特許第6113820号(P6113820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6113820
(24)【登録日】2017年3月24日
(45)【発行日】2017年4月12日
(54)【発明の名称】船舶推進装置の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B63J 99/00 20090101AFI20170403BHJP
   B63J 3/04 20060101ALI20170403BHJP
   B63H 21/17 20060101ALI20170403BHJP
   B63H 23/24 20060101ALI20170403BHJP
   H02P 9/04 20060101ALI20170403BHJP
【FI】
   B63J99/00 A
   B63J3/04
   B63H21/17
   B63H23/24
   H02P9/04 N
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-247518(P2015-247518)
(22)【出願日】2015年12月18日
(62)【分割の表示】特願2015-226851(P2015-226851)の分割
【原出願日】2012年2月13日
(65)【公開番号】特開2016-94193(P2016-94193A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2015年12月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】503116899
【氏名又は名称】新潟原動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】古寺 正識
(72)【発明者】
【氏名】竹居 浩二
(72)【発明者】
【氏名】田代 信治
(72)【発明者】
【氏名】白石 浩一
(72)【発明者】
【氏名】樋口 和尚
(72)【発明者】
【氏名】山田 哲史
【審査官】 佐々木 芳枝
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−070293(JP,A)
【文献】 特開2000−069605(JP,A)
【文献】 特開平03−023083(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63J 99/00
B63H 21/17
B63H 23/24
B63J 3/04
H02P 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロペラを駆動するモータと、船内負荷と前記モータに電力を供給する交流発電機と、前記モータに電力を供給する異なる電源とを備えた舶用推進装置に設けられ、前記モータに供給される電力を制御する舶用推進装置の制御装置において、
前記交流発電機の交流を直流に整流して前記モータに電力を供給するとともに前記異なる電源がカソード側に接続されたサイリスタと、
前記サイリスタのアノード側に設けられて前記サイリスタの入力電流を検出する電流センサとを有し、
前記電流センサが検出した入力電流が増加した時には前記サイリスタの点弧角を大きくし、前記電流センサが検出した入力電流が減少した時には前記サイリスタの点弧角を小さくするスロープ制御を行なうコントローラを備えたことを特徴とする舶用推進装置の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータを備えた舶用推進装置に係り、特に船内発電機と例えばバッテリ等の異なる電源からの供給電力の混合比調整を安定してできる舶用推進装置の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
係る舶用推進装置においては、一般に、船内負荷とモータに電力を供給する交流発電機である船内発電機と、船内発電機からの交流を直流に変換した直流電源装置と、バッテリ等の直流電源装置がモータへ電力を供給するのを制御するコントローラ等から構成された電力供給系統を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平成5−56631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような舶用推進装置には、前記電力供給系統に関して次のような問題があった。
供給電力の混合比調整の問題
前述した舶用推進装置では、電力供給系統の電源として、前記船内発電機の他に異なる電源としてバッテリを備えている場合が多く、これら船内発電機とバッテリから安定した出力を得るために、供給される電力の混合比の調整を行なう必要があった。従来は、PWMコンバータで電力調整を行なっていたが、このPWMコンバータはエネルギ変換効率が良好とはいえず、寸法も大きく、価格も高いという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点を解決することを目的としており、モータを備えた舶用推進装置の制御装置において、船内発電機と異なる電源であるバッテリとからの供給電力の混合比調整を効果的に解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された舶用推進装置の制御装置は、
プロペラを駆動するモータと、船内負荷と前記モータに電力を供給する交流発電機と、前記モータに電力を供給する異なる電源とを備えた舶用推進装置に設けられ、前記モータに供給される電力を制御する舶用推進装置の制御装置において、
前記交流発電機の交流を直流に整流して前記モータに電力を供給するとともに前記異なる電源がカソード側に接続されたサイリスタと、
前記サイリスタのアノード側に設けられて前記サイリスタの入力電流を検出する電流センサとを有し、
前記電流センサが検出した入力電流が増加した時には前記サイリスタの点弧角を大きくし、前記電流センサが検出した入力電流が減少した時には前記サイリスタの点弧角を小さくするスロープ制御を行なうコントローラを備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載された舶用推進装置の制御装置によれば、電流センサが検出した入力電流が増加するとサイリスタの点弧角を大きくし、電流センサが検出した入力電流が減少するとサイリスタの点弧角を小さくするスロープ制御をコントローラが行なう。従って、本制御装置が交流発電機以外にバッテリ等の異なる電源有している場合に、両電源の電力の混合比の調整を適切に行なうことができ、安定した合成出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る舶用推進装置と制御装置の構成示す機能ブロック図である。
図2】実施形態の制御装置に利用されるサイリスタの点弧角と通電時間の関係を示す図である。
図3】実施形態の制御装置に利用されるサイリスタの点弧角と出力電圧の関係を示す図である。
図4】実施形態の制御装置における電源投入時の突入電流防止制御を示す流れ図である。
図5】実施形態の制御装置におけるサイリスタによる電力制御を示す流れ図である。
図6】実施形態の制御装置の電力制御における交流発電機の過負荷判定の手順を示す流れ図である。
図7】実施形態の制御装置に利用されるサイリスタの入力電流と出力電圧の関係を示す図である。
図8】実施形態の制御装置の適用対象例であるハイブリッド舶用推進装置としてのアジマススラスターの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係るハイブリッドタイプの舶用推進装置1とその制御装置2について図1乃至図7を参照して説明する。
まず、舶用推進装置1とその制御装置2の構成を図1乃至図3を参照して説明する。
図1に示すように、舶用推進装置1は、詳細は図示しない連動機構を介してアジマススラスター3のプロペラ4を駆動するモータ5と、クラッチ6及び連動機構を介してプロペラ4を駆動する主機関7と、船内負荷とモータ5に交流電流を供給する交流発電機8とを備えている。以上の構成によれば、クラッチ6を離脱させてモータ5単独で行なうモータ推進と、クラッチ6を嵌合させた状態で主機関7単独で行なう主機関7推進と、クラッチ6を嵌合させた状態で行う主機関7及びモータ5によるハイブリッド推進とを任意に切り替えて船舶を推進させることができる。なお、主機関推進の場合はモータ5は発電機として駆動されることとしてもよい。なお、この主機関7、モータ5、アジマススラスター3及びクラッチ6等の機構は一例であり、モータ5と主機関7の各単独推進及びハイブリッド推進が任意に選択可能な構造であればこれに限定されるものではない。
【0010】
図1に示すように、前記舶用推進装置には、舶用推進装置の各部を制御する制御装置2が設けられている。
交流発電機8の出力側には、交流を直流に整流するための半導体素子であるサイリスタ9のアノード側が接続されている。ここでサイリスタ9 (Thyristor)とは、主にゲートからカソードへゲート電流を流すことにより、アノードとカソード間を導通させることが出来る3端子の半導体素子であって、SCR (Silicon Controlled Rectifier、シリコン制御整流子)とも呼ばれている。サイリスタ9はコントローラ10によって点弧角が任意に調整できるようになっており、図2に示すように、点弧角を変えることによってサイリスタ9に入力された交流電流を整流し、サイリスタ9から出力する直流電流の値を任意に調整することができる。例えば、点弧角を180度にした場合にはサイリスタ9から出力される電圧値をほぼ0にすることができ、点弧角を0度にした場合にはサイリスタ9はダイオードと等価となり、ほぼ損失なく直流電圧を出力することができる。従って、サイリスタ9の点弧角と出力電圧の間には図3に示すような関係が成立する。
【0011】
図1に示すように、サイリスタ9のカソード側には、サイリスタ9が出力する電力波形を平滑にする手段として平滑コンデンサ11がグラウンドとの間に接続されている。さらにサイリスタ9のカソード側とモータ5との間には制御用のインバータ12が接続されてコントローラ10に制御されるようになっている。このインバータ12は双方向タイプであり、コントローラ10に制御される電圧変換器13を介してバッテリ14とも接続されている。従って、モータ推進時には、コントローラ10の制御を受けたインバータ12によって、サイリスタ9とバッテリ14から供給される直流でモータ5が駆動される。また、主機関推進時には、発電機として駆動されているモータ5からの交流がインバータ12で直流に変換されてバッテリ14に蓄電される。
【0012】
図1に示すように、交流発電機8の出力側には電力負荷率センサ15が接続されており、船内負荷(航海機器や電動ポンプ等)によって消費される電力と、モータ5で消費される電力の合計(総消費電力)を検出することができる。この電力負荷率センサ15の検出信号はコントローラ10に送られ、コントローラ10はこの総消費電力が所定の制限値を越えた場合に、サイリスタ9の点弧角を180度にしてモータ5に供給される電力を減少させる電力制御を行なうように構成されている。
【0013】
図1に示すように、電力負荷率センサ15とサイリスタ9のアノード側の間には、電流センサ16が設けられている。サイリスタ9からの電力とバッテリ14からの電力の合流点とインバータ12との間には、サイリスタ9からの電流とバッテリ14からの電流の合成の電圧を検出する電圧センサ17が設けられている。電流センサ16及び電圧センサ17からの各検出信号は、いずれもコントローラ10に送られるようになっている。コントローラ10は、電力負荷率センサ15が検出した消費電力が所定の制限値を越えない場合には、電圧センサ17が検出した合成電圧を参照しながら、電流センサ16が検出した入力電流が増加した場合にはサイリスタ9の点弧角を大きくし、電流センサ16が検出した入力電流が減少した場合にはサイリスタ9の点弧角を小さくし、両電源の電力の混合比の調整を適切に設定して安定した合成出力を得るスロープ制御を行なうように構成されている。
【0014】
図1に示す制御装置2では、平滑コンデンサ11の電圧は電圧センサ17によって検出される。コントローラ10は、電源投入時に平滑コンデンサ11に流入する突入電流を制限するため、電源投入時にはサイリスタ9の点弧角をランプ関数によって180度から0度になるまで徐々に減少させ、サイリスタ9の出力電圧を徐々に上昇させていく突入電流防止制御を行なう。そして、電圧センサ17が検出する平滑コンデンサ11の電圧が所定の設定値を越えた場合には、平滑コンデンサ11への充電が完了したものと判断して前述した電力制御を行ない、平滑コンデンサ11の電圧が所定の設定値を越えない場合には、平滑コンデンサ11の充電異常と判断するようになっている。
【0015】
コントローラ10は、以上説明したようにモータ5の制御を行なうだけでなく、クラッチ6及び主機関7にも接続されていて、これらを制御するように構成されており、図示しない操縦手段からの操縦信号を受けて前述したようにモータ推進と、主機関推進と、ハイブリッド推進を任意に切り替えて船舶を推進させることができる。
【0016】
次に、制御装置2のコントローラ10による舶用推進装置1の制御手順を図4乃至図7を参照して説明する。
図4は実施形態の制御装置2における電源投入時の突入電流防止制御の手順を示している。最初に電源が投入されると、まずリセット操作を行なう(S41)。次にサイリスタ9の点弧角を180度にして平滑コンデンサ11への突入電流を防止し(S42)、その後、サイリスタ9の点弧角をランプ関数によって180度から0度まで徐々に減少させてサイリスタ9の出力電圧を徐々に上げていく(S43)。これによって、平滑コンデンサ11に突入電流が流入することなく、コンデンサに充電が行なわれる。そして、コンデンサの充電状態を確認するため、コンデンサの電圧が所定の設定値以下か否かが判断され(S44)、設定値以下である場合(S44、YES)には、コンデンサ充電異常処理が行なわれて(S45)処理が終了される(S46)。また、設定値以下でない場合(S44、NO)には、コンデンサへの充電が完了したと判定され(S47)、コンデンサの充電完了(S48)を受けて通常処理(S49)に移行する。
【0017】
図5は実施形態の制御装置2におけるサイリスタ9を用いた通常処理(S49)である電力制御の手順を示している。通常処理(S49)においては、まず電力負荷率判断処理(図6の判断手順)が行なわれる。
【0018】
図6は実施形態の制御装置2の電力制御における交流発電機8の過負荷判定の手順を示している。電力負荷率センサ15からの検出信号により、船内消費電力とモータ5消費電力の合計が所定の制限値以上であるか否かが判断される(S61)。船内消費電力とモータ5消費電力の合計が所定の制限値以上である場合(S61、YES)には、交流発電機8が過負荷状態にあり(S62)、交流発電機8が停止する危険性がある状態である。
【0019】
ここで、制御の手順は図5に戻り、交流発電機8が過負荷状態か否かの判断(S52)は、図6の制御手順での判断を受けてYESとなり、サイリスタ9の点弧角を180度に設定する(S53)。これによって、図3から分かるように、サイリスタ9の出力電圧は0Vになり、モータ5に供給される電力が絞られて交流発電機8の過負荷状態が改善される。これにより、ブラックアウト(船内発電機の停止)の発生が回避される。
【0020】
図6に示す交流発電機8の過負荷判定の手順において、船内消費電力とモータ5消費電力の合計が所定の制限値以上でない場合(S61、NO)には、交流発電機8の負荷は通常負荷状態である(S63)。
【0021】
ここで、制御の手順は図5に戻り、交流発電機8が過負荷状態か否かの判断(S52)は、図6の制御手順での判断を受けてNOとなり、スロープ制御が行なわれる(S54)。すなわち、電流センサ16からの検出信号と、電圧センサ17からの検出信号を元に判断を行い、電流センサ16が検出した入力電流が増加した場合にはサイリスタ9の点弧角を大きくし、サイリスタ9の出力電圧を図7のグラフに示すように降下させる。また、電流センサ16が検出した入力電流が減少した場合にはサイリスタ9の点弧角を小さくし、サイリスタ9の出力電圧を図7のグラフに示すように増加させる。これによって交流発電機8とバッテリ14の電力の混合比が適切に調整されて安定した合成出力が得られる。このような制御をスロープ制御と呼ぶ。
【0022】
以上説明したように、本実施形態によればブラックアウト防止のためにブレーカ等の機器が不要となり、制御盤のサイズを小さくでき、コストを下げることができる。また、サイリスタ9に流れる電流をモニターしているため、平滑コンデンサ11の容量を異なるのに変更した場合であっても、コントローラ10のパラメータの変更だけで対応することが可能であり、また突入電流を防止するための回路を別途設ける必要もない。さらに、サイリスタ9の点弧角を制御することによってサイリスタ9の入力電流と出力電圧の関係を図7に示すように変化させることができ、この関係を利用して制御を行なうことで異なる電源(実施形態では交流発電機8とバッテリ14)を突き合わせた場合でも電圧を安定させることができる。
【0023】
以上説明した実施形態に係る舶用推進装置の制御装置は、プロペラを駆動するモータと、クラッチを介してプロペラを駆動する主機関と、船内負荷とモータに交流電流を供給する交流発電機を備え、モータ推進とハイブリッド推進を切り替えて船舶を推進させる舶用推進装置に適用されるものであるが、その駆動系統の機構は図1に示したものに留まらず、あらゆる構造の舶用推進装置に適用されるものであって、例えば所謂アジマススラスタータイプのハイブリッド舶用推進装置に対しても好適に適用できる。
【0024】
そこで、実施形態の制御装置の適用対象の他の例として、アジマススラスタータイプのハイブリッド舶用推進装置の一例を図8を参照して説明する。
図8に示す舶用推進装置は、動力を伝達する垂直軸を中心に水平なプロペラ軸を旋回させて推進方向を設定するアジマススラスターであり、特にアジマススラスターの水平な入力軸の両端に、主機関とモータジェネレータをそれぞれ連結することにより、モータジェネレータ単体での推進と、主機関単体での推進と、主機関の出力にモータジェネレータによるアシストを加えたハイブリッド推進を可能としたものである。
【0025】
図8に示すように、この舶用推進装置50を搭載した船舶51の船尾には、舶用推進装置50のアジマススラスター52の基台部となる台床53が、その底部に固定されている。この台床53の上面側にはギアケース54が取り付けられており、このギアケース54の内部には、主機関55に接続されて駆動力を伝達する水平な伝達軸56と、伝達軸56が入力側に接続されたクラッチ57と、クラッチ57の出力側に一端側が接続された水平な入力軸58と、入力軸58の略中央部分に設けられた第1の変向機構である上部ベベルギア59が収納されている。
【0026】
さらに図8に示すように、台床53の下面側には、船舶51の下方で旋回可能となるようにストラット58とケーシング59が取り付けられている。ストラット58及びケーシング59は図示しない旋回駆動機構で旋回させることができる。そして、台床53の上面に設けられたギアケース54中の前記上部ベベルギア59には、垂直軸60の一端側(上端側)が連結されており、この垂直軸60は台床53及び船舶51の船底を貫通してストラット58及びケーシング59内に配設されている。そして、前記垂直軸60の他端側(下端側)には、第2の変向機構である下部べベルギア61を介して水平なプロペラ軸62の一端側が連結されている。このプロペラ軸62の他端側はケーシング59の外に突出しており、ケーシング59の外に突出したプロペラ軸62の他端側にはプロペラ63が取り付けられている。プロペラ63は固定ピッチプロペラである。なお、ケーシング59にはプロペラ63を囲んで略円筒形のダクト64が取り付けられている。
【0027】
さらに図1に示すように、電力を与えられた場合にはモータとして働き、外力を受けて駆動された場合にはジェネレータ(発電機)として電力を発生するモータジェネレータ65が、前記台床53の上面側に台床53と一体に取り付けられている。このモータジェネレータ65は、カップリングを介して入力軸58の他端側に直接接続されている。
【0028】
この舶用推進装置50によれば、クラッチ57を脱離状態とし、モータジェネレータ65をモータとして駆動することによりプロペラ63を駆動して船舶51を推進するモータ推進を行なうことができ、さらに、クラッチ57を接続状態とし、主機関55による駆動を行いつつモータジェネレータ65をモータ又は発電機として使用するハイブリッド推進を行なうことができる。なお、いずれの推進形態においても、垂直軸60を中心としてプロペラ軸62及びプロペラ63が設けられたケーシング59を旋回させることにより、船舶51の推進方向を任意に設定することができる。
【0029】
このハイブリッド推進システムでは、モータジェネレータ65をモータとして使用することにより、主機関55とモータ双方の出力を利用することができるため、主機関55は従来型推進システムよりも小出力でよい。また、主機関55の出力を従来型推進システムよりも小出力とすれば、主機関55からの出力が加わる伝達軸56等の外径をより小さくすることが可能となるため、製造コストを低減させることができる。
【符号の説明】
【0030】
1,50…船舶推進装置
2…制御装置
3…アジマススラスター
4…プロペラ
5…モータ
6…クラッチ
7…主機関
8…交流発電機
9…サイリスタ
10…コントローラ
11…平滑コンデンサ
12…インバータ
14…バッテリ
15…電力負荷率センサ
16…電流センサ
17…電圧センサ
51…船舶
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8