特許第6113742号(P6113742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6113742半導体基板の位置検出装置及び位置検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113742
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】半導体基板の位置検出装置及び位置検出方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/68 20060101AFI20170403BHJP
   B65G 49/07 20060101ALI20170403BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   H01L21/68 F
   B65G49/07 C
   G01B11/00 H
【請求項の数】8
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-544445(P2014-544445)
(86)(22)【出願日】2013年10月23日
(86)【国際出願番号】JP2013078644
(87)【国際公開番号】WO2014069291
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年9月21日
(31)【優先権主張番号】特願2012-238373(P2012-238373)
(32)【優先日】2012年10月29日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】591213232
【氏名又は名称】ローツェ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091719
【弁理士】
【氏名又は名称】忰熊 嗣久
(72)【発明者】
【氏名】藤本 敬司
(72)【発明者】
【氏名】山本 康晴
【審査官】 山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−123790(JP,A)
【文献】 特開2010−021485(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
B65G 49/07
G01B 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
Y軸と平行な軌跡に沿って移動可能な支持部材に保持された円盤状基板の位置を検出する位置検出装置であって、
前記位置検出装置は、
直交するXY軸の座標系にセルが配置され、前記円盤状基板を保持した前記支持部材が所定の監視位置に位置した際に、Y軸方向で円周上の頂点となる前記円盤状基板の中心を通りY軸に平行な直線と前記円盤状基板のエッジとが交差する交点Cを視野に入れて円盤状基板の周縁部の一部分のみを撮像する1台の撮像カメラと、
前記撮像カメラによって撮像された前記円盤状基板の周縁部の撮像データから、前記交点CのY座標を抽出し、前記視野の範囲において撮像された前記円盤状基板のエッジ上であって前記抽出した交点Cから離れた位置にある地点のXY軸座標をエッジデータとして抽出するエッジ抽出部と、
前記エッジ抽出部によって抽出されたエッジデータから、前記円盤状基板の中心位置座標を検出する座標検出部と、
を有することを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記座標検出部は、前記抽出した交点から離れた位置にある地点を2点定め、当該2点のエッジデータと前記円盤状基板の半径から、前記円盤状基板の中心位置座標を検出することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記座標検出部は、前記抽出した交点Cから離れた位置にある地点を3点定め、当該3点のエッジデータから、前記円盤状基盤の中心位置座標を検出すると共に前記円盤状基板の半径を求めることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記支持部材の基準位置に保持された前記円盤状基板についての中心位置座標と、製造工程中に搬送される位置ずれを発生している前記円盤状基板の中心位置座標とのX軸方向及びY軸方向についてのずれ量を算出し、前記支持部材の補正量を算出する補正量算出部を更に備えていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の位置検出装置。
【請求項5】
Y軸と平行な軌跡に沿って移動可能な支持部材に保持された円盤状基板の位置を検出する位置検出方法であって、
前記位置検出方法は、
直交するXY軸の座標系にセルが配置され、前記円盤状基板を保持した前記支持部材が所定の監視位置に位置した際に、Y軸方向で円周上の頂点となる1台の撮像カメラによって円盤状基板の中心を通りY軸に平行な直線と前記円盤状基板のエッジとが交差する交点Cを視野に入れて円盤状基板の周縁部の一部分のみを撮像する撮像ステップと、
前記撮像カメラによって撮像された前記円盤状基板の周縁部の撮像データから、前記交点CのY座標を抽出し、前記視野の範囲において撮像された前記円盤状基板のエッジ上であって前記抽出した交点Cから離れた位置にある地点のXY軸座標をエッジデータとして抽出するエッジ抽出ステップと、
前記エッジ抽出ステップによって抽出されたエッジデータから、前記円盤状基板の中心位置座標を検出する座標検出ステップと、
から構成されることを特徴とする位置検出方法。
【請求項6】
前記座標検出ステップは、前記抽出した交点Cから離れた位置にある地点を2点定め、当該2点のエッジデータと前記円盤状基板の半径から、前記円盤状基板の中心位置座標を検出することを特徴とする請求項5に記載の位置検出方法。
【請求項7】
前記座標検出ステップは、前記抽出した交点Cから離れた位置にある地点を3点定め、当該3点のエッジデータから、前記円盤状基板の中心位置座標を検出すると共に前記円盤状基板の半径を求めることを特徴とする請求項5に記載の位置検出方法。
【請求項8】
前記支持部材の基準位置に保持された前記円盤状基板についての中心位置座標と、製造工程中に搬送される位置ずれを発生している前記円盤状基板の中心位置座標とのX軸方向及びY軸方向についてのずれ量を算出し、前記支持部材の補正量を算出する補正量算出ステップを更に備えていることを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の位置検出方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の円盤状基板の位置検出装置及び位置検出方法、位置補正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な半導体集積回路の製造工程においては、半導体ウエハ等の基板上に露光、成膜処理、エッチング処理、熱処理といった各種処理を繰り返し行うことによって微細なパターンを有する集積回路を形成していく。
【0003】
こういった各種処理工程は、夫々の処理のための専用の機材から構成された処理室を備える基板処理装置によって行われる。基板処理装置は中央に半導体ウエハ等の円盤状基板を載置して搬送する搬送アームを備えた搬送ロボットを収容した搬送室に、各種処理室を一台若しくは複数連結して構成されている。さらに、搬送室と各種処理室は内部を真空環境に維持出来る手段を備えていて、搬送室と各処理室とは、ゲートバルブを介して連結されている。ここで、搬送ロボットによって保持されたウエハ等の円盤状基板は、搬送アームの動作によって処理室に備えられた載置台上に搬送し載置され、各種処理が施される。
【0004】
基板処理装置において、載置台上に載置された半導体ウエハ等の円盤状基板に対して適切な処理を施すためには、基板を載置台上の所定の位置に精度良く搬送することが求められる。そのため、基板処理装置では、円盤状基板が処理室内において載置台上の所定の位置に正確に位置していることが必要になってくる。そのためには、先ず目的の円盤状基板の位置ずれを検出した上で、位置ずれがあった場合にはそれを補正することで所定の位置に位置決めする必要がある。特に、処理内容や処理に使われる堆積物等の理由から、処理室内での円盤状基板の位置を直接検出することは困難なため、処理室と連結された搬送室内の所定の場所に於いて、円盤状基板の位置を検出する必要がある。
【0005】
円盤状基板の位置検出の方法として、従来は、例えば特許文献1に開示されているように、円盤状基板を回転可能な台座に載置して、回転させながら外周をラインセンサで検出することによって台座の回転角度とラインセンサでの検出結果に基づいて、位置ずれを検出する方法が開示されていた。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された方法を実施しようとした場合、回転可能な台座やラインセンサを搬送室内部に備える必要があり、結果として搬送室の大型化をまねいてしまう。さらに、搬送ロボットが保持している円盤状基板を、一旦台座に載置して回転させることで位置ずれを検出するという一連の動作が必要となり、スループットの低下を招いてしまうという問題がある。
【0007】
そこで、近年では特許文献2に開示されているように、半導体ウエハの周縁部分を複数回撮像して、その撮像された画像に基づいて、半導体ウエハの位置を検出する方法が行われるようになってきている。すなわち、複数のカメラを搬送室の外部上面に配置し、搬送室外部下面のカメラに対向する位置に光源を配置する。複数のカメラは搬送室内部を搬送される半導体ウエハの周縁部分を撮影出来る位置に配置されていて、半導体ウエハが通過するタイミングで、撮像が行われる。この撮像された複数の周縁部分の画像データに基づいて位置検出を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−152055号公報
【特許文献2】特開平09−186061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2に開示された方法であれば、半導体ウエハの位置決めに用いられる機材を搬送室内に配置する必要は無くなるので、搬送室内での占有面積は小さくすることが出来る。しかしながら、半導体ウエハ外周縁上の複数のエッジを撮像するには、複数のカメラが必要となる。さらに、搬送室には撮像のための複数のビューポートを備えるか、ウエハ全体を観察が可能な大口径のビューポートを備える必要がある。
【0010】
ビューポートは搬送室内部の状況を外部から把握するための覗き孔の役目をするもので、搬送室に形成された開口部を強化ガラス等の透明な部材で封止した部分のことであり、外部からの観察ができるように、この部分には真空環境を維持する機材等を配置することが出来ない。さらに、ビューポートが大口径になれば、内部を真空状態に維持した際の強度に問題が生じる。さらに、撮影のために高価なカメラを複数備えることとなるので、大きなコストアップにもなってしまう。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するために考案されたもので、一台のカメラによって撮像された画像データによって半導体ウエハ等の円盤状基板の正確な位置を検出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、本発明に係る位置検出装置は、所定の軌道上に沿って移動可能な支持部材に保持された円盤状基板の位置を検出する位置検出装置であって、前記位置検出装置は、前記円盤状基板を保持した前記支持部材が所定の監視位置に位置した際に、円盤状基板の周縁部を撮像する1台の撮像カメラと、前記撮像カメラによって撮像された前記円盤状基板の周縁部の撮像データから、前記円盤状基板のエッジを抽出するエッジ抽出部と、前記エッジ抽出部によって抽出されたエッジデータから前記円盤状基板の中心位置座標を検出する座標検出部とを有することを特徴としている。この構成により、1台の撮像カメラによって撮像された画像から、円盤状基板の中心位置座標を検出することが可能となる。
【0013】
また、前記撮像カメラは、前記円盤状基板の周縁部の一部分のみを撮像することとすれば、全体を撮像する場合に比べ、単位面積あたりの撮像セルの数を増やすことができるので座標検出の精度が向上する。
【0014】
また、前記座標検出部は、前記エッジデータ上の2点の座標と前記円盤状基板の半径から、前記円盤状物の中心位置座標を検出することで、前記円盤状基板の周縁部の一部分のみを撮像するだけで中心位置座標を検出することができる。
【0015】
また、前記座標検出部は、前記エッジデータ上の2点の座標と前記円盤状基板の前記半径から、前記半径をそれぞれ一辺とする2つの直角二等辺三角形を作成し、三平方の定理から前記円盤状基板の前記中心位置座標を検出することで、正確に中心位置座標を算出することができる。
【0016】
また、前記座標検出部は、前記エッジデータ上の3点の座標から、前記円盤状物の前記中心位置座標を検出することで、前記円盤状基板の半径を使うことなく中心位置座標を検出することができ、半径が未知の状態でも中心位置座標を検出できる。
【0017】
また、前記座標検出部は、前記エッジデータ上の3点の座標と前記円盤状基板の前記半径から、前記半径を各々一辺とする3つの直角二等辺三角形を作成し、三平方の定理から前記円盤状基板の前記中心位置座標を算出することができる。
【0018】
また、位置検出装置は、前記支持部材の基準位置に保持された前記円盤状基板についての前記中心位置座標と、製造工程中に搬送される位置ずれを発生している前記円盤状基板の前記中心位置座標とのX軸方向及びY軸方向についてのずれ量を算出し、前記支持部材の補正量を算出する補正量算出部を更に備えていて、搬送ロボットの補正量を算出することが出来る。
【0019】
さらに、本発明に関連する技術は上記位置検出装置によって行われる位置検出方法であり、所定の軌道上に沿って移動可能な支持部材に保持された円盤状基板の位置を検出する位置検出方法であって、前記位置検出方法は、前記円盤状基板を保持した前記支持部材が所定の監視位置に位置した際に、1台の撮像カメラによって円盤状基板の周縁部を撮像する撮像ステップと、前記撮像カメラによって撮像された前記円盤状基板の周縁部の撮像データから、前記円盤状基板のエッジを抽出するエッジ抽出ステップと、前記エッジ抽出ステップによって抽出されたエッジデータから、前記円盤状基板の中心位置座標を検出する座標検出ステップとから構成されている。
【0020】
また、前記撮像ステップは、前記円盤状基板の周縁部の一部分のみを撮像することとすれば、全体を撮像する場合に比べ、単位面積あたりの撮像セルの数を増やすことができるので座標検出の精度が向上する。
【0021】
また、前記座標検出ステップは、前記エッジデータ上の2点の座標と前記円盤状基板の半径から、前記円盤状物の中心位置座標を検出することで、前記円盤状基板の周縁部の一部分のみを撮像するだけで中心位置座標を検出することができる。
【0022】
また、前記座標検出ステップは、前記エッジデータ上の2点の座標と前記円盤状基板の前記半径から、前記半径をそれぞれ一辺とする2つの直角二等辺三角形を作成し、三平方の定理から前記円盤状基板の前記中心位置座標を検出することで、正確に中心位置座標を算出することができる。
【0023】
また、前記座標検出ステップは、前記エッジデータ上の3点の座標から、前記円盤状物の前記中心位置座標を検出することで、前記円盤状基板の半径を使うことなく中心位置座標を検出することができ、半径が未知の状態でも中心位置座標を検出できる。
【0024】
また、前記座標検出ステップは、前記エッジデータ上の3点の座標と前記円盤状基板の前記半径から、前記半径を各々一辺とする3つの直角二等辺三角形を作成し、三平方の定理から前記円盤状基板の前記中心位置座標を算出することができる。
【0025】
また、位置検出方法は、前記支持部材の基準位置に保持された前記円盤状基板についての前記中心位置座標と、製造工程中に搬送される位置ずれを発生している前記円盤状基板の前記中心位置座標とのX軸方向及びY軸方向についてのずれ量を算出し、前記支持部材の補正量を算出する補正量算出ステップを更に備えていて、搬送ロボットの補正量を算出することが出来る。
【0026】
また、本発明に係る位置検出装置は、所定の軌道上に沿って移動可能な支持部材に保持された円盤状基板の位置を検出する位置検出装置であって、直交するXY軸の座標系にセルが配置され、前記円盤状基板を保持した前記支持部材が所定の監視位置に位置した際に、前記円盤状基板の中心を通りY軸に平行な直線Uと前記円盤状基板のエッジとが交差する交点Cを視野に入れて円盤状基板の周縁部を撮像する撮像カメラと、前記撮像カメラによって撮像された前記円盤状基板の周縁部の撮像データから、前記交点CのY軸座標値を抽出し、前記視野の範囲において撮像された前記円盤状基板のエッジ上であって前記交点Cから離れた任意位置にある地点のXY軸座標を抽出するエッジ抽出部と、前記エッジ抽出部によって抽出された交点CのY軸座標値及び任意位置にある地点のXY軸座標から、前記円盤状基板の中心位置座標を検出する座標検出部とを有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、1台のカメラで円盤状基板を撮像することでその円盤状基板の中心位置座標を検出することができる。さらに、円盤状基板の周縁部の一部分を撮像することで中心位置座標を検出できるので、単位面積あたりのセルの数を多くすることができるので、より正確な位置座標の検出が可能となる。さらに、解像度の比較的低い撮像カメラでも高い検出精度が得られるので、高解像度の撮像カメラが不要となり、コストの削減にも貢献することになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の位置検出装置を備える半導体製造システムを示した斜視図である。
図2】本発明の位置検出装置を備える半導体製造システムを示した上面図である。
図3】本実施例における搬送室16と真空搬送ロボットを示した上面図である。
図4】本実施例における支持部材であるフィンガを示した図である。
図5】本実施例における半導体ウエハの位置検出についての説明図である。
図6】本発明における位置検出装置の構成を示したブロック図である。
図7】本実施例における撮像カメラが撮像した半導体ウエハの頂点付近を示す図である。
図8】本発明における第1及び第2の位置ずれ量検出方法の概略を示した図である。
図9】本発明における第1及び第2の位置ずれ量検出方法の概略を示した図である。
図10】本発明における第3の位置ずれ量検出方法の概略を示した図である。
図11】本発明における第3の位置ずれ量検出方法の概略を示した図である。
図12】本発明における第4の位置ずれ量検出方法の概略を示した図である。
図13】照明装置42を追加した位置検出装置29の図である。
図14】撮像されたウエハマーク43とアライメントマーク44を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明の実施の形態について図を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る位置検出装置29を備える半導体製造システム1の概略を示した斜視図であり、図2はその上面図である。一般に半導体製造システム1は、前の工程からFOUP(Front−Opening Unified Pod)4と呼ばれる密閉容器内部の棚段上に収納され運ばれてきた半導体ウエハ5といった円盤状基板を、ロードロック室6に正確に載置するEFEM(Equipment Front End Module)2と、半導体ウエハ5表面に各種処理を施す処理装置3とから構成されている。
【0030】
EFEM2は、FOUP4と処理装置3との間で半導体ウエハ5の受渡しを行う装置で、FOUP4を載置してFOUP4のドアを開閉するロードポート7と、FOUP4内部に収納された半導体ウエハ5をフィンガ8で保持して所定の経路を通って処理装置3へと搬送する大気搬送ロボット9と、半導体ウエハ5の中心位置合わせ及び半導体ウエハ5に形成されたノッチやオリフラを識別し、半導体ウエハ5の回転方向の位置合わせを行うアライナ10と呼ばれる装置とで構成されている。アライナ10は、半導体ウエハ5の周縁部分を検出するリニアセンサと、半導体ウエハ5を保持しその回転角度を調整する回転機構とを備えていて、半導体ウエハ5の周縁に形成されたノッチやオリフラの回転方向についての位置決めや、半導体ウエハ5の中心位置を適正な位置にアライメント処理している。
【0031】
大気搬送ロボット9は、半導体ウエハ5を保持するフィンガ8を有するとともに屈伸、旋回及び昇降動作するように構成された搬送アーム11を備えていて、FOUP4とアライナ10及び処理装置3との間で半導体ウエハ5の受け渡しをすることが出来る。これらロードポート7、アライナ10及び大気搬送ロボット9の各軸の動作はEFEM2内に配置された制御部12により制御されている。制御部12は大気搬送ロボット9がアクセスする際の座標データや、経路データ等を予め記憶し、大気搬送ロボット9の各動作軸へと動作命令を出す。さらに、制御部12は、アライナ10のリニアセンサが検出した半導体ウエハ5の周縁についてのデータから、半導体ウエハ5のノッチ位置と中心位置を演算し、ノッチ位置が所定の方向になるように半導体ウエハ5を向け、中心位置を適正な位置にアライメントするようにアライナ10に指示を出す。
【0032】
また、大気搬送ロボット9が半導体ウエハ5を保持し搬送する空間は四方をフレームとカバーとから成る仕切り13で覆われていて、仕切り13の天井部分にはFFU(Fun Filter Unit)14が設置されている。FFU14は、ファンによって外部から導入してきた空気をフィルタによって濾過し清浄なクリーンエアとしてEFEM2内部に下向きの層流として供給するもので、このFFU14から供給されるクリーンエアのダウンフローよって、EFEM2内部は常に清浄な環境に維持されている。
【0033】
処理装置3には、真空搬送ロボット15が配置される搬送室16と、搬送室16の周囲に配置され半導体ウエハ5に対し各種処理を施す処理室17と、外部との半導体ウエハ5の搬入、搬出を行うためのロードロック室6と、搬送室16と処理室17及びロードロック室6内とを真空環境若しくは低酸素雰囲気に維持する不図示の環境維持手段が設けられている。搬送室16と各処理室17との間、及び搬送室16と各ロードロック室6との間には、開閉自在のゲートバルブ18が夫々設けられていて、各室を気密に閉鎖することが出来る。さらに、これらゲートバルブ18を開動作させることによって、各室間が連通されるようになっている。なお、ゲートバルブ18については、各室の真空環境若しくは低酸素雰囲気を確保するために二つ以上のゲートバルブ18を同時に開くことは出来ないという制限がある。すなわち、或るゲートバルブ18を開く際には、他のゲートバルブ18が完全に閉まった状態である必要があり、その開いたゲートバルブ18が完全に閉まった状態になってからでないと、他のゲートバルブ18を開けることは出来ない。
【0034】
本実施例における処理装置3では、搬送室16は上面視五角形の形状となっていて、搬送室16の中央部分には真空搬送ロボット15が配置されている。真空搬送ロボット15は、例えば図3に示すように、同じ長さ寸法の二本の第1アーム19と、夫々の第1アーム19の先端部には、基端を回転自在に連結された第2アーム20と、夫々の第2アーム20の先端に半導体ウエハ5を支持するフィンガ21が備えられた所謂フロッグレッグ型ロボットである。二本の第1アーム19の基端部は搬送室16の中央部に同軸状に旋回可能に積み上げられた状態で取り付けられていて、各第1アーム19は駆動源である不図示のモータにそれぞれベルトとプーリを介して連結している。この構成により、真空搬送ロボット15は、それぞれのモータが反対の方向に回転することで、半導体ウエハ5の支持部材であるフィンガ21を、旋回軸を中心として放射状に、且つ直線的に進退移動させることが可能となっている。また、モータが同じ方向に回転することにより、真空搬送ロボット15を旋回動作させることが可能となっている。なお、駆動源であるモータは、ステッピングモータやサーボモータといった回転角度の制御可能なものを使用することによって、フィンガ21を、予め教示された位置に繰り返し移動させることが可能な構成となっている。
【0035】
真空搬送ロボット15の動作を制御するロボット制御部35は、内部に真空搬送ロボット15に関する予め教示された搬送位置データや動作速度データ等を記憶する教示情報記憶手段40を備えていて、上位コンピュータからの動作指令によって、真空搬送ロボット15が教示位置へのアクセスを行うよう制御指令を出す。
【0036】
フィンガ21の半導体ウエハ5を支持する面は、半導体ウエハ5が搬送中の振動や遠心力により落下してしまうのを防止するために、周辺部に比べ半導体ウエハ5の半径よりも2、3mm程度大きな円弧状に窪んだ形状に形成されている。この窪みの側面は、受け渡しの際に半導体ウエハ5が多少位置ずれしてもフィンガ21上に載置できるように、半導体ウエハ5を載置する面から上面に行くに従って半径が大きくなる方向に傾斜して形成されている。この傾斜により、持ち上げられた半導体ウエハ5は、自動的にフィンガ21の載置面上に案内される。また、フィンガ21の先端部分は、半導体ウエハ5の撮像のために、透過照明装置27からの透過光を遮蔽しないように撮像カメラ24の視野28よりも大きな面積に切り取られた形状となっている。
【0037】
処理室17とロードロック室6の内部で半導体ウエハ5を載置する載置台22は、真空搬送ロボット15のアーム体の伸長動作によって到達可能な位置に配置されている。載置台22には昇降自在なリフタが備えられていて、リフタの昇降動作によってフィンガ上に載置された半導体ウエハ5の受け渡しが行えるようになっている。
【0038】
上記構成により、前の工程からFOUP4に収納されてきた半導体ウエハ5を大気搬送ロボット9によって取り出し、アライナ10によって正確な位置決めとノッチ位置合わせされた後、ロードロック室6を中継して処理装置3に搭載された真空搬送ロボット9に受渡すことが可能となる。その後、半導体ウエハ5を受け取った真空ロボット9は、目的の処理室17の載置台22まで半導体ウエハ5を搬送することになるが、ここで大きな問題点が出てくる。すなわち、真空搬送ロボット15にて搬送中、半導体ウエハ5が振動やガス圧の変化等の影響を受けて、フィンガ21上で横滑りするように微小に位置ずれを起こしてしまうのである。
【0039】
そこで、本実施例における半導体製造システム1では、搬送室16に内部を観察するためのビューポート23を設け、このビューポート23を介して搬送室16外部から1台の撮像カメラ24によって半導体ウエハ5の周縁部分を撮像し、半導体ウエハ5の位置を検出することとしている。撮像カメラ24は半導体ウエハ5の全周にわたる周縁部分を撮像する必要は無く、半導体ウエハ5周縁部の一部分について撮像するだけでよい。さらに、位置検出のための特別な載置台に置く必要もない。
【0040】
以下に1台の撮像カメラ24を使った半導体ウエハ5の中心位置検出処理について説明する。図5は搬送室16における半導体ウエハ5の位置検出についての説明図である。撮像カメラ24は、搬送室16を形成する部材にブラケット等の固定用具を介して固定されている。搬送室16を形成する部材の上方には、内部を観察するためのビューポート23が設けられていて、このビューポート23には石英ガラス等の透明な光透過部材25がシール材26を介して気密に取り付けられている。このビューポート23に対向する搬送室16の下方にもビューポート23が設けられている。この下方のビューポート23には透過照明装置27が取り付けられていて、監視位置に到達した半導体ウエハ5の周縁部分を、下方から照らすことが可能となっている。なお、本実施例で使用される透過照明装置27は撮像カメラ24の視野よりも大きい照明範囲を有するものが好ましい。
【0041】
透過照明装置27では、光源としては蛍光灯やLED、ハロゲンランプといったものが広く使用されている。また、透過照明装置27には撮像カメラ24の視野内での明るさにムラが生じないように、反射機構やレンズが備えられていて、光源から照射された光を反射機構によって検出対象である半導体ウエハ5側へと反射させ、レンズによって半導体ウエハ5に対してほぼ直交する方向の平行光へと変換する。また、光源からの光を、コリメータレンズ等を使用して平行光とすることも微細な位置検出を行う際には好ましいものとなる。
【0042】
次に、位置検出装置29について説明する。図6は位置検出装置29の構成を示したブロック図である。位置検出装置29は、半導体ウエハ5の周縁部分を撮像し取り込む撮像カメラ24と、撮像カメラ24によって取り込まれた撮像データを記憶する記憶手段30と、撮像データから周縁部分のエッジ抽出を行うエッジ抽出部31と、エッジ抽出部31により得られたデータから真空搬送ロボット15の位置データについての補正量を算出する補正量算出部32とから構成されている。さらに、撮像カメラ24によって撮像された画像やエッジ抽出部31によって抽出されたエッジデータといった位置検出装置29によって処理されるデータ情報を表示する表示部38と、位置検出装置29に手動での各種コマンドを入力や画像の記憶作業を行うための入力手段39が接続可能となっている。具体的には、表示部38とは液晶や有機EL、CRTといった表示器を備えるモニター装置であり、入力手段39とはキーボードやマウス、タッチパネル等のことを指す。
【0043】
撮像カメラ24は、少なくとも撮像素子33と、透過照明装置27からの透過光を受光して撮像素子29に結像させる光学レンズ34とから構成されていて、真空搬送ロボット15のフィンガ21に載置された半導体ウエハ5の、移動軌跡上に位置するように搬送室16の上部に設置されている。撮像素子29は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの半導体素子から成っていて、光学レンズ34によって結像された画像を撮像素子33の各素子の信号データとして記憶手段30へと送信する。撮像素子33からの信号データは、撮像素子33の各セルの出力信号であり、撮像素子33の入射面上に設定された座標に関連付けて送信される。
【0044】
記憶手段30は、撮像カメラ24から送られて来た画像データや、後述するエッジ抽出部31により抽出されたエッジの座標データ、及び補正量算出部32によって算出された各半導体ウエハ5の夫々の補正データを格納する役目をする。さらに、エッジ抽出部31からの要求に応じて、所定の画像データをエッジ抽出部31に送信するものである。
【0045】
エッジ抽出部31は、撮像カメラ24により送られて来た画像データを読み取った後、画像処理プログラムを実行して半導体ウエハ5のエッジ抽出処理を行う。エッジ抽出処理が行われる画像データは、撮像カメラ24の視野28において透過照明装置27からの光がそのまま撮像素子33に入射した部分と、半導体ウエハ5によって遮光され、影として入射した部分では、光の強弱の違いから撮像素子33上に明暗の差が生じている。従って、撮像素子33に取り込まれた画像データのうち、明暗の値が急激に変化している部分を抽出することで半導体ウエハ5のエッジに相当する座標データを抽出することが出来る。ここで、抽出された座標データは座標検出部41と記憶手段30に送られ、格納される。
【0046】
座標検出部41は、エッジ抽出部31によって抽出されたエッジデータを基に、以下に示す方法によりエッジ上の座標と中心位置の座標を検出する。ここで検出された座標データとずれ量のデータは補正量算出部32に送られる。補正量算出部32は、目的の半導体ウエハ5のずれ量を算出し、その算出されたずれ量から、ずれを打ち消す方向にフィンガ21を移動させる補正データを、予め教示された搬送位置データに加算した上で真空搬送ロボット15を動作させるよう補正データをロボット制御部35に送る。ロボット制御部35は、補正量算出部32から受け取った補正データを、教示情報記憶手段40に格納された搬送位置データに加算することで新たな搬送位置データとして補正を行い、真空搬送ロボット15を補正された位置まで動作させる。
【0047】
次に、撮像カメラ24による半導体ウエハ5の位置検出方法について説明する。図7は撮像カメラ24によって撮像された半導体ウエハ5の周縁部画像である。本実施例における撮像カメラ24では、図7の撮像素子33を構成する各セルの横方向の並びをX軸とし、X軸に対し垂直な縦方向の並びをY軸と規定していて、撮像素子33の各セルには個別のXY座標が割り振られている。本実施例にて使用する撮像カメラ24の、半導体ウエハ5を撮像する視野28はX軸方向で64ミリメートル、Y軸方向で48ミリメートルに設定されている。これをセルの最小単位であるドットで換算すると、X軸方向に1600ドット、Y軸方向に1200ドットのセルが配置されていることとなる。すなわち、半導体ウエハ5の周縁部分を、1ドットの寸法である4マイクロメートルオーダーでのエッジの抽出、及び半導体ウエハ5の中心位置の検出が可能ということになる。
【0048】
さらに、本実施例においては、半導体ウエハ5はフィンガ21上に載置され、図7の下方から上方に向かってY軸と平行な軌跡に沿って、図の上方に配置された目的位置に対して往復移動することとなっている。ここで、撮像素子33の座標上で、半導体ウエハ5の移動方向における頂点、すなわち、目的位置に対して最も接近している地点の座標を検出するためには、隣り合った個々のセルでの撮像の濃淡を比較することで頂点のX軸座標及びY軸座標を検出することになるが、Y軸方向に関しては縦方向に隣り合った各素子単位での濃淡の差が明確で、容易に認識可能であるが、X軸方向に関しては、横方向に隣り合った各素子単位での濃淡の差は明確に認識することは非常に難しい。
【0049】
図7に概略的に半導体ウエハ5の頂点付近の各ドットと半導体ウエハ5のエッジとの関係を示すが、半導体ウエハ5の周縁部分のエッジに対して、X軸方向に整列された各セルが目的のエッジに対して接線の位置にあることで、隣り合ったセル同士での濃淡の差が出にくくなってしまうのである。これは、隣り合ったセル同士の濃淡の度合いがほぼ同じ値となってしまい、セル単位での位置の検出が出来ず、X軸方向の検出位置が、X軸方向に平行な細長い線状の座標を頂点として検出されてしまうのである。
【0050】
そこで、以下の方法によって搬送中の半導体ウエハ5のX軸方向及びY軸方向の正確な位置ずれ量を検出することとしている。図8図11は、半導体ウエハ5の位置ずれ量検出の概略を示した説明図である。
【0051】
先ず、位置ずれ検出処理を行う際の基準となる、位置ずれを起こしていない、基準位置に載置された半導体ウエハ5の撮像を行う。真空搬送ロボット15が備えるフィンガ21上の設計上の最適な位置に、治具等を使用して基準となる半導体ウエハ5を載置する。その後、真空搬送ロボット15を動作させて、半導体ウエハ5の移動軌跡上での先端部分が撮像カメラ24の視野28内に位置するように、真空搬送ロボット15を監視位置まで動作させる。所定の監視位置に到達したところで、真空搬送ロボット15の動作を一時停止させて、半導体ウエハ5の周縁部分を撮像する。撮像した画像は基準円36の画像データとして記憶手段30に送られ記憶される。なお、基準となる画像データは、実物の半導体ウエハ5に替えて、半導体ウエハ5と同一の円弧を有する治具等を使用することとしてもよい。なお、本実施例においては、撮像時に真空搬送ロボット15の動作を一時停止させているが、スループット向上のため、真空搬送ロボット15によって移動動作中の半導体ウエハ5を撮像することとしてもよい。
【0052】
ここで、画像データはエッジ抽出部31に送られ、周縁部分のエッジを抽出する。次に、座標検出部41はエッジ抽出部31でもとめられたエッジデータと、既知である半導体ウエハ5の半径とから、基準位置に配置された半導体ウエハ5である基準円36の中心座標を求める。中心座標を求めるには、エッジ抽出部31によって抽出されたエッジデータから、円周上の頂点位置のY軸座標値、及び任意の2点を抽出し、その2点のX、Y軸に関する座標データと半導体ウエハ5の半径により求めることが可能となる。以下にその検出手順について説明する。
【0053】
(第1の位置ずれ量検出方法)
図8は、基準円36と視野28との位置関係を示した説明図である。基準円36は位置検出中の半導体ウエハ5の全体像を擬似的に示したものであり、視野28は撮像カメラ24によって撮像したときの撮像範囲を示していて、視野28の図面視左下地点を原点としている。まず、エッジ抽出処理によって抽出されたエッジ上の任意の地点を2点指定する。指定した2つの地点をここでは地点A、地点Bとし、地点Aの視野28内におけるXY座標を(X1、Y1)、地点BのXY座標を(X2、Y2)とする。次に、視野28のY軸に平行であって地点Aを通過する直線X1と、Y軸に平行であって地点Bを通過する直線X2とを引く。さらに、基準円36の中心点をO1とし、そのXY座標を(a、b)とする。次に、基準円36の中心点O1を通過し視野28のX軸に平行な直線Rを引き、直線Rと直線X1との交点をDとし、直線Rと直線X2との交点をEとする。ここで、交点DのXY座標系における位置は(X1、b)、交点EのXY座標系における位置は(X2、b)となる。この結果、基準円36上には2つの直角三角形αとβが出来ることとなり、この直角三角形α、βの夫々の辺A−O1、B−O1は基準円36の半径rと同一の長さとなる。上記から、直角三角形αについては、
(X1−a)+(Y1−b)=r・・・(1)
という式が成り立ち、直角三角形βについては、
(X2−a)+(Y2−b)=r・・・(2)
という式が成り立つ。
【0054】
さらに、基準円36の中心点O1を通りY軸に平行な直線Uを引き、この直線Uと基準円36のエッジとの視野28内に於ける交点を地点Cとする。この地点Cの視野28内に於けるXY座標を(a、Y3)とする。ここで、基準円36として描かれる半導体ウエハ5は、フィンガ21上に載置されてY軸に平行に画面上方に向かって移動しているので、地点Cは目的地に対して最も近い頂点と言うことが出来る。この地点Cのうち、Y座標であるY3の座標位置は位置検出装置29により検出できる値であるが、X座標であるaについては、不明瞭な撮像しか認識出来ないことから、不明な値となる。地点AのXY座標であるX1、Y1、及び地点BのXY座標であるX2、Y2の値は、位置検出装置29により検出できる値であるので、中心点O1のY座標bは、
b=Y3−r・・・(3)
として算出できる。なお、半径rは搬送時の半導体ウエハ5の半径であるので、既知の値である。
【0055】
次に、中心点O1のX座標aの求め方を以下に説明する。まず、式(1)−式(2)とすると、以下の式となる。
(X1−a)−(X2−a)+(Y1−b)−(Y2−b)=0・・・(4)
この式(4)を展開すると、
X1−X2+Y1−Y2−2(X1−X2)a−2(Y1−Y2)b=0・・・(5)
となり、aを求める計算式に整理すると、
a={X1−X2+Y1−Y2−2(Y1−Y2)b}/2(X1−X2)・・・(6)
となる。前述の通り、a以外の値は既に検出されている座標上の値であるので、上の計算式から中心点O1のX座標の値aは算出することが出来る。ここで求められた基準円36の中心点O1の座標(a、b)は、記憶手段30に送信され、記憶される。
【0056】
基準円36の検出が終了したら、位置検出装置29は、この中心位置O1の座標(a、b)を基準位置として、実際の製造工程で搬送される半導体ウエハ5のエッジを抽出し、ずれ量の検出を行う。この検出を行う時、フィンガ21を動作させる各モータの動作位置は前述の基準円36を抽出した監視位置と同じ位置にしておく必要がある。目的の製造工程で搬送されている半導体ウエハ5から抽出される計測円37の中心位置を検出する方法は、前述の式(1)から式(6)に示された手順と同じ手順に従って行われる。
【0057】
図9は、製造工程において実際に搬送されている半導体ウエハ5を擬似的に示した計測円37と視野28の位置を示した説明図である。計測円37の中心点O2の視野28上におけるXY座標を、ここでは(c、d)とする。ここで、エッジ抽出部31によって抽出された計測円37のエッジと直線X1、X2との交点を地点F、地点Gとし、地点GのXY座標を(X1、Y4)、地点GのXY座標を(X2、Y5)とする。次に、計測円37の中心点O2を通過しX軸に平行な直線R´を引き、ここで、直線R´と直線X1との交点をJとし、直線R´と直線X2との交点をKとする。交点JのXY座標は(X1、d)、交点KのXY座標は(X2、d)となり、この結果、計測円37上には2つの直角三角形γとδが出来ることとなる。この直角三角形γ、δの夫々の辺F−O2、G−O2は計測円37の半径rと同一の長さとなる。上記から、直角三角形γについては、
(X1−c)+(Y4−d)=r・・・(7)
という式が成り立ち、直角三角形βについては、
(X2−c)+(Y5−d)=r・・・(8)
という式が成り立つ。
【0058】
さらに、基準円36と同様に計測円37についても、中心点O2を通りY軸に平行な直線U´と計測円37のエッジとの視野28内に於ける交点を地点Hとし、この地点HのXY座標を(c、Y6)とする。ここで、基準円36と同様に計測円37も、フィンガ21上に載置されてY軸に平行に画面上方に向かって移動しているので、地点Hは目的地に対して最も近い頂点と言うことが出来る。この地点HのY座標であるY6の位置は位置検出装置29により検出できる値である。しかし、X座標であるcについては、不明瞭な撮像しか認識出来ないことから、不明な値となる。また、地点FのXY座標である(X1、Y4)、及び地点GのXY座標である(X2、Y5)の値も位置検出装置29により検出される値であるので、中心点O2のY座標dは、
d=Y6−r・・・(9)
として算出できる。なお、半径rは搬送時の半導体ウエハ5の半径となるので、既知の値である。
【0059】
次に、中心点O2のX座標cの求め方は以下のようになる。式(7)−式(8)とすると、
(X1−c)−(X2−c)+(Y4−d)−(Y5−d)=0・・・(10)
となり、この式(4)を展開すると、
X1−X2+Y4−Y5−2(X1−X2)c−2(Y4−Y5)d=0・・・(11)
となる。この式(11)を、cを求める計算式に整理すると、
c={X1−X2+Y4−Y5−2(Y4−Y5)d}/2(X1−X2)・・・(12)
となる。X座標c以外の値は既に検出されている座標上の値であるので、上の計算式から中心点O2のX座標の値cは算出することが出来る。ここで求められた計測円37の中心点O2の座標(c、d)は、記憶手段30に送信され、記憶される。
【0060】
次に、補正量算出部32は、ここで求められた中心点の座標(c、d)が、基準円36の中心点O1の座標(a、b)に対して、XY座標上でX軸方向及びY軸方向にどれだけずれているかを数値化する。ここで数値化されたずれ量を基に、補正量算出手段32は、位置ずれを打ち消す方向に真空搬送ロボット15のフィンガ21を動作させることが出来るように、駆動源である各駆動モータの回転角度に対する補正量を求める。この補正された各駆動モータの回転角度についでのデータを受け取ったロボット制御部35は補正されたデータに則って真空搬送ロボット15を動作させる。
【0061】
以上が第1の補正量算出方法の説明である。ここで、注意すべき事として半導体ウエハ5に形成されたノッチやオリフラといった位置決めのために形成された切り欠き部分の存在である。前述のとおり、FOUP4に収納され前の工程から運ばれて来た半導体ウエハ5は、EFEM2内に備えられたアライナ10によってノッチやオリフラの位置合わせ処理が行われている。このノッチやオリフラの位置合わせ処理は、全ての半導体ウエハ5のノッチ若しくはオリフラが同じ方向に向くように処理される。このことから、撮像カメラ24は、半導体ウエハ5のノッチやオリフラが存在しない位置に視野28が設定されるように設置しておけばよい。若しくは、たとえ視野28内にノッチが存在したとしても、撮像カメラ24の画像からノッチは抽出することが出来るので、エッジ上の地点を決定する際に、オリフラが存在しない位置に決定すれば良い。
【0062】
(第2の位置ずれ量検出方法)
前述した第1の方法では、基準位置にある半導体ウエハ5(基準円36)の頂点CのY座標Y3と、実際に製造ラインに乗って搬送される半導体ウエハ5(計測円37)の頂点HのY座標Y6を用いて、各中心点O1、O2のX座標a、cを算出していた。次に、各頂点C、HのY座標を用いることなく中心点O1、O2のX座標a、cを算出する方法について説明する。図は第1の補正量算出方法にて用いられた図8図9を使用する。
【0063】
まず、前述の基準円36についての式(5)を、中心点O1のY座標bを求める計算式に整理すると、以下の式(13)となる。
b={−2(X1−X2)a+X1−X2+Y1−Y2}/2(Y1−Y2)・・・(13)
また、同じく前述の計測円37についての式(11)を、中心点O2のY座標dを求める計算式に整理すると、以下の式(14)となる。
d={−2(X1−X2)c+X1−X2+Y4−Y5}/2(Y4−Y5)・・・(14)
ここで、式(13)を式(1)に代入して、展開すると以下の式(15)となる。
【0064】
【数1】
【0065】
次に式(14)を式(7)に代入して、展開すると以下の式(16)となる。
【0066】
【数2】
【0067】
以上の式(15)と式(16)により、エッジ上の地点A、B、F、GのXY座標から、基準円36と計測円37の各中心点O1、O2のX軸座標a、cが算出できる。なお、式(15)、式(16)から算出される値には平方根が存在する。これについては、Y1とY2の値の大小によりプラス若しくはマイナスの数値のどちらを使うかが決定される。すなわち、Y1の値がY2の値よりも小さい場合にはプラスの値を、Y1の値がY2の値よりも大きい場合にはマイナスの値を使うことで、正規の中心点の位置を算出することが出来る。また、Y1とY2の値が同じになってしまった場合には、直線X1若しくはX2を設定し直すことが好ましい。ここで、各中心点O1、O2のY軸座標b、dは上述の式(13)と式(14)により算出することが出来るので、各中心点O1、O2の座標を求めることが出来た。次に、計測円37の基準円36に対するXY座標系についてのずれ量を算出し、このずれ量から真空搬送ロボット15の動作を補正する手順については前述の通りであるので省略する。
【0068】
上記説明した2つの算出方法では、半導体ウエハ5の半径rを既知の値として入力するようにしていたが、次に、半径rの値を必要としない算出方法を説明する。この算出方法によれば、搬送する半導体ウエハ5の半径寸法のバラつきが発生していた場合でも、正確に中心位置、及び補正量を算出することが出来る。図10図11は第3の補正量算出方法の概略を示した説明図である。第1、第2の補正量算出方法では、エッジ抽出処理によって抽出されたエッジ上に任意の地点を2点していたが、この第3の補正量算出方法では、この2点に加え、エッジ上に3点目の任意の点L、Nを指定することとしている。
【0069】
(第3の位置ずれ量検出方法)
以下に第3の補正量算出方法について詳しく説明する。まず基準円36の中心点O1のXY座標(a、b)及び半径rを求める方法について図10を参照して説明する。基準位置に設置された半導体ウエハ5の画像から抽出されたエッジ上に、先に指定した地点A、地点Bに加え、第3の任意の地点を指定する。指定した第3の地点をここでは地点Lとし、地点Lの視野28内におけるXY座標を(X3、Y7)とする。なお、先に指定した地点Aの視野28内におけるXY座標は(X1、Y1)、地点Bの視野28内におけるXY座標は(X2、Y2)である。次に、地点Aを通過し視野28のY軸に平行な直線X1と、地点Bを通過し視野28のY軸に平行な直線X2、地点Lを通過し視野28のY軸に平行な直線X3を引く。基準円36の中心点をO1とし、そのXY座標を(a、b)とすることは前述の方法と同じである。
【0070】
次に、上記説明と同様に直線Rと直線X1との交点をDとし、直線Rと直線X2との交点をE、直線Rと直線X3との交点をMとすると、各交点D、E、MのXY座標はそれぞれ(X1、b)、(X2、b)、(X3、b)となる。この結果、基準円36上に3つの直角三角形α、β、εが出来ることとなり、ここで直角三角形εの辺L−O1も基準円36の半径rと同一の長さとなる。上記から、直角三角形αについては式(1)、βについては式(2)、εについては、
(X3−a)+(Y7−b)=r・・・(17)
という式が成り立つ。
【0071】
ここで、直角三角形α、βの関係式から、式(1)−式(2)として展開すると式(5)となり、直角三角形α、εの関係式から、式(1)−式(17)として展開すると、
X1−X3+Y1−Y7−2(X1−X3)a−2(Y1−Y7)b=0・・・(18)
式(18)となる。ここで、式(5)と式(18)からaとbとを求める一次方程式に整理することで、式(19)、式(20)となり、中心点O1のXY座標(a、b)を求めることが出来る。また、XY座標(a、b)が求められれば、例えば式(17)から、基準円36の半径rも求めることが出来る。
【0072】
【数3】
【0073】
次に、図11を参照して、計測円37の中心点O2のXY座標(c、d)を求める計算式を作成する。図11図9に第3の直線X3を追加した説明図である。ここでも図10に示した基準円36と同様に、第3の直線X3と計測円37のエッジとの交わる地点を地点Nとし、この地点NのXY座標系における位置を(X3、Y8)とする。次に、計測円37の中心点O2を通過し視野28のX軸に平行な直線R´と直線X1との交点をJとし、直線R´と直線X2との交点をK、直線R´と直線X3との交点をPとすると、各交点J、K、PのXY座標はそれぞれ(X1、d)、(X2、d)、(X3、d)となる。この結果、計測円37上に3つの直角三角形γ、δ、Ζが出来ることとなり、ここで直角三角形Ζの辺N−O2も計測円37の半径rと同一の長さとなる。上記から、直角三角形γについては式(7)、δについては式(8)、Ζについては、
(X3−c)+(Y8−d)=r・・・(21)
という式が成り立つ。
【0074】
ここで、上記の式から、式(7)−式(8)として展開すると式(22)となり、式(8)−式(21)として展開すると式(23)となる。
X1−X2+Y4−Y5−2(X1−X2)c−2(Y4−Y5)d=0・・・(22)
X2−X3+Y5−Y8−2(X2−X3)c−2(Y5−Y8)d=0・・・(23)
ここで、前述した基準円36で行った計算と同様の計算を行うことで、式(24)、式(25)となり、計測円37の中心点O2のXY座標(c、d)を求めることが出来る。また、このXY座標(c、d)が求められれば、計測円37の半径rも例えば式(21)から求めることが出来る。
【0075】
【数4】
【数5】
【0076】
製造ライン上を搬送される半導体ウエハ5のX軸及びY軸方向についての位置ずれ量Ax、Ayは、X軸方向については、計測円37の中心点のX座標であるcから基準円36の中心点のX軸座標であるaを引くことで求められ、Y軸方向については、計測円37の中心点のY座標であるdから基準円36の中心点のY軸座標であるbを引くことで求められる。ここで求められたX軸Y軸方向についての位置ずれ量を基に、補正量算出部32は位置ずれを打ち消す方向に真空搬送ロボット15のフィンガ21を補正動作させることが出来るように、駆動源である各駆動モータの回転角度に対する補正量を求める。この補正された各駆動モータの回転角度についでのデータを受け取ったロボット制御部35は補正されたデータに則って真空搬送ロボット15を動作させる。さらに、この第3の補正量算出方法では、各半導体ウエハ5の半径の僅かな差も算出できるので、基準円36の円周上の点を基準位置として定め、この点に対しての補正量を算出することも出来る。
【0077】
(第4の位置ずれ量検出方法)
前述の方法以外にも、視野28内のエッジ上の3点から円の中心位置を求める方法として、円周上の3点から2点を選び、その2点を結ぶ直線を2本引き、その2本の直線についてそれぞれの垂直二等分線の交点が円の中心点と一致することから、求める方法もある。図12は基準円36上の3つの地点A、B、Lのうち2つの地点AとB、BとLを結ぶ直線についての垂直二等分線を示した説明図である。なお、基準円36、計測円37に関する各地点や直線について同一のものには、同一の符号を付与している。ここで、地点AとBを結ぶ直線A−Bの垂直二等分線をSとし、直線A−BとSとの交わる点をsとする。また、地点BとLを結ぶ直線B−Lの垂直二等分線をTとし、直線B−LとTとの交わる点をtとする。なお、直線A−B、B−Lの傾き角度、及び中点は座標検出部41により検出される。この直線A−B、B−Lの傾きが検出されることで、この直線A−B、B−Lに直交する垂直二等分線SとTの傾き角度も検出可能である。ここで、垂直二等分線SとTとの交点は基準円36の中心点O1となる。
【0078】
次に、点s及び点tの座標をそれぞれ(X5、Y9)、(X6、Y10)とし、中心点O1を通るX方向の座標軸に平行な直線Rから直線S、Tまでの角度をそれぞれθ、θとすると、
Y9−b=(X5−a)tanθ ・・・(26)
Y10−b=(X6−a)tanθ ・・・(27)
となり、bを消去するために式(26)−式(27)とすると、
Y9−Y10=X5tanθ−X6tanθ−atanθ+atanθ・・・(28)
となり、中心点O1のX座標aは、以下の式(29)で求められる。
a=(Y9−Y10−X5tanθ+X6tanθ)/(tanθ−tanθ)・・・(29)
また、bについては、たとえば式(26)から以下の式(30)で求められる。
b=Y9−(X5−a)tanθ ・・・(30)
中心点O1の座標(a、b)が求められたので、基準円36の半径rは式(1)、(2)、(15)のうちのいずれかで求めることが出来る。
【0079】
以上が、基準円36の中心座標(a、b)を求める第4の位置ずれ量検出方法の説明となる。計測円37の中心座標(c、d)や半径rについても前述した方法を使って各座標と角度を代入することで求めることが出来るので、ずれ量は簡単に求めることが出来る。なお、円周上の3点から中心位置を求める方法は、前述した方法以外にも、例えば行列を使った計算方法等、既知の算出方法があることは言うまでもない。
【0080】
また、場合によっては、半導体ウエハ5に形成されているノッチが前述した3本の直線X1、X2、X3のいずれかに位置することも考えられる。その場合には、ノッチが位置している直線についての座標は除外して、前述した2本の直線X1、X2を使った中心位置の求め方によって中心を求めることとしてもよい。さらに、直線を4本用いて、中心位置を算出し夫々の交点から中心位置を算出し、導き出された結果から適切なものを中心位置として採用することしても良い。また、各直線間の距離をノッチの幅寸法よりも大きくして配置すれば、ノッチが直線2本に跨って存在することを防止することができ、正確な中心位置の算出が可能となる。さらに、エッジ抽出部31や補正量算出部32にノッチの検出する機能を追加し、ノッチの存在しない位置に直線を引くようにすることも、既存の技術を使えば十分可能である。
【0081】
以上、1台の撮像カメラ24により撮像された画像データから半導体ウエハ5の中心位置を算出する方法及び位置検出装置について説明してきたが、更に、本発明の位置検出装置29に新たに照明装置42を追加して、撮像カメラ24が配置されている方向から半導体ウエハ5の表面に光を照射し、半導体ウエハ5の表面に記されたウエハマーク43やアライメントマーク44を検出することも可能である。ウエハマーク43とは、レーザー等を用いて半導体ウエハ5上に形成される個別の識別記号であり、各処理工程にてウエハマーク43を読み取ることで、その半導体ウエハ5の工程管理を行うためのものである。アライメントマーク44とは、各処理工程中に半導体ウエハ5の円周方向の向きを合わせるための目印で、ウエハマーク43と同様、レーザー等により半導体ウエハ5表面に形成される。
【0082】
図13は新たに照明装置42を追加した位置検出装置29の図であり、図14は撮像されたウエハマーク43とアライメントマーク44の概略を示した図である。照明装置42は搬送室16の透過照明装置27の配置された面に対向する面の撮像カメラ24の近傍に、上側のビューポート23を介して半導体ウエハ5の表面を上方から照らすことが可能になるように取り付けられている。照明装置42により照らされたウエハマーク43は撮像カメラ24により撮像され、撮像された画像データは不図示の読取手段により文字コード化されて記憶手段30に記憶される。ここで記憶されたデータは半導体ウエハ5の製造工程を管理する不図示のコンピュータに送信される。
【0083】
また、照明装置42により照らされたアライメントマーク44は、撮像カメラ24により撮像された後、位置検出装置29の記憶手段30に送信され記憶される。記憶されたアライメントマーク44の画像データは、不図示のアライメントマーク座標検出部にて視野28内における座標データへと変換され、記憶手段30に予め記憶されている設計上の最も適切なアライメントマーク44の座標データと比較されて、撮像された半導体ウエハ5の円周方向の位置ずれ量が算出される。なお、このウエハマーク43やアライメントマーク44を読み取る際は、搬送室16の下側に配置された透過照明装置27からの光の照射は中断することが望ましい。
【0084】
以上、本発明を実施例に基づき説明してきたが、上記実施例では真空搬送ロボット15に載置された半導体ウエハ5の位置ずれ検出やウエハマーク43、アライメントマーク44の検出を行っているが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。例えば、大気搬送ロボット9に保持された半導体ウエハ5にも本発明は適用可能である。さらに、半導体ウエハ5以外にも、円盤状のワークであれば本実施例にて開示された方法によって、位置ずれ検出やウエハマーク43、アライメントマーク44の検出を行うことが可能である。
図1
図2
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図5
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図11
図12
図13
図14