検出することができる。
【0050】
しかも、入力電圧を入力回路12で分圧し、この分圧された監視電圧V0を制御部14で監視するから、交流電源2から位相制御型調光器4により位相を制御された照明器具本体10への入力電圧の変化を直接に監視していることと同じになり、入力電圧を平均化した値を環視し、この値を基にスイッチのオフ期間を測定する方法に較べて、高精度にオフ期間を測定することができ、ひいてはプルレス操作がなされたと判定するタイミングを照明器具1間でばらつきなく高精度に合致させることができる。その結果、複数個の照明器具本体10を並列に接続して、複数個の照明器具本体10の調色を1つのスイッチ3のプルレス操作で同時に行うような場合においても、色の変化するタイミングを照明器具本体10間で精度良く揃えることができる。
【0051】
なお、この実施形態では、位相制御型調光器4が入力遮断領域にある時に、スイッチ3がオフになっても、その時点では監視電圧V0は既に一定値V0以下になっているから、その直前に位相制御型調光器4が入力遮断領域に切り替わったときにスイッチ3がオフされたものと判断されることになる。また、位相制御型調光器4が入力遮断領域にある時にスイッチ3がオンになっても、その時点では監視電圧V0は上昇せずその直後に位相制御型調光器17が入力供給領域に切り替わった時点で監視電圧V0は上昇するから、そのタイミングをもってスイッチ3がオンされたものと判断されることになる。しかし、各照明器具本体10間で、これらのタイミングがばらつくことはないので、プルレス操作がなされたと判定するタイミングを照明器具本体10間でばらつきなく高精度に合致させることができ、複数個の照明器具本体10の調色を1つのスイッチ3のプルレス操作で同時に行うような場合においても、色の変化するタイミングを照明器具本体10間で精度良く揃えることができる。
【0052】
なお、以上の実施形態では、複数の照明器具本体10を位相制御型調光器4に並列に接続して使用する構成を説明したが、1台の照明器具本体10のみを位相制御型調光器4に接続した照明器具に適用しても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 照明システム
2 交流電源
3 スイッチ
4 位相制御型調光器
11 整流回路
12 入力回路
13 AC−DC変換回路
14 制御部
15 駆動部
16 光源
18 インピーダンス低下回路
図1
図2
図3
図4
図5