特許第6113695号(P6113695)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6113695-弾力ジェル状組成物 図000010
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113695
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】弾力ジェル状組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/87 20060101AFI20170403BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20170403BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20170403BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20170403BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20170403BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20170403BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170403BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20170403BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20170403BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20170403BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   A61K8/87
   A61K8/34
   A61K8/92
   A61K8/44
   A61K8/06
   A61K8/02
   A61Q19/00
   A61Q5/06
   A61Q1/10
   A61Q1/14
   A61Q1/04
【請求項の数】6
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-223330(P2014-223330)
(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公開番号】特開2016-88868(P2016-88868A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2015年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100149294
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 直人
(72)【発明者】
【氏名】松尾 綾野
(72)【発明者】
【氏名】藤井 孝一
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−122199(JP,A)
【文献】 特開2014−122198(JP,A)
【文献】 特開2001−226221(JP,A)
【文献】 特表平11−501645(JP,A)
【文献】 特開2016−069336(JP,A)
【文献】 特開2005−139189(JP,A)
【文献】 特開2007−291026(JP,A)
【文献】 特開2013−082686(JP,A)
【文献】 特開2000−063235(JP,A)
【文献】 特開2006−290762(JP,A)
【文献】 特許第3398171(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
C09K 3/00
C08L 75/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均粒径150nm以下の油滴を有する水中油型乳化物に、疎水変性ポリエーテルウレタンを含有せしめたことを特徴とする弾力ジェル状組成物であって、
前記油滴はα−typeゲルからなり、
前記組成物はポリグリセリル脂肪酸エステルを含まず、
増粘剤(疎水変性ポリエーテルウレタンを除く)の配合量が0.2質量%未満である、組成物。
【請求項2】
前記油滴は、炭素鎖長が16以上の高級アルコール、油分、及び界面活性剤(ただしポリグリセリル脂肪酸エステルは除く)を含むα−typeゲルからなる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記疎水変性ポリエーテルウレタンが下記式(I):
-{(O-R)-OCONH-R[-NHCOO-(R-O)-R]} (I)
[式(I)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に炭素原子数2〜4の炭化水素基を示し;Rはウレタン結合を有していてもよい炭素原子数1〜10の炭化水素基を示し;Rは炭素原子数8〜36の炭化水素基を示し;mは2以上の数であり;hは1以上の数であり;kは1〜500の数であり;nは1〜200の数である。]
で表されるものである、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記疎水変性ポリエーテルウレタンが、(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマーである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記界面活性剤が、アニオン性又はカチオン性のイオン性界面活性剤から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物からなる化粧料基剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は独特の触感を有する化粧料に関する。さらに詳しくは、ぷるぷるとした独特の弾力を有し、なおかつ高温安定性にも優れたジェル状の水中油型乳化化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
疎水変性ポリエーテルウレタン(Hydrophobically modified Ethoxylated URethane Copolymer: HEUR)は、粘度安定性及び使用性に優れた水溶性増粘剤として化粧料組成物等にも配合されている(例えば、特許文献1参照)。疎水変性ポリエーテルウレタンで増粘された組成物は、ぷるぷるした独特の感触を与え、皮膚等に塗布する化粧料基剤として魅力的である。
しかし、当該組成物は、共配合される塩濃度や組成物のpH変動による粘度変化を起こし難いという特徴を持つが、高温(例えば50℃)で保存したときに粘度低下が生じるという問題があった。特許文献1では、疎水変性ポリエーテルウレタンに加えてカルボキシビニルポリマーやキサンタンガムといった水溶性高分子を添加することにより高温での粘度低下が抑制できることが示唆されている。
【0003】
特許文献2及び3には、疎水変性ポリエーテルウレタンと増粘剤のミクロゲルとを組み合わせることにより相乗的な増粘効果が得られることが記載されている。特許文献2では寒天やジェランガム等のゲル化能を有する親水性化合物からなるゲルの粉砕により得られるミクロゲルが配合され、特許文献3では水溶性エチレン性不飽和モノマー(具体的にはジメチルアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)を分散相に溶解し分散相中でラジカル重合して得られるミクロゲルが配合されている。
【0004】
しかしながら、疎水変性ポリエーテルウレタンを含む組成物に特許文献1に記載の水溶性高分子や特許文献2及び3に記載の増粘剤のミクロゲルが共配合されると、高温安定性の改善や相乗的な増粘効果は得られるが、油性成分や両親媒性物質などの第3の成分の混合により、疎水変性ポリエーテルウレタンで増粘した組成物が有していたぷるぷるとした独特の触感が失われてしまうことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3828700号公報
【特許文献2】特許第4979095号公報
【特許文献3】特許第5035948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって本発明における課題は、疎水変性ポリエーテルウレタンで増粘した水中油型乳化組成物の高温安定性を改善し、なおかつぷるぷるとした独特の触感が保持された弾力ジェル組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、疎水変性ポリエーテルウレタンを150nm以下の微細な油滴を有する水中油型乳化物に配合することにより、他の増粘剤が存在しなくても相乗的な増粘効果が得られ、なおかつ疎水変性ポリエーテルウレタン含有組成物が元来有していた使用感(ぷるぷるした弾力のある触感)を維持したまま高温での粘度安定性を改善できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、平均粒径150nm以下の油滴を有する水中油型乳化物に、疎水変性ポリエーテルウレタンを含有せしめたことを特徴とする弾力ジェル状組成物を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の組成物は、疎水変性ポリエーテルウレタンで増粘されたぷるぷるとした独特の触感を持ち、塩濃度、pH及び温度等の外的要因による粘度変化が少なく、特に高温でも安定した粘度を維持できる。
本明細書における「ぷるぷるとした触感」、「ぷるぷる感」という表現は、疎水変性ポリエーテルウレタンの水溶液(約2質量%以上の濃度)が有するような独特の弾力のある触感を意味する。「ぷるぷるした触感を持つ組成物」は、例えば、当該組成物を指で押して負荷をかけると組成物形状の変形を伴って当該負荷に抗する適度な反発力を感じ、指を離すと形状が元通りに回復し、減衰振動を経て静止する(ぷるぷるとした弾力感)。一方、負荷の大きさが限界を超えると形状が大きく変化して組成物が一気に崩れるような感触がある。この感触は、前記特許文献3(段落0022)に記載された「新規な感触」に類似している。しかし、特許文献3では疎水変性ポリエーテルウレタンと増粘剤ミクロゲルとの組み合わせによって「新規な感触」が得られているのに対し、本発明では増粘剤ではなく低粘度の水中油型乳化物を組み合わせることにより相乗的な増粘効果があり、新規で独特のぷるぷるした触感が得られるのは驚くべきことである。しかも、特許文献3における新規な感触は微小乳化油滴が存在すると失われてしまうという事実も判明した。
なお「相乗的な増粘効果」とは、配合される各成分を単独で配合した組成物の粘度の単純和を超えて粘度が上昇する効果を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1、比較例8及び比較例15の組成物の貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の温度変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の化粧料組成物は、平均粒径150nm以下の油滴を有する水中油型乳化物に、疎水変性ポリエーテルウレタンを含有せしめたことを特徴としている。
平均粒径150nm以下の油滴を有する水中油型乳化物は、水(連続相)中に分散された油滴(分散相)の平均粒径が150nm以下の乳化組成物である。本明細書における油滴の平均粒径は、油滴の粒子形状を球状と仮定したときに、動的光散乱法等により光学的に測定された油滴の直径の平均値とする。
【0012】
化粧料等に従来汎用されていた乳化物(エマルジョン)における平均乳化粒子径は、一般的に1μm〜数百μm程度であったが、本発明で用いられる乳化物はナノメーターの平均粒子径を持つ超微細エマルジョンであり、その平均粒径は150nm以下であり、好ましくは140nm以下、例えば、130nm以下、120nm以下、110nm以下、100nm以下、90nm以下、あるいは80nm以下等とすることができる。透明又は半透明の組成物とする場合は100nm以下とするのが好ましい。平均粒子径が150nmを超えると組成物の粘弾性挙動が変化して本発明が目的とする独特の触感が得られなくなる。
平均粒径の下限値は特に限定されないが、例えば5nm以上、10nm以上、20nm以上あるいは50nm以上とすることができる。当然のことながら、本発明の乳化物における油滴の平均粒径は、上記の上限値と下限値との中間の全ての値を採ることができる。数値範囲で表せば、例えば、10〜150nm、15〜125nm、20〜100nm等の全ての数値範囲が含まれる。
【0013】
平均粒径150nm以下の微細な油滴を有する乳化物(「超微細エマルジョン」ともいう)は、凝集法あるいは分散法といった方法により調製し得る。
凝集法とは、界面化学的特性を利用したコロイド調製法であり、一様に溶け合った状態から何らかの手段で過飽和状態にし、分散相となるものを出現させる方法である。具体的な手法として、HLB温度乳化法、転相乳化法、非水乳化法、D相乳化法、及び液晶乳化法等が知られている。
分散法とは、分散相の塊を力により微細化する方法である。具体的には、乳化機の破砕力を利用して乳化する方法である。
【0014】
本発明において好ましく用いられるのは、特許第3398171号公報に記載されているような高圧乳化による分散法である。高圧乳化とは、水相成分と油相成分とを必要に応じてホモミキサー等により予備乳化し、例えば高圧下の高圧ホモジナイザーを用いた高剪断力により微細な乳化粒子を持つ乳化物を得る方法である。
【0015】
本発明の乳化物における油滴(油相又は分散相)には、少なくとも油分と界面活性剤とが含まれている。
油分としては、液状油分、固型油分、半固型油分のいずれでもよく、例えばアボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、月見草油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、水添ポリデセン等の液体油脂、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固型油脂、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カボックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等のロウ類、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアレン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル−2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸−2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソプロピル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セパチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸−2−ヘキシルデシル、パルミチン酸−2−ヘキシルデシル、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、セバチル酸ジイソプロピル、コハク酸−2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル等の合成エステル、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーン油、パーフルオロデカリン、パーフルオロヘキサン、トリパーフルオロ−n−ブチルアミン等のパーフルオロカーボンないしパーフルオロポリエーテル、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体等のビタミン類、ステロール類、天然及び合成の香料等が挙げられる。
本発明の組成物における油分の配合量は、組成物全量に対して0.5質量%以上とするのが好ましく、より好ましくは1質量%以上、例えば1.2質量%以上、1.5質量%以上あるいは2質量%以上とする。油分配合量の上限値は特に限定されないが、通常は25質量%以下、例えば20質量%以下とするのが好ましい。1〜20質量%とするのが最も好ましい。
【0016】
界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性又は両性のイオン性界面活性剤、あるいはノニオン性界面活性剤が使用でき、特に限定されるものではない。
例えば、上記の高圧乳化により調製されるマイクロエマルジョンの場合は、油滴は、両親媒性物質−界面活性剤−水系において常温以上でゲルを形成し得るものの中から選択された両親媒性物質、界面活性剤、及び油を含み、両親媒性物質及び界面活性剤の実質的全量が油滴界面に存在するものが特に好ましい。当該ゲルは、安定性の点からα−typeであることが好ましく、ゲルの転移温度が60℃以上であるのが好ましい。前記両親媒性物質としては、炭素鎖長が16以上の高級アルコール及び/又は高級脂肪酸が好ましい。具体例として、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸(ベヘニル)酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸等の高級脂肪酸、ラウリンアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、モノステアリルグリセレンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の直鎖、分岐高級アルコールなどが挙げられる。また、界面活性剤としては、アニオン性又はカチオン性のイオン性界面活性剤が好ましい。両親媒性物質−界面活性剤の組合せとしては、ベヘン酸及び/又はベヘニルアルコール(両親媒性物質)−ベヘン酸/水酸化カリウム脂肪酸石鹸(界面活性剤)、ステアリン酸及び/又はステアリルアルコ−ル(両親媒性物質)−ステアリン酸/水酸化カリウム脂肪酸石鹸(界面活性剤)、ステアリルアルコール(両親媒性物質)−セチル硫酸ナトリウム(界面活性剤)、ベヘニルアルコール(両親媒性物質)−塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(界面活性剤)、ベヘニルアルコール(両親媒性物質)−塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(界面活性剤)等が好ましい例として挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
さらに、両親媒性物質と界面活性剤の合計配合量は水相に対して0.2質量%以上であるのが好ましく、両親媒性物質と界面活性剤の合計配合量に対する油分量は1/2以上が好ましく、より好ましくは1/1以上である。
【0018】
本発明において、上記の水中油型乳化物に配合される疎水変性ポリエーテルウレタンとしては、下記式(I):
-{(O-R)-OCONH-R[-NHCOO-(R-O)-R]} (I)
で表されるものが好ましく用いられる。
上記式(I)において、R、RおよびRは、それぞれ独立に炭素原子数2〜4の炭化水素基を示す。好ましくは炭素原子数2〜4のアルキル基又はアルキレン基である。
はウレタン結合を有していてもよい炭素原子数1〜10の炭化水素基を示す。
は炭素原子数8〜36、好ましくは12〜24の炭化水素基を示す。
mは2以上の数であり、好ましくは2である。hは1以上の数であり、好ましくは1である。kは1〜500の数であり、好ましくは100〜300の数である。nは1〜200の数であり、好ましくは10〜100の数である。
【0019】
上記式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンは、例えば、R−[(O−R−OH](ここで、R、R、k、mは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルポリオールと、R−(NCO)h+1(ここで、R、hは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリイソシアネートと、HO−(R−O)−R(ここで、R、R、nは上記で定義したとおり)で表される1種または2種以上のポリエーテルモノアルコールとを反応させることにより得ることができる。
【0020】
この製造方法では、式(I)中のR〜Rは、原料となるR−[(O−R−OH]、R−(NCO)h+1、HO−(R−O)−Rにより決定される。上記3者の仕込み比は、特に限定されるものでないが、ポリエーテルポリオールおよびポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基の比が、NCO/OH=0.8:1〜1.4:1であるのが好ましい。
【0021】
上記式R−[(O−R−OH]で表されるポリエーテルポリオール化合物は、m価のポリオールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド等を付加重合することによりできる。
【0022】
ここでポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタトリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
【0023】
また、付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等により、Rが決定されるが、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるためには、炭素原子数2〜4のアルキレンオキシドあるいはスチレンオキシドが好ましい。
付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等は単独重合、2種類以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度kは1〜500である。Rに占めるエチレン基の割合は、好ましくは全Rの50〜100質量%である。
−[(O−R−OH]の分子量は500〜10万のものが好ましく、1000〜5万のものが特に好ましい。
【0024】
上記式R−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジ−、トリ−、テトライソシアネート等が挙げられる。
【0025】
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネート、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジイソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0026】
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0027】
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0028】
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
【0029】
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5,2’,5’−テトラメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシオントフェニル)メタン、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジエトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチル−5,5’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3’−ジイソシアネート等が挙げられる。
【0030】
フェニルメタンのトリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
【0031】
また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)で用いられてもよく、また、アミンと反応させてビウレットとして用いてもよい。
【0032】
さらに、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。ポリオールとしては、2〜8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。なお、R−(NCO)h+1として3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、このウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
【0033】
上記式HO−(R−O)−Rで表されるポリエーテルモノアルコールは1価アルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。このような化合物は、1価アルコールにエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド、スチレンオキシド等を付加重合することにより得ることができる。
【0034】
ここでいう1価アルコールは、下記式(II)、(III)、(IV)で表される。
−OH (II)
【化1】
【化2】
【0035】
即ち、Rは、上記式(II)〜(IV)の1価アルコールから水酸基を除いた基である。上記式(II)〜(IV)においてR、R、R、R10およびR11は炭化水素基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。
【0036】
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。
【0037】
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
【0038】
アルキルアリール基としては、フェニル、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられる。
【0039】
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
【0040】
上記式(III)において、Rは炭化水素基であり、例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等である。
【0041】
また、Rは、炭化水素基であり、そのうちアルキル基であることが好ましく、さらにその合計の炭素原子数が8〜36が好ましく、12〜24が特に好ましい。
【0042】
また、付加させるアルキレンオキシド、スチレンオキシド等は、単独重合、2種以上のランダム重合あるいはブロック重合であってよい。付加の方法は通常の方法であってよい。重合度nは0〜1000であり、好ましくは1〜200、さらに好ましくは10〜200が良い。また、Rに占めるエチレン基の割合が、好ましくは全Rの50〜100重量%、さらに好ましくは、65〜100重量%である。
【0043】
上記式(I)で表されるコポリマーは、一般的なポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして、例えば、80〜90℃で1〜3時間加熱し、反応せしめて製造することができる。
【0044】
また、R−[(O−R−OH]で表されるポリエーテルポリオール(A)と、R−(NCO)h+1で表されるポリイソシアネート(B)と、HO−(R−O)−Rで表されるポリエーテルモノアルコール(C)とを反応させる場合には、式(I)の構造のコポリマー以外のものも副生することがある。例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては式(I)で表されるC−B−A−B−C型のコポリマーが生成するが、その他、C−B−C型、C−B−(A−B)−A−B−C型等のコポリマーが副生することがある。この場合、特に式(I)型のコポリマーを分離することなく、式(I)型のコポリマーを含む混合物の状態で本発明に使用することができる。
【0045】
特に好ましい例として、INCI名称が「(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー(PEG−240/HDI COPOLYMER BISDECYLTETRADECETH−20 ETHER)」である疎水変性ポリエーテルウレタンが挙げられる。当該コポリマーは、商品名「アデカノールGT−700」として株式会社ADEKAから市販されている。
【0046】
本発明の組成物における疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量は、組成物の全量に対して、0.1質量%以上、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上である。配合量の上限は、組成物の全量に対して10質量%以下、好ましくは6質量%以下、より好ましくは4質量%以下である。0.1〜4質量%の範囲とするのが最も好ましい。配合量が0.1質量%未満あるいは10質量%を超えると、目的とする独特の触感が得られない場合がある。
【0047】
本発明の弾力ジェル状組成物は、平均粒径150nm以下の油滴を有する水中油型乳化物(超微細エマルジョン)を調製し、必要に応じて水性媒体で希釈した後、適量の水性媒体に溶解させた疎水変性ポリエーテルウレタン溶液を添加して増粘することにより調製することができる。
【0048】
本発明の弾力ジェル状組成物は、用途に応じて透明又は半透明とするのが好ましく、上記したような独特のぷるぷるした触感を有する増粘された水性組成物であり、限界値を超える負荷をかけると一気に崩れて水がはじき出されるような爽やかな感触を与える。従って、本発明の弾性ジェル状組成物は、皮膚等に適用される化粧料の基剤とするのに特に適している。
【0049】
本発明の弾性ジェル状組成物を基剤とする化粧料は、当該弾性ジェル状組成物に、化粧料とするための各種成分を配合することにより調製される。各種成分は、その性質に応じて水中油型乳化物の水相(連続相)又は油相(分散相)に配合される。
【0050】
各種成分としては、化粧料に通常配合し得る添加成分、例えば、エタノール等の低級アルコール、多価アルコール、各種抽出液、保湿剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、色素、香料、キレート剤、pH調整剤等が挙げられ、それらを、化粧料の用途や目的に応じて配合すればよい。
【0051】
上記の各種成分は、本発明の効果を損なわない範囲内で配合すべきことは言うまでもない。例えば、特許文献1に記載された水溶性高分子や特許文献2及び3に記載された増粘剤のマイクロゲルも、本発明の効果であるぷるぷるとした触感を損なわない範囲(例えば、好ましくは0.2質量%未満、最も好ましくは0.1質量%未満)で配合することができる。一方、本発明は、前記水溶性高分子や増粘剤マイクロゲルを含まない透明又は半透明組成物の態様も包含する。
【0052】
化粧料の具体例としては、例えば、保湿ジェル、マッサージジェル、美容液、化粧水、乳液等のスキンケア化粧料、メーキャップ化粧料、サンケア用品、ヘアセット剤やヘアジェル等の毛髪化粧料、染毛剤等を挙げることができる。
【実施例】
【0053】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、配合量は全量に対する質量%を表す。また、下記の実施例及び比較例で使用した疎水変性ポリエーテルウレタンは「アデカノールGT−700(株式会社ADEKA製)である。
【0054】
下記の表1〜6に示す処方の組成物(実施例及び比較例)について、「外観」、「ぷるぷる感」、「乳化粒子径」、「粘度」、及び「50℃増粘性」の評価を行った。各評価項目の評価方法及び評価基準は以下の通りである。
【0055】
<外観>
各例の組成物を目視で観察し、「透明」「半透明」、「わずかに白濁」及び「白濁」に分類した。
【0056】
<ぷるぷる感>
専門パネル(女性10名)に各例の組成物を使用してもらい、ぷるぷるとした独特の感触について、下記の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:9名以上が「ぷるぷるとした独特の触感がある」と回答した。
B:7〜8名が「ぷるぷるとした独特の触感がある」と回答した。
C:5〜6名が「ぷるぷるとした独特の触感がある」と回答した。
D:3〜4名が「ぷるぷるとした独特の触感がある」と回答した。
E:2名以下が「ぷるぷるとした独特の触感がある」と回答した。
【0057】
<乳化粒子径>
乳化粒子径測定は、Zeta sizer nano(Malvern社製)を用いて行った。測定は25℃で行った。
<粘度測定>
粘度測定は、レオメーターMCR300(Anton Paar社製)を用い、せん断速度1s−1および10s−1の条件で1分間測定したデータを用いた。測定は25℃で行った。
50℃増粘性は、各例の組成物の1%ひずみ下における動的粘弾性挙動の温度依存性を測定し(10℃〜60℃、1℃/min)、50℃におけるtanδ値より以下のように評価した。
A: tanδ<0.4
B:0.4≦tanδ<0.6
C:0.6≦tanδ<0.8
D:0.8≦tanδ<1
E:1≦tanδ
【0058】
【表1】
【0059】
製造方法:
5)〜7)を80℃で撹拌混合加熱溶解した混合物を、1)〜4)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った(高圧乳化装置としては、Nanomizer markII(吉田機械興業株式会社製)及びホモゲナイザーH−20型(三和エンジニアリング株式会社製)を用いた)。
比較例1は高圧乳化物を14)〜16)の混合物で希釈した。
比較例2は、疎水変性ポリエーテルウレタンを水に溶解して水溶液とした。
実施例1および比較例3、比較例5〜7は、高圧乳化物を一定量の15)〜17)の混合物で希釈した後、疎水変性ポルエーテルウレタン又は各増粘剤の水溶液にて増粘させた。
比較例4は、高圧乳化物を一定量の15)〜17)の混合物で希釈した後、9)を13)にて中和した混合物にて増粘させた。
【0060】
表1から明らかなように、平均粒子径150nm以下の水中油型乳化物であって疎水変性ポリエーテルウレタン及び他の増粘剤を含まない比較例1は非常に低粘度でありぷるぷるとした触感は与えない。また、1質量%の疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液である比較例2は、或る程度の粘性を持ち、不十分ではあるがぷるぷるとした触感を与えるが、50℃での粘度低下が著しい。これらに対して、平均粒子径150nm以下の水中油型乳化物を1質量%の疎水変性ポリエーテルウレタンで増粘した実施例1の組成物は、比較例1及び2に比較して粘度が相乗的に上昇しており、ぷるぷるとした触感を与えるのみならず、50℃における粘度低下が見られなかった。しかし、実施例1の疎水変性ポリエーテルウレタンの一部又は全部を他の増粘剤に置換した比較例3〜7では、外観透明度が低下し、さらに十分な粘度が得られずにぷるぷる感が失われ、さらに50℃における粘度低下が確認される例も多かった。
【0061】
【表2】
【0062】
表2に示した結果では、疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液における配合量を2質量%に増加することによりぷるぷる感が得られるが、50℃における粘度低下が見られる(比較例8)。特許文献1〜3で示唆されているように、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子や増粘剤ミクロゲルを配合することによって50℃における粘度低下は防止できるが、単に水溶性高分子を添加したのみではぷるぷる感は得られず(比較例9〜10、13〜14)、増粘剤ミクロゲルの添加によってぷるぷる感は得られるものの、乳化粒子が共存する系ではぷるぷる感が損なわれる(比較例11、12及び3)。
【0063】
【表3】
【0064】
製造方法:
実施例2〜4は実施例1と同様にして調製した。ただし、高圧乳化を実施する回数を変えて粒子径を変化させた。
比較例15は、5)〜7)を80℃で加熱溶解した混合物を、1)〜4)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、ホモミキサーにて9000rpmで1分間処理した後、急冷し、8)〜12)の混合物を添加した。
【0065】
表3に示した結果から、組成物を構成する水中油型乳化物の油滴の平均粒子径が150nm以下であると、疎水変性ポリエーテルウレタンで増粘することによって相乗的な増粘効果が得られ、ぷるぷるした感触のジェルとなる。このジェルは50℃においても粘度低下を生じない(実施例1〜4)。
一方、乳化油滴の粒子径が150nmを超えている比較例15では、両親媒性物質−界面活性剤−水系からなるゲルの積層構造による増粘、クリーム化は確認されたが、本発明で与えられる相乗効果による増粘効果、およびぷるぷるした独特の触感は得られない。
【0066】
【表4】
【0067】
製造方法:
実施例1と同様に、5)〜7)を80℃で加熱溶解した混合物を、1)〜4)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。その後、高圧乳化物を一定量の10)〜12)の混合物で希釈した後、疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液にて増粘させた。
【0068】
表4に示されるように、実施例5〜10に配合した油分量の範囲(0.67〜8質量%)においてぷるぷるした触感及び高温粘度安定性が達成できた。即ち、実施例5であっても実用上は特に問題は生じないが、例えば、高温での粘度低下をより抑制する場合は、油分配合量を1質量%以上とすればよい。
【0069】
【表5】
【0070】
製造方法:
実施例1と同様に、5)〜7)を80℃で加熱溶解した混合物を、1)〜4)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。その後、高圧乳化物を一定量の10)〜12)の混合物で希釈した後、疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液にて増粘させた。
【0071】
表5に示されるように、実施例11〜15に配合した疎水変性ポリエーテルウレタンの配合量範囲(0.6〜2.0質量%)においてぷるぷるした触感及び高温粘度安定性が達成できた。
【0072】
【表6】
【0073】
製造方法:
5)〜11)のうち該当する成分を80℃で加熱溶解撹拌混合した混合物を、1)〜4)のうち該当する成分を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った(高圧乳化装置は上記の通り)。次いで、高圧乳化物を一定量の14)〜15)の混合物で希釈した後、疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液にて増粘させた。
【0074】
表6に示した結果から、本発明の組成物を構成する水中油型乳化物で使用される界面活性剤及び油分の種類を変更しても本発明が意図するぷるぷるした感触及び高温での粘度安定性が達成されることが示された。
【0075】
図1は、温度を変化させたときの周波数1Hz、ひずみ1%における貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の値を温度に対してプロットしたグラフである。
比較例8は40℃付近でG’とG”の大きさが逆転してゲルからゾルに転移すると解される。比較例15も50℃〜60℃の間にゲルからゾルへの転移点が見られる。これらに対して本発明に係る実施例1では60℃においてもG’がG”より大きく、高温でもゲル状態が維持されていることが裏付けられた。
【0076】
以下に、本発明の弾力ジェル状組成物を基剤とする化粧料の処方例を挙げるが、これらの例示に限定されるものではない。なお、以下の処方例に記載した化粧料は、本発明の増粘ジェル状組成物に基づくぷるぷるとした触感及び高温での粘度安定性を備えていた。
【0077】
(実施例23)美容液
処方
1) 精製水 適量
2) ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.6
3) ジプロピレングリコール 4.7
4) グリセリン 8
5) ベヘニルアルコール 0・7
6) ステアリルアルコール 0.6
7) セトステアリルアルコール 0.6
8) 水添ポリデセン 4
9) テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2
10)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 0.2
11)ワセリン 0.5
12)ジメチルポリシロキサン 1
13)香料 適量
14)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
15)精製水 残量
【0078】
<製法>
5)〜13)を80℃で加熱溶解した混合物を、1)〜4)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。その後、高圧乳化物を疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液にて増粘させた。
【0079】
(実施例24) ジェルクリーム
処方
1) 精製水 適量
2) ジプロピレングリコール 6
3) アルキルカルボキシ変性トリシロキサン 1
4) モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2.1
5) トリエタノールアミン 0.4
6) ベヘニルアルコール 1.5
7) ジメチルポリシロキサン 0.6
8) 水添ポリデセン 3
9) 香料 適量
10)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
11)精製水 残量
【0080】
<製法>
3)〜9)を80℃で加熱溶解した混合物を、1)〜2)を75℃に加熱したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。その後、高圧乳化物を疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液にて増粘させた。
【0081】
(実施例25)マッサージジェル
処方
1) 精製水 適量
2) ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.6
3) ジプロピレングリコール 4.7
4) グリセリン 8
5) ポリエチレングリコール400 0.2
6) クエン酸 0.01
7) クエン酸ナトリウム 0.04
8) ベヘニルアルコール 0・7
9) ステアリルアルコール 0.6
10)セトステアリルアルコール 0.6
11)水添ポリデセン 4
12)メドウフォーム油 2
13)メトキシケイ皮酸オクチル 3
14)ワセリン 0.5
15)ジメチルポリシロキサン 1
16)香料 0.05
17)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
18)精製水 残量
【0082】
<製法>
8)〜16)を80℃で加熱溶解した混合物を、1)〜7)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。その後、高圧乳化物を疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液にて増粘させた。
【0083】
(実施例26)ヘアクリーム
処方
1) 精製水 適量
2) 塩化アルキルトリメチルアンモニウムクロライド 0.6
3) ジプロピレングリコール 3
4) グリセリン 1.2
5) ベヘニルアルコール 1
6) ステアリルアルコール 0.5
7) セトステアリルアルコール 0.5
8) 水添ポリデセン 3
9) ジメチルポリシロキサン 3
10)ワセリン 1
11)香料 適量
12)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
13)カチオン化セルロース 0.5
14)精製水 残量
【0084】
<製法>
5)〜11)を80℃で加熱溶解した混合物を、1)〜4)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。その後、高圧乳化物を一定量の疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液にて増粘させ、さらにカチオン化セルロース水溶液を加えた。
【0085】
(実施例27)ヘアジェル
処方
1) 精製水 適量
2) 塩化アルキルトリメチルアンモニウムクロライド 0.6
3) ジプロピレングリコール 3
4) 1,3−ブチレングリコール 2
5) グリセリン 1.2
6) エタノール 5
7) ステアリルアルコール 0.5
8) ベヘニルアルコール 0.5
9) 水添ポリデセン 3
10)ジメチルポリシロキサン 3
11)香料 適量
12)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
13)精製水 残量
【0086】
<製法>
7)〜11)を80℃で加熱溶解した混合物を、1)〜6)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。その後、高圧乳化物を疎水変性ポリエーテルウレタン水溶液にて増粘させた
【0087】
(実施例28)マスカラ
処方
1) 精製水 適量
2) ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 2.6
3) ベヘニルアルコール 4.3
4) ステアリルアルコール 4.3
5) 軽質イソパラフィン 6
6) ジメチルポリシロキサン 1
7) デカメチルシクロペンタシロキサン 5
8) トリメチルシロキシケイ酸 5
9) 精製水 残量
10)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
11)メチルポリシロキサンエマルション 適量
12)イソプロパノール 3
13)1,3−ブチレングリコール 6
14)炭酸水素ナトリウム 0.01
15)酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
16)アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
17)パラオキシ安息香酸エステル 適量
18)フェノキシエタノール 0.3
19)黒酸化鉄 8
20)ポリビニルアルコール 4
21)アクリル酸アルキル共重合体エマルション 12
22)ポリ酢酸ビニルエマルション 12
23)ナイロンファイバー(1−2mm) 6
24)無水ケイ酸 0.5
25)酸化チタン 1
26)香料 適量
【0088】
<製法>
3)〜8)を80℃で撹拌混合した混合物を、1)〜2)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。高圧乳化物を一定量の9)〜10)の混合物で希釈した後、11)〜26)を混合させた。
高圧乳化には、Nanomizer markII(吉田機械興業株式会社製)を用い、攪拌混合には、ホモゲナイザーH−20型(三和エンジニアリング株式会社製)を用いた。
【0089】
(実施例29)マスカラ
処方
1) 精製水 適量
2) ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 2.3
3) ベヘニルアルコール 3.8
4) ステアリルアルコール 3.8
5) マイクロクリスタリンワックス 6
6) ショ糖脂肪酸エステル 9
7) 精製水 残量
8) (PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
9) メチルポリシロキサンエマルション 適量
10)イソプロパノール 3
11)バチルアルコール 1
12)ジプロピレングリコール 5
13)N−ラウロイル−L−グルタミン酸
ジ(フィトステアリル・2−オクチルドデシル) 0.1
14)イソブチレン・マレイン酸ナトリウム共重合体液 0.1
15)雲母チタン 1
16)炭酸水素ナトリウム 0.1
17)酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
18)パラオキシ安息香酸エステル 適量
19)デヒドロ酢酸ナトリウム 適量
20)フェノキシエタノール 適量
21)黒酸化鉄 10
22)海藻エキス 0.1
23)ケイ酸アルミニウムマグネシウム 0.1
24)ポリアクリル酸アルキルエマルション 5
25)ポリビニルアルコール 0.5
26)ポリ酢酸ビニルエマルション 7
27)無水ケイ酸 0.5
28)酸化チタン 0.1
【0090】
<製法>
3)〜6)を90℃で撹拌混合した混合物を、1)〜2)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。高圧乳化物を一定量の7)〜8)の混合物で希釈した後、9)〜28)を混合させた。
高圧乳化には、Nanomizer markII(吉田機械興業株式会社製)を用い、攪拌混合には、ホモゲナイザーH−20型(三和エンジニアリング株式会社製)を用いた。
【0091】
(実施例30)マスカラ下地
処方
1) 精製水 適量
2) ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 3.3
3) ベヘニルアルコール 5.5
4) ステアリルアルコール 5.5
5) マイクロクリスタリンワックス 10
6) サラシミツロウ 10
7) 重質流動イソパラフィン 2
8) 精製水 残量
9) (PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
10)メチルポリシロキサンエマルション 適量
11)イソプロパノール 3
12)1,3−ブチレングリコール 7
13)イソブチレン・マレイン酸ナトリウム共重合体液 0.1
14)タルク 1
15)パラオキシ安息香酸エステル 適量
16)海藻エキス 0.1
17)アクリル酸アルキル共重合体エマルション 22
18)ポリビニルアルコール 2
19)ナイロンファイバー(1−2mm) 5
【0092】
<製法>
3)〜7)を90℃で撹拌混合した混合物を、1)〜2)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。高圧乳化物を一定量の8)〜9)の混合物で希釈した後、10)〜19)を混合させた。
高圧乳化には、Nanomizer markII(吉田機械興業株式会社製)を用い、攪拌混合には、ホモゲナイザーH−20型(三和エンジニアリング株式会社製)を用いた。
【0093】
(実施例31)アイライナー
処方
1) 精製水 適量
2) ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.8
3) ベヘニルアルコール 1.3
4) ステアリルアルコール 1.3
5) 流動パラフィン 5
6) 精製水 残量
7) (PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
8) メチルポリシロキサンエマルション 適量
9) グリセリン 3
10)1,3−ブチレングリコール 5
11)イソブチレン・マレイン酸ナトリウム共重合体液 1
12)酸化チタン 適量
13)板状硫酸バリウム 適量
14)カオリン 8
15)黒酸化鉄被覆雲母チタン(パール剤) 3
16)黒酸化鉄 9
17)酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
18)パラオキシ安息香酸エステル 適量
19)アクリル酸アルキル共重合体エマルション 7
【0094】
<製法>
3)〜5)を80℃で撹拌混合した混合物を、1)〜2)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。高圧乳化物を一定量の6)〜7)の混合物で希釈した後、8)〜19)を混合させた。
高圧乳化には、Nanomizer markII(吉田機械興業株式会社製)を用い、攪拌混合には、ホモゲナイザーH−20型(三和エンジニアリング株式会社製)を用いた。
【0095】
(実施例32)メーキャップリムーバー
処方
1) 精製水 適量
2) ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 3.9
3) ベヘニルアルコール 6.5
4) ステアリルアルコール 6.5
5) デカメチルシクロペンタシロキサン 25
6) ホホバ油 0.1
7) 米胚芽油 0.1
8) ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 10
9) 2−エチルヘキサン酸セチル 3
10)精製水 残量
11)(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
12)1,3−ブチレングリコール 10
13)水酸化カリウム 0.1
14)ローヤルゼリーエキス 0.1
15)パラオキシ安息香酸エステル 適量
16)エデト酸3ナトリウム 0.1
【0096】
<製法>
3)〜9)を80℃で撹拌混合した混合物を、1)〜2)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。高圧乳化物を一定量の10)〜11)の混合物で希釈した後、12)〜16)を混合させた。
高圧乳化には、Nanomizer markII(吉田機械興業株式会社製)を用い、攪拌混合には、ホモゲナイザーH−20型(三和エンジニアリング株式会社製)を用いた。
【0097】
(実施例33)アイシャドー
処方
1) 精製水 適量
2) ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 3.2
3) ベヘニルアルコール 5.3
4) ステアリルアルコール 5.3
5) デカメチルシクロペンタシロキサン 16
6) メチルフェニルポリシロキサン 0.5
7) トリメチルシロキシケイ酸 4.5
8) 精製水 残量
9) (PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
10)メチルポリシロキサンエマルション 4.5
11)1,3−ブチレングリコール 5
12)酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
13)パラオキシ安息香酸エステル 適量
14)フェノキシエタノール 0.2
15)無水ケイ酸 1.5
16)酸化チタン 1.7
17)ベンガラ 1
18)マイカ 9
19)香料 適量
【0098】
<製法>
3)〜7)を80℃で撹拌混合した混合物を、1)〜2)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。高圧乳化物を一定量の8)〜9)の混合物で希釈した後、10)〜19)を混合させた。
高圧乳化には、Nanomizer markII(吉田機械興業株式会社製)を用い、攪拌混合には、ホモゲナイザーH−20型(三和エンジニアリング株式会社製)を用いた。
【0099】
(実施例34)リキッドルージュ
処方
1) 精製水 適量
2) ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 3.2
3) ベヘニルアルコール 5.3
4) ステアリルアルコール 5.3
5) 水添ポリデセン 21
6) 精製水 残量
7) (PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー 1
8) アクリル酸アルキル共重合体エマルション 12
9) 1,3−ブチレングリコール 5
10)酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
11)パラオキシ安息香酸エステル 適量
12)フェノキシエタノール 0.2
13)アシッドフクシン 0.1
14)香料 適量
【0100】
<製法>
3)〜5)を80℃で撹拌混合した混合物を、1)〜2)を75℃で加熱溶解したものに撹拌しながら混合し、100MPa程度の圧力下で高圧乳化を行った。高圧乳化物を一定量の6)〜7)の混合物で希釈した後、8)〜14)を混合させた。
高圧乳化には、Nanomizer markII(吉田機械興業株式会社製)を用い、攪拌混合には、ホモゲナイザーH−20型(三和エンジニアリング株式会社製)を用いた。
図1